JP3877851B2 - 電磁式弁駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁式弁駆動装置に関し、特に閉弁時における駆動騒音を低減するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁式弁駆動装置は内燃機関の吸気弁等の弁の開閉を電磁駆動により行うもので、バルブと一体に直線動するアーマチャを有し、閉弁方向にアーマチャを付勢する閉弁側のバネと、弁の開弁方向にアーマチャを付勢する開弁側のバネとにより、バルブを中立位置に保持できるように構成されている。バルブの開閉は、上記アーマチャを閉弁方向に吸引する閉弁用のソレノイドと、上記アーマチャを開弁方向に吸引する開弁用のソレノイドとにより行われる。
【0003】
図6は閉弁時のタイムチャートで、ソレノイドのオンオフのタイミング(A)、リフト方向のバルブ位置(B)、バルブ速度(C)を示している。バルブを開弁状態から閉弁させるには、開弁用のソレノイドの通電を停止し、ばね力によりバルブを閉弁方向に移動せしめる。次いで閉弁用ソレノイドに通電することにより、アーマチャが閉弁用のソレノイドに吸引されてバルブが着座する。
【0004】
かかる電磁式弁駆動装置においては、ソレノイドの吸引力で比較的速い速度を保ったままバルブが着座し、着座する時の衝撃で、着座時に振動および騒音を生じるおそれがある。また、衝撃を伴う開閉作動を繰り返すことにより、弁の耐久性が低下するおそれがある。
【0005】
特開平8−135416号公報には、かかる構成の装置において、閉弁時に閉弁用のソレノイドをオンした後、バルブが着座する手前で開弁用のソレノイドをオンする(図6中に破線で図示)ことでアーマチャに開弁方向の付勢力を作用せしめ着座時の衝撃緩和を図ったものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしアーマチャがソレノイドから受ける吸引力は、アーマチャとソレノイド間距離が大きいと小さい。上記特開平8−135416号公報に記載の電磁式弁駆動装置では、バルブが着座する手前で開弁用のソレノイドからアーマチャが受ける吸引力は、バルブを減速せしめるに十分なものではなく、必ずしも着座時の衝撃緩和効果は十分ではない。
【0007】
そこで本発明は、バルブ着座時の振動および騒音を防止し、また弁の耐久性を向上して信頼性に優れた電磁式弁駆動装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、電磁式弁駆動装置は、バルブとアーマチャとがロッドを介して一体化して閉弁方向または開弁方向に移動する。上記バルブには閉弁側のバネが閉弁方向に、開弁側のバネが開弁方向に付勢する。閉弁用のソレノイドは、上記アーマチャの一方の端面側に所定間隔をおいて設けられ上記アーマチャを吸引して上記バルブの閉弁を保持し、開弁用ソレノイドは、上記アーマチャの他方の端面側に所定間隔をおいて設けられ上記アーマチャを吸引して上記バルブの開弁を保持する。これら開弁用ソレノイドおよび閉弁用ソレノイドを通電制御する通電制御手段を備えている。該通電制御手段には、ソレノイドの通電時期を決定する通電時期決定手段を具備せしめる。該通電時期決定手段は、上記バルブの閉弁時に、上記閉弁用のソレノイドの通電開始から上記バルブが着座するまでの間に閉弁用のソレノイドの通電を一時的にオフするオフ期間を設定し、該オフ期間の終了時点をバルブ速度がゼロとなった時点として、上記オフ期間の終了後に閉弁用のソレノイドの通電を再びオンする設定とする。
【0009】
かかる構成とすることにより、オフ期間にはアーマチャに閉弁側のソレノイドの吸引力が作用せず、バネのばね力によりバルブが十分に減速されて滑らかに着座し、着座時のバルブの衝撃が効果的に緩和される。しかして着座する際の振動や騒音の発生が大幅に低減するとともに、バルブの耐久性が向上する。
【0010】
請求項2記載の発明では、上記通電制御手段には、上記バルブのリフト方向の位置を検出するバルブ位置検出手段を具備せしめ、かつ上記通電時期決定手段は、バルブ位置検出手段により検出されたバルブ位置が予め設定した位置になると閉弁用のソレノイドへの通電のオンオフを切替える構成とする。
【0011】
閉弁用のソレノイドへの通電のオンオフの切替えがバルブ位置検出手段により検出されたバルブ位置に基づいて行われるので、バルブを滑らかに着座せしめる効果が一定して得られる。
【0012】
請求項3記載の発明では、通電制御手段には、上記バルブのリフト方向の速度を検出するバルブ速度検出手段を具備せしめ、上記通電時期決定手段を、バルブ速度検出手段により検出されたバルブの速度が略0になると上記オフ期間を終了するように設定する。
【0013】
バルブ速度が略0になってから閉弁用のソレノイドがアーマチャを吸引するので着座時のバルブ速度は低く抑えられる。
【0014】
請求項4記載の発明では、上記通電制御手段にはさらにバルブのリフト方向の位置を検出するバルブ位置検出手段を具備せしめ、かつ上記通電時期決定手段を、バルブ速度が略0となった時のバルブ位置と着座位置との偏差に応じて以後の閉弁時における上記オフ期間の開始時期を遅延側へ補正するように設定する。
【0015】
バルブ速度が略0となった時のバルブ位置と着座位置との偏差に応じてオフ期間の開始時期が遅れ、バルブ速度が略0となるバルブ位置が着座位置側へ移動する。しかして着座位置におけるバルブ速度がより減速される。
【0016】
請求項5記載の発明では、上記通電時期決定手段を、バルブ速度が略0となった時のバルブ位置が予め設定したバルブ位置よりも着座位置側の時、当該閉弁時におけるオフ期間により以後のオフ期間を固定するように設定する。
【0017】
バルブ速度が略0となった時のバルブ位置が予め設定したバルブ位置よりも着座位置側になれば、当該閉弁時におけるオフ期間はバルブが滑らかに着座可能と判断する。かかる最適なオフ期間により以後のオフ期間が固定されるから、以後、一定してきわめて滑らかに着座する。
【0018】
請求項6記載の発明では、上記バネを、上記バルブの着座手前で、付勢力が増大する構成とする。
【0019】
かかる構成とすることにより、上記バルブの着座手前でバルブの減速力が高められバルブ速度が略0となる時間が長くなる。しかしてオフ期間の終了のタイミングがさ程厳密でなくともよいことになり、ソレノイドへの通電制御負担が軽減され、通電時期決定手段として簡単な構成のものが用いられ得る。
【0020】
バネの付勢力が上記バルブの着座手前で増大する構成としては、請求項7記載の発明のように、上記バネを、長短長さの異なる2つのバネで構成し、短いバネを、一端を自由端とするとともに長さを上記バルブのストローク端手前で圧縮が開始する長さとすることで、上記バルブの着座手前でばね定数が実質的に大きくなるようにする。あるいは請求項8記載の発明のように、上記バネを、直列に接続されたばね定数の異なる2つのバネで構成することで、ばね定数の小さいバネが圧縮しきった後、ばね定数の大きいスプリングが圧縮するようにする。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明の電磁式弁駆動装置の一実施の形態を示したものであり、以下、これに基づいて説明する。公知のエンジンヘッド1には吸気口11が設けられており、この吸気口11を開閉する吸気弁としてのバルブ2が配設されている。バルブ2は、吸気口11端に形成されるバルブシート11aと弁部を構成して吸気口11を閉鎖する弁体21とその上方に延びるステム22からなり、ステム22は、エンジンヘッド1に圧入固定された筒状ガイド部材12内に上下方向に摺動自在に挿通保持されている。
【0022】
ガイド部材12上方のエンジンヘッド1内には、ステム22の上端部外周に設けたスプリングストッパ33との間に、閉弁側のバネたる第1のスプリング41が配設されており、バルブ1を閉弁方向(図の上方)に付勢している。エンジンヘッド1の上面には、上端が閉鎖し下端が開口する筒状ハウジング71が固定され、ステム22の上端部は、ハウジング71内に摺動自在に収容されるロッドたる第1のプッシュロッド31の下端部に当接している。プッシュロッド31の外周には、バルブ2を開弁作動しその状態を保持する開弁用のソレノイドたる第1のソレノイド61が配設されている。
【0023】
第1のプッシュロッド31の上端部外周には、磁性体よりなる円盤状のアーマチャ4が固定してあり、アーマチャ4の下面は、所定間隔をおいて第1のソレノイド61の上面と対向している。第1のプッシュロッド31上方のハウジング71内には、第2のプッシュロッド32が摺動自在に収容され、第1のプッシュロッド31の上端部は、この第2のプッシュロッド32の下端部に当接している。プッシュロッド32の外周には、バルブ2を閉弁作動しその状態を保持する閉弁用のソレノイドたる第2のソレノイド62が配設されている。アーマチャ4の上面は、所定間隔をおいてソレノイド62の下面と対向している。両プッシュロッド31、32は、バルブ2のステム22と同軸上に配置されている。
【0024】
第2のプッシュロッド32の外周には、スプリングストッパ34が設けられ、スプリングストッパ34とハウジング71の間には、バルブ1を開弁方向(図の下方)に付勢する開弁側のバネたる第2のスプリング52が配設されている。ここで、両スプリング51,52のばね力は等しく設定される。このため、第1のソレノイド61または第2のソレノイド62のいずれにも通電しない図示の状態において、アーマチャ4は、両ソレノイド61,62の略中間位置で静止している。第1のソレノイド61または第2のソレノイド62のいずれかに通電すると、アーマチャ4が上方または下方に吸引駆動され、これに伴ってバルブ2が閉弁または開弁する。
【0025】
アーマチャ4の外周には、ハウジング71内周面に沿って筒状のスペーサ72が配設され、スペーサ72により、アーマチャ4と両ソレノイド61、62との間隔が設定され、アーマチャ4のストローク長すなわちバルブリフト量を調整している。
【0026】
ハウジング71の上方にはバルブ位置検出手段83が設けてある。バルブ位置検出手段83はセンサカバー831がハウジング71の上部に被せてあり、第2のプッシュロッド32の、スプリングストッパ34よりも上方の延伸部321がハウジング71を貫通してセンサカバー831内に侵入している。プッシュロッド32の延伸部321の先端には平板状のターゲット832が、プッシュロッド32に対して垂直面をなして固定され、バルブ2と一体にリフト方向に変位するようになっている。センサカバー831の天井からバルブ位置検出手段たるギャップセンサ833が垂下せしめてあり、ターゲット832と対向している。
【0027】
ギャップセンサ833はターゲット832の上面までの距離を検出し、バルブ2のリフト方向の位置が知られるようになっている。またギャップセンサ833の検出信号を入力として、バルブ位置検出手段83とともにバルブ速度検出手段84を構成する微分回路841が設けてあり、入力する検出信号を微分してバルブ2の速度が知られるようになっている。
【0028】
両ソレノイド61,62を通電制御する通電制御手段8について説明する。通電制御手段8はソレノイド駆動手段81と、これに通電指令を出力するソレノイド駆動時期決定手段82と、上記バルブ位置検出手段83およびバルブ速度検出手段84等で構成してある。ソレノイド駆動時期決定手段82はマイクロコンピュータ等により構成されている。ソレノイド駆動時期決定手段82には、ギャップセンサ833の検出信号、微分回路841の検出信号、図略のエンジンに設けられたシリンダ内を往復動するピストンの位置を検出するセンサ等、各種のセンサ(回転数、気筒判別等)の検出信号が入力し、ソレノイド駆動時期決定手段82がこれらの検出信号に基づいて通電のタイミングを決定するようになっている。
【0029】
次に、ソレノイド駆動時期決定手段82における通電のタイミングの決定とともに、本実施形態になる電磁式弁駆動装置の作動について説明する。図1に示す非通電状態では、両スプリング51,52の力がほぼ等しいため、アーマチャ4は、両ソレノイド61,62の中間位置にある。ここから、エンジン始動前に、一旦全ての気筒のバルブを閉とする起動制御をする必要がある。
【0030】
この起動制御は、このシステムの可動部の質量とバネで決まるバネ−質量系の固有振動を利用し、第1のソレノイド61と第2のソレノイド62とへ固有振動に相当する共振周波数にて、交互に通電することによりなされる。しばらく起動制御を行うとバルブ2が振動しはじめ、振幅が大きくなっていく。やがて両ソレノイド61,62間距離で規定される最大リフト位置まで作動するようになる。ここで、第2のソレノイド62にアーマチャ4が吸引された状態で保持することで、バルブ2の閉状態が保持でき、起動制御が終了する。
【0031】
その後、エンジンを始動し、ソレノイド駆動手段81およびソレノイド駆動時期決定手段82によりエンジンからの各センサ出力を基にエンジンの吸気弁および排気弁を任意のタイミングで開閉制御する。なお、本実施の形態では図1の構成をエンジンの吸気弁に適用した例として説明したが、本構成を排気弁に適用することもできる。
【0032】
図2は閉弁時におけるソレノイド駆動時期決定手段82の制御を示すタイムチャートで、両ソレノイド61,62のオンオフのタイミング(A)、リフト方向のバルブ位置(B)、バルブ速度(C)を示している。先ずエンジン始動直後に、閉弁時におけるバルブ2の着座を滑らかにする最適な通電のタイミングが求められ、かかる最適なタイミングがソレノイド駆動時期決定手段82のメモリに記憶される。それ以後は上記メモリに記憶されたタイミングで第2のソレノイド62のオンオフが切替えられる。最初に、最適なタイミングが決定された後の通常時の作動について説明し、その後でエンジン始動直後に最適な通電タイミングを決定する作動について説明する。
【0033】
エンジンからの各センサ出力等に基づいて決定された閉弁時期になると、まず第1のソレノイド61への通電をオフする(時点t0 )。すると、圧縮されていた第1のスプリング51が伸長し、バルブ2が上昇を開始する。これに伴い、バルブ2のステム22が第1のプッシュロッド31を上方に押し上げ、プッシュロッド31と一体のアーマチャ4が上方に移動する。
【0034】
次いでアーマチャ4が図1に示す中立位置付近に到り、ギャップセンサ833により検出されるバルブ位置がソレノイド駆動時期決定手段82のメモリに記憶された通電開始位置x1 に達すると、第2のソレノイド62に通電される(時点t1 )。
【0035】
このソレノイド62への通電により発生するアーマチャ4への吸引力により、バルブ2に対する減速力が弱められバルブ速度をある程度高く維持して速やかに着座位置手前まで到達する。
【0036】
従来の電磁式弁駆動装置では、第2のソレノイド62は第1のソレノイド61がオンした後、通電状態が続く(図6参照)が、本発明の電磁式弁駆動装置ではバルブ2が着座するまでに第2のソレノイド62がオフするオフ期間が設定してある。
【0037】
すなわちギャップセンサ833により検出されたバルブ位置が上記メモリに記憶された、オフ期間を開始する位置x2 に達すると、第2のソレノイド62をオフして(時点t2 )バルブ2に対する減速力を高め、バルブ2は急速に減速する。そしてギャップセンサ833により検出されたバルブ位置が上記メモリに記憶された、オフ期間を終了する位置x3 に達すると、第2のソレノイド62を再びオンする(時点t3 )。このオフ期間にバルブ2は急速に減速するから、バルブ2は十分に減速された状態で滑らかに着座する。バルブ2は着座後は第2のソレノイド62の吸引力で着座状態が保持される。かくして、上記構成によれば、バルブ2がバルブシート11aに着座する際の衝撃を大幅に緩和し、振動や騒音の発生を防止して弁の耐久性を向上させることが可能となる。
【0038】
次にエンジン始動直後の作動について説明する。第2のソレノイド62の通電のタイミングはソレノイド駆動時期決定手段82がエンジン始動後にギャップセンサ833により検出されるバルブ位置およびギャップセンサ833および微分回路841により検出されるバルブ速度等に基づいて決定する。
【0039】
先ず第2のソレノイド62の通電開始時期t1 を決定する。エンジン始動直後の閉弁では、第1のソレノイド61がオフすると同時に第2のソレノイド62をオンし、オフ期間が設定されない従来の通電制御を行う。そしてギャップセンサ833によりバルブ2の着座を検出して第1のソレノイド61がオフしてからバルブ2が着座するまでの時間を計測する。
【0040】
次の閉弁では、第1のソレノイド61がオフした後、予め設定した微小時間経過後に第2のソレノイド62をオンし上記のごとく第1のソレノイド61がオフしてからバルブが着座するまでの時間を計測する。このように順次、第2のソレノイド62がオンするタイミングをずらして通電時間を短くしていき、計測時間を比較する。この計測時間は第2のソレノイド62がオンするタイミングが遅い程長くなる。しかしソレノイド62の、バルブ2を着座方向に付勢する吸引力はソレノイド61,62とアーマチャ4間が離れていると殆ど作用しないから、最初の計測時間は余り変わらない。やがて上記吸引力が十分に作用する位置までアーマチャ4が移動してからソレノイド62がオンするようになると、計測時間は急に長くなる。
【0041】
計測時間が余り変わらないうちはソレノイド62は通電された電力が有効に用いられておらずソレノイド62がオンするタイミングが早い程、無駄な電力消費をしていることになる。一方、計測時間が長くなることは、閉弁作動の遅れであり好ましくない。そこで第2のソレノイド62がオンするタイミングに対して計測時間が大きく上昇し始めるタイミングを第2のソレノイド62の通電時期の最適値とする。そしてこの時点におけるバルブ位置を第2のソレノイド62の通電を開始する位置x1 として上記メモリに記憶しておく。かくして第2のソレノイド62への通電を開始する時点t1 が、電力消費の無駄がなくしかも十分に早い閉弁作動の可能なタイミングに設定される。以後は、バルブ2が位置x1 にくると第2のソレノイド62に通電が開始される。
【0042】
次にオフ期間の開始時点t2 、終了時点t3 を決定する。第2のソレノイド62への通電を開始する時点t1 が決定された後は、閉弁時において、第1のソレノイド61がオフ後、バルブ2が上記メモリに記憶した位置にくると第2のソレノイド62が通電され、オフ期間も設定される。このオフ期間の開始時点t2 と終了時点t3 は以下のようにして決定される。まず時点t2 は、初期値として時点t1 から予め設定した微小時間遅れた時点に設定される。この場合は通電時間が短いから比較的早いタイミングでバルブ速度が低下し、0となる。ソレノイド駆動時期決定手段82は、バルブ速度が予め設定した微速度を下回ると、すなわち略0となると、その時点をオフ期間の終了時点t3 とする。バルブ2は第2のソレノイド62の吸引力により吸引され加速して着座する。
【0043】
その後の閉弁では、順次、オフ期間の開始時点t2 を遅らせていく。オフ期間の終了時点t3 は上記と同様にバルブ速度が略0となった時点とする。
【0044】
オフ期間の開始時点t2 が早いときには、開始時点t2 までの第2のソレノイド62への通電時間が短いため、バルブ速度が速い速度に維持されない。この結果、バルブ2がシート部11aから比較的離れている時点で速度が略0となる。そして開始時点t2 が遅れて、バルブ2を着座方向に付勢する第2のソレノイド62への通電時間(t2 −t1 )が長くなっていくと、バルブ速度が略0の時点におけるバルブ位置は着座位置に近づいていく。すなわち開始時点t2 が遅れるにつれ、バルブ速度が略0である終了時点t3 におけるバルブ位置と着座位置との偏差が小さくなり、着座時におけるバルブ速度が小さくなる。
【0045】
ソレノイド駆動時期決定手段82は、閉弁ごとに終了時点t3 のバルブ位置と着座位置との偏差を求める。そしてこの偏差を予め設定したしきい値と比較し、しきい値よりも大きければ次の閉弁時における開始時点t2 を遅延側に設定する。一方、偏差が予め設定したしきい値よりも小さければ着座時のバルブ速度が十分に減速され滑らかに着座可能と判断し、このときの時点t2 ,t3 におけるバルブ位置x2 ,x3 を記憶してオフ期間を固定する。
【0046】
すなわち、以後は、検出されるバルブ位置が記憶されたバルブ位置x2 になると第2のソレノイド62がオフされ、バルブ位置x3 になると再びオンする。なお、上記しきい値は小さい程、よりバルブが滑らかに着座することが可能となるが、実験等により騒音等の程度を判断して設定するのがよい。発明者らの実験によるとエンジンの吸排気弁においては5μm以下とするのがよい。
【0047】
このようにエンジン等が経年変化してもこれに追随して第2のソレノイド62への最適な通電タイミングが設定される。またスプリング等の製造ばらつきがあっても各エンジンに最適な通電タイミングが設定される。
【0048】
なお要求される騒音の程度によっては、また他の遮音対策と併用することにより、最適なオフ期間を、エンジンが始動される度に更新するのではなく、更新頻度は適宜減らすことができる。また第2のソレノイドの通電タイミングを始めから固定とし、ソレノイド駆動時期決定手段82のメモリに記憶された位置(x1 ,x2 ,x3 )に基づいて通電制御をしてもよい。この場合は、予め実験により(x1 ,x2 ,x3 )を求めておく。
【0049】
また第2のソレノイド62の通電開始時期t1 、オフ期間の開始時点t2 、終了時点t3 は、バルブ位置(x1 ,x2 ,x3 )により固定しているが、第1のソレノイド61のオフからの時間で規定しても勿論よい。
【0050】
またオフ期間については固定するのではなく、閉弁の度にバルブ速度を検出してバルブ速度が略0の時にオフ期間を終了し、その時点のバルブ位置と着座位置との偏差に応じて常にオフ期間の開始時点を補正する構成としてもよい。
【0051】
また、ここまで閉弁側の制御方法として説明してきたが、開弁側に適用しても同様の効果が期待できる。
【0052】
(第2実施形態)
図3に本発明の別の実施形態を示す。基本的な構成は第1実施形態の構成と同じもので、図中、図1と同じ番号を付した部分については実質的に同じ作動をするので第1実施形態との相違点を中心に説明する。通電制御手段8Aは、微分回路を省略してバルブ位置のみが知られる構成とし、ソレノイド駆動時期決定手段82Aは、メモリに第2のソレノイド62の通電開始時期およびオフ期間を規定するバルブ位置(x1 ,x2 ,x3 )が記憶され、第2のソレノイド62の通電タイミングを固定としている。
【0053】
またスプリングは閉弁側のスプリング511,512、開弁側のスプリング521,522ともに、太い径のスプリング511(521)と細い径のスプリング512(522)とで二重に構成されている。太い径のスプリング511,521は図1のスプリング51,52と同様に、アーマチャ4をソレノイド61,62の中間位置に保持する。
【0054】
細い径のスプリング512(522)は下端が太い径のスプリング511(521)とともに固定してあり、上端が自由としてある。細い径のスプリング512,522の自由長は、バルブ2のストローク端手前にある時に、スプリング512,522の上端が固定端となる長さとしてある。すなわちスプリング512は、バルブ2が完全にリフトする手前でスプリングストッパ33に当接し、スプリング522は、バルブ2が着座する手前でハウジング71の天井面に当接する。しかして開弁時であればスプリング512が、バルブ2が完全にリフトする手前で圧縮を開始し、閉弁時であればスプリング522が着座する手前で圧縮を開始するようになっている。
【0055】
かかる構成とすることにより、バルブ2が着座する手前で両スプリング521,522は、そのばね定数の和で規定される大きな減速力を発生する。
【0056】
図4は本実施形態におけるオフ期間の終了時点t3 と着座時におけるバルブ速度の関係を示すもので、比較例として図1のようにスプリングが単一の構成のもののデータ(白丸)を併せて示している。本実施形態(黒丸)は、小さな着座時速度を与える許容される終了時点t3 の幅が、比較例よりも広くなることが確認された。これはバルブ2に着座手前で大きな減速力が作用するためと認められる。
【0057】
このように本実施形態では小さな着座時速度を与える許容される終了時点t3 に幅があるので、バルブ位置はさ程精度よく検出する必要はない。したがってオフ期間を固定としても、エンジンの経時変化やエンジン間の個体差の影響を回避することができ、着座における滑らかさの厳しい要求に十分に応えることができる。またバルブ位置はさ程精度よく検出する必要がないのでギャップセンサ833に安価なものが用いられ得る。
【0058】
バルブ2の着座位置手前でばね定数を上げるには、第2実施形態の構成において、スプリングを図5のように構成してもよい。図5に示す構成ではスプリングはばね定数の異なるスプリング513(523)と514(524)とが直列に接続してあり、ばね定数の小さなスプリング513(523)が圧縮し終えるとばね定数の大きなスプリング514(524)が圧縮を開始し、ばね定数が上がるようになっている。かかる構成でも小さな着座時速度を与える許容される終了時点t3 に幅を持たせることができる。
【0059】
スプリングは、複数のスプリングで構成するのではなく、バネ材の径等が途中で変化してばね定数が非線形な単一のスプリングで構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の全体断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の作動を説明するタイムチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の全体断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の作動を説明するグラフである。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す電磁式弁駆動装置の全体断面図である。
【図6】従来の一の電磁式弁駆動装置の作動を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジンヘッド
11 吸気口
11a バルブシート
2 バルブ
31 プッシュロッド(ロッド)
4 アーマチャ
51,511,512,513,514 スプリング(閉弁側のバネ)
52,521,522,523,524 スプリング(開弁側のバネ)
61 第1のソレノイド(開弁用のソレノイド)
62 第2のソレノイド(閉弁用のソレノイド)
8,8A 通電制御手段
81 ソレノイド駆動手段
82,82A ソレノイド駆動時期決定手段(駆動時期決定手段)
83 バルブ位置検出手段
84 バルブ速度検出手段

Claims (8)

  1. バルブと一体に閉弁方向または開弁方向に移動するロッドと、該ロッド周りに一体に設けられるアーマチャと、上記バルブを閉弁方向に付勢する閉弁側のバネおよび開弁方向に付勢する開弁側のバネと、上記アーマチャの一方の端面側に所定間隔をおいて設けられ上記アーマチャを吸引して上記バルブの閉弁を保持する閉弁用のソレノイドと、上記アーマチャの他方の端面側に所定間隔をおいて設けられ上記アーマチャを吸引して上記バルブの開弁を保持する開弁用のソレノイドと、開弁用のソレノイドおよび閉弁用のソレノイドを通電制御する通電制御手段とを備える電磁式弁駆動装置において、上記通電制御手段には、ソレノイドの通電時期を決定する通電時期決定手段を具備せしめ、該通電時期決定手段は、上記バルブの閉弁時に、上記閉弁用のソレノイドの通電開始から上記バルブが着座するまでの間に閉弁用のソレノイドの通電を一時的にオフするオフ期間を設定し、該オフ期間の終了時点をバルブ速度がゼロとなった時点として、上記オフ期間の終了後に閉弁用のソレノイドの通電を再びオンする設定としたことを特徴とする電磁式弁駆動装置。
  2. 請求項1記載の電磁式弁駆動装置において、上記通電制御手段には、上記バルブのリフト方向の位置を検出するバルブ位置検出手段を具備せしめ、かつ上記通電時期決定手段を、バルブ位置検出手段により検出されたバルブ位置が予め設定した位置になると閉弁用のソレノイドへの通電のオンオフを切り替える構成とした電磁式弁駆動装置。
  3. 請求項1記載の電磁式弁駆動装置において、上記通電制御手段には、上記バルブのリフト方向の速度を検出するバルブ速度検出手段を具備せしめ、かつ上記通電時期決定手段を、バルブ速度検出手段により検出されたバルブの速度が略0になると上記オフ期間を終了するように設定した電磁式弁駆動装置。
  4. 請求項3記載の電磁式弁駆動装置において、上記通電制御手段には、上記バルブのリフト方向の位置を検出するバルブ位置検出手段を具備せしめ、かつ上記通電時期決定手段を、バルブ速度が略0となった時のバルブ位置と着座位置との偏差に応じて以後の閉弁時における上記オフ期間の開始時期を遅延側へ補正するように設定した電磁式弁駆動装置。
  5. 請求項4記載の電磁式弁駆動装置において、上記通電時期決定手段を、バルブ速度が略0となった時のバルブ位置が予め設定したバルブ位置よりも着座位置側の時、当該閉弁時におけるオフ期間により以後のオフ期間を固定するように設定した電磁式弁駆動装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の電磁式弁駆動装置において、上記バネを、上記バルブの着座手前で、付勢力が増大する構成とした電磁式弁駆動装置。
  7. 請求項6記載の電磁式弁駆動装置において、上記バネを、長短長さの異なる2つのバネで構成し、短いバネを、一端を自由端とするとともに長さを上記バルブのストローク端手前で圧縮が開始する長さとした電磁式弁駆動装置。
  8. 請求項6記載の電磁式弁駆動装置において、上記バネを、直列に接続されたばね定数の異なる2つのバネで構成した電磁式弁駆動装置。
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