JP3876101B2 - ウォームの加工方法及び加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウォームホイールと組み合わせて使用する円筒形のウォームの加工方法及び加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のウォームの加工方法には、図6に示すように、台形のバイト2の切刃面をウォーム1の中心軸線Oを含む平面に合わせて第1歯面1a、第2歯面1b及び歯底1cを旋削する方法(1形と呼ぶ、図6(a) 参照)、台形のバイト4の切刃面をウォーム3のリード線と直交する平面に合わせて各歯面3a,3b及び歯底3cを旋削する方法(2形と呼ぶ、図6(b) 参照)、軸6a回りに回転する両皿形フライスカッタ6の回転中心面6bをウォーム5のリード線に沿った方向として各歯面5a,5b及び歯底5cを切削する方法(3形と呼ぶ、図6(c) 参照)、及びウォーム7の中心軸線Oを含む平面から一方向に所定距離オフセットした台形の第1片刃バイト8aにより第1歯面7aと歯底7cの一部を旋削し、次いで前述の平面から逆方向に所定距離オフセットした台形の第2片刃バイト8bにより第2歯面7bと歯底7cの残りを旋削する方法(4形と呼ぶ、図6(d) 参照)がある。この4形によれば、各歯面7a,7bの中心軸線Oと直交する断面は、図6(d) に示すように半径が上記所定距離となる円9を基礎円とするインボリュート曲線9aとなり、これに伴い各歯面7a,7bは凸面となるので、多少の加工誤差や組立誤差があってもウォームホイールとの噛み合いが悪くなることはないという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
1形及び2形は旋削であり、加工の差には多数回に分けて切り込みを行うので加工時間が増大し、量産に不向きである。4形は1形及び2形の問題に加え、片面ずつ加工を行っており、バイトのセッチングの手間も増大するので更に量産向きでない。3形は1回の切り込みで加工できるので量産に適しているが、歯面5a,5bの歯形が崩れるという問題がある。すなわち両皿形フライスカッタ6はウォーム5のリード線に沿った方向の長さが大であり、しかも図6(c) においてフライスカッタ6の回転中心面6bが直線であるのに対し、ウォーム5のリード線は正弦曲線の一部であるので、図6(c) において軸6aの軸心から離れた位置では回転中心面6bとリード線とは一致しなくなる。このため、フライスカッタ6が各歯面5a,5bの本来は加工すべきでない部分を加工することになるので、各歯面5a,5bの形状に狂いを生じ、ウォームホイールとの噛み合いが悪くなるという問題がある。この問題は各歯面のリード角が大きい場合に特に顕著となる。本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このために、本発明によるウォームの加工方法は、円筒状の外周にらせん状の歯部を形成してなるウォームの加工方法において、エンドミル形の工具をその回転軸線回りに回転駆動し、この回転軸線をウォームの中心軸線を含む平面内で同中心軸線と直交する線から一方向に所定角度傾斜させた状態で、同中心軸線を中心とする前記ウォームの回転速度と比例する速度で前記工具を前記中心軸線と平行に相対移動させて同工具の先端部外周の加工面により前記歯部の第1歯面を加工し、次いで前記回転軸線を前記平面内で前記中心軸線と直交する線から前記一方向とは逆方向に所定角度傾斜させた状態で、前記中心軸線を中心とする前記ウォームの回転速度と比例する移動速度で前記工具を前記中心軸線と平行に相対移動させて同工具の先端部外周の前記加工面により前記歯部の第2歯面を加工することを特徴とするものである。エンドミル形の工具はリード線に沿った方向における長さが短くなるので、工具の回転軸線からリード線方向に離れた位置では工具は速やかに各歯面から離れ、各歯面を加工することはなくなる。またウォームの中心軸線と直交する線からの工具の回転軸線の傾斜角度を変えれば、ウォームの圧力角も変化する。
【0005】
また本発明によるウォームの加工方法は、円筒状の外周にらせん状の歯部を形成してなるウォームの加工方法において、エンドミル形の工具をその回転軸線回りに回転駆動し、前記回転軸線を前記ウォームの中心軸線と平行で一方向に所定距離オフセットした第1平面内において前記中心軸線と直交する線から一方向に所定角度傾斜させた状態で、前記中心軸線を中心とする前記ウォームの回転速度と比例する速度で前記工具を前記中心軸線と平行に相対移動させて同工具の先端部外周の加工面により前記歯部の第1歯面を加工し、次いで前記回転軸線を前記第1平面と平行でそれとは逆方向に前記中心軸線から所定距離オフセットした第2平面内において前記中心軸線と直交する線から前記一方向とは逆方向に所定角度傾斜させた状態で、前記中心軸線を中心とする前記ウォームの回転速度と比例する移動速度で前記工具を前記中心軸線と平行に相対移動させて同工具の先端部外周の前記加工面により前記歯部の第2歯面を加工することを特徴とするものとしてもよい。この発明によれば、前項の発明と同様、エンドミル形の工具の回転軸線からリード線方向に離れた位置では工具が各歯面を加工することはなくなり、また工具の回転軸線の傾斜角度を変えればウォームの圧力角も変化するのに加え、各歯面の中心軸線と直交する断面はインボリュート曲線となり、各歯面は凸面となる。
【0006】
前2項の発明の工具の先端部外周の加工面は先細の円錐形状とすることが好ましい。
【0007】
前各項の発明は、前記第1歯面及び第2歯面を加工する際における前記中心軸線と直交する線Nからの前記工具の回転軸線の傾斜角度は互いに逆向きの同一角度とし、またそれぞれの加工の際における前記ウォームの回転速度に対する前記工具の移動速度は同一としてもよい。あるいはまた、第1歯面及び第2歯面を加工する際における前記中心軸線と直交する線からの前記工具の回転軸線の各傾斜角度は互いに逆向きの異なる角度とし、またそれぞれの加工の際における前記ウォームの回転速度に対する前記工具の各移動速度は前記傾斜角度の相違と関連した異なる値としてもよい。
【0008】
また本発明によるウォームの加工装置は、ベッドと、X方向に相対的に移動可能となるように前記ベッド上に支持された送りテーブル及びコラムと、このコラムに前記X方向と直交する回転軸線回りに回転可能に支持された回転台と、この回転台に前記回転軸線と直交するA方向に移動可能に支持されたスピンドルヘッドと、前記テーブル上に載置された主軸台により前記X方向と平行な軸線回りに回転可能に軸承され加工されるウォームを同軸的に支持して回転駆動する主軸と、前記スピンドルヘッドに前記A方向と平行な回転軸線回りに回転可能に支持されて回転駆動され前記ウォームに歯部を加工するエンドミル形の工具を先端部に装着する工具スピンドルを備えたことを特徴とするものである。先端にエンドミル形の工具を装着した工具スピンドルを回転駆動し、スピンドルヘッドを回転台によりX方向に対し一方向及び逆方向に所定角度傾斜させた各状態でウォームを支持した主軸台を回転駆動し、工具に適当な切り込みを与えた状態で、主軸台の回転速度と比例する速度でスピンドルヘッドと主軸台をX方向に相対移動させることにより、ウォームには各歯面が加工される。
【0009】
前項の発明の送りテーブルとコラムは前記回転軸線と平行な方向においても相対的に移動可能とすることが好ましい。このようにすれば、工具の回転軸線をウォームの中心軸線に対しオフセットさせることができ、これにより加工される歯面は凸面となる。
【0010】
【発明の効果】
エンドミル形の工具の回転軸線をウォームの中心軸線を含む平面内で相対移動させて各歯面を加工する本発明によれば、各1回の切り込みで各歯面を加工でき、しかもリード線に沿った方向における工具の長さが短くなるので、その回転軸線からリード線方向に離れた位置では工具は速やかに各歯面から離れ各歯面を加工することはなくなる。従って本来加工すべきでない部分を加工して各歯面の形状に狂いを生じることはないので、短い加工時間で正確な歯形のウォームを加工することができる。更にウォームの中心軸線と直交する線からの工具の回転軸線の傾斜角度を変えれば、ウォームの圧力角も変化するので、1つの工具で圧力角が異なるウォームの加工をすることができる。
【0011】
本発明は、エンドミル形の工具の回転軸線をウォームの中心軸線と平行で一方向に所定距離オフセットした第1平面内とこれと平行で逆方向に所定距離オフセットした第2平面内で移動させて各歯面を加工するようにしてもよく、これによれば前項の発明の各効果に加え、各歯面の中心軸線と直交する断面はインボリュート曲線となり、これに伴い各歯面は凸面となるので、多少の加工誤差や組立誤差があってもウォームホイールとの噛み合いが悪くなることはなくなる。
【0012】
エンドミル形の工具の先端部外周の加工面を先細の円錐形状としたものによれば、工具の径を大きくした場合でも歯底の幅が狭いウォームを加工することができ、また第1及び第2歯面をする際の工具の傾斜角度の差を少なくすることができる。
【0013】
第1歯面及び第2歯面を加工する際における中心軸線と直交する線からの工具の回転軸線の傾斜角度は互いに逆向きの同一角度とし、またそれぞれの加工の際におけるウォームの回転速度に対する工具の移動速度は同一としたものによれば、各歯面の圧力角とリードが同一である通常のウォームが成形される。
【0014】
また、第1歯面及び第2歯面を加工する際における中心軸線と直交する線からの工具の回転軸線の各傾斜角度は互いに逆向きの異なる角度とし、それぞれの加工の際におけるウォームの回転速度に対する工具の移動速度は各傾斜角度の相違と関連した異なる値としたものによれば、各歯面の圧力角とリードが互いに異なる複リードウォームが成形される。
【0015】
本発明によるウォームの加工装置によれば、工具を装着した工具スピンドルの先端部の回りがコンパクトであるので、工具をウォームの中心軸線に対し一方向及び逆方向に所定角度傾斜させて中心軸線と平行に移動するのに実質的に何の制約もない。従って加工が極めて容易である。
【0016】
前項の発明において、送りテーブルとコラムを回転軸線と平行な方向においても相対的に移動可能としたものによれば、加工される歯面を凸面とすることができるので、多少の加工誤差や組立誤差があっても組み合わされるウォームホイールとの噛み合いが悪くなることのないウォームが得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面により、本発明によるウォームの加工方法及び加工装置の説明をする。先ず図1及び図2によりこのウォームの加工方法の第1の実施の形態の説明をする。このウォーム10は、中央部11と両端部12,13よりなり、中央部11には、工具20により第1歯面16と第2歯面17と歯底18よりなるらせん状の溝を形成することにより、らせん状の歯部15が形成されている。ウォーム10の中心軸線Oを含む平面R(図2参照)、すなわち図1の紙面における各歯面16,17の圧力角は、それぞれαa 及びαb であるが、通常のウォームではαa =αb である。この第1の実施の形態では、このような通常のウォームを加工する場合につき説明する。なお、各歯面16,17のリードはT0 ,T1 で、この実施の形態ではT0 −T1 =0である。
【0018】
らせん状の溝を形成するのに使用する工具20はエンドミルや小型の砥石車などのエンドミル形の回転工具であり、その先端部には外周に第1歯面16及び第2歯面17を加工する円錐形状の加工面21が、また先端に歯底18を加工する先端面22が形成されている。加工面21の頂角βは各歯面16.17の圧力角の2倍(=2αa )よりも小さい値である。この工具20は、回転軸線Qをウォーム10の中心軸線Oを含む平面R(図2参照)内、すなわち図1の紙面内とし、先ず中心軸線Oと直交する線Nから一方向に所定角度δa だけ傾斜させた状態で、ウォーム10の回転速度と比例する速度で中心軸線Oと平行に相対移動させてその先端部外周の加工面21及び先端面22により歯部15の第1歯面16と歯底18の一部を加工する。次に回転軸線Qを同じく平面R内で中心軸線Oと直交する線Nから逆方向に所定角度δb (=δa )だけ傾斜させた状態で、ウォーム10の回転速度と比例する速度で中心軸線Oと平行に相対移動させてその先端部外周の加工面21及び先端面22により歯部15の第2歯面17と歯底18の残りを加工する。
【0019】
次に図4及び図5により、この加工に使用するウォームの加工装置の説明をする。ウォームの加工装置のベッド30上には、送りテーブル31が水平なX方向に案内支持されてX方向送りモータ(図示省略)により往復駆動され、送りテーブル31の後側にはコラム32がX方向と直交する水平なY方向に案内支持されてY方向送りモータ(図示省略)により往復駆動されている。送りテーブル31上にはX方向に間をおいて主軸台35と心押台38が対向して載置され、X方向と平行な軸線O回りに回転自在に主軸台35に軸承されて先端にチャック37を設けた主軸36は主軸モータ(図示省略)により回転駆動され、心押台38には主軸36と同軸的にセンタ39が設けられている。
【0020】
送りテーブル31側となるコラム32の一側の上部には、Y方向と平行な回転軸線P回りに回転自在に回転台40が支持されて駆動モータ(図示省略)により回転駆動され、回転台40には回転軸線Pと直交するA方向に移動可能にスピンドルヘッド41が案内支持されて送りモータ(図示省略)により往復駆動されるようになっている。スピンドルヘッド41には回転軸線Pを含みA方向と平行な平面内に位置する回転軸線Q回りに回転可能に工具スピンドル42が軸承されてスピンドルモータ(図示省略)により高速回転され、工具スピンドル42の先端部には工具20が装着されるようになっている。
【0021】
加工されるウォーム10は、一方の端部12がチャック37に把持され、他方の端部13がセンタ39により支持されて主軸36と同軸的に取り付けられる。先ずコラム32をY方向に移動して工具スピンドル42及びその先端に装着された工具20の回転軸線Qが主軸36及びこれに把持されたウォーム10の中心軸線Oを含む平面R内となる位置とし、回転台40を回転させてスピンドルヘッド41の回転軸線Qを図1に示すように中心軸線Oと直交する線Nに対し所定角度δa だけ図示の一方向に傾斜させ、送りテーブル31のX方向位置を回転軸線Qの延長がウォーム10の一方の端部12にかかるような位置とする。そして工具スピンドル42を回転駆動してから、スピンドルヘッド41をA方向に移動させて工具20に所定の切り込みを与え、主軸36によりウォーム10を回転させ、ウォーム10の1回転当たりの送り量が歯部15のリードとなるような送り速度で送りテーブル31を左向きに移動して工具20の加工面21及び先端面22により歯部15の第1歯面16と歯底18の一部を加工する。次いでスピンドルヘッド41を後退させ、その回転軸線Qを線Nに対し所定角度δb (=δa )だけ逆方向に傾斜させ(図1の二点鎖線20A参照)、送りテーブル31を前述と同様の位置とする。そして前述と同様、工具20に所定の切り込みを与え、送りテーブル31を移動して工具20の加工面21及び先端面22により歯部15の第2歯面17と歯底18の残りを加工する。
【0022】
所定角度δa はαa −(β/2)に近い値であるが、それと同一ではない。すなわち、加工された第1歯面16に対する工具20の加工面21の接線は図2に示す加工面21の母線21aであり、平面Rに対し傾斜しているので、中心軸線Oと直交する線Nに対するスピンドルヘッド41の回転軸線Qの傾斜角度をαa −(β/2)としたのでは、加工面21は第1歯面16を削りすぎることになる。従って平面R内における所定角度δa はαa −(β/2)より多少小さい値となるが、その値は実験的に定めればよい。第2歯面17についても同様である。
【0023】
上述した第1の実施の形態によれば、各1回の切り込みで第1歯面16及び第2歯面17を加工できるので加工時間を短くでき、しかもエンドミル形の工具20はリード線に沿った方向における工具の長さが短くなるので、その回転軸線Qからリード線方向に離れた位置では工具20は速やかに各歯面16,17から離れ各歯面を加工することはなくなる。従って本来加工すべきでない部分を加工して各歯面17,18の形状に狂いを生じることはなく、得られるウォームの歯形は正確になる。
【0024】
またウォーム10の中心軸線Oと直交する線Nからの工具20の回転軸線Qの傾斜角度を変えれば、ウォーム10の圧力角も変化するので、1つの工具20で、圧力角が異なるウォーム10の加工をすることができる。
【0025】
また上述した第1の実施の形態では工具20の先端部外周の加工面21を先細の円錐形状としており、このようにすれば、工具20の径を大きくした場合でも歯底18の幅が狭いウォーム10を加工することができる。しかし本発明は円筒状の加工面を有する工具を用いて実施することも可能である。
【0026】
なお歯面16,17を加工する際に工具20の回転軸線Qを傾斜させており、このため歯底18には凹凸が生じるので、その分だけ歯底18は正規の歯底より深くする必要がある。なおこの凹凸は、図1に示すように工具20の先端面22を頂角の大きい円錐形にすることにより緩和できる。
【0027】
上述した第1の実施の形態では、工具20の回転軸線Qを平面R内に位置させた状態で送りテーブル31をX方向に移動させて各歯面16,17を加工しているが、図3に示す第2の実施の形態では、工具20の回転軸線Qをウォーム10の中心軸線Oと平行で一方向に所定距離オフセットした第1平面Sa内に位置させた状態で送りテーブル31をX方向に移動させて第1歯面16を加工し、工具20の回転軸線Qを第1平面Saと平行でそれとは逆方向に中心軸線Oから所定距離オフセットした第2平面Sb内に位置させた状態で送りテーブル31をX方向に移動させて第2歯面17を加工している点が相違しており、その他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、主としてこの相違点について説明する。なお、加工に使用するウォームの加工装置は第1の実施の形態のものと全く同一である。
【0028】
加工されるウォーム10は、第1の実施の形態の場合と同様、主軸36と同軸的に取り付けられ、コラム32をY方向に移動して工具スピンドル42及びその先端に装着されたエンドミル形の工具20の回転軸線Qがウォーム10の中心軸線Oと平行(従って第1の実施の形態における平面Rとも平行)で一方向に所定距離dオフセットした第1平面Sa内となる位置とし、回転台40を回転させてスピンドルヘッド41の回転軸線Qを、平面R内において中心軸線Oと直交する線Nに対し所定角度δa'(図1の紙面に投影した角度)だけ一方向に傾斜させ、送りテーブル31のX方向位置を回転軸線Qの延長がウォーム10の一方の端部12にかかるような位置とする。そして第1の実施の形態と同様、工具スピンドル42を回転駆動し、工具20に所定の切り込みを与え、ウォーム10を回転させ、ウォーム10の1回転当たりの送り量が歯部15のリードとなるような送り速度で送りテーブル31を左向きに移動して工具20の加工面21及び先端面22により歯部15の第1歯面16と歯底18の一部を加工する。次いで第1の実施の形態と同様、スピンドルヘッド41を後退させ、コラム32をY方向に移動して工具スピンドル42及びその先端に装着されたエンドミル形の工具20の回転軸線Qが第1平面Saと平行でそれとは逆方向に中心軸線Oから所定距離dオフセットした第2平面Sb内となる位置とし、工具20の回転軸線Qを線Nに対しδb'(=δa')だけ逆方向に傾斜させ、送りテーブル31を前述と同様の位置とし、工具20に所定の切り込みを与え、送りテーブル31を移動して工具20の加工面21及び先端面22により歯部15の第2歯面17と歯底18の残りを加工する。線Nに対するスピンドルヘッド41の回転軸線Qの傾斜角度δa'は、前述と同様、実験的に定めればよい。
【0029】
この第2の実施の形態によれば、各歯面16,17の中心軸線Oと直交する断面は、前述した従来技術の4形の場合と同様、半径がオフセット距離dである円を基礎円とするインボリュート曲線となり、各歯面16,17は凸面となる。従ってこの第2の実施の形態により得られるウォーム10は、多少の加工誤差や組立誤差があっても組み合わされるウォームホイールとの噛み合いが悪くなることのないものとなる。なお、各歯面16,17を加工する際の各オフセット距離dを同一としたが、本発明はこの各オフセット距離dを異ならせて実施することもできる。
【0030】
上述した第1及び第2の実施の形態では、通常のウォームを本発明により加工する場合について説明したが、次に述べる第3の実施の形態では、第1歯面16と第2歯面17のリードが異なる複リードウォームを本発明により加工する場合につき説明する。このような複リードウォームは、例えば特開平7−309244号公報に記載されているように、軸線方向に進むにつれて歯厚が変化するので、軸線方向に移動することによりこれと噛合するウォームホイールとの間のバックラッシュを調整するのに使用される。
【0031】
この第3の実施の形態では、第1歯面16のリードT0 及び圧力角αa と第2歯面17のリードT1 及び圧力角αb が互いに異なっており、従って各歯面16,17を加工する場合の中心軸線Oと直交する線Nに対する工具20の回転軸線Q傾斜角度δa ,δb 及び、送りテーブル31の移動速度が上述した第1の実施の形態と異なっている。なお、標準ホブで切削したウォームホイールと噛合させる場合には、各歯面のリードと圧力角の間には
T0・cosαa =T1・cosαb
なる関係がある。また、加工に使用するウォームの加工装置は第1の実施の形態のものと全く同一である。
【0032】
加工されるウォーム10は、第1の実施の形態の場合と同様、主軸36と同軸的に取り付けられ、コラム32の位置決めがなされ、工具20の加工面21及び先端面22により歯部15の第1歯面16と歯底18の一部を加工する。この場合の傾斜角度δa もαa −(β/2)より多少小さい値であり、その値は実験的に定めればよい。また送りテーブル31の移動速度は、ウォーム10の1回転当たりの送り量が第1歯面16のリードT0 となるような値にする。次いで行われる第2歯面17と歯底18の残りの加工も、上述と同様になされ、その場合の傾斜角度δb はαb −(β/2)より多少小さい値であり、その値は実験的に定めればよい。また送りテーブル31の移動速度は、ウォーム10の1回転当たりの送り量が第2歯面17のリードT1 となるような値にする。これにより加工されるウォーム10は複リードウォームとなる。
【0033】
この第3の実施の形態でも、第2の実施の形態のように、工具20の回転軸線Qをウォーム10の中心軸線Oからオフセットさせて各歯面16,17を加工してもよく、そのようにすれば各歯面16,17が凸面となった複リードウォームが得られる。
【0034】
上記各実施の形態に示すように、本発明では各歯面を別々に加工しているのでその分だけは加工時間は増大する。しかし各歯面は同一のエンドミル形の工具を工具スピンドルに装着したままで加工しているので、工具のセッチングは1回だけですみ、その分だけは加工時間が短縮される。また上述した各実施の形態では、1条のウォームについてのみ説明したが、本発明は2条または多条のウォームにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるウォームの加工方法の第1の実施形態の説明図である。
【図2】 図1に示す実施形態の平面図である。
【図3】 本発明によるウォームの加工方法の第2の実施形態の図2に相当する平面図である。
【図4】 本発明によるウォームの加工装置の実施形態を示す正面図である。
【図5】 図4に示す実施形態の側面図である。
【図6】 従来技術によるウォームの加工方法の説明図である。
【符号の説明】
10…ウォーム、15…歯部、16…第1歯面、17…第2歯面、20…工具、21…加工面、30…ベッド、31…送りテーブル、32…コラム、35…主軸台、36…主軸、40…回転台、41…スピンドルヘッド、42…工具スピンドル、N…線、O…中心軸線、P…回転軸線、Q…回転軸線、R…平面、Sa…第1平面、Sb…第1平面。

Claims (7)

  1. 円筒状の外周にらせん状の歯部を形成してなるウォームの加工方法において、エンドミル形の工具をその回転軸線回りに回転駆動し、前記回転軸線を前記ウォームの中心軸線を含む平面内で前記中心軸線と直交する線から一方向に所定角度傾斜させた状態で、前記中心軸線を中心とする前記ウォームの回転速度と比例する速度で前記工具を前記中心軸線と平行に相対移動させて同工具の先端部外周の加工面により前記歯部の第1歯面を加工し、次いで前記回転軸線を前記平面内で前記中心軸線と直交する線から前記一方向とは逆方向に所定角度傾斜させた状態で、前記中心軸線を中心とする前記ウォームの回転速度と比例する移動速度で前記工具を前記中心軸線と平行に相対移動させて同工具の先端部外周の前記加工面により前記歯部の第2歯面を加工することを特徴とするウォームの加工方法。
  2. 円筒状の外周にらせん状の歯部を形成してなるウォームの加工方法において、エンドミル形の工具をその回転軸線回りに回転駆動し、前記回転軸線を前記ウォームの中心軸線と平行で一方向に所定距離オフセットした第1平面内において前記中心軸線と直交する線から一方向に所定角度傾斜させた状態で、前記中心軸線を中心とする前記ウォームの回転速度と比例する速度で前記工具を前記中心軸線と平行に相対移動させて同工具の先端部外周の加工面により前記歯部の第1歯面を加工し、次いで前記回転軸線を前記第1平面と平行でそれとは逆方向に前記中心軸線から所定距離オフセットした第2平面内において前記中心軸線と直交する線から前記一方向とは逆方向に所定角度傾斜させた状態で、前記中心軸線を中心とする前記ウォームの回転速度と比例する移動速度で前記工具を前記中心軸線と平行に相対移動させて同工具の先端部外周の前記加工面により前記歯部の第2歯面を加工することを特徴とするウォームの加工方法。
  3. 前記工具の先端部外周の加工面は先細の円錐形状である請求項1または請求項2に記載のウォームの加工方法。
  4. 前記第1歯面及び第2歯面を加工する際における前記中心軸線と直交する線Nからの前記工具の回転軸線の傾斜角度は互いに逆向きの同一角度であり、またそれぞれの加工の際における前記ウォームの回転速度に対する前記工具の移動速度は同一である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のウォームの加工方法。
  5. 前記第1歯面及び第2歯面を加工する際における前記中心軸線と直交する線からの前記工具の回転軸線の各傾斜角度は互いに逆向きの異なる角度であり、またそれぞれの加工の際における前記ウォームの回転速度に対する前記工具の各移動速度は前記傾斜角度の相違と関連した異なる値である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のウォームの加工方法。
  6. 請求項1に記載のウォームの加工方法の実施に使用するウォームの加工装置において、ベッドと、X方向に相対的に移動可能となるように前記ベッド上に支持された送りテーブル及びコラムと、このコラムに前記X方向と直交する回転軸線回りに回転可能に支持された回転台と、この回転台に前記回転軸線と直交するA方向に移動可能に支持されたスピンドルヘッドと、前記テーブル上に載置された主軸台により前記X方向と平行な軸線回りに回転可能に軸承され加工されるウォームを同軸的に支持して回転駆動する主軸と、前記スピンドルヘッドに前記A方向と平行な回転軸線回りに回転可能に支持されて回転駆動され前記ウォームに歯部を加工するエンドミル形の工具を先端部に装着する工具スピンドルを備えたことを特徴とするウォームの加工装置。
  7. 前記送りテーブルとコラムは前記回転軸線と平行な方向においても相対的に移動可能とした請求項6に記載のウォームの加工装置。
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