JP3874371B2 - 柔軟性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、柔軟性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、軟質塩化ビニルと同等の優れた柔軟性と成形性を有するとともに、機械強度を大幅に向上させた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
柔軟性に優れた熱可塑性樹脂は熱可塑性エラストマーの範疇に含まれ、従来より様々な構造のものが研究、上市されており、ポリオレフィン系のものも幾つか知られている。これらを大きく分類すると、(a)熱可塑性樹脂と未架橋エラストマーを単純ブレンドしたもの、(b)熱可塑性樹脂とエラストマーを混合しながらエラストマー成分を架橋したもの、(c)熱可塑性部分とエラストマー部分を共重合したもの、の3つとなる。
【0003】
これらの中で、軟質塩化ビニルの代替になるほど安価に製造できるのは、材料コストが安く、成形時の生産性の良い(a)であり、(b)は生産性が劣り、(c)は材料コストが高く、コストが上昇してしまう。(a),(b)の公知例としては、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等の結晶性樹脂が、またエラストマーとしてエチレンプロピレンゴム、水素添加スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム等が多く用いられ、これらの2種類、3種類またはそれ以上の様々な組合せの例が知られている。(a)と(b)の違いは、(a)は熱可塑性樹脂と未架橋エラストマーを単純にブレンドするものであるのに対し、(b)は両者の混合時にエラストマー成分を架橋する。これにより(a)のものは、成形性は良いが、機械強度と柔軟性が両立し難く、(b)のものは機械強度と柔軟性が両立し易いが、成形性に劣る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
軟質塩化ビニルと同等の機械特性と価格の安さを得るためには、機械強度、柔軟性等の特性と成形時の生産性の両立が必要である。しかしながら、従来の技術の範囲では、これらの性質が矛盾するため、これらの性質のバランスをとるだけでは軟質塩化ビニル並のものは得られなかった。
【0005】
本発明者らは前記事情に鑑み、軟質塩化ビニルと同等の柔軟性と成形性を保ったまま、大幅に機械強度を向上させる方法を種々検討した結果本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明による柔軟性熱可塑性樹脂組成物は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂と、求電子反応性基を共重合したポリオレフィン系熱可塑性反応性樹脂と、からなる樹脂分合計量100重量部に対して、空気中の水分と反応して表面にヒドロキシ基を形成する無機粉体30重量部以上と、無機粉体と反応し得る官能基と求核反応性基を同一分子内に有する化合物と、を混合してなる柔軟性熱可塑性樹脂組成物であって、上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、融点が150℃を超える熱可塑性樹脂と、曲げ弾性率が80MPa以下の熱可塑性樹脂と、をブレンドしたものであることを特徴とするものである。
以上
【0007】
【課題を解決するための手段】
ここで、本発明における「柔軟性」とは、ISO178−1993に準拠し常温の雰囲気下で測定した初期(熱老化前)の曲げ弾性率が100MPa以下またはJIS K6251−1993に準拠し常温の雰囲気下で測定した初期(熱老化前)の100%モジュラス値が15MPa以下の特性を有するものをいう。尚、100%モジュラス値は、試料を100%伸長させるのに必要な引張応力のことである。
【0008】
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、エチレン、α−オレフィンの単独あるいは共重合体、更にビニルエステル、(メタ)アクリル酸エステル等と共重合させたもの、また1、3−ジエンの単独あるいは共重合体を水素添加還元したものなどが挙げられる。これらは多数市販されているので、それらを用いれば良い。尚、これらは一種類のみの使用でも良いが、数種類をブレンドしたものでも良い。好ましくは、これらの中から融点が150℃を超える熱可塑性樹脂と、低融点でも柔軟性に優れ、曲げ弾性率が80MPa以下の熱可塑性樹脂と、をブレンドしたものが使用され、上記「柔軟性」の基準に合致するように調整される。
【0009】
求電子反応性基を共重合したポリオレフィン系熱可塑性反応性樹脂とは、求電子反応性基として、求核剤に反応性の高い、酸無水物基、エポキシ基、N−ホルミルラクタム基、イソシアネート基等をポリオレフィン系熱可塑性樹脂に共重合もしくは結合させたものである。好ましくは、酸無水物基、エポキシ基を有するものを使用する。これらのものは市販品もあるので、それらを用いれば良い。
【0010】
無機粉体としては、表面に、空気中の水分と反応してヒドロキシ基を形成するものであれば何でも良く、タルク、クレー、シリカ等のケイ酸含有無機粉体、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水和物が挙げられる。特に好ましくは、難燃性と本発明による補強効果が同時に得られる金属水和物を用いる。この無機粉体は、本発明の柔軟性熱可塑性樹脂組成物の樹脂分合計量100重量部に対して、30重量部以上必要である。30重量部未満では、本発明の補強効果が十分でなく好ましくない。勿論、幾つかの無機粉体を適宜混合使用して、30重量部以上としても良い。
【0011】
無機粉体と反応し得る官能基と求核反応性基を同一分子内に有する化合物とは、無機粉体と反応し得る官能基として、トリアルコキシシラン、トリクロロシラン等を有し、求核反応性基として、特に反応性に優れたアミノ基、チオール基を有する化合物である。具体例としては、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ−チオプロピルトリアルコキシシラン等が挙げられる。
【0012】
本発明においては、上記成分以外にも可塑剤、難燃剤、充填剤、滑剤、150℃以上の融点を有するオレフィン系でない結晶性樹脂等を混合しても良く、また架橋して使用しても良い。
【0013】
【作用】
無機粉体と反応し得る官能基と求核反応性基を同一分子内に有する化合物は、求電子反応性基を共重合したポリオレフィン系熱可塑性反応性樹脂と無機粉体を強固に化学結合し、この3成分結合体がポリオレフィン系熱可塑性樹脂に理想的な分散をし、大幅な補強効果を発現するものと考えられる。
【0014】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の内容を更に詳しく説明する。尚、本実施例においては、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂として、まず融点が150℃を超える熱可塑性樹脂として、住友化学工業(株)製、商品名:住友TPE824を、また柔軟性に優れ曲げ弾性率が80MPa以下の熱可塑性樹脂として、三井石油化学工業(株)製、商品名:タフマーA4085を用いた。求電子反応性基を共重合したポリオレフィン系熱可塑性反応性樹脂としては、求電子反応性基として酸無水物基を共重合したオレフィン系共重合体、住化アトケム(有)製、商品名:ボンダインHX8140を用いた。無機粉体としては、平均粒径5μmの水酸化アルミニウムを用いた。無機粉体と反応し得る官能基と求核反応性基を同一分子内に有する化合物としては、東芝シリコーン(株)製のγ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、商品名:TSL8331を用いた。
【0015】
表1に示した配合材料を、加圧双腕型ニーダー混練機にて十分に混練し、かくして得られた組成物をヘッド温度180℃、L/D=24の50mmφチューブ用押出機により、外径5mm、内径4mmのチューブを押し出した。このとき、チューブの外観と押出機負荷の点から、限界の押出速度を求め、成形性の評価とした。次に、得られたチューブをサンプルとして、常態での引張強度及び引張伸度、100℃120時間熱老化後の引張強度をそれぞれ求めて機械強度の評価とした。引張強度及び引張伸度はJIS C3005−1993に準拠して測定した。また、柔軟性の評価として、初期の100%モジュラス値も求めた。初期の100%モジュラス値は、JIS K6251−1993に準拠し常温の雰囲気下で測定した。結果は表1に併せて示した。
以上
【0016】
【表1】
Figure 0003874371
【0017】
尚、本実施例では、比較の対象として、軟質塩化ビニルコンパウンドを使用したチューブも成形した。軟質塩化ビニルコンパウンドとしては、三菱化成ビニル(株)製、品番2323Jを用いた。軟質塩化ビニルからなるチューブの押出速度は50m/分、常態での引張強度及び引張伸度は、それぞれ21MPa、350%、熱老化後の引張強度は21MPa、更に100%モジュラス値は12MPaであった。
【0018】
これに対して、実施例1及び実施例2のものは、押出速度、引張強度、熱老化後の引張強度及び100%モジュラス値ともに、軟質塩化ビニルコンパウンドに非常に近い値を示した。水酸化アルミニウムを250重量部まで増量した実施例3のものは、多少押出速度が低下するものの、良好な引張強度を示し、100%モジュラス値も15MPaを超えていない。
【0019】
一方、比較例1は無機粉体の量が不十分なため、引張強度が不十分であり、比較例2はγ−アミノプロピルトリアルコキシシランが配合されていないので、補強効果が見られない。また、比較例3は求電子反応性基として酸無水物基を共重合したオレフィン系共重合体を配合していないので、補強効果が不十分である。
【0020】
このように、本発明の構成要素が1つでも欠けると補強効果が不十分もしくは発現しなくなってしまうことが判る。γ−アミノプロピルトリアルコキシシランの配合量は、樹脂分合計量100重量部に対して、0.1以上5重量部以下が一般的で好ましい。求電子反応性基を共重合したポリオレフィン系熱可塑性反応性樹脂は、樹脂分全体を100%とした場合、1以上30重量部以下が、本発明の効果、コンパウンドの成形のし易さを鑑みると好ましい。
【0021】
実施例4では、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂として低融点でも柔軟性に優れる熱可塑性樹脂のみを単独で使用した。本発明の補強効果は、成形性、柔軟性を犠牲にすることなく達成されているものの、100℃で熱老化させたところ、熱変形して強度の測定ができなかった。このような性質は、通常の条件で使用するにはさほど問題無いと思われるが、異常時に溶解してチューブとしての役目を果たさない恐れもある。よって、特に好ましくは、オレフィン系熱可塑性樹脂として、住友TPE824のように融点が150℃を超える熱可塑性樹脂と、タフマーA4085のように低融点でも柔軟性に優れ、曲げ弾性率が80MPa以下の熱可塑性樹脂と、をブレンドしたものを用いる。
【0022】
尚、比較例1を除き、本実施例及び比較例で示したコンパウンドは、いずれもUL94の基準にてHBの優れた難燃性を示した。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、軟質塩化ビニルと同等の優れた柔軟性をと成形性を有し、機械強度を大幅に向上させたポリオレフィン系樹脂組成物を得ることができた。また、実施例に示したようなノンハロゲン難燃コンパウンドを、最近環境汚染の問題で使用が疑問視されている塩化ビニルなどの含ハロゲンコンパウンドと置き換えれば、これらの問題の本質的解決にも貢献でき、産業上の利用価値は非常に高い。

Claims (1)

  1. ポリオレフィン系熱可塑性樹脂と、求電子反応性基を共重合したポリオレフィン系熱可塑性反応性樹脂と、からなる樹脂分合計量100重量部に対して、空気中の水分と反応して表面にヒドロキシ基を形成する無機粉体30重量部以上と、無機粉体と反応し得る官能基と求核反応性基を同一分子内に有する化合物と、を混合してなる柔軟性熱可塑性樹脂組成物であって、上記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、融点が150℃を超える熱可塑性樹脂と、曲げ弾性率が80MPa以下の熱可塑性樹脂と、をブレンドしたものであることを特徴とする柔軟性熱可塑性樹脂組成物。
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