JP2000159938A - 熱接着性熱可塑性エラストマー - Google Patents

熱接着性熱可塑性エラストマー

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JP2000159938A
JP2000159938A JP34089498A JP34089498A JP2000159938A JP 2000159938 A JP2000159938 A JP 2000159938A JP 34089498 A JP34089498 A JP 34089498A JP 34089498 A JP34089498 A JP 34089498A JP 2000159938 A JP2000159938 A JP 2000159938A
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ethylene
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elastomer
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Shigeo Kobayashi
重夫 小林
Hiroyuki Tsuchida
浩之 土田
Atsushi Jinno
敦司 神野
Yoshiichi Kodera
宣一 小寺
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Maxell Kureha Co Ltd
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Kureha Elastomer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂、ガラスおよび金属等に対する熱
接着性に優れると共に、成形性に優れ、成形品が柔軟
で、光沢を有し、汚れが付着し難く落ち易い熱接着性熱
可塑性エラストマーを提供する。 【解決手段】 融点が110℃以上、弾性率が800
0kg/cm2 以下の結晶性オレフィン重合体および硬度
(JIS−A)が90度以下でエポキシ基を含有しない
エチレン系共重合体Aからなる熱可塑性エラストマー
に、エポキシ基を有する単量体を共重合成分とし、その
含有量が10〜80重量%のエチレン系共重合体Bを添
加する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種の樹脂、ガ
ラス等の無機物および金属等に対する熱接着性に優れる
と共に、成形性および耐熱性に優れ、かつ柔軟で、光沢
のある成形品が得られ、工業的に安価に製造することが
できる熱接着性熱可塑性エラストマーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】EPDM等のオレフィン共重合体ゴムを
オレフィン系樹脂と共に高剪断速度で混練しながら有機
過酸化物で架橋することにより、ゴムおよびオレフィン
系樹脂の中間的性質を備えた熱可塑性エラストマーを製
造することが知られており、このオレフィン系熱可塑性
エラストマーは、自動車部品その他の成形用に広く使用
されている。しかし、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、極性基を有しないため、他の材料に対して熱接着
をすることができず、そのため用途が制限されていた。
このオレフィン系熱可塑性エラストマーの熱接着を可能
にするため、不飽和エポキシ単量体を添加することが知
られている(特開昭64−85206号公報参照)。
【0003】しかしながら、上記の不飽和エポキシ単量
体を添加したオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ソ
フトセグメントとして、EPDM等のオレフィン共重合
体ゴムを使用した架橋系の熱可塑性エラストマーである
ため、成形性が悪く、かつ成形品の表面が梨子地状とな
って光沢に乏しく、例えば自動車の窓ガラスのウエザー
ストリップ等に用いた場合に要求特性を満たすことがで
きなかった。また、手摺りや把手の表面被覆に用いた場
合は、手垢その他の汚れが付着し易く、いったん付着す
ると落ち難いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、工業的に
安価に製造することができ、樹脂、ガラスおよび金属等
に対する熱接着性に優れると共に、成形性および耐熱性
に優れ、他の樹脂との多色成形や複合押出しが容易であ
り、かつ成形品が柔軟で、光沢を有し、汚れが付着し難
く落ち易く、例えば自動車や建材分野のガラス、鉄板、
ブリキ板等に接着して用いるシーリング材、ガスケット
材、パッキング材等、また手摺りや把手用の金属パイプ
に接着して用いる被覆材として好適な熱接着性熱可塑性
エラストマーを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る熱接着性
熱可塑性エラストマーは、融点が110℃以上、弾性率
が8000kg/cm2 以下の結晶性オレフィン重合体およ
び硬度(JIS−A)が90度以下でエポキシ基を含有
しないエチレン系共重合体Aからなる熱可塑性エラスト
マーに、エポキシ基を有する単量体を共重合成分とし、
その含有量が5〜80重量%のエチレン系共重合体Bを
添加したものである。そして、上記の結晶性オレフィン
重合体およびエチレン系共重合体Aの重量配合比は10
/90〜80/20に、また上記エチレン系共重合体B
の配合量は、熱可塑性エラストマー100重量部に対し
10〜80重量部にそれぞれ設定される。
【0006】すなわち、この発明の熱接着性熱可塑性エ
ラストマーは、結晶性オレフィン重合体をハードセグメ
ントとし、エチレン系共重合体Aをソフトセグメントと
する熱可塑性エラストマーにエチレン系共重合体Bを添
加したものであり、加硫ゴム成分を含有しないので、成
形性に優れ、他の樹脂との多色成形や複合押出しが容易
であり、かつ成形品の表面光沢が良好である。そして、
ソフトセグメントのエチレン系共重合体Aは、エポキシ
基を備えたエチレン系共重合体Bとの相溶性が良好であ
るから、製造が容易であると共に、上記エラストマーの
熱接着性が向上し、他の樹脂、ガラスおよび金属との熱
接着が容易である。
【0007】この発明において、ハードセグメントを構
成する結晶性オレフィン重合体は、融点が110℃以上
で、かつ弾性率が8000kg/cm2 以下のものであり、
ポリプロピレン共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、
ポリブテン−1重合体およびその共重合体が例示され、
これらの代表的なものは商業的に入手が容易である。そ
して、上記の結晶性オレフィン重合体は、いずれか一種
を単独で、または2種以上を混合して用いることができ
る。ただし、融点が110℃未満のものは耐熱性が低下
するため、また弾性率が8000kg/cm2 を超えるもの
は柔軟性が低下するため、いずれもこの発明では使用で
きない。
【0008】一方、ソフトセグメントを構成するエチレ
ン系共重合体Aは、硬度(JIS−A)が90度以下で
エポキシ基を含有しないものであり、エチレン/α−オ
レフィン共重合体(直鎖状超低密度ポリエチレン)、エ
チレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/メチルメタク
リレート共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重
合体等が例示され、いずれも商業的に入手が可能であ
り、かつ共重合成分を増やすことで硬度が90度以下に
設定される。そして、これらのエチレン系共重合体A
は、いずれか一種を単独で、または2種以上を混合して
使用することができる。ただし、上記硬度が90度を超
えると、熱接着性熱可塑性エラストマーの柔軟性が低下
して硬度が95度を超える場合が生じ、この発明の目的
達成が困難になる。なお、前記結晶性オレフィン重合体
に属する直鎖状超低密度ポリエチレンと上記エチレン系
共重合体Aに属する直鎖状超低密度ポリエチレンとを区
別するため、以下においては前者を直鎖状超低密度ポリ
エチレンHまたはLLDPE−Hと記載し、後者を直鎖
状超低密度ポリエチレンSまたはLLDPE−Sと記載
する。
【0009】この発明の結晶性オレフィン重合体(ハー
ドセグメント)およびエチレン系共重合体A(ソフトセ
グメント)の配合比率(重量比)は10/90〜80/
20に設定される。上記の配合比率が10/90未満の
場合は、得られる熱接着性熱可塑性エラストマーの機械
的強度が不足し、反対に80/20を超えると、熱接着
性熱可塑性エラストマーの柔軟性が低下して硬度が95
度を超える結果になり、いずれの場合もこの発明の目的
が達成されない。
【0010】この発明では、上記のハードセグメントと
ソフトセグメントとからなる熱可塑性エラストマーにエ
チレン系共重合体Bが添加される。このエチレン系共重
合体Bは、エポキシ基を有する単量体を共重合成分とす
るものであり、エチレンと不飽和エポキシ単量体との共
重合体、エチレン/酢酸ビニルと不飽和エポキシ単量体
との共重合体およびエチレン/メチルメタクリレートと
不飽和エポキシ単量体との共重合体等が例示され、不飽
和エポキシ単量体にはグリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート等が例示され、その代表的なものは
商業的に入手が可能である。ただし、これらの単量体の
含有量は5〜80重量%に限定され、5重量%未満では
組成物の接着力が不足し、80重量%を超えるとゲル化
が起き易くなる。
【0011】上記エチレン系共重合体Bの添加量は、前
記の結晶性オレフィン重合体とエチレン系共重合体Aと
からなる熱可塑性エラストマーの100重量部に対し1
0〜80重量部に設定される。この添加量が10重量部
未満では接着力が不足し、反対に80重量部を超えると
ゲル化が起き易くなる。
【0012】この発明では、上記のエチレン系共重合体
B以外にパラフィン系、ナフテン系、芳香族系のプロセ
スオイルを軟化剤として必要に応じて添加し、熱接着性
熱可塑性エラストマーの硬度(JIS−A)を50〜9
5度に設定することができる。その添加量は、前記の結
晶性オレフィン重合体とエチレン系共重合体Aとからな
る熱可塑性エラストマーの100重量部に対し80重量
部以下が好ましく、80重量部を超えると所期の熱接着
性が得られない。また、上記の硬度が50度未満では、
得られる熱接着性熱可塑性エラストマーの機械的強度が
不足し、反対に95度を超えると、柔軟性が不足する。
なお、後記する実施形態1〜7の熱接着性熱可塑性エラ
ストマーは、プロセスオイルを添加することなく硬度7
5〜85度が得られ、熱接着性に優れているが、上記の
プロセスオイルを添加することにより、硬度を広い範囲
で調節することが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】実施形態1 融点が110℃以上、弾性率が8000kg/cm2 以下の
結晶性オレフィン重合体としてポリプロピレン共重合体
を用意する。また、硬度(JIS−A)が90度以下で
エポキシ基を含有しないエチレン共重合体Aとして、直
鎖状低密度ポリエチレンSを用意する。更に、エポキシ
基を有する単量体を共重合成分とし、その含有量が5〜
80重量%のエチレン系共重合体Bとして、エチレン/
酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート共重合体(EV
AGMA)を用意する。
【0014】上記のポリプロピレン共重合体および直鎖
状低密度ポリエチレンSを混合比率が10/90〜80
/20になるように秤量して混練機に投入し、その合計
量100重量部に付きエチレン/酢酸ビニル/グリシジ
ルメタクリレート共重合体を10〜80重量部秤量して
上記混練機に投入し、これらを温度160〜200℃で
5〜15分間混練し、得られた熱接着性熱可塑性エラス
トマーを押出し、切断してペレット化する。このエラス
トマーは、融点の高いポリプロピレン共重合体を使用す
るため、耐熱性に優れる。
【0015】得られたペレット状の熱接着性熱可塑性エ
ラストマーは、必要量を温度170〜210℃で溶融
し、射出成形または押出し成形その他の任意の方法で所
望の形に成形される。そして、必要に応じて他の樹脂、
ガラス、金属等からなる基板等に熱接着により積層され
る。例えば、ガラスや金属をあらかじめ150〜250
℃程度に予熱し、その上に溶融樹脂を被覆する。また、
シート状の成形品は熱ロールで圧着する。射出成形で
は、平板金型のキャビティにあらかじめ成形された上記
の基板を装着して上記キャビティの射出口側に隙間を形
成し、この隙間に上記の熱接着性熱可塑性エラストマー
を射出することにより、上記の基板とその表面に強固に
熱接着された熱接着性熱可塑性エラストマーのクッショ
ン層とからなる積層板が得られる。
【0016】実施形態2 実施形態1のポリプロピレン共重合体に代えて融点が1
10℃以上、弾性率が8000kg/cm2 以下の直鎖状低
密度ポリエチレンHをハードセグメントに用い、それ以
外は、実施形態1と同様にして直鎖状低密度ポリエチレ
ンH、直鎖状低密度ポリエチレンSおよびエチレン/酢
酸ビニル/グリシジルメタクリレート共重合体からなる
熱接着性熱可塑性エラストマーを製造する。
【0017】実施形態3 実施形態1のポリプロピレン共重合体に代えて融点が1
10℃以上、弾性率が8000kg/cm2 以下のブテン−
1重合体をハードセグメントに用い、それ以外は、実施
形態1と同様にしてブテン−1重合体、直鎖状低密度ポ
リエチレンSおよびエチレン/酢酸ビニル/グリシジル
メタクリレート共重合体からなる熱接着性熱可塑性エラ
ストマーを製造する。
【0018】実施形態4 実施形態2において、直鎖状低密度ポリエチレンSに代
えて硬度(JIS−A)が90度以下のエチレン/酢酸
ビニル共重合体を用い、それ以外は実施形態2と同様に
して直鎖状低密度ポリエチレンH、エチレン/酢酸ビニ
ル共重合体およびエチレン/酢酸ビニル/グリシジルメ
タクリレート共重合体からなる熱接着性熱可塑性エラス
トマーを製造する。
【0019】実施形態5 実施形態2において、エチレン共重合体Aとして硬度
(JIS−A)が90度以下の直鎖状低密度ポリエチレ
ンSおよびエチレン/メチルメタクリレート共重合体
(EMMA)を併用し、それ以外は実施形態2と同様に
して直鎖状低密度ポリエチレンH、直鎖状低密度ポリエ
チレンS、エチレン/メチルメタクリレート共重合体お
よびエチレン/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート
共重合体からなる熱接着性熱可塑性エラストマーを製造
する。この場合、エチレン/酢酸ビニル/グリシジルメ
タクリレート共重合体は、ソフトセグメントを構成する
と共に、極性基(アクリル)を有しているため、金属や
樹脂等との相溶性が向上する。
【0020】実施形態6 実施形態1において、結晶性オレフィン重合体として実
施形態1のポリプロピレン共重合体および実施形態2の
直鎖状低密度ポリエチレンHを併用し、それ以外は実施
形態1と同様にしてポリプロピレン共重合体、直鎖状低
密度ポリエチレンH、直鎖状低密度ポリエチレンSおよ
びエチレン/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート共
重合体からなる熱接着性熱可塑性エラストマーを製造す
る。この場合は、ポリプロピレン共重合体の使用により
耐熱性が向上し、硬度も上昇するが、直鎖状低密度ポリ
エチレンHを併用することにより、硬度上昇が抑制さ
れ、耐熱性と柔軟性の両立が可能になる。
【0021】実施形態7 実施形態6において、ソフトセグメントのエチレン共重
合体Aとして直鎖状低密度ポリエチレンSおよびエチレ
ン/メチルメタクリレート共重合体を併用し、それ以外
は実施形態6と同様にしてポリプロピレン共重合体、直
鎖状低密度ポリエチレンH、直鎖状低密度ポリエチレン
S、エチレン/メチルメタクリレート共重合体およびエ
チレン/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート共重合
体からなる熱接着性熱可塑性エラストマーを製造する。
【0022】
【実施例】融点が110℃以上、弾性率が8000kg/
cm2 以下の結晶性オレフィン重合体として下記のものを
用意した。 (1) PP共重合体a:住友化学社製「ノーブレン S1
31」、融点134℃、弾性率6900kg/cm2 (2) PP共重合体b:住友化学社製「軟質ポリオレフィ
ンKS37G−1」、融点138℃、弾性率3400kg
/cm2 (3) LLDPE−Ha:出光化学社製「モアテック01
28」、融点110℃以上、弾性率3000kg/cm2 (4) LLDPE−Hb:住友化学社製「スミカセンHi
−α」、融点118℃、弾性率1400kg/cm2 (5) LLDPE−Hc:住友化学社製「エクセレンVL
−100」、融点117℃、弾性率900kg/cm2 (6) ポリブテン−1:三井化学社製「P−4000」、
融点123℃、弾性率4300kg/cm2
【0023】硬度(JIS−A)が90度以下でエポキ
シ基を含有しないエチレン系共重合体Aとして下記のも
のを用意した。 (1) LLDPE−Sa:デュポン・ダウケミカル社製
「エンゲージ,EG8180」、硬度(JIS−A)6
6度 (2) LLDPE−Sb:住友化学社製「エスプレンSP
O NO394」、硬度(JIS−A)85度 (3) EVA:三井・デュポンポリケミカル社製「エバフ
レックスEV−250」、硬度(JIS−A)76度 (4) EMMA:住友化学社製「アクリフト CM−40
13」、硬度(JIS−A)63度 なお、比較のために下記の水添NBRを用意した。 (5) 水添NBR:日本合成ゴム社製「ダイナロン132
0P」、硬度(JIS−A)40度
【0024】エポキシ基を有する単量体を共重合成分と
し、その含有量が10〜80重量%のエチレン系共重合
体Bとして下記のものを用意した。 1.EVAGMA−a:住友化学社製「ボンドファース
ト 2B」、エポキシ含有量12wt% 2.EVAGMA−b:三井・デュポンポリケミカル社
製「エルバロイ PT」、エポキシ含有量5wt%以上 なお、比較のため下記のエポキシ変性スチレン系エラス
トマーおよび無水マレイン酸変性オレフィンを用意し
た。 3.エポキシ変性スチレン系エラストマー:ダイセル化
学社製「エポブレンドA1020」、エポキシ含有量2
0wt% 4.無水マレイン酸変性オレフィン:住友化学社製「ボ
ンダインAX8390」、エポキシ含有量0wt%
【0025】上記の各種の樹脂材料を種々の比率で配合
し、混練機(東洋精機社製「ラボプラントミルR−50
0)に投入し、180℃で30分間混練し、ロールでシ
ートを成形し、接着強度、硬度Hs (JIS−A)、引
張強度Tb 、引張伸度Eb および100%モジュラスM
100 の測定用試料を作って試験した。接着強度は、18
0℃の熱プレスでガラス板およびブリキ板(亜鉛引き鉄
板)と接着し、180度剥離法(試料幅:10mm)で試
験し、0.1kg未満を×、0.1kg以上0.5kg未満を
△、0.5以上1.0kg未満を○、1.0kg以上を◎で
示した。なお、対ガラスの接着強度を接着強度a、対ブ
リキの接着強度を接着強度bとした。また、Tb 、Eb
およびM100 は、JIS K−6251に準拠して試験
した。上記試験結果を配合比(重量%)と共に下記の表
1および表2に記載した。ただし、「実施例」を「実」
と、また「比較例」を「比」とそれぞれ略記した。
【0026】表 1
【0027】表 2
【0028】上記の表1、2に示すように、実施例1〜
9は、いずれもガラスおよびブリキとの接着性に優れて
おり、かつ表面の光沢が良好であった。これに対して比
較例1は、ハードセグメントおよびソフトセグメント以
外の第3成分として、エチレン系共重合体Bに代えてエ
ポキシ変性スチレン系エラストマーを使用しているた
め、M100 が高めで、対ガラスおよび対ブリキの接着強
度が低くなった。また、比較例2は、エチレン系共重合
体Aに代えて水添NBRを、またエチレン系共重合体B
に代えてエポキシ基を有しない無水マレイン酸変性オレ
フィンを使用したため、対ガラスおよび対ブリキの接着
強度が低くなった。また、比較例3は、エチレン系共重
合体Bに代えて比較例2と同様に無水マレイン酸変性オ
レフィンを使用したため、対ガラスおよび対ブリキの接
着強度が低くなった。また、比較例4は、エチレン系共
重合体B(エチレン/酢酸ビニル/グリシジルメタクリ
レートを使用しているが、その配合量が少なく、組成物
全量の4重量%であるため、対ガラスおよび対ブリキの
接着強度が低くなった。
【0029】
【発明の効果】上記のとおり、この発明の熱接着性熱可
塑性エラストマーは、ハードセグメントとして結晶性オ
レフィン重合体を、ソフトセグメントとしてエポキシ基
を含有しない低硬度のエチレン系共重合体Aを用い、こ
れにエポキシ基を含有するエチレン系共重合体Bを添加
したものであるから、市販の材料を最も安価な単軸押出
機で混練するだけで容易に製造することができ、かつ柔
軟な熱可塑性エラストマーの特性を備えていて成形性お
よび表面光沢が良好であり、しかもガラスや鉄等に対す
る熱接着性に優れている。したがって、自動車や建材分
野のガラス、鉄板、ブリキ板等に接着して用いるシーリ
ング材、ガスケット材、パッキング材等、また手摺りや
把手用の金属パイプに接着して用いる被覆材として好適
である。特に請求項2に記載した発明は、エチレン系共
重合体Aの硬度調整が容易であるため、製造が一層容易
になる。
フロントページの続き (72)発明者 神野 敦司 三重県津市観音寺町255番地 クレハエラ ストマー株式会社津工場内 (72)発明者 小寺 宣一 三重県津市観音寺町255番地 クレハエラ ストマー株式会社津工場内 Fターム(参考) 4J002 BB00W BB04X BB05X BB06X BB07X BB08X BB10Y CD19Y GF00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が110℃以上、弾性率が8000
    kg/cm2 以下の結晶性オレフィン重合体および硬度(J
    IS−A)が90度以下でエポキシ基を含有しないエチ
    レン系共重合体Aからなる熱可塑性エラストマーに、エ
    ポキシ基を有する単量体を共重合成分とし、その含有量
    が5〜80重量%のエチレン系共重合体Bを添加してな
    り、上記の結晶性オレフィン重合体およびエチレン系共
    重合体Aの重量配合比が10/90〜80/20、上記
    エチレン系共重合体Bの配合量が熱可塑性エラストマー
    100重量部に対し10〜80重量部であることを特徴
    とする熱接着性熱可塑性エラストマー。
  2. 【請求項2】 エチレン系共重合体Aがエチレン/α−
    オレフィン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
    エチレン/メチルメタクリレート共重合体およびエチレ
    ン/エチルアクリレート共重合体から選ばれたいずれか
    一または二以上の共重合体からなる請求項1記載の熱接
    着性熱可塑性エラストマー。
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