JP3871833B2 - ナビゲーション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両位置周辺の地図情報の表示や、経路探索によって出発地と目的地とを結ぶ経路の設定を行うナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車載用のナビゲーション装置は、車両の現在位置を検出し、その近傍の地図データをDVDやCD等の記録媒体から読み出して画面上に表示する。また、画面中央には自車位置を示す車両位置マークが表示されており、この車両位置マークを中心に車両の進行にしたがって近傍の地図データがスクロールされ、常時自車位置周辺の地図情報がわかるようになっている。
【0003】
また、最近の車載用ナビゲーション装置のほとんどには、運転者が所望の目的地に向かって道路を間違うことなく走行できるようにした経路誘導機能が搭載されている。この経路誘導機能によれば、地図データを用いて出発地から目的地までを結ぶ経路が横型探索(BFS)法あるいはダイクストラ法等のシミュレーションによって自動探索され、探索された経路が誘導経路として記憶される。そして、走行中に、地図画像上に誘導経路を他の道路とは色を変えて太く描画して画面表示したり、車両が進路を変更すべき交差点に一定距離内に近づいたときに、この交差点を拡大表示して進行方向を示す矢印を表示したりすることにより、運転者を目的地まで案内するようになっている。
【0004】
また、ナビゲーション装置の中には、1回の経路探索によって同時に複数の経路が探索され、利用者の選択指示によってその中から所望の経路を選ぶことができるものがある。選択結果としての複数の誘導経路が表示画面内に同時に表示されるため、利用者は、それぞれの経路の情報(時間、距離、一般道路か高速道路を示す道路種別等)を参考にしながらそれらの経路を比較検討することができるため、その中で最適な経路を選択することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、経路探索によって得られた複数の経路の中から一つを選択する従来のナビゲーション装置においては、探索結果を見た利用者によっていずれかの経路が選択された後にその経路に沿った誘導動作を行うことになるため、必ず利用者による選択操作が必要になる。しかし、地図上に重ねて強調表示された探索結果としての複数の経路を見ただけで、走行する経路が判断できるような場合には、複数の経路の中からいずれかを選択する操作が煩わしい場合もある。
【0006】
例えば、遠隔地や不慣れな土地を走行するために上述した経路誘導機能を使用する場合には、走行する道路についての知識がない場合が多いため、探索された複数の経路を比較検討して利用者によって選択された経路が決定してからその経路に沿って走行を行うことになる。しかし、自宅周辺等の慣れた土地を走行する場合であって、渋滞を回避するために経路を選択するような場合においては、走行する道路についての知識があるため、探索された複数の経路が地図画面上に重ねて表示された時点で、利用者は、自分が走行したい経路を知ることができ、その経路上をあるいはその経路に向かって自車を走行させることができる。したがって、このような場合には、利用者は、必ずしも探索された複数の経路の中から一つを選択する操作を行わなくても、自分が走行する経路がわかっており、この選択操作が煩わしい場合もある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、経路探索によって得られた複数の経路の中からいずれかを選択する際の煩わしい操作を低減することができるナビゲーション装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明のナビゲーション装置は、自車位置検出手段、経路探索手段、経路選択手段、経路誘導手段を備えることにより、複数の探索条件にしたがって複数の経路を探索し、この中から走行中の自車位置に基づいて一つを選択して所定の案内動作を行っている。利用者は、選択しようとする経路に沿って車両を走行させるだけで経路探索によって得られた経路の中からいずれかの経路を選択することができるため、経路を選択する際の煩わしい操作を低減することができる。
【0009】
また、上述した経路の選択は、経路探索によって得られた複数の経路の中で自車位置が含まれるものが一つである場合に行うことが望ましい。車両が走行している経路が一つになるということは、利用者によって特別な選択操作がなされない場合であっても、その経路に沿って走行したいと利用者が考えていることになるため、このような経路を自動的に選択することにより、誤判断のない正確な経路選択が可能になる。
【0010】
また、一つの経路が選択される前に、自車位置に対応する複数の経路から自車位置が外れた場合に、これら自車位置に対応する複数の経路について設定された探索条件を考慮して再度の経路探索を行うことが望ましい。再度の経路探索を行う場合に、対象となる探索条件を自車位置に対応したものだけに限定することにより、処理の簡略化が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、一実施形態のナビゲーション装置について図面を参照しながら説明する。
【0012】
(1)ナビゲーション装置の全体構成
図1は、本発明を適用した一実施形態の車載用ナビゲーション装置の全体構成を示す図である。同図に示すナビゲーション装置は、全体を制御するナビゲーションコントローラ1と、地図表示や経路探索等に必要な各種の地図データを記録したDVD2と、このDVD2に記録された地図データを読み出すディスク読取装置3と、運転者や搭乗者が各種の指示を入力する操作部としてのリモートコントロール(リモコン)ユニット4と、自車位置と自車方位の検出を行うGPS受信機5および自律航法センサ6と、道路交通情報センタ(VICSセンタ)から送られてくる道路交通情報を各種の通信方式によって受信するビーコン送受信機7およびFM多重放送受信機8と、地図画像やこれに重ねて誘導経路を表示するディスプレイ装置9と、経路案内を行う際に所定の音声を出力するオーディオ部10とを備えている。
【0013】
上述したディスク読取装置3は、1枚あるいは複数枚のDVD2が装填可能であり、ナビゲーションコントローラ1の制御によっていずれかのDVD2から地図データの読み出しを行う。リモコンユニット4は、経路探索指示を与えるための探索キー、経路誘導モードの設定に用いる経路誘導モードキー、目的地入力キー、左右上下のカーソルキー、地図の縮小/拡大キー、表示画面上のカーソル位置にある項目の確定を行う設定キー等の各種操作キーを備えており、キーの操作状態に応じた赤外線信号がナビゲーションコントローラ1に向けて送信される。
【0014】
GPS受信機5は、複数のGPS衛星から送られてくる電波を受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算し(車両方位は現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)、これらを測位時刻とともに出力する。また、自律航法センサ6は、車両回転角度を相対方位として検出する振動ジャイロ等の角度センサ12と、所定走行距離毎に1個のパルスを出力する距離センサ14とを備えており、車両の相対位置および方位を検出する。
【0015】
ビーコン送受信機7は、主に高速道路上に設置された電波ビーコン送受信機との間で電波を介して双方向通信を行うとともに、主に一般道路上に設置された光ビーコン送受信機との間で光を介して双方向通信を行うことにより、VICSセンタから送られてくるVICS交通情報を受信する。FM多重放送受信機8は、一般のFM放送に重畳された多重化データに含まれるVICS交通情報を受信する。上述した電波ビーコン、光ビーコンとFM多重放送とを比較すると、どちらもVICS交通情報を受信できる点およびその内容に基本的な違いはないが、FM多重放送による場合の方が広範囲の受信エリアで交通情報を得ることができる。
【0016】
ディスプレイ装置9は、ナビゲーションコントローラ1から出力される画像データに基づいて、自車周辺の地図情報を車両位置マークや出発地マーク、目的地マーク等とともに表示したり、この地図上に誘導経路を表示する。
【0017】
(2)地図データの詳細内容
DVD2に記録された地図データは、所定の経度および緯度で区切られた図葉を単位としており、各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。また、各図葉ごとの地図データには、地図表示に必要な各種のデータからなる描画ユニットと、マップマッチングや経路探索、経路誘導等の各種の処理に必要なデータからなる道路ユニットと、交差点の詳細データからなる交差点ユニットが含まれている。また、上述した描画ユニットには、VICSセンタから送られてくる渋滞情報に基づいて対応する道路を特定するために必要なVICS変換レイヤのデータと、建物あるいは河川等を表示するために必要な背景レイヤのデータと、市町村名や道路名等を表示するために必要な文字レイヤのデータが含まれている。上述した道路ユニットにおいて、道路上のある交差点と隣接する他の交差点等とを結ぶ線をリンクといい、2本以上のリンクを結ぶ点をノードという。
【0018】
(3)ナビゲーションコントローラの詳細構成および動作
次に、図1に示したナビゲーションコントローラ1の詳細な構成について説明する。ナビゲーションコントローラ1は、DVD2から読み出した地図データに基づいてディスプレイ装置9に所定の地図表示をするための地図バッファ16、地図読出制御部18、地図描画部20、VRAM22、読出制御部24、画像合成部26と、自車位置の計算やマップマッチング処理、経路探索処理、経路誘導処理を行うとともにその結果を表示するためのデータ記憶部30、車両位置・方位計算部32、マップマッチング処理部34、経路探索処理部36、誘導経路メモリ38、経路探索メモリ40、誘導経路描画部42、マーク画像発生部44、交差点案内部46と、ビーコン送受信機7等によって受信したVICS情報を表示するための受信データバッファ50、VICS情報描画部52と、経路探索処理部36によって探索された複数の誘導経路の中から1つの誘導経路を選択する経路選択処理部43と、利用者に対する各種の操作画面を表示したりリモコンユニット4からの操作指示を各部に伝えるためのリモコン制御部60、カーソル位置計算部62、操作画面発生部64とを備えている。
【0019】
地図バッファ16は、ディスク読取装置3によってDVD2から読み出された地図データを一時的に格納するためのものである。地図読出制御部18によって画面中心位置が計算されると、この画面中心位置を含む所定範囲の地図データの読み出し指示が地図読出制御部18からディスク読取装置3に送られて、地図表示に必要な地図データがDVD2から読み出されて地図バッファ16に格納される。例えば、画面中心位置を含む4枚の図葉に対応した地図データが読み出されて地図バッファ16に格納される。
【0020】
地図描画部20は、地図バッファ16に格納された4つの図葉の地図データに含まれる描画ユニットに基づいて、表示に必要な地図画像を作成する。作成された地図画像データはVRAM22に格納され、読出制御部24によって1画面分の地図画像データが読み出される。画像合成部26は、この読み出された地図画像データに、マーク画像発生部44、交差点案内部46、操作画面発生部64のそれぞれから出力される各画像データを重ねて画像合成を行い、合成された画像がディスプレイ装置9の画面に表示される。
【0021】
データ記憶部30は、GPS受信機5から出力される測位位置(自車位置)データを順次格納する。また、車両位置・方位計算部32は、自律航法センサ6から出力される自車の相対的な位置および方位から絶対的な自車位置および方位を計算する。マップマッチング処理部34は、データ記憶部30に格納されたGPS受信機5による自車位置あるいは車両位置・方位計算部32によって計算された自車位置が地図データの道路上に存在するか否かを判定し、道路上から外れた場合には計算により求めた自車位置を修正する処理を行う。マップマッチングの代表的な手法としては、パターンマッチングと投影法が知られている。
【0022】
経路探索処理部36は、利用者によるリモコンユニット4のカーソルキーの操作によって地図上の特定箇所にカーソルが移動された後目的地入力キーが押下されると、このときカーソル位置計算部62によって計算されたカーソル位置を経路探索の目的地として設定する。設定された目的地データは誘導経路メモリ38に格納される。
【0023】
また、経路探索処理部36は、リモコンユニット4の探索キーが押下されると、マップマッチング処理部34によって修正された後の自車位置を出発地として設定して誘導経路メモリ38に格納するとともに、距離優先、時間優先等の1あるいは複数の探索条件にしたがって、出発地および目的地を結ぶ最もコストが小さな経路を探索し、誘導経路として設定する。複数の探索条件が設定されている場合には、探索条件毎に経路が探索され、探索結果として複数の誘導経路が得られる。なお、コストとは、距離を基に、道路幅員、道路種別(一般道か高速道路かなど)、右折および左折等に応じた所定の定数を乗じた値であり、誘導経路としての適正の程度を数値化したものである。距離が同一の2つの経路があったとしても、探索条件によってコストは異なったものとなる。例えば、時間優先の探索条件の下で経路探索を行う場合には、経路探索処理部36は、ビーコン送受信機7等によって受信されて受信データバッファ50に格納されているVICS情報に含まれている渋滞情報に基づいて、コストの修正を行った上で、出発地から目的地までの所要時間が最小となる経路を探索する。経路探索の代表的な手法としては、ダイクストラ法や横型探索法が知られている。このようにして探索条件ごとに探索された複数の誘導経路のそれぞれを特定するデータ(誘導経路データ)は、誘導経路メモリ38に記憶される。
【0024】
図2は、誘導経路メモリ38に格納される誘導経路データの一例を示す図である。同図に示す誘導経路データは、対応する探索条件情報と、誘導経路を特定するために必要な出発地から目的地までのノードの集合NS、N1、N2、…、NDとによって構成されている。
【0025】
経路探索メモリ40は、経路探索に必要な交差点ネットワークリストのデータを格納するためのものであり、上述した経路探索処理部36によってこれらの格納データが読み出されて所定の経路探索処理が行われる。
【0026】
誘導経路描画部42は、誘導経路メモリ38に記憶された誘導経路データの中から、その時点でVRAM22に描画された地図エリアに含まれるものを選び出し、地図画像に重ねて所定色で太く強調した誘導経路を描画する。探索された誘導経路が複数ある場合には、それぞれが識別可能なように、例えば色分けした状態で描画される。マーク画像発生部44は、マップマッチング処理された後の自車位置に車両位置マークを発生させたり、所定形状を有するカーソルマークを発生する。
【0027】
経路選択処理部43は、経路探索処理部36によって複数の誘導経路が探索され、これら複数の誘導経路が地図画像に重ねて表示されているときに、利用者によるリモコンユニット4のカーソルキーの操作によっていずれかの誘導経路にカーソルが移動された後設定キーが押下されると、カーソル位置計算部62によって計算されたカーソル位置に対応する誘導経路を経路案内用の誘導経路として選択する。
【0028】
また、経路選択処理部43は、利用者によって誘導経路が選択されなかった場合には、マップマッチング処理部34によって修正された後の自車位置と、誘導経路メモリ38に格納された複数の誘導経路データとに基づいて、自車位置を含む誘導経路が1つだけであるか否かを判定し、1つだけである場合にはその誘導経路を経路案内用の誘導経路として選択する。
【0029】
交差点案内部46は、経路選択処理部43によって選択された誘導経路において、車両が接近中の交差点における案内を表示画像および音声で行うものであり、実際の経路誘導時に、自車が誘導経路前方にある交差点から所定距離内に接近したときに、この接近中交差点の案内図(交差点拡大図、行先、進行方向矢印)をディスプレイ装置9の画面に表示するとともに、オーディオ部10を通して進行方向を音声で案内する。
【0030】
上述したGPS受信機5、自律航法センサ6、データ記憶部30、車両位置・方向計算部32、マップマッチング処理部34が自車位置検出手段に、経路探索処理部36が経路探索手段に、経路選択処理部43が経路選択手段に、誘導経路描画部42、交差点案内部46が経路誘導手段にそれぞれ対応している。
【0031】
(4)ナビゲーション装置の動作
ナビゲーション装置の全体およびナビゲーションコントローラ1は、上述した構成を有しており、次に、ナビゲーション装置の動作を説明する。図3は、複数の誘導経路の中から1つの誘導経路を選択する場合のナビゲーション装置の動作手順を示す流れ図である。なお、以下の説明においては、時間優先、距離優先の2つの探索条件があらかじめ設定されているものとする。
【0032】
経路探索処理部36は、リモコンユニット4のカーソルキーの操作によって地図上の特定箇所にカーソルが移動された後目的地入力キーが押下され、さらに探索キーが押下されて、経路探索が指示されたか否かを判定する(ステップ100)。
【0033】
利用者によって経路探索が指示されると、次に経路探索処理部36は、あらかじめ設定されている探索条件ごとに経路探索を行い(ステップ101)、複数の誘導経路を設定する(ステップ102)。設定された複数の誘導経路は、誘導経路描画部42によって描画され、地図画像に重ねてディスプレイ装置9に表示される(ステップ103)。
【0034】
図4は、誘導経路が表示された地図画像の一例を示す図である。同図に示すように、出発地Aと目的地Bとを含んだ地図画像が表示され、この地図画像に重ねて、各誘導経路C、Dが所定色で太く強調表示される。また、誘導経路描画部42は、誘導経路データ内の探索条件情報に基づいて各誘導経路の表示色を定めており、誘導経路の表示色と探索条件は1対1に対応する。このように、探索条件ごとに誘導経路の表示色が定まることにより、利用者は、その表示色に基づいて、各誘導経路がどの探索条件に応じて探索されたものであるかを把握することができる。あるいは、画面の一部に各探索条件情報の内容を表示するようにしてもよい。
【0035】
次に、経路選択処理部43は、誘導経路が表示された地図画像において、利用者によるリモコンユニット4のカーソルキーの操作によっていずれかの誘導経路が特定された後に設定キーが押下されて、いずれかの誘導経路が選択されたか否かを判定する(ステップ104)。例えば、カーソルキーを押下する毎に、ハイライト表示される誘導経路を切り替えることにより、複数の誘導経路の中から1つを特定することができ、所望の誘導経路がハイライト表示された状態で設定キーを押下することにより、利用者は任意の誘導経路を選択することができる。
【0036】
誘導経路が選択されなかった場合には、次に経路選択処理部43は、マップマッチング処理部34よって修正された後の自車位置と、誘導経路メモリ38に格納されている各誘導経路データとに基づいて、自車位置が含まれる誘導経路が存在するか否か(ステップ105)、存在する場合にはその誘導経路は1つか否か(ステップ106)を判定する。自車位置が含まれる誘導経路が存在しない場合や、存在しても複数ある場合には、上述したステップ104に戻って、誘導経路が選択されたか否かの判定処理が繰り返される。
【0037】
また、自車位置が含まれる誘導経路が1つだけ存在する場合には、ステップ105、106においてともに肯定判断が行われ、次に経路選択処理部43は、誘導経路メモリ38に格納されている複数の誘導経路データのうち、自車位置を含む誘導経路に対応するものだけを残し、他の誘導経路データを削除することにより、自車位置を含む誘導経路を経路案内用の誘導経路として選択する(ステップ107)。
【0038】
このようにして、利用者によっていずれかの誘導経路が選択された場合にはその選択された誘導経路が経路案内用として選択され(ステップ108)、あるいは、利用者による選択は行われないが自車位置が含まれる誘導経路が1つだけ存在する場合にはその誘導経路が経路案内用として選択されて、この選択された誘導経路に基づいて経路案内が行われる(ステップ109)。例えば、誘導経路描画部42は、選択された誘導経路のみを強調表示し、交差点案内部46は、選択された誘導経路に応じた案内を行う。
【0039】
このように、本実施形態のナビゲーション装置は、経路探索によって得られた複数の誘導経路がある場合に、利用者がその中のいずれかを選択する操作を行わない場合であっても、いずれかの誘導経路上に沿って車両を走行させることによりこの誘導経路を選択して、以後の案内動作を行うことができる。したがって、利用者が自宅周辺等の慣れた土地を走行する場合であって、渋滞を回避するために経路を選択するような場合においては、探索された複数の経路が地図画面上に重ねて表示された時点で、所望の経路に沿って車両を走行させるだけで、この経路を選択することができ、利用者が行う煩わしい選択操作をなくすことができる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、一つの誘導経路が決定される前であって複数の誘導経路が選択候補になっている場合に自社位置がそれらの誘導経路から大きく外れてしまった場合については特に説明していないが、このような場合にはこれら複数の誘導経路の探索条件を考慮しながら経路の再探索を行うようにしてもよい。
【0041】
図5は、一つの誘導経路が決定される前に再探索を行う場合のナビゲーション装置の動作手順を示す流れ図である。図3に示した流れ図に対して、ステップ103とステップ104の間に、その時点で選択候補として残っている1あるいは複数の誘導経路から自車の走行位置が外れたか否かを判断するステップ200を追加した点が異なっている。
【0042】
例えば、経路探索処理によって複数の誘導経路が探索された直後においては、それらの誘導経路のいずれからも自車位置が外れた場合に上述したステップ200において肯定判断が行われ、ステップ101に戻って探索条件毎の経路探索処理が再度実施される。この場合には、予めて設定された複数の探索条件の全てについて経路探索が行われて、それぞれの探索条件に対応した複数の誘導経路が設定される(ステップ102)。
【0043】
また、自車位置を含む2つ以上の誘導経路が存在してステップ106において否定判断がなされた後においては、これらの誘導経路から自車位置が外れた場合に上述したステップ200において肯定判断が行われ、ステップ101に戻ってこれら複数の誘導経路を探索した際のそれぞれの探索条件についてのみ再度の経路探索が実施される。再度の経路探索を行う場合に、対象となる探索条件を自車位置に対応したものだけに限定することにより、探索処理の簡略化が可能になる。
【0044】
また、上述した実施形態では、探索条件として、時間優先と距離優先を列挙したが、探索条件には他にも様々なものが考えられる。例えば、一般道路優先と高速道路優先を探索条件としてもよい。また、上述した実施形態では、地図データをDVD2に記録したが、例えばCD等の他のディスク型記録媒体あるいはその他の記録媒体に記録するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、選択しようとする経路に沿って車両を走行させるだけで経路探索によって得られた経路の中からいずれかの経路を選択することができるため、経路を選択する際の利用者による煩わしい操作を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のナビゲーション装置の全体構成を示す図である。
【図2】誘導経路データの一例を示す図である。
【図3】複数の誘導経路の中から1つの誘導経路を選択する場合のナビゲーション装置の動作手順を示す流れ図である。
【図4】誘導経路が表示された地図画像の一例を示す図である。
【図5】一つの誘導経路が決定される前に再探索を行う場合のナビゲーション装置の動作手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 ナビゲーションコントローラ
2 DVD
4 リモコンユニット
5 GPS受信機
6 自律航法センサ
9 ディスプレイ装置
30 データ記憶部
32 車両位置・方向計算部
34 マップマッチング処理部
36 経路探索処理部
38 誘導経路メモリ
42 誘導経路描画部
43 経路選択処理部
46 交差点案内部
60 リモコン制御部
62 カーソル位置計算部
Claims (2)
- 走行中の自車位置を検出する自車位置検出手段と、
予め設定された複数の探索条件にしたがって複数の経路を探索する経路探索手段と、
前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置に基づいて、前記経路探索手段による探索処理によって得られた複数の前記経路の中から一つを選択する経路選択手段と、
前記経路選択手段によって選択された前記経路に沿って所定の案内動作を行う経路誘導手段と、
を備え、前記経路探索手段は、前記経路選択手段によって一つの前記経路が選択される前に、前記自車位置が前記自車位置に対応する複数の前記経路から外れた場合に、これらの前記自車位置が外れる前に対応していた複数の前記経路のそれぞれに対応する前記探索条件を用いて再度の経路探索を行うことを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項1において、
前記経路選択手段は、前記経路探索手段による探索処理によって得られた複数の前記経路の中で、前記自車位置が含まれるものが一つである場合に、その経路を選択することを特徴とするナビゲーション装置。
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1999
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