JP3870464B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されるブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
公知のブレーキ装置として、特開平7−89432号公報に記載された自動車用ブレーキ圧増大装置がある。この装置では、パニック的制動状況において、通常の制動における場合より大きなブレーキ圧増大をブレーキ圧ブースタによって実現して、高いブレーキ圧水準を達成しようとしている。すなわち乗員によるブレーキペダルの操作量あるいはペダル踏力を、通常時におけるブレーキ圧ブースタの倍力率よりも大きな倍力率にて増幅して、高いブレーキ圧を得ようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車両の制動時において、一般的にブレーキペダルからの反力が大きければ、この反力に対抗してブレーキペダルをさらに踏み込む際に、乗員は非常に大きな負担を負うこととなる。よって、たとえばパニック時等においては、この負担のために、乗員がさらにブレーキペダルを踏み込むことは困難である。よって、たとえば女性や老人が従来のブレーキ装置においてブレーキ操作をしている場合では、単にブレーキ圧ブースタによってブレーキ圧増大の倍力率を増加させているために、さらに高い制動力を得たいと思っても、ブレーキペダルをさらに踏み込めなければ、ー層高いブレーキ圧とすることはできない。
【0004】
また、一般的に乗員が停止目標を定めて目標位置に停止させるためにブレーキペダルを踏む場合においても、ペダル反力を乗員感じ始めるまでの制動初期においては、ブレーキペダルを強く踏むことができるが、このように強く踏んだことによって発生するペダル反力が大きくなれば、乗員は、乗員の意思に反してペダルの踏み込みを多少戻して反力を低減して保持してしまう。このような現象はたとえば急ブレーキに近い制動状態において発生すると予想され、この際には、乗員が予定していた制動力よりも低い制動力しか発揮されず、自分が停止目標としていた位置に対して、予想に反して制動距離が延びることとなる。
【0005】
本発明は以上のことを鑑みて、所定条件下において、乗員による制動指令の変化が所定範囲内にある間は車両にかかる制動力を連続的に増大することにより、たとえ乗員がある程度制動指令を弱めて保持したとしても、所定以上の制動力を確保することができる車両用ブレーキ装置を提供することを特徴とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では増大手段を採用する。この増大手段は、請求項1に記載の如く所定条件を満たし、且つ所定指令の変化状態が所定範囲内である間に実行される。この際、増大手段は、請求項に記載の如く、所定条件を満たし、所定指令の変化状態が所定範囲内にあると判定されている間に実行される。なお、この際にブレーキペダルの操作変化量あるいはブレーキ液圧発生手段におけるブレーキ液圧の変化を所定の指令とすれば、この増大手段が実行されることによって、たとえば、乗員がブレーキペダルをほとんどー定に保っている場合においても、制動力を徐々に大きく稼ぐことができる。よって、この際にはブレーキペダルをより強く踏み込む負担を無くすことができる。
【0007】
また、増大手段が実行される所定条件として、ペダルストローク量を採用すれば、たとえば急ブレーキ時、パニック的制動状態あるいは目標に対して車両を停止させようとする制動状態等を検知でき、この増大手段を実行させる車両状態あるいは乗員の状態を限定することができる。
【0008】
また、請求項4〜6に記載のように、増大手段が禁止されれば、車両の制動挙動または乗員の制動状態に応じて乗員の意思に沿って制動を加えることができる。たとえば請求項によれば、ブレーキ液圧発生手段においてブレーキ液圧が発生されなくなった際にはブレーキのひきずりを起こすことなく制動状態を解除できる。
【0009】
また、請求項によれば増大手段が実行されなくなってから、所定指令に基づいた制動力の増減調整を、増大手段によって増大された制動力値から実行するため、たとえばブレーキ踏み込みが弱められた後にペダルが保持された場合には所定条件を満たせば、また増大手段によってブレーキペダルが弱められる前の制動力に戻される。よって、所定条件を満たしている間は、ブレーキペダルの戻しおよび保持が繰り返されても、ペダルの保持時に制動力が増大されるため、ある程度以上の制動力を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用されたブレーキ装置のー例を図面に基づいて示す。
図1は本発明における第1実施例を示すブレーキ配管モデル図である。本実施例っでは、前輪駆動の4輪車において、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管の車両に本発明によるブレーキ装置を適用した例について説明する。
【0011】
図1において、車両に制動力を加える際に乗員によって踏み込み操作されるペダル1は、倍力装置2と接続されており、ペダル1に加えられる踏力およびペダルストロークがこの倍力装置2に伝達される。ペダル1は、ペダル1の操作によって車両が制動状態にあることを後方車両等に視認させるためのストップランプを点灯させるブレーキスイッチ22を、乗員によるペダル1の踏み込みストローク等に応じてオン・オフする。また、ペダル1には、ストロークセンサ30が配設されており、このストロークセンサ30は乗員のペダル1の踏み込みによるペダル移動距離を検出する。
【0012】
倍力装置2は第1室と第2室との2室を少なくとも有しており、例えば第1室を大気圧室、第2室を負圧室とすることができ、負圧室における負圧は、例えばエンジンのインテークマニホールド負圧あるいはバキュームポンプによる負圧が用いられる。そして、この倍力装置2は、大気圧室と負圧室との圧力差をもって、乗員のペダル踏力またはペダルストロークを直接倍力する。倍力装置2は、このように倍力された踏力またはペダルストロークをマスタシリンダ3に伝達するブッシュロッド等を有しており、このブッシュロッドがマスタシリンダ3に配設されたマスタピストンを押圧することによりマスタシリンダ圧PUを発生する。なお、マスタシリンダ3は、このマスタシリンダ3内にブレーキ液を供給したり、またマスタシリンダ3内の余剰ブレーキ液を貯留する独自のマスタリザーバ3aを備えている。
【0013】
このように、通常車両には、車体に制動力を与えるためのブレーキ液圧発生手段として、これらブレーキペダル1、倍力装置2およびマスタシリンダ3等が備えられている。
マスタシリンダ3から延びる第1の配管系統Aは途中で枝分かれして、この両端部には、右前輪FRに配設されてこの右前輪FRに制動力を与える第1のホイールシリンダ4、および左後輪RLに配設されてこの左後輪RLに制動力を与える第2のホイールシリンダ5が接続される。これら第1、第2のホイールシリンダ4、5は車輪制動力発生手段として構成されている。第1の配管系統Aにおいてマスタシリンダ3から前述の枝分かれの部位までの管路には、制御弁101が配置される。そして、第1の配管系統Aは、この制御弁101によって、2部位に分けられる。すなわち、第1の配管系統Aは、マスタシリンダ3から制御弁101までの第1の管路部位A1と、制御弁101から各ホイールシリンダ4、5に至る第2の管路部位A2とを有している。
【0014】
なお、ブレーキペダル1、マスタシリンダ3、第1、第2の管路部位A1、A2および第1、第2のホイールシリンダ4、5によって、車両に制動力を発生させる制動力発生手段が構成されている。
第2の管路部位A2には、マスタシリンダ3が有する独自のマスタリザーバ3aからブレーキ液を吸引するポンプ102の吐出先が接続されている。なお、ポンプ102が吐出口と第2の管路部位A2とを結ぶ吐出管路B、およびポンプ102の吸引口とマスタリザーバ3aとを結ぶ吸引管路Cには、ポンプ102側およびポンプ102を通してマスタリザーバ3a側へ第2の管路部位A2からブレーキ液が逆流しないように、それぞれ逆止弁が配設されている。
【0015】
また、第1、第2のホイールシリンダ4、5には、それぞれホイールシリンダ圧センサ31、32が配設されており、これらの各ホイールシリンダ圧センサ30、31によって、各ホイールシリンダにかかっているブレーキ液圧を検知する。なお、ホイールシリンダ圧センサ31、32は、必ずしも第1、第2のホイールシリンダ4、5に配設する必要はなく、たとえば第2の管路部位A2において各ホイールシリンダ4、5と同等のブレーキ液圧となる部位に配設するようにしてもよい。
【0016】
右前輪FRおよび左後輪RLには、それぞれ車輪速度を検出するために電磁ピックアップ式等の車輪速度センサ20、21が設けられている。そして、これら車輪速度センサ20、21において検出された車輪速度信号、および各ホイールシリンダ圧センサ31、32からの出力、ストロークセンサ30からの出力、ブレーキスイッチ22からの出力は、電子制御装置(ECU)50に送られ、この電子制御装置50において、後述する図2のフローチャートに示すような演算処理が実行される。
【0017】
電子制御装置50は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等からなるマイクロコンピュータによって構成されている。また、この電子制御装置50は、前述の如く前記車輪速度センサ20、21によって検出される車輪速度信号を処理するとともに、制御弁101およびポンプ102にも所定の制御信号を送り、それぞれの作動を制御する。
【0018】
このように構成される本実施例のブレーキ装置において、所定条件下で各ホイールシリンダ4、5にかかるホイールシリンダ圧を増圧する増圧手段100は、制御弁101およびポンプ102によって構成され、電子制御装置50によって制御される。
なお、本実施例では、制御弁101として、弁体が電子制御装置50からの信号に基づいて電力を供給された時にソレノイドが励磁することによって変化してポートを切り換える2ポート2位置弁を採用している。なお、図1に示す制御弁101のポート位置は、電子制御装置50からの信号に基づいて電力が供給された状態を示すものであり、電力が供給されない通常ブレーキ時では、ポート位置は連通状態にある。
【0019】
また、前述の説明では、第1の配管系統Aについての構成のみを詳述したが、左前輪−右後輪の第2の配管系統においても同様の構成を採用することができるため、詳述を避ける。
次に、図2のフローチャートに基づいて、電子制御装置50における演算処理内容について説明する。
【0020】
図2のフローチャートは、乗員によるイグニッションスイッチのオン動作等に伴ってスタートし、各フラグおよび演算値等を初期化する。まず、ステップ100において、上述の車輪速度センサ20、21からの出力に基づき車輪速度VWを演算する。次にステップ110では、車輪速度VW等に基づいて、車体速度VBを演算する。この際、推定車体速度VBは、各車輪の車輪速度VWの最大値あるいは平均値を採用するようにしてもよい。
【0021】
ステップ120では、ブレーキスイッチ22がオン状態であるか否かを判定する。ここで乗員がペダル1を踏み込んでおらず、車両が制動状態でない場合すなわちブレーキスイッチ2がオフの状態ではステップ100に戻り、車輪速度VW演算等を繰り返す。また、ステップ120において、車両が制動状態で、ブレーキスイッチ22がオン状態である場合には、ステップ130に進む。
【0022】
ステップ130では、ストロークセンサ22からの出力に基づいて、乗員のブレーキペダル1の踏み込みによるブレーキペダル操作量であるペダルストロークPSを算出する。次に、ステップ140では、ブレーキペダル1の操作変化量であるペダルストローク変化量dPSを演算する。
ステップ150では、車体減速度dVBが所定値KVよりも大きい値か否かを判定する。この所定値KVはある程度大きな値に設定しておくことも可能で、たとえば乗員が急ブレーキを踏んだ時に車体が減速する際の0.4G程度にしておいてもよい。ここで、車体減速度dVBが所定値KV以下であると判定された倍にはステップ100に戻り、車体減速度dVBが所定値KVより大きいと判定された場合にはステップ160に進む。
【0023】
ステップ160では、ペダルストローク量PSが所定値KPよりも大きいか否かを判定する。すなわち、ある程度乗員がブレーキペダル1を踏み込んで、車両に所定以上の制動を加えようとしているかどうかを判断することができ、たとえば、単に車速の減速のみを要求しているのか、あるいは目標位置に向かって停止させようとしているのか等を判断するために、ペダルストローク量PSを用いることができる。
【0024】
ステップ160において、ペダルストローク量PSが所定値KP以下であると判定された場合にはステップ100に戻るが、ペダルストローク量PSが所定値KPよりも大きいと判定された場合には、ステップ170に進む。ステップ170では、ペダルストローク変化量dPSが所定の範囲内に入っているか否かを判定する。すなわち、ペダル1が踏み込まれている状態で、このペダル踏み込みの状態がある程度ー定か、それとも乗員によって、よりペダルが踏み込まれる状態またはペダルが戻される状態かを判断する。
【0025】
このステップ170において、ペダルストローク変化量dPSが所定範囲外であると判定された場合、即ちペダル1のストロークが変化していると判断された場合にはステップ100に戻り、ペダル1のストロークが実質的に一定だと判断された場合には、ステップ180に進み、増大手段を実行する。なお、ステップ170においてペダルストローク変化量dPSが所定範囲外であると判定された場合には、制御弁101が連通状態にされるため、乗員の意思に従って形成されるマスタシリンダ圧がホイールシリンダに加えられる。
【0026】
すなわち、ペダル1が踏み込まれている状態で、ペダルを乗員が保持しているような場合には、ステップ180によって、第1、第2のホイールシリンダ4、5にかかるブレーキ液圧が増圧手段100によって増圧されて車両の制動力が増大される。すなわち、制御弁101およびポンプ102に通電が実行されて、制御弁101は遮断状態に、且つポンプ102はマスタリザーバ3aからブレーキ液を吸引し、各ホイールシリンダ側に吐出する。これに伴って、車体の減速度が増大される。
【0027】
以上のフローにおける作用効果を図3に基づいて説明する。
図3において、時間0から時間t0までの間、乗員によってペダル1が徐々に踏み込まれて車体減速度dVBが所定値KVより大きな値であるG1になったとする。そして、このペダルストロークの状態で乗員によってペダルが保持されてペダルストロークが殆ど変化しないとすると、この間は増大手段によって制動力が増大されて車体の減速度が、減速度G1から減速度G2に増大される。よって、所定以上の減速度が有る場合に、乗員がペダル1を踏み込めずに保持している際においても、制動力は増大手段によって徐々に増大されることとなり、車体減速度を稼ぐことができる。また、ペダル1が保持されているとしても制動力が増大されて減速度が増大されることにより、乗員におけるペダルの踏み込み力の負担を大きくすることなく制動力を確保できる。
【0028】
ここで、時間t0から時間t1にかけて、乗員がさらにブレーキペダルを踏み込んだとすると、ペダルストロークの変化量が所定以上あることにより、減速度増大手段は実行されず、減速度G2からペダル1の操作に応じてホイールシリンダ圧の増圧が実行されて、ペダル操作に応じた制動力分が増加される。
また、時間t0からt2にかけて乗員がブレーキペダルの踏み込みを弱めたとすると、このこのペダル操作に応じてホイールシリンダ圧が減少されて制動力が小さくされ、車体減速度dVBも減少する。
【0029】
しかしながら、このt0からt2にかけてのペダルの戻しが、制動力をを小さくしたいという乗員の意思によるものでなく、乗員によるペダル調整の不具合からのものであったりペダル反力に負けたペダルの戻し操作であったりした場合に、時間t2において乗員が再度ペダルを保持したとする。すると、所定値KV以上の減速度および所定値KP以上のペダルストロークがあるとともにこのペダルの保持という状態に伴い増大手段は、このペダルの保持がされている間ホイールシリンダにかかるブレーキ液圧を増大し、制動力を増大する。するとたとえば、制動パニック等に陥っている状態でも所定の減速度および所定のペダルストロークを満たしている状態では、乗員がペダルの踏み込みをある程度弱めてしまったとしても、後にペダル踏み込みを保持すれば、制動力が増大されて、減速度を確保することできる。
【0030】
同じように、時間t2からt3にかけて乗員がペダル踏み込みを弱めてしまったとしても、ペダルが移動している最中は、減速度が低下されるが、時間t3において、ペダルが保持された場合には、また制動力が増大されて、減速度が確保されることとなる。このように、所定の条件を満たしている間において、ペダルの踏み込みの戻しおよび保持が繰り返された際には、増大手段によってペダルの保持時に制動力が増大されるため、ある程度以上の制動力を常に保つことができる。
【0031】
なお、ペダルストロークPSが、時間t4において所定値KPよりも小さくなったとすると、たとえばパニック的制動が解除された、あるいは乗員が車両の停止目標としていた目標位置に止まる目算ができたとして、増大手段を禁止し、ペダル1の操作状態に応じてホイールシリンダ圧が調整されるようにし、通常通りにホイールシリンダ圧を低下する。そして、ペダルの踏み込みがなくなった場合には、完全に通常のブレーキ状態に戻って、ホイールシリンダ圧が0となって制動力も0となる。
【0032】
このように、本発明によるブレーキ装置では、ある程度以上の減速度が出ている場合および所定以上のペダル操作量の場合等の所定の条件を満たす場合には、ペダル操作量が実質的にー定の時に、所定の増加率でホイールシリンダにかかるブレーキ液圧を増大して制動力を徐々に増大し、ペダルが戻しあるいは踏み込み操作された場合には、この操作状態に従って制動力を増減させる。よって、乗員がー端大きな車体減速度dVBがでるようにブレーキペダル1を踏み込んだら、その後はペダルの保持をしているだけで大きな制動力を得ることができる。また、ペダルを徐々に戻したとしても、ペダルの保持動作が間隔的に入っていれば、制動力をある程度ー定以上に保つことができる。また、ー定の制動力を確保しようとする際には、ペダルの戻し操作と保持とを繰り返すことによって実現でき、従来のようにペダルの踏み込み状態をー定にすることによってー定の制動力を確保していた際よりも、乗員の負担を低減することができる。また、本発明によれば、パニック的制動状態時の乗員の無意識のペダル戻しによるホイールシリンダ圧の低下を防止することができるという効果だけでなく、たとえば、本実施例のステップ150等におけるパニック制動状態の検出を省いた場合には、単に乗員が小ストロークのペダル操作を行ってこのストロークを保持しているだけでホイールシリンダ圧が増大し、車両を停止できることとなる。この際、乗員の感覚で、車両の減速度が大きすぎると判断された場合にはペダルが戻されて、車体減速度の大きさを減少調整することができる。つまり、乗員のペダル操作において、ほとんどどペダルの踏み増し動作を必要とせず、単に所定ストロークでの保持と戻し操作のみで、ブレーキ作用を実行できる。
【0033】
本発明は上述の実施例に限定されることなく、以下に説明するように種々変形可能である。
たとえば、上述の実施例では、図1に示すように、ステップ180における減速度増大手段が行われる際に、ポンプ102によるブレーキ液の吸引が、マスタリザーバ3aから行われていたが、これに関わらず、たとえば図4に示す如く、第1の管路部位A1からブレーキ液を吸引して、第2の管路部位A2に吐出するようにしてホイールシリンダ圧PW1、2を増圧するようにしてもよい。この際には、マスタシリンダ3内および第1の管路部位A1内のブレーキ液量が減少するため、マスタシリンダ圧も減圧される。よって、乗員が強くブレーキペダルを踏み込んでも、マスタシリンダ圧減圧されることによって大きなペダル反力を足に受けることなく、乗員の踏力に対して低負担で、さらにペダルの踏み込めを可能とることができる。
【0034】
また、上述の実施例では、増大手段100における制御弁101には、2位置弁を採用していたが、これに関わらずステップ180における増大手段が行われる際に高められる第2の管路部位A2の圧力あるいはホイールシリンダ圧を保持できる構成たとえば絞り、あるいは相当大きな差圧値に設定された差圧弁でもよい。すなわち、この第2の管路部位A2における圧力保持は、2位置弁のようにホイールシリンダ4、5側からマスタシリンダ3側へのブレーキ液の流動を禁止することによって実現されることに限らず、単にホイールシリンダ4、5側からマスタシリンダ3側へのブレーキ液の流動を制限するものであっても達成できる。
【0035】
さらに、上述の実施例では、ステップ180の増大手段を、所定よりも大きな車体減速度dVBが出ている場合およびペダルストロークが所定より大きい場合において実行していたが、しかしながらこのような条件を考慮することなく車両が制動状態である際には常に実行するようにしてもよい。
また、上述のフローチャートのステップ170においてペダルストローク変化量がペダルストロークの減少側に所定量変化した時のみステップ100に戻り、所定範囲内のペダル保持およびペダルストロークの増大時には、ステップ180にすすみ増大手段を実行するようにしてもよい。すなわち、ペダル保持と踏み増し時に、ポンプによる増大を行い、この際たとえばペダル踏み増し時にはペダルストロークあるいはストローク変化量に合わせて、増大手段によるホイールシリンダ圧の増大量を調節してもよい。すなわち、ポンプ駆動のデューティ比を換えて吐出量を調節したり、あるいは制御弁101の遮断連通位置をデューティ制御して、ホイールシリンダ側の圧力の保持率を制御し、ホイールシリンダ圧の増大量を調節してもよい。たとえば制御弁101の遮断と連通において遮断比率を多くすればホイールシリンダ圧の増大率を大きくできる。この際、ブレーキ作用開始から時間とともに遮断比率を多くするようにしてもよい。このようにしても、少なくともペダルストロークの実質的な保持状態でのホイールシリンダ圧の低下、すなわち車体減速度の低下を防げ、制動距離を短縮できるとともに、ペダル踏み増し時においての乗員のペダル操作負担を軽減することができる。なお、このような制御は、図4にて示した構成においても実現でき、また制御101を周知の比例制御弁に替えても実現できる。すなわち、上流圧を所定のピストン面積比等に対応した減衰比に基づいて減衰して下流側に流動する比例制御弁を、上流圧が第2の管路部位A2側すなわちホイールシリンダ側の圧力となるように、また下流圧が第1の管路部位A1すなわちマスタシリンダ3側となるように接続する。このようにすれば、マスタシリンダ側からホイールシリンダがわへのブレーキ液の流動は実質的に圧力減衰なしに行われ、且つホイールシリンダからマスタシリンダ側へのブレーキ液の流動は所定比率の圧力減衰を行われて実現される。なお、この圧力減衰が発生するブレーキ液圧、いわゆる折れ点圧力は、比例制御弁に内蔵されるスプリング応力によって決定されている。よって、この折れ点圧力よりもマスタシリンダ圧が小さい場合には、ポンプ102によって、第1の管路部位A1からブレーキ液が吸引して第2の管路部位A2へ吐出した際に、ホイールシリンダ側の圧力がこの比例制御弁の減衰流動の作用により保持されることがないため、ホイールシリンダにかかるブレーキ液圧の増大は実現されない。すなわち、ホイールシリンダ圧とマスタシリンダ圧とは、実質的に同圧となる。なお当然ながら、ホイールシリンダ側の圧力が折れ点圧力以上となるまでにおいてもマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧は実質的に同圧となる。これに対して、マスタシリンダ圧が折れ点圧力以上であれば、ポンプ102のブレーキ液の吐出によりホイールシリンダ側のブレーキ液量が多くなれば比例制御弁による保持作用が発揮される。すなわち、マスタシリンダ圧に対して所定比にて圧力減衰を行いながらブレーキエイを流動するため、マスタシリンダ側から見れば、ホイールシリンダ圧は所定比にて圧力が増幅されることとなる。このような比例制御弁をもちいた際に、前述の折れ点圧力を例えば実質的に大気圧としておけば、少しでもブレーキペダルが踏み込まれてマスタシリンダ圧が発生すれば、このマスタシリンダ圧に合わせてホイールシリンダ圧が増大されることとなる。この際、ホイールシリンダ圧の増大比率は、マスタシリンダ圧に依存する。すなわち、マスタシリンダ圧に比例するため、乗員の制動意思が尊重される。なお、周知のロードセンシングプロポーショニングバルブ等を用いれば、この折れ点圧力を可変することができ、たとえばペダルストロークあるいはマスタシリンダ圧に応じて折れ点圧力を電子制御して、ホイールシリンダ圧の増幅を実現可能とすることができる。すなわち、基準の折れ点圧力を比較的急ブレーキ時のマスタシリンダ圧に相当する15〜40(*10Pa) 値度に設定しておき、ブレーキ作動開始から時間とともに折れ点圧力を小さくするようにしてもよい。なお、この折れ点圧力の可変は、スプリング応力を可変すればよいため、ロードセンシングプロポーショニングバルブの構造に限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した車両用ブレーキ装置のモデル図である。
【図2】電子制御装置50が行う演算処理内容を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した車両用ブレーキ装置の作用を示す特性図である。
【図4】その他の実施例における車両用ブレーキ装置のモデル図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル
2 倍力装置
3 マスタシリンダ
3a マスタリザーバ
4 第1のホイールシリンダ
5 第2のホイールシリンダ
20、21 車輪速度センサ
22 ブレーキスイッチ
30 ストロークセンサ
31、32 ホイールシリンダ圧センサ
50 電子制御装置
100 増圧手段
101 制御弁
102 ポンプ

Claims (8)

  1. ブレーキペダルの操作ストロークを検出するペダルストローク検出手段と、ブレーキペダルの操作ストロークに応じて車両に制動力を発生させる制動力発生手段と、
    前記ブレーキペダルの操作ストロークが一定であるか否かを判定する判定手段と、
    前記ペダルストローク検出手段の検出した操作ストロークが所定以上である条件を満足するとともに前記判定手段によって前記操作ストロークが一定であると判定されている間は、前記制動力発生手段が発生する制動力を連続して増大する増大手段と、
    を備えることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. ブレーキペダルの操作ストロークを検出するペダルストローク検出手段と、ブレーキペダルの操作ストロークに応じた変化率の制動力を車両に発生させる制動力発生手段と、
    前記ブレーキペダルの操作ストロークが一定であるか否かを判定する判定手段と、
    前記ペダルストローク検出手段の検出した操作ストロークが所定以上である条件を満足するとともに前記判定手段によって前記操作ストロークが一定であると判定されている間は、前記車両に発生される制動力を前記制動力発生手段における制動力の変化率よりも大きな変化率にて連続して増大する増大手段と、
    を備えることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  3. 前記制動力発生手段は、前記ブレーキ液圧に応じて前記車体に減速度を与えるとともに、
    前記増大手段は、前記ペダルストローク検出手段の検出した操作ストロークが所定以上である条件を満足するとともに前記判定手段によって肯定判定されている間は、前記ブレーキ液圧を連続して増大させて車体減速度を連続して増大することを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 前記増大手段において前記所定条件が満足されない場合には制動力の増大が禁止されるとともに、前記制動力発生手段における前記所定指令に応じて制動力の増減が調整されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 前記ブレーキ液圧の非発生時には、前記増大手段による制動力の増大が禁止されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  6. 前記増大手段は、前記判定手段によって否定判定された場合にはこの増大手段の実行を禁止するとともに車両にかかる制動力の調整の実行を前記制動力発生手段に移行し、
    前記制動力発生手段は、前記ブレーキペダルの操作ストロークに基づいて車両にかかる制動力を前記増大手段によって増大された制動力値から増減することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  7. 前記制動力発生手段は、
    指令に応じたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、
    前記ブレーキ液圧を受けて車輪に制動力を発生させる車輪制動力発生手段と、
    前記ブレーキ液圧発生手段と前記車輪制動力発生手段とを連通する管路とを備え、
    前記増大手段は、前記管路において前記車輪制動力発生手段側から前記ブレーキ液圧発生手段側へのブレーキ液の流動を制限する流動制限手段と、前記車輪制動力発生手段と前記流動制限手段との間における前記管路にブレーキ液を吐出する吐出手段とを備えること
    を特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  8. 車両制動時における乗員のペダル操作においてペダルが保持される間は、所定の増加率で車両にかかる制動力を徐々に増大し、乗員がペダル操作を戻す操作をした場合にはこの操作に基づいて車両にかかる制動力を減少させることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
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