JP3869087B2 - 顕微鏡用照明光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡に用いる顕微鏡用照明光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡では、異なる倍率の対物レンズが低倍率から高倍率まで幅広く使用されている。これら倍率の異なる対物レンズを低倍率から高倍率まで迅速に変換しながら使用する場合、広範な対物レンズの倍率に対応した試料視野を一種類のコンデンサレンズで、均一で良好に照明することは困難である。
【0003】
すなわち、高倍率の対物レンズのときには、大きな開口数が必要となるのに対して、低倍率の対物レンズのときには大きな視野が必要となるからである。従って、使用する対物レンズの倍率幅が大きな場合には、何らかの切換手段によってコンデンサレンズを切換える必要がある。
【0004】
従来、このコンデンサレンズの切換え方式としては、(1)コンデンサレンズの先玉部(先端部)を照明光路から脱する方式、(2)コンデンサレンズの下部照明光路に別のレンズを追加する方式、(3)コンデンサレンズの先玉部を照明光路から脱すると同時に、新規レンズを光路に追加する方式等がある。
【0005】
これらの具体的として、第1の公知例(特公昭61ー34126号公報)や、第2の公知例(特開昭63ー183414号公報)に開示されている。しかし、これらの方式では、1.25倍程度の低倍率の対物レンズまでへの対応が限界であり、1.25以下の倍率特に1倍以下の極低倍率に対処することは不可能であった。
【0006】
さらに、コンデンサレンズの先玉部を光路から脱した場合には、開口絞り位置と照明レンズの前側焦点位置がずれてしまい、開口絞りが機能しないという欠点を有するものであった。
【0007】
また従来、3種類のコンデンサレンズ群を有していて、これらを切換えることにより、0.5倍の対物レンズから100倍の対物レンズまで対応可能な構成が、第3の公知例(特開平9ー33820号公報)に開示されている。これは、対物レンズの倍率が10倍〜100倍に対応する高倍率のコンデンサレンズ群と、対物レンズの倍率が2倍〜4倍に対応する低倍率のコンデンサレンズ群と、対物レンズの倍率が0.5倍〜1倍に対応する極低倍率コンデンサレンズ群を設け、照明光軸と各コンデンサレンズ群の光軸とを同一平面内に配置し、照明光軸と各コンデンサレンズ群の光軸とが互いに1点で交差するように構成し、この交点に光軸平面と直交する回転軸を設け、この回転軸によって各コンデンサ群を回転することにより、切換えを行う構成のものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第3の公知例の構成にあっては、3種類のコンデンサレンズ群の光軸を同一平面内に構成しているため、回転軸近辺の光路には、一定の空間スペースが必要となり、これが各コンデンサレンズ群の照明性能を最適化させる上での制約となり、また開口絞りがコンデンサレンズ群の内部ないしはその近傍に構成できないという欠点があった。
【0009】
このため、第3の公知例においては、コンデンサレンズ群の前側焦点位置と共役な面に光源像を作るように、コレクタレンズ群および中間レンズ群を配置し、この光源像面に開口絞りを設ける構成としてある。
【0010】
しかしながら、このような構成では、スペース上開口絞り位置は、顕微鏡本体のベース部に位置させることになり、第3の公知例によるコンデンサレンズ群を一般的な顕微鏡に適用するためには、顕微鏡本体のベース部に開口絞りを追加しなければならない。
【0011】
本発明は、上記の実状に基づいてなされたもので、簡単な切換手段によって、広範な対物レンズの倍率幅に対処することができ、特に対物レンズの倍率1倍以下の範囲についてもカバーでき、顕微鏡本体の大幅な改造なしに適用できる顕微鏡用照明光学系を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決する手段】
前記目的を実現するため、請求項1に対応する発明は、顕微鏡本体に光軸と平行な軸回りに回転可能にターレットを設けると共に、該ターレット内に高倍率用コンデンサレンズ群と低倍率用コンデンサレンズ群と極低倍率用コンデンサレンズ群をそれぞれ配置し、該ターレットの回転により、該各コンデンサレンズ群を選択的に照明光路へ挿入可能に構成し、前記ターレットの外周側に設けた光軸方向に上下動させる機構により前記高倍率用コンデンサレンズ群と前記低倍率用コンデンサレンズ群が、前記ターレットの回転に伴い、それぞれ独立して光軸方向に移動するように構成したことを特徴とする顕微鏡用照明光学系である。
【0013】
請求項1に対応する発明によれば、ターレットを回転させて高倍率用コンデンサレンズ群または低倍率用コンデンサレンズ群を照明光路に挿入した場合は、コンデンサレンズ群は、光軸方向に上下動させる機構によって正規の照明位置に移動させることができ、各コンデンサレンズ群は独立して配置されるので、レンズ構成上の制約が少なく、それぞれ各倍率用に最適な性能のレンズ構成ができ、高倍率用コンデンサレンズ群及び低倍率用コンデンサレンズ群とも独立して光軸方向に移動するので、顕微鏡の他の構成要素例えばステージとの干渉を回避することが容易で、回転可能なターレットという簡易な切換手段によって極低倍率から高倍率までの広範な対物レンズの倍率幅に対処することができる。
【0014】
また、請求項1に対応する発明によれば、ターレットを回転させて高倍率用コンデンサレンズ群または低倍率用コンデンサレンズ群を、照明光路から脱する場合には、コンデンサレンズ群は、顕微鏡ステージの下部に形成されている開口穴及びステージ受の開口穴の範囲内でステージ及びステージ受けと干渉しない位置まで、移動されるので、ターレットの回転角度が大きくなってもステージ等との干渉がなく、容易にコンデンサレンズ群の切換えができる。
【0015】
なお、極低倍率用コンデンサレンズ群は、その焦点距離が長いため、ステージ等と干渉しない前記ターレット内に固定可能であるので、切換えによる支障が生じない。
【0016】
請求項2に対応する発明は、前記光軸方向に上下動させる機構は、1個の固定カムにより構成したことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡用照明光学系である。
【0017】
請求項2に対応する発明によれば、高倍率用コンデンサレンズ群及び低倍率用コンデンサレンズ群を光軸方向に移動させるための固定カムは、1個で共用できるので、原価の低廉化が可能となる。
【0018】
請求項3に対応する発明は、前記高倍率用コンデンサレンズ群及び低倍率用コンデンサレンズ群の前側焦点位置に開口を調節可能な開口絞りをそれぞれ独立して設け、該各コンデンサレンズ群と一体に光軸方向へ移動するように構成したことを特徴とする請求項1または2記載の顕微鏡用照明光学系である。
【0019】
請求項3に対応する発明によれば、前記高倍率用コンデンサレンズ群及び低倍率用コンデンサレンズ群とにそれぞれ独立に開口絞りが構成でき、顕微鏡本体の改造なしに、対物レンズの各倍率で照明開口の調節が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態の要部のみを示す縦断面図であり、図2は図1の一部を断面した上面図であり、図3は図2におけるBーOーB´に沿って切断して矢印方向に見た図であり、図4は図1の固定枠のカム溝の展開図である。
【0021】
(構成)
図中、100は顕微鏡本体で、該顕微鏡本体100に有する図示しない焦準機構機構部にステージ受101が焦準可能に固定されている。ステージ受101の上部には、試料103を載置するステージ102が固定されている。ステージ102の下部には開口部102aが設けられている。
【0022】
顕微鏡本体100のベース部には、光源104と、集光レンズ105、中間レンズ106、視野絞り(FS)107、ミラー108からなる中間光学系が収納されている。光源104を発した照明光束は、該中間光学系105,106,107,108を通り、ステージ102の下部に回転可能に配置されたコンデンサターレット12内に収納された後述するコンデンサレンズ群16,17,18を通って、ステージ102の上面に載置された試料103を照明し、該試料103の上方に配置されている図示しない対物レンズおよび接眼レンズによって試料像を観察できるようになっている。
【0023】
ステージ受101には、アリ機構により着脱可能にコンデンサホルダ本体1が固定されている。コンデンサホルダ本体1には、アリガイドにより上下動可能に移動ホルダ2が設けられ、移動ホルダ2にはラック4が固定され、コンデンサホルダ本体1には該ラック4と歯合するピニオン3が回転可能に軸支され、ピニオン3には焦準ハンドル5および6が固定されており、焦準ハンドル5および6を回転操作することによりピニオン3が回転し、これと歯合しているラック4が上下動し移動ホルダ2が上下動するように構成されている。
【0024】
移動ホルダ2には、コンデンサレンズ群を光軸方向に上下動させる機構例えば固定カムを構成する固定枠7が水平方向に移動可能に取付けられており、移動ホルダ2に取付けられているプランジャ8、心出しねじ10,11により水平方向に移動するようになっている。
【0025】
固定枠7には軸13が固定され、軸13には軸受14,15が装着され、軸受14,15には、ほぼ円筒状のコンデンサターレット12が回転可能に支持されている。コンデンサターレット12には、高倍率用コンデンサレンズ群16、低倍率用コンデンサレンズ群17および極低倍率用コンデンサレンズ群18がコンデンサターレット12の回転軸心すなわち軸13からそれぞれの光軸心までの距離が同一となるように円弧状に配置されている。コンデンサターレット12には、各コンデンサレンズ群16,17,18が照明光路に挿入された位置に対応してクリック溝12a,12bおよび12cが設けられており、固定枠7に固定されているクリック装置19によりクリックストップするように構成されている。
【0026】
ここで、使用する高倍率用コンデンサレンズ群16は対物レンズの倍率が10〜100倍に対応し、また低倍率用コンデンサレンズ群17は対物レンズの倍率が1.25〜4倍に対応し、さらに極低倍率用コンデンサレンズ群18は対物レンズの倍率が0.5倍に対応しており、極低倍率用コンデンサレンズ群18の照射視野(照野)は直径が53mmである。
【0027】
高倍率用コンデンサレンズ群16は、レンズ51,52およびレンズ53,54,55で構成され、各レンズ51〜55は高倍率用レンズ枠56,57,58に固定されており、各レンズ枠56〜58は互いに一体に固定されている。
【0028】
高倍率用レンズ枠56は、コンデンサターレット12に光軸方向に摺動可能に嵌合しており、高倍率用レンズ枠56にはカムピン59が固定され、カムピン59はコンデンサターレット12に光軸と平行に設けられた長穴12xに摺動可能に嵌合され、カムピン59は固定枠7に設けられたカム溝7aに摺動可能に嵌合している。
【0029】
高倍率用コンデンサレンズ群16のレンズ53,54,55の前側焦点位置に虹彩絞り60を設け、高倍率用レンズ枠56と57の間に回動可能に絞り調節環61を設け、絞り調節環61の回動によって虹彩絞り60の調節が可能に構成されている。
【0030】
絞り調節環61には、U字状の穴62aを有する絞り板62が固定されており、該U字状の穴62aは、絞り操作環20に固定されたつなぎ板21に固定された絞り軸22と摺動可能に嵌合している。そして、コンデンサターレット12にはカバー24が固定され、カバー24に支持されたバネ63により高倍率用レンズ枠56が下方に付勢されるように構成されている。
【0031】
なお、絞り操作環20は、コンデンサターレット12に回動可能に嵌合し、コンデンサターレット12に固定された支持部材23により複数箇所を回動可能に支持されている。
【0032】
低倍率用コンデンサレンズ群17は、レンズ71,72およびレンズ73,74,75で構成され、各レンズ71〜75は低倍率用レンズ枠76,77,78に固定されており、各低倍率用レンズ枠76〜78は互いに一体に固定されている。低倍率用レンズ枠76は、光軸方向に摺動可能にコンデンサターレット12に嵌合しており、低倍率用レンズ枠76にカムピン79が固定され、カムピン79はコンデンサターレット12に光軸と平行に形成された長穴12yに摺動可能に嵌合されている。また、カムピン79は固定枠7に形成されたカム溝7aに摺動可能に嵌合されている。
【0033】
低倍率用コンデンサレンズ群17のレンズ73,74,75の前側焦点位置に虹彩絞り80が配設され、低倍率用レンズ枠76または77との間に、回動可能に絞り調節環81が設けられ、絞り調節環81の回動によって虹彩絞り80の調節が可能に構成されている。
【0034】
絞り調節環81には、U字状の穴82aを有する絞り板82が固定されており、該U字状の穴82aは、絞り操作環20に固定されたつなぎ板25に固定された絞り軸26と摺動可能に嵌合している。そして、コンデンサターレット12に固定されたカバー24に支持されたバネ83により低倍率用レンズ枠76が下方に付勢されされるように構成されている。
【0035】
固定枠7に形成されたカム溝7aは、図4に示すように高倍率用レンズ群16及び低倍率用レンズ群17が、それぞれ照明光路に挿入された場合に正規照明位置になるように構成されており、カム溝7aの傾斜は、高倍率用コンデンサレンズ群16及び低倍率用コンデンサレンズ群17が照明光路に挿脱される場合に、それぞれのコンデンサレンズ群の先玉部がステージ102の開口部102aと干渉しないコンデンサターレット12の回転角度αの範囲内で、コンデンサレンズ群の先玉部がステージ102及びステージ受101と干渉しないA寸法だけ上下動するように構成されている。
【0036】
極低倍率用コンデンサレンズ群18は、レンズ91,92,93,94および95で構成され、それぞれコンデンサターレット12へ直接あるいは極低倍率用レンズ枠96を介して固定されている。また、極低倍率用コンデンサレンズ群18の前側焦点位置は、高倍率用コンデンサレンズ群17の視野絞り107の位置と一致するように構成されている。
【0037】
(作用)
以上述べた第1の実施形態の作用について説明する。コンデンサターレット12を回して、高倍率用コンデンサレンズ群16または低倍率用コンデンサレンズ群17を、照明光路に挿入した場合には、各レンズ群16,17のレンズ枠56あるいは76に固定されたカムピン59あるいは79が、カム溝7aに沿って移動され、各レンズ群16あるいは17が正規照明位置まで上昇し、顕微鏡本体100のベース部に設けられた中間光学系と相俟って、それぞれ試料103を照明する。
【0038】
この場合、各レンズ群16あるいは17の先玉部の前側焦点位置に構成した虹彩絞り60あるいは80は、各レンズ群16あるいは17とそれぞれ一緒に移動し、開口絞りとして機能する。すなわち、各レンズ群16あるいは17内に構成された絞り調節環61あるいは81に固定された絞り板62あるいは82に設けられたU字穴62aあるいは82aが、絞り操作環20を回動することで、絞り調節環61あるいは81を回転させ、虹彩絞り60あるいは80の開口を調節し、観察像のコントラストや明るさを調節することができる。
【0039】
なお、該高倍率用コンデンサレンズ群16あるいは低倍率用コンデンサレンズ群17が照明光路に挿入された場合には、それらの位置に対応してコンデンサターレット12に設けられたクリック溝12aあるいは12bと、固定枠7に固定されたクリック装置19とで、該コンデンサターレット12はクリップストップされるので、絞り操作環20の操作で各コンデンサレンズ群の位置がずれることがない。
【0040】
また、固定枠7に設けられたカム溝7aは、高倍率用コンデンサレンズ群16および低倍率用コンデンサレンズ群17の先玉部がステージ102の開口部102aと干渉しないコンデンサターレット12の回転角度αの範囲内で、コンデンサレンズ群16および17の先玉部がステージ102及びステージ受101と干渉しない寸法Aだけ上下動するように構成されているので、コンデンサターレット12を回転してもコンデンサレンズ群16および17が、ステージ102及びステージ受101と干渉することがない。
【0041】
すなわち、図4のカム溝7aの展開図において、高倍率用コンデンサレンズ群16を照明光路に挿入した場合、レンズ枠56に固定されたカムピン59は、Dに位置し、低倍率用コンデンサレンズ群17のレンズ枠76に固定されたカムピン79はCの位置に位置することとなり、低倍率用コンデンサレンズ群17を照明光路に挿入した場合には、カムピン79はDの位置にカムピン59はEの位置に位置することとなり、極低倍率用コンデンサレンズ群18を照明光路に挿入した場合には、カムピン79はFの位置に、カムピン59はGの位置に位置することになるので、高倍率用コンデンサレンズ群16または低倍率用コンデンサレンズ群17が照明光路に挿入されるときには、当該コンデンサレンズ群は正規の位置に位置すると共に、照明光路から外れるときには図4の寸法Aだけ光軸に沿って下向きに移動し、コンデンサターレット12を回転してもコンデンサレンズ群16及び17が、ステージ102及びステージ受101と干渉することがない。
【0042】
なお、極低倍率用コンデンサレンズ群18は、コンデンサターレット12内に固定されているので、コンデンサターレット12を回転してもステージ102とステージ受101と干渉することがない。
【0043】
該極低倍率用コンデンサレンズ群18を照明光路に挿入した場合には、その位置に対応してコンデンサターレット12に設けられたクリック溝12cと固定枠7に固定されたクリック装置19とでコンデンサターレット12はクリックストップされる。
【0044】
また、極低倍率用コンデンサレンズ群18を照明光路に挿入した場合には、該極低倍率用コンデンサレンズ群18の前側焦点位置と高倍率用コンデンサレンズ群16あるいは低倍率用コンデンサレンズ群17を照明光路に挿入した場合の視野絞り107の位置とが一致するように構成されているので、視野絞り107は極低倍率用コンデンサレンズ群18を照明光路に挿入した場合には開口絞りとして作用し、この開口絞りを調節することで、極低倍率用コンデンサレンズ群18の開口を調節して観察像のコントラストや明るさを調節することができる。
【0045】
さらに、焦準ハンドル5または6を操作してコンデンサターレット12を上下し、各コンデンサレンズ群の焦点位置の微調節ができ、心出しねじ10および11を操作してコンデンサターレット12を水平移動し、各コンデンサレンズ群の光軸位置の微調節ができる。
【0046】
また、高倍率用コンデンサレンズ群16及び低倍率用コンデンサレンズ群17は、バネ63及びバネ83でそれぞれ下方に付勢されているので、カムピン59および79はカム溝7aに沿って正確に移動される。
【0047】
(効果)
以上述べた第1の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
1)各倍率用のコンデンサレンズ群16,17,18が独立してコンデンサターレット12内に配置され、従来の技術のようにレンズユニットや光路空間の共有等の制約がないので、各倍率用に最適な性能のレンズ構成ができる。
【0048】
2)高倍率用及び低倍率用コンデンサレンズ群とも、コンデンサレンズ群内に開口絞りを配置することができるので、顕微鏡本体100に絞りを追加する必要がなく、各倍率で照明開口の調節ができる。
【0049】
3)高倍率用コンデンサレンズ群16及び低倍率用コンデンサレンズ群17とも独立して上下動するので、コンデンサレンズ群の退避のためのステージ102の開口部102aを特別に大きくする必要がなく、従来のステージが使用可能で、コンデンサターレット12の回転と言う簡単な操作で極低倍率から高倍率まで照明ができる。
【0050】
4)高倍率用コンデンサレンズ群16及び低倍率用コンデンサレンズ群17を光軸方向に上下動させる固定カム7は1個で共用できるので、機構も簡単で安価に製造できる。
【0051】
(第1の実施形態の変形例)
a)第1の実施形態のカムピン59,79の先端部に、ラジアルベアリングを取付け、カム溝7a面を転動するように構成することもできる。このように構成することにより、コンデンサターレット12の回転をより円滑にすることができる。
【0052】
b)第1の実施形態では、コンデンサレンズ部をステージ受101に取付ける構造について説明したが、これをコンデンサレンズ部をステージ受101から独立して顕微鏡本体100に取付けるように構成してもよい。この具体的構成については、本出願人が出願した公開公報(特開平7ー174977号公報)に記載されているので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0053】
<第2の実施形態>
(構成)
図5〜図7を参照して第2の実施形態について説明する。図5は縦断面図であり、図6は図5の一部を断面した上面図であり、図7は図5のカムの展開図である。ここでは、前述の第1の実施形態と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。低倍率用コンデンサレンズ群17および極低倍率レンズ18は、図3と同一であるので、図3を参照して説明する。
【0054】
図3および図5〜図7において、200は固定枠7に一体に固定され、後述する回転角度αの2倍よりも若干大きく形成された扇形状のカムで、カム200にはレンズ枠56(高倍率用コンデンサレンズ群16を支持しているもの)に固定されたカムピン59およびレンズ枠76(低倍率用コンデンサレンズ群17を支持しているもの)に固定されたカムピン79が接触しており、コンデンサターレット12の回転によりカムピン59,79が摺動するようになっている。
【0055】
また、カム200は、高倍率用コンデンサレンズ群16および低倍率用コンデンサレンズ群17が照明光路に挿入された場合に、それぞれ正規照明位置となるように構成されている。
【0056】
そして、カム200の傾斜は、高倍率用コンデンサレンズ群16および低倍率用コンデンサレンズ群17が照明光路に挿脱される場合にそれぞれコンデンサレンズ群の先玉部がステージ102に形成されている開口部102aと干渉しないコンデンサターレット12の回転角度αの範囲内で、該コンデンサレンズ群のそれぞれの先玉部が、ステージ102およびステージ受101と干渉しない寸法Aだけ上下動可能に構成されている。
【0057】
(作用)
次に、このように構成された第2の実施形態の作用について、説明する。高倍率用コンデンサレンズ群16のレンズ枠56に固定されたカムピン59および低倍率用コンデンサレンズ群17のレンズ枠76に固定されたカムピン79とが、カム200と接触しない位置にある場合には、高倍率用コンデンサレンズ群16および低倍率用コンデンサレンズ群17は、バネ63および83でそれぞれ常に下方に付勢されているので、カムピン59および79は、コンデンサターレット12に光軸と平行に形成された長穴12xおよび12yの下端面にそれぞれ接して保持される。
【0058】
従って、この状態でコンデンサターレット12を回転しても各コンデンサレンズ群16,17,18とステージ102およびステージ受101が干渉することがない。
【0059】
また、コンデンサターレット12を回転して高倍率用コンデンサレンズ群16および低倍率用コンデンサレンズ群17を照明光路に挿脱する場合にも、各コンデンサレンズ群16,17は、バネ63および83で常に下方に付勢されているので、カムピン59および79は、常にカム200の面に接して上下動し、カム200の傾斜は、各コンデンサレンズ群16,17が、ステージ102およびステージ受101と干渉しないように構成されているので、コンデンターレット12が回転することで、干渉無く容易にコンデンサレンズ群16,17,18の切換えができる。
【0060】
(効果)
この結果、第2の実施形態によれば、カム200は各コンデンサレンズ群16,17を上下動させる必要範囲すなわち2αより若干大きく扇形状に構成すればよいので、第1の実施形態に比べて、カム200の加工が容易となり、その分安価に製造できる。これ以外の効果は、第1の実施形態と同一である。
【0061】
(第2の実施形態の変形例)
a)第1の実施形態と同様に、第2の実施形態のカムピン59,79の先端部に、ラジアルベアリングを取付け、カム200の傾斜面を転動するように構成することもできる。このように構成することにより、コンデンサターレット12の回転をより円滑にすることができる。
【0062】
b)第2の実施形態では、コンデンサターレット12をステージ受101に取付ける構造について説明したが、これをコンデンサレンズ群をステージ受101から独立して顕微鏡本体100に取付けるように構成してもよい。この具体的構成については、本出願人が出願した公開公報(特開平7ー174977号公報)に記載されているので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0063】
【発明の効果】
以上述べた本発明によれば、簡単な切換手段によって、広範な対物レンズの倍率幅に対処することができ、特に対物レンズの倍率1倍以下の範囲についてもカバーでき、顕微鏡本体の大幅な改造なしに適用できる顕微鏡用照明光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の顕微鏡用照明光学系の第1の実施形態を示す縦断面図。
【図2】図1の一部を断面した上面図。
【図3】図2のBーOーB´線に沿って切断し矢印方向に見た断面図。
【図4】図1のカム溝の展開図。
【図5】本発明の顕微鏡用照明光学系の第2の実施形態を示す縦断面図。
【図6】図1の一部を断面した上面図。
【図7】図5のカム溝の展開図。
【符号の説明】
1…コンデンサホルダ本体
2…移動ホルダ
3…ピニオン
4…ラック
5,6…焦準ハンドル
7…カム溝7aを有する固定枠
8…プランジャー
9…心出しバネ
10,11…心出しねじ
12…コンデンサターレット
13…軸
16…高倍率用コンデンサレンズ群
17…低倍率用コンデンサレンズ群
18…極低倍率用コンデンサレンズ群
20…絞り操作環
56,76…レンズ枠
59,79…カムピン
60,80…虹彩絞り
61,81…絞り調節環
63,83…バネ
101…ステージ受
102…ステージ
200…扇形状のカム
Claims (3)
- 顕微鏡本体に光軸と平行な軸回りに回転可能にターレットを設けると共に、該ターレット内に高倍率用コンデンサレンズ群と低倍率用コンデンサレンズ群と極低倍率用コンデンサレンズ群をそれぞれ配置し、該ターレットの回転により、該各コンデンサレンズ群を選択的に照明光路へ挿入可能に構成し、前記ターレットの外周側に設けた光軸方向に上下動させる機構により前記高倍率用コンデンサレンズ群と前記低倍率用コンデンサレンズ群が、前記ターレットの回転に伴い、それぞれ独立して光軸方向に移動するように構成したことを特徴とする顕微鏡用照明光学系。
- 前記光軸方向に上下動させる機構は、1個の固定カムにより構成したことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡用照明光学系。
- 前記高倍率用コンデンサレンズ群及び低倍率用コンデンサレンズ群の前側焦点位置に開口を調節可能な開口絞りをそれぞれ独立して設け、該各コンデンサレンズ群と一体に光軸方向へ移動するように構成したことを特徴とする請求項1または2記載の顕微鏡用照明光学系。
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