JP3867578B2 - 電子音楽装置及び電子音楽装置用プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用できないユーザ楽音制御情報のデータを利用可能なプリセット楽音制御情報のデータに代替する電子音楽装置及び電子音楽装置用プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、予め装置にセットされた音色データ(プリセット音色データ)やプリセット音色データを編集して、ユーザにより作成されたユーザ音色データを利用して楽音信号を発生する、即ち演奏を実行する電子楽器は知られている。
【0003】
この電子楽器のうち比較的安価な低中級機種では、別途中高級機種等において作成されたユーザ音色データを読み込んで、その低中級機種に備えられている音源が該ユーザ音色データに対応していない場合(例えば、低級機種はユーザ音色データ自体に対応していない、中級機種は基本的なユーザ音色データには対応するが高度なユーザ音色データには対応していない)には、そのユーザ音色データに基づいた発音ができないために、所定の1つのプリセット音色データ(例えば、グランドピアノ)を代替の音色データとして音源に送り、音源はこの所定の1つのプリセット音色データに基づいて発音させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子楽器では、必ず発音はされるものの、音色データはユーザが意図して設定したユーザ音色データとは大幅に変わるため、聞き苦しい演奏になるという問題がある。
【0005】
例えば、ユーザが高級機種においてユーザ音色データとして、パンフルートの音色データを設定し、このユーザ音色データに基づいて低級機種で発音させるときに、低級機種では、ユーザ音色データ自体に対応していない、即ちユーザ音色データに基づいた発音ができないために、予め決められたグランドピアノの音色データに基づいて発音させており、ユーザが意図したパンフルートの音がグランドピアノの音に変わるため、聞き苦しい演奏になっている。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、利用可能なデータのうちユーザの意図を反映したデータを使用して、聞き易い演奏を提供することができる電子音楽装置及び電子音楽装置用プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の電子音楽装置は、少なくともプリセット音色で楽音を発音可能であって、前記プリセット音色、又は前記プリセット音色を編集したユーザ音色であって前記プリセット音色を指定するプリセット音色指定情報と音色パラメータとにより音色が規定されたものの何れかを指示する入力に応じて発音する楽音の音色が制御される音源手段と、発音させる楽音の音色として前記プリセット音色又は前記ユーザ音色のいずれかを指示する音色指示データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された音色指示データがユーザ音色を指示し、かつ指示されたユーザ音色が前記音源手段にて対応しない音色パラメータを含む場合には、代替として当該ユーザ音色のプリセット音色指定情報にて指定されるプリセット音色で前記音源手段にて楽音を発音させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の電子音楽装置は、請求項1に記載の電子音楽装置において、更に、複数のプリセット音色をその特性に応じて複数のカテゴリに分類して、記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記ユーザ音色のプリセット音色指定情報にて指定されるプリセット音色が前記音源手段では対応していないプリセット音色を指定する場合には、前記プリセット音色指定情報にて指定されたプリセット音色と同じ分類に属し、且つ、前記音源手段に対応しているプリセット音色で前記音源手段にて楽音を発音させることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の電子音楽装置は、少なくとも他の電子音楽装置と共通の番号が対応付けられた複数の楽音波形番号を含むプリセット音色で楽音が発音可能であって、前記プリセット音色、又は前記プリセット音色を編集したユーザ音色であって、複数の楽音波形番号と音色パラメータとにより音色が規定されたものの何れかを指示する入力に応じて発音する楽音の音色が制御される音源手段と、発音させる楽音の音色として前記プリセット音色又は前記ユーザ音色のいずれかを指示する音色指示データを入力する入力手段と、前記プリセット音色を複数記憶する記憶手段と、前記入力手段により入力された音色指示データがユーザ音色を指示し、かつ指示されたユーザ音色が前記音源手段にて対応しない音色パラメータを含む場合には、代替として当該ユーザ音色の楽音波形番号に対応する前記プリセット音色を前記記憶手段から読み出して、前記音源手段にて楽音を発音させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の電子音楽装置は、請求項3記載の電子音楽装置において、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている複数のプリセット音色の中に、前記楽音波形番号に対応するプリセット音色が複数ある場合には、その複数の中から所定の優先順序に従って、前記楽音波形番号に対応する1つのプリセット音色で前記音源手段にて楽音を発音させることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の電子音楽装置用プログラムは、前記請求項1記載の電子音楽装置と同様の動作をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子音楽装置の概略構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る電子音楽装置は、以下の説明では電子楽器100とする。
【0019】
同図に示すように、電子楽器100は、音高情報を入力するための鍵盤1と、各種情報を入力するための複数のスイッチを備えたパネルスイッチ2と、鍵盤1の各鍵の押鍵状態を検出する押鍵検出回路3と、パネルスイッチ2の各スイッチの押下状態を検出するスイッチ検出回路4と、装置全体の制御を司るCPU5と、該CPU5が実行する制御プログラム、各種テーブルデータ、後述する音色データに付された音色番号等を記憶するROM6と、各種入力情報、演算結果等を一時的に記憶するRAM7と、タイマ割込み処理における割込み時間や各種時間を計時するタイマ8と、各種情報等を表示する、例えば大型液晶ディスプレイ(LCD)若しくはCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ及び発光ダイオード(LED)等を備えた表示装置9と、前記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや、映像、各種データ等を記憶する外部記憶装置10と、後述するユーザ音色データを格納するフラッシュメモリ11と、鍵盤1から入力された演奏データや予め設定された演奏データ等を楽音信号に変換する音源回路12と、該音源回路12からの楽音信号に各種効果を付与するための効果回路13と、該効果回路13からの楽音信号を音響に変換する、例えば、DAC(Digital-to-Analog Converter)やアンプ、スピーカ等のサウンドシステム18と、通信ネットワーク15を介して、例えば他の電子楽器やパーソナルコンピュータ等の外部装置16とデータの送受信を行う通信インターフェース(I/F)14とにより構成されている。
【0020】
上記構成要素3〜13は、バス17を介して相互に接続され、CPU5にはタイマ8が接続されている。また、外部記憶装置10は、フレキシブルディスク(FD)、ハードディスク(HD)又はCD−ROM等の記憶媒体と、これらの記憶媒体からのデータの読み込み及びこれらの記憶媒体へのデータの書き込みを実行する装置とを備えており、制御プログラムの追加やバージョンアップ等を行うときにも使用される。電子楽器100は、この制御プログラムの追加やバージョンアップ等に限らず、外部装置16から通信I/F11及び通信ネットワーク15を介してデータを取り込むこともできる。
【0021】
外部装置16は、通信I/F11及び通信ネットワーク15を介してバス17に接続されているが、通信I/F11がシリアル通信端子、パラレル通信端子、USB(Universal Serial Bus)又はIEEE1394等を備えるものである場合には、通信ネットワーク15を介さずに、直接外部装置16を上記シリアル通信端子等に対する接続用ケーブルで通信I/F11に接続させてもよい。
【0022】
ユーザ音色データを格納するフラッシュメモリ11は、中高級機種の電子楽器では備えているが、低級機種では備えていない。
【0023】
ここで、上記ROM6に記憶されているデータの内容について図2を参照しながら説明する。
【0024】
ROM6に記憶されているデータは、電子楽器100のオペレーティングシステム及び制御プログラム61と、サンプルの楽曲データ62と、プリセットスタイルデータを指定する際に使用するプリセットスタイル番号データ及びそれに対応するMIDIデータ63と、プリセット音色データを指定する際に使用するプリセット音色番号データ64と、プリセット効果データを指定する際に使用するプリセット効果番号データ65と、テンポ、音量、音色及びスタイル等を設定する設定データ(いわゆるレジストレーションデータ)66と、その他のデータ67とを備えている。楽曲データ62は、例えばMIDI形式のデータであるが、このデータのフォーマットはMIDIに限られるものではない。
【0025】
プリセット音色番号データ64及びプリセット効果番号データ65は、いずれも単なる番号データにすぎず、実際のプリセット音色データは音源回路12に含まれ、プリセット効果データは効果回路13に含まれている。例えば、ユーザがパネルスイッチ2でプリセット音色番号「1」を指定すると、音源回路12ではプリセット音色番号「1」に対応するプリセット音色データが選択され、該選択されたプリセット音色データに基づいて楽音信号が生成される。
【0026】
プリセットスタイルについては、その番号データが指定されると、その番号に対応するMIDIデータが読み出され、そのイベントデータが、楽曲データ62の場合と同様に、音源回路12に送られ、そのイベントデータに基づく楽音信号が生成される。
【0027】
上記ROM6に記憶されているデータの内容は、中高級機種及び低級機種のいずれの電子楽器も同様である。
【0028】
図3は、図2におけるプリセット音色番号データ64の具体的な内容を示すプリセット音色テーブルの模式図である。
【0029】
このプリセット音色テーブルは、複数のプリセット音色番号データ64をその特性(具体的には楽器である)に応じて分類し、その分類毎に音源回路12に記憶されたプリセット音色データに対応するプリセット音色番号を具体的に示している。例えば、ピアノに関しては、プリセット音色番号は1番から5番まであり、低級機種の電子楽器ではプリセット音色番号が1番の「Grand Piano」と3番の「Ele Piano」が対応しており、中高級機種の電子楽器ではプリセット音色番号が1番から5番までのすべてに対応している。これは、低級機種の電子楽器が備えている音源回路12が、プリセット音色番号が1番及び3番に対応するプリセット音色データを備え、これらのプリセット音色データが選択された場合にのみ、該選択されたプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成することができることを意味し、換言すれば、例えばプリセット音色番号2番が選択された場合には、該選択されたプリセット音色番号2番に対応するプリセット音色データを備えていないので、このプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成することができないことを意味する。一方、中高級機種の電子楽器が備えている音源回路12は、プリセット音色番号1番から5番の全てに対応するプリセット音色データを備えるので、いずれのプリセット音色番号が選択された場合でも、該選択されたプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成することができることを意味する。
【0030】
このプリセット音色テーブルは、中高級機種及び低級機種のいずれの電子楽器も備えているので、低級機種の電子楽器では、対応していないプリセット音色番号であっても、どの分類に属するプリセット音色番号であるかの判断は可能である。
【0031】
また、このプリセット音色テーブルは、General MIDI規格のように多数の音色分類又は音色種類を備えるものでもよい。
【0032】
また、プリセット音色番号と楽音波形とが1対1対応する場合には、このプリセット音色テーブルは、楽音波形テーブルをも規定していることになる。
【0033】
図4は、図2におけるプリセット効果番号データ65の具体的な内容を示すプリセット効果テーブルの模式図である。
【0034】
このプリセット効果テーブルもまた、上記プリセット音色テーブルと同様に中高級機種及び低級機種のいずれの電子楽器も備えている。
【0035】
また、上記プリセット音色テーブルと同様に、低級機種の電子楽器では、対応しているプリセット効果番号が選択された場合にのみ、効果回路13が該選択されたプリセット効果番号に対応するプリセット効果データに基づいて音源回路12からの楽音信号に各種効果を付与する。一方、中高級機種の電子楽器では、いずれのプリセット効果番号が選択された場合でも、効果回路13が該選択されたプリセット効果番号に対応するプリセット効果データに基づいて音源回路12からの楽音信号に各種効果を付与する。
【0036】
図5は、図1における音源回路12に記憶されているデータの内容を示す図である。
【0037】
同図に示すように、音源回路12は、プリセット音色番号と、該プリセット音色番号に対応するプリセット音色データ、即ち、楽音波形と、音量及びパンと、フィルタと、エフェクトと、エンベロープとに関するデータを備えている。このデータは、プリセット音色番号毎にそれぞれ備えられている。楽音信号の音量については、受け取るMIDIイベントデータ中のベロシティ値に応じて設定される。他の音色データについても、音源回路12がそれに対応するMIDIデータを受け取った場合には、それに基づいて変更する。
【0038】
図6は、図1におけるフラッシュメモリ11に記憶されるユーザ音色データの内容を示す図である。
【0039】
このフラッシュメモリ11は、合計12個のユーザ音色データを記憶することができ、各ユーザ音色データは、元プリセット音色番号と、音量及びパンと、フィルタと、エフェクトと、エンベロープとに関する音色パラメータを備えている。
【0040】
元プリセット音色番号に関する音色パラメータは、低級機種がユーザ音色データに基づいて楽音信号を生成することができないことに鑑み、このような低級機種でプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成することができるようにするために備えられている。フィルタに関する音色パラメータは、フィルタの種類を示すパラメータと、そのフィルタのカットオフ周波数を示すパラメータとを1セットにして備えている。エフェクトに関する音色パラメータは、エフェクトのオン/オフに関するパラメータと、エフェクトの種類を示すトレモロ、シンフォニック及びディレイに関するパラメータとを1セットにして備えている。エンベロープに関する音色パラメータは、出力レベルを示すパラメータと、アタック・レイト、ディケイ・レイト及びリリース・レイトに関するパラメータとを1セットにして備えている。
【0041】
このフラッシュメモリ11は中高級機種の電子楽器が備えているが、中級機種の電子楽器は高級機種の電子楽器に比べて、記憶できるユーザ音色データ数が少なく、さらに音色パラメータ(音色番号を除く)の種類が少ない。例えば、高級機種の電子楽器にはフィルタやエフェクトの設定機能がないなど、高級機種の電子楽器に利用されるユーザ音色データによっては対応できない場合がある。低級機種の電子楽器は、上述したようにユーザ音色データ自体に対応していない、即ちユーザ音色データを記憶するメモリがなく、さらにユーザ音色データに基づいて楽音信号を生成することもできない。
【0042】
尚、ユーザ音色データと、このユーザ音色データに対応する楽音波形データ(不図示)とが1対1対応する場合には、該ユーザ音色データの音色番号は楽音波形データの楽音波形番号をも規定していることになる。
【0043】
図7は、電子楽器100内に取り込まれる外部記憶装置10の記憶内容を示す図である。
【0044】
この外部記憶装置10が、例えばFDを含むFD駆動装置である場合には、FDが同図に示す記憶内容、即ちレジストレーションデータを備える。レジストレーションデータとは、音色やキーボードセッティングなど、演奏時の状態を全て含むデータである。
【0045】
プリセット音色番号又はユーザ音色データを構成する音色パラメータは、レジストレーションデータの一部を構成し、楽曲データ中では、プログラムチェンジコマンドやエックスクルーシブコマンドとして含まれ、自動演奏の際に読み込まれる。
【0046】
同図に示す各レジストレーションデータは、テンポ、音量、音色及びスタイルに関するパラメータを備え、このうち、音色パラメータは、元プリセット音色番号、音量,パン、フィルタ、エフェクト、及びエンベロープのパラメータで構成されている。
【0047】
低級機種の電子楽器は、予め記憶されているプリセット音色番号以外は受け付けないが、中高級機種の電子楽器と互換性を採るために、例えばFDに記録された市販のレジストレーションデータやユーザが作成したレジストレーションデータを取り込むことができる。
【0048】
また、低級機種の電子楽器は、音色パラメータの編集はできないが、テンポの数値、音量の数値、音色番号及びスタイル番号が変更されたレジストレーションデータをFDに記憶することはできる。
【0049】
図8及び図9は、図1におけるCPU5で実行されるユーザ音色データの代替処理を示すフローチャートである。
【0050】
このユーザ音色データの代替処理は、大きく分けて以下に示す7つの処理からなる。
(1)対応するプリセット音色番号がROM6にある場合の代替処理(ステップS4)
(2)対応するプリセット音色番号はROM6にないが、同じ分類に属する他のプリセット音色番号がROM6にある場合の代替処理(ステップS6)
(3)対応するプリセット音色番号がROM6になく、かつ同じ分類に属する他のプリセット音色番号がROM6にない場合の代替処理(ステップS7)
(4)対応するユーザ音色データがフラッシュメモリ11にある場合の代替処理(ステップS11)
(5)対応するユーザ音色データがフラッシュメモリ11になく、ユーザ音色データが元プリセット音色番号を有していない場合の代替処理(ステップS15)(6)対応するユーザ音色データがフラッシュメモリ11にないが、ユーザ音色データが元プリセット音色番号を有しており、元プリセット音色番号がROM6にある場合の代替処理(ステップS14)
(7)対応するユーザ音色データがフラッシュメモリ11になく、ユーザ音色データが元プリセット音色番号を有しているが、元プリセット音色番号がROM6にない場合の代替処理(ステップS13でNO→ステップS6又はステップS7)
以下、これらの処理を具体的に説明する。
【0051】
上記(1)の代替処理
この代替処理は、電子楽器100が他の電子楽器のプリセット音色データと全く同一のものを備えているときに実行される。
【0052】
まず、CPU5はFDに記憶されたレジストレーションデータ又はROM6から音色番号を取り込んでいるか否かを判別し(ステップS1)、音色番号を取り込んでいる場合には、該取り込んだ音色番号がプリセット音色番号であるか否かを判別する(ステップS2)。
【0053】
ステップS2の判別の結果、取り込んだ音色番号がプリセット音色番号である場合には、このプリセット音色番号が、その電子楽器に対応しているものであるか否かを判別する(ステップS3)。この判別は、CPU5により図3に示すプリセット音色テーブルに基づいて行われる。
【0054】
ステップS3の判別の結果、取り込んだプリセット音色番号が、その電子楽器に対応している場合には、該取り込んだプリセット音色番号を音源回路12に送り(ステップS4)、本処理を終了する。音源回路12では、この送られてきたプリセット音色番号に対応するプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成する。
【0055】
上記(2)の代替処理
この代替処理は、例えば、ピアノの分類に属するプリセット音色番号1番の「Grand Piano」と3番の「Ele Piano」にのみ対応している低級機種の電子楽器に、ピアノの分類に属するプリセット音色番号2番の「Brite Piano」が取り込まれたときに実行される。
【0056】
上記ステップS3の判別の結果、取り込んだプリセット音色番号が、その電子楽器に対応していない場合には、図3に示すプリセット音色テーブルにおいて、該取り込んだプリセット音色番号と同じ分類に属し、且つその電子楽器に対応する他のプリセット音色番号があるか否かを判別する(ステップS5)。
【0057】
ステップS5の判別の結果、取り込んだプリセット音色番号と同じ分類に属し、且つその電子楽器に対応する他のプリセット音色番号がある場合には、当該同じ分類に属し、且つその電子楽器に対応するプリセット音色番号の中で、一番基本的なプリセット音色番号を代替の音色番号とし、この音色番号を音源回路12に送り(ステップS6)、本処理を終了する。音源回路12では、この送られてきた音色番号に対応するプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成する。ここで、一番基本的なプリセット音色番号とは、図3に示すプリセット音色テーブルのうち、例えば、各分類に属する最も数値の小さい音色番号をいう。例えば、分類が「Piano」の場合には、一番基本的なプリセット音色番号は1番の「Grand Piano」であり、分類が「chro-Percussion」の場合には、一番基本的なプリセット音色番号は6番の「Celesta」である。
【0058】
この(2)の代替処理によれば、同じ分類に属する代替の音色番号が音源回路12に送られるので、より所望の音色に近い音色又は類似する音色で電子楽器の演奏が可能になる。
【0059】
上記(3)の代替処理
この代替処理は、例えば、ピアノの分類に属するプリセット音色番号1番の「Grand Piano」と3番の「Ele Piano」にのみ対応している低級機種の電子楽器に、オルガンの分類に属するプリセット音色番号11番の「Draw Orgn」が取り込まれたときに実行される。
【0060】
上記ステップS5の判別の結果、取り込んだプリセット音色番号と同じ分類に属し、且つその電子楽器に対応する他のプリセット音色番号がない場合には、取り込んだプリセット音色番号に関係なく、予め決められたプリセット音色番号を音源回路12に送り(ステップS7)、本処理を終了する。音源回路12では、この送られてきた音色番号に対応するプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成する。ここで、予め決められたプリセット音色番号とは、ユーザがパネルスイッチ2を介して設定したプリセット音色番号か、又は電子楽器の製造者が工場出荷時に設定したプリセット音色番号である。
【0061】
上記(4)の代替処理
この代替処理は、電子楽器100が他の電子楽器のユーザ音色データと全く同一のものを備えているときに実行される。
【0062】
上記ステップS2の判別の結果、取り込んだ音色番号がプリセット音色番号でない場合には、取り込んだ音色番号がユーザ音色番号であるか否かを判別する(ステップS8)。ここで、ユーザ音色番号とは、具体的には、図7に示すレジストレーションデータに含まれる音色パラメータの識別番号(図7の上段における「音色1(番号)」に相当する部分)である。
【0063】
ステップS8の判別の結果、取り込んだ音色番号がユーザ音色番号である場合には、CPU5は該ユーザ音色番号に対応する音色パラメータを取り込む(ステップS9)。この音色パラメータは、具体的には、図7の下段に示す「元プリセット音色番号、音量及びパン、フィルタ、エフェクト、及びエンベロープ」に相当する部分である。
【0064】
次いで、ステップS9で取り込まれた音色パラメータと、フラッシュメモリ11に記憶されている音色パラメータとが一致するか否か、即ち電子楽器100がユーザ音色データに対応するものであるのか否かを判別する(ステップS10)。
【0065】
ステップS10の判別の結果、電子楽器100がユーザ音色データに対応するものである場合には、ユーザ音色データを構成する音色パラメータを音源回路12に送り(ステップS11)、本処理を終了する。音源回路12では、この送られてきた音色パラメータに基づいて楽音信号を生成する。
【0066】
上記(5)の代替処理
この代替処理は、例えば、プリセット音色番号1番の「Grand Piano」と3番の「Ele Piano」にのみ対応している低級機種の電子楽器に、具体的な元プリセット音色番号が設定されていないユーザ音色番号が取り込まれたときに実行される。
【0067】
上記ステップS10の判別の結果、電子楽器100がユーザ音色データに対応するものでない場合には、ステップS9で取り込まれた音色パラメータを構成する元プリセット音色番号のパラメータが具体的な番号を備えているか否かを判別する(ステップS12)。
【0068】
ステップS12の判別の結果、元プリセット音色番号のパラメータが具体的な番号を備えていない場合には、元プリセット音色番号やユーザ音色番号に関係なく、予め決められたプリセット音色番号を音源回路12に送り(ステップS15)、本処理を終了する。音源回路12では、この送られてきた音色番号に対応するプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成する。
【0069】
上記(6)の代替処理
この代替処理は、例えば、プリセット音色番号1番の「Grand Piano」と3番の「Ele Piano」にのみ対応している低級機種の電子楽器に、元プリセット音色番号1番の「Grand Piano」を有するユーザ音色番号が取り込まれたときに実行される。
【0070】
上記ステップS12の判別の結果、元プリセット音色番号のパラメータが具体的な番号を備えている場合には、その具体的な音色番号が、その電子楽器に対応しているものであるか否かを判別する(ステップS13)。この判別は、CPU5により図3に示すプリセット音色テーブルに基づいて行われる。
【0071】
ステップS13の判別の結果、その具体的な音色番号が、その電子楽器に対応しているものである場合には、ユーザ音色番号の替わりに元プリセット音色番号を音源回路12に送り(ステップS14)、本処理を終了する。音源回路12では、この送られてきた元プリセット音色番号に対応するプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成する。
【0072】
この(6)の代替処理によれば、ユーザ音色の基礎となる元プリセット音色の番号が代替の音色番号として音源回路12に送られるので、より所望の音色に近い音色又は類似する音色で電子楽器の演奏が可能になる。
【0073】
上記(7)の代替処理
この代替処理は、例えば、プリセット音色番号1番の「Grand Piano」と3番の「Ele Piano」にのみ対応している低級機種の電子楽器に、元プリセット音色番号2番の「Brite Piano」を有するユーザ音色番号が取り込まれたときに実行される。
【0074】
上記ステップS13の判別の結果、その具体的な音色番号が、その電子楽器に対応しているものであるでない場合には、ステップS5に進み、上記(2)の代替処理(ステップS6)又は上記(3)の代替処理(ステップS7)が実行される。
【0075】
上述したように、本実施の形態によれば、ユーザ音色番号に対応していない電子楽器のCPU5が、元プリセット音色番号を有するユーザ音色番号を取り込んだときに、ユーザ音色の基礎となる元プリセット音色の番号を代替の音色番号として音源回路12に送るので、利用可能なデータのうちユーザの意図を反映したデータを使用して、聞き易い演奏を提供することができる。
【0076】
また、所定のプリセット音色番号(例えば、2番の「Brite Piano」)に対応していない電子楽器のCPU5が、該所定のプリセット音色番号を取り込んだときに、該所定のプリセット音色番号と同じ分類(例えば、ピアノの分類)に属する代替の音色番号(例えば、1番の「Grand Piano」)を音源回路12に送るので、利用可能なデータのうちユーザの意図を反映したデータを使用して、聞き易い演奏を提供することができる。
【0077】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態と比較して、フラッシュメモリ11に記憶されるユーザ音色データの内容の点で異なる。また、ROM6の備えるプリセット音色番号が各々2つの楽音波形番号を含む点で異なる。
【0078】
以下、上記第1の実施の形態と異なる点について説明する。
【0079】
図10は、フラッシュメモリ11に記憶されるユーザ音色データの内容を示す図である。
【0080】
このフラッシュメモリ11は、合計12個のユーザ音色データを記憶することができ、各ユーザ音色データは、元楽音波形番号と、音量及びパンと、フィルタと、エフェクトと、エンベロープとに関する音色パラメータのセットを2組備えている。これは、本実施の形態において、使用される1つのユーザ音色又は1つのプリセット音色は、いずれも2つの楽音波形及びそれらのパラメータに基づいて構成されることを意味している。但し、音色の種類によっては、1つの楽音波形及びそのパラメータに基づいて構成される場合もある。
【0081】
元楽音波形番号に関する音色パラメータは、低級機種の電子楽器がユーザ音色データに基づいて楽音信号を生成することができないことに鑑み、このような低級機種の電子楽器でプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成することができるようにするために備えられている。
【0082】
図11は、図10における元楽音波形番号に基づいてプリセット音色番号等を抽出するための変換テーブルを示す図である。
【0083】
この変換テーブルはROM6に備えられており、主として低級機種の電子楽器がユーザ音色データを取り込んだときに使用される。
【0084】
同図に示す変換テーブルにおいて、「元楽音波形」の項目は、図10のユーザ音色データが備える元楽音波形番号のパラメータに相当する。「音色番号」の項目は、元楽音波形番号のパラメータに基づいて変換されるプリセット音色番号を示し、「音色名」の項目は、プリセット音色番号に対応する音色名を示し、「第1楽音波形」及び「第2楽音波形」の項目は、それぞれROM6に記憶された楽音波形番号を示す。この「第1楽音波形」又は「第2楽音波形」の項目にある「0」は、楽音信号の生成に1つの楽音波形のみ使用することを意味する。
【0085】
同図に示す変換テーブルにおいて、例えば「元楽音波形」の項目が「1,2」である場合には、2種類の音色番号「001」及び「003」が変換候補として挙げられているが、これは、ユーザ音色データに含まれる元楽音波形番号「1」に関連する音量及びパン、フィルタ、エフェクト、及びエンベロープの4つのパラメータに応じて音色番号「001」及び「003」の何れか一方に変換されることを意味する。また、「元楽音波形」の項目に2つの数字がある場合には、より小さい値の数字の元楽音波形番号に基づいて「音色番号」の項目に入るプリセット音色番号が決定される。
【0086】
図12は、電子楽器100内に取り込まれる外部記憶装置10の記憶内容を示す図である。
【0087】
この外部記憶装置10が、例えばFDを含むFD駆動装置である場合には、FDが同図に示す記憶内容、即ちレジストレーションデータを備える。
【0088】
上述した図7に示すレジストレーションデータと異なる点は、1つのユーザ音色に対して音色パラメータを2セット備えていること、及び音色パラメータを構成する要素の一つが元プリセット音色番号ではなく、元楽音波形番号であることである。
【0089】
図13及び図14は、図1におけるCPU5で実行されるユーザ音色データの代替処理を示すフローチャートである。
【0090】
このユーザ音色データの代替処理は、大きく分けて以下に示す5つの処理からなる。
(8)対応するプリセット音色番号がROM6にある場合の代替処理(ステップS4)
この代替処理は上記第1実施の形態における(1)の代替処理と同様であるので、その説明は省略する。
(9)対応するプリセット音色番号はROM6にない場合の代替処理(ステップS25)
(10)対応するユーザ音色データがフラッシュメモリ11にある場合の代替処理(ステップS29)
(11)対応するユーザ音色データがフラッシュメモリ11になく、且つユーザ音色データが元楽音波形番号を有していない場合又はユーザ音色データが元楽音波形番号を有しているが、該元楽音波形番号がROM6にない場合の代替処理(ステップS33)
(12)対応するユーザ音色データがフラッシュメモリ11にないが、ユーザ音色データが元楽音波形番号を有しているおり、且つ該元楽音波形番号がROM6にある場合の代替処理(ステップS32)
以下、これらの処理を具体的に説明する。
【0091】
上記(9)の代替処理
この代替処理は、例えば、プリセット音色番号1番の「Grand Piano」と3番の「Ele Piano」にのみ対応している低級機種の電子楽器に、プリセット音色番号11番の「Draw Orgn」が取り込まれたときに実行される。
【0092】
上記ステップS3の判別の結果、取り込んだプリセット音色番号が、その電子楽器に対応していない場合には、取り込んだプリセット音色番号に関係なく、予め決められたプリセット音色番号を音源回路12に送り(ステップS25)、本処理を終了する。音源回路12では、この送られてきた音色番号に対応するプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成する。ここで、予め決められたプリセット音色番号とは、ユーザがパネルスイッチ2を介して設定したプリセット音色番号か、又は電子楽器の製造者が工場出荷時に設定したプリセット音色番号である。
【0093】
上記(10)の代替処理
この代替処理は、電子楽器100が他の電子楽器のユーザ音色データと全く同一のものを備えているときに実行される。
【0094】
上記ステップS2の判別の結果、取り込んだ音色番号がプリセット音色番号でない場合には、取り込んだ音色番号がユーザ音色番号であるか否かを判別する(ステップS26)。ここで、ユーザ音色番号とは、具体的には、図12に示すレジストレーションデータに含まれる音色パラメータの識別番号(図12の上段における「音色1(番号)」に相当する部分)である。
【0095】
ステップS26の判別の結果、取り込んだ音色番号がユーザ音色番号である場合には、CPU5は該ユーザ音色番号に対応する2セットの音色パラメータを取り込む(ステップS27)。この2セットの音色パラメータは、具体的には、図12の下段に示す2つの「元楽音波形番号、音量及びパン、フィルタ、エフェクト、及びエンベロープ」に相当する部分である。
【0096】
次いで、ステップS27で取り込まれた音色パラメータと、フラッシュメモリ11に記憶されている音色パラメータとが一致するか否か、即ち電子楽器100がユーザ音色データに対応するものであるのか否かを判別する(ステップS28)。
【0097】
ステップS28の判別の結果、電子楽器100がユーザ音色データに対応するものである場合には、ユーザ音色データを構成する2セットの音色パラメータを音源回路12に送り(ステップS11)、本処理を終了する。音源回路12では、この送られてきた2セットの音色パラメータに基づいて楽音信号を生成する。
【0098】
上記(11)の代替処理
この代替処理は、例えば、プリセット音色番号1番の「Grand Piano」と3番の「Ele Piano」にのみ対応している低級機種の電子楽器に、具体的な元楽音波形番号が2つとも設定されていないユーザ音色番号が取り込まれたときに実行される。または、プリセット音色番号1番の「Grand Piano」と3番の「Ele Piano」にのみ対応している低級機種の電子楽器に、具体的な元楽音波形番号が2つとも設定されているユーザ音色番号が取り込まれたが、該2つの元楽音波形番号に対応するプリセット音色番号が11番の「Draw Orgn」であるときに実行される。
【0099】
上記ステップS28の判別の結果、電子楽器100がユーザ音色データに対応するものでない場合には、ステップS27で取り込まれた音色パラメータを構成する元楽音波形番号のパラメータの2つがそれぞれ具体的な番号を備えているか否かを判別する(ステップS30)。
【0100】
ステップS30の判別の結果、元楽音波形番号のパラメータの2つが具体的な番号を備えていない場合には、元プリセット音色番号やユーザ音色番号に関係なく、予め決められたプリセット音色番号を音源回路12に送り(ステップS33)、本処理を終了する。音源回路12では、この送られてきた音色番号に対応するプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成する。
【0101】
上記ステップS30の判別の結果、元楽音波形番号のパラメータの2つが具体的な番号を備えている場合には、該2つの元楽音波形番号に対応するプリセット音色番号が、その電子楽器に対応しているものであるか否かを判別する(ステップS31)。この判別は、CPU5により図11に示す変換テーブルに基づいて行われる。
【0102】
ステップS31の判別の結果、2つの元楽音波形番号に対応するプリセット音色番号が、その電子楽器に対応していない場合には、上記ステップS33の処理を実行し、本処理を終了する。
【0103】
上記(12)の代替処理
この代替処理は、例えば、プリセット音色番号1番の「Grand Piano」と3番の「Ele Piano」にのみ対応している低級機種の電子楽器に、プリセット音色番号1番の「Grand Piano」に対応する2つの元楽音波形番号を有するユーザ音色番号が取り込まれたときに実行される。
【0104】
上記ステップS31の判別の結果、2つの元楽音波形番号に対応するプリセット音色番号が、その電子楽器に対応している場合には、ユーザ音色番号の替わりに、2つの元楽音波形番号を含むプリセット音色番号を音源回路12に送り(ステップS32)、本処理を終了する。音源回路12では、この送られてきた2つの元楽音波形番号を含むプリセット音色番号に対応するプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成する。
【0105】
この(12)の代替処理によれば、ユーザ音色の基礎となる2つの元楽音波形番号を含むプリセット音色番号が代替の音色番号として音源回路12に送られるので、より所望の音色に近い音色又は類似する音色で電子楽器の演奏が可能になる。
【0106】
上述したように、本実施の形態によれば、ユーザ音色番号に対応していない電子楽器のCPU5が、2つの元楽音波形番号を有するユーザ音色番号を取り込んだときに、ユーザ音色の基礎となる2つの元楽音波形番号を含むプリセット音色番号を代替の音色番号として音源回路12に送るので、利用可能なデータのうちユーザの意図を反映したデータを使用して、聞き易い演奏を提供することができる。
【0107】
上記第1及び第2の実施の形態では、いずれもCPU5がROM6からプリセット音色番号を読み出し、音源回路12に送り、音源回路12はこの送られてきたプリセット音色番号に対応するプリセット音色データに基づいて楽音信号を生成しているが、CPU5がROM6、外部記憶装置10又はフラッシュメモリ11からプリセット音色データ(音色パラメータ)やユーザ音色データを直接音源回路12に送り、音源回路12はこの送られてきたプリセット音色データやユーザ音色データに基づいて楽音信号を生成するようにしてもよい。
【0108】
また、上記第1及び第2の実施の形態では、いずれも楽音制御情報の中の音色に関連したデータついて説明したが、その他の楽音制御情報、例えば効果や伴奏スタイル等についても上述した実施の形態の機能を適用することができる。特に、効果については、図3のプリセット音色テーブルの替わりに図4のプリセット効果テーブルを使用する。
【0109】
本発明は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、コンピュータ又はCPU5に供給し、そのコンピュータ又はCPU5が該供給されたプログラムを読出して実行することによっても本発明の目的が達成されることは云うまでもない。
【0110】
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記録した記録媒体から直接、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【0111】
また、上記プログラムは、上述した実施の形態の機能をコンピュータで実現することができればよく、その形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態を有するものでもよい。
【0112】
更にまた、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記録した記録媒体をコンピュータに供給し、そのコンピュータ又はCPU5が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは云うまでもない。
【0113】
プログラムを供給する記録媒体としては、例えば、RAM、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、MO、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−R)、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムを記録できるものであればよい。
【0114】
上記第1及び第2の実施の形態では、電子音楽装置として電子楽器100を使用したが、これに限らず、電子音楽装置としてPC、モバイルPC、ゲーム装置又は携帯電話等の携帯型通話端末等を使用してもよい。
【0115】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載の電子音楽装置及び請求項5記載の電子音楽装置用プログラムによれば、入力された音色指示データがユーザ音色を指示し、かつ指示されたユーザ音色が前記音源手段にて対応しない音色パラメータを含む場合には、代替として当該ユーザ音色のプリセット音色指定情報にて指定されるプリセット音色で音源手段にて楽音を発音させるので、利用可能なデータのうちユーザの意図を反映したデータを使用して、聞き易い演奏を提供することができる。
【0116】
請求項3記載の電子音楽装置によれば、入力された音色指示データがユーザ音色を指示し、かつ指示されたユーザ音色が音源手段にて対応しない音色パラメータを含む場合には、代替として当該ユーザ音色の楽音波形番号に対応するプリセット音色を記憶手段から読み出して、音源手段にて楽音を発音させるので、利用可能なデータのうちユーザの意図を反映したデータを使用して、聞き易い演奏を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る電子音楽装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 図1におけるROM6に記憶されているデータの内容を示す図である。
【図3】 図2におけるプリセット音色番号データ64の具体的な内容を示すプリセット音色テーブルの模式図である。
【図4】 図2におけるプリセット効果番号データ65の具体的な内容を示すプリセット効果テーブルの模式図である。
【図5】 図1における音源回路12に記憶されているデータの内容を示す図である。
【図6】 図1におけるフラッシュメモリ11に記憶されるユーザ音色データの内容を示す図である。
【図7】 図1における電子楽器100内に取り込まれる外部記憶装置10の記憶内容を示す図である。
【図8】 図1におけるCPU5で実行されるユーザ音色データの代替処理を示すフローチャートである。
【図9】 図1におけるCPU5で実行されるユーザ音色データの代替処理を示すフローチャートである。
【図10】 図1におけるフラッシュメモリ11に記憶されるユーザ音色データの内容を示す図である。
【図11】 図10における元楽音波形番号に基づいてプリセット音色番号等を抽出するための変換テーブルを示す図である。
【図12】 図1における電子楽器100内に取り込まれる外部記憶装置10の記憶内容を示す図である。
【図13】 図1におけるCPU5で実行されるユーザ音色データの代替処理を示すフローチャートである。
【図14】 図1におけるCPU5で実行されるユーザ音色データの代替処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
5 CPU(制御手段)、 6 ROM(入力手段、記憶手段)、 7 RAM、 8 タイマ、 9 表示装置、 10 外部記憶装置(入力手段)、 11フラッシュメモリ(入力手段)、 12 音源回路(音源手段)、 13 効果回路(音源手段)、 18 サウンドシステム(音源手段)
Claims (5)
- 少なくともプリセット音色で楽音を発音可能であって、前記プリセット音色、又は前記プリセット音色を編集したユーザ音色であって前記プリセット音色を指定するプリセット音色指定情報と音色パラメータとにより音色が規定されたものの何れかを指示する入力に応じて発音する楽音の音色が制御される音源手段と、
発音させる楽音の音色として前記プリセット音色又は前記ユーザ音色のいずれかを指示する音色指示データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された音色指示データがユーザ音色を指示し、かつ指示されたユーザ音色が前記音源手段にて対応しない音色パラメータを含む場合には、代替として当該ユーザ音色のプリセット音色指定情報にて指定されるプリセット音色で前記音源手段にて楽音を発音させる制御手段と
を備えることを特徴とする電子音楽装置。 - 更に、複数のプリセット音色をその特性に応じて複数のカテゴリに分類して、記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記ユーザ音色のプリセット音色指定情報にて指定されるプリセット音色が前記音源手段では対応していないプリセット音色を指定する場合には、前記プリセット音色指定情報にて指定されたプリセット音色と同じ分類に属し、且つ、前記音源手段に対応しているプリセット音色で前記音源手段にて楽音を発音させることを特徴とする請求項1に記載の電子音楽装置。 - 少なくとも他の電子音楽装置と共通の番号が対応付けられた複数の楽音波形番号を含むプリセット音色で楽音が発音可能であって、前記プリセット音色、又は前記プリセット音色を編集したユーザ音色であって、複数の楽音波形番号と音色パラメータとにより音色が規定されたものの何れかを指示する入力に応じて発音する楽音の音色が制御される音源手段と、
発音させる楽音の音色として前記プリセット音色又は前記ユーザ音色のいずれかを指示する音色指示データを入力する入力手段と、
前記プリセット音色を複数記憶する記憶手段と、
前記入力手段により入力された音色指示データがユーザ音色を指示し、かつ指示されたユーザ音色が前記音源手段にて対応しない音色パラメータを含む場合には、代替として当該ユーザ音色の楽音波形番号に対応する前記プリセット音色を前記記憶手段から読み出して、前記音源手段にて楽音を発音させる制御手段と
を備えることを特徴とする電子音楽装置。 - 前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている複数のプリセット音色の中に、前記楽音波形番号に対応するプリセット音色が複数ある場合には、その複数の中から所定の優先順序に従って、前記楽音波形番号に対応する1つのプリセット音色で前記音源手段にて楽音を発音させることを特徴とする請求項3記載の電子音楽装置。
- コンピュータを
少なくともプリセット音色で楽音を発音可能であって、前記プリセット音色、又は前記プリセット音色を編集したユーザ音色であって前記プリセット音色を指定するプリセット音色指定情報と音色パラメータとにより音色が規定されたものの何れかを指示する入力に応じて発音する楽音の音色が制御される音源手段、
発音させる楽音の音色として前記プリセット音色又は前記ユーザ音色のいずれかを指示する音色指示データを入力する入力手段、及び
前記入力手段により入力された音色指示データがユーザ音色を指示し、かつ指示されたユーザ音色が前記音源手段にて対応しない音色パラメータを含む場合には、代替として当該ユーザ音色のプリセット音色指定情報にて指定されるプリセット音色で前記音源手段にて楽音を発音させる制御手段
として機能させることを特徴とする電子音楽装置用プログラム。
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