JP3865853B2 - 加工割れ感受性の低いオーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、加工割れ感受性が低いオーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼は、近年、機能材料としても使用されるようになってきている。オーステナイト系ステンレス鋼の中でも、常温で非磁性の鋼種は、電子部品用材料として使用されることが多い。
この種の材料には、高い清浄度が要求される。そのため、素材製造時の精錬工程で不活性ガスの吹込みにより溶鋼を十分撹拌しながら、CaOを主体とする塩基性フラックス及びAl等の強還元剤を添加し、脱硫,脱酸及び非金属介在物除去を十分に行わせている。
たとえば、特開平6−306438号公報では、二次精錬炉の耐火物を特定すると共に精錬後のスラグ組成を調整することにより、有害なAl2 O3 −MgO系非金属介在物の生成を抑制している。このような処理によって、ある程度まで高清浄度化される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電子部品用材料に供される素材の中でも、鋼板の板厚が0.5mm程度以下の極薄で製品形状が複雑なものでは、加工時に僅かな割れや表面疵が発生しても、製品として使用不可となる。そのため、機能材料として用いられる用途では、加工精度や品質に対する要求が苛酷である。
加工割れや表面疵は、硬質な非金属介在物に原因があることが多い。しかし、精錬工程で溶鋼を強撹拌することにより非金属介在物を完全に浮上分離することは困難である。また、非金属介在物の硬さは組成によって大きく変わるが、生成する非金属介在物の組成までを制御してない。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、非金属介在物の組成を制御することにより、熱間加工時に粘性変形し冷間加工時に微細分散するMnO−SiO2 系にし、非金属介在物起因の加工割れがないオーステナイト系ステンレス鋼を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、その目的を達成するため、C:0.08重量%以下,Si:0.2〜1.0重量%,Mn:2.0重量%以下,S:0.007重量%以下,Ni:8.0〜15.0重量%,Cr:15.0〜19.0重量%,N:0.03重量%以下,Al:0.003重量%以下,残部がFe及び不可避的不純物からなり、Si/Alの重量比が100以上になる組成を持ち、非金属介在物がMnO−SiO2 −Al 2 O 3 系であり、MgO:7重量%以下,Al2O3:35重量%以下,Cr2O3:10重量%以下に規制された組成を有することを特徴とする。
このオーステナイト系ステンレス鋼は、ドロマイト系耐火物をライニングした精錬炉を用いてステンレス溶鋼を精錬し、精錬終了後のスラグのCaO/SiO2比を1.4〜2.4に、Al2O3濃度を8重量%以下に維持することにより製造される。ドロマイト系耐火物には、MgO:40〜63重量%及び主成分としてCaO:34〜57重量%を含む耐火物が使用される。
【0005】
【作用】
本発明者等は、オーステナイト系ステンレス鋼に絞り加工を施して得た製品について、非金属介在物に由来する加工割れが発生しているものを調査した。
オーステナイト系ステンレス鋼に分散している非金属介在物は、通常、約30重量%のMgOを含むスピネル型Al2O3−MgO系,約50重量%のAl2O3を含むMnO−SiO2−Al2O3系,約15重量%のCr2O3を含むMnO−SiO2系である。本発明者等による調査・研究の結果、これらの介在物に含まれるAl2O3濃度,MgO濃度及びCr2O3濃度が加工割れに大きく影響していることが判った。そして、MnO−SiO2 −Al 2 O 3 系の非金属介在物を生成させると共に、MgO:7重量%以下,Al2O3:35重量%以下,Cr2O3:10重量%以下に調整するとき、非金属介在物が無害化し、加工割れ感受性の低いオーステナイト系ステンレス鋼が得られることを見い出した。
更に、介在物組成に影響を及ぼす因子としてメタル組成,スラグ組成,耐火物組成等について検討を進めたところ、精錬終了後のスラグ組成及び取鍋の耐火物組成を特定することが有効であることが判った。
【0006】
以下、本発明オーステナイト系ステンレス鋼に含まれる合金成分,含有量等を説明する。
C:0.08重量%以下
固溶強化元素であり、多量に含まれると0.2%耐力が上昇し、鋼材を硬質化する。絞り加工が供される鋼材では、耐力及び硬さの上昇により加工性が阻害され、加工時に耳割れを発生させることもある。そこで、本発明においては、C含有量の上限を0.08重量%に設定した。
Si:0.2〜1.0重量%
溶鋼の脱酸に使用される成分であり、0.2重量%未満では脱酸不足となる。そして、非金属介在物中のCr2 O3 濃度が10重量%よりも高くなり、加工割れ原因の非金属介在物が生成する。しかし、1.0重量%を超える多量のSiが含まれると、鋼材が硬質化し、冷間加工で薄板を製造する際に所定板厚まで圧延するために多くのパス回数を必要とし、生産性が大きく低下する。また、鋼材の硬質化に伴って、絞り加工時に耳割れが発生することもある。
【0007】
Mn:2.0重量%以下
熱間加工性の確保に有効な合金成分であり、0.2%耐力を低下させ、鋼材を軟質化する作用も呈する。Mn添加の効果は、2.0重量%で飽和し、それ以上添加しても増量に見合った性質改善がみられない。
S:0.007重量%以下
熱間加工性に悪影響を及ぼす元素であることから、S含有量の上限を0.007重量%に規制した。なお、一層良好な熱間加工性を得るためには、S含有量を0.005重量%以下に規制することが好ましい。
Ni:8.0〜15.0重量%
オーステナイト系ステンレス鋼の主要合金成分であり、加工性及び常温非磁性を確保するために8.0重量%以上のNi量が必要である。しかし、高価な元素であることから、Niの多量添加は鋼材コストを上昇させる原因となる。また、15.0重量%を超えると、却って非磁性化できなくなる。
【0008】
Cr:15.0〜19.0重量%
耐食性の改善に必要な合金成分であり、15.0重量%以上の含有量でCr添加の効果が顕著になる。しかし、過剰量のCrが含まれると鋼材が硬質化し、加工性が劣化することから、本発明ではCr含有量の上限を19.0重量%に設定した。
【0009】
N:0.03重量%以下
Cと同様な固溶強化元素であり、多量に含まれると0.2%耐力が上昇し、鋼材を硬質化する。絞り加工が要求される鋼材では、耐力及び硬さの上昇により加工性が阻害され、加工時に耳割れを発生させることもある。そこで、本発明においては、N含有量の上限を0.03重量%に設定した。
Al:0.003重量%以下
加工割れの起点となる非金属介在物の組成に大きく影響する成分である。Al含有量が0.003重量%を超えると、有害な非金属介在物が生成し易くなる。
Si/Alの重量比:100以上
加工割れの起点となる非金属介在物の組成は、Si/Alの重量比で調整できる。Si/Al<100では有害な非金属介在物が生成するが、Si/Al≧100にすると熱間加工時に粘性変形し冷間加工時に微細分散するMnO−SiO 2 −Al 2 O 3 系非金属介在物になる。
【0010】
非金属介在物:
MnO−SiO 2 −Al 2 O 3 系のものにすることにより非金属介在物は無害化されるが、更にMgO:7重量%以下,Al2O3:35重量%以下,Cr2O3:10重量%以下にすることにより加工割れ感受性が一層改善される。MgOは、耐火物やスラグに含まれており、不可避的に介在物中に含まれることが多い。MgO濃度が7重量%を超えると、介在物が熱間加工中に粘性変形しなくなり、加工割れの原因になり易い。このような欠陥は、MgO濃度を7重量%以下にすることにより抑制される。Al2O3は、種々の添加原料に含まれているAlから生成すると考えられるが、Al2O3も介在物中の濃度により介在物の変形能に大きな影響を及ぼす。Al2O3濃度が35重量%よりも高いと有害な介在物が生成されるが、35重量%以下であると介在物は熱間圧延で粘性変形し、冷間圧延で微細分散するため加工割れを発生させることがない。Cr2O3は、10重量%を超える濃度では加工割れ原因の介在物となるが、10重量%以下の濃度では無害な介在物となる。
【0011】
精錬終了時のスラグ組成:
精錬終了時のスラグ組成も、非金属介在物の組成に大きな影響を及ぼす。スラグ中のCaO/SiO2 比が1.4よりも低く、且つAl2 O3 濃度が8重量%以下の場合、介在物の主組成がMnO−SiO2 となり、加工割れに悪影響を及ぼす介在物中のAl2 O3 やMgOが極く僅かに含まれる程度になる。しかし、この場合でも、介在物にCr2 O3 が20重量%程度含まれることがあり、加工割れ原因になることがある。CaO/SiO2 比が1.4より低く且つAl2 O3 濃度が8重量%を超えると、MnO−Al2 O3 系の介在物が生成し易くなる。MnO−Al2 O3 系介在物は、変形能が良好でないため加工割れの原因になる。一方、CaO/SiO2 比が2.4を超えるようなスラグ組成では、代表的な硬質介在物であるMgO−Al2 O3 系スピネル型介在物が生成し易くなる。このようなことから、スラグ組成は、CaO/SiO2 比を1.4〜2.4の範囲に、Al2 O3 濃度を8重量%以下にする必要がある。
【0012】
取鍋の耐火物:
MgO含有量が50〜85重量%で残部の主成分がCr2 O3 のマグクロ系耐火物を取鍋耐火物として用いた場合、スラグ中のCaO/SiO2 比が1.9を超えると耐火物の溶損が大きくなり、スラグ中のMgO濃度が上昇するため、介在物中のMgO濃度が高くなる。その結果、加工割れを招く介在物になる可能性が高い。また、マグクロ系耐火物は十分な脱硫能を有していないため、鋼中のS濃度規制が厳しい場合、精錬によって成分規格を満足できない場合が生じる。これに対し、MgO含有量が40〜63重量%で残部の主成分がCaOであるドロマイト系耐火物は、スラグ中のCaO/SiO2 比の上昇によっても耐火物の溶損が加速されないため、介在物組成に及ぼす悪影響が小さく、また製造コストを低く抑えることもできる。更に、十分な脱硫能をもっていることから、鋼中S規制を精錬によって十分満足させることが可能になる。
【0013】
【実施例】
実施例1:
表1に示した成分組成をもつオーステナイト系ステンレス鋼を70トン電気炉で溶解し、転炉処理,VOD精錬,連鋳,熱延,酸洗,冷延を経て、種々の非金属介在物が分散した板厚3.0mmのステンレス鋼薄板を製造した。このステンレス鋼薄板に絞り比3の絞り加工を施し、精錬時に生成したCaO−SiO2 系スラグの組成が非金属介在物の組成及び加工割れの発生有無に及ぼす影響を調査した。
【0014】
【0015】
図1〜3の調査結果にみられるように、精錬時のスラグに含まれるAl2 O3 の濃度及びCaO/SiO2 の重量比が絞り加工時の加工割れに大きく影響していることが判った。なお、図1〜3では、非金属介在物に含まれる各成分の濃度を縦軸に示し、加工割れが発生した場合を白抜き記号で、加工割れが発生しなかった場合を中実記号で示した。
図1,2から、スラグのAl2 O3 濃度が8.0重量%以下でCaO/SiO2 比が1.4より低い場合、MnO−SiO2 系の非金属介在物が生成していることが判る。生成した非金属介在物は、Al2 O3 (丸印)やMgO(四角印)を僅かに含む程度であったが、約13〜18重量%のCr2 O3 (三角印)を含んでいた。このことから、スラグのAl2 O3 濃度が8.0重量%以下でCaO/SiO2 比が1.4より低いと、Cr2 O3 の還元が十分に進行せず、加工割れの原因となる非金属介在物が生成するものと推察される。
【0016】
Cr2O3の濃度は、CaO/SiO2比が大きくなるに従って減少しており、CaO/SiO2比が2.4を超える条件下では非金属介在物にほとんどCr2O3が含まれていなかった。しかし、Al2O3濃度が約42〜70重量%,MgO濃度が約26〜30重量%になっていた。特にCaO/SiO2比が2.6以上になると、Al2O3濃度が約70重量%,MgO濃度が約30重量%の硬質なスピネル型介在物となっていた。これらの非金属介在物が原因して、図1,2に示すように加工割れが発生するものと推察される。
また、スラグ中のAl2O3濃度が9.5重量%では、図3に示すようにCaO/SiO2比に拘らず、全ての条件下で加工割れの原因となる非金属介在物が生成していた。
【0017】
これに対し、スラグ中のAl2 O3 濃度を8.0重量%以下に規制し、CaO/SiO2 比を1.4〜2.4の範囲に維持して精錬すると、生成した非金属介在物は、Cr2 O3 濃度10重量%以下,Al2 O3 濃度35重量%以下,MgO濃度7重量%以下の組成をもつMnO−SiO2 系介在物となった。この非金属介在物は、熱間加工時に粘性変形し、冷間加工時に微細分散する特性をもっている。そのため、図1,2に中実記号で示すように、加工割れの発生がないステンレス鋼板が得られた。
【0018】
次いで、非金属介在物の組成に及ぼすメタル組成の影響を調査した。介在物組成に影響を及ぼすメタル組成としては精錬時に添加する脱酸剤が挙げられ、脱酸剤としてはSi,Alが使用されることから、介在物組成に及ぼすSi濃度及びAl濃度の影響を調べた。図4の調査結果にみられるように、Al濃度が0.003重量%より高い場合、Si濃度の如何に拘らず加工割れや表面疵の発生が検出された。そこで、Al濃度を0.003重量%以下としてSi濃度を変化させたところ、Si/Alの重量比が100以上になると加工割れや表面疵が発生しなくなった。
更に、ステンレス鋼の精錬に使用される耐火物の組成が非金属介在物に及ぼす影響を調査した。MgO含有量が40〜63%で残部の主成分がCaOであるドロマイト系耐火物、MgO含有量が50〜85重量%で残部の主成分がCr2 O3 であり、その他にSiO2 やAl2 O3 を含むMgO−Cr2 O3 系耐火物(マグクロ系)を使用し、精錬後の介在物組成を比較調査した。
【0019】
図5の調査結果にみられるように、マグクロ系耐火物ではCaO/SiO2 比が大きくなると溶損量が増加する傾向を示し、CaO/SiO2 比が1.9を超える付近で溶損量が増大した。溶損量の増加に伴って、介在物中のMgO濃度も増加する傾向を示し、CaO/SiO2 比2.0以上で介在物中のMgO濃度が7重量%を超えるようになった。MgO濃度の上昇は、溶損した耐火物中のMgOが還元されて鋼中Mgとなり、介在物中の酸素と結び付くことに起因するものと推察される。また、マグクロ系耐火物では十分な脱硫能が得られず、精錬後のS濃度が本発明で規定する範囲に達しないこともあった。
【0020】
他方、ドロマイト系耐火物を使用した場合、CaO/SiO2 比が高くなっても精錬時の耐火物の溶損が少ないため、非金属介在物中のMgO濃度が7重量%を超えることはなかった。MgO濃度の上昇が抑制される理由は明らかでないが、耐火物成分であるCaO−MgOがスラグ成分であるCaO−SiO2 と反応して耐火物表層部のCaO/SiO2 比が高くなり、結果として耐火物表層部が高融点の耐火物でコーティングされた状態になることに起因するものと推察される。脱硫に関しても、ドロマイト系耐火物を使用して精錬した後のS濃度は、本発明で規定される範囲に十分収まっていた。しかも、ドロマイト系耐火物は、マグクロ系耐火物に比較して安価であるため、製造コストの面でも有利である。
【0021】
実施例2:
オーステナイト系ステンレス鋼を70トン電気炉で溶解し、転炉で製錬し、取鍋に注入した。取鍋としては、MgO:40〜63重量%,残部CaOのドロマイト系耐火物をライニングした取鍋、MgO:50〜85重量%,Cr2O3:7〜30重量%でその他にSiO2,Al2O3を含むマグクロ系耐火物をライニングした取鍋を使用した。
取鍋に収容した溶鋼をVOD炉で精錬し、メタル組成及びスラグ組成を変化させた。精錬時、スラグ量を約40kg/トンに維持した。このようにして製造されたオーステナイト系ステンレス鋼の成分・組成を表2に示す。
【0022】
【0023】
精錬後の溶鋼を厚み200mm,幅1mのスラブに連続鋳造した。得られたスラブを1230℃で熱間圧延した後、板厚0.3mmの薄板に仕上げ、更に絞り比4の加工を施した。加工された鋼板を観察し、加工割れの発生有無を調査した。そして、VOD精錬後のスラグ組成,薄板のメタル組成が絞り加工後の加工割れに及ぼす影響を調査した。
表3の調査結果にみられるように、本発明に従った条件下で製造されたオーステナイト系ステンレス鋼は、何れも加工割れが検出されず、非金属介在物が無害化されていることが判る。これに対し、スラグ組成やメタル組成が本発明で規定した範囲を外れる比較例のオーステナイト系ステンレス鋼では、有害な非金属介在物が分散しており、絞り加工後に加工割れが発生していた。
【0024】
【0025】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、非金属介在物を熱間加工時に粘性変形し、冷間加工時に微細分散するMnO−SiO 2 −Al 2 O 3 系のものに調整しているため、加工割れの起点となる非金属介在物がなく、加工割れ感受性の低い材料であり、過酷な加工に供される各種機能材料として使用される。また、メタル組成,精錬後のスラグ組成,耐火物組成等を調整することにより非金属介在物が組成制御されるため、製造自体も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スラグのAl2 O3 濃度3.2重量%,メタルのSi/Al比500の条件下でスラグのCaO/SiO2 比が介在物の組成及び加工割れに及ぼす影響を示したグラフ
【図2】 スラグのAl2 O3 濃度8.0重量%,メタルのSi/Al比500の条件下でスラグのCaO/SiO2 比が介在物の組成及び加工割れに及ぼす影響を示したグラフ
【図3】 スラグのAl2 O3 濃度9.5重量%,メタルのSi/Al比500の条件下でスラグのCaO/SiO2 比が介在物の組成及び加工割れに及ぼす影響を示したグラフ
【図4】 メタル中のSi濃度及びAl濃度が加工割れに及ぼす影響を示したグラフ
【図5】 CaO/SiO2 比が耐火物の溶損及び介在物中のMgO濃度に及ぼす影響を示したグラフ
Claims (3)
- C:0.08重量%以下,Si:0.2〜1.0重量%,Mn:2.0重量%以下,S:0.007重量%以下,Ni:8.0〜15.0重量%,Cr:15.0〜19.0重量%,N:0.03重量%以下,Al:0.003重量%以下,残部がFe及び不可避的不純物からなり、Si/Alの重量比が100以上になる組成を持ち、非金属介在物がMnO−SiO2 −Al 2 O 3 系であり、MgO:7重量%以下,Al2O3:35重量%以下,Cr2O3:10重量%以下に規制された組成を有することを特徴とする加工割れ感受性の低いオーステナイト系ステンレス鋼。
- ドロマイト系耐火物をライニングした精錬炉を用いて請求項1記載の組成をもつステンレス溶鋼を精錬し、精錬終了後のスラグのCaO/SiO2比を1.4〜2.4に、Al2O3濃度を8重量%以下に維持することを特徴とする加工割れ感受性の低いオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
- MgO:40〜63重量%及びCaO:34〜57重量%を含む組成のドロマイト系耐火物を使用する請求項2記載の加工割れ感受性の低いオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
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