JP3865106B2 - シリコン膜パターンの形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積回路、薄膜トランジスタ、光電変換装置、及び感光体用途等に応用されるシリコン膜パターンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
集積回路や薄膜トランジスタ等に応用されるシリコン薄膜のパターン形成は、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法などにより基板全面にアモルファスやポリシリコンの膜を形成した後、フォトリソグラフィーにて不要なシリコン膜部分を除去することによって行われるのが一般的である。これらのCVD法には、モノシランガスやジシランガスの熱CVD法やプラズマCVD、光CVD等が利用されている。一般的にはポリシリコンは熱CVDで、またアモルファスシリコンはプラズマCVDが広く用いられており、薄膜トランジスターを有する液晶表示素子、太陽電池などの製造に利用されている。
【0003】
しかしこれらのCVD法とフォトリソグラフィーによるシリコン膜パターンの形成においては、プロセス面では以下の点で更なる改良が待たれていた。▲1▼気相反応を用いるため気相でシリコンの粒子が発生するため装置の汚染や異物の発生による生産歩留まりが低い。▲2▼原料がガス状であるため、表面に凹凸のある基板上には均一膜厚のものが得られにくい。▲3▼膜の形成速度が遅いため生産性が低い。▲4▼プラズマCVD法においては複雑で高価な高周波発生装置や真空装置などが必要である。▲5▼フォトリソグラフィーはプロセスが複雑であり、原料の使用効率も低く、レジストやエッチング液などの大量の廃棄物が発生する。
【0004】
また、材料面では毒性、反応性の高いガス状の水素化ケイ素を用いるため取り扱いに難点があるのみでなく、ガス状であるため密閉状の真空装置が必要である。一般にこれらの装置は大掛かりなもので装置自体が高価であるのみでなく、真空系やプラズマ系に多大のエネルギーを消費するため製品のコスト高に繋がっている。
【0005】
近年、これに対して真空系を使わずに液体状の水素化ケイ素を塗布する方法が提案されている。特開平1―29661号公報にはガス状の原料を冷却した基板上に液体化して吸着させ、化学的に活性な原子状の水素と反応させてシリコン系の薄膜を形成する方法が開示されているがが、原料の水素化ケイ素を気化と冷却を続けて行うため複雑な装置が必要になるのみでなく、膜厚の制御が困難である。
【0006】
また、特開平7―267621号公報には、低分子量の液体状の水素化ケイ素を基板に塗布する方法が開示されているが、この方法は系が不安定なために取り扱いに難点があるとともに、液体状であるため、大面積基板に応用する場合に均一膜厚を得るのが困難である。
【0007】
一方、固体状の水素化ケイ素ポリマーの例が英国特許GB−2077710Aに報告されているが、溶媒に不溶なためコーティングによる膜を形成することができない。
【0008】
更に、太陽電池の製造を目的として特開平9―237927号公報にはポリシランの溶液を基板上に塗布した後、熱分解してシリコン膜を遊離させる方法が開示されている。しかし、炭素を含有するケイ素化合物では、熱分解或いは紫外線照射による光分解では炭素が不純物として多量に残ってしまうため電気特性の優れたアモルファス或いは多結晶シリコン膜を得ることが困難である。
【0009】
シリコン膜は通常、周期律表の第3族元素や第5族元素でドーピングし、p型またはn型の半導体として使用される。これらのドーピングは通常は、シリコン膜を形成した後、熱拡散やイオン注入法により行われるが、上記のように液体から成膜する場合には、特開平9―237927号公報に開示されているようにp型、n型の導電型を与えるアルキル化合物をポリシラン溶液に添加し塗布する方法或いはドーパント源を含有する雰囲気中でポリシラン溶液を塗布した膜を熱分解する方法がある。しかし、前者ではポリシランとドーパント含有アルキル化合物の溶解性の違いから均一にドープされた膜が得られなかったり、炭素を含有しているため上述したように最終的に形成された膜に多量の炭素が不純物として残ってしまう。また、後者ではドープ量の制御が困難である。
【0010】
これに対しては、特願平11−090312のように、環系を有する比較的安定なシラン化合物や変性シラン化合物を含む液体を塗布した後、熱分解によりドープ量の制御されたシリコン膜を成膜する方法がある。
【0011】
通常、このようにして成膜されたシリコン薄膜は、用途に応じた所望の形状にパターニングする必要がある。パターニングの方法としては、通常はフォトリソグラフィーが用いられる。一般的に、フォトリソグラフィーは次のような工程を経てパターニングが行われる。まず、パターニングを行う薄膜を基板全面に形成する。さらに、レジストコート、露光、現像、リンスなどを経てレジストパターンを形成する。その後に、レジストパターンをマスクとしてエッチングを行い不要な部分を除去して所望のパターン形状を得る。フォトリソグラフィーでは高精細のパターニングが可能であるが、一般的に、以上で述べたように、非常に多くの工程を必要とするのに加えて、エッチングの工程で問題が発生しやすい。いろいろな材料の薄膜に対してオールマイティーなエッチング条件というもうのは存在しないため、各薄膜に対して、エッチングガスなど各種のエッチング条件を調整する必要がある。さらに、エッチング時の機能性薄膜へのダメージ、レジストに対する選択比などの問題も、所望のパターンの機能性薄膜を得る上で大きな課題となる。また、レジスト、現像液、洗浄液などの廃棄物を生じ得るという問題もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、うに、シリコン膜を液体材料から成膜してパターニングを行うにあたって、ミクロンオーダーの精度を有し、尚且つ、簡便な工程で良質な特性のシリコン膜パターンを得る方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では、従来のシリコン膜パターンの形成方法と本質的に異なる新しい方法を提供するもので、有機ケイ素化合物を含有する溶液を基板上に塗布した後、熱分解および/または光処理によって、基板上に電子材料としての特性を有する所望のシリコン膜を形成する方法において、従来のようにフォトリソグラフィーによってパターニングするのではなく、あらかじめ撥液部と親液部のパターンを形成した基板上に液体材料をスピンコート法やインクジェット法などによって、親液部のみに選択的に液体を塗布し、その後の熱処理などによってシリコン膜パターンに変換することにより、簡単な工程で精度よくシリコン膜パターンを形成する方法を提供することにある。
【0014】
即ち、本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究した結果、基板表面に有機分子膜を用いて、親液部と撥液部とを所定のパターンに形成する工程と、有機ケイ素化合物を含有した液体を前記基板上の親液部に選択的に塗布する工程と、熱処理および/または光処理によって前記液体の塗布膜をシリコン膜に変換する工程と、から成るシリコン膜パターンの形成方法によって、簡単な工程で精度よくシリコン膜パターンを形成できることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
本発明に用いられる基板としては、Siウエハー、石英ガラス、ガラス、プラスチックフィルム、金属基板など各種のものを用いることができ、また、基板表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されていても問題はない。
【0016】
本発明の有機分子膜とは、基板上でフォトリソグラフィー等のパターニング技術によって、所定の有機分子膜のパターンを形成できるものである。有機分子膜は基板に結合可能な官能基と、その反対側に親液基あるいは撥液基といった基板の表面性を改質する(表面エネルギーを制御する)官能基と、これらの官能基を結ぶ炭素の直鎖あるいは一部分岐した炭素鎖を備えており、基板に結合して自己組織化して分子膜、例えば単分子膜を形成する。
【0017】
本発明において基板表面に形成される自己組織化膜とは、基板など下地層等構成原子と反応可能な結合性官能基とそれ以外の直鎖分子とからなり、該直鎖分子の相互作用により極めて高い配向性を有する化合物を、配向させて形成された膜である。前記自己組織化膜はフォトレジスト材等の樹脂膜とは異なり、単分子を配向させて形成されているので、極めて膜厚を薄くすることができ、しかも、分子レベルで均一な膜となる。即ち、膜の表面に同じ分子が位置するため、膜の表面に均一でしかも優れた撥液性や親液性を付与することができ、微細なパターニングをする際に特に有用である。
【0018】
例えば、前記の高い配向性を有する化合物として、後述するフルオロアルキルシランを用いた場合には、膜の表面にフルオロアルキル基が位置するように各化合物が配向されて自己組織化膜が形成されるので、膜の表面に均一な撥液性が付与される。
【0019】
自己組織化膜を形成する化合物としては、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロテトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン(以下、「FAS」という)を挙げることができる。使用に際しては、一つの化合物を単独で用いるのも好ましいが、2種以上の化合物を組み合わせて使用しても、本発明の所期の目的を損なわなければ制限されない。また、本発明においては、前記の自己組織化膜を形成する化合物として、前記FASを用いるのが、基板との密着性及び良好な撥液性を付与する上で好ましい。FASをパターニングすることによって親液部と撥液部のパターンを作ることができる。FASが存在する部分が撥液部となる。
【0020】
FASは、RnSiX(4-n)(Xは加水分解基)の構造式を持ち、加水分解によりシラノールを形成して、基板(ガラス、シリコン)等の下地のヒドロキシル基と反応してシロキサン結合で基板と結合する。一方、Rは(CF3)(CF2)等のフルオロアルキル基を有するため、基板等の下地表面を濡れない(表面エネルギーが低い)表面に改質する。
【0021】
次いで、親液部について述べる。後述する紫外線などにより自己組織化膜が除去された領域は、ヒドロキシル基が表面に存在する。このため、FASの領域に比べて非常に濡れ易い性質を示す。従って、基板全面にFASを形成した後に、一部の領域のFASを除去すると、その領域は親液性を示し、親液性と撥液性のパターンが形成されることになる。
【0022】
さらに、FASが除去された領域に第2の自己組織化膜を形成することも可能である。第2の化合物の結合性官能基が、ヒドロキシル基と結合して第2の自己組織化膜を形成する。第2の化合物の表面を改質する官能基として、より親液性を示すもの、あるいは、機能性液体原料と親和性の高いものを選ぶことにより、より安定なパターニングが可能となる。
【0023】
なお、自己組織化膜は、例えば、‘An Introduction to ULTRATHIN ORGANIC FILMS: Ulman, ACADEMIC PRESS’に詳しく開示されている。
【0024】
本発明では、上記のような有機分子膜を用いて、基板上に親液部と撥液部とを所定のパターンに形成した後、有機ケイ素化合物を含有した液体を前記基板上の親液部に選択的に塗布し、その後の熱処理および/または光処理によって塗布膜がシリコン膜に変換される。ここで用いられる有機ケイ素化合物は、一般式SinXm(ここで、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表し、nは3以上の整数を表し、mはnまたは2n−2または2nまはた2n+2の整数を表す)で表される環系を有するシラン化合物であることを特徴とする。ここでnは3以上であるが、熱力学的安定性、溶解性、精製の容易性などの点でnは5〜20程度、特に5あるいは6の環状シラン化合物が好ましい。5より小さい場合にはシラン化合物自体が環による歪みにより不安定になるため取り扱いに難点が生じる。またnが20より大きい場合にはシラン化合物の凝集力に起因する溶解性の低下が認められ使用する溶媒の選択が狭まる。
また、本発明に使用するシラン化合物の一般式SinXm中のXは水素原子および/またはハロゲン原子である。これらのシラン化合物はシリコン膜への前駆体化合物であるため、熱処理および/または光処理で最終的にはアモルファス或いは多結晶状シリコンにする必要があり、ケイ素−水素結合、ケイ素−ハロゲン結合は上記の処理で開裂し新たにケイ素−ケイ素結合が生じ最終的にシリコンへと変化されるものである。ハロゲン原子としては、通常フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子であり、上記結合開裂の点で塩素、臭素が好ましい。Xは水素原子単独またはハロゲン原子単独でもよいし、水素原子とハロゲン原子の総和がmとなるような部分ハロゲン化シラン化合物でもよい。
【0025】
本発明の一般式SinXmで表されるシラン化合物の具体例として、m=2n+2である具体例としては、トリシラン、テトラシラン、ペンタシラン、ヘキサシラン、ヘプタシランなどの水素化シラン、またこれらの水素原子の一部またはすべてをハロゲン原子に置換したものが、m=2nである具体例としてはシクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シリルシクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シリルシクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン、などの一個の環系を有する水素化シラン化合物およびこれらの水素原子の一部またはすべてをハロゲン原子に置換したヘキサクロルシクロトリシラン、トリクロルシクロトリシラン、オクタクロルシクロテトラシラン、テトラクロルシクロテトラシラン、デカクロルシクロペンタシラン、ペンタクロルシクロペンタシラン、ドデカクロルシクロヘキサシラン、ヘキサクロルシクロヘキサシラン、テトラデカクロルシクロヘプタシラン、ヘプタクロルシクロヘプタシラン、ヘキサブロモシクロトリシラン、トリブロモシクロトリシラン、ペンタブロモシクロトリシラン、テトラブロモシクロトリシラン、オクタブロモシクロテトラシラン、テトラブロモシクロテトラシラン、デカブロモシクロペンタシラン、ペンタブロモシクロペンタシラン、ドデカブロモシクロヘキサシラン、ヘキサブロモシクロヘキサシラン、テトラデカブロモシクロヘプタシラン、ヘプタブロモシクロヘプタシランなどのハロゲン化環状シラン化合物が、m=2n−2である具体例としては、1、1’−ビスシクロブタシラン、1、1’−ビスシクロペンタシラン、1、1’−ビスシクロヘキサシラン、1、1’−ビスシクロヘプタシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロペンタシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロヘプタシラン、1、1’−シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1、1’−シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1、1’−シクロヘキサシリルシクロヘプタシラン、スピロ[2、2]ペンタシラン、スピロ[3、3]ヘプタタシラン、スピロ[4、4]ノナシラン、スピロ[4、5]デカシラン、スピロ[4、6]ウンデカシラン、スピロ[5、5]ウンデカシラン、スピロ[5、6]ドデカシラン、スピロ[6、6]トリデカシランなどの2個の環系を有する水素化シラン化合物およびこれらの水素原子の一部またはすべてをSiH3基やハロゲン原子に置換したシラン化合物が、m=nである具体例としては下記式の化合物1〜化合物5で表される多環系を有する水素化シラン化合物およびこれらの水素原子の一部またはすべてを部分的にSiH3基やハロゲン原子に置換したシラン化合物を挙げることができ、これらは2種以上を混合して使用することもできる。これらの内、溶媒への溶解性の点で1、1’−ビスシクロペンタシラン、1、1’−ビスシクロヘキサシラン、スピロ[4、4]ノナシラン、スピロ[4、5]デカシラン、スピロ[5、5]ウンデカシラン、スピロ[5、6]ドデカシランおよびこれらの骨格にSiH3基を有するケイ素化合物が特に好ましい。
【0026】
【化1】
【0027】
さらに、これらのシラン化合物は必要に応じてホウ素やリンなどの第三族あるいは第五族の元素で変性した化合物を使用することもできる。変性シラン化合物の具体例としては、炭素原子を含まないものが好ましく、一般式SiaXbYc(ここで、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表し、Yはホウ素原子またはリン原子を表し、aは3以上の整数を表し、bはa以上で2a+c+2以下の整数を表し、cは1以上でa以下の整数を表す)で表される変性シラン化合物が挙げられる。ここで、熱力学的安定性、溶解性、精製の容易性などの点でaとcの和が5〜20程度、特に5あるいは6の変性シラン化合物が好ましい。a+cが5より小さい場合には変性シラン化合物自体が環による歪みにより不安定になるため取り扱いに難点が生じる。またa+cが20より大きい場合には変性シラン化合物の凝集力に起因する溶解性の低下が認められ使用する溶媒の選択が狭まる。
また、上記変性シラン化合物の一般式SiaXbYc中のXは、上記のSinXmで表される無変性のシラン化合物の一般式中におけるXと同様に水素原子および/またはハロゲン原子であり、通常フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子であり、上記結合開裂の点で塩素、臭素が好ましい。Xは水素原子単独またはハロゲン原子単独でもよいし、水素原子とハロゲン原子の総和がbとなるような部分ハロゲン化シラン化合物でもよい。
【0028】
これらの変性シラン化合物の具体例としては、下記式で表される化合物6〜27を挙げることができる。
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】
ここで、化合物8、9、10、18、19、20中のnは0以上の整数を表し、化合物26および化合物27中のmは2以上の整数を表す。なお、これらの式ではホウ素による変性シラン化合物のみを挙げたが、リンによる変性シラン化合物としてもホウ素による変性シラン化合物と同様の骨格を有する変性シラン化合物を挙げることができる。
【0032】
本発明の変性シラン化合物は、変性シラン化合物のみで使用してもよいし、変性されていない前記シラン化合物と混合して使用することができる。変性シラン化合物と変性されていないシラン化合物との混合割合はホウ素あるいはリンの変性元素の含有率により異なるが、ケイ素原子に対して変性元素が1ppb〜25%程度である。
本発明では上記のシラン化合物または上記のシラン化合物と上記の変性シラン化合物の混合物を溶媒に溶解した液体を、基板上の親液部にのみ選択的に塗布する。ここで使用する溶媒は室温での蒸気圧が0.001〜200mmHgであるものが好ましい。蒸気圧が200mmHgより高い場合には、塗布膜を形成する時に溶媒が先に蒸発してしまい良好な塗布膜を形成することが困難となるためである。一方、室温での蒸気圧が0.001mmHgより低い溶媒の場合、乾燥が遅くなり塗布膜中に溶媒が残留しやすくなり、後工程の熱および/または光処理後に良質のシリコン膜が得られ難い。また、上記溶液の塗布を後述のインクジェット装置によって行う場合には、溶媒の蒸気圧は0.001〜50mmHgであることが望ましい。蒸気圧が50mmHgより高い場合には、インクジェット装置で液滴を吐出する際に乾燥によるノズル詰まりが起こりやすく、安定な吐出が困難となるためである。一方、蒸気圧が0.001mmHgより低い場合には吐出したインクの乾燥が遅くなりシラン化合物に溶媒が残留し易くなり、後工程の熱および/または光処理後にも良質のシリコン膜が得られ難い。
本発明で使用する溶媒としては、上記シラン化合物を溶解し溶媒と反応しないものであれば特に限定されないが、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロへキシルベンゼンなどの炭化水素系溶媒の他、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系溶、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性溶媒を挙げることができる。これらの内、有機ケイ素化合物の溶解性と該溶液の安定性の点で炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、さらに好ましい溶媒としては炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用できる。
【0033】
上記シラン化合物を溶媒に溶解する場合の濃度は1〜80重量%程度であり、所望のシリコン膜厚に応じて調整することができる。80重量%を超えると析出しやすく均一な塗布膜が得られない。
【0034】
本発明で用いられる、上記シラン化合物の溶液は、目的の機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節材を微量添加することができる。このノニオン系表面張力調節材は、溶液の塗布対象物への濡れ性を良好化し、塗布した膜のレベルリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などを防止しに役立つものである。
【0035】
かくして調製したシラン化合物の溶液の粘度は1〜50mPa・sであることが好ましい。後述のインクジェット装置にて溶液を塗布する場合、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部がインクの流出により汚染され易く、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となるためである。
【0036】
さらに、かくして調製したシラン化合物の溶液の表面張力は20〜70dyn/cmの範囲に入ることが望ましい。後述のインクジェット装置にて溶液を塗布する場合、表面張力が20dyn/cm未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲がりが生じ易くなり、70dyn/cmを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないためインク組成物の吐出量、吐出タイミングの制御が困難になるためである。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシリコン膜パターンの製造方法を図1〜6を参照して説明する。シリコン膜のパターン形成工程は次のような▲1▼〜▲3▼の工程で行われる、▲1▼基板11表面に有機分子膜12を形成し、有機分子膜12を利用して親液部11aと撥液部11bとを所定のパターンで形成するパターン形成工程(図1〜3)、▲2▼スピンコート法やインクジェット法などにより、親液部11aに選択的に有機ケイ素化合物の溶液14を塗布する工程(図4、5)、▲3▼塗布膜を熱処理および/または光処理によってシリコン膜16に変換する工程(図5、6)。
【0038】
▲1▼有機分子膜のパターン形成工程
まず、図1に示すように、基板11表面に前述のFASなどからなる有機分子膜12を形成する。有機分子膜12は、既述の原料化合物と基板とを同一の密閉容器中に入れておき、室温の場合は2〜3日程度の間放置すると基板上に形成される。また、密閉容器全体を100℃程度に保持することにより、3時間程度で基板上に形成される。以上に述べたのは、気相からの有機分子膜の形成法であるが、液相からも有機分子膜は形成可能である。例えば、原料化合物を含む溶媒中に基板を浸積し、洗浄、乾燥することで基板上に有機分子膜が得られる。
【0039】
次いで、図2、3に示すように、後で形成するシリコン膜のパターンに合わせて有機分子膜12をパターニングする。基板表面が露出した露出部分が液体材料に対して濡れ性を持った親液部11aとなり、有機分子膜12が残存している部分は液体材料に対して濡れ性を持っていない撥液部11bとなる。
【0040】
有機分子膜のパターニング方法としては、紫外線照射法、電子ビーム照射法、X線照射法、Scanning Probe microscope(SPM)法等が適用可能である。本発明においては、紫外線照射法が好ましく用いられる。紫外線照射法は、図2に示すように、シリコン膜のパターンを形成するための開口が形成されているフォトマスク13を介して所定の波長の紫外光を有機分子膜12に対して照射することにより行われる。このように紫外光を照射することにより、有機分子膜12を形成している分子が分解、除去されてパターニングが行われる。従って、紫外線照射法では、親液部11a及び撥液部11bのパターンは、それぞれのフォトマスクに形成されたパターンに合わせて形成できる。
【0041】
この際採用される紫外光の波長及び照射時間は、有機分子膜の原料化合物に応じて適宜決定されるが、FASの場合は200nm以下の波長の紫外光が好ましく用いられる。
【0042】
また、有機分子膜を最初に基板全面に形成する前に、基板表面に紫外光を照射したり、溶媒により洗浄したりして、前処理を施すことが望ましい。
【0043】
▲2▼有機ケイ素化合物溶液の塗布工程
次に、上記のように有機分子膜がパターニングされた基板の親液部11aのみに有機ケイ素化合物の溶液14を選択的に塗布する(図4)。塗布の方法としては、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレー法、インクジェット法などの方法を用いることができる。塗布は一般には室温以上の温度で行われる。室温以下の温度では有機ケイ素化合物の溶解性が低下し一部析出する場合がある。また塗布する場合の雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス中で行うことが好ましい。さらに必要に応じて水素などの還元性ガスを混入したものが好ましい。スピンコート法を用いる場合のスピナーの回転数は形成する薄膜の膜厚、塗布溶液の組成により決まるが一般に100rpm〜5000rpm、好ましくは300rmp〜3000rpmが用いられる。
【0044】
また、本発明の有機ケイ素化合物溶液の塗布方法として、インクジェット法を用いることは特に好ましい。親液部11aのみをねらって、必要量だけ塗布できるためである。これにより、スピンコート法などの場合とちがって、膜厚のコントロールが容易となり、基板上の異なった場所には異なった膜厚のシリコン膜を形成することが可能となる。また、必要な場所のみに塗布するため、材料の使用量が少なくてすむというメリットもある。
【0045】
本発明で使用するインクジェット方式の液滴吐出装置は任意の液滴を一定量吐出できるものであれば如何なる機構のものでもよく、特に数十ng程度の液滴を形成、吐出できる圧電素子を用いたインクジェット方式、ヒーターの熱エネルギーを利用して気泡を発生させるバブルジェット方式などいづれの方式のものでも構わない。さらに必要に応じて上記のスピンコート、ディップコート、スプレーコート、ロールコート、カーテンコート等の一般的な塗布方式を組み合わせることもできる。上記インクジェット方式で上記有機ケイ素化合物の溶液を塗布するときの雰囲気は通常アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス中であり、温度は溶液の特性により室温から100℃程度まで適宜選ぶことができる。
【0046】
塗布後、必要に応じて乾燥させて塗布膜15を得る(図5)。
【0047】
▲3▼熱処理および/または光処理によって塗布膜をシリコン膜に変換する工程
本発明の有機ケイ素化合物の塗布膜を形成された基板は、熱処理および/または光処理に供される。これらの処理を行う場合の雰囲気としては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うが、必要に応じて水素などの還元性ガスをこれらに少量混合して使用することもできる。熱処理は、溶液を塗布後、溶媒の除去と金属シリコン膜への変換を目的に行うものである。溶媒を除去する場合の熱処理温度は溶媒の沸点(蒸気圧)、圧力および有機ケイ素化合物の熱的挙動により適宜定めれば良く、特に限定されるものではないが300℃以下で行うことが望ましい。金属シリコン膜への変換は通常アルゴン雰囲気中あるいは水素を含有したアルゴン中で100〜800℃程度で、好ましくは200〜600℃程度で、さらに好ましくは300℃〜500℃程度で処理され、一般に到達温度が約550℃以下の温度ではアモルファス状、それ以上の温度では多結晶状のシリコン膜が得られる。到達温度が300℃未満の場合は、有機ケイ素化合物の熱分解が十分に進行せず、十分な厚さのシリコン膜を形成できない場合がある。多結晶状のシリコン膜を得たい場合は、上記で得られたアモルファス状シリコン膜のレーザーアニールによって多結晶シリコン膜に変換することができる。上記レーザーアニールを行う場合の雰囲気も、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス、もしくはそれらに水素などの還元性ガスを混入したものが好ましい。
【0048】
本発明の有機ケイ素化合物の塗布膜(15)は、塗布膜中の溶媒を除去する前および/または溶媒を除去した後に、不活性ガス雰囲気中で光処理に供される場合もある。溶媒可溶性の有機ケイ素化合物は本光処理による開環反応により溶媒不溶性の強靱な塗膜になるだけでなく、光処理の後におよび/または同時に行われる熱処理によって光学的電気的特性に優れたシリコン膜(16)に変換される。
【0049】
本発明で使用する光の光源としては、低圧あるいは高圧の水銀ランプ、重水素ランプあるいはアルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスの放電光の他、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、10〜5000Wの出力のものが用いられるが、通常100〜1000Wで十分である。これらの光源の波長は有機ケイ素化合物および光開環した有機ケイ素化合物塗膜が多少でも吸収するものであれば特に限定されないが通常170nm〜600nmであり、レーザー光の使用が特に好ましい。これらの光処理時の温度は通常室温〜500℃であり、得られるシリコン膜の半導体特性に応じて適宜選ぶことができる。
【0050】
なお、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。
【0052】
(実施例1)
石英ガラス基板上に、前処理として172nmの波長の紫外光を10mWで10分間照射して、クリーニングを行った。
次いで、有機分子膜のパターン形成工程を以下のように行った。
即ち、前記石英ガラス基板とFAS原料の一つであるヘプタデカフルオロテトラヒドロオクチルトリエトキシシランとを、同一の密閉容器に入れて48時間室温で放置することにより、該石英ガラス基板表面にフルオロアルキル基を有する自己組織化膜を形成した。そして、更に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、172nmの波長の紫外光を照射して、マスクしていない部位の自己組織化膜のみを選択的に除去して、親液部と撥液部とを形成した。
ここで、用いたフォトマスクの詳細は次の通りである。基板は、石英を用い、172nmの波長の紫外光を約60%を透過する。ラインアンドスペースと呼ばれる線状のパターンで、ラインのピッチは20μmとした。ラインの幅を変化させた領域を設け、その幅は、2μmから18μmまで2μm刻みで変化させた。パターンはクロム膜で作成されており、紫外光はクロム膜で遮られる。ライン状のパターンの幅を変えることにより、紫外光が照射される領域の面積の比率は、0.1から0.9の範囲を変化する。また、後述のインクジェット法による液滴塗布の場合の位置合わせ用に、合わせマークがフォトマスクの周辺部に4個所設けられている。
次に、シリコン膜パターンの形成工程を次のように行った。
シクロペンタシラン1gをトルエン20gに溶解した溶液を、アルゴン雰囲気中で上記のFASがパターンされた石英基板にスピンコートした。回転数は1000rpmであった。その結果、溶液は基板の親液部のみに付着した。この基板をアルゴン中で150℃で5分間乾燥し、引き続きアルゴン中で500℃で10分間熱処理を行った。その結果、親液部のみに膜厚60nmのシリコン膜が生じ、この膜をラマン分析すると100%アモルファス状態であった。さらに、上記基板を水素3%含有アルゴン雰囲気中で800℃にて10時間熱処理を行い、再びラマン測定を行ったところ、上記のアモルファス状シリコン膜パターンは100%多結晶シリコン膜に変換されていた。
【0053】
(実施例2)
実施例1と同じ工程にて、基板上にフルオロアルキル基を有する自己組織化膜のパターニングを行った。フォトマスクは実施例1と同じものを用いた。その後、この自己組織化膜がパターニングされた基板上にシリコン膜パターンの形成を以下のように行った。
1−ボラシクロヘキサシラン(化合物7)10mgとシクロヘキサシラン1gをテトラヒドロナフタレン20gに溶解した溶液を、水素3%含有アルゴン雰囲気中で上記のFASがパターンされた石英基板にスピンコートした。回転数は1000rpmであった。その結果、溶液は基板の親液部のみに付着した。基板温度は室温のままこの基板に500Wの高圧水銀灯で30分間紫外線を照射したところ、溶媒不溶のポリヒドロシランの膜が基板上の親液部のみに形成された。さらに引き続いて水素3%含有アルゴン雰囲気中で500℃で10分間熱処理を行った。その結果、上記のポリヒドロシランの膜はシリコン膜に変換された。このシリコン膜の膜厚は70nmで、ラマン分析の結果は100%アモルファス状態であった。また、このシリコン膜の組成分析の結果、ケイ素原子とホウ素原子の比は600:1であった。
【0054】
(実施例3)
実施例1と同じ工程にて、基板上にフルオロアルキル基を有する自己組織化膜のパターニングを行った。フォトマスクは実施例1と同じものを用いた。その後、この自己組織化膜がパターニングされた基板上にシリコン膜パターンの形成を以下のように行った。
1−ホスホシラヘキサプリズマン1mgとシリルシクロペンタシラン1gをテトラヒドロナフタレン20gに溶解した溶液を、アルゴン雰囲気中で上記のFASがパターンされた石英基板に圧電素子からなるインクジェット装置を用いてパターン塗布を行った。この際、前述の合わせマークが所定の位置になるように基板を保持しているステージを調整した後、上記自己組織化膜のパターニングに用いたフォトマスクのパターンを記憶させてあるコントローラーからインクジェット装置のヘッドを制御して、上記基板の親液部のみに液滴を塗布した。その結果、溶液は基板の親液部のみに付着した。この基板をアルゴン中で500Wの高圧水銀灯にて紫外線照射を行いながら、150℃で30分間乾燥した。その後、引き続きアルゴン中で500℃で10分間熱処理を行った。その結果、親液部のみに膜厚80nmのシリコン膜が生じ、この膜をラマン分析すると100%アモルファス状態であった。また、このアモルファス状シリコン膜の組成分析の結果、ケイ素原子とホウ素原子の比は6000:1であった。さらに、上記基板にアルゴン雰囲気中で波長308nmのエキシマレーザーを250mJ/cm2のエネルギー密度で照射し、再びラマン測定を行ったところ、上記のアモルファス状シリコン膜パターンは結晶化率90%多結晶シリコン膜に変換されていた。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、現像、リンス等といったフォトリソグラフィーとエッチングの工程が必要なく、簡便なプロセスでミクロンオーダーの精度を有するシリコン膜のパターニング技術を提供することができる。これにより、液体材料からのシリコン膜パターンの形成にインクジェット法を用いた場合でも高精度にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板上に形成された有機分子膜の断面図。
【図2】有機分子膜のパターニングの工程を示す断面図。
【図3】有機分子膜がパターニングされた状態を示す断面図。
【図4】基板の親液部のみに液体材料が塗布された状態を示す断面図。
【図5】溶液を乾燥後、親液部に形成された有機ケイ素化合物の塗布膜の断面図。
【図6】有機ケイ素化合物の塗布膜を熱処理して形成されたシリコン膜の断面図。
【符号の説明】
11 基板
11a 親液部
11b 撥液部
12 自己組織化膜
13 フォトマスク
14 有機ケイ素化合物の溶液
15 有機ケイ素化合物の塗布膜
16 シリコン膜
Claims (4)
- 基板表面に有機分子膜を用いて、親液部と撥液部とを所定のパターンに形成する工程と、
有機ケイ素化合物を含有した液体を前記基板上の親液部に選択的に塗布する工程と、
熱処理および/または光処理によって前記液体の塗布膜をシリコン膜に変換する工程と、
を含み、
前記有機ケイ素化合物が、一般式SiaXbYc(ここで、Xは水素原子および/またはハロゲン原子を表し、Yはホウ素原子またはリン原子を表し、aは3以上の整数を表し、bは1以上a以下の整数を表し、cはa以上で2a+b+2以下の整数を表す)で表される変性シラン化合物である、
シリコン膜パターンの形成方法。 - 前記有機分子膜が自己組織化膜である、請求項1に記載のシリコン膜パターンの形成方法。
- 前記有機分子膜の撥液部がフルオロアルキル基を有する自己組織化膜である、請求項1または2に記載のシリコン膜パターンの形成方法。
- 前記液体を親液部に塗布する工程はインクジェット装置にて液滴を所望の位置に滴下する方法である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシリコン膜パターンの形成方法。
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