JP4462394B2 - シリコン膜のパターン形成方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特異な性質を備えたアモルファスシリコン膜を用いたパターン形成法に関する。さらに詳しくは、光照射により特異な性質を発現するアモルファスシリコン膜を用いて、LSI、薄膜トランジスタ、光電変換デバイスなどに有用な半導体のシリコン膜と電気絶縁体膜、誘電体膜、保護膜、あるいは光学デバイスとして有用な酸化シリコン膜とを持つにパターンを形成する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
酸化シリコンは石英に代表されるように優れた光透過性、電気絶縁性などの特徴を有し多くの光学用途、電子デバイスに用いられている。一方、シリコンは半導体として電子デバイスには欠くことのできない材料であることは言うまでもない。このような優れた特性を有する酸化シリコンとシリコンからなる構造は、従来にない新規なデバイスとしての可能性が指摘されている。たとえば、Appl.Phys.Lett.56、2379(1990)には、表面が酸化シリコンで覆われた微小サイズのシリコン粒子が可視光を発光する事が報告されており、また、SCIENCE Vol.262 No.19 1242(1993)には、表面酸化シリコン粒子のサイズによって発光波長が異なることが報告されている。また、マテリアルインテグレーション Vol.12 No.2 73(1999)では、シリコン/酸化シリコン界面の大きなバンド不連続性を指摘し、この特徴に基づき、単電子・可視発光量子井戸などのデバイス応用の可能性や、シリコン/酸化シリコン界面の大きな屈折率差を利用した光導波路等への応用可能性が指摘されている。しかし、これらの性能を発揮する微細なシリコン/酸化シリコン構造の形成には、従来、Si分子線エピタキシーと酸素イオン注入を組み合わせた方法によるなど、高エネルギーを必要とする方法しかなく、しかも、基板に対して垂直方向に積層する構造しか形成できず、上記で指摘された新規な性能を十分に発揮するデバイスは未だ実現されていない。一方、前述のマテリアルインテグレーション誌では、水平方向のパターニングの一例として、結晶面方向に沿ってパターン加工したSi基板に酸素イオンを注入する事による微細配線の形成について報告している。しかしこの技術も、高エネルギーを必要とするばかりでなく、配線パターンが基板とするSiの結晶構造に依存するため配線の自由度が制限されるという限界があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酸化シリコンやポリシリコンに容易に変換させることができる特異な性質を備えたアモルファスシリコン膜、特に基板に対して垂直方向のみならず、水平方向にパターン化されたシリコン/酸化シリコン構造を容易に形成できるアモルファスシリコン膜から少なくとも酸化シリコンとポリシリコンのいずれか一方を含有してなるパターンを形成する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、酸化シリコン領域、ポリシリコン領域およびアモルファスシリコン領域のうちの少なくとも2つの領域を含有してなるパターン化された膜を形成する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、酸素を含有する雰囲気中で光処理すると酸化シリコン膜となりそして不活性雰囲気中で光処理するとポリシリコン膜となる性質を備えたアモルファスシリコン膜を、酸素を含有する雰囲気中で光処理して得られる酸化シリコン膜、または不活性雰囲気中で光処理して得られるポリシリコン膜を形成する方法によって達成される。
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第に、アモルファスシリコン膜に、(i)酸素を含有する雰囲気中でマスクパターンを介して光処理する操作と(ii)不活性雰囲気中でマスクパターンを介して光処理する操作の少なくとも一方の操作を実施することによって、ポリシリコン、酸化シリコンおよびアモルファスシリコンの少なくとも2つからなるパターンを形成する方法によって達成される。
【0005】
さらに、本発明によれば、ポリシリコン領域、酸化シリコン領域およびアモルファスシリコン領域のうち少なくとも2つの領域からなり、これらの少なくとも2つの領域で一定のパターンが形成されており、そしてこれらの少なくとも2つの領域の表面は連続した同一平面を形成している。上記少なくとも2つの領域からなる膜を形成する方法によって達成される。
なお、本発明における同一平面とは塗膜形成精度の範囲内にある平面をいう。
以下本発明を詳述する。
本発明のアモルファスシリコン膜は、(1)酸素を含有する雰囲気中で光処理すると酸化シリコン膜となる性質および(2)不活性雰囲気中で光処理するとポリシリコン膜となる性質を有する。
【0006】
かかるアモルファスシリコン膜は、例えば、ポリシラン化合物を含有する溶液組成物を準備し、この溶液組成物を支持体表面に塗布し、次いで得られたポリシラン化合物塗膜を熱処理することにより調製することができる。
本発明で使用されるポリシラン化合物は、下記式
SinRm
ここで、Rは水素原子またはハロゲン原子であり、nは3以上の整数でありそしてmはn〜2nの整数である、
で表される。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素等が好ましい。
上記式のポリシラン化合物としては、ポリシラン化合物の熱力学的安定性、溶解性、精製の容易性などの点でnが5〜20の環状ケイ素化合物が好ましい。nが5より小さい場合にはポリシラン化合物自体が環による歪みにより不安定になるため取り扱いに難点が生じる。またnが20より大きい場合にはケイ素化合物の凝集力に起因する溶解性の低下が認められ使用する溶媒の選択が狭まってくる。
【0007】
本発明で使用されるポリシラン化合物の具体例としては、m=2nの化合物として、シクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シリルシクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シリルシクロヘキサシラン、シクロヘプタシランなどの一個の環系を有するポリシラン化合物およびこれらの水素原子の一部またはすべてをハロゲン原子に置換したヘキサクロルシクロトリシラン、トリクロルシクロトリシラン、オクタクロルシクロテトラシラン、テトラクロルシクロテトラシラン、デカクロルシクロペンタシラン、ペンタクロルシクロペンタシラン、ドデカクロルシクロヘキサシラン、ヘキサクロルシクロヘキサシラン、テトラデカクロルシクロヘプタシラン、ヘプタクロルシクロヘプタシラン、ヘキサブロモシクロトリシラン、トリブロモシクロトリシラン、ペンタブロモシクロトリシラン、テトラブロモシクロトリシラン、オクタブロモシクロテトラシラン、テトラブロモシクロテトラシラン、デカブロモシクロペンタシラン、ペンタブロモシクロペンタシラン、ドデカブロモシクロヘキサシラン、ヘキサブロモシクロヘキサシラン、テトラデカブロモシクロヘプタシラン、ヘプタブロモシクロヘプタシランなどのハロゲン化環状ケイ素化合物が挙げられる。また、m=2n−2である化合物の具体例としては、1、1’−ビスシクロブタシラン、1、1’−ビスシクロペンタシラン、1、1’−ビスシクロヘキサシラン、1、1’−ビスシクロヘプタシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロペンタシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロヘプタシラン、1、1’−シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1、1’−シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1、1’−シクロヘキサシリルシクロヘプタシラン、スピロ[2、2]ペンタシラン、スピロ[3、3]ヘプタタシラン、スピロ[4、4]ノナシラン、スピロ[4、5]デカシラン、スピロ[4、6]ウンデカシラン、スピロ[5、5]ウンデカシラン、スピロ[5、6]ドデカシラン、スピロ[6、6]トリデカシランなどの2個の環系を有する水素化ケイ素化合物およびこれらの水素原子の一部またはすべてをSiH3基やハロゲン原子に置換したケイ素化合物が挙げられる。また、m=nである化合物の具体例としては下記式の化合物1〜化合物5のような多環系を有する水素化ケイ素化合物およびこれらの水素原子の一部またはすべてを部分的にSiH3基やハロゲン原子に置換したケイ素化合物を挙げられる。
【0008】
【化1】
Figure 0004462394
【0009】
上記の如きポリシラン化合物は単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、これらのポリシラン化合物は溶媒に溶解されて塗布溶液に調製される。使用される溶媒としては、ポリシラン化合物を溶解しそしてポリシラン化合物と反応しないものであれば特に限定されず、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランなどの炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフランテトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;およびプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、クロロホルムなどの極性溶媒を挙げることができる。これらのうち、ポリシラン化合物、特に、環状ケイ素化合物の溶解性と該溶液の安定性の点で炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、炭化水素系溶媒がさらに好ましい。これらの溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用できる。
【0010】
上記ポリシラン化合物の溶液の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。濃度は所望のシリコン膜厚に応じて適宜調製することができる。これらの溶液には、目的とする機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、非イオン系などの表面張力調節剤(界面活性剤)を少量添加することができる。
かくして得られたポリシラン溶液には、必要に応じて酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素などの金属酸化物の微粒子などを適宜混合して使用することができる。また、溶液の塗布対象物への濡れ性を良好化し、塗布した膜のレベルリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などを防止するため非イオン性界面活性剤などを使用することができる。
【0011】
かくして得られた溶液組成物を支持体上に塗布してポリシランからなる塗膜を形成する。支持体の材質、形状等は特に制限はないが、材質は次工程の熱処理に耐えられるものが好ましく、また塗膜を形成する支持体面は平面であるのが好ましいがその形態は特に限定されるものではない。これらの支持体の材質の具体例としては、ガラス、金属、プラスチック、セラミックスなどを挙げることができる。ガラスとしては、例えば石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、鉛ガラスが使用できる。金属としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、シリコン、アルミニウム、鉄の他ステンレス鋼などが使用できる。プラスチックとしては、例えばポリイミド、ポリエーテルスルホンなどが使用できる。これらの材質からなる支持体の形態はバルク形状、板状、フィルム形状などで特に制限されるものではない。また、上記溶液の塗布に際しては、塗布方法は特に限定されずスピンコート、ディップコート、カーテンコート、ロールコート、スプレーコート、インクジェット法などにより実施することができる。塗布は1回で、または複数回、重ね塗りすることもできる。好適な塗膜の厚みは固形分濃度に依存して適宜変動するが、固形分として0.01〜100μmが好ましく、0.1〜10μmであるのがさらに好ましい。
【0012】
得られたポリシラン化合物の塗膜は、熱処理に付されアモルファスシリコン膜に変換される。熱処理については、その温度を、300℃以上とするのが好ましく、400℃〜500℃とするのがさらに好ましい。加熱時間は30秒から30分程度で十分である。また、加熱雰囲気は不活性の雰囲気例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどからなる雰囲気が好ましい。これらは必要に応じて水素などの還元性ガスを含ませてもよい。
【0013】
本発明のアモルファスシリコン膜は、上記▲1▼および▲2▼の性質を有するため、これを酸素を含有する雰囲気中で光処理することにより酸化シリコン膜を得ることができ、またこれを不活性雰囲気中で光処理することにより多結晶のポリシリコン膜を得ることができる。また、上記光処理の際に、マスクパターンを介して光処理を実施することにより、それぞれアモルファスシリコンと酸化シリコンからなるパターンおよびアモルファスシリコンとポリシリコンからなるパターンを形成することができる。さらに、アモルファスシリコンと酸化シリコンからなるパターンを次いで不活性雰囲気中で光処理することによりポリシリコンと酸化シリコンからなるパターンを形成することができる。また、アモルファスシリコンとポリシリコンからなるパターンを次いで酸素を含有する雰囲気中で光処理することにより、同様に、ポリシリコンと酸化シリコンからなるパターンを形成することができる。
【0014】
さらに別の態様として、アモルファスシリコンと酸化シリコンからなるパターンを不活性雰囲気中で光処理する際に、あるいはアモルファスシリコンとポリシリコンからなるパターンを酸素を含有する雰囲気中で光処理する際に、アモルファスシリコン膜部にマスクパターンを介して光照射することにより、アモルファスシリコンと酸化シリコンとポリシリコンからなるパターンを形成することができる。
【0015】
アモルファスシリコンをポリシリコンあるいは酸化シリコンに変換する際に使用される光源としては、前記光源と同じものを使用することができるが、特にレーザー光であることが好ましい。光の波長は通常170nm〜600nmが好ましく。特に好ましくは240〜550nmのレーザー光である。光照射する際の雰囲気は、酸素を含有する雰囲気あるいは不活性雰囲気であり、不活性雰囲気としては、例えば窒素、アルゴン、ヘリウムの如き不活性ガスの雰囲気が挙げられる。また、酸素を含有する雰囲気としては、例えば、上記の如き不活性ガスと分子状酸素との混合気体を上げることができる。酸素の濃度はアモルファスシリコンが酸化シリコンになるのに必要な量があればよいが、通常1ppm〜50%である。
【0016】
かくして、本発明によれば、下記(ハ)〜(ニ)のパターン化された膜が得られる。これらの膜の特徴は異なる物質からなる少なくとも2つの領域の表面が連続した同一平面を形成している点にある。
(ハ) ポリシリコン領域と酸化シリコン領域からなり、これらの2つの領域で一定のパターンが形成されており、そしてこれらの2つの領域の表面は連続した同一平面を形成している、パターン化されたポリシリコン領域と酸化シリコン領域からなる膜。
(ニ) ポリシリコン領域、酸化シリコン領域およびアモルファスシリコン領域からなり、これらの3つの領域で一定のパターンが形成されており、そしてこれらの3つの領域の表面は連続した同一平面を形成している、パターン化されたポリシリコン領域、酸化シリコン領域およびアモルファスシリコン領域からなる膜。
【0017】
【実施例】
以下に、本発明を下記実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0018】
合成例1
温度計、コンデンサー、滴下ロートおよび攪拌装置を取り付けた内容量が2Lの4つ口フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、乾燥したテトラヒドロフラン1.5Lとリチウム金属27.4gを仕込み、アルゴンガスでバブリングした。この懸濁液に、氷冷下で攪拌しながら、ジフェニルジクロルシラン500gを滴下ロートより添加した。リチウム金属が完全に消失するまで反応を続けた後、反応混合物を氷水中に注ぎ反応生成物を沈殿させた。この沈殿物を濾別し、水で良く洗浄した後シクロヘキサンで洗浄し208gの粗生成物を得た。この粗生成物は高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、デカフェニルシクロペンタシランとウンデカフェニルシクロヘキサシランの混合物でその混合比は10/1(重量比)であった。次にアルゴンガスで置換した3lのフラスコに上記の粗生成物190gおよびトルエン2,000mlを仕込み、塩化アルミニウム15gを加え、塩化水素ガスを導入した。NMRスペクトルでフェニル基が塩素に置換されたのを確認後、氷冷下アルゴン雰囲気中で塩素原子1個に対して1等量のリチウムアルミニウムヒドリドを加えて還元反応を行った。反応で生じたアルミニウム化合物を除去することにより還元されたシラン化合物16gを得た。このものはマス、29Si−NMRおよびIRの各スペクトルとガスクロマトグラフィーによりSi510(シクロペンタシラン)とSi612の混合物(重量比で10/1)であることが判明した。
【0019】
合成例2
温度計、コンデンサー、滴下ロートおよび攪拌装置を取り付けた内容量が3Lの4つ口フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、乾燥したテトラヒドロフラン2Lとリチウム金属75gを仕込み、アルゴンガスでバブリングした。この懸濁液を0℃で攪拌しながらフェニルトリクロルシラン500gを滴下ロートより添加した。リチウム金属が完全に消失するまで0℃で反応を続けた後、室温でさらに12時間攪拌した。黒褐色の反応混合物を氷水に注ぎ反応生成物を沈殿させた。この沈殿物を濾別し、水で良く洗浄した後真空乾燥することによりフェニル基を有する多環状ケイ素化合物210gを得た。このフェニル基を有するポリシラン化合物150gをトルエン2Lに懸濁させ、塩化アルミニウム5gを加えた後、これに乾燥した塩化水素ガスを反応系が透明になるまで導入した。反応終了後、アルミニウム化合物を除去した後、溶媒を減圧下で留去し脱フェニルクロル化された多環状ケイ素化合物の粗生成物85gを得た。このクロル体を精製することなく、アルゴン雰囲気中でジエチルエーテル250mlとトルエン250mlの混合溶媒に溶解し、0℃で攪拌しながらリチウムアルミニウムヒドリド15gを加えさらに3時間攪拌を続けた後、徐々に室温まで上げさらに6時間攪拌を続けた。反応混合物からアルミニウム化合物を濾別した後、濾液を濃縮し精製することにより目的の水素化されたポリシラン化合物(Si66)21gを得た。
【0020】
参考例1
上記合成例1で得られたポリシラン化合物(混合物)4gをベンゼン10gに溶かし溶液を調製した。ディップコートにより石英基板にアルゴン雰囲気下で塗布した。この塗布基板をアルゴン雰囲気中で溶媒を蒸発させた後、500℃にて5分間加熱すると基板上には金属光沢を有するシリコン膜が残留した。このシリコン膜の膜厚は1,500オングストロームであった。このシリコン膜のESCAスペクトルを測定したところ、Si2p軌道に帰属されるピークが99eVに観察された。またこのシリコン膜のラマン散乱スペクトルから、100%アモルファス状態であった。このアモルファス状態のシリコン膜にXeClエキシマレーザー(308nm)を窒素中で300mJ/cm照射したところ、照射部が黄色になった。黄変したレーザー照射部についてESCAとラマンスペクトルを測定したところ、ESCAでは変化がみられなかったが、ラマンスペクトルで520cm−1にシャープなピークが現れポリシリコンであることが分った。このESCAスペクトルを図1に示す。
【0021】
参考例2
上記参考例1で塗布、焼成して得られたアモルファスシリコン膜を用い、レーザー照射雰囲気を窒素中から空気中に替え、他は実施例1と同様にして照射したところ、照射部が無色透明に変化した。この無色透明部のESCAスペクトルはSi2p軌道に帰属されるピークが106eVに観察され、同時に536eVにO1sに帰属されるピークが観察され、ケイ素と酸素の元素組成比はSiOであった。図2に無色透明部のESCAスペクトルを示した。
【0022】
参考例
市販のプラズマCDV装置を用いて、0.1Torrの減圧下でシリコンの原料ガスとしてモノシランガスとアルゴンガスの混合ガス(モノシランが5体積%)を150sccmの流量で供給しながら、25wattsのRFプラズマ中で450℃に加熱した石英基板上に600オングストロームの膜厚の赤銅色のシリコン膜を堆積させた。このシリコン膜はESCAおよびラマンスペクトルからアモルファス状のシリコン膜であった。このアモルファスシリコン膜を窒素中で波長が308nmのXeClエキシマレーザーを230mJ/cm照射したところ、照射部が黄色に変色した。このレーザー照射部のESCAおよびラマンスペクトルを測定したところ、ESCAでは99eVにシャープなピークのみが観察されSiOに帰属される106eVにはピークは観察されなかった。また、ラマンスペクトルでは520cm−1にシャープなピークが観察され、結晶化率が95%のポリシリコンであった。
【0023】
比較例1
上記参考例のレーザー照射雰囲気を窒素中から空気中に替え、他は参考例と同様にして波長が308nmのXeClエキシマレーザーを230mJ/cm照射した。参考例と全く同様に照射部が黄色に変色した。このレーザー照射部について、ESCAとラマンスペクトルを測定した結果は参考例で得られたものと同じものであり、SiOに帰属されるピークは観察されなかった。
【0024】
参考例4
上記合成例1で得られたポリシラン化合物(混合物)4gをトルエン10gに溶かし溶液を調製した。スピンコートにより石英基板にアルゴン雰囲気下で塗布した。この塗布基板をアルゴン雰囲気中で500℃にて5分間加熱すると基板上には金属状のシリコン膜が残留した。このシリコン膜の膜厚は750オングストロームであった。このシリコン膜のESCAスペクトルを測定したところ、Si2p軌道に帰属されるピークが99eVに観察された。またこのシリコン膜のラマン散乱スペクトルから、100%アモルファス状態であった。このアモルファス状態のシリコン膜にXeClエキシマレーザー(308nm)を所望のパターンを有するマスクを介して空気中で300mJ/cm照射したところ、照射部が透明になり透明部と不透明部のマスクと同じパターンが得られた。レーザー照射して透明になった照射部を顕微鏡観察した結果、クラックなどの膜異常は認められず良質の透明膜であった。またこの部分の膜厚は750オングストロームであった。またESCAスペクトルを測定したところ、Si2p軌道に帰属されるピークが106eVに、またO1s軌道に帰属されるピークが536eVに観察され、それらの元素組成比はSiOであった。さらにこの照射部と未照射部を有するパターン基板の両者の境界付近の表面状態をα―step(Tencor Instruments社製)で測定したところ殆ど平坦であった。
【0025】
実施例
参考例4で得られたアモルファスシリコン/酸化シリコンのパターンの未照射部(アモルファスシリコン)に、さらに不活性雰囲気中で、レーザーを照射してポリシリコン/酸化シリコンのパターンを形成した。
この表板の表面状態をα−ステップで観察したところ、参考例4と同様に全く平坦であった。このときのα−ステップのチャートを図3に示す。
【0026】
実施例
上記合成例1で得られたポリシラン化合物2gと合成例2で得られたポリシラン化合物2gとをトルエン36gに溶かした溶液を調製した。この溶液を用いて参考例1と同様にして膜厚1500オングストロームの金属光沢を有するシリコン膜を作成した。このシリコン膜はラマンスペクトルから100%アモルファス状であった。このアモルファスシリコン膜を窒素雰囲気中で波長が532nmのNdYAGレーザーを250mJ/cm照射したところ、照射部が黄変した。この黄変部をESCAスペクトルおよびラマンスペクトルの測定結果から、結晶化率が80%のポリシリコンであることが判った。さらにこの基板を空気の雰囲気中で上記未照射部に532nmのNdYAGレーザーを300mJ/cm照射したところ、照射部が無色透明になった。この無色透明部をESCAで分析したところSi2p軌道に帰属されるピークが106eVに観察されSiOであった。かくして得られた基板は同一面内にアモルファスシリコン部とポリシリコン部と酸化シリコンからなるものであった。この基板の表面状態をα―stepで観察したところ、実施例と同様に殆ど平坦であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1におけるポリシリコン膜のESCAスペクトル図である。
【図2】 参考例2における無色透明部(酸化ケイ素)のESCAスペクトル図である。
【図3】 実施例で得られたポリシリコン/酸化シリコンからなる膜の表面の平坦性を示す図である。

Claims (7)

  1. 一般式
    SinRm
    ここで、Rは水素原子またはハロゲン原子であり、nは3以上の整数でありmはn〜2nの整数である、
    で表わされるポリシランを含有する組成物を支持体表面に塗布し次いで光および/または熱処理して得られるアモルファスシリコン膜を、酸素を含有する雰囲気中でマスクパターンを介して光処理し、次いで不活性雰囲気中で光処理することを特徴とする、酸化シリコンとポリシリコンからなるパターンを形成する方法。
  2. 一般式
    SinRm
    ここで、Rは水素原子またはハロゲン原子であり、nは3以上の整数でありmはn〜2nの整数である、
    で表わされるポリシランを含有する組成物を支持体表面に塗布し次いで光および/または熱処理して得られるアモルファスシリコン膜を、不活性雰囲気中でマスクパターンを介して光処理し、次いで酸素を含有する雰囲気中で光処理することを特徴とする、酸化シリコンとポリシリコンからなるパターンを形成する方法。
  3. 一般式
    SinRm
    ここで、Rは水素原子またはハロゲン原子であり、nは3以上の整数でありmはn〜2nの整数である、
    で表わされるポリシランを含有する組成物を支持体表面に塗布し次いで光および/または熱処理して得られるアモルファスシリコン膜を、酸素を含有する雰囲気中でマスクパターンを介して光処理し、次いで光未照射のアモルファスシリコン膜部に不活性雰囲気中でマスクパターンを介して光処理することを特徴とする、アモルファスシリコンと酸化シリコンとポリシリコンからなるパターンを形成する方法。
  4. 一般式
    SinRm
    ここで、Rは水素原子またはハロゲン原子であり、nは3以上の整数でありmはn〜2nの整数である、
    で表わされるポリシランを含有する組成物を支持体表面に塗布し次いで光および/または熱処理して得られるアモルファスシリコン膜を、不活性雰囲気中でマスクパターンを介して光処理し、次いで光未照射のアモルファスシリコン膜部に酸素を含有する雰囲気中でマスクパターンを介して光処理することを特徴とする、アモルファスシリコンと酸化シリコンとポリシリコンからなるパターンを形成する方法。
  5. 酸化シリコンとポリシリコンからなるパターンがポリシリコン領域と酸化シリコン領域からなり、これらの2つの領域で一定のパターンが形成されており、そしてこれらの2つの領域の表面は連続した同一平面を形成していることを特徴とする、請求項またはに記載の方法。
  6. アモルファスシリコンと酸化シリコンとポリシリコンからなるパターンがポリシリコン領域、酸化シリコン領域およびアモルファスシリコン領域からなり、これらの3つの領域で一定のパターンが形成されており、そしてこれらの3つの領域の表面は連続した同一平面を形成していることを特徴とする、請求項またはに記載の方法。
  7. アモルファスシリコン膜がリン原子またはホウ素原子でドーピングされている請求項1〜のいずれかに記載の方法。
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