JP3858161B2 - 自転車用錠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自転車用錠に関し、自転車のシートパイプに取り付けたサークル錠の施錠開錠動作と自転車のスタンド起立、開放動作とが同時にできるようにしたこと特長とするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自転車は、タイヤを施錠する自転車用錠前とは別に後輪の車軸に自転車を起立状態に保持するスタンドを備え、錠前の施錠開錠操作とスタンド操作とは別個に行われている。またハンドル部等において施錠開錠操作を遠隔操作できるようにした自転車用錠には、例えば実公平6ー29179号公報と実開平7ー6442号公報がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車体に取り付けられている錠前の開閉操作とスタンド操作を別個に行うようにした従来の自転車には、操作に煩雑性がある。そのために、自転車用錠前の施錠開錠操作とスタンド操作とが同時にできるようにした自転車用錠を開発することが解決すべき課題となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、上記の課題を解決するために、自転車のシートパイプに長さ方向に沿って固定され、中間部に自転車の後部タイヤをロックするサークル錠を一体に備えたケースと、一側にラック部を具え、操作部をケース外に臨出させてケース内に昇降自在に嵌装された施錠操作ロッドと、開放されたケースの下端部から昇降自在に嵌合し、ケースとの間に張設した牽引ばねに牽引されて上記施錠操作ロッドとともに常時上昇方向に付勢されつつ、操作ロッドの下端部に接続されたリンク部材と、リンク部材との間に偏心ばねを張設して、上端部の若干の揺動を自在にしてリンク部材の下端部に枢着されたスタンド部材とを備え、上記施錠操作ロッドの下降操作とともに下降するリンク部材に上記スタンド部材をケースの下端から押し出させてシートパイプの下方に接地させるようにする一方、上記ケース内に上記操作ロッドの一側のラック部と噛合するピニオンを回転自在に設け、このピニオンを上記サークル錠内に回動自在に備えられた円弧形の錠杆の下縁に設けたラック部に噛合させることにより、上記施錠操作ロッドおよびスタンドロッドの昇降とサークル錠の円弧形の錠杆の往復回動を互いに連動させるように構成し、かつ、スタンド部材の復位と錠杆の開錠を上記サークル錠のロックにより保持させ、該サークル錠に備えたキーの開錠操作によりそれぞれ開錠位置、非使用位置に復位させるように構成した自転車用錠を提供するものである。
【0005】
上記のように構成した本発明によれば、自転車の施錠開錠と同時にスタンド立てと復位ができる。
すなわち、図2に示すように自転車のシートパイプに固定したケースの側方に突出している施錠操作ロッドを牽引ばねに抗して押し下げると、下降するリンク部材に押し出されてスタンド部材が共に下降し、その下降途中で偏心ばねに作用されるスタンド部材がリンク部材との枢着点を支点にして若干傾斜してシートパイプの下方に接地する。一方、施錠操作ロッドの押し下げと共にラック部と噛合するピニオンが回転し、ラック部を介してサークル錠に嵌装されている円弧形の錠杆をその復元ばねに抗して図示の施錠位置へ前進させる。施錠位置へ前進した錠杆はサークル錠に備えられている錠機構の作動により自動的に施錠状態をロックされる。
【0006】
上記のようにして錠杆がロックされると、ピニオンを介して接続されている施錠操作ロッドの上昇も阻止され、スタンド部材は接地状態を維持される。
なお、各部材の復位は錠杆を施錠するサークル錠に備えられているキーの開錠操作により行われることはいうまでもない。
【0007】
【実施例】
本発明に係る自転車用錠は、図示のように、自転車Bのシートパイプbに固定されるケース1と、ケース内に昇降自在に嵌装される施錠操作ロッド2と、施錠操作ロッド2の下端部に、若干の揺動を自在にして、リンク部材3を介して連結されてシートパイプbの下方に伸縮するように備えられたスタンド部材4と、スタンド部材傾斜用の偏心ばね5ならびにケース1の中間に一体に備えられて自転車の後部タイヤtを施錠するように備えられたサークル錠6とを有する。
【0008】
図2に示すように、ケース1はシートパイプbの長さ方向に沿い、下端を適宜に広くして開放した筒形をなし、中間にほぼ直角にサークル錠6を一体に備えている。
施錠操作ロッド2は、上端の側方に延設した操作部7をケース外に臨出させ、断面コ字形に形成されて角形のケース内に嵌合し、一方の側縁に設けたラック部8をケース内に回転自在に軸受されたピニオン9と噛合させ、ラック部8は施錠操作ロッド2の昇降に従動させて該ピニオン9を正逆に回転する。
【0009】
また、この施錠操作ロッド2は、一端をケース1の上部裏面に取り付け他端をリンク部材3の上部に取り付けた牽引ばね10の付勢により常時上方に向けて牽引されている。
【0010】
スタンド部材4は、支点軸11と偏心ばね5を介して、広めに形成されているケース1の下部に嵌合するリンク部材3に接続され、リンク部材3はコ字形の施錠操作ロッド2の下端に扁平な上端を嵌合させて上記牽引ばね10の付勢を操作ロッド2の付勢に伝達するように構成されている。
そして、スタンド部材4は、施錠操作ロッド2が操作部7の押し下げにより下降すると、ケース1の下端から下がるリンク部材3の下降行程の中で、偏心ばね5の牽引作用により支点軸11を支点としてやや広めのケース1の下端で若干揺動し、傾斜姿勢に変わって接地する。
【0011】
サークル錠6は、キー12を備えた従来公知の錠機構、例えば特開平8ー120994号公報ものと同様の錠機構(図示省略)を有し、円弧形の錠杆13をその復元ばね15とともに内装している。
【0012】
この実施例において、円弧形の錠杆13は、円弧の外側となる下縁にラック部14を設け、このラック部14をピニオン9に噛合させることにより、該ピニオン9を介して施錠操作ロッド2の昇降とともに進退する。なお、この錠杆13は、従来公知のサークル錠と同様に上記施錠機構に備えられている鉤板(図示省略)と該錠杆13側に設けた図示省略の掛止部との係合により、図2に示す施錠位置を保持される。次に、キー12の開錠操作により鉤板による掛止が開放されると復元ばね15の牽引作用により開錠位置に復帰する。
【0013】
上記のようにしてサークル錠6の施錠時には、サークル錠6の施錠機構に後退を阻止される錠杆13により、ピニオン9の回転と、牽引ばね10による施錠操作ロッド2の復帰が阻止され、スタンド部材4の接地が使用状態に維持される(図3a参照)。また、サークル錠6が開錠されると、復帰する錠杆13の後退、ピニオン9の逆転に連動して施錠操作ロッドの上昇が行われ、スタンド部材4の非使用状態への復帰が同時行われる(図3b参照)。
【0014】
なお本発明の実施に際してケース1、施錠操作ロッド2、リンク部材3、スタンド部材4とサークル錠6等の態様は、図示した実施例の態様に限定されるものではなく、本発明の要旨にそって設計変更されることはいうまでもない。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、施錠操作、開錠操作と共にスタンド立てと非使用状態への復帰がそれぞれ一つの操作で同時できるようにした本発明によれば、自転車の使用がより一層簡便になり、快適になる。また、スタンドの位置が後輪からシートパイプの位置に移動することにより、安定した自転車の停め方ができるとともに施錠中はペダルの回転も不能になる。また、非使用中はスタンドがケース内に引き上げられて走行の邪魔にならない。
本発明には以上のように優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例をその使用状態と共に示す側面図
【図2】図2は実施例の構造を略示する一部切欠拡大斜視図
【図3】図3(a)は施錠状態の説明図、(b)は開錠状態の説明図である。
【符号の説明】
B 自転車
b シートパイプ
t 後部タイヤ
1 ケース
2 施錠操作ロッド
3 リンク部材
4 スタンド部材
5 偏心ばね
6 サークル錠
7 操作部
8 ラック部
9 ピニオン
10 牽引ばね
11 支点軸
12 キー
13 錠杆
14 ラック部
15 復元ばね
Claims (1)
- 自転車のシートパイプに長さ方向に沿って固定され、中間部に自転車の後部タイヤをロックするサークル錠を一体に備えたケースと、一側にラック部を具え、操作部をケース外に臨出させてケース内に昇降自在に嵌装された施錠操作ロッドと、開放されたケースの下端部から昇降自在に嵌合し、ケースとの間に張設した牽引ばねに牽引されて上記施錠操作ロッドとともに常時上昇方向に付勢されつつ、操作ロッドの下端部に接続されたリンク部材と、リンク部材との間に偏心ばねを張設して、上端部の若干の揺動を自在にしてリンク部材の下端部に枢着されたスタンド部材とを備え、上記施錠操作ロッドの下降操作とともに下降するリンク部材に上記スタンド部材をケースの下端から押し出させてシートパイプの下方に接地させるようにする一方、上記ケース内に上記操作ロッドの一側のラック部と噛合するピニオンを回転自在に設け、このピニオンを上記サークル錠内に回動自在に備えられた円弧形の錠杆の下縁に設けたラック部に噛合させることにより、上記施錠操作ロッドおよびスタンドロッドの昇降とサークル錠の円弧形の錠杆の往復回動を互いに連動させるように構成し、かつ、スタンド部材の復位と錠杆の開錠を上記サークル錠のロックにより保持させ、該サークル錠に備えたキーの開錠操作によりそれぞれ開錠位置、非使用位置に復位させるように構成した自転車用錠。
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JP23035797A JP3858161B2 (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 自転車用錠 |
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JP23035797A JP3858161B2 (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 自転車用錠 |
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JP23035797A Expired - Fee Related JP3858161B2 (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 自転車用錠 |
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