JP3854929B2 - 防火構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災発生時に建築物内部の火災空間と非火災空間を区画するために、建築物内部の通路を閉鎖する防火構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の建築物では、建築物内部における火災発生を検知し、防火シャッターや防火扉を作動させることにより、通路を閉鎖して火災空間と非火災空間とを区画し、建築物の延焼や非火災空間への煙の拡散を防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、防火シャッター等によって閉鎖される通路の閉鎖位置に荷物等の障害物が放置されていると、防火シャッター等が通路の壁面や床面との間に障害物を挟み込んで、通路を完全に閉鎖することができず、延焼や煙の拡散を防止する効果が得られないことがある。
【0004】
そのため、障害物の有無を検知して、障害物が除去されるまで、防火シャッター等の閉鎖を停止したり、開閉を繰り返したりするようにしたものが開発されているが、人手によって障害物の除去が行われない限り、通路を閉鎖することが出来ず、根本的な解決には至っていない。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、火災発生時に閉鎖される通路の閉鎖位置に障害物が放置されていても、その障害物を除去しつつ通路を確実に閉鎖でき、閉鎖後に避難者が通過できるように開閉可能な防火扉を形成する防火構造を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、通常時に開放されている通行開口部を有する額縁形状体であって、建築物の内部の固定部に形成される避難開口部に嵌め込まれて、前記通行開口部が前記建築物の内部の普段使用される通路を形成して、普段使用される通路の外枠となる可動枠体と、
通常時に前記通路の床面に水平状態で設置されるプレートとを備え、
前記プレートは、火災発生時に起立させられることにより、前記通行開口部を閉鎖するとともに前記可動枠体と一体化され、前記避難開口部を開放可能な防火扉を形成することを特徴とする防火構造を提供する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、通常時に開放されている通行開口部を有する額縁形状体であって、建築物の内部の固定部に形成される避難開口部に嵌め込まれて、前記避難開口部に対してヒンジを介して略水平方向に回動可能に支持され、前記通行開口部が前記建築物の内部の普段使用される通路を形成して、普段使用される通路の外枠となる可動枠体と、
通常時に前記通路の床面に水平状態で設置されるプレートとを備え、
前記プレートは、火災発生時に起立させられることにより、前記通行開口部を閉鎖するとともに前記可動枠体と一体化され、前記ヒンジを介して回動することにより前記避難開口部を開放可能な防火扉を形成することを特徴とする防火構造を提供する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、通常時に開放されている通行開口部を有する額縁形状体であって、建築物の内部の固定部に形成される避難開口部に嵌め込まれて、前記避難開口部に対してヒンジを介して略水平方向に回動可能に支持され、前記通行開口部が前記建築物の内部の普段使用される通路を形成して、普段使用される通路の外枠となる可動枠体と、
通常時に前記通路の床面に水平状態で設置されるプレートと、
前記プレートを起立させる起立機構とを備え、
前記プレートは、火災発生時に前記起立機構で起立させられることにより、前記通行開口部を閉鎖するとともに前記可動枠体と一体化され、前記ヒンジを介して回動することにより前記避難開口部を開放可能な防火扉を形成することを特徴とする防火構造を提供する。
【0009】
請求項1から3に記載の発明によれば、以下の作用効果を奏する。通路の閉鎖位置となる通行開口部の内側に障害物が放置されていても、通路の床面に設置されるプレートが起立させられることにより、障害物をはねのけるように除去しつつ通路を確実に閉鎖することができる。また、プレートは通路の床面に沿うように設置されるので、高さ方向の設置寸法が抑えられて設置スペースの確保が容易である。さらに、プレートは可動枠体と一体化されて開閉可能な防火扉を形成するので、閉鎖後に避難者が通過するためのくぐり戸を別途に設けておく必要がない。そのうえ、防火扉は、普段使用する通行通路の外枠となる可動枠体により形成されるため、防火扉の開放により得られる避難通路は、普段使用している通路と同等以上の開口面積が確保され、避難者が通過し易いものである。
【0010】
特に、請求項2または3に記載の発明によれば、防火扉は、略水平方向に回動開閉されるので、操作力が小さく済み、避難者が操作し易いという作用効果も奏する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記プレートは、複数の単位プレート片がその上下端で屈曲自在となるように連結されて形成され、各単位プレート片が互いに重合するように折り畳まれて、前記通路の床面に沿うように設置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防火構造を提供する。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれかに記載発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。プレートは、複数の単位プレート片が互いに重合するように折り畳まれるので、床面における長さ方向の寸法が短く、設置面積が小さく済む。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記通行開口部の幅方向に延在するとともに前記幅方向の軸を中心に回動自在に支持され、前記通路の床面に設置されるシャフトを備え、
前記シャフトは、火災発生時に前記プレートに先行して上方移動させられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防火構造を提供する。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から4のいずれかに記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。椅子や机等の脚を有する障害物が放置されていても、これらの障害物は脚がシャフトに引っかかった状態で上方に持ち上げられ、シャフトの回転に伴ってプレートの前後にすべり落ちる。また、すべり落ちる際には、脚が上向きになっているため、障害物の脚が新たにプレートに引っかかることは無い。その結果、足を有する障害物がプレートの上端に引っかかって通路を閉鎖できない事態が回避される。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記シャフトは、前記プレートを起立させるために使用される動力により上方移動させられることを特徴とする請求項5に記載の防火構造を提供する。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。プレートを起立させるための動力を利用するため、シャフトを上方移動させる動力を別途に確保する必要が無く、本防火構造を低コストに構成することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、前記可動枠体および/または前記プレートは、保持部材を備え、
前記保持部材は、前記プレートを前記可動枠体と一体化された状態に保持することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の防火構造を提供する。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から6のいずれかに記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。プレートを可動枠体と一体化された状態に保持する保持部材を備えたので、プレートの起立が終了した後も、プレートは防火扉としての形態が確実に維持されて、防火構造としての機能を発揮することができる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、前記起立機構が、前記プレートを前記可動枠体と一体化された状態に保持することを特徴とする請求項3に記載の防火構造を提供する。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。起立機構により、プレートと可動枠体を一体化状態に保持するため、別途に保持部材を設定する必要が無い。
【0021】
請求項9に記載の発明は、前記起立機構は、前記可動枠体に設けられていることを特徴とする請求項3または8に記載の防火構造を提供する。
【0022】
請求項9に記載の発明によれば、請求項3または8に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。起立機構が可動枠体に設けられているので、固定部に起立機構を収容するスペースが不要で、また施工が容易に行える。
【0023】
請求項10に記載の発明は、前記起立機構は、前記プレートを起立させる駆動力を発生する駆動装置と、前記プレートと前記駆動装置を連結して前記プレートに駆動力を伝動する連結体とを備えてなり、
前記駆動装置は前記可動枠体の上梁部に設けられており、前記連結体は前記可動枠体の側柱部に挿通されていることを特徴とする請求項9に記載の防火構造を提供する。
【0024】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。駆動装置を可動枠体の上梁部に設けて、連結体のみを可動枠体の側柱部に挿通させるようにしたので、可動枠体の側柱部の横幅を小さくできる。その結果、通路幅が確保しにくい場所に本防火構造を適用しても、通行開口部の幅(通路の幅)を大きく取ることができる。
【0025】
請求項11に記載の発明は、前記起立機構は、前記プレートを起立させる駆動力を発生する駆動装置と、前記プレートと前記駆動装置を連結して前記プレートに駆動力を伝動する連結体とを備えてなり、
前記駆動装置および前記連結体は前記可動枠体の側柱部に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の防火構造を提供する。
【0026】
請求項11に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。駆動装置および連結体を可動枠体の側柱部に設けるようにしたので、可動枠体の上梁部の上下高さを小さくできる。その結果、通路高さが確保しにくい場所に本防火構造を適用しても、通行開口部の高さ(通路の高さ)を大きく取ることができる。
【0027】
請求項12に記載の発明は、前記起立機構は、前記固定部に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の防火構造を提供する。
【0028】
請求項12に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。起立機構が建築物の固定部に固定されるので、可動枠体が軽量に構成される。その結果、防火扉が軽量に形成されて、操作力が小さく、避難者にとって操作し易いという作用効果を奏する。また、可動枠体を支持するヒンジへの負荷が小さくなり、ヒンジの補強に要するコストを少なく抑えることができる。
【0029】
請求項13に記載の発明は、前記起立機構は、前記可動枠体および前記固定部に跨って設けられており、
前記防火扉が開放操作される際には、前記可動枠体側の構成部分と前記固定部側の構成部分とが分離されていることを特徴とする請求項3に記載の防火構造を提供する。
【0030】
請求項13に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。起立機構が、可動枠体と固定部に分散して設けられるので、可動枠体が比較的軽量に構成される。その結果、防火扉が比較的軽量に形成されて、操作力が小さく、避難者にとって操作し易いという作用効果を奏する。また、可動枠体を支持するヒンジへの負荷が小さくなり、ヒンジの補強に要するコストを少なく抑えることができる。なお、防火扉を開く際には、可動枠体側の構成部分と固定部側の構成部分とが分離されているので、スムーズに開くことができ避難者は容易に通過することができる。
【0031】
請求項14に記載の発明は、前記起立機構は、前記プレートを起立させる駆動力を発生する駆動装置と、前記プレートと前記駆動装置を連結して前記プレートに駆動力を伝動する連結体とを備えてなり、
前記駆動装置は前記可動枠体の上方の前記固定部側に固定されており、
前記連結体は前記可動枠体の側柱部に挿通されており、
前記防火扉が開放操作される際には、前記駆動装置と前記プレートが分離されていることを特徴とする請求項3に記載の防火構造を提供する。
【0032】
請求項14に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。駆動装置は固定部に固定されており、また、可動枠体には、駆動装置とプレートを連結する連結体が挿通されているだけで、起立機構の重量が殆どかからないようにしたので、可動枠体が軽量に構成される。その結果、防火扉が比較的軽量に形成されて、操作力が小さく、避難者にとって操作し易いという作用効果を奏する。また、可動枠体を支持するヒンジへの負荷が小さくなり、ヒンジの補強に要するコストを少なく抑えることができる。なお、防火扉を開く際には、固定部側の駆動装置がプレートから分離されているので、スムーズに開くことができ避難者は容易に通過することができる。
【0033】
請求項15に記載の発明は、火災発生時の避難用通路となる収容開口部を有し、建築物の内部に嵌設固定される固定枠体と、
通常時に開放されている通行開口部を有する額縁形状体であって、前記収容開口部に収容された状態で前記収容開口部に対してヒンジを介して略水平方向に回動可能に支持され、前記通行開口部が前記建築物の内部の普段使用される通路を形成して、普段使用される通路の外枠となる可動枠体と、
通常時に前記通路の床面に水平状態で設置されるプレートと、
前記プレートを起立させる起立機構とを備え、
前記プレートは、火災発生時に前記起立機構で起立させられることにより、前記通行開口部を閉鎖するとともに前記可動枠体と一体化され、前記ヒンジを介して回動することにより前記収容開口部を開放可能な防火扉を形成することを特徴とする防火構造を提供する。
【0034】
請求項15に記載の発明によれば、以下の作用効果を奏する。通路の閉鎖位置となる通行開口部の内側に障害物が放置されていても、通路の床面に設置されるプレートが起立させられることにより、障害物をはねのけるように除去しつつ通路を確実に閉鎖することができる。また、プレートは通路の床面に沿うように設置されるので、高さ方向の設置寸法が抑えられて設置スペースの確保が容易である。さらに、プレートは可動枠体と一体化されて開閉可能な防火扉を形成するので、閉鎖後に避難者が通過するためのくぐり戸を別途に設けておく必要がない。そのうえ、防火扉は、普段使用する通行通路の外枠となる可動枠体により形成されるため、防火扉の開放により得られる避難通路は、普段使用している通路と同等以上の開口面積が確保されて、避難者が通過し易いものである。
【0035】
また、防火扉は、略水平方向に回動開閉されるので、開放する際の操作力が小さく済み、避難者にとって操作し易いという作用効果を奏する。特に、固定枠体を通路に嵌設固定するだけで取付けできるので、比較的容易に施工することができる。
【0036】
請求項16に記載の発明は、前記起立機構は、前記固定枠体に固定されていることを特徴とする請求項15に記載の防火構造を提供する。
【0037】
請求項16に記載の発明によれば、請求項15に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。起立機構が固定枠体に固定されているので、可動枠体が軽量に構成される。その結果、防火扉が軽量に形成されて、操作力が小さく、避難者にとって操作し易いという作用効果を奏する。また、可動枠体を支持するヒンジへの負荷が小さくなり、ヒンジの補強に要するコストを少なく抑えることができる。
【0038】
請求項17に記載の発明は、前記起立機構は、前記可動枠体および前記固定枠体に跨って設けられており、
前記防火扉が開放操作される際には、前記可動枠体側の構成部分と前記固定枠体側の構成部分とが分離されていることを特徴とする請求項15に記載の防火構造を提供する。
【0039】
請求項17に記載の発明によれば、請求項15に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。起立機構が、可動枠体と固定枠体に分散して設けられるので、可動枠体が比較的軽量に構成される。その結果、防火扉が比較的軽量に形成されて、操作力が小さく、避難者にとって操作し易いという作用効果を奏する。また、可動枠体を支持するヒンジへの負荷が小さくなり、ヒンジの補強に要するコストを少なく抑えることができる。なお、防火扉を開く際には、可動枠体側の構成部分と固定枠体側の構成部分とが分離されているので、スムーズに開くことができ避難者は容易に通過することができる。
【0040】
請求項18に記載の発明は、前記起立機構は、前記プレートを起立させる駆動力を発生する駆動装置と、前記プレートと前記駆動装置を連結して前記プレートに駆動力を伝動する連結体とを備えてなり、
前記駆動装置は前記可動枠体の上方の前記固定枠体側に固定されており、
前記連結体は前記可動枠体の側柱部に挿通されており、
前記防火扉が開放操作される際には、前記駆動装置と前記プレートが分離されていることを特徴とする請求項15に記載の防火構造を提供する。
【0041】
請求項18に記載の発明によれば、請求項15に記載の発明の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。駆動装置は固定枠体に固定されており、また、可動枠体には、駆動装置とプレートを連結する連結体が挿通されているだけで起立機構の重量が殆どかからないようにしたので、可動枠体は軽量に構成される。その結果、防火扉が比較的軽量に形成されて、操作力が小さく、避難者にとって操作し易いという作用効果を奏する。また、可動枠体を支持するヒンジへの負荷が小さくなり、ヒンジの補強に要するコストを少なく抑えることができる。なお、防火扉を開く際には、固定枠側の駆動装置がプレートから分離されているので、スムーズに開くことができ避難者は容易に通過することができる。
【0042】
請求項19に記載の発明は、通常時に通路の床面に水平状態で設置される外枠体と、該外枠体の内側に嵌め込まれるプレートが、火災発生時に起立させられることにより、前記通路を閉鎖し、
前記起立させられたプレートが、略水平方向に回動することにより避難用通路を開口することを特徴とする防火構造を提供する。
【0043】
請求項20に記載の発明は、通常時に開放されている通行開口部を有し、通路を区画するとともに前記通路の側面に略水平方向に回動可能に支持され、前記通行開口部が前記建築物の内部の普段使用される通路を形成して、普段使用される通路の外枠となる可動枠体と、
通常時に前記通路の床面に水平状態で設置されるプレートとを備え、
前記プレートが、火災発生時に起立させられることにより、前記通行開口部を閉鎖するとともに、前記閉鎖された通路を開放可能な防火扉を形成することを特徴とする防火構造を提供する。
【0044】
請求項19または20に記載の発明によれば、以下の作用効果を奏する。防火扉が形成される通路の閉鎖位置に障害物が放置されていても、床面に設置されるプレートの起立により、障害物をはねのけるように除去しつつ通路を確実に閉鎖することができる。また、プレートは通路の床面に沿うように設置されるので、高さ方向の設置寸法が抑えられて設置スペースの確保が容易である。さらに、プレートは開閉可能な防火扉を形成するので、閉鎖後に避難者が通過するためのくぐり戸を別途に設ける必要がない。また、防火扉は、略水平方向に回動開閉されるので、操作力が小さく済み、避難者が操作し易いという作用効果も奏する。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。
【0046】
〔本発明の第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態である防火構造1について、図1〜図8を参照しながら説明する。図1〜図8は、本発明に係る防火構造の第1の実施形態を示す図であって、図1は通常時における防火構造1の側面断面図(図2におけるY−Y断面視)、図2はその正面図(図1におけるX−X断面視)を示し、図3は火災発生時における防火構造1の側面断面図(図4におけるY−Y断面視)、図4はその正面図(図3におけるX−X断面視)を示す。図5は後述する可動枠体2の部分拡大図、図6は後述するプレート支持部材27付近の拡大図、図7は後述する保持部材としてのプレート係止部材28付近の拡大図を示し、図8は防火構造1が(a)〜(d)の順で作動する様子を説明する斜視図を示す。
【0047】
〔防火構造1の概要〕
防火構造1は、図1〜図4および図8に示されるように、主として、人が通行可能な通行開口部21を有し、通行開口部21が通常時における建築物の内部の通路P1を形成する可動枠体2と、通常時に通路P1の床面Fに沿うように設置されるプレート3と、火災発生時にプレート3を床面Fから起立させて通行開口部21を閉鎖させる起立機構4を備えてなる。プレート3は、起立機構4により起立させられることにより通行開口部21を閉鎖して可動枠体2と一体の防火扉Dを形成する。防火扉Dが水平方向に回動させられることにより、建築物の内部の固定部Aに形成された避難用通路P2を開放させることができる。
【0048】
〔可動枠体2について〕
可動枠体2は、横方向に延びる下梁部22と、下梁部22の左右両端から上方に延びる2本の側柱部23,24と、側柱部23,24の上端部を連結するように横方向に延びる上梁部25とにより形成される四角形の額縁形状体である。下梁部22、側柱部23,24、上梁部25で囲まれる四角形の開口部は、人が通行可能な通行開口部21、すなわち自ら通路P1を形成するとともに通路を区画する。可動枠体2は、建築物の内部の固定部Aに形成された四角形の避難開口部A1に嵌め込まれて、側柱部23側が避難開口部A1の側部に対し、ヒンジ26を介して水平方向に回動自在に支持される。避難開口部A1の内周部にはストッパA2が形成されており、可動枠体2の図1および図3における右方向への回動が規制されている。側柱部24には、可動枠体2を避難開口部A1に係合させる係合部材(不図示)が設けられており、可動枠体2が避難開口部A1から容易に外れないように構成されているが、側柱部24に設けられる取っ手241を、図1における左側に引くことにより、係合部材による係合が解除されて可動枠体2は回動可能となるように設定されている。
【0049】
図5は、可動枠体2について、下梁部22および側柱部23の連結部付近を拡大図示したものであり、(a)は側部断面図であり、(b)は図1のZ−Z断面図である。通行開口部21を形成する側柱部23の内側面には、火災発生時に起立させられるプレート3の上端側部に形成されるスライドピン31aが係合した状態でスライド通過するためのスライド溝21aが、上下に貫通するように形成される。また、側柱部23には、起立させられたプレート3の両側部に当接して、プレート3が可動枠体2から図5における右側へ外れないように規制支持するストッパ21bが、スライド溝21aに沿うように形成される。さらに、スライド溝21aの下端部には、起立させられるプレート3の下端両側部に形成される係止ピン32cが係止されて、プレート3の上方への移動を規制する係止溝21cが形成される。なお、ここでは側柱部23についてのみ説明したが、側柱部24の内側面についても、側柱部23と左右対称となる位置にスライド溝21a、ストッパ21bおよび係止溝21cが形成されている。
【0050】
図6は、可動枠体2について、側柱部23の途中部に配設されたプレート支持部材27付近を拡大図示したものであり、(a)は正面図であり、(b)は図2のW−W断面図である。プレート支持部材27は、側柱部23の内側面に形成される嵌合孔21dに嵌め込まれるケース部271、ケース部271内でスライド自在に支持される支持爪272、およびケース部271から支持爪272を突出させる方向に付勢するスプリング273を有してなる。起立させられるプレート3が支持爪272に接したときに、支持爪272がプレート3によりスプリング273の付勢力に抗してケース部271に押し込まれるように、支持爪272にはプレート3が乗り越えるための傾斜部272aおよび272bが形成されている。なお、プレート支持部材27は、側柱部24の内側部にも、側柱部23と左右対称となる位置に配設されている。
【0051】
図7は、可動枠体2について、側柱部23の上方途中部に配設されたプレート係止部材28の付近を拡大図示したものであり、(a)は側面断面図であり、(b)は図3におけるV−V断面図である。プレート係止部材28は、側柱部23のストッパ21bに形成される嵌合孔21eに嵌め込まれるケース部281、およびケース部281内でスライド自在に支持される係止爪282、およびケース部281から係止爪282を突出させる方向に付勢するスプリング283を有してなる。起立させられるプレート3の上端部が係止爪282に接したときに、係止爪282がプレート3によりスプリング283の付勢力に抗してケース部281に押し込まれるように、係止爪282にはプレート3が乗り越えるための傾斜部282aが形成されている。プレート係止部材28は、係止爪282が、図3に示されるように、起立が完了した上部単位プレート片31の係止孔31bに係合して、プレート3を可動枠体2と一体化された状態に保持する保持機構として機能する。なお、プレート係止部材28は、側柱部24に対しても、側柱部23と左右対称となる位置に配設されている。
【0052】
〔プレート3について〕
プレート3は、通路P1の床面Fに沿うように設置される金属製のパネルであって、図1〜図4に示されるように、上部単位プレート片31と、上部単位プレート片31と同面積の下部単位プレート片32と、起立させられた上部単位プレート片31の下端部と下部単位プレート片32の上端部を連結する連結ヒンジ33とにより形成される。上部単位プレート片31と下部単位プレート片32とは、連結ヒンジ33により互いに重合するように折り畳まれた状態で通路の床面Fに掘り込まれるように形成された収納凹部F1に収納設置されており、収納凹部F1の深さは、収納設置されている上部単位プレート片31の上面側が通路の床面Fと略面一となるように、かつ、通行開口部21の閉鎖位置と平面視で重なるように設定されている。
【0053】
起立させられた場合における上部単位プレート片31の上端の両側部には、上述のスライド溝21a内をスライド移動するスライドピン31aが突設されており、起立させられた場合における下部単位プレート片32の下端の両側部には、スライドピン31aよりも長く形成されて、係止溝21cに係止される係止ピン32cが突設されている。プレート3が通路の床面Fに設置された状態において、スライドピン31aと係止ピン32cの上方には、図1に示されるように、スライド溝21aおよび係止溝21cが配置されている。また、上部単位プレート片31の両側部には、起立させられた状態で上述の係止爪282に係合する係止孔31bが形成されている。さらに、起立させられたプレート3の両側部と、可動枠体2のストッパ21bの当接面には、難燃性の樹脂シールが施されて、隙間から煙が洩れないようにシールされている。
【0054】
〔起立機構4について〕
起立機構4は、主として、プレート3を起立させる駆動力を発生する駆動装置41と、プレート3と駆動装置41を連結してプレートに連結してプレート3に駆動力を伝動する連結体としてのベルト42を有してなり、可動枠体2の上梁部25に固定されている。駆動装置41は、電動モーター411と、両端部にベルトプーリー412を備えて回転自在に支持される駆動シャフト413とからなり、電動モーター411の駆動力は伝動ギヤ414,415によりベルトプーリー412に伝動される。ベルト42は、上端側がベルトプーリー412に巻き掛けられ、下端側がスライドピン31aに連結され、補助プーリー416で位置調整されて側柱部23,24に形成されるスライド溝21aに挿通される。以上により、電動モーター411の駆動力でベルトプーリー412を回転させることにより、ベルト42が巻き上げられ、ベルト42の下端部に連結されるスライドピン31aが引き上げられて、プレート3が起立させられるようになっている。
【0055】
電動モーター411には電源コード411aが取付けられており、電源コード411aはコネクタ417を介して電動モーター411の作動電源(不図示)に接続される。作動電源は、火災検知器(不図示)からの信号により制御されており、火災発生時に火災検知器から出力される信号に基づいて、電動モーター411に電力供給を開始するようになっている。コネクタ417は、固定部Aの避難開口部A1と可動枠体2に跨るように設けられており、可動枠体2が回動されたときに切り離される。なお、起立機構4は、開閉自在のサービスホールカバー418で覆われており、サービスホールカバー418を開放することによりメンテナンス可能とされている。
【0056】
〔防火構造1の作動〕
上記実施形態の防火構造1の作動を説明する。通常時において、図1、図2に実線で、あるいは図8(a)に示されるように、プレート3は、上下の単位プレート片31,32が互いに重合するように折り畳まれた状態で通路P1の床面Fに沿うように水平状態で設置されている。可動枠体2の通行開口部21は開放されており、また、折り畳まれたプレート3と通路の床面Fとは、段差が無いように収納凹部F1に収納されているので、通行開口部21は人が普段の通路として使い勝手が良いものである。建築物の内部で火災が発生すると、火災検知器が出力する信号に基づいて、電動モーター411の作動電源から、電動モーター411への電力供給が開始される。これに伴い、電動モーター411の回転駆動によりベルトプーリー412が回転させられて、ベルト42の巻上げが開始される。
【0057】
ベルト42の下端に連結されるスライドピン31aは、側柱部23,24に形成されたスライド溝21aに沿って上方へスライド移動し、プレート3は、図1、図2に一点鎖線で、あるいは図8(b)に示されるように、プレート3は連結ヒンジ33を中心に、上部単位プレート片31と下部単位プレート片32が開くようにして起立動作を開始する。図8(a)に示されるように、通路の閉鎖位置となる通行開口部21の内側に放置されている障害物Gがある場合でも、図8(b)に示されるように、障害物Gは、起立させられる上部単位プレート片31により形成される傾斜面をすべり落ち、床面F上の通行開口部21から離れた位置に除去される。なお、単位プレート片31,32は、起立させられる途中において1回ずつプレート支持部材27の支持爪272と接触するが、支持爪272の傾斜部272a,272bに乗り上げて、支持爪272を可動枠体2内に押し込むことにより通過する。
【0058】
さらに、ベルト42が巻き上げられることにより、図3、図4および図8(c)に示されるように、プレート3が鉛直方向に起立させられて、上端部のスライドピン31aがスライド溝21aに係合し、下端部の係止ピン32cが係止溝21cに係合した状態で、通行開口部21を閉鎖する。このとき、プレート係止部材28の係止爪282がプレート3に形成された係止孔31bに進入しているため、プレート3は下方に脱落することなく、可動枠体2と一体化された状態に保持されて、ヒンジ26を中心に回動することにより開閉される防火扉Dを形成する。
【0059】
防火扉Dは、可動枠体2に設けられた取っ手241を引くことにより、図3、図4に一点鎖線で、あるいは図8(d)に示されるようにヒンジ26を中心に回動し、避難用通路P2が開放されて、避難者が通過できるようになる。なお、可動枠体2の下端部は床面Fよりも上方に設定されているため、図3に二点鎖線で示されるように、収容凹部F1に引っ掛かることがなく、防火扉Dは開き角度を制限されることが無い。
【0060】
〔防火構造1の特徴点〕
上記のように構成される防火構造1は、次のような特徴点を有している。
【0061】
第1に、通行開口部21により形成される通路P1の床面Fに設置されるプレート3が起立させられることにより、通行開口部21を閉鎖するという特徴点を有している。これにより、通路P1の閉鎖位置となる通行開口部21の内側に障害物が放置されていても、プレート3が起立させられることにより、障害物Gをはねのけるように除去しつつ通路P1を確実に閉鎖できることができる。
【0062】
第2に、プレート3は、通路P1の床面Fに沿うように水平状態で設置されるという特徴点を有している。これにより、プレート3を床面Fに設置される際の高さ方向の寸法が抑えられて設置スペースの確保が容易である。したがって、床面Fとプレート3の段差を解消するために形成される収納凹部F1は深く掘り込む必要が無い。また、収納凹部F1を設けずに、プレート3の前後に傾斜台を設置することで対応した場合でも、プレート3の床面Fからの出っ張りは小さく目立たないものとすることができる。
【0063】
第3に、プレート3は、可動枠体2と一体化され、避難用通路を形成する避難開口部A1を開閉可能な防火扉Dを形成するという特徴点を有している。これにより、プレート3の起立により通行開口部21が閉鎖された後も、防火扉Dを開くことにより避難者が外部に脱出することができるため、通路P1の閉鎖後に避難者が通過するためのくぐり戸を別途に設けておく必要がない。また、防火扉Dは、普段使用される通路P1の外枠となる可動枠体2により形成されるので、防火扉Dを開くことにより得られる避難用通路P2は、普段使用される通路P1と同等レベル以上の開口面積を確保することができ、避難者が通過しやすいものである。
【0064】
第4に、プレート3が可動枠体2と一体化されることにより形成される防火扉Dは、ヒンジ26を介して水平方向に回動することにより開閉されるという特徴点を有している。これにより、操作力が小さく済み、避難者による開放操作がし易くなる。
【0065】
第5に、プレート3は、上部単位プレート片31と下部単位プレート片32を連結ヒンジ33で連結されて屈曲自在に形成されており、互いに重合するように折り畳まれて、通路P1の床面Fに沿うように設置されるという特徴点を有している。これにより、プレート3を床面Fに設置する際の長さ寸法を短く、設置面積を小さくすることができる。
【0066】
第6に、可動枠体2は、通行開口部21を閉鎖するように起立させられたプレート3を可動枠体2と一体化された状態に保持する保持部材としてのプレート係止部材28を備えるという特徴点を有している。これにより、ベルト42の巻き上げが終了して電動モーター411への電力供給が停止された後、プレート3は脱落することなく、可動枠体2と一体化された状態に保持され、防火扉Dとしての形態が確実に維持されて、防火構造としての機能を発揮することができるものである。
【0067】
第7に、プレート3を起立させる起立機構4が可動枠体2に設けられているという特徴点を有している。これにより、建築部の内部の固定部Aに起立機構4を収容するスペースが不要で、また施工が容易に行える。
【0068】
第8に、起立機構4は、プレート3を起立させる駆動力を発生する駆動装置41と、プレート3と駆動装置41を連結させる連結体としてのベルト42とを備え、駆動装置41は可動枠体2の上梁部25に設けられており、ベルト42は可動枠体2の側柱部23,24に挿通されているという特徴点を有している。これにより、ベルト42のみを挿通させる側柱部23,24の横幅を小さく設定することができ、その分だけ通行開口部21の幅(通路P1の幅)を大きく取ることができる。
【0069】
〔第1の実施形態の変形例〕
上記実施形態では、可動枠体2の下端部は床面F(プレート3)よりも上方に設定されているため、可動枠体2の下梁部22が床面Fよりも上方に出っ張って普段使用される通路P1の使用性を若干低下させるが、図9に示されるように、可動枠体2の下梁部22を収容凹部F1に収容させることにより、通路P1への出っ張りを無くすことができる。また、収容凹部F1の側壁部は、上記実施形態におけるストッパA2に相当する作用を奏するため、床面F上のストッパA2を廃止することができる。
【0070】
上記実施形態では、床面F上に脚を有する障害物(例えば、椅子、机、脚立等)が放置されていた場合、その脚を有する障害物が起立するプレート3の上端部に引っ掛ったままで持ち上げられて、上梁部25とプレート3の上端部に挟み込まれて、通行開口部21を完全に閉鎖することができないおそれがある。そこで、図10に示されるように、通行開口部21の横幅方向に延在するとともに、横幅方向の軸を中心に回動自在に支持され、通路P1の床面F上に設置されるシャフト34を設けるようにして、さらにシャフト34の両端部34aを、スライド溝21aに対して上下スライド自在に嵌合させるとともにベルト42の途中部に取付けるようにしても良い。シャフト34は、火災発生時におけるベルト42の巻上げによって、プレート3の上端部に先行して、プレート3の上端部の上を上方移動させられることになる。なお、シャフト34とスライドピン31aの間のベルト42は、図10(a)に示されるように、収容凹部F1の中に押し込んでおく。
【0071】
以上により、図11(a)に示されるように、脚を有する障害物Gが床面Fに放置されていた場合、図11(b)に一点鎖線で示されるように、障害物Gの脚がシャフト34に引っ掛った状態で持ち上げられ、シャフト34の回転に伴ってプレート3の上端部の前後にすべり落ちることとなる。なお、シャフト34で回転させられてすべり落ちる際には、障害物Gの脚は上向きになっているため、プレート3の上端部に引っ掛ることなく、プレート3により形成される傾斜面をすべり落ちることとなる。その結果、脚を有する障害物Gが通行開口部21の閉鎖を妨げる事態が回避されて、図11(c)および(d)に示されるように防火扉Dが確実に形成されて防火構造としての機能が発揮される。
【0072】
なお、シャフト34はベルト42に連結されて、プレート3を起立させるために使用される起立機構4の動力により上方移動させられるので、シャフト34を上方移動させるための動力を別途に確保する必要が無く、低コストに構成することができる。
【0073】
上記実施形態では、起立機構4の駆動装置41は、可動枠体2の上梁部25に設けられていたが、図12に示されるように、駆動装置41およびベルト42の両方を可動枠体の側柱部23,24に設けるようにしても良い。駆動装置41は、内蔵される定トルクバネ(不図示)により、上端部が固定されるベルト42を巻き上げる方向に回転付勢されるベルトプーリー412と、ベルトプーリー412に係合してベルト42が巻き上げられないようにロックするプーリーロック機構43により構成され、側柱部23,24にそれぞれ設けられる。
【0074】
プーリーロック機構43は、火災発生時に火災検知器から出力される信号に基づいて、電源コード431からの電力供給によりベルトプーリー412のロックを解除する。プーリーロック機構43によるロックが解除されると、ベルトプーリー412は定トルクバネにより回転させられて、ベルト42を巻き上げる。これにより、プレート3は起立させられて、床面に放置された障害物Gをはね除けるように除去しながら、通行開口部21を閉鎖するものである。
【0075】
駆動装置41とベルト42の両方が、可動枠体2の側柱部23,24に設けられるので、可動枠体2の上梁部25の上下高さを小さくすることができる。その結果、天井高が低く、十分な通路高さが確保しにくい場所に、本防火構造を採用しても、通行開口部21の高さ(通路P1の高さ)を大きく取ることができるものである。
【0076】
上記実施形態では、プレート係止部材28により、プレート3を可動枠体2と一体化された状態に保持するようにしたが、起立機構4により一体化された状態に保持させるようにしても良い。例えば、起立機構4を構成する駆動シャフト413に逆回転を阻止するラチェット機構を付加しておくことにより、プレート3を起立させた後で、電動モーター411への電力供給を停止させても、ベルトプーリー412が逆回転させられることはない。したがって、特別に保持部材を設けなくても、プレート3と可動枠体2は一体化された状態を保持することができる。
【0077】
上記実施形態では、プレート3を可動枠体2と一体化された状態に保持する保持部材としてのプレート係止部材28を可動枠体2にのみ設けたが、保持部材はプレート3に設けても良く、あるいは可動枠体2とプレート3の両方に設けるようにしても良い。また、保持部材は、プレート係止部材282のように係止爪を係合させることにより保持するもの以外に、例えば、磁石により吸着させることにより保持するものでもよい。
【0078】
上記実施形態では、駆動装置41とプレート3を連結する連結体としてベルト42を採用したが、ベルトに替えて、チェーンやワイヤを採用しても良い。また、上記実施形態では、可動枠体2は水平方向に回動するように支持されていたが、完全に水平である必要はない。例えば、防火扉Dが閉まり方向に付勢されるように開放時の操作力が大きくなりすぎない程度に、回動軸を傾斜させておいても良い。
【0079】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態である防火構造10について、図13〜図17を参照しながら説明する。図13〜図17は、本発明に係る防火構造の第2の実施形態を示す図であって、図13は通常時における防火構造10の側面断面図(図14におけるY−Y断面視)、図14はその正面図(図13におけるX−X断面視)を示し、図15は火災発生時における防火構造10の側面断面図を示す。図16は図15におけるプレート3とベルト42の接続片44の拡大図を示し、図17は防火構造10が(a)〜(d)の順で作動する様子を説明する斜視図を示す。なお、防火構造10について、第1の実施形態である防火構造1と共通の部分については、同じ符号を使用することとし、詳しい説明は省略する。
【0080】
〔防火構造10の概要〕
防火構造10は、図13〜図17に示されるように、主として、可動枠体2と、プレート3と、起立機構4を備えてなる。プレート3は、可動枠体2と一体の防火扉Dを形成する。防火扉Dは水平方向に回動させられることにより、建築物の内部に嵌接固定される固定枠体5に形成された収容開口部51を開放させることができる。
【0081】
〔可動枠体2について〕
可動枠体2は、下梁部22と、下梁部22の左右両端から上方に延びる側柱部23,24と、側柱部23,24の上端部を連結する上梁部25とにより形成され、人が通行可能な通行開口部21を形成する。可動枠体2は、建築物の内部の固定部Aに嵌設固定される固体枠体5に形成された収容開口部51に収容された状態で、側柱部23側が収容開口部51の側部に対し、ヒンジ26を介して水平方向に回動自在に支持される。収容開口部51の内周部にはストッパ52が形成されており、可動枠体2の図13における右方向への回動が規制される。側柱部24には、収容開口部51に係合する係合部材(不図示)が設けられており、可動枠体2が固定枠体5から容易に外れないように構成されているが、側柱部24に設けられる取っ手241を、図13における左側に引くことにより、係合部材による係合が解除されて可動枠体2は回動可能となる。なお、可動枠体2には、第1の実施形態と同様に、スライド溝21a、ストッパ21b、係止溝21c、プレート支持部材27、およびプレート係止部材28が形成されている。ただし、係止溝21cは、第1の実施形態と異なり、プレート3が、図15および図16(b)に示されるように、スライドピン31aがスライド溝21aの上端側から抜け出すまで上方移動できるように寸法設定されている。
【0082】
〔プレート3について〕
プレート3は、第1の実施形態と同様に、上部単位プレート片31、下部単位プレート片32、および両者を連結する連結ヒンジ33により形成される。プレート3は折り畳まれた状態で床面Fに形成された収納凹部F1に収納設置されている。上部単位プレート片31にはスライド溝21aに係合するスライドピン31aが突設されており、下部単位プレート片32には係止溝21cに係止される係止ピン32cが突設されている。その他、上部単位プレート片31には、係止部材28に係合する係止孔31bが形成されている。
【0083】
〔起立機構4について〕
起立機構4は、主として、駆動装置41と、プレート3と駆動装置41を連結する連結体のベルト42を有してなり、可動枠体2の上方の固定枠体5側に固定されている。駆動装置41は、伝動ギヤ414,415、駆動シャフト413を介して伝動される電動モーター411の動力でベルトプーリー412に巻き掛けられるベルト42を巻き上げて、ベルト42の下端部に連結されるスライドピン31aの引き上げによりプレート3が起立させられる。ベルト42の下端部には、プレート3に形成されるスライドピン31aとベルト42を着脱可能とする接続片44が取付けられている。
【0084】
接続片44は、図16に示されるように、スライドピン31aを挟み込むように支持可能な支持面441aを有する半割体441がヒンジ442で開閉自在に連結されており、スプリング443で開き方向に付勢されている。接続片44は、閉じられることによりスライド溝31aに挿入可能となるように幅寸法が設定されており、図16(a)に示されるように、スライドピン31aをはさみ込んだ接続片44をスライド溝31aに嵌合させることにより、プレート3との連結状態が維持される。また、接続片44は、図16(b)に示されるように、スライド溝31aから引き出されて、スプリング443の付勢力で開放されることにより、プレート3との連結状態が解除されるようになっている。
【0085】
〔防火構造10の作動〕
防火構造10の作動を説明する。通常時において、図13、図14において実線で、あるいは図17(a)において示されるように、プレート3は、通路の床面Fに沿うように水平状態で設置されている。可動枠体2の通行開口部21は開放されている。建築物の内部で火災が発生すると、火災発生器が出力する信号に基づいて、電動モーター411への電力供給が開始される。これに伴い、ベルトプーリー412によるベルト42の巻上げが開始される。
【0086】
ベルト42の下端に連結される接続片44は、スライド溝21aに沿って上方へスライド移動し、プレート3は、図13、図14において一点鎖線で、あるいは図17(b)に示されるように、プレート3は起立動作を開始する。図17(a)に示されるように、通路の閉鎖位置となる通行開口部21の内側に放置されている障害物Gがある場合でも、図17(b)に示されるように、障害物Gは、起立させられる上部単位プレート片31により形成される傾斜面をすべり落ち、床面F上の通行開口部21から離れた位置に除去される。
【0087】
さらに、ベルト42が巻き上げられることにより、図15および図17(c)に示されるように、プレート3によって通行開口部21が閉鎖される。このとき、プレート3は、上端部に突設されたスライドピン31aがスライド溝21aから抜け出すまで上方移動するため、抜け出した接続片44は開かれて、プレート3との連結状態が解除される。この後、プレート3は自重で下方にスライドして、係止孔31bに係止部材28が嵌合し、可動枠体2とプレート3が一体化された状態に保持されて、防火扉Dを形成する。
【0088】
防火扉Dは、可動枠体2に設けられた取っ手241を引くことにより、図17(d)に示されるようにヒンジ26を中心に回動し、収容開口部51が開放されて、避難者が通過できるようになる。
【0089】
〔防火構造10の特徴点〕
上記のように構成される防火構造10は、次のような特徴点を有している。
【0090】
第1に、通行開口部21により形成される通路P1の床面Fに設置されるプレート3が起立させられることにより、通行開口部21が閉鎖されるという特徴点を有している。これにより、通路P1の閉鎖位置となる通行開口部21の内側に障害物が放置されていても、プレート3が起立させられることにより、障害物Gをはねのけるように除去しつつ通路P1を確実に閉鎖できることができる。
【0091】
第2に、プレート3は、通路P1の床面Fに沿うように水平状態で設置されるという特徴点を有している。これにより、プレート3を床面Fに設置される際の高さ方向の寸法が抑えられて設置スペースの確保が容易である。したがって、床面Fとプレート3の段差を解消するために形成される収納凹部F1は深く掘り込む必要が無い。
【0092】
第3に、プレート3は、可動枠体2と一体化され、固定枠体51に形成される収容開口部52を開閉可能な防火扉Dを形成するという特徴点を有している。これにより、プレート3の起立により通行開口部21が閉鎖された後も、防火扉Dを開閉させることにより避難者が外部に脱出することができるため、通路P1の閉鎖後に避難者が通過するためのくぐり戸を別途に設けておく必要がない。また、防火扉Dは、普段使用される通路P1の外枠となる可動枠体2により形成されるので、防火扉Dを開くことにより得られる避難用通路P2は、普段使用される通路P1と同等以上の開口面積が確保され、避難者が通過しやすいものである。さらに、固定枠体51を建築物の固定部に嵌設固定するだけで取付けできるので、比較的容易に施工することができる。
【0093】
第4に、プレート3が可動枠体2と一体化されることにより形成される防火扉Dは、ヒンジ26を介して水平方向に回動することにより開閉されるという特徴点を有している。これにより、操作力が小さく済み、避難者による開放操作がし易い。
【0094】
第5に、プレート3は、上部単位プレート片31と下部単位プレート片32を連結ヒンジ33で連結されて形成されており、互いに重合するように折り畳まれて、床面Fに設置されるという特徴点を有している。これにより、プレート3を床面Fに設置する際の長さ寸法を短く、設置面積を小さく済ませることができる。
【0095】
第6に、可動枠体2は、通行開口部21を閉鎖するように起立させられたプレート3を可動枠体2と一体化された状態に保持する保持部材としてのプレート係止部材28を備えるという特徴点を有している。これにより、プレート3は、可動枠体2と一体化された状態に保持され、防火扉Dとしての形態が確実に維持されて、防火構造としての機能を発揮することができる。
【0096】
第7に、プレート3を起立させる起立機構4は、固定枠体5に固定されているという特徴点を有している。特に、駆動装置41が可動枠体2上方の固定枠体5側に固定されており、ベルト42は可動枠体2の側柱部23,24に挿通されているだけであるから、可動枠体2が軽量に構成される。その結果、防火扉Dが軽量に形成されて、開閉時の操作力が小さく、避難者にとって操作し易い。また、可動枠体2を支持するヒンジ26への負荷が小さくなり、ヒンジの補強に要するコストを少なく抑えることができる。
【0097】
〔第2の実施形態の変形例〕
上記第2の実施形態では、固定枠体5に起立機構4(駆動装置41)を固定するようにしたが、固定枠体5を設けずに、建築物の固定部Aに起立機構4(駆動装置41)を直接固定するようにしても良い。この場合にも、可動枠体2が軽量に構成される。その結果、防火扉Dは軽量に形成されて、操作力が小さく、避難者にとって操作し易いものとなる。また、可動枠体2を支持するヒンジ26への負荷が小さくなり、ヒンジの補強に要するコストを少なく抑えることができる点も同様である。
【0098】
上記第2の実施形態では、起立機構4が固定枠体5に設けられていたが、起立機構4を可動枠体2と固定枠体5に跨って設けるようにして、防火扉Dが開放操作される際には、可動枠体2側の構成部分と固定枠体5側の構成部分とが分離されるようにしても良い。これにより、起立機構4が可動枠体2と固定枠体5に分散して設けられることなり、可動枠体2が比較的軽量に構成される。その結果、防火扉Dが比較的軽量に構成されて、操作力が小さく、避難者にとって操作しやすくなり、可動枠体2を支持するヒンジ26への負担が小さくなり、ヒンジの補強に要するコストを少なく抑えることができる。具体的には、図18に示されるように、すなわち、可動枠体2には、ベルトプーリー412、駆動シャフト413、伝動ギヤ415,419、補助プーリー46を設けておき、固定枠体5には、伝動ギヤ419と噛み合わされる伝動ギヤ414を有する電動モーター411を設けるようにしておき、防火扉Dの回動により、伝動ギヤ419と伝動ギヤ414の噛み合いが解除されるように設定するようにしておくと良い。防火扉Dの開放操作に伴って、可動枠体2側の構成部分と固定枠体5側の構成部分とが分離されるので、防火扉Dをスムーズに開くことができるものである。なお、固定枠体5を設けることなく、起立機構4を可動枠体2と建築物の内部の固定部Aとに跨って設けるようにしても良い。
【0099】
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態である防火構造100について、図19を参照しながら説明する。図19は、本発明の第3の実施形態である防火構造100が(a)〜(d)の順で作動する様子を説明する斜視図を示す。
【0100】
防火構造100は、通路P3の床面Fに下端部6aが回動自在に支持されて、床面Fに沿うように水平状態で設置される外枠体6、外枠体6の内側に嵌め込まれるプレート7、および通路の床面Fに沿うように設置される外枠体6およびプレート7を起立させる起立機構8を備えてなる。外枠体6は、ヒンジ61を介してプレート7の一側端を水平方向に回動自在に支持する一方、プレートの他側端を取っ手62の操作により係合の解除が可能な係合機構(不図示)により係合支持する。外枠体6は外側部が建築物の内部の固定部に設置される起立機構8に連結されており、起立機構8を作動させることにより、外枠体6に支持されるプレート7が起立させられて、通路P3を閉鎖するように構成されている。
【0101】
防火構造100の作動を説明する。まず、通常時において、プレート7は、図19(a)に示されるように、外枠体6とともに床面Fに掘り込まれた凹部F1に収納されている。火災が発生すると、火災検知器(不図示)から出力される信号に基づいて、図19(b)に示されるように、起立機構8が作動し、プレート7を外枠体6とともに起立させていき通路P3を閉鎖する。このとき、通路P3の床面に放置されていた障害物Gは、プレート7によりはねのけられるように除去されて、図19(c)に示されるように、通路P3は完全に閉鎖される。通路P3が閉鎖された後、避難者が通過する場合には、取っ手62を操作することにより、プレート7は、防火扉としてヒンジ61を中心に水平方向に回動されて、避難用通路P4を開口する。
【0102】
防火構造100によれば、防火扉が形成される通路P3の閉鎖位置に障害物Gが放置されていても、床面Fに設置されるプレート7の起立により、障害物Gをはねのけるように除去しつつ通路P3を確実に閉鎖することができる。また、プレート7は通路の床面Fに沿うように設置されるので、高さ方向の寸法が抑えられて設置スペースの確保が容易である。さらに、プレート7はヒンジ61を介して水平方向に回動することにより開閉可能な防火扉を形成するので、避難者用のくぐり戸を別途に設ける必要が無く、小さな操作力で操作することが可能である。
【0103】
尚、本発明の防火構造は、上記した第1ないし第3に実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0104】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜20記載の防火構造によれば、通路の閉鎖位置となる通行開口部の内側に障害物が放置されていても、通路の床面に設置されるプレートが起立させられることにより、障害物をはねのけるように除去しつつ通路を確実に閉鎖することができる。また、プレートは通路の床面に沿うように設置されるので、高さ方向の設置寸法が抑えられて設置スペースの確保が容易である。さらに、プレートは可動枠体と一体化されて開閉可能な防火扉を形成するので、閉鎖後に避難者が通過するためのくぐり戸を別途に設けておく必要がないという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る防火構造の通常時の側面断面図。
【図2】 図1におけるX−X断面視を示す図。
【図3】 第1の実施形態に係る防火構造の火災発生時の側面断面図。
【図4】 図3におけるX−X断面視を示す図。
【図5】 第1の実施形態に係る防火構造の可動枠体の下梁部と側柱部の連結部付近の拡大図。(a)は側部断面図。(b)は図1のZ−Z断面図。
【図6】 第1の実施形態に係る防火構造の可動枠体におけるプレート支持部材付近の拡大図。(a)は正面図。(b)は図2のW−W断面図。
【図7】 第1の実施形態に係る防火構造の可動枠体2におけるプレート係止部材付近の拡大図。(a)は側面断面図。(b)は図3におけるV−V断面図。
【図8】 第1の実施形態に係る防火構造が(a)〜(d)の順で作動する様子を説明する斜視図。
【図9】 第1の実施形態に係る防火構造の変形例を示す側面断面図。
【図10】 第1の実施形態に係る防火構造の別の変形例を示す図であり、図5に対応する図。
【図11】 図10に示される防火構造が(a)〜(d)の順で作動する様子を説明する斜視図。
【図12】 第1の実施形態に係る防火構造のさらに別の変形例を示す正面図。
【図13】 第2の実施形態に係る防火構造の通常時の側面断面図。
【図14】 図13におけるX−X断面視を示す図。
【図15】 第2の実施形態に係る防火構造の火災発生時の側面断面図。
【図16】 第2の実施形態に係る防火構造の接続片の機能を説明する図。
【図17】 第2の実施形態に係る防火構造が(a)〜(d)の順で作動する様子を説明する斜視図。
【図18】 第2の実施形態に係る防火構造の変形例を示す図。(a)は正面図。(b)は側面断面図。
【図19】 第3の実施形態に係る防火構造が(a)〜(d)の順で作動する様子を説明する斜視図。
【符号の説明】
1,10,100 防火構造
2 可動枠体
3 プレート
4 起立機構
5 固定枠体
6 外枠体
7 プレート
21 通行開口部
26 ヒンジ
28 プレート係止部材(保持部材)

Claims (20)

  1. 通常時に開放されている通行開口部を有する額縁形状体であって、建築物の内部の固定部に形成される避難開口部に嵌め込まれて、前記通行開口部が前記建築物の内部の普段使用される通路を形成して、普段使用される通路の外枠となる可動枠体と、
    通常時に前記通路の床面に水平状態で設置されるプレートとを備え、
    前記プレートは、火災発生時に起立させられることにより、前記通行開口部を閉鎖するとともに前記可動枠体と一体化され、前記避難開口部を開放可能な防火扉を形成することを特徴とする防火構造。
  2. 通常時に開放されている通行開口部を有する額縁形状体であって、建築物の内部の固定部に形成される避難開口部に嵌め込まれて、前記避難開口部に対してヒンジを介して略水平方向に回動可能に支持され、前記通行開口部が前記建築物の内部の普段使用される通路を形成して、普段使用される通路の外枠となる可動枠体と、
    通常時に前記通路の床面に水平状態で設置されるプレートとを備え、
    前記プレートは、火災発生時に起立させられることにより、前記通行開口部を閉鎖するとともに前記可動枠体と一体化され、前記ヒンジを介して回動することにより前記避難開口部を開放可能な防火扉を形成することを特徴とする防火構造。
  3. 通常時に開放されている通行開口部を有する額縁形状体であって、建築物の内部の固定部に形成される避難開口部に嵌め込まれて、前記避難開口部に対してヒンジを介して略水平方向に回動可能に支持され、前記通行開口部が前記建築物の内部の普段使用される通路を形成して、普段使用される通路の外枠となる可動枠体と、
    通常時に前記通路の床面に水平状態で設置されるプレートと、
    前記プレートを起立させる起立機構とを備え、
    前記プレートは、火災発生時に前記起立機構で起立させられることにより、前記通行開口部を閉鎖するとともに前記可動枠体と一体化され、前記ヒンジを介して回動することにより前記避難開口部を開放可能な防火扉を形成することを特徴とする防火構造。
  4. 前記プレートは、複数の単位プレート片がその上下端で屈曲自在となるように連結されて形成され、各単位プレート片が互いに重合するように折り畳まれて、前記通路の床面に沿うように設置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防火構造。
  5. 前記通行開口部の幅方向に延在するとともに前記幅方向の軸を中心に回動自在に支持され、前記通路の床面に設置されるシャフトを備え、
    前記シャフトは、火災発生時に前記プレートに先行して上方移動させられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防火構造。
  6. 前記シャフトは、前記プレートを起立させるために使用される動力により上方移動させられることを特徴とする請求項5に記載の防火構造。
  7. 前記可動枠体および/または前記プレートは、保持部材を備え、
    前記保持部材は、前記プレートを前記可動枠体と一体化された状態に保持することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の防火構造。
  8. 前記起立機構が、前記プレートを前記可動枠体と一体化された状態に保持することを特徴とする請求項3に記載の防火構造。
  9. 前記起立機構は、前記可動枠体に設けられていることを特徴とする請求項3または8に記載の防火構造。
  10. 前記起立機構は、前記プレートを起立させる駆動力を発生する駆動装置と、前記プレートと前記駆動装置を連結して前記プレートに駆動力を伝動する連結体とを備えてなり、
    前記駆動装置は前記可動枠体の上梁部に設けられており、前記連結体は前記可動枠体の側柱部に挿通されていることを特徴とする請求項9に記載の防火構造。
  11. 前記起立機構は、前記プレートを起立させる駆動力を発生する駆動装置と、前記プレートと前記駆動装置を連結して前記プレートに駆動力を伝動する連結体とを備えてなり、
    前記駆動装置および前記連結体は前記可動枠体の側柱部に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の防火構造。
  12. 前記起立機構は、前記固定部に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の防火構造。
  13. 前記起立機構は、前記可動枠体および前記固定部に跨って設けられており、
    前記防火扉が開放操作される際には、前記可動枠体側の構成部分と前記固定部側の構成部分とが分離されていることを特徴とする請求項3に記載の防火構造。
  14. 前記起立機構は、前記プレートを起立させる駆動力を発生する駆動装置と、前記プレートと前記駆動装置を連結して前記プレートに駆動力を伝動する連結体とを備えてなり、
    前記駆動装置は前記可動枠体の上方の前記固定部側に固定されており、
    前記連結体は前記可動枠体の側柱部に挿通されており、
    前記防火扉が開放操作される際には、前記駆動装置と前記プレートが分離されていることを特徴とする請求項3に記載の防火構造。
  15. 火災発生時の避難用通路となる収容開口部を有し、建築物の内部に嵌設固定される固定枠体と、
    通常時に開放されている通行開口部を有する額縁形状体であって、前記収容開口部に収容された状態で前記収容開口部に対してヒンジを介して略水平方向に回動可能に支持され、前記通行開口部が前記建築物の内部の普段使用される通路を形成して、普段使用される通路の外枠となる可動枠体と、
    通常時に前記通路の床面に水平状態で設置されるプレートと、
    前記プレートを起立させる起立機構とを備え、
    前記プレートは、火災発生時に前記起立機構で起立させられることにより、前記通行開口部を閉鎖するとともに前記可動枠体と一体化され、前記ヒンジを介して回動することにより前記収容開口部を開放可能な防火扉を形成することを特徴とする防火構造。
  16. 前記起立機構は、前記固定枠体に固定されていることを特徴とする請求項15に記載の防火構造。
  17. 前記起立機構は、前記可動枠体および前記固定枠体に跨って設けられており、
    前記防火扉が開放操作される際には、前記可動枠体側の構成部分と前記固定枠体側の構成部分とが分離されていることを特徴とする請求項15に記載の防火構造。
  18. 前記起立機構は、前記プレートを起立させる駆動力を発生する駆動装置と、前記プレートと前記駆動装置を連結して前記プレートに駆動力を伝動する連結体とを備えてなり、
    前記駆動装置は前記可動枠体の上方の前記固定枠体側に固定されており、
    前記連結体は前記可動枠体の側柱部に挿通されており、
    前記防火扉が開放操作される際には、前記駆動装置と前記プレートが分離されていることを特徴とする請求項15に記載の防火構造。
  19. 通常時に通路の床面に水平状態で設置される外枠体と、該外枠体の内側に嵌め込まれるプレートが、火災発生時に起立させられることにより、前記通路を閉鎖し、
    前記起立させられたプレートが、略水平方向に回動することにより避難用通路を開口することを特徴とする防火構造。
  20. 通常時に開放されている通行開口部を有し、通路を区画するとともに前記通路の側面に略水平方向に回動可能に支持され、前記通行開口部が前記建築物の内部の普段使用される通路を形成して、普段使用される通路の外枠となる可動枠体と、
    通常時に前記通路の床面に水平状態で設置されるプレートとを備え、
    前記プレートが、火災発生時に起立させられることにより、前記通行開口部を閉鎖するとともに、前記閉鎖された通路を開放可能な防火扉を形成することを特徴とする防火構造。
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