JP3854891B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を順に備えた電子写真装置に用いる電子写真感光体に関する。また、本発明は、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体の表面には、帯電、露光、現像、転写及びクリーニング等の電気的あるいは機械的外力が直接に加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、トナー、紙及びクリーニング部材等との接触による電子写真感光体表面の摩耗やキズの発生、帯電時に発生するオゾン及びNOx等の活性物質の付着による電子写真感光体表面の劣化(画像ボケや画像流れ等)に対する耐久性が要求される。
【0003】
一方、接触帯電手段は、像担持体等の被帯電体に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型及びブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0004】
更に、接触帯電の帯電機構には、(1)放電帯電機構と、(2)直接注入帯電機構が存在する。
【0005】
以下に放電帯電機構と直接注入帯電機構の各々の原理とその特徴を述べる。
【0006】
(1)放電帯電機構
接触帯電部材と被帯電体との隙間に生じる放電現象による放電生成物で被帯電体表面が帯電する機構である。
【0007】
放電帯電系は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有するため、被帯電体電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないが、原理的に放電生成物を生じる。
【0008】
放電による接触帯電部材として導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式(ローラ帯電装置)が放電の安定性という点で好ましく、広く用いられている。この放電用帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム材あるいは発泡体を基層としてローラ状に形成した上に、表面を高抵抗層で覆い作成される。この構成において、放電現象はローラと被帯電体の接触部から少し離れた数十μmの隙間で起きる。従って、放電現象を安定化するために、ローラ表層は平坦で表面の平均粗さRaでサブμm以下であり、ローラ硬度も高い表面を有している。
【0009】
また、放電によるローラ帯電は印加電圧が高く、ピンホール(被帯電体膜の損傷による基盤の露出)があると、その周辺にまで電圧降下が及び帯電不良を生じる。従って、表層の表面抵抗は1011Ω□以上にすることで電圧降下を防止している。
【0010】
(2)直接注入帯電機構
直接注入帯電とは、接触帯電部材と被帯電体との分子レベルでの接触により、直接に電荷の授受をすることにより被帯電体表面を帯電(充電)する帯電機構である。直接帯電あるいは注入帯電とも称される。
【0011】
本帯電機構においては、接触帯電部材と被帯電体の電位差は数V〜数十V程度である。帯電電位は印加電圧と等しく、放電を生じる電圧差もない。また、帯電に必要な電圧は低く抑えられる。
【0012】
上記のように帯電の機構として、この直接帯電系はイオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は生じない。つまり、環境安全、部材劣化及び低電力の点で優れた帯電方式である。
【0013】
次に、直接注入帯電機構による帯電手段について記述する。
【0014】
直接帯電機構において、帯電性能を決める重要なファクターとなるのが接触帯電部材と被帯電体との接触性である。ここで言う接触性とは、被帯電体が帯電装置を通過する間にいかに多くの面に接触帯電部材がミクロ的に接触できるかという性能を意味している。そのために、接触帯電部材には緻密な表面構造と柔軟に接触できる弾性を兼ね備えた表面が要求される。
【0015】
直接注入帯電手段に用いる接触帯電部材の形態としては、放電用帯電ローラ等による試みも行われてきたが、放電用帯電ローラでは直接注入帯電は不可能であった。前述のような高硬度で平滑な表面構造では外観上被帯電体と密着しているように見えるが、電荷注入に必要な分子レベルでのミクロな接触性という意味ではほとんど接触していないからである。
【0016】
現在、提案されている直接注入帯電方式としては、導電性粒子を使った帯電方式(粒子帯電)がある。
【0017】
(3)粒子帯電
(形態1:磁気ブラシ帯電)
接触密度の向上を考えると、導電性粒子を使った帯電方式(粒子帯電)が有利である。この時用いる導電性粒子を「帯電粒子」と称する。帯電粒子の例としては導電磁性粒子が挙げられ、マグネットにより磁気ブラシ帯電部材を形成した例が提案されている。
【0018】
図1は磁気ブラシ帯電装置100の一例の概略構成図である。120は磁気ブラシ帯電部材であり、固定支持させたマグネットロール122と、このマグネットロール122の外回りに同心に回転自由に外嵌させた非磁性・導電性の帯電スリーブ121と、この帯電スリーブ121の外周面に帯電スリーブ内部のマグネットロール122の磁力により吸着保持させて形成させた導電磁性粒子Cの磁気ブラシ層(磁気ブラシ部)124からなる。123はケーシングであり、上記の磁気ブラシ帯電部材120を組付けてあると共に、適当量の導電磁性粒子Cを収容貯留させてある。125はケーシング123に設けた磁気ブラシ層厚規制ブレードである。
【0019】
1は被帯電体であり、本例では矢印の時計方向に回転駆動される電子写真感光ドラムである。上記の磁気ブラシ帯電装置は磁気ブラシ帯電部材120の磁気ブラシ層124を被帯電体である感光ドラム1に所定幅で接触させて配設してある。nはその接触部である帯電接触部(帯電ニップ部)である。
【0020】
帯電スリーブ121は、より具体的には、表面の平均粗さRa1.2μm、外径16mm、長さほぼ220mmの非磁性・導電性スリーブである。
【0021】
マグネットロール122は帯電スリーブ表面上で半径方向の磁束密度のピークが800Gを発生する磁極N1・N2・S1・S2を4極有するものを使用し、感光ドラム1側に一つの磁極N1が向くようにマグネットロール122を固定支持させた。
【0022】
磁気ブラシ層124を構成させる帯電粒子である導電磁性粒子Cとしては、フェライト及びマグネタイト等の磁性金属粒子や、これらの磁性粒子を樹脂で結着したものが用いられている。体積抵抗率は1×106〜109Ωcmのものが用いられる。粒径については10〜50μmが用いられる。
【0023】
帯電スリーブ121は感光ドラム1と同じ矢印の時計方向に回転駆動される。磁気ブラシ層124は帯電スリーブ121と一緒に時計方向に回転搬送され、ブレード125で所定の層厚に規制され、その層厚規制された磁気ブラシ層124が感光ドラム1に接触して帯電接触部nにて感光ドラム面を摺擦する。帯電接触部nを通り抜けた磁気ブラシ層124は引き続く帯電スリーブ121の回転でケーシング123内の導電磁性粒子溜まり部に戻し搬送されて、循環的に搬送使用される。
【0024】
帯電スリーブ121には帯電バイアス印加電源S1より所定の帯電バイアスが印加され、感光ドラム1面は帯電接触部nにおいて磁気ブラシ層124による摺擦と、印加帯電バイアスにより直接注入帯電機構で所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
【0025】
上記の構成において、磁気ブラシ層124の導電磁性粒子の接触密度を考えてみる。導電磁性粒子の外径が30μm前後の場合、接触密度としては103point/mm2が得られる。
【0026】
また、このときの導電磁性粒子の保持量は数百mg/cm2が必要であり、磁力で保持された0.5〜1mmの粒子層を形成する。注入帯電において接触帯電部材は被帯電体に対して柔軟にかつ緻密に接触することが要求されるが、磁気ブラシ帯電部材120においては導電磁性粒子を磁気拘束する必要から粒子担持体としての帯電スリーブ121は剛体を使う必要がある。従って、接触帯電部材の柔軟性は導電磁性粒子の磁気ブラシ層に具備させることを必要とするため、磁気ブラシ層は一定の厚さ、導電磁性粒子担持量を必要とする。
【0027】
現像装置5は2成分現像器である。その構成につい詳述する。現像装置5は、感光ドラム1に対向して配置されており、その内部は垂直方向に延在する隔壁57によって第1室(現像室)58aと第2室(攪拌室)58bとに区画されている。
【0028】
第1室58aの開口部には矢印方向に回転する非磁性の現像スリーブ51が感光ドラム1に対向して配置されており、この現像スリーブ51内に磁石52が固定配置されている。現像スリーブ51はブレード59によって層厚規制された2成分現像剤(磁性キャリアCdと非磁性トナーtを含む)Tの層を担持搬送し、感光ドラム1と対向する現像領域aで現像剤を感光ドラム1に供給して静電潜像をトナー画像として現像する。現像スリーブ51には電源S2から直流電圧を交流電圧に重畳した矩形波を有する現像バイアス電圧が印加されている。
【0029】
第1室58a及び第2室58bにはそれぞれ現像剤攪拌スクリュー53a及び53bが配置されている。スクリュー53aは第1室58a中の現像剤Tを攪拌搬送する。また、スクリュー53bは、図示しないトナー補給槽のトナー排出口55から搬送スクリュー56の回転によって第2室58bに供給されたトナーtと既に第2室58b内にある現像剤Tとを攪拌搬送し、トナー濃度を均一化する。隔壁57には図1における手前側と奥側の端部において第1室58aと第2室58bとを相互に連通させる現像剤通路(図示せず)が形成されており、上記スクリュー53a・53bの搬送力により、現像によってトナーtが消費されてトナー濃度の低下した第1室58a内の現像剤Tが一方の通路から第2室58b内へ移動し、第2室58b内でトナー濃度の回復した現像剤Tが他方の通路から第1室58a内へ移動するように構成されている。
【0030】
一方、現像剤濃度制御装置は磁力センサにより現像剤の透磁率をモニターすることにより現像装置内の現像剤T中のトナーの割合を一定に保つように調節する。すなわち、トナーtと現像キャリアCdの透磁率の違いからその混合比により透磁率が異なる。従って、事前に計測した磁気センサの出力と現出力との比較によりトナーの補給を制御して、現像装置内の現像剤T中のトナーの割合を一定に保つものである。
【0031】
現像剤Tはネガに摩擦帯電する非磁性トナーTとポジに帯電する磁性キャリア粒子Cdからなる2成分現像剤である。また、この現像剤Tのトナー混合比は重量比で非磁性トナーが5%となるようにした。
【0032】
a)トナーt:非磁性トナーtは、結着樹脂、顔料、電荷制御剤を混合し混練、粉砕、分級の各行程を経て作成し、さらに流動化剤などを外添剤として添加して作成されたものである。トナーの平均粒径(D4)は8μmであった。
【0033】
b)キャリアCd:磁性キャリアはフェライト粒子からなりその平均粒径は50μmであり、その抵抗値は108Ω・cm以上の値を示す。
【0034】
6は接触転写手投としての中抵抗の転写ローラであり、感光ドラム1に所定に圧接させて転写ニップ部bを形成させてある。この転写ニップ部bに不図示の給紙部から所定のタイミングで被記録体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ6に転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光ドラム1側のトナー像が転写ニップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
【0035】
本例で使用の転写ローラ6は、芯金6aに中抵抗発泡層6bを形成した、ローラ抵抗値5×108Ωのものであり、+2.0kVの電圧を芯金6aに印加して転写を行なった。転写ニップ部bに導入された転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側に回転感光ドラム1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0036】
7は熱定着方式等の定着装置である。転写ニップ部bに給紙されて感光ドラム1側のトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1の面から分離されてこの定着装置7に導入され、トナー画像の定着を受けて画像形成物(プリントコピー)として装置外へ排出される。
【0037】
8は感光ドラムクリーニング装置であり、感光ドラム1上に残留した転写残トナーをクリーニングブレード8aで掻き落として廃トナー容器8bに回収する。
【0038】
そして、感光ドラム1は再度帯電装置2により帯電され、繰り返して画像形成に用いられる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
接触帯電の内、粒子を用いた注入帯電は、環境安全、部材劣化及び低電力の点で優れた帯電手段である。
【0040】
しかしながら、更なる高画質化が進む昨今、帯電性を様々な環境で確保し、かつ高画質との両立をすることが必要となってきた。
【0041】
即ち、注入帯電手段を用いた場合、電子写真感光体の表面層の抵抗を低くした方が、帯電手段から電子写真感光体への電荷の注入が効率よく行われ、帯電性が向上する。しかし、電子写真感光体の表面層の抵抗を低くする方法として表面層のバルク抵抗を下げた場合、画像ボケ/流れが発生したりドット再現性の低下が起こり画質が低下し帯電性と高画質の両立が困難である。
【0042】
従って、本発明の目的は、低湿及び高湿環境を含め帯電性をより向上させ、帯電性不足による画像濃度ムラや、砂地状のトナーかぶりあるいはポジゴースト等の現象が起こらず、また画像流れが生じず、ドット再現性の良い、繰り返し使用しても安定して高品位の画像を得ることのできる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を順に備え、前記帯電手段が接触帯電手段である電子写真装置に用いる電子写真感光体において、
画像形成時に前記電子写真感光体表面の前記帯電手段から前記現像手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に、体積抵抗率が1×109Ωcm以下、比表面積が5×105cm2/cm3以上1×107cm2/cm3以下、体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下の非磁性導電性粒子が付着し、その部分において付着した前記非磁性導電性粒子が前記電子写真感光体の表面を被覆する被覆率を被覆率a(%)としたとき、前記被覆率a(%)が1%以上20%以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
【0044】
また、本発明は、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を順に備え、前記帯電手段が接触帯電手段である電子写真装置に用いる電子写真感光体において、
画像形成時に前記電子写真感光体表面の前記転写手段から前記帯電手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に、体積抵抗率が1×109Ωcm以下、比表面積が5×105cm2/cm3以上1×107cm2/cm3以下、体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下の非磁性導電性粒子が付着し、その部分において付着した前記非磁性導電性粒子が前記電子写真感光体の表面を被覆する被覆率を被覆率b(%)としたとき、前記被覆率b(%)が4%以上30%以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
【0045】
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0047】
[実施形態1]
図2は本発明の電子写真装置を示す概略構成図である。本実施例の電子写真装置は、転写式電子写真プロセス利用、直接注入帯電方式、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザプリンタである。
【0048】
(1)電子写真装置の全体的な概略構成
帯電装置2について、帯電粒子m(導電性粒子)は現像装置60の現像剤tに添加してあり、感光ドラム1に静電潜像の現像時にトナーと共に感光ドラム1面に付着し、感光ドラム1の回転で帯電接触部nに持ち運ばれることで、感光ドラム1を介して帯電ローラ2Aに供給される。帯電粒子mを現像装置60の現像剤tに添加しない場合には、別途供給手段を設けてもよい。
【0049】
現像装置60は一成分磁性トナー(ネガトナー)を用いた反転現像装置である。現像装置内にはその現像剤tと帯電粒子mとの混合剤t+mを収容させてある。回転感光ドラム1面の静電潜像はこの現像装置60により現像部位aにてトナー画像として現像される。
【0050】
即ち、本例の電子写真装置はトナーリサイクルプロセスであり、画像転写後の感光ドラム1面上に残留した転写残トナーは専用のクリーナ(クリーニング装置)で除去されることなく感光ドラム1の回転に伴い帯電接触部nに持ち運ばれて、帯電接触部nにおいて感光ドラム1の回転に対してカウンタ回転する帯電ローラ2Aに一時的に回収され、この帯電ローラ外周を周回するにつれて、反転したトナー電荷が正規化され、順次に感光ドラム1に吐き出されて現像部位aに至り、現像装置60において現像同時クリーニングにて回収・再利用される。
【0051】
6は転写ローラであり、芯金6aに中抵抗発泡層6bを形成した、ローラ抵抗値5×108Ωの転写装置である。+2.0kVの電圧を芯金6aに印加して転写を行なった。転写ニップ部bに導入された転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側に回転感光ドラム1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0052】
7は熱定着方式等の定着装置である。転写ニップ部bに給紙されて感光ドラム1側のトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1の面から分離されてこの定着装置7に導入され、トナー画像の定着を受けて画像形成物(プリントコピー)として装置外へ排出される。
【0053】
(2)帯電装置2
2は帯電装置であり、本発明に従う粒子帯電タイプの接触帯電装置である。この帯電装置2は、接触帯電部材としての帯電ローラ2Aと、該帯電ローラに対する帯電バイアス印加電源S1を有する。
【0054】
帯電ローラ2Aは、芯金2aと、この芯金2aの外周りに同心一体にローラ状に形成した帯電粒子担持体としてのゴムあるいは発泡体の弾性・中抵抗層2bからなり、更に、弾性・中抵抗層2bの外周面に帯電粒子(導電性粒子)mを担持させて構成される。この帯電ローラ2Aは感光ドラム1に所定の侵入量をもって押圧当接させて、所定幅の帯電接触部nを形成させている。帯電ローラ2Aに担持させた帯電粒子mが帯電接触部nにおいて感光ドラム1面に接触する。
【0055】
帯電ローラ2Aは感光ドラム1と同じ矢印の時計方向に回転駆動され、帯電接触部nにおいて感光ドラム1の回転方向と逆方向(カウンター)で回転することで、帯電粒子mを介して感光ドラム1面に対して速度差を持って接触する。
【0056】
感光ドラム1に対する帯電ローラ2Aの相対速度差は、帯電ローラ2Aと逆方向(感光ドラム1の回転に順回転方向)に周速度を異ならせて回転駆動させることでも持たせることができる。ただし、直接注入帯電の帯電性は感光ドラム1の周速と帯電ローラ2Aの周速の比に依存するため、帯電ローラ2Aを感光ドラム1と同じ方向に回転駆動させる方が回転数の点で有利であると共に、粒子の保持性の点でも、この構成にすることが好ましい。
【0057】
電子写真装置の画像記録時には該帯電ローラ2Aの芯金2aに帯電バイアス印加電源S1から所定の帯電バイアスが印加される。
【0058】
これにより、感光ドラム1の周面が直接注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。本例では帯電ローラ2Aの芯金2aに帯電バイアス印加電源Slから−600Vの帯電バイアスを印加される。
【0059】
前記帯電粒子として体積抵抗率が1×109Ωcm以下、比表面積が5×105(cm2/cm3)以上1×107以下、体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下の非磁性導電性粒子を用いることも可能である。別途該非磁性導電性粒子の供給手段を備えることができる。供給手段(不図示)はどの位置にあってもさしつかえないが、画像形成時に電子写真感光体表面の帯電手段から現像手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に付着し、被覆率が1%以上20%以下となるように供給する。
【0060】
(3)−1 帯電ローラ2A
本例における接触帯電部材としての帯電ローラ2Aは、前記したように、芯金2aと、この芯金2aの外周りに同心一体となるようローラ状に形成した帯電粒子担持体としてのゴムあるいは発泡体の弾性・中抵抗層2bからなる。そして、この帯電ローラ2Aの弾性・中抵抗層2bの外周面に帯電粒子(導電性粒子)mを担持させている。
【0061】
弾性・中抵抗層2bは樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えば酸化スズ)、硫化剤及び発泡剤等により処方され、芯金2aの上にローラ状に形成した。その後、表面を研磨した。
【0062】
本発明における接触帯電部材としての帯電ローラ2Aは一般的に用いられる放電用の帯電ローラに対し以下の点で特に異なる。
【0063】
1.表層に高密度の帯電粒子mを担持するための表面構造や粗さ特性
2.直接注入帯電に必要な抵抗特性(体積抵抗率、表面抵抗)
【0064】
(3)−2 表面構造及び粗さ特性
従来、放電によるローラ表面は平坦で表面の平均粗さRaでサブμm以下であり、ローラ硬度も高い。放電を用いた帯電において、放電現象はローラと被帯電体の接触部から少し離れた数十μmの隙間で放電現象が起きる。ローラ及び被帯電体表面に凹凸が存在する場合、部分的に電界強度が異なるため放電現象が不安定になり、帯電ムラを生じる。従って、従来の帯電ローラは平坦で高硬度な表面を必要とする。
【0065】
ではなぜ放電用帯電ローラでは注入帯電できないのかを考察するに、それは、前述のような表面構造では外観上ドラムと密着しているように見えるが、電荷注入に必要な分子レベルでのミクロな接触性という意味ではほとんど接触していないのである。
【0066】
一方、本発明における接触帯電部材として帯電ローラ2Aは帯電粒子mを高密度に担持する必要からある程度の粗さが要求される。平均粗さRaにして、1μmから500μmが好ましい。
【0067】
1μmよりも小さいと帯電粒子mを担持するための表面積が不足すると共に、絶縁物(例えばトナー)等がローラ表層に付着した場合その周辺がドラムに接触できなくなり、帯電性能が低下する。
【0068】
また、粒子の保持能力について考慮した場合、用いる帯電粒子の粒子径より大きな粗さを持つことが好ましい。
【0069】
逆に500μmよりも大きいと、ローラ表面の凹凸が被帯電体の面内帯電均一性を低下させることになる。本例におけるRaは50μmであった。
【0070】
平均粗さRaの測定には、キーエンス社製表面形状測定顕微鏡VF−7500、VF7510を用い対物レンズ250倍から1250倍を用い非接触にてローラ表面の形状及びRaの測定を行った。
【0071】
(3)−3 抵抗特性
従来の放電を用いる帯電ローラは芯金に低抵抗の基層を形成した後、表面を高抵抗層で被覆している。放電によるローラ帯電は印加電圧が高く、ピンホール(膜の損傷による基盤の露出)があるとその周辺にまで電圧降下が及び帯電不良を生じる。
【0072】
一方、直接注入帯電方式においては、低電圧による帯電を可能とするため接触帯電部材の表層を高抵抗にする必要がなく、ローラを単層で構成することができる。むしろ、直接注入帯電において帯電ローラ2Aの表面抵抗で104〜1010Ω□であることが好ましい。
【0073】
1010Ω□よりも大きくなると、ローラ表面に大きな電位差を生じるため帯電粒子に吐き出しバイアスが作用し吐き出され易くなる。また、帯電面内の均一性が低下し、ローラの摺擦によるムラが中間調画像にスジ状となって現れ、画像品位の低下が見られ易くなる。
【0074】
一方、104Ω□よりも小さい場合は、注入帯電であってもドラムピンホールによる周辺の電圧降下を生じ易くなる。
【0075】
更に、体積抵抗率については、104〜107Ωcmの範囲であることが好ましい。104Ωcmよりも小さい場合は、ピンホールリークによる電源の電圧降下を生じ易くなる。一方、107Ωcmよりも大きい場合は、帯電に必要な電流が確保できなくなり、帯電電圧が低下する。
【0076】
本実施例に用いた帯電ローラ2Aの表面抵抗及び体積抵抗率は、107Ω□及び106Ωcmであった。
【0077】
帯電ローラ2Aの抵抗測定は以下の手順で行った。測定時の構成について概略図を図3に示す。ローラ抵抗は、帯電ローラ2Aの芯金2aに総圧9.8N(1kgf)の加重がかかるよう外径30mmの絶縁体ドラム93に電極を施し測定した。電極は主電極92の周りにガード電極91を配し、図3の(a)・(b)に示す配線図にて測定を行った。主電極92とガード電極91間の距離はおよそ弾性・中抵抗層2bの厚さ程度に調整し、主電極92はガード電極91に対し十分な幅を確保した。測定は主電極92に電源S4から+100Vを印加し電流計Av及びAsに流れる電流を測定し、それぞれ体積抵抗率、表面抵抗を測定した。
【0078】
以上述べてきたように本発明における接触帯電部材としての帯電ローラについては、
1.表層に高密度の帯電粒子を担持するために表面構造粗さ特性
2.直接帯電に必要な抵抗特性(体積抵抗率、表面抵抗)
が必要である。
【0079】
(3)−4 その他のローラ特性
直接注入帯電方式において、接触帯電部材は柔軟な電極として機能することが重要である。
【0080】
磁気ブラシにおいては、磁性粒子層自体がもつ柔軟性により実現している。
【0081】
本帯電装置2においては、帯電ローラ2Aの弾性・中抵抗層2bの弾性特性を調整して達成している。アスカーC硬度で15度から50度が好ましい範囲である。更に好ましくは、20〜40度である。
【0082】
高過ぎると、必要な侵入量が得られず、被帯電体との間に帯電接触部nを確保できないため帯電性能が低下し易い。また、物質の分子レベルの接触性が得られないと異物の混入等によりその周辺への接触が妨げられる。
【0083】
一方、硬度が低過ぎると、形伏が安定しないために被帯電体との接触圧にムラを生じ帯電ムラを生じ易くなる。あるいは、長期放置によるローラの永久変形ひずみによる帯電不良を生じ易くなる。
【0084】
本例ではアスカーC硬度で22度の帯電ローラ2Aを使用した。更に、帯電ローラ2Aは感光ドラム1に対して0.3mmの侵入量に配設し、本例では約2mmの帯電接触部nを形成させてある。
【0085】
(3)−5 帯電ローラの材質、構造、寸法
帯電ローラ2Aの弾性・中抵抗層2bの材質としては、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵抗調整のためのカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材が挙げられる。導電性物質を分散せずにイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。その後必要に応じて表面の粗さ調整、研磨等による成形を行う。また、機能分離した複数層による構成も可能である。
【0086】
しかし、帯電ローラ2Aの弾性・中抵抗層2bの形態としては多孔体構造がより好ましい。前述の表面粗さをローラの成形と同時に得られるという点で製造的にも有利である。発泡体のセル径としては、1から500μmが適切である。発泡成形した後に、その表面を研磨することにより多孔体表面を露出させ、前述の粗さを持った表面構造を形成可能である。
【0087】
そして最終的に径6mm・長手長さ240mmの芯金2aに、多孔体表面を有する、層厚3mmの弾性・中抵抗層2bを形成し、外径12mm、中抵抗層長手長さ220mm、の帯電ローラ2Aを作成した。
【0088】
帯電ローラ2Aは被帯電体としての感光ドラム1に対して0.3mmの侵入量にて配設し、本実施例では接触幅約2mmの帯電接触部nを形成させてある。
【0089】
(4)帯電粒子m
帯電粒子mの材料としては金属化合物等の導電性無機粒子や有機物との混合物、あるいは、これらに表面処理を施したもの等各種導電性粒子が使用可能である。また、本発明における帯電粒子mは磁気拘束する必要がないため、磁性を有する必要がない。特に、表面処理された非磁性の金属化合物が耐腐食性、ハンドリングや帯電特性の点から好ましい。
【0090】
粒子抵抗は粒子を介した電荷の授受を行うため体積抵抗率としては1×109Ωcm以下である必要がある。
【0091】
抵抗測定は、以下のように測定し求めた。円筒形の金属製セルに試料を充填し、試料に接するように上下に電極を配し、上部電極には荷重7kgf/cm2を加える。この状態で電極間に電圧Vを印加し、その時に流れる電流I(A)から抵抗(体積抵抗率RV)を測定する。この時電極面積をScm2、試料厚みをM(cm)とすると
RV(Ωcm)=100V×Scm2/I(A)/M(cm)である。
【0092】
本発明では、電極と試料の接触面積2.26cm2とし、電圧V=100Vで測定した。
【0093】
体積基準の50%平均粒径であるメジアン径(D50)は、磁気ブラシ帯電装置を超える高い帯電効率と帯電均一性をえるために0.4μm以上4.0μm以下が好ましい。本発明において、粒径は以下のように測定した。レーザ回折式粒度分布測定装置「LS−230型」(コールター社製)にリキッドモジュールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径を測定範囲とし、得られる体積基準の粒度分布により粒子のD50を算出する。測定は、メタノール10mlに粒子を約10mg加え、超音波分散機で2分間分散した後、測定時間90秒間、測定回数1回の条件で測定を行う。
【0094】
帯電粒子mは一次粒子の状態で存在するばかりでなく、二次粒子の擬集した状態で存在することもなんら問題はない。どのような擬集状態であれ、凝集体として帯電粒子mとしての機能が実現できればその形態は重要ではない。
【0095】
(5)帯電粒子担持量、被覆率
本実施形態においてはトナーリサイクル構成であるため、クリーニングプロセスがある場合に比べ多くのトナーが帯電ローラ表面を汚染する。トナーは摩擦帯電による電荷を表面に維持するため1013Ωcm以上の体積抵抗率を有する。従って、帯電ローラ2Aがトナーにより汚染されると、帯電ローラ2A上に担持している粒子抵抗が増加し帯電性能が低下する。たとえ、帯電粒子の抵抗が低くとも、トナーの混入により担持している粉体の抵抗は上昇し帯電性に障害を生じる。従って、帯電粒子担持量が担持量/Raで好ましくは0.005から1、より好ましくは0.02から0.3mg/cm2/μmであっても、その成分に多くのトナーが含まれていることがあり、当然帯電性能は低下する。この場合、担持粒子の抵抗が上昇しその状況を捉えることができる。つまり、実使用状態において、帯電ローラ2Aに担持している粒子(トナーや紙粉等の混入物も含む)を前記した方法で体積抵抗率の測定を行いその値が、1×109Ωcm以下であることが必要となる。
【0096】
更に、帯電粒子mの帯電における実効的な存在量を把握するために、帯電粒子mの被覆率を調整することが更に重要となる。帯電粒子mは白色であるため磁性トナーの黒色と区別可能である。顕微鏡における観察において白色を呈している領域を面積率として求める。被覆率が0.1以下の場合は帯電ローラ2Aの周速度を高めても帯電性能としては不十分であることから、帯電粒子mの帯電ローラへの被覆率を0.2〜1の範囲に保つことが重要となる。
【0097】
また、担持量の調節は、基本的には帯電粒子mの現像剤tへの添加量の調整により行なった。また、必要に応じて、帯電ローラ2Aの外周の一部に弾性ブレードを当接することにより調整を行った。部材を当接することにより、トナーの摩擦帯電極性を正規化する効果があり、帯電ローラ2Aに担持されている粒子量を調整することが可能となる。
【0098】
(6)現像装置60
60aはマグネットロール60bを内包させた、現像剤担持搬送部材としての非磁性回転現像スリーブであり、現像容器60e内に備える現像前混合剤t+m内のトナーtは回転現像スリーブ60a上を搬送される過程において、規制ブレード60cで層厚規制及び電荷付与を受ける。60Dは現像容器60e内のトナーの循環を行い順次スリーブ周辺にトナーを搬送する攪拌部材である。
【0099】
回転現像スリーブ60aにコートされたトナーtはスリーブ60aの回転により、感光ドラム1とスリーブ60aの対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。またスリーブ60aには現像バイアス印加電源S5より現像バイアス電圧が印加される。
【0100】
本例において、現像バイアス電圧はDC電圧とAC電圧の重畳電圧とした。これにより、感光ドラム1側の静電潜像がトナーtにより反転現像される。
【0101】
a)トナーt:現像剤である1成分磁性トナーtは、結着樹脂、磁性体粒子及び電荷制御剤を混合し混練、粉砕及び分級の各行程を経て作成し、更に帯電粒子mや流動化剤等を外添剤として添加して作成されたものである。トナーの平均粒径(D4)は7μmであった。
【0102】
(7)感光ドラム1
次に、本発明の電子写真感光体について説明する。
【0103】
図4は感光ドラム(電子写真感光体)1の層構成の模式図である。(a)は電荷注入層付きの感光ドラム1a、(b)は電荷注入層のない感光ドラム1bの層構成の模式図である。
【0104】
(b)の電荷注入層のない感光ドラム1bは、アルミドラム基体(Alドラム基体)11上に、下引き層12、電荷発生層14、電荷輸送層15の順に重ねて塗工された一般的な有機感光体ドラムである。
【0105】
(a)の電荷注入層付きの感光ドラム1aは、上記の感光体1bに、更に電荷注入層16を塗布することにより、帯電性能を向上したものである。16aは導電性粒子である。
【0106】
電荷注入層に用いられる導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、及びこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは、単独で用いることも2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしてもよい。
【0107】
本発明において用いられる導電性粒子の平均粒径は、電荷注入層の透明性の点で0.3μm以下が好ましく、特には0.1μm以下が好ましい。
【0108】
また、本発明においては、上述した導電性粒子の中でも透明性の点で金属酸化物を用いることが特に好ましい。
【0109】
本発明において用いられる潤滑性粒子としては、フッ素原子含有樹脂粒子、シリコーン粒子、または、シリカ粒子、アルミナ粒子等であるが、本発明においては、フッ素原子含有樹脂粒子が特に好ましい。本発明に用いられるフッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂粒子の分子量や粒子の粒径は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。また、シリカ粒子やアルミナ粒子等の無機粒子単独では潤滑性粒子としては働かないかもしれないが、これらを分散、添加することにより、電荷注入層の表面の面粗さが大きくなり、感光体表面に接するものに対して、接触点が少なくなり、結果的に電荷注入層の潤滑性が増すことが本発明者らにより知られている。ここでいう潤滑性粒子とは、潤滑性を付与する粒子も含めて表している。
【0110】
このフッ素原子含有樹脂を電荷注入層用溶液中で粒子を凝集させないために、フッ素原子含有化合物を添加するとよい。また、導電性粒子を含有する場合は、フッ素原子含有化合物を導電性粒子の分散時に添加したり、また、導電性粒子の表面をフッ素原子含有化合物で表面処理するとよい。フッ素原子含有化合物を添加または導電性粒子に表面処理を行うことにより、フッ素原子含有化合物のない場合に比べて、樹脂溶液中での導電性粒子とフッ素原子含有樹脂粒子の分散性及び分散安定性が格段に向上した。また、フッ素原子含有化合物を添加し導電性粒子を分散した液、または表面処理を施した導電性粒子を分散した液に、フッ素原子含有樹脂粒子を分散することによって分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも非常に安定した分散性のよい塗工液が得られる。
【0111】
本発明におけるフッ素原子含有化合物としては、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル及びフッ素系界面活性剤等が挙げられる。表1〜表3に好ましい化合物例を挙げるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0112】
【表1】
Figure 0003854891
【0113】
【表2】
Figure 0003854891
【0114】
【表3】
Figure 0003854891
【0115】
導電性粒子の表面処理方法としては、導電性粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、表面処理剤を導電性粒子表面に付着させる。分散の方法としては、ボールミルやサンドミル等の通常の分散手段を用いることができる。次に、この分散溶液から溶剤を除去し、導電性粒子表面に固着させればよい。また、必要に応じて、この後に更に熱処理を行ってもよい。また、処理液中には反応促進のための触媒を添加することもできる。更に、必要に応じて表面処理後の導電性粒子に更に粉砕処理を施すことができる。
【0116】
導電性粒子に対するフッ素原子含有化合物の割合は、粒子の粒径にも影響を受けるが、表面処理済みの導電性粒子全質量に対し1〜65質量%が好ましく、特には1〜50質量%が好ましい。
【0117】
以上のように、フッ素原子含有化合物を添加した後に導電性粒子を分散する、またはフッ素原子含有化合物によって表面処理された導電性粒子を用いることにより、フッ素原子含有樹脂粒子の分散が安定し、滑り性や離型性に優れた電荷注入層を形成することができる。しかしながら、最近の高耐久化が進み、更なる高硬度、高耐刷性及び高安定性が求められるようになってきている。
【0118】
本発明において用いる電荷注入層用の結着樹脂としては、表面硬度が硬く、耐磨耗性に優れる点から硬化型樹脂がより好ましい。硬化型樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、硬化型フェノール樹脂が好ましく、より好ましくはレゾール型のフェノール樹脂である。特に、アンモニア以外のアミン系化合物を含有するレゾール型フェノール樹脂は、調合液の安定性という点において更に好ましい。
【0119】
以上の樹脂は、熱または光等によって硬化するモノマーまたはオリゴマーを含有する樹脂である。熱または光等によって硬化するモノマーまたはオリゴマーとは、例えば分子の末端に熱または光等のエネルギーによって重合反応を起こす官能基を有するもので、このうち分子の構造単位の繰り返しが2〜20程度の比較的大きな分子がオリゴマー、それ未満のものがモノマーである。該重合反応を起こす官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアセトフェノン基等の炭素−炭素二重結合を有する基、シラノール基、更に環状エーテル基等の開環重合を起こすもの、及びフェノール+ホルムアルデヒドのように2種類以上の分子が反応して重合を起こすもの等が挙げられる。
【0120】
更に、本発明においては、より環境安定性のある電荷注入層とするために、下記一般式(1)で示されるシロキサン化合物を導電性粒子分散時に添加したり、または、予め表面処理を施した導電性粒子を混合することにより、更に環境安定性により優れた電荷注入層を得ることができた。
【0121】
【化1】
Figure 0003854891
【0122】
(式中、Aは水素原子またはメチル基であり、かつ、Aの全部における水素原子の割合は0.1〜50%の範囲、nは0以上の整数である。)
このシロキサン化合物を添加後に分散した塗工液、またはこれを表面処理した導電性微粒子を溶剤に溶かした結着樹脂中に分散することによって、分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも安定した分散性の良い塗工液が得られ、また、この塗工液より形成した電荷注入層は透明性が高く、耐環境性に特に優れた膜が得られた。更に、電荷注入層に用いる樹脂が硬化型フェノール樹脂の場合、フェノール樹脂の種類にもよるが、電荷注入層を厚膜にするほどスジ状のムラになったりセルを形成したりする場合も見られるが、前述のシロキサン化合物を添加、またはこれを表面処理した導電性微粒子を用いることにより、スジ状のムラやセルの形成を抑制することができ、レベリング剤のような予期せぬ効果もあった。
【0123】
一般式(1)で示されるシロキサン化合物の分子量は特に制限されるものではないが、表面処理をする場合は、その容易さからは粘度が高過ぎない方がよく、重量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
【0124】
表面処理の方法としては、湿式と乾式の二通りがある。湿式では導電性粒子を一般式(1)で示されるシロキサン化合物とを溶剤中で分散し、該シロキサン化合物を粒子表面に付着させる。分散の手段としては、ボールミルやサンドミル等の一般の分散手段を使用することができる。次に、このシロキサン化合物を導電性粒子表面に固着させる。この熱処理においては、シロキサン中のSi−H結合が熱処理過程において空気中の酸素によって水素原子の酸化が起こり、新たなシロキサン結合ができる。その結果、シロキサンが三次元構造にまで発達し、導電性粒子表面がこの網状構造で包まれる。このように表面処理は、該シロキサン化合物を導電性粒子表面に固着させることによって完了するが、必要に応じて処理後の粒子に粉砕処理を施してもよい。乾式処理においては、溶剤を用いずに該シロキサン化合物と導電性粒子とを混合し混練を行うことによってシロキサン化合物を粒子表面に付着させる。その後は、湿式処理と同様に熱処理や粉砕処理を施して表面処理を完了する。
【0125】
本発明における導電性粒子に対するシロキサン化合物の割合は、粒子の粒径やシロキサン中のメチル基と水素原子の比率等に依存するが、1〜50質量%が好ましく、特には3〜40質量%が好ましい。更に、導電性粒子を含有する電荷注入層溶液に電荷輸送材料を添加してもよい。
【0126】
本発明における電荷注入層が熱硬化型である場合は、電荷注入層を感光層上に塗布した後に、通常、熱風乾燥炉等で硬化させる。この時の、硬化温度は、100℃〜300℃が好ましく、特には120℃〜200℃が好ましい。また、電荷注入層の膜厚は0.5μm〜10μmが好ましく、特には1μm〜7μmが好ましい。
【0127】
本発明においては、前記電荷注入層中に、酸化防止剤等の添加物を加えてもよい。
【0128】
次に、感光層について説明する。
【0129】
導電性支持体としては、支持体自身が導電性を持つもの、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金及びステンレス等を用いることができ、その他にアルミニウム、アルミニウム合金及び酸化インジウム−酸化スズ合金等を真空蒸着によって被膜形成された層を有する前記導電性支持体やプラスチック、導電性粒子(例えば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン及び銀粒子等)を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体、導電性バインダーを有するプラスチック等を用いることができる。
【0130】
また、導電性支持体と感光層の間には、バリアー機能と接着機能を持つ下引き層(結着層)を設けることができる。下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。下引き層には、カゼイン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウム等によって形成できる。下引き層の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、0.2〜3μmであることがより好ましい。
【0131】
本発明に用いられる電荷発生材料としては、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、インジコ顔料、多環キノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、スクアリリウム染料、シアニン染料、キサンテン色素、キノンイミン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウム及び酸化亜鉛等が挙げられる。
【0132】
電荷発生層用塗料に用いる溶剤は、使用する樹脂や電荷発生材料の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としては、アルコール類、スルホキシド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類及び芳香族化合物等を用いることができる。
【0133】
電荷発生層は、前記の電荷発生材料を質量基準で0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶媒と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等の方法で均一に分散し、塗布し、乾燥されて形成される。その厚みは、5μm以下が好ましく、特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。
【0134】
電荷輸送材料としては、ヒドラゾン系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリールメタン系化合物及びポリアリールアルカン系化合物等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0135】
電荷輸送層は、一般的には前記の電荷輸送材料と結着樹脂を溶媒に溶解し、塗布して形成する。電荷輸送材料と結着樹脂との混合割合は、質量比で2:1〜1:2程度である。溶媒としては、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル及び酢酸エチル等のエステル類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素等の塩素系炭化水素類等が用いられる。この溶液を塗布する際には、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法及びスピンナーコーティング法等のコーティング法を用いることができ、乾燥は10℃〜200℃が好ましく、より好ましくは20℃〜150℃の範囲の温度であり、好ましくは5分〜5時間、より好ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥または静止乾燥下で行うことができる。
【0136】
電荷輸送層を形成するのに用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂等から選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0137】
また、電荷発生層あるいは電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び潤滑剤等の種々の添加剤を含有させることができる。
【0138】
更に、前記感光層上に、前記電荷注入層を塗布、硬化させて成膜する。また、逆に電荷輸送層の上に電荷発生層を塗布した後に前記電荷注入層を塗布、硬化してもよい。
【0139】
非磁性導電性粒子が電子写真感光体へ付着し、被覆するかしないか、あるいは被覆量を決定する要素としては、物理的付着(埋め込み、固着及び吸着等)、化学的付着(反応)及び/または電気的付着(静電気力)があり、それらの総合的な効果として被覆量に差が生じると思われる。すなわち電子写真感光体表面の撥水性や、極性、表面硬度、摩擦帯電性などが影響し、それらの微妙なバランスで被覆量が決定すると思われる。本発明の電子写真感光体においてフェノール樹脂を主成分とする電荷注入層を有し電子写真感光体が好ましい。
【0140】
被覆量は電子写真感光体を電子写真装置に組み込んだ直後の数枚から数十枚では変化が大きいが電子写真感光体を電子写真装置に組み込む前に予め該非磁性導電粒子を塗布することによって上記の変化量が少なくなり、被覆量が安定し好ましい。
【0141】
接触帯電の内、粒子を用いた注入帯電は、環境安全、部材劣化及び低電力の点で優れた帯電手段である。しかしながら、更なる高画質化が進む昨今、帯電性を様々な環境で確保し、かつ高画質との両立をすることが必要となってきた。
【0142】
本発明者らは、様々な環境で帯電性と高画質を両立する手段として、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を順に備え、帯電手段が接触帯電手段である電子写真装置に用いる電子写真感光体において、画像形成時に電子写真感光体表面の帯電手段から現像手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に、体積抵抗率が1×109Ωcm以下、比表面積が5×105(cm2/cm3)以上1×107以下、体積基準の50%平均粒径であるメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下の非磁性導電性粒子が付着し、被覆率a(%)が1%以上20%以下であることを特徴とする電子写真感光体を用いることで効果が得られることがわかった。
【0143】
その理由として以下のように考える。
【0144】
注入帯電手段を用いた場合、電子写真感光体の表面層の抵抗を低くした方が、帯電手段から電子写真感光体への電荷の注入が効率よく行われ、帯電性が向上する。しかし、電子写真感光体の表面層の抵抗を低くする方法として表面層のバルク抵抗を下げた場合、画像ボケ/流れが発生したりドット再現性の低下が起こり画質が低下し帯電性と高画質の両立が困難である。
【0145】
従って、表面層の表面抵抗を下げることで電荷の注入効率を上げ帯電性を良くし、かつバルク抵抗は高く維持し、ドット再現性を悪化させないことが理想である。
【0146】
即ち、帯電手段から現像手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分の電子写真感光体の表面に体積抵抗率が1×109Ωcm以下、比表面積が5×105(cm2/cm3)以上1×107以下、体積基準の50%平均粒径であるメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下の非磁性導電性粒子が付着することで、表面抵抗を下げる手段となっていると思われる。よって非磁性導電性粒子の体積抵抗率が1×109Ωcmより高いと帯電性が悪くなり、比表面積、あるいは体積基準のメジアン径(D50)が上記範囲外のときには粒子が脱落し易くなり、電子写真感光体の被覆が十分できずやはり帯電性が悪くなる。帯電手段で存在する粒子量は帯電手段直後の部分の粒子に反映され帯電性が判断できると考えられる。
【0147】
一方、本発明の体積抵抗率が1×109Ωcm以下、比表面積が5×105(cm2/cm3)以上1×107以下、体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下の非磁性導電性粒子が帯電手段から現像手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に電子写真感光体の表面を被覆する被覆率(a%)は1%以上20%以下であり得に好ましくは2%以上12%以下であるが、被覆率が1%未満の場合には環境によっては帯電性が不十分な場合があり、特に低湿下で厳しい。20%を超えると、画像流れ/ボケが発生したり、ドット再現性が悪くなる。特に高湿下が厳しい。転写手段から帯電手段の間に相当しかつ画像域に相当する部分の被覆率b(%)は帯電性の点から大きい方が好ましく、a%よりも大きい方が好ましいが大き過ぎると帯電手段で十分回収できなかったりするため、4%以上30%以下である必要がある。好ましくは7%以上25%以下である。
【0148】
帯電手段から現像手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に電子写真感光体の被覆率に対する影響が最も大きいが、これは帯電、露光で作製された潜像が現像までの間に流れたり、あるいは被覆している導電性粒子のため、露光手段による露光光が感光体表面で遮蔽されたり散乱したりすることで起こると考えられる。またこの理由から該粒子はできるだけ無色あるいは白色に近い方が好ましい。
【0149】
体積抵抗率が1×109Ωcm以下、比表面積が5×105(cm2/cm3)以上1×107以下、体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下の非磁性導電性粒子は予め電子写真感光体に塗布し付着させておいても効果がある。ただし、この場合も画像作成時の前記位置での該粒子の被覆率a(%)は1%以上20%以下である必要がある。
【0150】
電子写真感光体の表面層の抵抗(バルク抵抗、表面抵抗)は電子写真感光体とは別に次の試料を作製し、以下のようにして測定した。まず、電極間距離(D)180μm、長さ(L)5.9cmのクシ型金電極上に、厚さ(T)5μmの前記表面層を設けた試料を複数準備した。次に試料を12.5℃、5.5%RH下または40.5℃、80%RH下で一晩放置し、それぞれの環境下でクシ型電極間に100Vの直流電圧(V)を印加したときの電流値(I)をpA(ピコアンペア)メーターによって測定した。下記式(2)、(3)によってそれぞれバルク抵抗ρv、表面抵抗ρsを得る。ただし、注入帯電の注入性を決める表面抵抗は前記非磁性導電性粒子の付着を加味する必要があり、粒子付着の状態での表面抵抗の測定は難しい。ここで言う表面抵抗は電子写真感光体単体の物性である。
【0151】
【数1】
Figure 0003854891
【0152】
バルク抵抗ρvが2×1011Ωcm未満の時は画像流れ/ボケが発生する。
【0153】
帯電手段から現像手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に電子写真感光体の表面を被覆している粒子あるいは転写手段から帯電手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に電子写真感光体の表面を被覆している粒子の物性と被覆率は次のようにして測定できる。
【0154】
(粒子物性評価)
まず、該当する部分に付着した粒子を刷毛等で回収する。回収した粒子を次のように体積抵抗率、比表面積、非磁性粒子の同定を評価する。
【0155】
(体積抵抗率)
抵抗測定は、以下のように行った。円筒形の金属製セルに試料を充填し、試料に接するように上下に電極を配し、上部電極には荷重7kgf/cm2を加える。この状態で電極間に電圧Vを印加し、その時に流れる電流I(A)から本発明の抵抗(体積抵抗率RV)を測定する。この時電極面積をScm2、試料厚みをM(cm)とすると
RV(Ωcm)=100V×Scm2/I(A)/M(cm)である。
【0156】
本発明では、電極と試料の接触面積2.26cm2とし、電圧V=100Vで測定した。
【0157】
(比表面積)
まず、BET法に従い、比表面積測定装置「ジェミニ2375 Ver.5.0」(島津製作所社製)を用いて資料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いてBET比表面積(cm2/g)を算出する。
【0158】
次に、乾式自動密度計「Accupyc 1330」(島津製作所社製)を用いて真密度(g/cm3)を求める。この際、10cm3の試料容器を用い、試料前処理としてはヘリウムガスパージを最高圧19.5psig(1.34E5Pa)で10回行う。この後、容器内圧力が平衡に達したか否かの圧力平衡判定値として、試料室内の圧力の振れが0.0050/minを目安とし、この値以下であれば平衡状態とみなして測定を開始し、真密度を自動測定する。測定は5回行い、その平均値を求め、真密度とする。
【0159】
ここで、比表面積は以下のようにして求まる。
【0160】
比表面積(cm2/cm3)=BET比表面積(cm2/g)×真密度(g/cm3
【0161】
(粒径)
レーザ回折式粒度分布測定装置「LS−230型」(コールター社製)にリキッドモジュールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径を測定範囲とし、得られる体積基準の粒度分布により粒子のD50を算出する。測定は、メタノール10mlに粒子を約10mg加え、超音波分散機で2分間分散した後、測定時間90秒間、測定回数1回の条件で測定を行う。
【0162】
(非磁性粒子の同定)
粒子を薄膜のペレット状に成形し、蛍光X線分析装置RIX−3000((株)リガク製)にて構成する原子を同定した。
【0163】
(被覆率)
本発明の非磁性導電性粒子はほぼ無色あるいは白色である。この特性を利用し、反射濃度で測定する。
【0164】
即ち、画像作成後の電子写真感光体の帯電手段から現像手段に相当しかつ画像域に相当する部分に粘着性ポリエステルテープを貼り、電子写真感光体に付着した粒子と共に剥がす。
【0165】
剥がしたポリエステルテープを黒紙に貼り付ける。貼り付けたテープの上から反射濃度RCを測定する。反射濃度はX−Rite404A(X−Rite社製)にて測定色をビジュアルにして測定する。黒紙にポリエステルテープのみを貼り付けた場合の反射濃度RC(0)と黒紙上にゼロックス社製コピー用紙Xx4024を5枚敷きその上からポリエステルテープを貼り、反射濃度RC(100)を測定する。被覆率は次の式(4)にて算出する。
【0166】
被覆率(%)=(RC−RC(0))/(RC(100)−RC(0))×100
(4)
電子写真感光体の転写手段から帯電手段に相当しかつ画像域に相当する部分の被覆率(b%)も同様の方法で測定する。
【0167】
予め電子写真感光体に前記粒子を塗布してから電子写真装置に組み込み使用してもさしつかえないが、その場合の前記粒子の電子写真感光体への被覆率も上記と同様の方法で測定する。該被覆率を被覆率(c%)とする。
【0168】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明の実施の形態は、これらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0169】
(実施例1)
φ24mm×246mmのアルミニウムシリンダーを支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)の5質量%メタノール溶液を浸漬コーティング法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引き層を設けた。
【0170】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶3.5部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)1部をシクロヘキサノン120部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これに酢酸エチル120部を加えて希釈して電荷発生層用塗工液を調製した。下引き層上に、この電荷発生層用塗工液を浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0171】
次いで、下記式(5)で示される電荷輸送材料10部
【0172】
【化2】
Figure 0003854891
【0173】
及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−200、三菱ガス化学(株)製)10部をモノクロロベンゼン100部に溶解した。この塗工液を電荷発生層上に塗布し、105℃で1時間をかけて熱風乾燥して、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0174】
次に、電荷注入層として、下記式(6)で示される化合物で表面処理した(処理量7.2%)アンチモンドープ酸化スズ超微粒子20部、
【0175】
【化3】
Figure 0003854891
【0176】
メチルハイドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF99、信越シリコーン(株)製)で表面処理した(処理量12%)アンチモンドープ酸化スズ微粒子30部、エタノール150部をサンドミルにて66時間かけて分散を行い、更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)20部を加えて2時間分散を行った。その後、レゾール型熱硬化型フェノール樹脂(商品名:XPL−8264B、群栄化学工業(株)製)を樹脂成分として50部を溶解して、調合液とした。
【0177】
この調合液を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬コーティング法により、膜を形成し、155℃の温度で1時間熱風乾燥して電荷注入層を得た。この時、得られた電荷注入層の膜厚は、薄膜のため光の干渉による瞬間マルチ測光システムMCPD−2000(大塚電子(株)製)を用いて測定し、その膜厚は4.5μmであった。より正確な膜厚測定としては、感光体の膜の断面をSEM等で直接観察測定することもできる。また、電荷注入層調合液の分散性は良好で、膜表面はムラのない均一な面であった。
【0178】
前述した方法で電荷注入層の抵抗を測定した。その結果を表4に示す。
【0179】
電子写真感光体の表面に被覆率c%が20%となるように刷毛で均一に体積抵抗率1×106Ωcm、比表面積2.8×106(cm2/cm3)、体積基準のメジアン径(D50)が1.4μmの非磁性導電性の酸素欠損型酸化スズを塗布した電子写真感光体を実施形態1の電子写真装置に装着して評価した。帯電粒子には体積抵抗率1×106Ωcm、比表面積2.8×106(cm2/cm3)、体積基準のメジアン径(D50)が1.4μmの非磁性導電性の酸素欠損型酸化スズを用いた。体積抵抗率、比表面積、体積基準のメジアン径は前述の方法で測定した。
【0180】
電子写真感光体を装着した電子写真装置を12.5℃、5.5%RH下または40.5℃、80%RH下でそれぞれ一晩放置し、白ベタ画像、文字画像(印字比率4%)を100枚連続プリントし、初期評価を行った。その後1000枚連続プリントした。これらの画像で評価した。結果を表4に示す。画像ランクを1〜10でランク分けした。10が最もよく、1が最も悪いことを示す。本発明においては、5までを本発明の顕著な効果が得られたものとした。1〜10のランクは初期100枚、1000枚連続後の画像をドット再現等でランク分けした。
【0181】
初期100枚連続プリント後の被覆率(a%、b%)を測定した。その結果を表4に示す。
【0182】
(実施例2)
電子写真感光体の電荷注入層のポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)20部を45部に変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。その結果を表4に示す。
【0183】
(実施例3)
電子写真感光体の電荷注入層のポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)20部を60部に変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。その結果を表4に示す。
【0184】
(実施例4)
電子写真感光体の電荷注入層のポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)20部を0部に変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。その結果を表4に示す。
【0185】
(実施例5)
電子写真感光体の電荷注入層のレゾール型熱硬化型フェノール樹脂(商品名:XPL−8264B、群栄化学工業(株)製)50部を下記式(7)のアクリルモノマー70部に変え、更に
【0186】
【化4】
Figure 0003854891
【0187】
下記式(8)の光重合開始剤8部を加えて調合液とした。
【0188】
【化5】
Figure 0003854891
【0189】
この塗料を前記電荷輸送層上に浸漬コーティングし、熱風乾燥せずにメタルハライドランプにて1.20×10-5W/m2の光強度で30秒間紫外線照射して光硬化を行い、その後120℃で1時間40分熱風乾燥して、膜厚が6μmの電荷注入層を形成した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表4に示す。
【0190】
(比較例1)
実施例5において、電子写真感光体の表面に被覆率c%が3%になるように刷毛で均一に体積抵抗1×105Ωcm、比表面積4×104(cm2/cm3)、体積基準のメジアン径(D50)が0.7μmの非磁性導電性の酸素欠損型酸化スズを塗布し電子写真装置に装着し、電子写真装置に用いる帯電粒子も上記粒子に変え評価した。その結果を表4に示す。
【0191】
(比較例2)
電荷注入層を次のように作製した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、被覆率c%が20%となるように刷毛で均一に体積抵抗率1×106Ωcm、比表面積2×107(cm2/cm3)、体積基準のメジアン径(D50)が0.35μmの非磁性導電性の酸素欠損型酸化スズを電子写真感光体の表面に塗布し電子写真装置に装着し、電子写真装置に用いる帯電粒子も上記粒子に変え評価した。評価した。その結果を表4に示す。
【0192】
下記式(9)の電荷輸送材料4部及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−200、三菱ガス化学(株)社製)3部を
【0193】
【化6】
Figure 0003854891
【0194】
をテトラヒドロフラン200部及びシクロヘキサノン60部に溶解し、αAl23粒子(平均粒径0.2μm)を1.2部添加し、攪拌混合して電荷注入層塗工液を得た。電荷輸送層上にこの電荷注入層塗工液をスプレー塗布し、膜厚4μmの電荷注入層を得た。
【0195】
(実施例6)
電子写真感光体の電荷注入層のレゾール型熱硬化型フェノール樹脂(商品名:XPL−8264B、群栄化学工業(株)製)50部をレゾール型熱硬化型フェノール樹脂(商品名:PL−5294、群栄化学工業(株)製)50部に代えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0196】
被覆率cが5%となるように刷毛で均一に体積抵抗率1×106Ωcm、比表面積2.8×106(cm2/cm3)、体積基準のメジアン径(D50)が1.4μmの非磁性導電性の酸素欠損型酸化スズを電子写真感光体の表面に塗布し電子写真装置に装着し、電子写真装置に用いる帯電粒子も上記粒子に変え評価した。その結果を表4に示す。
【0197】
(実施例7)
電子写真感光体を次のように作製した。φ24mm×246mmのアルミニウムシリンダーを支持体として、下引き層を設けず、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°、9.7°、24.2°及び27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン結晶3.5部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)1部をシクロヘキサノン120部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これに酢酸エチル120部を加えて希釈して電荷発生層用塗工液を調製し、この電荷発生層用塗工液を浸漬コーティングし、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0198】
下記式(10)の電荷輸送材料58部、
【0199】
【化7】
Figure 0003854891
【0200】
下記式(11)の電荷輸送材料12部、
【0201】
【化8】
Figure 0003854891
【0202】
下記式(12)の酸化防止剤17部
【0203】
【化9】
Figure 0003854891
【0204】
下記式(13)の添加剤2部
【0205】
【化10】
Figure 0003854891
【0206】
及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(商品名:Z−200、三菱ガス化学(株)製)100部をモノクロロベンゼン100部に溶解した。この塗工液を電荷発生層上に塗布し、105℃で1時間をかけて熱風乾燥して、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0207】
この上に電荷注入層を設けず電子写真感光体を作製した。
【0208】
被覆率c%が30%となるように刷毛で均一に体積抵抗率1×106Ωcm、比表面積2.8×106(cm2/cm3)、体積基準のメジアン径(D50)が1.4μmの非磁性導電性の酸素欠損型酸化スズを電子写真感光体の表面に塗布し電子写真装置に装着し、電子写真装置に用いる帯電粒子も上記粒子に変え評価した。その結果を表4に示す。
【0209】
(実施例8)
実施例1において予め電子写真感光体に塗布する非磁性導電性粒子及び帯電粒子を体積抵抗率1.5×106Ωcm、比表面積2.0×106(cm2/cm3)、体積基準のメジアン径(D50)が2.2μmの酸化亜鉛に変えた以外は実施例1と同様に評価した。その結果を表4に示す。
【0210】
(比較例3)
実施例8において予め電子写真感光体に塗布する非磁性導電性粒子及び帯電粒子を体積抵抗率1.5×106Ωcm、比表面積3.0×104(cm2/cm3)、体積基準のメジアン径(D50)が3.8μmの酸化亜鉛に変えた以外は実施例8と同様に評価した。その結果を表4に示す。
【0211】
(比較例4)
比較例1の電荷注入層においてアクリルモノマーを50部とした以外は比較例1と同様に電子写真感光体を作製した。
【0212】
被覆率c%が5%となるように刷毛で均一に体積抵抗率1×106Ωcm、比表面積2×107(cm2/cm3)、体積基準のメジアン径(D50)が0.3μmの非磁性導電性の酸素欠損型酸化スズを電子写真感光体の表面に塗布し電子写真装置に装着し、電子写真装置に用いる帯電粒子も上記粒子に変え評価した。その結果を表4に示す。
【0213】
(比較例5)
比較例2において電荷注入層の塗工液において更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)30部を加えて2時間分散を行った。この電荷注入層塗工液を用いた以外は比較例2と同様に電子写真感光体を作製した。
【0214】
電子写真感光体に塗布する粒子及び帯電粒子として体積抵抗率1×106Ωcm、比表面積4×105(cm2/cm3)、体積基準のメジアン径(D50)が4.4μmの非磁性導電性の酸素欠損型酸化スズを用い評価した。その結果を表4に示す。
【0215】
【表4】
Figure 0003854891
【0216】
【発明の効果】
本発明によれば、厳しい環境の低湿及び高湿環境を含め帯電性をより向上させ、帯電性不足による画像濃度ムラや、砂地状のトナーかぶりあるいはポジゴースト等の現象が起こらず、また画像流れが生じず、ドット再現性の良い、繰り返し使用しても安定して高品位の画像を得ることのできる電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 形態1の画像記録記録装置の概略図。
【図2】 実施形態1の画像記録記録装置の概略図。
【図3】 帯電ローラの抵抗値測定方法の説明図。
【図4】 感光ドラムの層構成模式図。
【符号の説明】
1 被帯電体(電子写真感光体)
1a 注入層付き感光ドラム
1b 注入層無しの感光ドラム
11 アルミドラム基体(Alドラム基体)
12 下引き層
14 電荷発生層
15 電荷輸送層
16 電荷注入層
16a 導電性粒子
2A 帯電ローラ
2a 芯金
2b 弾性層
4 レーザ露光装置
5 2成分現像装置
51 現像スリーブ
52 磁石(マグネットロール)
53a、53b 現像剤攪拌スクリュー
55 トナー排出口
56 搬送スクリュー
57 隔壁
58a 第1室(現像室)
58b 第2室(攪拌室)
59 ブレード 6 転写帯電器
6a 芯金
6b 弾性層
7 定着装置
8 ドラムクリーナ
8a クリーニングブレード
8b 廃トナー容器
60 1成分磁性現像装置
60a 芯金
60b 中抵抗発泡層
60c ドクターブレード
60d 攪拌羽
60e 現像器枠
91 ガード電極
92 主電極
93 絶縁体ドラム
100 帯電粒子供給器
120 磁気ブラシ帯電部材
121 帯電スリーブ
122 マグネットロール
123 ケーシング
124 磁気ブラシ層(磁気ブラシ部)
125 磁気ブラシ層厚規制ブレード
a 現像部位
b 転写ニップ部
C 導電磁性粒子
Cd 磁性キャリア
L レーザー露光光
m 帯電粒子(帯電導電性粒子)
n 帯電接触部
P 転写材
S1〜S5 印加電源
t 現像剤
t+Cd 2成分現像剤
t+m 混合剤

Claims (6)

  1. 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を順に備え、前記帯電手段が接触帯電手段である電子写真装置に用いる電子写真感光体において、
    画像形成時に前記電子写真感光体表面の前記帯電手段から前記現像手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に、体積抵抗率が1×109Ωcm以下、比表面積が5×105cm2/cm3以上1×107cm2/cm3以下、体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下の非磁性導電性粒子が付着し、その部分において付着した前記非磁性導電性粒子が前記電子写真感光体の表面を被覆する被覆率を被覆率a(%)としたとき、前記被覆率a(%)が1%以上20%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を順に備え、前記帯電手段が接触帯電手段である電子写真装置に用いる電子写真感光体において、
    画像形成時に前記電子写真感光体表面の前記転写手段から前記帯電手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に、体積抵抗率が1×109Ωcm以下、比表面積が5×105cm2/cm3以上1×107cm2/cm3以下、体積基準のメジアン径(D50)が0.4μm以上4.0μm以下の非磁性導電性粒子が付着し、その部分において付着した前記非磁性導電性粒子が前記電子写真感光体の表面を被覆する被覆率を被覆率b(%)としたとき、前記被覆率b(%)が4%以上30%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  3. 画像形成時に前記電子写真感光体の表面の前記帯電手段から前記現像手段の間に相当し、かつ画像域に相当する部分に、体積抵抗率が1×10 9 Ωcm以下、比表面積が5×10 5 cm 2 /cm 3 以上1×10 7 cm 2 /cm 3 以下、体積基準のメジアン径(D 50 )が0.4μm以上4.0μm以下の非磁性導電性粒子が付着し、その部分において付着した前記非磁性導電性粒子が前記電子写真感光体の表面を被覆する被覆率を被覆率a(%)としたとき、前記被覆率b%が前記被覆率a%より大きい請求項に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電子写真感光体の表面層が電荷注入層である請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 電子写真装置に着脱自在であり、少なくとも電子写真感光体と帯電手段とを一体にしたプロセスカートリッジにおいて、
    前記電子写真感光体が請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を順に備えた電子写真装置において、前記電子写真装置に用いる電子写真感光体が請求項1〜のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置。
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