JP3854705B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体上に高品位の画像を得ることができるインクジェット記録装置に関し、詳しくは、記録媒体上に記録インクおよび記録インク中の色材を不溶化または凝集させる画質向上剤等の処理液を吐出して記録を行なうインクジェット記録装置に関する。
【0002】
本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用紙等、さらには金属等の記録媒体を用いる機器すべてに適用可能である。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機器等を挙げることができる。
【0003】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録方式は、低騒音、低ランニングコスト、装置が小型化しやすい、カラー化が容易、等からプリンタや複写機等に利用されている。
【0004】
しかしながら、インクジェット記録方式を応用したこれらの記録装置により、所謂普通紙と呼ばれる記録媒体上に画像を得る場合、画像の耐水性が不十分であったり、また、カラー画像を得る場合には、フェザリングの生じない高濃度の画像と色間のにじみの生じない画像とを両立させることができず、良好な画像堅年性でかつ良好な品位のカラー画像が得られていなった。
【0005】
画像の耐水性を向上させる方法としてインク中に合まれる色材に耐水性を持たせたインクも近年では実用化されてきている。しかしながらその耐水性はまだまだ不十分であるとともに、原理的に乾燥後、水に溶解しにくいインクであるために、記録ヘッドのノズル詰まりが生じやすく、これを防止するために装置構成が複雑になってしまう欠点があった。
【0006】
また、従来より被記録物の堅牢性を向上させる技術が多数開示されている。特開昭53−24486号公報では染色物の湿潤堅年度を増進させるために、染色物を後処理することで染料をレーキ化し固着させる技術が開示されている。
【0007】
特開昭54−43733号公報ではインクジェット記録方式を用いて、相互に接触すると常温または加熱時に被膜形成能が増大する2以上の成分を用いて記録する方法が開示されており、記録媒体上で各成分が接触することで強固に密着した被膜を形成した印刷物を得ている。
【0008】
特開昭55−150396号公報でも水性染料インクをインクジェット記録後に、染料とレーキを形成する耐水化剤を付与する方法が開示されている。
【0009】
特開昭58−128862号公報では記録すべき画像位置をあらかじめ識別し、記録インクと処理インクとを重ねて記録するインクジェット記録方式が開示されており、記録インクに先立って処理インクで描いたり、先に描かれた記録インク上に処理インクを重ねたり、先に描かれた処理インク上に記録インクを重ね、さらに処理インクを重ねて描いたりする方法が開示されている。
【0010】
しかしながら、これらの公報にはインクジェット記録装置に特有である吐出信頼性維持のための回復手段、ヘッド構成、タンク構成や記録画像の品位向上の為の印字モード等については開示されていない。
【0011】
一方、インクジェット記録方式には元来、次のような特有の問題がある。
【0012】
その1は、 記録ヘッドからインク液滴を紙、OHPフィルムなどの記録媒体に吐出させて記録するため、吐出した主インク滴以外に発生した微細なインク滴(ミスト)や記録媒体へ吐出したインク滴の跳ね返りなどによって記録ヘッドの吐出口面にインクが付着し、これが吐出口の周りに多量に集まったり、又これに紙粉等の異物が付着すると吐出が阻害されて思わぬ方向に吐出したり(ヨレ)、インク液滴が吐出しない(不吐出)といった弊害を引き起こす。
【0013】
その2は、記録ヘッドは非印字時、正確には長期にわたって吐出をしていないとノズル内のインクが蒸発乾燥してしまい、増粘・固化したインクがノズル内に詰まってヨレや不吐出などの吐出不良を引き起こす。
【0014】
これらのため、インクジェット記録方式では、こうした不都合を解消すべく回復手段を有している。
【0015】
その1で述ベたミストや記録媒体からのインク滴の跳ね返りによる吐出口面の不要なインクおよび紙粉等の異物を清掃除去する手段としてゴムなどの弾性部材で形成したブレードで吐出口面を掃拭(ワイピング)する構成を一般的に採用している。
【0016】
その2で述べた問題を解消するための手段として一般的に次のような構成を採用している。非記録時にキャップをして記録ヘッドのノズル内のインクが蒸発乾燥して増粘・固着するのを防いでいる。また、増粘・固着して吐出不良を起こしたり、ブレードで除去できなかった吐出口面の異物などは、キャップに接続された吸引ポンプでノズル内の増粘インクを排出し、正常な吐出に回復することを行っている。さらに、オンデマンド型のインクジェット記録方式の記録動作においては、一つの記録ヘッドに設けられた複数の吐出口の全てを常に使用しているわけではない、ある時間以上使用されない不使用ノズルがある。また、カラー記録装置のように複数の記録ヘッドを有する場合でも、記録データが転送されない(記録をしない)記録ヘッド、すなわち不使用の記録ヘッドがある場合もある。このように吐出口面がキャップされない状態でキャリッジを走査または停止されると、ある時間連続してインク吐出が行われない吐出口面および吐出口内のインクが蒸発乾燥してしまい、結果として吐出性能の低下、記録画像の低下を引き起こしてしまう。この現象を防止するためにインクジェット記録装置では、一般的にある時間間隔毎に記録データとは無関係に所定の場所でインクの吐出を行い、ノズル内のインクを排出してフレッシュなインクにすることによって吐出状態を常に適性に保つことが行われている。この様なインク吐出動作のことは予備吐出と呼ばれている。
【0017】
上記予備吐出による吐出インクは、記録媒体や記録装置内部に飛散して汚れが発生しないように、回復系ユニットのキャップ内や別に設けた予備吐出ポジションと呼ばれる場所に向けて吐出される。
【0018】
インクと処理液を吐出するインクジェット記録装置において、上記問題点を解決するキャップ、ポンプ、ワイピング、予備吐出構成として、インク用と処理液用とを独立に設ける構成が特開平8−281968号公報(特願平7−202635号)により提案されている。
【0019】
特に、ワイピング構成に関しては、キャリッジの主走査方向にワイピングする場合に、インクと処理液とでワイピング方向を異ならせる構成が提案されている。しかしながら、記録装置内でのインクの凝集固着等のない高信頼性とワイピング機構の簡易性との両立という点においていまだ不十分である。
【0020】
高画質化に伴い、濃淡インク等のノズル列が増えるインクジェットヘッドの場合、ノズル列に対応する数だけのブレードを設けてワイピングする構成では、そのままコストアップとなってしまう。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の一つは、普通紙上であっても従来よりも優れた耐水性を示し、また、フェザリングやカラー記録の際の色間のにじみが生じない高品位且つ高信頼な画像記録と記録装置内でのインクの凝集固着やヘッドの目詰まりのない高信頼性とを両立させたインクジェット記録装置を提供することにある。
【0022】
本発明の他の目的は、前述した様な記録装置内でのインクの凝集固着等のない高信頼性とワイピング機構の簡易性とを両立させたインクジェット記録装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録装置は、記録液を吐出する記録液吐出口列が設けられた記録液吐出部と、記録液に対して処理を行うための処理液を吐出する処理液吐出口が設けられた処理液吐出部と、が配されて移動を行うためのキャリッジと、記録液吐出部をワイピングするための記録液用ワイピング部材と、処理液吐出部をワイピングするための処理液用ワイピング部材と、を有し、記録液吐出口列の方向とほぼ平行に移動するアーム部材と、を備え、キャリッジが第1の位置に停止しているときにアーム部材を移動させることにより、記録液用ワイピング部材と処理液吐出部とが当接することなく処理液用ワイピング部材により処理液吐出部をワイピングし、キャリッジが第2の位置に停止しているときにアーム部材を移動させることにより、処理液用ワイピング部材と記録液吐出部とが当接することなく記録液用ワイピング部材により記録液吐出部をワイピングすることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置においては、処理液を、記録液中の色材を溶媒に対して不溶化する液体とするのが好適である。
また、本発明のインクジェット記録装置の記録液吐出部は、ブラックの記録液を吐出する吐出口の列と、イエロー、マゼンタ及びシアンの記録液をそれぞれ吐出する吐出口の列と、を含み、処理液吐出部とともに記録ヘッドを形成するものであってもよい。
あるいは、記録液吐出部は、ブラックの記録液を吐出する吐出口の列と、イエロー、マゼンタ及びシアンの記録液をそれぞれ吐出する吐出口の列と、イエローより濃いイエロー、マゼンタより濃いマゼンタ及びシアンより濃いシアンの記録液をそれぞれ吐出する吐出口の列と、を含み、処理液吐出部とともに記録ヘッドを形成するものであってもよい。
また、本発明のインクジェット記録装置の記録液吐出部は、ワイピングの方向を、記録ヘッドに応じて異ならせるものであってもよい。
また、本発明のインクジェット記録装置の各ワイピング部材は、各吐出部に当接しない第一退避位置と第二退避位置とをとり得るものであってもよい。
また、本発明のインクジェット記録装置は、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えているものであってもよく、さらには、電気熱変換体が発生する熱エネルギーによって、液体に生ずる膜沸騰を利用して各吐出口より液体を吐出させるものであってもよい。
本発明の好ましい実施態様では、インク中の染料を不溶化させる化合物を含む無色または淡色の液体を予め記録媒体に対し画情報に応じて吐出させた後、一色もしくは複数色のインクを記録媒体に対し画情報に応じて吐出させるインクジェット記録装置において、インク中の染料を溶媒に対して不溶化する処理液を吐出させるインクジェットヘッドの吐出口面を清浄化するためのワイピング手段をインクジェットヘッドのノズル列方向に移動させてワイピングする構成とし、ワイピングを行なう場合のキャリッジの停止位置を、インクジェットヘッドのノズル列に応じて移動する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明によるインクジェット記録装置は、記録液を吐出する記録液吐出口が設けられた記録液吐出部と、記録液に対して処理を行うための処理液を吐出する処理液吐出口が設けられた処理液吐出部と、が配されて移動を行うためのキャリッジと、
該キャリッジの移動が停止しているときに、前記記録液吐出口が配された面のワイピングを専用に行うための記録液用ワイピング部材と、
前記キャリッジの移動が停止しているときに、前記処理液吐出口が配された面のワイピングを専用に行うための処理液用ワイピング部材と、
を有し、前記キャリッジの停止位置を変更することにより、前記記録液用ワイピング部材と前記処理液用ワイピング部材とのそれぞれによる専用のワイピングを行うことを特徴とする。
【0025】
前記処理液は、記録液中の色材を溶媒に対して不溶化する液体であることを特徴とする。
【0026】
前記記録液吐出部は、ブラックの記録液を吐出する吐出口の列と、イエロー、マゼンタ及びシアンの記録液をそれぞれ吐出する吐出口の列と、を含み、前記処理液吐出部とともに記録ヘッドを形成することを特徴とする。
【0027】
前記記録液吐出部は、ブラックの記録液を吐出する吐出口の列と、イエロー、マゼンタ及びシアンの記録液をそれぞれ吐出する吐出口の列と、前記イエローより濃いイエロー、前記マゼンタより濃いマゼンタ及び前記シアンより濃いシアンの記録液をそれぞれ吐出する吐出口の列と、を含み、前記処理液吐出部とともに記録ヘッドを形成することを特徴とする。
【0028】
前記各ワイピング部材の先端のワイピング動作時の軌跡は前記吐出口の列の方向に対してほぼ平行であることを特徴とする。
【0029】
前記ワイピングの方向を、前記記録ヘッドに応じて異ならせることを特徴とする。
【0030】
前記各ワイピング部材は、前記各吐出部に当接しない第一退避位置と第二退避位置をとり得ることを特徴とする。
【0031】
前記記録装置は、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする。
【0032】
前記電気熱変換体が発生する熱エネルギーによって、液体に生ずる膜沸騰を利用して前記各吐出口より液体を吐出させることを特徴とする。
【0033】
【実施例】
次に本発明によるインクジェット記録装置を図面を参照して具体的に説明する。
【0034】
(実施例1)
図1〜図4に本発明によるインクジェット記録装置を示す。
【0035】
図1において、符号6はキャリッジであり、図2に示すように、ホームポジションにおいて印字領城に近いほうから、処理液Sのノズル列とブラックインクBKのノズル列とカラーインクYMCのノズル列とが横並びに配されたノーマル用記録ヘッド8と、処理液Sのインクタンク9Sと色インクタンク9BK、9C、9M、9Y等のインクタンク9が搭載可能である(図5(a)参照)。カラーインクYMCのノズル列はイエロー、マゼンタ、シアンのインクの各ノズル列がほぼ一直線上に縦並びになって構成されている。
【0036】
また図5(c)に示す符号88は、高画質化のための乗せ換え可能なオプション用記録ヘッドであり、処理液Sのノズル列とブラックインクBKのノズル列と淡カラーインクYMCのノズル列と濃カラーインクYMCのノズル列とが横並びになっている。
【0037】
記録ヘッド8はキャリッジ6上のコネクタ6022を介し電気的に接続される。
【0038】
記録ヘッド8は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、記録ヘッド8は電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰により気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行なうものである。
【0039】
図8は、記録ヘッド8のインク吐出部の構造を摸式的に示す部分斜視図である。図8において、記録媒体と所定の隙間(例えば、約0.5〜2.0ミリ程度)をおいて対面する吐出口形成面81には、所定のピッチで複数の吐出口82がノズル列を形成する様にして設けられ、共通液室83と各吐出口82とを連通する各液路84の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)85が配設されている。
【0040】
記録ヘッド8は、吐出口82がキャリッジ6の走査(移動)方向と交差する方向に並ぶような位置関係で、キャリッジ6に搭載されている。こうして、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体85を駆動(通電)して、液路84内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口82からインクを吐出させる記録ヘッド8が構成されている。
【0041】
また記録ヘッド8には処理液のインクタンク9Sと色インクタンク9BK、9C、9M、9Yからのインク供給を行なう色インク毎のインク供給口8030(処理液8030S、ブラック8030BK、シアン8030C、マゼンタ8030M、イエロー8030Y、)があり、そこからヘッド内の流路を通り記録ヘッドの各ノズルへインクが供給される。
【0042】
図1に示すように、略コ字状のシャーシ1の両側壁には、キャリッジ6を摺動自在に支持するガイドシャフト4およびサポートシャフト103が配設されている。これら両シャフト上を主走査方向に往復移動するキャリッジ6の駆動力は、駆動ベルト10を介してキャリッジモータ104から与えられる。
【0043】
また、紙などの記録媒体(不図示)の挟持搬送は、プラテンローラ2およびピンチローラ3により行なわれ、プラテン16上に記録媒体が搬送される。この時、キャリッジ6に搭載された記録ヘッドの記録ヘッド部(不図示)はキャリッジ6から下方へ突出して、記録ヘッド部の吐出口形成面は、プラテン16上の記録媒体に平行に対向するようになっている。なお、前記シャーシ1が固着されている本体40には、廃インクタンク401が配設されている。
【0044】
本実施例のインクジェット記録装置の左側のホームポジション側に配設してあるのは回復系ユニット15であリ、図3は、回復系ユニットの斜視図である。記録ヘッド8に対応し、図中右から処理液用のキャップ113とブラックインク用のキャップ112と、カラーインク用のキャップ114、115がある。
【0045】
ここでは、処理液用のキャップ113とブラックインク用のキャップ112は吸引キャップと放置キャップ兼用であり、カラーインク用のキャップ114、115は放置キャップ専用である。よって、カラーインクの吸引はブラックインク用のキャップ112にて行なう構成である。
【0046】
それぞれのキャップ112〜115はキャップホルダー122〜125を介して回復系ベース130に回動可能に軸止されたキャップレバー131〜133に取付けられている。なお、キャップレバー131でキャップホルダー125,125の制御を兼用している。キャップレバー131〜l33はキャップバネにより付勢され一部が吸引カム140のカム面141を摺動することで上下方向に回動しそれに伴い各キャップ112〜115は上下方向に移動可能な構成となっている。
【0047】
回復系ユニット15の処理液用のキャップ113とブラックインク用のキャップ112は各キャップホルダー123、122を介してポンプユニット119のチューブ145、146に連通している。ポンプユニット119は、記録ヘッドが吐出不良になった場合、キャップユニットと記録ヘッドを接合させて記録ヘッドの吐出口からインクを吸引する吸引回復処理などに際して、負圧を発生させるために用いる。ここに示す例のポンプユニット119はチューブポンプと呼ばれるものである。
【0048】
ポンプユニット119はチューブ145、146、コロホルダー144、コロ147から構成される。コロホルダー144は回復系ベース130に回動可能に軸止されている。コロホルダーl44にガイドされたチューブ145、146をコロホルダー144に軸止されたコロ147で押しつぶしながらチューブ145、146をしごくことでキャップ内に負圧を発生させる。ポンプユニット11は処理液専用のチューブ145と、インク用のチェーブ146を独立に設け、廃液はそれぞれ独立した経路により廃液タンクに送られる。これはキャップおよびポンプ内で記録用色インクと処理液の接触による不溶化がポンプ内で起こらない様にするものである。ここでのポンプユニットは処理液用と記録する色インク用の2系統を示したが、それぞれのキャップに独立にポンプユニットを設けてもよい。
【0049】
回復系ユニット15には、さらに、処理液記録ヘッドの吐出口部をワイピングする処理液ブレード117と、色インク記録ヘッドの吐出口部をワイピングするための色インクブレード118を設ける。
【0050】
処理液ブレード(第一ブレード)117は処理液のノズル列の紙搬送方向下流側、色インクブレード(第二ブレード)118はブラックインクのノズル列の紙搬送下流側にそれぞれ別々に配設されている。ここで色インクブレード118は、ノズル列の配設方向に移動することにより、図5に示すようにノーマル用記録ヘッド8のブラック、カラーおよびオプション用記録ヘッド88の濃インクのノズル列のワイピングを行なう。
【0051】
符号1119はオプション用記録ヘッド88の淡インクのノズル列のワイピングを行なうブレード(第三ブレード)であり、色インクブレード118の左側にノズル列ピッチ分ずれて配設されている。
【0052】
これらの各ブレードは、記録ヘッドの吐出口形成面に付着した色インクや処理液をワイピングするための、ゴムなどの弾性部材で形成されたブレードである。
【0053】
図4に示すように、ブレード117,118,1119は回復系ベース130のガイド部130Gに記録ヘッド8に対し平行移動可能に取付けられたブレードアーム142に取付けられている。またガイド部130Gにより記録ヘッド8に対するブレード進入量と当接角度および当接圧は、正常に一定に管理されている。
【0054】
ブレードアーム142の一部にはラックギア142Gがあり、ワイパーバネ152により付勢された状態で駆動ギア153に連結している。各ブレード117、118、lll9はワイパーバネ152により付勢された状態では記録ヘッド8に当接していない状態である(第一退避位置A)。130Sは回復系ベース130のブレードアーム退避位置規制である。
【0055】
駆動源より駆動をうけた駆動ギア153が回転することでブレードアーム142は回復系ベース130上を記録ヘッド8に対し平行移動する(往)。ブレードアーム142がノズル列の十分なストロークを移動しブレード117,118,1119が記録ヘッド8に当接しない位置(第二退避位置B)より更に移動したところで、駆動ギア153は一部が欠歯153Kになっており、駆動が切れ、ワイパーバネ152のバネ力でブレードアーム第一退避位置に復帰する(復)。
【0056】
それぞれのブレードアーム退避位置で、記録ヘッド8を任意の位置に移動することでブレード117,118,1119を選択し、往復による任意の方向へのワイピングが可能となる。
【0057】
図5は本実施例におけるワイピング動作を説明するための図である。
【0058】
図5(a)はノーマル用記録ヘッド8の処理液Sのノズル列とブラックインクBKのノズル列のワイピングを行なうための初期位置、図5(b)はカラーインクYMCのノズル列のワイピングを行なうための初期位置、図5(c)はオプション用記録ヘッド88の濃淡インクのノズル列のワイピングを行なうための初期位置を示す。
【0059】
図5(a)の様に、ノーマル用記録ヘッド8の場合はブレードを第一退避位置から移動させ、処理液Sのノズル列とブラックインクBKのノズル列に対して往方向のワイピングを行なう。また、図5(b)の様に、記録ヘッド8をカラーインクYMCのノズル列のワイピングを行なうための初期位置に移動し、ブレードを第二退避位置から移動させてカラーインクYMCのノズル列に対して復方向のワイピングを行なう。
【0060】
オプション用記録ヘッド88の場合はブレードを第一退避位置から移動させ、図5(a)と同様に処理液Sのノズル液のノズル列とブラックインクBKのノズル列に対して往方向のワイピングを行なう。また、図5(c)の様に、記録ヘッド8を濃淡インクYMCのノズル列のワイピングを行うための初期位置に移動し、ブレードを第二退避位置から移動させて濃淡インクYMCの各ノズル列に対して復方向のワイピングを行なう。
【0061】
(実施例2)
図6は本発明によるインクジェット装置の他の実施例におけるワイピング動作を説明するための図である。本実施例のインクジェット装置の機構は、第1実施例で図1〜図4に基づき説明したインクジェット装置の機構と同一なので説明を省略する。
【0062】
図6(a)はノーマル用記録ヘッド8の処理液Sのノズル列とブラックインクBKのノズル列のワイピングを行なうための初期位置、図6(b)は記録ヘッド8をブレードが当接しない位置に記録ヘッド8を退避させブレードを第二退避位置から復方向に戻す状態、図6(c)はカラーインクYMCのノズル列のワイピングを行なうための初期位置を示す。
【0063】
第1実施例では、ノズル列によりワイピング方向を変えたが、本実施例の特徴は、全ノズル列のワイピング方向を一方向に限定したところにある。
【0064】
すなわち、ノズル列に対するワイピング方向を往方向で揃えたければ、図6(b)に示すように記録ヘッド8をブレードが当接しない位置に記録ヘッド8を退避させ、ブレードをワイピング後の第二退避位置から復方向に戻せば良い。
【0065】
また、ノズル列に対するワイピング方向を復方向で揃えたければ、記録ヘッド8をブレードが当接しない位置に記録ヘッド8を退避させた後でブレードを第二退避位置に戻し、記録ヘッド8を任意の位置に移動させながらワイピングを行なう。
【0066】
(実施例3)
図7は本発明によるインクジェット装置の他の実施例におけるワイピング動作を説明するための図である。本実施例のインクジェット機構は、第1実施例で図1〜図4に基づき説明したインクジェット装置の機構と同一なので説明を省略する。
【0067】
図7(a)はノーマル用記録ヘッド8の処理液Sのノズル列とブラックインクBKのノズル列のワイピングを行なうための初期位置、図7(b)はカラーインクYMCのノズル列のワイピングを行なうための初期位置、図7(c)はオプション用記録ヘッド88の濃淡インクのノズル列のワイピングを行なうための初期位置を示す。
【0068】
本実施例の特徴は第1実施例のブレード構成を変えたことにある。すなわち、第二ブレードと第三ブレードを一体にし、個数低減によるコストダウンを図った。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、インクおよび処理液を記録媒体に吐出して画像を形成するインクジェット記録装置において、回復系ユニット内においてインクと処理液とが接触しないようにしたため、画像の耐水性が良好で、しかも異色境界でのにじみがなく、記録装置内でインク中の染料がむやみに不溶化しない回復信頼性の高いインクジェット記録装置が実現できる。
【0070】
特に、ワイピング構成に関して、インクジェットヘッドのノズル列が増えてノズル列方向にワイピングする構成でも、ワイピングを行なう場合のキャリッジの停止位置を、インクジェットヘッドに応じて変えることで、ブレードの数を増やすことなく、コストの低減に寄与することができる。
【0071】
また、ワイピング部材先端のワイピング動作時の軌跡をインクジェットヘッドに対し平行にすることで、ブレードの進入量、当接角度、当接圧の管理を簡易に行ない得るので、ブレード性能の向上を図ることができる。
【0072】
さらに、ワイピング方向は、インクジェットヘッドのノズル列により任意に行ない、またワイピング部材は、インクジェットヘッドに当接しない第一退避位置と第二退避位置をもつことで往復でのワイピングが可能となり、ワイピングでのスループットの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置における記録部の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置におけるキャリッジおよびそのキャリッジ上に搭載可能な記録ヘッドおよびインクタンクの構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置における回復系ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図4】本発明のインクジェット記録装置におけるワイピング機構の構成を示す断面図である。
【図5】第l実施例のワイピング動作を説明するための図である。
【図6】第2実施例のワイピング動作を説明するための図である。
【図7】第3実施例のワイピング動作を説明するための図である。
【図8】記録ヘッドのインク突出部の構造を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 シャーシ
2 プラテンローラ
3 ピンチローラ
4 ガイドシャフト
6 キャリッジ
8 ノーマル用記録ヘッド(記録ヘッド)
9 インクタンク
10 駆動ベルト
15 回復系ユニット
16 プラテン
40 本体
81 吐出口形成面
82 吐出口
83 共通液室
84 液路
85 電気熱変換体
88 オプション用記録ヘッド(記録ヘッド)
103 サポートシャフト
104 キャリッジモータ
112、113 吸引キャップ
114、115 放置キャップ
117 処理液ブレード
118、lll9 インクブレード
119 ポンプユニット
122、123、124、125 キャップホルダー
131、132、133 キャップレバー
140 吸引カム
141 カム面
142 ブレードアーム
144 コロホルダー
145、146 チューブ
147 コロ
401 廃インクタンク
6022 コネクタ
8030 インク供給口

Claims (8)

  1. 記録液を吐出する記録液吐出口列が設けられた記録液吐出部と、記録液に対して処理を行うための処理液を吐出する処理液吐出口が設けられた処理液吐出部と、が配されて移動を行うためのキャリッジと、
    前記記録液吐出部をワイピングするための記録液用ワイピング部材と、前記処理液吐出部をワイピングするための処理液用ワイピング部材と、を有し、前記記録液吐出口列の方向とほぼ平行に移動するアーム部材と、
    を備え、
    前記キャリッジが第1の位置に停止しているときに前記アーム部材を移動させることにより、前記記録液用ワイピング部材と前記処理液吐出部とが当接することなく前記処理液用ワイピング部材により前記処理液吐出部をワイピングし、
    前記キャリッジが第2の位置に停止しているときに前記アーム部材を移動させることにより、前記処理液用ワイピング部材と前記記録液吐出部とが当接することなく前記記録液用ワイピング部材により前記記録液吐出部をワイピングすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 処理液は、記録液中の色材を溶媒に対して不溶化する液体であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録液吐出部は、ブラックの記録液を吐出する吐出口の列と、イエロー、マゼンタ及びシアンの記録液をそれぞれ吐出する吐出口の列と、を含み、前記処理液吐出部とともに記録ヘッドを形成することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録液吐出部は、ブラックの記録液を吐出する吐出口の列と、イエロー、マゼンタ及びシアンの記録液をそれぞれ吐出する吐出口の列と、前記イエローより濃いイエロー、前記マゼンタより濃いマゼンタ及び前記シアンより濃いシアンの記録液をそれぞれ吐出する吐出口の列と、を含み、前記処理液吐出部とともに記録ヘッドを形成することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記ワイピングの方向を、前記記録ヘッドに応じて異ならせることを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記各ワイピング部材は、前記各吐出部に当接しない第一退避位置と第二退避位置とをとり得ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記電気熱変換体が発生する熱エネルギーによって、液体に生ずる膜沸騰を利用して前記各吐出口より液体を吐出させることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
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