JP3853955B2 - ブーツバンド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴムあるいは樹脂などからなるブーツを接続相手部材に固定するのに用いるブーツバンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の一部品として、ゴムあるいは樹脂などからなるブーツが使われている。この明細書で言うブーツは、ホースあるいはチューブ等の円筒形の部材も含む。このブーツを接続相手部材に固定するために、金属製の帯状部材からなるブーツバンドが従来より用いられてきた。この種のブーツバンドの一例がUSP.4,622,720(従来例)に示されている。
【0003】
前記従来例はいわゆるカシメタイプのバンドと呼ばれている。この種のバンドは爪と孔以外に耳部(塑性変形部)を備えている。この場合、バンドボディをブーツ等の被締付部材に巻き、爪を所定の孔に引っ掛けたのち、治具によって前記耳部を塑性変形させ、バンドボディの周長を縮めることにより、被締付部材に対する緊縛力をバンドボディに与えるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したカシメタイプのブーツバンドの場合、耳部を塑性変形させることによってバンドボディを所望の周長まで引締めても、耳部が多少なりともスプリングバックを生じることから、緊縛力を維持しにくいという問題がある。また、緊縛力を維持するに足る剛性を耳部にもたせるには、耳部の板厚や板幅をなるべく大きくすることが望まれる。その場合、バンド全体としてみると耳部以外の部位の板厚や板幅が過剰なものとなり、重量やコストが増加したり、加工が困難化する原因となる。しかも耳部の剛性を高くすると、耳部を塑性変形させるのに要する力(組付荷重)が大となり、組付作業性が悪化する原因となる。
従って本発明の目的は、組付後の緊縛力に弛みを生じることがなく、しかも組付作業性が良好なブーツバンドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を果たすための本発明は、請求項1に記載したように、第一端と第二端を有する帯状の金属製バンドボディからなり、このバンドボディを前記第一端が外側に重なるようにリング状に丸めた状態で被締付部材に設けるブーツバンドであって、前記バンドボディの外側重なり部の前記第一端寄りの部位が内側重なり部から離れることを阻止する剥離防止固定部と、前記バンドボディの外側重なり部に設けた孔または凹部の内周縁の前記第一端寄りに位置する係止部と、前記内側重なり部の前記第二端寄りの部位にバンドボディの厚み方向に突出する縦壁を有しこのバンドボディを所定の周長まで引締めたときに前記縦壁が前記係止部に対しバンドボディの厚み方向から係合する凸部と、前記外側重なり部の前記剥離防止固定部と前記係止部との間に設けられかつバンドボディの周長を縮める形状に塑性変形させることの可能な塑性変形部とを具備している。
【0006】
このような構成の本発明のブーツバンドは、塑性変形部を治具によって変形させると、バンドボディの巻き径すなわち周長が縮まる。そしてバンドボディが所定の周長に至ったとき、凸部の縦壁が係止部に対しバンドボディの厚み方向(ほぼ垂直な方向)に移動して係止部に係合することにより、緊縛力が縦壁と係止部とによって支持されるようになる。
【0007】
ここで、外側重なり部と内側重なり部は、剥離防止固定部によって厚み方向に移動(剥離)することが阻止されているから、係止部が縦壁から外れる方向(板厚方向)に移動することが抑制される。前記縦壁はバンドボディの表面からほぼ垂直に立上がっているため、組付後にバンドボディが弛む方向に移動することがない。
【0008】
剥離防止固定部の一例は、内側重なり部と外側重なり部とを互いに分離不能に固定する溶接またはかしめ加工による固定部が採用される。
【0009】
記凸部の一例はバンドボディの長手方向複数箇所に前記縦壁を断面鋸歯状に形成してなり、前記係止部の一例は前記バンドボディを所望の周長まで引締めたときに前記複数の縦壁のいずれかが係合する鋸歯状断面を有する形状である。
【0010】
記凸部はバンドボディの一部をプレスによって板厚方向に打ち出したものである。この凸部は、バンドボディの厚み方向にほぼ垂直に立上がる前記縦壁と、この縦壁に連なる上面壁と、この上面壁の両側部からバンドの本体部分に一体に連なる側壁部とを有することにより、バンドボディの長手方向および厚み方向に加わる荷重に対して大きな剛性を発揮できる。
【0011】
記塑性変形部は前記バンドボディの一部に成形された波形部を含み、この波形部をバンドボディの長手方向に圧縮して塑性変形させることにより、塑性変形部の突出高さを低くしてもよい。
【0012】
請求項1に記載した発明では、バンドボディの長手方向中間部に、バンドボディが所望の周長まで引締められたときに前記第二端が突き当たるストッパ壁を設けている。こうすれば、バンドボディの第二端がストッパ壁に突き当たったときに、凸部の縦壁が係止部と係合するようになるから、組付時にバンドボディに過剰な引締め力を与えてしまうことが回避される。
【0013】
請求項2に記載した発明では、前記凸部の縦壁の近傍に前記第二端の方向を向く立上がり壁を設け、外側重なり部にはバンドボディが所望の周長まで引締められたときに前記立上がり壁が突き当たるストッパ壁を設けている。こうすれば、前記立上がり壁がストッパ壁に突き当たったときに、凸部の縦壁が係止部と係合するようになる。
【0014】
請求項3に記載したように、この発明は、バンドボディの一部に、バンドボディの移動を案内するガイド溝を設けることも含んでいる。このような構成は、凸部の縦壁を係止部に対してさらに確実に係合させることを可能とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下にブーツバンドの一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
図1に示すブーツバンド10は、金属(例えばステンレス鋼)製の帯状部材からなるバンドボディ11を有している。バンドボディ11の長手方向の両端は、開放された第一端13と第二端14となっている。このバンドボディ11は、第一端13が外側に位置するように被締付部材17にリング状に巻かれる。被締付部材17の一例は、自動車の動力伝達系の円筒状の接続相手部材18に設けるゴムブーツである。
【0016】
リング状に丸めたバンドボディ11は、第一端13側に位置する外側重なり部21と、第二端14側に位置する内側重なり部22と、これら重なり部21,22間に位置する長手方向中間部23(重なり合わない部分)とを有している。バンドボディ11は、予めある程度リング状に成形されていると良い。
【0017】
バンドボディ11の長手方向中間部23に、耳状に突出する塑性変形部30が設けられている。この塑性変形部30は、バンドボディ11の外周側に立上がる前後一対の脚部31,32と、これら脚部31,32間にわたる主部33とを含み、塑性変形させたときにバンドボディ11を引締めることのできる形状に成形されている。この実施形態の場合、塑性変形部30の剛性を高めるために、主部33の両側縁を折曲げることにより補強リブ34が形成されている。
【0018】
バンドボディ11の外側重なり部21の第一端13寄りの部位に、バンドボディ11の長手方向複数箇所(図示例は3箇所)に係止孔40が設けられている。この係止孔40はバンドボディ11を板厚方向に貫通している。内側重なり部22には、各係止孔40と対応した位置に複数(図示例は3つ)の係止突起41が形成されている。各係止突起41は外側重なり部21に向って突出し、対応する係止孔40に挿入できるようになっている。
【0019】
係止突起41の前面壁41aは、第一端13に向って突き出るように斜めにオーバーハングした形状であり、しかも第一端13の方向に延出する先端部41bを有している。従ってこの係止突起41は、前面壁41aが係止孔40の前縁部40aに係合した状態において、外側重なり部21が内側重なり部22から離れることを阻止できる。すなわち係止孔40と係止突起41は、外側重なり部21が内側重なり部22から離れることを阻止するための剥離防止固定部として機能する。
【0020】
バンドボディ11の外側重なり部21には、塑性変形部30を挟んで前記係止孔40の反対側に、板厚方向に貫通する受け孔50が形成されている。この受け孔50の内周縁の第一端13寄りの部位は、図3に示すようにバンドボディ11の板幅方向にほぼ直線状に延びる係止部51を構成している。前記塑性変形部30は、剥離防止固定部を構成する係止孔40と受け孔50との間に位置する。
【0021】
内側重なり部22の第二端14寄りの部位に、バンドボディ11の板厚方向に突出する縦壁55を有する凸部56が設けられている。この凸部56は、バンドボディ11を所望の周長まで引締めたときに、縦壁55が係止部51に対してバンドボディ11の板厚方向から係合する位置に設けられている。つまりこの明細書で言う「所定の周長」とは、縦壁55が係止部51に係合できる長さを意味する。
【0022】
図3に示すように、縦壁55はバンドボディ11の板幅方向にほぼ直線状に延びている。図3,図4等に示すように、凸部56は内側重なり部22の一部をプレス加工によって板厚方向に打ち出したものであり、外側重なり部21に向って板厚方向にほぼ垂直に立上がる前記縦壁55と、縦壁55から第二端14の方向に連なる上面壁57と、上面壁57の両側部とバンド本体部分(プレス加工されていない部分)11aとに一体に連なる側壁部58とを有している。
【0023】
このような縦壁55と側壁部58とを有して箱形に打ち出された凸部56は、バンドボディ11の長手方向に加わる緊縛力に対して十分な強度を有しているだけでなく、引締め時に板厚方向に加わる圧縮荷重に対しても十分な強度(剛性)を有している。
【0024】
凸部56の近傍から第二端14に至る領域は、第二端14に向って板厚が減少するテーパ部60となっている。このようなテーパ部60を設けたことにより、バンドボディ11の長手方向中間部23の内周面23aと第二端14との間に実用上問題となるような段差が生じることを回避でき、被締付部材17に対するブーツバンド10のシール性をさらに向上させることができる。
【0025】
次に、前記ブーツバンド10の組付手順等の作用について説明する。
図1に示されるように、被締付部材17を接続相手部材18に被せ、さらにその外側に、予めある程度丸めておいたブーツバンド10を巻付ける。そして係止突起41を係止孔40に挿入する。
【0026】
このブーツバンド10は、バンドボディ11の弾性復元力によって、巻き径が広がろうとする。このため、係止突起41の前面壁41aが係止孔40の前縁部40aに引っ掛かるようになり、バンドボディ11の巻き径がそれ以上広がることが阻止される。こうしてこのブーツバンド10は、図1に示すように被締付部材17に仮止めされた状態を維持できる。
【0027】
塑性変形部30の脚部31,32を、図示しない治具(例えばペンチ状の工具あるいは自動かしめ機等)によって、例えば図2に示すように塑性変形させる。こうすることによりバンドボディ11の巻き径すなわち周長が縮まり、図4に矢印Aで示す方向に外側重なり部21が内側重なり部22に対して相対移動する。そしてバンドボディ11が所定の周長に至った瞬間に、凸部56が受け孔50に入り込むとともに、受け孔50の係止部51に対して凸部56の縦壁55が板厚方向に移動することにより、係止部51と縦壁55とが互いに係合して組付けが完了する。
【0028】
凸部56の縦壁55はバンドボディ11の表面から実質的に垂直に延びているため、組付後にバンドボディ11が弛む方向に動いてしまうことがなくなる。このため必要最小限の引締めストロークによって縦壁55を係止部51に係合させることができるとともに、組付後にバンドボディ11の緊縛力が弛むことを回避できる。
【0029】
このブーツバンド10は、組付後の緊縛力を係止部51と縦壁55とによって受けるため、塑性変形部30には緊縛力が作用しない。つまりこの塑性変形部30は、係止部51と縦壁55とが板厚方向に移動しないように外側重なり部21を内側重なり部22に押さえる程度の剛性を有していればよい。このため、従来のように塑性変形部(耳部)自体が緊縛力を受けていたものに比較して、塑性変形部30の板厚や板幅が小さくてすむことになる。このため塑性変形部30以外の部位の板厚や板幅が必要以上の過剰品質になることを回避でき、ブーツバンド10の重量とコストの低減にも寄与できる。
【0030】
お、下記いずれの実施形態においても、前記実施形態と共通する部位には前記実施形態と同一の符号を付して説明は省略する。
【0031】
図5と図6に示した実施形態は、バンドボディ11の内側重なり部22の一部をプレスによって打ち出すことにより、円形ダボ状の凸部56を形成し、かつ、外側重なり部21に、凸部56が丁度入り込むことのできる凹部70を設けている。凸部56はバンドボディ11の板厚方向に突出する垂直な縦壁55を有し、凹部70は、その内周縁の第一端寄りの位置に、縦壁55が係合することのできる係止部51を有している。この場合、外側重なり部21を矢印A方向に引締めてバンドボディ11が所定の周長に達したときに、凸部56が凹部70に嵌合するとともに、縦壁55と係止部51とが係合する。
【0032】
図7と図8に示す実施形態の凸部56は、その縦壁55がバンド本体部分(プレス加工されていない部分)11aに一体に連なるように、内側重なり部22の一部をプレスによって打ち出している。このように成形された凸部56は、バンドボディ11の板厚方向に加わる圧縮荷重に対してさらに大きな強度(剛性)を有している。外側重なり部21の一部をプレスによって打ち出すことにより、凸部56が丁度入り込むことのできる形状と大きさの凹部70が形成されている。この実施形態も、外側重なり部21を矢印A方向に引締め、バンドボディ11が所定の周長に達したときに、凸部56が凹部70に入り込むとともに、凸部56の縦壁55が凹部70の係止部51に係合する。
【0033】
図9と図10に示す実施形態は、内側重なり部22の外周面側に断面鋸歯状の縦壁55を有する凸部80を有し、外側重なり部21の内周面側に断面鋸歯状の係止部51を有する凹部81を有している。この実施形態の場合、バンドボディ11を所望の周長まで引締めたときに、鋸歯状凸部80と凹部81とがバンドボディ11の長手方向の所望位置にて係合することができる。
【0034】
図11に示す実施形態は、剥離防止固定部として、かしめ加工される突起85が採用されている。この突起85は内側重なり部22に設けられており、外側重なり部21には突起85を挿入する孔86が形成されている。この孔86に突起85を挿入したのちに、突起85の先端側をかしめることにより、外側重なり部21と内側重なり部22とが固定される。なお、突起85と孔86を用いる代りに、スポット溶接等の溶接手段により、外側重なり部21と内側重なり部22とを分離不能に固定してもよい。
【0035】
図12に示す実施形態は、バンドボディ11の外側重なり部21と長手方向中間部23との間に、バンドボディ11の板厚Tに相当する段差90を設け、この段差90の内側に第二端14が入るようにしている。このような段差90を有するブーツバンド10であれば、第二端14近傍の内周面14aと長手方向中間部23の内周面23aとの間に実用上問題となるような段差を生じないため、シール性が向上する。
【0036】
塑性変形部30は、図13(A)に示すようにM状の波形部95aや、図13(B)に示すように逆U状の波形部95b、あるいは図13(C)に示すようにバンドボディ11の長手方向に複数の山と谷を交互に設けた波形部95cなどでもよい。これらの波形部95a〜95cは、バンドボディ11の長手方向に圧縮され、2点鎖線で示すような形状に潰すことにより、バンドボディ11を所定の周長まで引締める。
【0037】
図14(A)に示すように、一対のピン101,102を有する治具103によって、塑性変形部30を図14(B)に示すように変形させることにより、バンドボディ11を所定の周長まで引締めるようにしてもよい。
【0038】
図15に示す塑性変形部30は、脚部31,32と主部33に補強リブ110を形成し、矢印P1 で示す圧潰荷重を与えることにより、脚部31,32を矢印P2 で示すように互いに近付ける方向に変形させ、バンドボディ11を所定の周長まで引締める。
【0039】
図16と図17に示す実施形態は、バンドボディ11を引締める際に凸部56の移動を案内するためのガイド溝120を設けている。このガイド溝120は、凸部56が係止部51に向ってバンドボディ11の長手方向にほぼまっすぐに移動できるようにするために、バンドボディ11の長手方向に沿って形成されている。バンドボディ11の組付前はこのガイド溝120に凸部56が入り込んでいる。このような構成によれば、バンドボディ11を引締めたときに凸部56の縦壁55を係止部51にさらに確実に係合させることができる。
【0040】
図18と図19に示す実施形態は、バンドボディ11の一部をプレスによって打ち出すことにより、係止部51を有する凹部70と、ガイド溝120を有する加工部130が形成されている。この場合も、バンドボディ11を引締めたときに凸部56がガイド溝120に沿ってバンドボディ11の長手方向に案内されるため、縦壁55を係止部51に確実に係合させることができる。
【0041】
図20に示す実施形態は、バンドボディ11の長手方向中間部23に、バンドボディ11が所定の周長まで引締められたときに第二端14が突き当たるストッパ壁140を設けている。
【0042】
このようなストッパ壁140を有するブーツバンド10であれば、バンドボディ11が所望の周長まで引締められたときに第二端14がストッパ壁140に突き当たるとともに、凸部56の縦壁55が受け孔50の係止部51と係合する。このため、バンドボディ11を所定の周長に引締めることが容易となり、過剰な組付力を必要としない。しかもストッパ壁140の高低差Tをバンドボディ11の板厚と同等にすることにより、第二端14の内周面14aと長手方向中間部23の内周面23aとの間に実用上問題となるような段差を生じないため、シール性が向上する。
【0043】
図21に示す実施形態においては、外側重なり部21の一部をプレスによって打ち出すことにより、係止部51を有する凹部70を形成している。それ以外の構成と作用・効果は図20に示す実施形態と同様であるから、両者に共通する部位に共通符号を付して説明は省略する。
【0044】
図22から図25に示す実施形態は、受け孔50の内周縁の第二端14側にストッパ壁140を設けている。凸部56の縦壁55の近傍に、第二端14の方向を向く立上がり壁150が設けられている。ガイド溝として機能する受け孔50はバンドボディ11の長手方向に沿っていて、組付前に立上がり壁150が受け孔50に入り込んでいる。図24に示すように、縦壁55と立上がり壁150との間の距離L1 は、係止部51からストッパ壁140までの距離L2 よりも僅かに短い。
【0045】
この実施形態(図22〜図25)は、バンドボディ11を所定の周長まで引締めるとき、ガイド溝として機能する受け孔50に沿って立上がり壁150がストッパ壁140の方向に移動する。そしてバンドボディ11が所定の周長に至った時点で図25に示すように縦壁55も受け孔50に入り込み、立上がり壁150がストッパ壁140に突き当たるとともに、縦壁55が係止部51に係合する。このためバンドボディ11を所定の周長に引締めることが容易となり、過剰な組付力をブーツバンド10に与える必要がない。しかもバンドボディ11を引締める際に、縦壁55を係止部51に向ってほぼまっすぐに移動させることができるため、縦壁55を確実に係止部51に係合させることができる。
【0046】
図26から図29に示す実施形態は、前記実施形態(図22〜図25)に示した受け孔50の代りに凹部160を用いた例である。図26は組付前の状態、図29は組付後の状態を示す。凹部160は、外側重なり部21の一部をプレスによって打ち出すことにより形成されている。それ以外の構成と作用効果は前記実施形態(図22〜図25)と同様であるから、共通の部位に共通の符号を付して説明は省略する。
【0047】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明によれば、縦壁と係止部とが係合したのちにバンドボディが弛む方向に移動することがない。このため、組付時にバンドボディに与えた緊縛力が組付後も維持され、過剰な組付力を必要としない。このブーツバンドは、組付後のバンドボディの緊縛力を凸部の縦壁と係止部とによって受け止めるため、組付後の塑性変形部に緊縛力が作用することがなくなる。従ってこの塑性変形部は、縦壁と係止部とが板厚方向に動かないように外側重なり部を押さえる程度の剛性を有していればよいから、従来のように塑性変形部(耳部)自体が緊縛力を受けていたものに比較して、塑性変形部の板厚や板幅が小さくてすむ。このため塑性変形部以外の部位の板厚や板幅が過剰になることを回避でき、ブーツバンドの重量とコストの低減にも寄与できる。
【0050】
請求項1に記載した発明によれば、バンドボディを所定の周長に引締めるまでのストロークをストッパ壁の位置に応じて管理できるため、バンドボディを過剰に引締めてしまうことを回避でき、引締め時のストローク管理が容易である。しかも第二端をストッパ壁に突き当てるようにしているからバンドボディの構成が複雑にならない。
【0051】
請求項2に記載した発明によれば、バンドボディを所定の周長まで引締めたときに、立上がり壁がストッパ壁に突き当たるとともに縦壁が係止部に係合する。このため、バンドボディを所定周長に引締めるまでのストロークをストッパ壁あるいは立上がり壁の位置に応じて管理でき、バンドボディを過剰に引締めてしまうことを回避できる。この立上がり壁は第二端とは別の位置に形成されるから、立上がり壁を設けても第二端の形状や位置等が制約を受けない。
【0052】
請求項3に記載した発明によれば、バンドボディを所定周長に引締める際に、縦壁を係止部に向ってほぼまっすぐに移動させることができるため、縦壁を係止部に確実に係合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブーツバンドの組付前の状態を示す断面図。
【図2】 図1に示されたブーツバンドの組付後の断面図。
【図3】 図1に示されたブーツバンドの一部の平面図。
【図4】 図3中のiv−iv線に沿う断面図。
【図5】 凸部の変形例を示すブーツバンドの一部の平面図。
【図6】 図5中のvi−vi線に沿う断面図。
【図7】 凸部の他の変形例を示すブーツバンドの一部の平面図。
【図8】 図7中のviii−viii線に沿う断面図。
【図9】 凸部のさらに別の変形例を示すブーツバンドの一部の平面図。
【図10】 図9中のX−X線に沿う断面図。
【図11】 ブーツバンドの他の実施形態を示す断面図。
【図12】 ブーツバンドのさらに別の実施形態を示す断面図。
【図13】 塑性変形部の変形例を示すブーツバンドの一部の正面図。
【図14】 塑性変形部の他の変形例を示すブーツバンドと治具の一部の正面図。
【図15】 塑性変形部のさらに別の変形例を示すブーツバンドの一部の正面図。
【図16】 ガイド溝を有するブーツバンドの一部の平面図。
【図17】 図16中のF17−F17線に沿う断面図。
【図18】 ガイド溝を有するブーツバンドの変形例を示す平面図。
【図19】 図18中のF19−F19線に沿う断面図。
【図20】 ストッパ壁を有する実施形態を示すブーツバンドの断面図。
【図21】 ストッパ壁を有するブーツバンドの変形例を示す断面図。
【図22】 ストッパ壁を有するブーツバンドのさらに別の変形例を示す断面図。
【図23】 図22に示されたブーツバンドの一部の平面図。
【図24】 図23中のF24−F24線に沿う断面図。
【図25】 図22に示されたブーツバンドの組付状態を示す断面図。
【図26】 ストッパ壁を有するブーツバンドのさらに別の変形例を示す断面図。
【図27】 図26に示されたブーツバンドの一部の平面図。
【図28】 図27中のF28−F28線に沿う断面図。
【図29】 図26に示されたブーツバンドの組付状態を示す断面図。
【符号の説明】
10…ブーツバンド
11…バンドボディ
13…第一端
14…第二端
17…被締付部材
21…外側重なり部
22…内側重なり部
30…塑性変形部
40…係止孔(剥離防止固定部)
41…係止突起(剥離防止固定部)
51…係止部
55…縦壁
56…凸部
70…凹部
85…突起(剥離防止固定部)
120…ガイド溝
140…ストッパ壁

Claims (3)

  1. 第一端と第二端を有する帯状の金属製バンドボディからなり、このバンドボディを前記第一端が外側に重なるようにリング状に丸めた状態で被締付部材に設けるブーツバンドであって、
    前記バンドボディの外側重なり部の前記第一端寄りの部位が内側重なり部から離れることを阻止する剥離防止固定部と、
    前記バンドボディの外側重なり部に設けた孔または凹部の内周縁の前記第一端寄りに位置する係止部と、
    前記内側重なり部の前記第二端寄りの部位にバンドボディの厚み方向に突出する縦壁を有しこのバンドボディを所定の周長まで引締めたときに前記縦壁が前記係止部に対しバンドボディの厚み方向から係合する凸部と、
    前記外側重なり部の前記剥離防止固定部と前記係止部との間に設けられかつバンドボディの周長を縮める形状に塑性変形させることの可能な塑性変形部と、
    を具備し
    前記バンドボディの長手方向中間部に、前記バンドボディが所望の周長まで引締められたときに前記第二端が突き当たるストッパ壁を設けたことを特徴とするブーツバンド。
  2. 第一端と第二端を有する帯状の金属製バンドボディからなり、このバンドボディを前記第一端が外側に重なるようにリング状に丸めた状態で被締付部材に設けるブーツバンドであって、
    前記バンドボディの外側重なり部の前記第一端寄りの部位が内側重なり部から離れることを阻止する剥離防止固定部と、
    前記バンドボディの外側重なり部に設けた孔または凹部の内周縁の前記第一端寄りに位置する係止部と、
    前記内側重なり部の前記第二端寄りの部位にバンドボディの厚み方向に突出する縦壁を有しこのバンドボディを所定の周長まで引締めたときに前記縦壁が前記係止部に対しバンドボディの厚み方向から係合する凸部と、
    前記外側重なり部の前記剥離防止固定部と前記係止部との間に設けられかつバンドボディの周長を縮める形状に塑性変形させることの可能な塑性変形部と、
    を具備し
    前記凸部の縦壁の近傍に前記第二端の方向を向く立上がり壁を設け、かつ、前記外側重なり部には前記バンドボディが所望の周長まで引締められたときに前記立上がり壁が突き当たるストッパ壁を設けたことを特徴とするブーツバンド。
  3. 前記バンドボディの一部に、バンドボディを所定の周長まで引締める際に前記凸部がバンドボディの長手方向に移動するように案内するガイド溝を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のブーツバンド。
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