JP3851563B2 - 架構補強構造及びその施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設建物における梁柱架構の剛性と耐力を増加させる架構補強構造及びその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐震性が不充分であると判定された既設建物に対して、梁と柱とから形成される梁柱架構の架構内面に面材である枠付きの鉄骨ブレースや補強壁を増設し、各層の剛性と耐力を増加させる架構補強構造が一般的に存在している。
【0003】
例えば、図4に示すように、従来の架構補強構造1’’では、梁柱架構10’’と鉄骨ブレース20’’の枠組21’’との間を充填材7’’により充填するとともに、当該梁柱架構10’’と鉄骨ブレース20’’との間で地震時等に発生するせん断応力等を十分に伝達させるために所定間隔でアンカー鉄筋8’’を既存躯体に打設し、梁柱架構10’’と充填材7’’の接合性を高めている構造が採用されている。なお、符号31’’は、枠組21’’と充填材7’’の接合性を高めるためのスタッドボルトであり、符号32’’は、梁柱架構10’’と鉄骨ブレース20’’との接合部に発生する割裂を防止するためのスパイラル筋を示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の架構補強構造1’’は、既設建物の梁柱架構10’’に多数のアンカー鉄筋8’’を打設することから、次のような問題を有していた。
(1)架構補強構造1’’の構築作業は、既設建物を使用しながらの作業となるが、アンカー鉄筋8’’を打設する際に、騒音、振動、粉塵が発生するため、当該既設建物の使用者の生活環境に与える影響が非常に大きい。
また、梁柱架構10’’の架構内面にモルタル等の仕上げ材が塗布されている場合があるが、仕上げ材を残したままであると、充填材7’’の付着力及び摩擦力が低減するため、当該仕上げ材を除去する必要があり、この場合にも騒音、振動、粉塵が発生してしまう。
(2)梁柱架構10’’のコンクリート強度が小さい場合には、打設したアンカー鉄筋8’’が所定のせん断耐力や引抜耐力を発揮できないため、梁柱架構10’’と鉄骨ブレース20’’との間における応力伝達が不十分となることがある。
(3)梁柱架構10’’に多数のアンカー鉄筋8’’を打設することは、多少なりとも柱や梁に損傷を与えることになり、柱や梁の断面が小さい場合には特に深刻な影響を及ぼすことになる。
(4)梁柱架構10’’と鉄骨ブレース20’’の間隙に充填されている充填材7’’にブリージングや気泡が発生し、施工後における当該梁柱架構10’’と鉄骨ブレース20’’の接合部に隙間が形成されることで一体性が損なわれ、付着力及び摩擦力が低減することがある。
【0005】
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、梁柱架構と面材との接合部の強度と剛性を高めて確実に接合することが可能であり、かつ容易に施工を行うことが可能となる架構補強構造及びその施工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の架構補強構造は、立設する2本の柱と前記2本の柱に横設されている上下の梁とを備えている梁柱架構の架構内面に、面材を固着した架構補強構造であって、前記梁柱架構を構成する前記上下の梁及び前記2本の柱の少なくとも一部における架構内面側には所定数の凹部が穿設され、かつ、前記凹部には前記面材と接合されている連結部材が挿設されており、前記面材と前記梁柱架構の間の目地部及び前記凹部に固化材が充填されることにより、前記梁柱架構と前記面材とが一体化されていることを特徴としている。
【0007】
ここで、面材とは、高い剛性を有するブレース及び壁等の部材であり、枠付きの鉄骨ブレース、鉄筋コンクリート壁、プレキャストコンクリート壁等を用いることが好適である。
また、凹部の形状、寸法及び数等は、面材と梁柱架構の接合部における要求性能に依存し、梁柱架構から面材へのせん断力の伝達に必要となる接合力に対して定められるものである。なお、凹部は、梁柱架構を構成する前記上下の梁及び前記2本の柱の少なくとも一部に設けるものであればよく、2本の柱の側面(架構内面)、下梁の上面又は上梁の下面に設けてもよい。
【0008】
また、連結部材は、梁柱架構と面材を連結して、ダボ効果を発揮させるために設けるものであり、ネジ部が形成されている鉄筋や、全ネジ鋼棒等を用いることが、施工作業を行う上で好適である。
さらに、固化材は、充填後に硬化して面材と梁柱架構を接合することができる材料であればよく、モルタル、コンクリート及びプレミックスタイプのセメント系グラウト材、又は、エポキシ樹脂等の樹脂製の接着剤などを用いることが好適である。
【0009】
本発明の架構補強構造では、凹部内に挿設された連結部材の周囲で硬化した固化材と当該連結部材とが一体となることにより、梁柱架構と面材の間でせん断力を伝達するためのシアキーが形成されると共に、固化材を周囲に纏った連結部材がダボ筋として機能する。そして、このシアキーにより、梁柱架構と面材との接合部における摩擦効果及び付着効果が高められ、接合部での変位が大きくなるにつれて連結部材のダボ効果が発揮される。従って、本発明によれば、シアキーとダボ筋の複合効果で、梁柱架構と面材との一体性を確保することができることから、終局時においても良好なせん断伝達特性を確保することができる。
【0010】
また、前記架構補強構造において、前記面材は、H形鋼を前記梁柱架構の構面内強軸方向となるように配置した四周枠組と、前記四周枠組に接合された斜材とを備えており、前記四周枠組におけるH形鋼を所定数に分割して形成するとともに、分割形成されている前記H形鋼を接合するために前記梁柱架構の架構内面と向い合うフランジ面に設けられている添板と、前記添板を前記H形鋼に定着させるための定着具とをシアキーとして兼用するものであってもよい。
ここで、添板にはスプライスプレート、定着具にはボルトやリベット等を用いることが好適である。
【0011】
本発明によれば、H形鋼を接合するために梁柱架構の架構内面と向い合うフランジ面に設けられている添板と、前記添板を前記H形鋼に定着させるための定着具とが凹凸を形成し、シアキーとして作用することから、当該フランジ面における変位の発生が防止され、確実に梁柱架構と面材との一体性を確保することが可能となる。
【0012】
また、前記架構補強構造において、前記面材は、四周枠組と前記四周枠組に接合された斜材とを備えており、前記四周枠組における、前記梁柱架構の架構内面と向い合う面に、所定数のシアキーを設けるものであってもよい。
ここで、シアキーは、鉄筋、アングル材、あるいは、フラットバーなどを四周枠組における、梁柱架構の架構内面と向い合う面に、所定間隔等で溶接することにより設けることができる。
また、四周枠組の形状には特に制限はなく、H形鋼、I形鋼、溝形鋼或いは箱形断面形状の鋼材等を用いることができる。
【0013】
本発明によれば、四周枠組における、梁柱架構の架構内面と向い合う面に、所定数のシアキーが設けられていることから、四周枠組のシアキーが設けられている面での変位の発生が防止され、確実に梁柱架構と面材との一体性を確保することができる。
【0014】
さらに、本発明の架構補強構造の施工方法は、立設する2本の柱と前記2本の柱に横設されている上下の梁とを備えている梁柱架構の架構内面に、面材を固着することにより両者を一体とする、以下の工程を含むことを特徴とするものであり、本施工方法を採用することにより、容易にその施工を行うことができる。
(1)前記梁柱架構を構成する前記上下の梁及び前記2本の柱の少なくとも一部における架構内面側に、所定数の凹部を穿設する凹部穿設工程。
(2)前記梁柱架構の架構内面に沿って面材を配置する面材配置工程。
(3)連結部材を前記凹部に挿設して前記面材と接合するとともに、前記面材と前記梁柱架構の間の目地部及び前記凹部に固化材を充填する固化材充填工程。
【0015】
また、本発明の架構補強構造の施工方法は、立設する2本の柱と前記2本の柱に横設されている上下の梁とを備えている梁柱架構の架構内面に、面材を固着することにより両者を一体とする、以下の工程を含むことを特徴とするものであり、本施工方法を採用することにより、容易にその施工を行うことができる。
(1)前記梁柱架構を構成する前記上下の梁及び前記2本の柱の少なくとも一部における架構内面側に、所定数の凹部を穿設する凹部穿設工程。
(2)予め前記面材と接合されている連結部材を前記凹部に挿設しながら、前記梁柱架構の架構内面に沿って面材を配置する面材配置工程。
(3)前記面材と前記梁柱架構の間の目地部及び前記凹部に固化材を充填する固化材充填工程。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において正面視とは、図1の方向から見た場合をいう。
また、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0017】
[架構補強構造]
図1及び図2に示すように、架構補強構造1は、既設建物の梁柱架構10と、その架構内面に固着されている枠付きの鉄骨ブレース20(面材)とから構成されている。
【0018】
梁柱架構10は、既存建物の柱11,12及び梁13,14から構成されており、所定間隔で立設されている左右の柱11,12と上下に横設されている梁13,14とが剛接合されたラーメン構造となっている。
そして、下梁14の上面における中央部近傍の所定位置には複数の円柱状の凹部14aが穿設されており、上梁13の下面には、所定間隔で丸穴13aが穿設されている。
なお、前記凹部14aの孔径は後記ダボ鉄筋5(連結部材)の径の2.5倍〜3倍、孔の深さは、ダボ鉄筋5の3倍〜4倍程度に形成することが好適である。
【0019】
鉄骨ブレース20は、梁柱架構10の剛性および耐力を増加させるための構造部材であり、枠組21と斜材27とから構成されている。この枠組21は、上下及び左右のH形鋼からなる枠部材22〜25を、正面視で口字形状となるように四周枠組として形成したものである。
前記枠組21における下枠部材23の下フランジ23aにおける所定位置には、梁柱架構10の前記凹部14aに挿設されるダボ鉄筋5を挿通するための貫通孔23bが穿設されている。
【0020】
また、前記斜材27もH形鋼であり、枠組21を形成する上枠部材22の中央部と、当該枠組21の左右の下隅角部の間にそれぞれ接合されており、正面視で倒立したV字形状を呈している。
なお、前記枠組21において、枠組21を形成する各枠部材22〜25の所定位置にスタッドボルトを溶接して設けてもよい。
【0021】
前記架構補強構造1では、前記枠組21の梁柱架構10の架構内面側のフランジ22a〜25aが、当該梁柱架構10の架構内面に当接するように配設されており、当該枠組21を構成する各枠部材22〜25が梁柱架構10の構面内強軸方向に配置されている。そして、ネジが切られている複数のダボ鉄筋5が、枠組21における下枠部材23の複数の貫通孔23bを通って、梁柱架構10における下梁14の凹部14aに挿設されており、当該下枠部材23の下フランジ23aにナット6により定着されている。さらに、前記梁柱架構10の架構内面と鉄骨ブレース20を形成する各枠部材22〜25の架構内面側のフランジ22a〜25aの間における目地部29、及び、前記凹部14aには、固化材7が介装及び充填されており、これにより両者が一体化されている。
【0022】
また、図3に示すように、本発明の架構補強構造1’は、前記鉄骨ブレース20’を構成する枠部材22’〜25’(符号21’は枠組)と斜材27’のH形鋼を所定数に分割して形成するとともに、継手を構成するスプライスプレート31〜35(添板)と高力ボルト36〜38(定着具)により接合する構造とするものであってもよい(斜材27’は、V字形状に設けられている)。分割して形成されているH形鋼の接合部の両部材間に跨って設けられている前記スプライスプレート31〜35は、ウエブ22c’の両側面及び上下のフランジ面22a’,22b’を挟持するようにそれぞれ設けられている。
その中の前記梁柱架構10の架構内面と向い合うフランジ22a’〜25a’面に設けられているスプライスプレート31と、当該スプライスプレート31を前記H形鋼に定着させるための高力ボルト36は凹凸部を形成し、シアキーとしての作用を果たしている。そのため、この架構補強構造1’により、当該H形鋼のフランジ22a’〜25a’面での変位の発生が防止され、確実に梁柱架構10’と鉄骨ブレース20’との一体性を確保することができる。
【0023】
なお、前記H形鋼において、梁柱架構10’の架構内面と向い合うフランジ22a’〜25a’面に、鉄筋、アングル材、あるいは、フラットバーなどを所定間隔で溶接することによっても、当該H形鋼のフランジ22a’〜25a’面での変位の発生が防止され、確実に梁柱架構10’と鉄骨ブレース20’との一体性を確保することができる(図示せず)。
【0024】
[施工方法]
次に、本発明に係る前記架構補強構造1の施工方法を図1等を参照して説明する。
本施工方法は、(1)凹部穿設工程、(2)面材配置工程及び(3)固化材充填工程から構成されている。
【0025】
(1)凹部穿設工程
本工程は、梁柱架構10を構成する下梁14の上面に複数の凹部14aを穿設する作業を行う工程であり、既存の方法で行うことができる。
【0026】
(2)面材配置工程
本工程は、梁柱架構10の架構内面に沿って鉄骨ブレース20を配置する作業を行う工程である。
具体的には、梁柱架構10の架構内面に沿って枠組21を設け、斜材27を当該枠組21に接合することで、当該梁柱架構10の架構内面に鉄骨ブレース20を配置する作業を行う。
【0027】
(3)固化材充填工程
本工程は、ダボ鉄筋5を凹部14a部に挿設することにより鉄骨ブレース20と接合するとともに、当該鉄骨ブレース20と梁柱架構10の間の目地部29及び前記凹部29に固化材7を充填する作業を行う工程である。
具体的には、枠組21における下枠部材23の貫通孔23bを通して、梁柱架構10の下梁14の凹部14aにダボ鉄筋5を挿通し、当該下枠部材23の下フランジ23aにナット6により定着させる。
そして、梁柱架構10と鉄骨ブレース20の目地部29の周囲に型枠(図示せず)を設置し、当該目地部29及び凹部14aに固化材7を充填して両者を一体化する。
その後、所定期間養生を行い、型枠を脱型することにより作業を終了する。
【0028】
なお、前記面材配置工程において、予め所定数のスタッドボルト(連結部材)が溶接されている鉄骨ブレースを用い、当該スタッドボルトを凹部に挿設しながら、梁柱架構の架構内面に沿って鉄骨ブレースを配置した後に、固化材充填工程において、前記鉄骨ブレースと梁柱架構の間の目地部等に固化材を充填することもできる。
【0029】
以上のように、本発明の架構補強構造1では、凹部14aに挿設されたダボ鉄筋5の周囲で硬化した固化材7と当該ダボ鉄筋5とが一体となり、梁柱架構10と鉄骨ブレース20の間でせん断力を伝達するためのシアキーが形成される。そして、このシアキーにより、梁柱架構10と鉄骨ブレース20との接合部における摩擦効果及び付着効果が高められ、接合部での変位が大きくなるにつれてダボ鉄筋5のダボ効果が発揮される。従って、本発明によれば、シアキーとダボ鉄筋5の複合効果で、梁柱架構10と鉄骨ブレース20との一体性を確保することができることから、終局時においても、良好なせん断伝達特性を確保することができる。
従って、アンカー鉄筋を打設することなく、梁柱架構10の架構内面に仕上材が塗布されている場合であっても除去する必要がないことから、作業時において、騒音、振動、粉塵が発生することを防止することができ、既設建物を使用しながら作業を行うことができる。また、仕上材を除去する必要がないことから、作業に伴って発生する廃棄物を減少させることができる。
【0030】
また、多数のアンカー鉄筋を打設しないため、既設の梁柱架構の架構内面に損傷を与えることを防止できるとともに、工期の短縮及び作業費用の低減を実現することができる。
また、梁柱架構10の下梁14に凹部14aを形成して、当該凹部14aにダボ鉄筋5を挿設することにより作業が可能となるため、施工時の精度が厳格に要求されないため、施工性を大幅に改良することができる。
さらに、鉄骨ブレース20の枠組21を構成する枠部材22〜25が梁柱架構10の構面内強軸方向に配置されているため、当該枠組21の面内剛性が高くなり、変形を小さくすることができる。従って、梁柱架構10と鉄骨ブレース20を接合した状態において、枠組21の変形により両者が離間することを防止することができる。その結果、梁柱架構10と鉄骨ブレース20との接合部におけるせん断伝達性能を高めることが可能となる。
【0031】
なお、本発明の架構補強構造1において、梁柱架構10の架構内面に増設される面材は、前記実施形態の鉄骨ブレース20に限定されるものではなく、鉄筋コンクリート造の耐震壁(以下、「RC耐震壁」という、図示せず)を用いることが可能である。
例えば、RC耐震壁を設ける場合には、以下の施工手順で行うことができる。
まず、梁柱架構の凹部に、ダボ鉄筋を仮固定し、当該凹部に固化材注入用のホースを配設する。
次に、前記RC耐震壁の配筋を通常の手順で行い、その周囲に型枠を設置して、コンクリートを打設する。
そして、コンクリートの充填が不十分である未充填箇所及び前記凹部に固化材を注入する(凹部への固化材の注入は前記ホースにより行う)。
【0032】
さらに、前記の場合において、RC耐震壁は、プレキャストコンクリート部材を用い(分割して形成されているものでもよい)、既存の方法で、梁柱架構10の架構内面に増設することもできる。
【0033】
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。特に、梁柱架構、面材、連結部材及び固化材の形状、寸法、材質(材料)等は、施工現場の状況に応じて適切に定める必要があることは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】
本発明の架構補強構造によれば、梁柱架構と面材との接合部の強度と剛性を高めて確実に接合することにより、地震時等に発生するせん断応力等を十分に伝達させることが可能となるとともに、容易に施工を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の架構補強構造を示す正面断面図である。
【図2】図1におけるX−X断面図である。
【図3】本発明の架構補強構造の他の実施形態を示す正面断面図である。
【図4】従来の架構補強構造を示す側断面図である。
【符号の説明】
1,1’ 架構補強構造
5 ダボ鉄筋(連結部材)
6 ナット
7 固化材
10 梁柱架構
11,12 柱
13,14 梁
14a 凹部
20,20’ 鉄骨ブレース(面材)
21,21’ 枠組
22〜25,22’〜25’ 枠部材
22a〜25a,22a’〜25a’ フランジ
27,27’ 斜材
31〜35 スプライスプレート(添板)
36〜38 高力ボルト(定着具)

Claims (5)

  1. 立設する2本の柱と前記2本の柱に横設されている上下の梁とを備えている梁柱架構の架構内面に、面材を固着した架構補強構造であって、
    前記梁柱架構を構成する前記上下の梁及び前記2本の柱の少なくとも一部における架構内面側には所定数の凹部が穿設され、かつ、前記凹部には前記面材と接合されている連結部材が挿設されており、
    前記面材と前記梁柱架構の間の目地部及び前記凹部に固化材が充填されることにより、前記梁柱架構と前記面材とが一体化されていることを特徴とする架構補強構造。
  2. 前記面材は、H形鋼を前記梁柱架構の構面内強軸方向となるように配置した四周枠組と、前記四周枠組に接合された斜材とを備えており、
    前記四周枠組におけるH形鋼を所定数に分割して形成するとともに、
    分割形成されている前記H形鋼を接合するために前記梁柱架構の架構内面と向い合うフランジ面に設けられている添板と、前記添板を前記H形鋼に定着させるための定着具とをシアキーとして兼用することを特徴とする請求項1記載の架構補強構造。
  3. 前記面材は、四周枠組と前記四周枠組に接合された斜材とを備えており、
    前記四周枠組における、前記梁柱架構の架構内面と向い合う面に、所定数のシアキーを設けたことを特徴とする請求項1記載の架構補強構造。
  4. 立設する2本の柱と前記2本の柱に横設されている上下の梁とを備えている梁柱架構の架構内面に、面材を固着することにより両者を一体とする、以下の工程を含むことを特徴とする架構補強構造の施工方法。
    (1)前記梁柱架構を構成する前記上下の梁及び前記2本の柱の少なくとも一部における架構内面側に、所定数の凹部を穿設する凹部穿設工程。
    (2)前記梁柱架構の架構内面に沿って面材を配置する面材配置工程。
    (3)連結部材を前記凹部に挿設して前記面材と接合するとともに、
    前記面材と前記梁柱架構の間の目地部及び前記凹部に固化材を充填する固化材充填工程。
  5. 立設する2本の柱と前記2本の柱に横設されている上下の梁とを備えている梁柱架構の架構内面に、面材を固着することにより両者を一体とする、以下の工程を含むことを特徴とする架構補強構造の施工方法。
    (1)前記梁柱架構を構成する前記上下の梁及び前記2本の柱の少なくとも一部における架構内面側に、所定数の凹部を穿設する凹部穿設工程。
    (2)予め前記面材と接合されている連結部材を前記凹部に挿設しながら、前記梁柱架構の架構内面に沿って面材を配置する面材配置工程。
    (3)前記面材と前記梁柱架構の間の目地部及び前記凹部に固化材を充填する固化材充填工程。
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