JP3851208B2 - インバータ一体型駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータと、コイルを内蔵するとともに、昇圧機能を有するインバータ一体型駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、直流電力をインバータによって交流に変換し、交流モータを駆動するシステムが普及している。このシステムでは、インバータの制御によって、交流モータに対する電流供給を広範囲で容易に制御することができ、各種の用途で広く利用されている。例えば、電気自動車やハイブリッド自動車においては、搭載した電池からの直流電力をインバータにより所望の(出力トルク指令に応じた)交流電流に変換して駆動モータに供給している。なお、このシステムでは、回生電力を電池の充電に利用することもでき、非常に有利である。
【0003】
ここで、インバータとモータの間には、大きな電流が流れる配線が必要であり、なるべく近くに配置することが求められる。特に、車両に搭載するモータの場合には、コンパクトにまとめられていることが要求される。
【0004】
そこで、インバータとモータを1つの筐体に収容したインバータ一体型モータが従来から知られている。この構成によれば、配線の引き回しも容易となり、全体としてコンパクトに構成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、インバータには、電池からの直流電圧が供給され、インバータはこれを交流に変換する。車両用のモータでは、発進時などに大きなトルクを発生する必要があり、モータの出力が非常に大きくなる。このような場合、電池電圧が低いと、その出力を得るための電流値が非常に大きくなってしまい、エネルギーロスが大きくなる。そこで、電池電圧を十分高くしたい。電池容量を十分大きくすれば、電池電圧の変動を抑制することはできるが、電池容量を非常に大きくすることは困難であり、電池電圧が変動することは避けられない。
【0006】
一方、電池電圧を比較的低電圧にしておき、昇圧コンバータを用いて、高電圧にするシステムも知られている。このシステムによれば、電池電圧を比較的低電圧にでき、インバータ入力電圧およびモータ入力電圧を高電圧に維持することができる。
【0007】
しかし、昇圧コンバータは、スイッチングトランジスタの他にコイルを要する。そこで、このような昇圧コンバータをモータと一体化することは、かえって場所をとり、その設置が困難になるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、昇圧機能を有しつつ、コンパクトに形成できるインバータ一体型駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スター結線のコイルと、このコイルの中性点に接続され、電池に接続するための電池用端子と、前記コイルの端部に出力側が接続され、入力側の直流電力を多相交流に変換してコイルに供給するインバータと、このインバータの入力側に接続され、インバータに直流電力を供給するコンデンサに接続するためのコンデンサ用端子と、を含み、これらを1つの筐体内に収容し、電池の電力をコイル、インバータを介し前記コンデンサに輸送することが可能である。
【0010】
このように、コイルの中性点に電池を接続することで、電池の電力をコンデンサに輸送して昇圧することができる。そして、このような昇圧機能を有するにも拘わらず、別体の昇圧コンバータは不要であり、インバータ一体型駆動装置を得ることができる。
【0011】
また、本発明は、スター結線の第1コイルと、スター結線の第2コイルと、この第1および第2コイルの中性点にそれぞれ接続され、一対の中性点間に電池を接続するための一対の電池用端子と、前記第1コイルの端部に出力側が接続され、入力側の直流電力を多相交流に変換して第1コイルに供給する第1インバータと、前記第2コイルの端部に出力側が接続され、入力側の直流電力を多相交流に変換して第2コイルに供給する第2インバータと、この第1および第2インバータの共通接続された入力側に接続され、コンデンサに接続するための第2端子と、を含み、これらを1つの筐体内に収容し、電池の電力を第1および第2コイル、第1および第2インバータを介し前記コンデンサに輸送することが可能であることを特徴とする。
【0012】
このように、一対のスター結線コイルの中性点間に電池を接続する装置では、2つのスター結線コイルの中性点間の電位差が規定されるだけであって、それぞれのスター結線コイルの平均電位(中性点電位)自体は任意に設定することができる。そこで、コンデンサ電圧(インバータ入力電圧)について、幅広い制御を行うことができる。
【0013】
また、前記第1コイルおよび第2コイルに近接して、1つのロータを配置し、前記第1および第2コイルによって、1つのロータを回転駆動することが好適である。
【0014】
また、第1および第2のスター結線のコイルのうちの一方のコイルに供給する電流の最大振幅値を減少させ、その減少分に対応する電流を他方のコイルに供給する電流に加算することが好適である。
【0015】
この構成により、最大電流を低減することができ、インバータやコイルも小さくすることができ、好適な一体型駆動装置を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るインバータ一体型モータを含むシステム全体の回路構成を示す図である。この構成は、特願2001−331175号において提案したものと同一である。
【0018】
すなわち、図に示した動力出力装置20は、Y結線(スター結線)された二つの三相コイル24,26を有する2コイルモータ(以下、2Yモータという)22と、二つの三相コイル24,26に各々接続され正極母線34と負極母線36を共用する二つのインバータ回路30,32と、正極母線34と負極母線36とに接続されたコンデンサ38と、2Yモータ22の二つの三相コイル24,26の中性点間に設けられた直流電源40と、装置全体をコントロールする電子制御ユニット50とを備える。
【0019】
図2は、2Yモータ22の二つの三相コイル24,26の関係を例示する説明図である。2Yモータ22は、例えば外表面に永久磁石が貼り付けられたロータと、図2に例示するように二つの三相コイル24,26を回転方向に角度αだけずらして巻回されたステータとから構成されており、二つの三相コイル24,26が巻回されている点を除いて通常の発電可能な同期発電電動機と同様の構成をしている。三相コイル24,26は回転方向に角度αだけずれているから、2Yモータ22は六相のモータと考えることもできる。こうした2Yモータ22を駆動するには、インバータ回路30により三相コイル24に印加される三相交流に対してコイルずれ角αだけ位相差をもった三相交流が三相コイル26に印加されるようインバータ回路32を制御すればよい。なお、2Yモータ22の回転軸は実施例の動力出力装置20の出力軸となっており、この回転軸から動力が出力される。実施例の2Yモータ22は前述したように発電電動機として構成されているから、2Yモータ22の回転軸に動力を入力すれば、2Yモータ22により発電できるようになっている。
【0020】
インバータ回路30,32は、共に6個のトランジスタT11〜T16,T21〜T26と6個のダイオードD11〜D16,D21〜D26とにより構成されている。6個のトランジスタT11〜T16,T21〜T26は、それぞれ正極母線34と負極母線36とに対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、その接続点に2Yモータ22の三相コイル24,26(UVW)の各々が接続されている。したがって、正極母線34と負極母線36とに電圧が作用している状態で対をなすトランジスタT11〜T16,T21〜T26のオン時間の割合をコイルずれ角αの位相差をもって制御すれば、2Yモータ22の三相コイル24,26により回転磁界を形成し、2Yモータ22を回転駆動することができる。
【0021】
また、本実施形態において、2つの三相コイル24,26を別々に配置し、それぞれに対応するロータを設け、2つの全く別のモータとして構成してもよい。
【0022】
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM54と、一時的にデータを記憶するRAM56と、入出力ポート(図示せず)とを備える。この電子制御ユニット50には、2Yモータ22の三相コイル24,26のuvwの各相に取り付けられた電流センサ61〜66からの各相電流Iu1,Iv1,Iw1,Iu2,Iv2,Iw2や2Yモータ22の中性点に取り付けられた電流センサ67からの中性点電流Io,2Yモータ22の回転軸に取り付けられた回転角センサ68からの2Yモータ22の回転子の回転角θ,コンデンサ38に取り付けられた電圧センサ70からのコンデンサ38の端子間電圧Vc,2Yモータ22の駆動に関する指令値などが入力ポートを介して入力されている。ここで、電流センサ61〜63および電流センサ64〜66のうちの各々いずれか一つは省略可能であり、いずれか一つを異常検出専用のセンサとして用いるものとしてもよい。また、電子制御ユニット50からは、インバータ回路30,32のトランジスタT11〜T16,T21〜T26のスイッチング制御を行なうための制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0023】
「2YDCにおけるコンデンサ電圧制御」
上述のように、本実施形態では、2つの多相コイルの中性点間に直流電源を配置し、2つの多相コイルへの電力供給を制御するインバータ回路30,32のスイッチングを制御することで、2つのインバータ回路30,32の電源であるコンデンサ38の電圧を制御した。
【0024】
ここで、本実施形態の2YDCシステムをインバータの内部を省略して書き直すと図3のように表すことができる。
【0025】
すなわち、コンデンサCの一端は一定電圧の電源(例えば、アース)に接続されている。そして、このコンデンサCの両端がインバータINV1、インバータINV2にそれぞれ接続されている。すなわち、コンデンサCの出力が電源としてインバータINV1、INV2に入力されている。
【0026】
インバータINV1は、3相の出力U1,V1,W1を有し、ここにモータコイルM1のU,V,Wの3相のコイルがそれぞれ接続されている。また、インバータINV2は、3相の出力U2,V2,W2を有し、ここにモータコイルM2のU,V,Wの3相のコイルがそれぞれ接続されている。
【0027】
ここで、モータコイルM1、M2は、別々に示しているが、上述のように1つのモータのコイルであり、通常の場合モータに所定角度だけ異なるように配置され、その所定角度だけ異なる位相の電流が供給される。これによって、両モータコイルM1,M2に供給する電流の両方がモータ駆動電流として機能する。
【0028】
モータコイルM1、M2の各相モータコイルは中性点で共通接続されており、モータコイルM1、M2の中性点同士がバッテリBを介し接続されている。この例では、モータコイルM1の中性点にバッテリBの正極が接続され、モータコイルM2の中性点にバッテリBの負極が接続されている。
【0029】
なお、図示は省略したが、インバータINV1、INV2は、それぞれ第1電源pと第2電源m間(図示の例では第1電源pがアース)に配置された2つのスイッチングトランジスタの直列接続からなるアームを3つ有しており、これらアームの中点が各相コイル端に接続されている。
【0030】
従って、インバータINV1、INV2内のスイッチングトランジスタのオンオフを制御することによって、コンデンサCから所望の電流をモータコイルM1、M2に供給し、これらを駆動することができる。さらに、インバータINV1、INV2における上側トランジスタのオン期間と、下側トランジスタのオン期間の長さに差を付けることによって、モータコイルM1、M2における中性点から出入りするモータ駆動用の相電流以外の電流(零相電流)が制御される。
【0031】
ここで、本実施形態では、1つのコンデンサCの両端電圧(出力電圧)Vcを電源としてインバータINV1、INV2が駆動される。そして、バッテリBの両端電圧(出力電圧)Eは基本的に変動しない。そこで、零相電流を制御することで、モータコイルM1、M2の中点電位をバッテリBの電圧分だけの差を維持しつつ、任意に設定することができる。
【0032】
なお、図3に示すように、第1電源pの電圧はVp、第2電源mの電圧はVm、コンデンサCの出力電流はic、コンデンサCの両端電圧はVc(=|Vm−Vp|)、インバータINV1の第1電源pからの電流はip1、インバータINV1の第2電源mからの電流はim1、インバータINV2の第1電源pからの電流はip2、インバータINV2の第2電源mからの電流はim2である。また、モータコイルM1について、u相電流iu1,v相電流iv1、w相電流iw1、u相端電圧Vu1、v相端電圧Vv1、w相端電圧Vw1、モータコイルM2について、u相電流iu2、v相電流iv2、w相電流iw2、u相端電圧Vu2,v相端電圧Vv2、w相端電圧Vw2である。モータコイルM1の中性点電圧はVz1、モータコイルM2の中性点電圧はVz2、バッテリB電圧はE、零相電流はieである。
【0033】
特に、本システムでは、モータコイルM1、M2の中性点電位Vz1,Vz2と、インバータINV1、INV2の電源電圧、すなわちコンデンサCの出力電圧Vcの関係は、インバータINV1、INV2における上側トランジスタと、下側トランジスタのオン期間の比で定まり、2つのモータコイルM1、M2の中性点間の電位差は、バッテリB電圧E(=|Vz1−Vz2|)である。従って、インバータINV1、INV2の上側トランジスタと、下側トランジスタのオン期間の比(変調率)によって、コンデンサCの両端電圧が決定されることになる。
【0034】
また、インバータINV1、INV2は、内部のスイッチングトランジスタをPWM制御することによって、モータコイルM1、M2の中性点電位Vz1,Vz2を制御する。ここで、上側トランジスタのオン期間と下側トランジスタのオン期間の比(変調率)は、図4(a)、4(b)に示すように、三角波である搬送波の一周期に対する電圧指令値の振幅の割合である。すなわち、電圧指令値を高くすると、それだけ三角波が指令値を上回る期間が少なくなる。そして、三角波が指令値を上回る期間を各相の上側トランジスタのオン期間、下側トランジスタのオフ期間とすることで、上下トランジスタのオン期間の比(すなわち変調率)が決定される。図4(a)には、インバータINV1の変調率d1が示されており、図4(b)には、インバータINV2の変調率d2が示されている。
【0035】
このように、変調率によって、中性点電位が決定され、この中性点電位とコンデンサ電圧の比は、変調率で決定される。さらに、2つの中性点電位の電位差は、バッテリBの電圧Eである。従って、変調率と、コンデンサ電圧Vcの間には、次の関係がある。
【0036】
Vc=E/(d1−d2)
そこで、両インバータINV1、INV2の変調率を制御することで、コンデンサ電圧Vcを決定することができる。
【0037】
なお、上述の例では、インバータの搬送波周期Tsに対し、デッドタイムをおかずにスイッチングトランジスタをオンオフした。すなわち、デューティー比50%の場合には、上下トランジスタとも50%の期間オンするようにした。しかし、スイッチング期間における貫通電流を完全になくすために、上下トランジスタを両方ともオフするデッドタイムTdを設ける場合も多い。この場合には、上述の式は、次のように書き換えて適用される。
【0038】
Vc=E/{(d1−Td/Ts)−(d2+Td/Ts)}
このように、デッドタイムを設ける場合においても、変調率d1,d2を制御することでコンデンサ電圧Vcを決定することができる。
【0039】
さらに、図5には、さらに他の変形例を示してる。この例では、モータコイルとして、M1,M2,M3の3つを有している。そして、モータコイルM1,M2の中性点間がバッテリB1で接続され、モータコイルM2,M3の中性点間がバッテリB2で接続されている。また、モータコイルM1には、インバータINV1の出力が接続され、モータコイルM2には、インバータINV2の出力が接続され、モータコイルM3には、インバータINV3の出力が接続されている。そして、インバータINV1,INV2,INV3の入力には、コンデンサCの両端が接続されている。
【0040】
このようなシステムにおいて、コンデンサCの出力電圧をVc、バッテリB1の出力電圧をE1、バッテリB2の出力電圧をE2、インバータINV1の変調率をd1、インバータINV2の変調率をd2、インバータINV3の変調率をd3とすると、これらには次の関係がある。
【0041】
Vc=E1/(d1−d2)=E2/(d2−d3)
従って、この式を満足するようにして変調率d1,d2,d3を制御することで、所望のコンデンサ電圧Vcを得ることができる。また、E1/(d1−d2)と、E2/(d2−d3)の値を異ならせることで、バッテリB1,B2間における電荷を輸送することができる。
【0042】
なお、モータコイルM1,M2,M3の3つとしたが、4以上としても同様の制御を行うことができる。また、複数のモータコイルは、1つの電動機を構成しても、複数の電動機を構成してもよい。
【0043】
「振幅最大値の抑制」
次に、本システムにおける電流振幅最大値の抑制について説明する。これは、2つのモータコイルM1,M2への電流の分配を変更することで達成する。
【0044】
「実施形態の効果」
実施形態に係る制御の具体例を説明する前に、モータ出力と相電流との関係をシミュレーションで示し、本発明の電流低減効果を示す。
【0045】
このシミュレーションは以下の手順で行った。最初に、1つの相(ここでは、u相)の相電流iu1を、一回転での平均値(直流成分)idcとそれ以外の成分(交流成分)iacとに分ける。さらに、交流成分iacについては、その振幅Iacで規格化した関数g(θ)を導入する。
【0046】
すなわち、
【数1】
Figure 0003851208
とする。
【0047】
つづいて、本システムの電池電圧Eとコンデンサ電圧Vcの関係から電圧Vwを定義する。これは、相電流の振幅Iacは、コンデンサ電圧Vcから電池電圧Eを減算した電圧が最大値になるからである。また、同時に各コイルに印加される電圧vvは上述の電流iacと一定の位相差(力率cosφ)で推移すると仮定する。
【0048】
すなわち、
【数2】
Vw=Vc−E (6)
vv=Vwg(θ+φ) (7)
とする。
【0049】
また、モータ出力Woと各コイルがする仕事との関係は、コイルが6本あるので、次式のように整理できる。
【0050】
【数3】
Figure 0003851208
また、モータ出力は損失が十分に小さいとしてWo=ieEと近似できる。この関係より次式を得る。
【0051】
【数4】
ie=Wo/E (13)
以上より、各相コイルを流れる電流は式(12)、(13)で求められるIac,ieを利用し次式で求められる。ただし、ieのリップル分は考慮していない。
【0052】
【数5】
Figure 0003851208
次に、解析に用いる条件を示す。電池電圧E=42V または105V、コンデンサ電圧Vc=210V(昇圧率Vc/E=5,または2)、力率cosθ=0.8で、モータ出力Woに対する交流電流振幅の大きさの最大値の通電方法による違いを示す。
【0053】
この結果を、図6〜図8に示す。これらの図は、昇圧率の違いによる相電流最大値の違いを示しており、横軸がモータ出力、縦軸が相電流最大値(imax)、実線が相電流最大値、波線が相電流最大値のうちの直流成分(ie/3)を示している。
【0054】
図6は従来の通電時の相電流最大値、図7は零相リップル非許容条件での最大抑制通電時の相電流最大値、図8は零相リップル許容条件での最大抑制通電方法(4.2.2 節)時の、相電流最大値を示している。
【0055】
これらの図より以下のことがわかる。
【0056】
・いずれの場合にも、相電流の大きさは昇圧率により大きく変化し、昇圧率が高いほうが相電流に占める直流成分の比率が大きい。
【0057】
・また、通電法の違いによる相電流の大きさの抑制効果が確認できる。
【0058】
・Wo=40kW、昇圧比5倍で相電圧の最大値(交流成分、直流成分)を比較すると、図6の従来通電では、最大値477A(159,317A)、図7では、454A(136,317A)、図8では、402A(85,317A)である。
【0059】
「本発明の基本となる従来の通電方法の説明」
図6に示す2YDC可変型インバータの従来の通電方法について、説明する。図3に示す2YDC可変型インバータに、通常流される相電流iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2は、零相電流をie、交流電流振幅をA、ロータ回転数、回転角をそれぞれω,θ(θ=ωt)とすれば、次式で表される。
【0060】
【数6】
Figure 0003851208
ここで、A=1(A),ie=3(A)とすると、式(15)〜(20)は、図9の関係が有る。ただし、図9は上段から、iu1,iu2各々の電流が1段目、iu1とiuとの電流の和が2段目、相電流をdq軸変換した後のd軸電流id1,id2が3段目、q軸電流iq1,iq2が4段目、最終段が零相電流ieの3分の1(1相分)を示してある。
【0061】
ここで、リラクタンストルクを考えなければiq1+iq2がモータトルクに寄与する電流成分(今回のケースでは、磁石位置を解析に入れていないので、iu1+iu2がモータトルクに寄与する電流成分ともいえる)、ieが電池とコンデンサ間を流れる電流である。そして、この時の相電流の大きさの最大値は2.00(A)である。図9の関係のうち、モータ駆動トルクを発生するための電流と電池・コンデンサ間の電流の条件は、式(21)で書くことができる。
【0062】
【数7】
Figure 0003851208
さらに、式(22)、(23)を導入することにより、式(21)は以下のようにも書きかえられる。なお、式(24)において、id,iqは、dq軸で表される電流成分で、ここではコンスタントとなる。
【0063】
【数8】
Figure 0003851208
モータのコイル間に位相差がある場合(あるスター結線のコイル位置と、他のスター結線のコイル位置とが角度ξでずれている場合)には、通電される電流は式(25)〜(30)の様に書きかえられ、式(24)は式(31)となる。
【0064】
【数9】
Figure 0003851208
A=1(A)、ie=3(A)、ξ=30°とすると、式(25)〜(30)は、図10の関係が有る。このように、コイルの位相差を考慮した場合にも図9と同様の関係があることが分かる。
【0065】
「実施形態の2YDC可変型インバータの説明」
図7の実施形態では、零相電流におけるリップルの発生を許容せずに相電流の最大値を抑制する。
【0066】
すなわち、本実施形態では、図3の2YDC可変型インバータにおいて、相電流iu1,iv1,iw1に対し所定の関数を加算することで、最大振幅を抑制する。そして、加算した関数を相電流iu2,iv2,iw2から減算することで、モータの出力トルクを変動させることなく、電流の最大振幅を抑制する。また、本実施形態では、零相電流のリップルを許容しない。
【0067】
モータ出力トルクおよび零相電流の大きさを変えずに、電流振幅を減少させるためには、相電流iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2は、式(21)の関係を満足する必要がある。すなわち、次式(32)を満足する必要がある。この式は、各スター結線の対応する相の電流の和が正弦波であり、かつ各スター結線内の各相の電流の総和が零相電流の値、若しくは零相電流の値の符号を変えたものに等しいことを意味している。
【0068】
【数10】
Figure 0003851208
ここで式(32)の左辺の行列のランクが4だから、2つのフリーパラメータfu(θ),fv(θ)を導入し、式(32)を満足するように、以下のような十分条件に書きかえることができる。
【0069】
【数11】
Figure 0003851208
ここで、fu(θ),fv(θ),fw(θ)が、設計に利用できるパラメータ(自由度は2)である。
【0070】
従って、式(33)〜(42)を満たすfu(θ),fv(θ),fw(θ)(自由度は2)を与えることで、出力トルクおよび零相電流を変動させることなく、相電流iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2を変動させることができる。そして、fu(θ),fv(θ),fw(θ)を相電流iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2の最大振幅を減少するように選択することで、所期の目的を達成することができる。
【0071】
図8の実施形態では、条件を緩和し、零相電流におけるリップルの発生を許容して、相電流の最大値を抑制する。この場合には、式(39)の条件をはずすことができる。従って、fu(θ),fv(θ),fw(θ)を選択する場合の自由度が広がる。そして、相電流の最大値をより小さくすることが可能となる。
【0072】
また、上述の説明では、2つのモータコイルM1,M2間に位相差がないことを前提とした。実際には、コイル間に位相差を持たせて配置する場合も多い。この場合には、コイル電流に対応した位相差を持たせることで、位相差を持たせたことの影響を排除する。
【0073】
このような各スター結線のコイル間に位相差ξを持つ場合には、式(31)が、式(21)に変わる条件となる。すなわち、モータ発生トルクや零相電流の大きさを変えずに電流振幅を減少するためには、相電流iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2が、式(43)を満足する必要がある。この式は、各スター結線の対応するdq軸電流の和が一定であり、かつ各スター結線内の各相の電流の総和が零相電流の値、若しくは零相電流の値の符号を変えたものに等しいことを意味している。
【0074】
【数12】
Figure 0003851208
ここで、式(43)を満たす解の1つとして、前述の場合と同様に以下の結果が導かれる。
【0075】
【数13】
Figure 0003851208
ここで、fu(θ),fv(θ),fw(θ),hu(θ),hv(θ),hw(θ)が、設計に利用できるパラメータである。さらに、ξ=0°の時、式(33)、(42)の関数は、式(44)、(59)を満たす。
【0076】
そして、式(44)〜(59)を満たすfu(θ),fv(θ),fw(θ),hu(θ),hv(θ),hw(θ)を与えることで、出力トルクおよび零相電流を変動させることなく、相電流iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2を変動させることができる。さらに、fu(θ),fv(θ),fw(θ),hu(θ),hv(θ),hw(θ)を相電流iu1,iv1,iw1,iu2,iv2,iw2の最大値を抑制できる形にすることで、所期の目的を達成することができる。
【0077】
また、条件を緩和し、零相電流にリップル電流を許せば、式(50)、(51)の条件に代り、fu+fv+fw+hu+hv+hw=0が条件となる。
【0078】
「零相電流にリップルを許さない場合の具体例」
コイル間位相差ξ=0°で、上述の条件を満足する通電方法は、fu(θ),fv(θ),fw(θ)を式(60)〜(62)のように設定することにより得られる。なお、式のg1は、式(40)〜(42)の条件を満たすために入れた定数で、この場合はg1=0.867である。
【0079】
【数14】
Figure 0003851208
A=1(A),ie=3(A)の場合について、fu(θ)の波形をiu1と比較し、図11、図12に示す。図11は、fu(θ)の図とiu1の図の縦軸のスケールをあわせたもの、図12は、fu(θ)の波形を見やすくするために拡大したものである。図より、fu(θ)の波形は正弦波のピーク部分を60度幅で切り出し、それを正側負側正側の順にならべ、負側の大きさを正側の2倍に設定した波形となっている。すなわち、iu1の最大ピークのところを最も抑制する波形となっている。
【0080】
従って、このような形のfu(θ),fv(θ),fw(θ)をサインカーブに加算することによって相電流を最大電流を抑制することができ、かつこれに基づく出力トルクの変化はない。さらに、この例では、零相電流を発生しないという条件も満たしている。
【0081】
さらに、式(60)〜(62)の条件を用いた結果を図13に示す。図より、以下のことがわかる。
【0082】
・零相電流
零相電流はie=3(A)であり、リップル成分は含まれない。
【0083】
・トルク
モータトルクを発生する電流(iu1+iu2)は図9と同等で、意図どおりのトルクを発生している。
【0084】
・相電流の大きさ
相電流の大きさの最大値は、1.866(A)である。大きさの内訳は、交流による成分が0.866A、直流による成分が1Aである。
【0085】
このように、式(60)〜(62)に示すfu(θ),fv(θ),fw(θ)を利用することによって、零相電流、モータ出力トルクに影響を与えることなく、相電流の最大値を抑制することができる。
【0086】
また、ξ=0°で、零相電流にリップルを許さない場合の他の例として、3倍の高調波で交流振幅を変調する場合を示す。
【0087】
すなわち、A=1(A),ie=3(A)の場合について、fu(θ)の波形をiu1と比較し、図14に示す。この波形は、元々の交流波形の振幅を3倍の周波数を持つ正弦波で、次式のように変調した波形になっている。
【0088】
【数15】
Figure 0003851208
さらに、式(63)と(64)はつぎのように整理できる。
【0089】
【数16】
Figure 0003851208
ここで、fu(θ)=αsin(3θ)Asin(θ)とおけば、式(33)〜(42)の条件を満足する。すなわち、fu(θ)=αsin(3θ)Asin(θ)に設定することで、下記のような結果が得られる。
【0090】
図14は、このfu(θ)を示したものである。さらに、このfu(θ)を用いた結果を図15に示す。図より、以下のことがわかる。
【0091】
・零相電流
零相電流は平均値はie=3(A)である。その大きさは、加えたfu(θ)の3倍の振幅である。
【0092】
・トルク
モータトルクを発生する電流(iu1+iu2)は図9と同等であり、意図どおりのトルクを発生している。
【0093】
・相電流の大きさ
相電流の大きさの最大値は1.872(A)である。大きさの内訳は、交流による成分が0.872A、直流による成分が1Aである。
【0094】
次に、各スター結線間のコイル位置に位相差が30°ずれた場合(ξ=30°)の結果を図16に示す。この図より、以下のことがわかる。
【0095】
・零相電流
零相電流は、ie=3(A)であり、リップル成分は含まれない。
【0096】
・トルク
モータトルクを発生する電流(idとiq)は図9と同等で、意図どおりのトルクを発生している。
【0097】
・相電流の大きさ
相電流の大きさの最大値は、1.866(A)である。大きさの内訳は、交流による成分が0.866A、直流による成分が1Aである。
【0098】
・相電流の波形
ここで用いた指令値は、電流の大きさを抑制するために、急峻に変化する波形である。しかし、実際の場合には、これをフィルタリングし高周波成分を除くことにより実現する。ただし、その場合は若干電流の抑制効果は悪くなる。
【0099】
「零相電流にリップルを許す場合の具体例」
ξ=0°で、零相電流リップルを許す条件で、相電流の大きさを抑制できる通電方法の1つは、fu(θ)、fv(θ),fw(θ)を式(67)〜(69)のように流すことである。なお、式のg2は、式(40)〜(42)の条件を満たすために入れた定数で、この場合はg2=−0.637である。
【0100】
【数17】
Figure 0003851208
A=1(A)、ie=3(A)の場合について、fu(θ)の波形をiu1と比較し、図17に示す。さらに、式(67)〜(69)の条件を用いた結果を図18に示す。図より、以下のことがわかる。
【0101】
・零相電流
零相電流の平均値はie=3(A)であるが、リップル成分が含まれその大きさは0.46Aである。
【0102】
・トルク
モータトルクを発生する電流(iu1+iu2)は図9と同等で、意図どおりのトルクを発生している。
【0103】
・相電流の大きさ
相電流の大きさの最大値は、1.63(A)である。大きさの内訳は、交流による成分が0.63A、直流による成分が1Aである。
【0104】
次に、ξ=0°で、零相電流にリップルを許す場合のその他の方法の一例として、6倍の高調波を加える場合を示す。A=1(A)、ie=3(A)の場合について、fu(θ)の波形をiu1と比較し、図19に示す。なお高調波の振幅は、相電流が最小になるように最適化した値を用いている。
【0105】
さらに、このfu(θ)を用いた結果を図20に示す。図より、以下のことがわかる。
【0106】
・零相電流
零相電流は平均値はie=3(A)であるが、リップル成分が含まれる。その大きさは、加えたfu(θ)の3倍の振幅である。
【0107】
・トルク
モータトルクを発生する電流(iu1+iu2)は図9と同等で、意図どおりのトルクを発生している。
【0108】
・相電流の大きさ
相電流の大きさの最大値は1.96(A)である。大きさの内訳は、交流による成分が0.96A、直流による成分が1Aである。
【0109】
このように、上記実施形態にによれば、トルクの増減を伴うことなく、相電流の最大電流値を抑制することができ、モータとしての機能を損なうことなく、デバイスの電流容量を下げられるので,同等性能を保ちつつ、システムの低コスト化を実現できる。トルクリップルを抑制することで、モータの機能を十分なものにできる。
【0110】
また、電流抑制には、高周波成分が電流に重畳する必要がある。このため、高周波域まで電流を制御することが必要になる。しかし、回転数により制御を切り替えることにより、より効果的な制御が可能になる。
【0111】
すなわち、電流値が大きい低回転域で振幅最大値抑制を行うため、元々の制御周波数帯域が低いので,高調波を重畳しても制御が極端に難しくはならない。一方、高回転域では従来法を用いるため前述の高周波重畳時の制御問題は発生しない。さらに、中回転領域において、零相電流のリップルを抑制することで、適切な制御が行える。
【0112】
このような制御の切り替えにより、電流抑制による制御上の問題を回避しつつ,電流抑制を実現できる。
【0113】
「一体型駆動装置」
上述のように、本実施形態によれば、2つの三相コイル24、26を有し、これによって1つのモータを構成するシステムが示されている。そして、このようなモータをインバータと一体形成することが好適である。
【0114】
図21には、全体的な構成が示されている。筐体100内の一方側には、インバータ110が配置される。例えば、このインバータ110は、2つのインバータ回路30、32を含んでおり、1つの基板112上に形成される。インバータ110は、複数パワートランジスタなどの素子114から構成され、このインバータ110と、ステータ(ステータコイル)150が配線116で接続されている。なお、図においては、配線116を1つだけ示したが、インバータ110の出力端のそれぞれがステータ150の各入力端に接続されている。また、仕切り120と基板112の間には、内部に冷却水路を含む冷却板118が配置されており、これによって素子114を冷却している。
【0115】
筐体100の仕切り120には、その中心部に軸受け(ベアリング)122が設けられ、ここにシャフト130が軸支される。筐体100のインバータ110の反対側には、シャフト130が貫通される位置に軸受け(ベアリング)124が設けられ、この軸受け124を介し、シャフト130が筐体100から突出されている。
【0116】
シャフト130の筐体内の中間部には、ロータ140が配置され、このロータ140を取り囲むように、ステータ150が配置されている。このロータ140とステータ150は、図21の右図に示すように、円筒形のロータ140を同心状に中空円筒状のステータ150が取り囲む形になっている。
【0117】
この例では、ステータ150は、周方向に4つの部分ステータp1,p2,p3,p4に分割されており、4極対(ポール)のモータである。そして、この部分ステータp1,p2,p3,p4は、それぞれが三相コイル24、26を含んでいる。従って、部分ステータp1において、2つの三相コイル24、26が設けられている。そして、部分ステータは4つあるため、2つの三相コイル24、26は、各相のコイルがそれぞれ直列接続され、全体として6相のコイルとなっている。
【0118】
そして、この2つの三相コイル24、26の6つのコイル端部にインバータ回路30、32の出力端がそれぞれ接続される。この接続は、筐体100内で行われる。一方、直流電源40は、外付けであり、筐体100に設けられた一対の電池用端子(それぞれが三相コイル24、26の中性点に接続されている)に接続される。
【0119】
また、この例では、コンデンサ38も外付けで形成されている。そこで、インバータ回路30、32の正極母線34と、負極母線36に接続される一対の端子が筐体100に設けられ、ここに外付けのコンデンサ38が接続される。なお、コンデンサ38を、筐体100内に収容することも好適である。これによって、外部配線をさらに減少することができる。
【0120】
また、すべての部分ステータp1〜p4に、それぞれ三相コイル24、26の両方を配置する必要はない。例えば、部分ステータp1、p3に三相コイル24を配置し、部分ステータp2、p4に三相コイル26を配置してもよい。この場合、部分ステータp1、p3の各相コイルがそれぞれ直列接続され、部分ステータP2、p4の各相コイルがそれぞれ直列接続される。
【0121】
この構成であっても、三相コイル24、26の端部は6つであり、三相コイル24の3つの端部にインバータ回路30の3つの出力端が接続され、三相コイル26の3つの出力端にインバータ回路32の3つの出力端が接続される。
【0122】
さらに、図22には、他の例が示されている。この例では、三相コイル(ステータコイル)24、26をロータ140のシャフト130方向において、分割して形成されている。図において、左側が三相コイル24、右側が三相コイル26である。4極対のモータであれば、各三相コイル24、26共、4つの部分ステータに分割され、各部分ステータの各相のコイルが直列接続される。従って、3相のコイルがシャフト130の長さ方向に2つ配置されることになる。この構成においても、三相コイル24、26のコイル端は3つずつであり、インバータ回路30、32との接続に変更はない。
【0123】
なお、上述の例では、4極対のモータについて説明したが、2極対以上であれば、何極対でもよい。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コイルの中性点に電池を接続することで、電池の電力をコンデンサに輸送して昇圧することができる。そして、このような昇圧機能を有するにも拘わらず、別体の昇圧コンバータは不要であり、インバータ一体型駆動装置を得ることができる。
【0125】
また、本発明よれば、一対のスター結線コイルの中性点間に電池を接続する装置では、2つのスター結線コイルの中性点間の電位差が規定されるだけであって、それぞれのスター結線コイルの平均電位(中性点電位)自体は任意に設定することができる。そこで、コンデンサ電圧(インバータ入力電圧)について、幅広い制御を行うことができる。
【0126】
また、第1および第2のスター結線のコイルのうちの一方のコイルに供給する電流の最大振幅値を減少させ、その減少分に対応する電流を他方のコイルに供給する電流に加算することで、最大電流を低減することができ、インバータやコイルも小さくすることができ、好適な一体型駆動装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である動力出力装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 2Yモータ22の三相コイル24と三相コイル26との関係を説明する説明図である。
【図3】 2YDCの装置構成を示す図である。
【図4】 電圧指令値と、インバータ搬送波の関係を示す図である。
【図5】 モータコイルを3つとした例を示す図である。
【図6】 従来の通電方法における電流最大振幅値を示す図である。
【図7】 零相リップル非許容時における電流低減の場合の電流最大振幅値を示す図である。
【図8】 零相リップル許容時における電流低減の場合の電流最大振幅値を示す図である。
【図9】 従来の相電流と零相電流などを示す図である。
【図10】 従来の相電流と零相電流など(コイル間位相差作がある場合)を示す図である。
【図11】 リップル電流を抑制する場合における相電流と関数fを示す図である。
【図12】 図11の拡大図である。
【図13】 リップル電流を抑制する場合における相電流などを示す図である。
【図14】 3倍の高調波で交流振幅を変調する場合における相電流およびその振幅最大値を示す図である。
【図15】 3倍の高調波で交流振幅を変調する場合における相電流などを示す図である。
【図16】 リップルを抑制する場合(位相差あり)における相電流などを示す図である。
【図17】 リップル電流を許容する場合における相電流および関数fを示す図である。
【図18】 リップル電流を許容する場合における相電流などを示す図である。
【図19】 6倍の高調波で変調する場合における相電流およびその振幅最大値を示す図である。
【図20】 6倍の高調波で交流振幅を変調する場合における相電流などを示す図である。
【図21】 一体型駆動装置の概略図である。
【図22】 一体型駆動装置の他の例を示す概略図である。
【符号の説明】
20 動力出力装置、22 2Yモータ、24,26 三相コイル、30,32 インバータ回路、34 正極母線、36 負極母線、38 コンデンサ、40 直流電源、50 電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM、61〜67 電流センサ、68 回転角センサ、T11〜T16,T21〜T26 トランジスタ、D11〜D16,D21〜D26 ダイオード、Bバッテリ、C コンデンサ、INV1,INV2 インバータ、M1,M2 モータコイル。

Claims (3)

  1. スター結線の第1コイルと、
    スター結線の第2コイルと、
    この第1および第2コイルの中性点にそれぞれ接続され、一対の中性点間に電池を接続するための一対の電池用端子と、
    前記第1コイルの端部に出力側が接続され、入力側の直流電力を多相交流に変換して第1コイルに供給する第1インバータと、
    前記第2コイルの端部に出力側が接続され、入力側の直流電力を多相交流に変換して第2コイルに供給する第2インバータと、
    この第1および第2インバータの共通接続された入力側に接続され、コンデンサに接続するための第2端子と、
    を含み、
    これらを1つの筐体内に収容し、電池の電力を第1および第2コイル、第1および第2インバータを介し前記コンデンサに輸送することが可能なインバータ一体型駆動装置。
  2. 請求項に記載の装置において、
    前記第1コイルおよび第2コイルに近接して、1つのロータを配置し、前記第1および第2コイルによって、1つのロータを回転駆動するインバータ一体型駆動装置。
  3. 請求項1または2に記載の装置において、
    第1および第2のスター結線のコイルのうちの一方のコイルに供給する電流の最大振幅値を減少させ、その減少分に対応する電流を他方のコイルに供給する電流に加算するインバータ一体型駆動装置。
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