JP3849360B2 - ポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略記することがある)の製造方法に関する。詳しくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エステル(以下、PTMEと略記することがある)をアルカリ金属又はアルカリ土類金属触媒の存在下に低級アルコールによりエステル交換してPTMGを製造する方法の改良に関する。
PTMGは、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等のソフトセグメントとして用いられ、ロール等の工業製品、また、靴底、衣料用弾性繊維(スパンデックス等)等に加工されて広く生活に役立っている。
【0002】
【従来の技術】
PTMGの製造方法については、従来からいろいろな方法が開示されているが、その中でも、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記することがある)を固体酸触媒及びカルボン酸無水物、例えば無水酢酸の存在下で開環重合させてPTMEを得、次いでこのPTMEを塩基性触媒の存在下に低級アルコール、例えばメタノールによりエステル交換してPTMGを得る方法が廃棄物が少なく、優れた方法である。
固体酸触媒としては、イオン交換樹脂、漂白土、ゼオライト等が提案されている。
【0003】
また、PTMEのエステル交換反応は、塩基性触媒例えばナトリウムメトキシド等の存在下に低級アルコール、一般にはメタノールによりエステル交換をしPTMGとする。エステル交換反応液、PTMG及びメタノールの混合物は、中和或いは吸着等の通常の方法で触媒を除去した後、メタノールを分離回収する。
メタノールが残存するとPTMGの使用用途に大きな影響を及ぼすので、工業原料としては、可能な限り少ないものが要求される。PTMGはポリエステルエラストマー及びポリウレタンエラストマー等のソフトセグメントとして用いられている。これらのエラストマーは、それぞれPTMGとジカルボン酸(例えばテレフタル酸)若しくはジカルボン酸エステル(例えばジメチルテレフタレート)との縮合重合、又はPTMGとジイソシアネート(例えばジフェニルメタンジイソシアネート)との付加重合によって製造される。これらの縮合重合又は付加重合においては、PTMG両末端の水酸基が反応するが、高重合物を得るためには末端封止原因となる一水酸基のモノアルコールが極力除去されていることが必要である。モノアルコールが多量存在する場合には、重合時の揮発分が増加したり、或いは高分子量の重合物が得られ難くなる等、工業原料としては不適当なものとなる。
【0004】
ポリウレタン樹脂の製造を例に挙げると、例えば、アルコールとしてメタノール(分子量32)を用いて得たPTMGにおいて、メタノール含量0.1重量%、平均分子量2000のPTMG(水酸基100個に対しメタノール由来封止部約3個)を使用し、ジフェニルメタンジイソシアネート(分子量250)との付加物を製造した場合、理論的に得られるポリマーの最大分子量は75,000であるが、メタノール含量0.01重量%、平均分子量2000のPTMGを使用して同様に付加物を製造した場合は、理論的に得られるポリマーの最大分子量は750,000となり、モノアルコール残存量がポリマーの生成反応に対して大きく影響することが分かる。また、より高い分子量のポリマーを製造しようとする際には、モノアルコールが残存するPTMGは、原料として使用できない。従って、工業原料として用いるPTMGは、モノアルコールが可能な限り少ないものが要求される。
【0005】
エステル交換反応液から未反応の低級アルコールを分離、回収する方法として、例えば回分蒸発器を用いる方法もあるが、大量の製品を得るためには設備が大きくなり、実用的でない。
このため、加熱管を備えた蒸発器や流下膜型蒸発器を用いて連続式で留去する方法が、従来用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法の場合、ポリマーの濃縮と共に処理液粘度が増加し、脱気移動速度は徐々に低下する。そしてPTMG中の低級アルコール濃度を痕跡レベル迄除去するために単一蒸発器を用いた場合、初期のポリマー希釈溶液から最終ポリマーを得る迄に、長時間を要することとなり、生産性を低下させるだけでなく、ポリマーが長時間加熱条件下に曝されることにより、色相を代表とする品質の劣化を引き起こすという問題点がある。
【0007】
本発明は、エステル交換によりPTMGを製造する方法において、エステル交換反応後、未反応原料である低級アルコールを回収する際に問題となる多量のエネルギー消費や品質劣化の問題を解決し、品質的に優れたPTMGを工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、エステル交換反応液を蒸発器及び不活性気体を向流接触させる気液接触装置を用いて二段で処理することにより、反応液中に含まれる未反応の低級アルコールの分離、回収を短い滞留時間で、効率的に達成することができ、これにより経済的に有利に且つ品質の優れたPTMGを製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の要旨は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エステルをアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物又はアルコキシドの存在下、低級脂肪族アルコールによりエステル交換してポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造する方法において、エステル交換反応後、反応液を蒸発器及び不活性気体を向流接触させる気液接触装置を通して処理して、反応液中の未反応原料である低級脂肪族アルコールを分離、回収することを特徴とするポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法、にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(PTMGの製造)
本発明に用いられるPTMEは、通常、固体酸触媒及び無水酢酸の存在下、THFを開環重合させて得られる。触媒としては、イオン交換樹脂、漂白土、ゼオライト、シリカアルミナ等が用いられる。固体酸触媒は分離が容易であり、固定床流通反応に好適である。
【0011】
反応条件については、目的とするPTMGの分子量や用いる酸触媒の種類により異なるが、無水酢酸/THFのモル比については、通常、0.001〜0.3、反応液中における無水酢酸及び触媒の濃度がそれぞれ、0.5〜30重量%及び0.1〜30重量%となるように、原料が仕込まれて、反応温度が、通常、20〜80℃の範囲で、反応圧力が、常圧ないしやや加圧下で、反応時間が、通常0.5〜10時間の範囲で重合が行われ、THFと無水酢酸とのモル比を調整することにより、生成ポリマーの分子量を調整することができる。
かくして得られた重合反応液には、目的とするPTMEの他に、未反応のTHF及び無水酢酸が含まれているので、通常、これらの未反応原料を常圧又は減圧下で留去させる。留去されたTHFと無水酢酸は、必要に応じて精製して反応に再利用することができる。
【0012】
次いで、得られた重合物にエステル交換触媒とアルコールを加えてエステル交換反応を行う。エステル交換の触媒としてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物又はアルコキシド等が好適に用いられる。特に、アルカリ金属、中でもナトリウムのアルコキシドは、反応速度が大きく、アルコールに対する溶解度も大きいので取り扱いが容易で好適に用いられる。低級アルコールとしては、通常、炭素数1〜4の低級アルコールが用いられるが、特にメタノールが分子量が小さく、同じ重量でもPTMEとのモル比が大きく取れることから好適に用いられる。エステル交換は、PTMGの酢酸エステルに対して触媒を0.001〜1重量%、低級アルコールを5〜50モル倍用いて実施される。また、少量の水の存在下で反応を行っても差し支えない。
エステル交換反応は、平衡反応であるので、末端が全て水酸基のPTMGを得るには、何らかの形で生成する低級アルコールの酢酸エステルを除去しながら実施する必要がある。その方法としては、蒸留設備を設けた回分反応器によって実施する方法もあるが、大量の製品を得るためには設備が大きくなり、実用的ではない。連続式にエステル交換する方法が望ましく、蒸留設備を備えた反応器を使用する方法も考えられるが、設備が高価である。
【0013】
これに対して、蒸留塔内で、反応と分離を同時に行う反応蒸留は設備が小さくて済むので有利である。PTMEよりPTMGを製造する為の反応蒸留は、例えばWO97/23559号公報に記載されている。この方法では、PTME、触媒及び低級アルコールの混合物を、蒸留塔の中部より供給し、エステル交換と同時に生成する酢酸メチルを除去する。更に、蒸留塔下部より、加熱メタノール蒸気を供給し反応を完結させることにしている。この方法では、蒸留塔に供給されるPTMEの量が多いので、反応を完結させるためには、蒸留塔が大きくなってしまう。一方、蒸留塔に仕込む原料混合物を予めエステル交換反応させ、平衡組成に近いものにすることによって、蒸留塔内で反応するPTMEの量を低くし、蒸留塔を小さく出来る方法は、経済的に有利であり好適に用いられる。
塔底液は、PTMGと低級アルコールの混合物になるが、PTMGの濃度を高くすると粘度が上がり、リボイラーのサーモサイホンが働かなくなるので、30〜70%好ましくは40〜50%の濃度が好適である。また、粘度の上昇に伴って、リボイラー中の液の流動が悪くなるので必要に応じてポンプによって、リボイラー内の液を流動させることも好ましい。
【0014】
(未反応低級アルコールの分離、回収)
本発明においては、触媒を除去したところのエステル交換反応液を蒸発器及び不活性気体を向流接触させる気液接触装置を用いて処理して、反応液中に含まれる低級アルコールを分離、回収することを特徴とする。
【0015】
本発明に用いられる蒸発器としては特に限定されないが、槽外に加熱ジャケットを付したジャケット式蒸発缶、加熱管を水平に配した蒸発器としてFoster−Wheeler缶、Baffalo缶、Yaryan缶等、加熱管を直立に配した蒸発器として標準型蒸発缶、バスケット型蒸発缶、Kestner型蒸発缶等、加熱管を斜めに配した蒸発器として傾斜管型蒸発缶、コイル(蛇管)型蒸発缶、プレート(平板)型蒸発缶等、粘性が大きな流体に適した蒸発器として流下型薄膜蒸発器、強制循環型蒸発器等が挙げられる。中でも流下型薄膜蒸発器、強制循環型蒸発器が、粘性の大きいPTME重合反応液を取り扱うためには好ましい。更に、境膜伝熱係数が高く取れ、蒸発効率も良く、安価に設置できることから、強制循環型蒸発器が特に好ましい。強制循環型蒸発器とは、蒸発潜熱を原液の顕熱で供給して平衡フラッシュ分離させるフラッシュドラム、フラッシュドラム缶出の濃縮粘性液を加熱管に送る循環ポンプ、濃縮粘性液を加熱する加熱管からなる蒸発器である。
【0016】
なお、強制循環型蒸発器を用いてエステル交換反応液を処理する場合、その運転条件については、その処理量にもよるが、処理温度は、通常、60〜200℃、処理時間は、通常、15〜60分であり、好ましくは150℃以下で、未反応低級アルコールの90〜99%を、より好ましくは100℃以下で、未反応低級アルコールの92〜98%を回収できるように運転される。
蒸発器から抜き出される混合物の組成は、例えば、PTMG60重量%、メタノール40重量%を用いた場合、常圧、75℃の条件で、PTMG97重量%、メタノール3重量%となる。
【0017】
蒸発器から抜き出された缶出混合物は、更に気液接触装置で処理される。
本発明に用いられる不活性気体を向流接触させる気液接触装置は、放散塔としての機能がある気液接触装置であれば特に限定されない。気体連続相中に液体を分散させる形式の気液接触装置として、充填塔、スプレー塔、スクラバー、濡壁塔等、液体連続相中に気体を分散させる形式の気液接触装置として、気泡塔、段塔、気泡撹拌槽等が挙げられる。気体として不活性気体を用い、缶出混合液と不活性気体を向流接触させるタイプのもの、例えば、缶出混合液中の揮発物質の分圧を下げるために塔下部より不活性気体を通気する放散塔が好適に用いられる。
【0018】
放散塔の場合、缶出混合物は塔上部に送り、塔下部より通気される不活性気体により残存メタノールを除去する。
放散塔は、揮発物質の分圧を下げれば良いので常圧で問題なく運転できるが、減圧で行えば更に有利である。従って、放散塔は10〜200kPa、好ましくは50〜100kPaで運転される。
放散塔内では気液接触により揮発性成分を分離するので、液粘性は低い方が有利で、加熱劣化を受け難い温度100〜250℃、好ましくは130〜230℃で運転される。
また、放散塔の型式については、気液接触面積の大きくできる充填塔、スプレー塔、スクラバーが好ましく、これらの中、滞留時間を短くでき、制御が容易な充填塔が好ましい。
【0019】
この場合、充填物は、ラシヒリングやポールリングに代表される不規則充填物でも規則充填物でも良い。仕込液量に対する通気ガスの仕込体積比は、塔内温度及び塔内段数によって変化するが、通常1〜100の体積比が用いられる。過大な体積比は、通気ガスの損失につながるので不利である。塔段数は、滞留時間に依存するが、5〜30段で好適に実施される。
第一段の蒸発器を経由せず、直接放散塔に缶出混合物を仕込み処理する方法も考えられるが、メタノールを30〜50重量%含有するPTMG溶液は、発泡性が強く、塔頂部に泡となった内容液が濡れたり、蒸留効率を低下させ最終製品純度を低下させるので好ましくない。
また、放散塔における液体と不活性気体との接触においては、液体1Nl当り、通常、1〜100Nl/分、好ましくは5〜50Nl/分の流量の不活性気体を用いることが好ましい。
【0020】
この場合、不活性気体としては、窒素、二酸化炭素、炭素数1〜4の飽和炭化水素から
選ばれる少なくとも一種が好ましく、これらの中、窒素がより好ましい。
なお、放散塔については、好ましくは250℃以下で、ポリマー中の低級アルコールの残存量が0.1重量%以下、より好ましくは230℃以下で、前記残存量が0.01重量%以下となるように運転される。
【0021】
塔底から抜き出されたPTMGは、低級アルコールを留去して最終的には粘度(40℃)200〜1400mPa・秒のPTMGとして得られる。
通常、工業的には上記の方法で数平均分子量500〜3000のPTMGが得られ、ポリウレタン弾性繊維やポリウレタンエラストマー或いはポリエステルエラストマーの原料として使われる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例に限定されるものではない。
なお、以下の原料の調製、実施例における%及びppmは、それぞれ、重量%及び重量ppmを表す。
(原料の調製)
THF100部、無水酢酸5.6部、酢酸0.2部をジルコニアシリカ触媒3.5部と共に40℃で5時間反応させた。反応物は濾過により触媒を除去した後、常圧の回分蒸留で未反応物の大部分を留去し、次いで10Torrの減圧で回分蒸留し無水酢酸、酢酸の残留分を留去し、更に減圧下で窒素を少量導入して揮発分を除去し、GPCで測定した分子量2100のPTMEを37部得た。残留する無水酢酸、及び酢酸は、それぞれ0.01%、0.005%であった。
PTME35%、水酸化カルシウム0.2%を含むメタノール溶液50kg/hrを、上部にポールリングを充填した理論段8段の精留部を持ち、仕込み段下部に10段の泡鐘トレイを持った上部直径0.20m、下部直径0.5mの常圧蒸留塔に仕込み、還流比15で運転した。塔底の酢酸メチル濃度が30ppmになるように運転した。塔頂より酢酸メチル20%、メタノール80%からなる留出液を87kg/hrで、抜き出し、塔底よりPTMG60%、メタノール40%からなる缶出液を抜き出した。缶出液は冷却後、水酸化カルシウムを濾過し、更にスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂(三菱化学(株)SK1BH)を充填した塔に導入し溶存するCaイオンを除去した。
【0023】
(PTMG分析)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー):キャリブレーションには、英国POLYMER LABORATORIES社のPOLYTETRAHYDROFURANキャリブレーションキットを使用した。
(メタノール含量分析)
GC(ガスクロマトグラフィー):サンプルを秤取後、溶媒イソプロピルベンゼンで希釈し、内部標準にトルエンを用いる内部標準法により定量した。
【0024】
実施例1
電磁誘導撹拌機、蒸留留去ユニットを付した1L丸底四ツ口フラスコにポンプを用い、原料溶液を1kg/hrで吐出すると同時に、フラスコ底部よりポンプを用いて、内液を620g/hrにて連続抜き出しすることにより連続蒸留を実施した。蒸留条件は、常圧、オイルバス温度100℃、撹拌500rpmにて操作した。フラスコ内液(第一段缶出液)は、130℃に温調した熱交換器を経て、内径50mmの塔内にサイズ5mmのラシヒリングを600mm充填した理論段6段の充填塔に仕込み、塔下部より130℃に加熱した窒素を通気した。窒素仕込量は、予熱前マスフローにて5.6L/hrに設定した。抜き出された塔缶出液(第二段缶出液)は、メタノール含量GC検出下限20ppm(重量)以下、GPCで測定した分子量1940のPTMGであった。色相はAPHA単位(JIS K1557−1970による)で10以下であった。
【0025】
比較例1
回分による蒸留を実施した。即ち、2L丸底四ツ口フラスコに原料溶液1kgを秤取し、常圧下100℃のオイルバスに3時間浸漬し、大部分のメタノールを留去後、オルイバス温度を200℃に上げ、更に3時間蒸留を行った。得られた缶出液中のメタノール含量は、GC検出下限20ppm(重量)以下であったが、色相はAPHA単位で30であり、着色が見られた。
【0026】
比較例2
実施例1において、蒸発器処理を行わず、直接充填塔に缶出液1kg/hrを通液した。塔上部留出部の発泡が観察され、塔留出部及び塔缶出部の分離ができなかった。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、エステル交換反応によりPTMGを製造する方法において、エステル交換反応液を蒸発器及び不活性気体を向流接触させる気液接触装置を用いて二段で処理することにより、反応液中に含まれる未反応の低級アルコールの分離、回収を短い滞留時間で効率的に達成することができ、これにより経済的に有利に且つ品質の優れたPTMGを製造することができる。
Claims (7)
- ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エステルをアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物又はアルコキシドの存在下、低級脂肪族アルコールによりエステル交換してポリテトラメチレンエーテルグリコールを製造する方法において、エステル交換反応後、反応液を蒸発器及び不活性気体を向流接触させる気液接触装置を通して処理して、反応液中の未反応原料である低級脂肪族アルコールを分離、回収することを特徴とするポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法。
- 蒸発器が強制循環型蒸発器であることを特徴とする請求項1に記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法。
- 気液接触装置における液体と不活性気体との接触を50〜250℃で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法。
- 気液接触装置における液体と不活性気体との接触を10〜200kPaの圧力下に行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法。
- 気液接触装置における液体と不活性気体との接触を大気圧下に行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法。
- 気液接触装置における処理において、液体1Nl当り10〜100Nl/分の流量の不活性気体を用いることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法。
- 不活性気体が、窒素、二酸化炭素、炭素数1〜4の飽和炭化水素から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法。
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