JP2001064381A - ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エステルの製造方法 - Google Patents

ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エステルの製造方法

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JP2001064381A
JP2001064381A JP24470399A JP24470399A JP2001064381A JP 2001064381 A JP2001064381 A JP 2001064381A JP 24470399 A JP24470399 A JP 24470399A JP 24470399 A JP24470399 A JP 24470399A JP 2001064381 A JP2001064381 A JP 2001064381A
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Hidehiko Nakano
英彦 中野
照男 ▲吉▼田
Teruo Yoshida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体酸触媒及び無水酢酸の存在下、THFを
開環重合させてPTMEを製造する方法において、生成
ポリマーの品質劣化を引き起こすことなく、重合反応液
から未反応原料を効率的に分離、回収することができ、
且つ系に新たに導入する未使用不活性気体の量を大幅に
削減することができる方法の提供。 【解決手段】 固体酸触媒及び無水酢酸の存在下、テト
ラヒドロフランを開環重合させてポリテトラメチレンエ
ーテルグリコールジ酢酸エステルを製造する方法におい
て、重合反応液を蒸発器及び不活性気体を向流接触させ
る気液接触装置を通して処理して、重合反応液中の未反
応原料であるテトラヒドロフラン及び無水酢酸を分離、
回収すると共に、不活性気体の少なくとも一部として、
軽沸留分除去後の不活性気体を循環使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリテトラメチレ
ンエーテルグリコールジ酢酸エステル(以下、PTME
と略記することがある)の製造方法に関する。詳しく
は、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記すること
がある)を固体酸触媒及び無水酢酸の存在下に開環重合
させてPTMEを製造する方法の改良に関する。本発明
により得られたPTMEを原料として、品質的に優れた
PTMGを工業的に有利に製造することができる。PT
MEを加水分解することによりポリテトラメチレンエー
テルグリコール(以下、PTMGと略記することがあ
る)が得られる。PTMGは、ポリエステル樹脂、ウレ
タン樹脂等のソフトセグメントとして用いられ、ロール
等の工業製品、また、靴底、衣料用弾性繊維(スパンデ
ックス(登録商標)等)等に加工されて広く生活に役立
っている。
【0002】
【従来の技術】PTMGの製造方法については、従来か
らいろいろな方法が開示されているが、その中でも、テ
トラヒドロフランを固体酸触媒及びカルボン酸無水物、
例えば無水酢酸の存在下で開環重合させてPTMEを
得、次いでこのPTMEを塩基性触媒の存在下に低級ア
ルコール、例えばメタノールによりエステル交換してP
TMGを得る方法が廃棄物が少なく、優れた方法であ
る。
【0003】固体酸触媒としては、イオン交換樹脂、漂
白土、ゼオライト等が提案されている。得られた重合液
中のPTMEは、エステル交換反応に先立って、未反応
のTHFと無水酢酸から分離する必要がある。無水酢酸
が残存するとエステル交換反応用に添加される塩基性触
媒を中和被毒し、PTMEからPTMGへの転化を著し
く阻害する。THFはエステル交換反応には直接関与し
ないが、反応基質と触媒濃度を希釈し、結果としてエス
テル交換速度を低下させる作用があり、好ましくない。
【0004】重合液から、未反応THFと無水酢酸を分
離回収する方法としては、これらを常圧又は減圧下で留
去させる方法が知られている。例えば、米国特許第4,
163,115号及び同第5,149,862号明細書
には、蒸留或いは水蒸気又は不活性気体による脱気によ
り未反応THF及び無水酢酸を留去し、再利用する方法
が開示されている。また、WO 97/21757号公
報には、残存THFと無水酢酸を過熱THF蒸気により
脱気する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
米国特許明細書に示される、蒸留或いは水蒸気又は不活
性気体による脱気の方法にあっては、分離処理に長時間
を要し生産性を低下させるだけでなく、長時間、加熱条
件下に曝されることにより色相を代表とする品質の劣化
を惹起する欠点があった。また、WO 97/2175
7号公報に示される過熱THF蒸気を用いる方法におい
ても、後工程に害を及ぼす酸成分濃度を痕跡量まで低減
するのに、大量の過熱THF蒸気を要し、しかも通気後
の気相成分中のTHFを回収するのに要する凝縮熱量が
莫大で工業的に有効でない。本発明は、THFの開環重
合によりPTMEを連続的に製造する方法において、重
合反応液から未反応のTHF、無水酢酸を回収する際に
問題となる多量のエネルギー消費や品質劣化を解決し、
品質的に優れたPTMEを工業的に有利に製造する方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、重合反応液を蒸発器及び不
活性気体を向流接触させる気液接触装置を通して二段で
処理して、反応液中の未反応原料を分離、回収すると共
に、気液接触装置で用いる不活性気体の少なくとも一部
を循環使用することにより、生成ポリマーの品質劣化を
引き起こすことなく、反応液から未反応原料を効率的に
分離、回収することができ、且つ系に新たに導入する未
使用不活性気体の量を大幅に削減し得ることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、固体酸触媒及び無
水酢酸の存在下、テトラヒドロフランを開環重合させて
ポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エステル
を製造する方法において、重合反応液を蒸発器及び不活
性気体を向流接触させる気液接触装置を通して処理し
て、重合反応液中の未反応原料であるテトラヒドロフラ
ン及び無水酢酸を分離、回収すると共に、不活性気体の
少なくとも一部として、軽沸留分を除去した不活性気体
を循環使用することを特徴とするポリテトラメチレンエ
ーテルグリコールジ酢酸エステルの製造方法、にある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (PTMEの製造)本発明に用いられるPTMEは、通
常、固体酸触媒及び無水酢酸の存在下、THFを開環重
合させて得られる。触媒としては、イオン交換樹脂、漂
白土、ゼオライト、シリカアルミナ等が用いられる。固
体酸触媒は分離が容易であり、固定床流通反応に好適で
ある。イオン交換樹脂の中では、超強酸性のものが好ま
しい。
【0009】反応条件については、目的とするPTMG
の分子量や用いる酸触媒の種類により異なるが、通常、
反応液中における無水酢酸及び触媒の濃度がそれぞれ、
0.5〜30重量%及び0.1〜30重量%となるよう
に、原料が仕込まれて、反応温度が、通常、20〜80
℃の範囲で、反応圧力が、常圧ないしやや加圧下で、反
応時間が、通常、0.5〜10時間の範囲で重合が行わ
れ、THFと無水酢酸とのモル比を調整することによ
り、生成ポリマーの分子量を調整することができる。
【0010】かくして得られた重合反応液には、目的と
するPTMEの他に、未反応のTHF及び無水酢酸並び
に低分子量PTME(以下、オリゴマーと略記すること
がある)が含まれているので、通常、これらの未反応原
料を常圧又は減圧下で留去させる。留去されたTHFと
無水酢酸は、必要に応じて精製して反応に再利用するこ
とができる。THFの重合反応を進め、PTMEを得よ
うとするとき、到達可能なポリマー濃度の最大値、言い
替えると、THF濃度の最低値は解重合平衡の関係か
ら、温度によって定まる。
【0011】この関係について幾つかの文献があるが、
M.P.DREYFUSSらの報告(JOURNAL
OF POLYMER SCIENCE:PART A
−1Vol.4 2179〜2200(1966))に
纏まったものを見ることができる。重合温度が高い程、
重合速度は高いが、平衡収率は低い。一方で平衡収率の
高い低重合温度では重合速度が低く、生産性が低くなる
傾向を示している。従って、工業的に行われる重合液の
組成は、通常、生成物PTMEの濃度として、通常、1
0〜50重量%、好ましくは20〜40重量%、残り、
通常、50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%
を未反応のTHFと無水酢酸が占める。代表重合温度4
0℃において粘度2〜15mPa・sを示すポリマー溶
液と見なせる。
【0012】(未反応原料の分離、回収)重合反応液か
ら最終的に粘度(40℃)200〜1000mPa・s
を有するPTMEを得るためには、未反応のTHFと無
水酢酸を常圧又は減圧下で留去する必要がある。その方
法としては、回分蒸発器によって実施する方法もある
が、大量の製品を得るためには設備が大きくなり、実用
的ではない。連続式に留去する方法が望ましく、加熱管
を備えた蒸発器や流下膜型蒸発器が用いられる。その
際、ポリマーの濃縮と共に処理液粘度が増加し、脱気移
動速度は、徐々に低下する。PTME中の無水酢酸濃度
を痕跡レベルにまで除去するために単一蒸発器を用いた
場合、初期のポリマー希釈溶液から最終ポリマーを得る
までには、長時間を要することになる。無水酢酸を含有
する液を180℃を越える温度で長時間曝露することは
避けなければならない。無水酢酸は酢酸とケテンに分解
し、生成したケテンは溶液を着色させ、製品品質を劣化
させる。従って、ポリマー濃縮工程においては滞留時間
を短くする工夫が是非とも必要となる。
【0013】本発明においては、重合反応液中に含まれ
る未反応原料のTHF及び無水酢酸を蒸発器及び不活性
気体を向流接触させる気液接触装置を組み合わせて用い
て二段で分離、回収すると共に、不活性気体の少なくと
も一部として、軽沸留分除去後の不活性気体を循環再使
用することを特徴とする。
【0014】本発明に用いられる蒸発器としては特に限
定されないが、槽外に加熱ジャケットを付したジャケッ
ト式蒸発缶、加熱管を水平に配した蒸発器としてFos
ter−Wheeler缶、Baffalo缶、Yar
yan缶等、加熱管を直立に配した蒸発器として標準型
蒸発缶、バスケット型蒸発缶、Kestner型蒸発缶
等、加熱管を斜めに配した蒸発器として傾斜管型蒸発
缶、コイル(蛇管)型蒸発缶、プレート(平板)型蒸発
缶等、粘性が大きな流体に適した蒸発器として流下型薄
膜蒸発器、強制循環型蒸発器等が挙げられる。中でも流
下型薄膜蒸発器、強制循環型蒸発器が、粘性の大きいP
TME重合反応液を取り扱うためには好ましい。更に、
境膜伝熱係数が高く取れ、蒸発効率も良く、安価に設置
できることから、強制循環型蒸発器が特に好ましい。強
制循環型蒸発器とは、蒸発潜熱を原液の顕熱で供給して
平衡フラッシュ分離させるフラッシュドラム、フラッシ
ュドラム缶出の濃縮粘性液を加熱管に送る循環ポンプ、
濃縮粘性液を加熱する加熱管からなる蒸発器である。
【0015】なお、強制循環型蒸発器を用いて重合反応
液を処理する場合、その運転条件については、その処理
量にもよるが、処理温度は通常、80〜180℃、処理
時間は通常、15〜60分であり、好ましくは160℃
以下で未反応原料の90〜99%を、より好ましくは1
40℃以下で未反応原料の92〜98%を回収できるよ
うに運転される。蒸発器から抜き出される混合物の組成
は、例えば、PTME34重量%、THF60重量%、
無水酢酸6重量%を用いた場合、70kPa、140℃
の条件で、PTME96.8重量%、THF2重量%、
無水酢酸1重量%及びオリゴマー0.2重量%となる。
【0016】蒸発器から抜き出された缶出混合物は、更
に気液接触装置で処理される。本発明に用いられる不活
性気体を向流接触させる気液接触装置は、放散塔として
の機能がある気液接触装置であれば特に限定されない。
気体連続相中に液体を分散させる形式の気液接触装置と
して充填塔、スプレー塔、スクラバー、濡壁塔等、液体
連続相中に気体を分散させる形式の気液接触装置として
気泡塔、段塔、気泡撹拌槽等が挙げられる。気体として
不活性気体を用い、缶出混合液と不活性気体を向流接触
させるタイプのもの、例えば、缶出混合液中の揮発性成
分の分圧を下げるために塔下部より不活性気体を通気す
る放散塔が好適に用いられる。具体的には、放散塔の場
合、缶出混合物は塔上部に送り、塔下部より通気される
不活性気体により残存無水酢酸とTHFを除去する。
【0017】放散塔は、揮発性成分の分圧を下げれば良
いので常圧で問題なく運転できるが、減圧で行えば更に
有利である。従って、放散塔は10〜200kPa、好
ましくは50〜100kPaで運転される。放散塔内で
は気液接触により揮発性成分を分離するので、液粘性は
低い方が有利で、加熱劣化を受け難い温度100〜20
0℃、好ましくは140〜180℃で運転される。気液
接触装置は、液体/気体の比が小さく滞留時間が短くで
き、重合物の加熱劣化を避けられるため、気体連続相中
に液体を分散させる形式の気液接触装置が好ましい。よ
り好ましくは、気液接触面積が大きくできる充填塔、ス
プレー塔、スクラバーで、特に制御が容易な充填塔が工
業的に有利である。充填物は、ラシヒリングやポールリ
ングに代表される不規則充填物でも規則充填物でも良
い。仕込液量に対する通気ガスの仕込体積比は、塔内温
度及び塔内段数によって変化するが、通常10〜100
の体積比が用いられる。過大な体積比は、通気ガスの損
失につながるので不利である。塔段数は、滞留時間に依
存するが、5〜30段で好適に実施される。
【0018】また、一度通気された不活性気体について
は、主としてTHF、無水酢酸、オリゴマー等からなる
軽沸留分を、通常、15〜75重量%含有しているが、
この気体を例えば、加圧又は冷却処理することにより、
軽沸留分の大部分を凝縮除去することができる。そし
て、軽沸留分の含有量を、通常、35重量%以下、好ま
しくは15重量%以下としたものについては、リサイク
ル気体として再度放散塔に通気し、循環再使用すること
ができる。
【0019】この再使用によりPTME中に含まれる未
反応原料に関する目標蒸発率を達成するのに必要な未使
用不活性気体の使用量を削減することができ、工業的に
有利である。全量循環は新たに導入される不活性気体を
必要としない点で優れるが、再生処理条件をより厳しく
する必要がある。再生による軽沸留分除去が不充分だと
通気気体中の軽沸留分が循環回数と共に増加し、缶出液
が目標蒸発率に達しなくなる。従って、未使用不活性気
体と循環気体を混用する部分循環が好適に用いられる。
未使用気体と循環気体との混合比率は、10:1〜1:
10、好ましくは2:1〜1:2で運転される。循環気
体の仕込位置は、未使用不活性気体の仕込位置より上段
が好ましく、放散塔分離段の中段部が特に好ましい。
【0020】また、放散塔における液体と不活性気体の
接触においては、液体1Nl当り、好ましくは1〜10
00Nl/分、より好ましくは10〜100Nl/分の
流量の不活性気体を用いることが好ましい。この場合、
不活性気体としては、窒素、二酸化炭素、炭素数1〜5
の飽和炭化水素、ジメチルエーテル及びジエチルエーテ
ルから選ばれる少なくとも一種が好ましく、これらの
中、窒素がより好ましい。なお、放散塔については、好
ましくは180℃以下で、ポリマー中の未反応原料の残
存量が0.05重量%以下となるように、より好ましく
は160℃以下で、前記残存量が0.005重量%以下
となるように運転される。かくして留出した、THF、
無水酢酸及びオリゴマー等は、原料回収塔に送られ、T
HF、無水酢酸の混合物を塔頂から留出させ原料として
再利用する一方、オリゴマーを塔底より抜き出す。通
常、工業的には上記の方法で数平均分子量500〜30
00、色相APHA値50以下、好ましくは20以下、
更に好ましくは10以下のPTMEが得られ、PTMG
に転化後、ポリウレタン弾性繊維やポリウレタンエラス
トマー或いはポリエステルエラストマーの原料として使
われる。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、実施例に限定されるものではない。 (原料の調製)THF100部、無水酢酸5.6部、酢
酸0.2部をジルコニアシリカ触媒3.5部と共に40
℃で5時間反応させた後、濾過により触媒を除去する操
作により原料を製造した。GPCで反応液中のPTME
をPTMG換算で分析したところ、分子量2050、収
率34重量%であった。GCで反応液を分析した結果、
THF60重量%、無水酢酸6重量%を示した。
【0022】(PTME分析) GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー):
キャリブレーションには、英国POLYMER LAB
ORATORIES社のPOLYTETRAHYDRO
FURANキャリブレーションキットを使用した。 (THF、無水酢酸含量分析) GC(ガスクロマトグラフィー):サンプルを秤取後、
溶媒イソプロピルベンゼンで希釈し、内部標準にトルエ
ンを用いる内部標準法により定量した。 GC装置:島津GC−14A カラム:DB−1 0.53mmφ×30m 液膜厚df=1.5μm カラム温度:100℃スタート 昇温 3℃/分 →121℃ 昇温 10℃/分 →150℃ 気化室温度:160℃ 検出器温度:160℃
【0023】実施例1 ポンプを用い、200kPaの逆流防止弁を付したライ
ンに原料溶液を1kg/hrで吐出し、内径0.1m
高さ1mのフラッシュドラムに導いた。フラッシュドラ
ムは、圧力70kPaに減圧吸引し、フラッシュ後の缶
出液は、下部ポンプにより、2/3重量は、130℃に
温調した熱交換器を経て、フラッシュドラムに戻し循環
させた。残り1/3重量の缶出液は、引き続いて、16
0℃に予熱後、内径50mmの塔内にサイズ5mmのラ
シヒリングを1000mm充填した理論段10段の充填
塔に仕込み、塔下部より160℃に加熱した窒素を通気
した。窒素仕込量は、予熱前マスフローにて5L/hr
に設定した。抜き出された塔缶出液は、THFはGC検
出下限20ppm(重量)以下であったが、無水酢酸6
0ppm(重量)を含むPTMEであった。次ぎに、塔
頂より排出される気体(軽沸留分:37.8重量%)を
冷却水温30℃の管型凝縮器に通し、ブロワーにて昇圧
後、一部(軽沸留分:19.1重量%)を流量計に導
き、5L/hrの流量で充填塔に戻した。戻した位置と
しては、1000mm充填の上から400mmの位置で
下600mmと区分けし、区分け部空間に導入した。排
気循環後の塔缶出液は、THF、無水酢酸共にGC検出
下限20ppm(重量)以下であった。色相は排気循環
有無に係わらず、APHA単位(JIS K 1557
−1970による)で10以下であった。
【0024】比較例1 実施例1において、排気循環しない運転で塔缶出液中の
無水酢酸がGC検出下限20ppm(重量)になる通気
量を探索試験した結果、7L/hrの窒素を導入する必
要があった。色相はAPHA単位で10以下であった。
【0025】実施例2 実施例1において、排気循環のガス戻し位置を塔最下
部、未使用窒素仕込位置と同じ場所に変更した以外は実
施例1と同じ条件によって運転を行った。得られたPT
ME中の無水酢酸230ppm(重量)が検出された。
色相はAPHA単位で10であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、固体酸触媒及び無水酢
酸の存在下、THFを開環重合させてPTMEを製造す
る方法において、重合反応液を蒸発器及び不活性気体を
向流接触させる気液接触装置を通して二段で処理して反
応液中の未反応原料を分離、回収すると共に、気液接触
装置で用いる不活性気体の少なくとも一部を循環再使用
することにより、生成ポリマーの色相等の品質劣化を引
き起こすことなく、反応液から未反応原料を効率的に分
離、回収することができ、且つ系に新たに導入する未使
用不活性気体の量を大幅に削減することができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体酸触媒及び無水酢酸の存在下、テト
    ラヒドロフランを開環重合させてポリテトラメチレンエ
    ーテルグリコールジ酢酸エステルを製造する方法におい
    て、重合反応液を蒸発器及び不活性気体を向流接触させ
    る気液接触装置を通して処理して、重合反応液中の未反
    応原料であるテトラヒドロフラン及び無水酢酸を分離、
    回収すると共に、不活性気体の少なくとも一部として、
    軽沸留分を除去した不活性気体を循環使用することを特
    徴とするポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸
    エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 気液接触装置において、循環使用する不
    活性気体を未使用不活性気体の仕込み位置より上段から
    仕込むことを特徴とする請求項1に記載のポリテトラメ
    チレンエーテルグリコールジ酢酸エステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 未使用不活性気体と循環不活性気体との
    割合が10:1〜1:10(モル/モル)であることを
    特徴とするポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢
    酸エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 蒸発器が強制循環型であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載のポリテトラメ
    チレンエーテルグリコールジ酢酸エステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 蒸発器において160℃以下で未反応原
    料の90〜99重量%を分離、回収し、次いで気液接触
    装置において180℃以下でポリマー中の未反応原料の
    残存量が0.05重量%以下となるように処理すること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のポリ
    テトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エステルの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 重合反応液中のポリテトラメチレンエー
    テルグリコールジ酢酸エステル濃度が10〜50重量%
    であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
    記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エ
    ステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 気液接触装置における液体と不活性気体
    の接触を100〜180℃で行うことを特徴とする請求
    項1ないし6のいずれかに記載のポリテトラメチレンエ
    ーテルグリコールジ酢酸エステルの製造方法。
  8. 【請求項8】 気液接触装置における液体と不活性気体
    の接触を10〜200kPaの圧力下に行うことを特徴
    とする請求項1ないし7のいずれかに記載のポリテトラ
    メチレンエーテルグリコールジ酢酸エステルの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 気液接触装置における液体と不活性気体
    の接触を大気圧下に行うことを特徴とする請求項8に記
    載のポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エス
    テルの製造方法。
  10. 【請求項10】 気液接触装置における液体と不活性気
    体の接触を液体1Nl当り1〜1000Nl/分の流量
    の不活性気体を用いて行うことを特徴とする請求項9に
    記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エ
    ステルの製造方法。
  11. 【請求項11】 不活性気体が窒素、二酸化炭素、炭素
    数1〜5の飽和炭化水素、ジメチルエーテル及びジエチ
    ルエーテルから選ばれる少なくとも一種であることを特
    徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のポリテ
    トラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エステルの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007506811A (ja) * 2003-07-08 2007-03-22 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト ポリテトラヒドロフランまたはテトラヒドロフラン−コポリマーのオリゴマーの獲得法
JP2014181327A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Mitsubishi Chemicals Corp ポリアルキレンエーテルグリコールジエステルの製造方法

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