JP3848434B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機無機複合の微粒子を含有し、耐汚染性および耐候性が高く、強靱な塗膜を形成でき、成膜用途以外の用途にも使用できる硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属素材;モルタル、スレート等の無機素材;プラスチック、木材、紙等の有機素材の表面に被膜を形成する等の目的で成膜性樹脂組成物が用いられている。この成膜性樹脂組成物は、主成分として成膜性樹脂を含み被膜形成性能を有するが、得られる被膜の硬度が低いので、硬度を要求される用途では、シリカ微粒子等の補強用無機充填剤をさらに添加して使用されている。しかしながら、シリカ微粒子等の従来の補強用無機充填剤は樹脂中に分散しにくいという欠点があり、膜性能や保存安定性等で問題があった。
【0003】
本発明者らは、無機微粒子に有機ポリマーが一体化してなる複合微粒子を先に開発していたので、前記シリカ微粒子等の従来の補強用無機充填剤に代わってこの複合微粒子をアクリルポリオールとイソシアネートからなる成膜性樹脂に配合した成膜用組成物を開発し、特許出願した(特開平7−178335号公報)。前記の複合微粒子は無機微粒子に一体化させた有機ポリマーが成膜性樹脂に対する親和性を持つため、無機微粒子の成膜性樹脂に対する分散性を大いに向上させることが出来た。そのため、前記特許出願にかかる成膜用組成物は、膜性能や安定性に極めて優れている。得られた被膜は耐候性にも優れ、耐汚染性も良くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、その後の研究により、この成膜用組成物は、その硬化方法の点から硬度に限界があるため耐擦り傷性が十分でなく、しかも、高硬度被膜にすると、被膜がもろく強靱さが不十分なため、成膜性用途において改善が必要なだけでなく、成膜用途以外の用途に応用する上でも問題があった。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、被膜形成性能を有し、耐候性および耐汚染性に優れ、しかも、硬度、強靱性に優れるため、成膜用途においては擦り傷が生じにくく、他の用途にも使用できる硬化性樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、先に開発した成膜用組成物における成膜性樹脂の改良につき工夫を凝らした。その結果、成膜性樹脂等としても働き得る樹脂成分として重合性官能基含有化合物を選択することに着眼し、種々実験、研究を重ね、硬度、強靱性の向上につき効果の確認を経て、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物は、被膜形成性能を有する重合性官能基含有化合物と、平均粒子径が5〜200nmであり、かつ、粒子径の変動係数が50%以下である複合微粒子と、を含み、前記複合微粒子は、有機ポリマーからなる有機鎖とポリシロキサン基から構成され、1分子中に少なくともSi―OR基(Rは水素原子、および、置換されていても良いアルキル基、アシル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Rが1分子中に複数ある場合、複数のRは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)を有する含珪素ポリマーを、単独で、または、加水分解可能な金属化合物とともに、加水分解および縮合させてなるものである。
【0008】
本発明の硬化性樹脂組成物では、前記重合性官能基含有化合物が、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物のうちの少なくとも1種であるであることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性樹脂組成物を構成する必須の成分は、重合性官能基含有化合物と複合微粒子である。そこで、これらにつき、順次説明したのち、組成物の構成につき説明する。
〔重合性官能基含有化合物〕
重合性官能基含有化合物としては、分子内に重合性官能基を有する化合物であれば、特に限定はなく、たとえば、ウレタン(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体の側鎖に(メタ)アクロイル基含有アクリル樹脂(以下、単に(メタ)アクロイル基含有アクリル樹脂ということがある。)等のラジカル重合性化合物;エポキシ基含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物、環状イミノ基含有化合物、環状エーテル基含有化合物、ラクトン類、スピロオルソエステル類、ビシクロオルソエステル類等のカチオン重合性化合物を挙げることができ、これらは1種または2種以上を所望の性能に応じて使用することができる。以下、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物の順に詳しく説明する。
【0010】
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、たとえば、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとを反応させて得られる化合物を挙げることができる。ここに、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート等であり、これらは1種または2種以上を使用することができる。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの2種以上からなる混合物としては、たとえば、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物である「A−TMM・3L」(新中村化学工業(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよびヘキサアクリレートの混合物である「DPHA」(日本化薬(株)製)等を挙げることができる。ポリイソシアネートとしては、脂肪族系、芳香族系、脂環式系のいずれのポリイソシアネートでもよく、たとえば、メチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4,−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルジイソシアネート等を挙げることができ、これらは1種または2種以上を使用することができる。上記ポリイソシアネートのうちでは無黄変ウレタンとなるものが好ましく用いられる。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとポリイソシアネートの組み合わせについては、特に限定はないが、2−ヒドロキシエチルアクリレートとイソホロンジイソシアネートの組み合わせ、2−ヒドロキシエチルアクリレートと2,2,4,−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの組み合わせ、「A−TMM・3L」とイソホロンジイソシアネートの組み合わせ、「A−TMM・3L」とトリレンジイソシアネートの組み合わせ、「DPHA」とイソホロンジイソシアネートの組み合わせ、「DPHA」とメチレンビスフェニルジイソシアネートの組み合わせ等は、反応性や密着性を高くするため好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートを製造する方法としては、たとえば、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート中のヒドロキシル基と、ポリイソシアネート中のイソシアネート基との割合(ヒドロキシル基:イソシアネート基)がモル比で1:0.8〜1:1となるように秤取して反応容器に入れ、ラウリン酸ジブチルスズ等の有機錫化合物を触媒量加え、ハイドロキノン等の重合禁止剤をさらに加え、反応温度30〜120℃、好ましくは50〜90℃で加熱して攪拌する方法を挙げることができる。反応温度は段階的に昇温するのが好ましい。反応生成物中にウレタン(メタ)アクリレートがオリゴマー化したものが含まれていてもよい。ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、たとえば、UA−306H、UF−8001、UF−8003(以上、共栄社油脂化学工業(株)製);M−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600(以上、東亜合成化学(株)製);フォトマ−6008、フォトマ−6210(以上、サンノプコ(株)製);U−4HA、U−6HA(以上、新中村化学工業(株)製)等を挙げることができる。
【0011】
多官能(メタ)アクリレートとしては、分子内に(メタ)アクリレート基を2個以上有するものであれば特に限定はなく、たとえば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリイソプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールモノヒドロキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリトリトール(モノヒドロキシ)ペンタ(メタ)アクリレート等のペンタ(メタ)アクリレート類等を挙げることができ、これらは1種または2種以上を併用することができる。
【0012】
(メタ)アクロイル基含有アクリル樹脂としては、たとえば、エポキシ基含有(メタ)アクリレート重合体、オキサゾニル基含有(メタ)アクリレート重合体、エポキシ基含有(メタ)アクリレートおよび/またはオキサゾニル基含有(メタ)アクリレートを構成成分とする共重合体等に(メタ)アクリル酸を付加させた付加体;(メタ)アクリル酸を構成成分とする共重合体に、エポキシ基含有(メタ)アクリレートおよび/またはオキサゾニル基含有(メタ)アクリレートを付加させた付加体;ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを構成成分とする共重合体に、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとの付加物を付加させた付加体等を挙げることができ、これらは1種または2種以上を併用することができる。
【0013】
次に、カチオン重合性化合物としては、エポキシ基含有化合物およびビニルエーテル基含有化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
エポキシ基含有化合物としては、芳香族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物等を挙げることができ、これらは1種または2種以上を使用することができる。ここに、芳香族エポキシ化合物とは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル、および、エポキシノボラック等であり、上記ポリグリシジルエーテルとしては、ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテル等を挙げることができる。脂環族エポキシ化合物としては、少なくとも1個の脂環を有する多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル、シクロヘキセン環含有化合物またはシクロペンテン環含有化合物を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化させて得られるシクロヘキセンオキサイド含有化合物またはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。ここに、ポリグリシジルエーテルとは、水素添加ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテル等である。脂肪族エポキシ化合物としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル、脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを添加して得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル等が好ましい。脂肪族エポキシ化合物の市販品としては、デナコール(品番:EX−611,612,614,614B,622,651,651A,512,521,411,421,301,313,314,321,201,211,212,810,811,850,851,821,830,832,841,861,911,941,920,921,922,931,2000,4000,111,121,141,145,146,171,192;ナガセ化成工業株式会社製)等を挙げることができる。
【0014】
ビニルエーテル基含有化合物としては、たとえば、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、ビスフェノールAのジビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ポリオール化合物とポリイソシアネートとヒドロキシル基含有ビニルエーテル化合物(たとえば、ヒドロキシブチルビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルモノビニルエーテル)との反応物であるポリウレタンポリビニルエーテル等を挙げることができ、これらは1種または2種以上を使用することができる。ビニルエーテル基含有化合物の製造方法は、特に限定がなく、たとえば、ジ、トリまたはテトラ官能性のポリオール、アセチレンおよび塩基触媒を高圧下で反応する方法を挙げることができる。
〔複合微粒子〕
複合微粒子は、無機微粒子に有機ポリマーが一体化してなる微粒子である。無機微粒子と有機ポリマーの一体化は、無機微粒子に有機ポリマーが固定されることで達成されても良く、後述するように、有機質部分と無機質部分を有する含珪素ポリマー(P)を加水分解・縮合することで無機微粒子を形成すると同時に有機ポリマーとの一体化を達成しても良い。前記において、固定とは、一時的な接着や付着を意味するのでなく、複合微粒子を溶剤で洗ったときに洗液中に有機ポリマーが検出されないことを意味し、この現象は、有機ポリマーと無機微粒子の間で化学結合が生成していることを強く示唆している。
【0015】
前記無機微粒子は、実質的に無機物からなる微粒子であれば良く、構成する元素の種類を問わないが、無機酸化物が好ましく用いられる。無機微粒子の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕粒状等、任意である。
複合微粒子の平均粒子径は5〜200nmであり、好ましくは5〜100nmである。複合微粒子の平均粒子径が5nm未満であると、複合微粒子の表面エネルギーが高くなり、複合微粒子の凝集が起こりやすくなる。複合微粒子の平均粒子径が200nmを超えると、被膜の透明性が低下する。複合微粒子の粒子径の変動係数(粒子径分布)は、50%以下であり、30%以下が好ましい。複合微粒子の粒子径分布が広すぎると、すなわち、粒子径の変動係数が50%を超えると、被膜表面の凹凸が激しくなり、被膜の平滑性が失われるからである。
【0016】
前記無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸素金属化合物と定義される。無機酸化物を構成する金属元素としては、たとえば、元素周期律表II〜VI族から選ばれる元素が好ましく、 III〜V族から選ばれる元素がさらに好ましい。その中でも、Si、Al、Ti、Zrから選ばれる元素が特に好ましい。金属元素がSiであるシリカ微粒子は、製造し易く、しかも入手が容易であるので、最も好ましい無機微粒子である。無機酸化物は、その構造中に、有機基や水酸基を含有することがある。これらの基は、後述する原料となる金属化合物(G)に由来する各種の基が残留して含まれたりする。前記有機基とは、たとえば、置換されていてもよい炭素数20以下のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。無機微粒子を構成する無機酸化物は、1種のみである必要はなく、2種以上であっても良い。
【0017】
無機微粒子はアルコキシ基を含有することが出来る。アルコキシ基の含有量は、好ましくは複合微粒子1g当たり0.01〜50mmolである。アルコキシ基は無機微粒子の骨格を構成する金属元素に結合したRa O基を示す。ここに、Ra は置換されていてもよいアルキル基であり、Ra O基が複数あるとき、Ra O基は同一であってもよく異なっていてもよい。Ra の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が挙げられる。アルコキシ基は、無機微粒子の有機媒体との親和性や有機媒体中での分散性を補足的に向上させる。
【0018】
前記有機ポリマーは、通常は、無機微粒子の表面に存在するが、その一部が無機微粒子の内部に包含されることがある。有機ポリマーの一部が無機微粒子の内部に包含されていると、無機微粒子に適度な柔軟性と靱性を付与することができる。無機微粒子内の有機ポリマーの有無は、たとえば、複合微粒子を500〜700℃で加熱して有機ポリマーを熱分解した後の無機微粒子の比表面積の測定値を、TEM等で測定される無機微粒子の直径より算出された比表面積の理論値と比較することにより、確認することができる。すなわち、無機微粒子内に有機ポリマーを包含している場合は、有機ポリマーの熱分解により無機微粒子内に多数の細孔が生じるため、熱分解後の無機微粒子の比表面積が、無機微粒子の直径から算出される比表面積の理論値よりもかなり大きい値となる。
【0019】
有機ポリマーは、無機微粒子の樹脂内での分散性や有機媒体との親和性の向上に寄与するほか、この有機ポリマー自体がバインダーやマトリックスとして寄与することもある。有機ポリマーの構造は、直鎖状、分枝状、架橋構造等、任意である。有機ポリマーを構成する樹脂の具体例としては、たとえば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルおよびこれらの共重合体であり、これらをアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹脂等であってもよい。これらのうち、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、(メタ)アクリル−ポリエステル系樹脂等の(メタ)アクリル単位を含む有機ポリマーは、塗膜形成能を有し、塗料等の被膜形成組成物用途に好適である。上記(メタ)アクリル単位としては、たとえば、メチルアクリレート単位、エチルアクリレート単位、メチルメタクリレート単位や、ポリエチレングリコール側鎖等の水酸基を有する(メタ)アクリレート単位等の極性の高い側鎖を有する単位、を挙げることができ、これらの単位は被膜の耐汚染性を向上させる。
【0020】
複合微粒子は、有機質部分と無機質部分を有するシロキサン化合物を用いて作製することがあることは前述した。このようなシロキサン化合物としては、有機鎖とポリシロキサン基から構成され、1分子当たり少なくとも1個のポリシロキサン基が結合しており、かつ、前記ポリシロキサン基中に少なくとも1個のSi−OR1 基を含有する構造を有する、後述の含珪素ポリマー(P)が好ましく挙げられる。そこで、有機ポリマーはこのマクロポリマーの有機鎖に由来するものであることが出来る。
【0021】
有機ポリマーは官能基を有するものであってもよい。官能基がパーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基であると、被膜の耐汚染性が向上するため好ましい。パーフルオロアルキル基の具体例としては、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロテトラデシル基等が挙げられる。パーフルオロアルキル基が、パーフルオロメチル基およびパーフルオロエチル基のうちの少なくとも1種であると、有機ポリマーへの導入が容易であるため好ましい。パーフルオロアルキル基中のフッ素原子の一部は、本発明の効果をそこなわない範囲内で、塩素原子等の他の原子で置換されてもよい。パーフルオロアルキル基は、1種のみでもよく、2種以上が適宜組み合わされてもよい。シリコーン基の具体例としては、ジメチルシリコーン基、ジフェニルシリコーン基、メチルフェニルシリコーン基、ジエチルシリコーン基、メチルエチルシリコーン基等が挙げられる。シリコーン基が、ジメチルシリコーン基およびジフェニルシリコーン基のうちの少なくとも1種であると、有機ポリマーへの導入が容易であるため好ましい。シリコーン基は、1種のみでもよく、2種以上が適宜組み合わされてもよい。パーフルオロアルキル基およびシリコーン基の分子量は、特に限定されないが、有機ポリマーへの導入を容易とすると言う観点からは、50,000以下であることが好ましく、10,000以下であることがより好ましい。有機ポリマーの主鎖とパーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基との結合形態は、特に限定されないが、これらの基と有機ポリマーの主鎖とが直接に結合したものの他に、エステル基(−COO−)またはエーテル基(−O−)等を介して結合したものでもよい。有機ポリマー中のパーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基の含有量は、特に限定されないが、全体重量の0.01〜50%が好ましく、0.5〜10%がより好ましい。含有量が0.01%未満であると、被膜形成時に複合微粒子の被膜表面への移行が起こりにくい。他方、50%を超えると、被膜表面から複合微粒子が抜け落ち、被膜の耐汚染性が低下する恐れがある。
【0022】
有機ポリマーの平均分子量は、特に限定されないが、有機溶剤に対する溶解性や複合微粒子の製造し易さ等を考慮すると、200,000以下であるのが好ましく、50,000以下であるのがさらに好ましい。
複合微粒子における無機微粒子と有機ポリマーの相互割合は、特に制限されないが、無機微粒子が有する硬度、耐熱性などの特性をより効果的に発揮させるためには無機微粒子の含有率をできるだけ高めるのが有利であり、このような観点から無機微粒子の含有率は50〜99.5重量%であることが好ましい。
【0023】
複合微粒子は任意の方法で製造することができるが、含珪素ポリマー(P)を使用する下記の製造方法はその好ましい一例である。
この好ましい製造方法は、有機鎖とポリシロキサン基から構成され、1分子中に少なくとも1個のSi−OR1 基(R1 は水素原子、および、置換されていても良いアルキル基、アシル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、R1 が1分子中に複数ある場合、複数のR1 は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)を有する含珪素ポリマー(P)を、単独で、または加水分解可能な金属化合物(G)とともに、加水分解・縮合する方法である。含珪素ポリマー(P)と加水分解可能な金属化合物(G)の詳しい説明は後述する。
【0024】
上記加水分解・縮合の方法は、特に限定されないが、反応を容易に行えるという理由から、溶液中で行うのが好ましい。ここでいう溶液とは、有機溶剤および/または水を媒体とする液である。有機溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用される。これらの中でも、水と溶解可能なアルコール類、ケトン類、エーテル類を用いることが好ましい。
【0025】
上記の加水分解・縮合は無触媒でも行うことができるが、必要に応じて、酸性触媒または塩基性触媒の1種または2種以上を用いることができる。酸性触媒の具体例としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸類;酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類;酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。塩基性触媒の具体例としては、アンモニア;トリエチルアミン、トリプロピルアミン等の有機アミン化合物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;塩基性イオン交換樹脂等が挙げられる。塩基性触媒を用いると、加水分解・縮合によって得られる無機微粒子がより強固な骨格を有するようになるため、塩基性触媒は酸性触媒よりも好ましい。
【0026】
加水分解・縮合の際の原料組成は、特に限定されるものではないが、含珪素ポリマー(P)、金属化合物(G)、有機溶剤、水または触媒等よりなる原料組成物全量に対する各原料の配合割合は以下のごとくである。含珪素ポリマー(P)は、0.1〜80重量%が好ましく、0.5〜30重量%がより好ましい。金属化合物(G)は、0〜80重量%が好ましく、0〜50重量%がより好ましい。有機溶剤は、0〜99.9重量%が好ましく、20〜99重量%がより好ましい。触媒は、0〜20重量%が好ましく、0〜10重量%がより好ましい。加水分解・縮合に用いる水の量は、加水分解・縮合によって含珪素ポリマー(P)または含珪素ポリマー(P)と金属化合物(G)が粒子化するに足る量であれば、特に限定されないが、加水分解・縮合をより十分に行い、粒子の骨格をより強固にするには、水の量は多ければ多いほど良い。具体的には、加水分解・縮合する加水分解性基に対する水のモル比は、0.1以上であり、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上である。
【0027】
なお、複合微粒子とその製造方法の詳細は、特開平7−178335号および特願平8−147826号に記載されている。
含珪素ポリマー(P)において、有機鎖とポリシロキサン基はSi−C結合、Si−O−C結合等を介して化学結合しているが、この結合部位は、加水分解を受けにくいこと交換反応等の好ましくない反応をも受けにくいことの理由から、Si−C結合で構成されていることが好ましい。含珪素ポリマー(P)としては、有機溶剤や水に溶解するものであればその具体的構造は限定されておらず、たとえば、ポリシロキサン基が有機鎖にグラフトしたポリマー、ポリシロキサン基が有機鎖の片末端もしくは両末端に結合したポリマー、ポリシロキサン基をコアとしてこのコアに複数の有機鎖(複数の有機鎖は同じであってもよく、異なっていてもよい)が直鎖状もしくは分枝状に結合したポリマー等が挙げられる。ここで有機鎖とは、含珪素ポリマー(P)において、ポリシロキサン基以外の部分を指す。有機鎖中の主鎖は、炭素を主体とするものであり、主鎖結合にあずかる炭素原子が主鎖の50〜100モル%を占め、残部がN、O、S、Si、P等の元素からなるものが入手の容易さ等の理由で好ましい。
【0028】
有機鎖を構成する樹脂の具体例としては、複合微粒子を構成する有機ポリマーについて前述したものが挙げられる。
ポリシロキサン基とは、2個以上のSi原子がポリシロキサン結合(Si−O−Si結合)により直鎖状または分枝状に連結してなる基である。このポリシロキサン基の有するSi原子の個数は、特に限定されるわけではないが、前述したR1 O基を多く含有できる点で、ポリシロキサン基1個当たりの平均で、4個以上が好ましく、11個以上がさらに好ましい。Si−OR1 基中のR1 O基は、加水分解および/または縮合可能な官能基であって、含珪素ポリマー(P)1分子当たり平均5個以上あるのが好ましく、20個以上あるのがより好ましい。R1 O基の個数が多いほど、加水分解・縮合する反応点が増加し、より強固な骨格を有する無機微粒子が得られる。R1 に当たるアルキル基、アシル基の炭素数は、特に限定されないが、R1 O基の加水分解速度が速いという理由で、1〜5が好ましい。炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第2級ブチル基、第3級ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。炭素数1〜5のアシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。置換されているアルキル基、アシル基としては、上記アルキル基、アシル基の有する水素原子の1個または2個以上が、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアシル基;塩素、臭素等のハロゲン等で置換されてなる基が挙げられる。R1 としては、R1 O基の加水分解・縮合速度がさらに速くなるという理由から、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
【0029】
ポリシロキサン基を具体的に例示すると、ポリメチルメトキシシロキサン基、ポリエチルメトキシシロキサン基、ポリメチルエトキシシロキサン基、ポリエチルエトキシシロキサン基、ポリフェニルメトキシシロキサン基、ポリフェニルエトキシシロキサン基等が挙げられる。ポリシロキサン基中のすべてのSi原子は、有機鎖との結合かポリシロキサン結合(Si−O−Si結合)にあずかるほかはすべてR1 O基とのみ結合していることが好ましい。Si原子のイオン性がより高まり、その結果、R1 O基の加水分解・縮合速度がより速くなるとともに、含珪素ポリマー(P)中の反応点が増加し、より強固な骨格を有する微粒子が得られるからである。このようなポリシロキサン基を具体的に例示すると、ポリジメトキシシロキサン基、ポリジエトキシシロキサン基、ポリジイソプロポキシシロキサン基、ポリn−ブトキシシロキサン基等が挙げられる。
【0030】
含珪素ポリマー(P)の平均分子量は、特に限定されないが、200,000以下であるのが好ましく、50,000以下であるのがさらに好ましい。分子量が高すぎると、有機溶剤に溶解しない場合があり好ましくない。
含珪素ポリマー(P)は公知の方法により製造できる。その例として下記の方法が挙げられるが、これらの方法に限定されない。
【0031】
(1) 二重結合基やメルカプト基を有するシランカップリング剤の存在下、ラジカル重合性モノマーをラジカル(共)重合した後、得られた(共)重合体と後述するシラン化合物および/またはその誘導体を共加水分解・縮合してマクロポリマー(以下、重合性ポリシロキサンと略す)を得る方法。
(2) 上述のようにして得た重合性ポリシロキサンの存在下、ラジカル重合性モノマーをラジカル(共)重合する方法。
【0032】
(3) 二重結合基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基等の反応性基を有するシランカップリング剤に、上記反応性基と反応する基を有するポリマーを反応させ、得られた反応物と後述するシラン化合物および/またはその誘導体を共加水分解・縮合する方法。
(4) 上記反応性基を有するシランカップリング剤とシラン化合物および/またはその誘導体を共加水分解・縮合した後、得られた反応物を、上記反応性基と反応する基を有するポリマーを反応させる方法。
【0033】
上記の4方法のうちでは方法(2)が好ましい。より容易に含珪素ポリマー(P)が得られるからである。
含珪素ポリマー(P)には、▲1▼パーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基、および、▲2▼パーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基を導入することができる官能基、のうちの少なくとも1つの基をさらに含んでいることができる。基▲1▼の具体例としては複合微粒子の有機ポリマーで説明した基を挙げることができる。基▲2▼の具体例としては水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、オキサゾリン基、アルデヒド基等の官能基を挙げることができる。含珪素ポリマー(P)が官能基▲2▼を含む場合は、この官能基と反応する基とパーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基とを含有する化合物を、上記(1)〜(4)の方法の実施過程で加水分解・縮合物と反応させることによって、パーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基を含珪素ポリマー(P)に導入することができる。官能基▲2▼と反応する基は、官能基の種類によって異なるが、官能基が水酸基である場合にはオキサゾリン基、カルボキシル基およびエポキシ基であり、官能基がカルボキシル基である場合にはオキサゾリン基、水酸基、エポキシ基およびメルカプト基であり、官能基がエポキシ基である場合にはオキサゾリン基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基およびメルカプト基であり、官能基がアミノ基である場合にはオキサゾリン基、エポキシ基およびビニル基であり、官能基がビニル基である場合にはアミノ基であり、官能基がオキサゾリン基である場合にはエポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基およびメルカプト基であり、官能基がメルカプト基である場合にはオキサゾリン基、エポキシ基、カルボキシル基およびエポキシ基である。
【0034】
シラン化合物の具体例としては、メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられる。これらの誘導体としては、これらの加水分解・縮合物等が挙げられる。上記のうちでは、アルコキシシラン化合物が原料として入手し易く好ましい。シラン化合物および/またはその誘導体がSi(OR24 およびその誘導体であると、加水分解・縮合速度が速く、より強固な骨格を有する複合微粒子を得させる。
【0035】
金属化合物(G)は、加水分解、さらに縮合することにより3次元的にネットワークを形成することができる。このような金属化合物(G)を具体的に例示すると、金属ハロゲン化物、硝酸金属塩、硫酸金属塩、金属アンモニウム塩、有機金属化合物、アルコキシ金属化合物またはこれらの誘導体等が挙げられる。金属化合物(G)は1種のみまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0036】
金属化合物(G)としては、金属元素が周期律表の III族、IV族、V族の各元素から選ばれることが好ましい。中でも、下記の一般式▲1▼
(R2O)mMR3 n-m ─▲1▼
(一般式▲1▼中、MはSi、Al、TiおよびZrからなる群より選ばれる、少なくとも1種の金属元素、R2 は水素原子または置換されていても良いアルキル基、アシル基から選ばれる少なくとも一種の基、R3 は置換されていても良いアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基から選ばれる少なくとも1種の基、nは金属元素Mの価数、mは1〜nの整数、R2 および/またはR3 が1分子中に複数ある場合、複数のR2 および/またはR3 は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)で示される化合物およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種の金属化合物がより好ましい。前記R2 については、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第2級ブチル基、第3級ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、アシル基としてはアセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。R2 としては水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。これはR2 O基の加水分解・縮合速度が速いという理由による。R3 については、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第2級ブチル基、第3級ブチル基、ペンチル等基が挙げられ、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられ、アラルキル基としてはベンジル基等が挙げられる。置換されているアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基とは、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基の有する水素原子の1個または2個以上が、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、エポキシ基、ハロゲン等の官能基等で置換された基を示す。一般式▲1▼で示される金属化合物(G)の具体例としては、メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、ジメチルアルミニウムメトキシド、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキシロキシ)チタン、ジエキトシジブトキシチタン、イソプロキシチタントリオクタレート、ジイソプロポキシチタンジアクリレート、トリブトキシチタンステアレート、ジルコニウムアセテート、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等が挙げられる。一般式▲1▼で示される金属化合物(G)の誘導体の具体例としては、ジイソプロポキシチタンジアセチルアセトネート、オキシチタンジアセチルアセトネート、ジブトキシチタンビストリエタノールアミネート、ジヒドロキシチタンジラクチート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブトキシド、トリエタノールアミンジルコニウムブトキシド、アルミニウムアセチルアセトネート等が挙げられる。工業的に入手し易く、製造装置および最終製品の諸物性に悪影響を及ぼすハロゲン等を含んでいない等の理由から、一般式▲1▼においてMがSiであるシラン化合物およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
〔硬化性樹脂組成物およびその硬化方法〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記複合微粒子と重合性官能基含有化合物を必須成分として含み、通常は有機溶剤をさらに含んでいる。有機溶剤の使用量は、特に制限がない。
【0037】
複合微粒子の配合割合は、特に限定がないが、好ましくは硬化性樹脂組成物全体の10〜80重量%、さらに好ましくは15〜70重量%である。複合微粒子の配合割合が10重量%未満であると、被膜の耐汚染性、耐擦り傷性および表面硬度が低下する。他方、複合微粒子の配合割合が80重量%を超えると、被膜の密着性および強靱性が低下する。
【0038】
本発明の硬化性樹脂組成物は、重合性官能基含有化合物の種類や、硬化方法によって、たとえば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキサイド、ターシャリブチルハイドロオキサイド、ターシャリブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシカーボネート、ジメトキシプロピルパーオキシカーボネート等の有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル類等のラジカル重合性化合物を硬化させる熱硬化触媒;ベンゾイン、エチルベンゾインエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、イソプロピルエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のラジカル重合性化合物を硬化させる紫外線硬化触媒;アンモニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物等のカチオン重合性化合物を硬化させるカチオン重合開始剤等をさらに含むものでもよい。
【0039】
本発明の硬化性樹脂組成物は、塗料等の被膜形成用組成物に一般に使用されるレベリング剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、耐光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、充填剤、補強剤、可塑剤、潤滑剤、防食剤、防錆剤、乳化剤、鋳型脱色剤、蛍光性増白剤、有機防炎剤、無機防炎剤、滴下防止剤、溶融流改質剤、静電防止剤等の各種添加剤のほか、黄鉛、モリブデートオレンジ、紺青、カドミウム系顔料、チタン白、複合酸化物顔料、透明酸化鉄等の無機顔料、環式高級顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、染付顔料等の顔料をさらに含むものでもよい。なお、硬化性樹脂組成物を紫外線で硬化する場合は、言うまでもなく、紫外線吸収剤の配合量は硬化を阻害しないように選択される。
【0040】
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化する方法については、特に限定はなく、たとえば、加熱や、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射によって硬化する方法を挙げることができる。なお、活性エネルギー線は、α線、β線、γ線等の電離放射線や、マイクロ波、高周波、可視光線、赤外線、レーザー光線等でもよく、ラジカル活性種またはカチオン活性種を発生させるいかなるエネルギー種でもよい。このような活性エネルギー線の発生源としては、たとえば、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を挙げることができ、これらは硬化反応が起こる波長を考慮して選択される。
【0041】
重合性官能基含有化合物がラジカル重合性化合物を含む場合は、硬化性樹脂組成物が熱硬化触媒または紫外線硬化触媒をさらに含有すると、それぞれ、加熱または紫外線の照射で硬化させることができる。重合性官能基含有化合物がカチオン重合性化合物を含む場合は、硬化性樹脂組成物がカチオン重合開始剤をさらに含有すると、加熱、紫外線や電子線の照射のいずれでも硬化させることができる。
【0042】
硬化性樹脂組成物を加熱で硬化させる場合は、被膜形成させる基材の素材の種類によって加熱温度を適宜に選ぶ。たとえば、素材がプラスチックである場合は、変形温度以下の範囲で、熱硬化触媒が分解して硬化が十分に促進される温度(硬化促進温度)に加熱する。プラスチックがたとえばポリカーボネートである場合の硬化促進温度は、80〜150℃、好ましくは100〜130℃である。
【0043】
硬化性樹脂組成物を紫外線照射で硬化させる方法としては、紫外線を発生させる光源の種類、光源と塗布面との距離等の条件によって異なるが、たとえば、波長1000〜8000オングストロームの紫外線を、通常数秒間、長くとも数十秒間照射する方法を挙げることができる。
硬化性樹脂組成物を電子線照射で硬化させる方法としては、たとえば、通常50〜1000keV、好ましくは100〜300keVの加速電圧で、吸収線量が1〜20Mrad程度となるように電子線を照射する方法を挙げることができる。電子線照射は、大気中で行ってもよいが、窒素等の不活性ガス中で行うのが好ましい。吸収線量については被膜中に溶剤が残留しないように決定する必要がある。
【0044】
紫外線照射または電子線照射後、必要に応じて、加熱を行い、硬化を完全なものにすることもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、たとえば、アルミニウム、ステンレス、トタン、ブリキ、鋼板、コンクリート、モルタル、スレート、ガラス等の無機素材;木材、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、紙等の有機素材等からなる基板またはフィルム等の基材に塗布されて被膜を形成することができる。塗布は、浸漬、吹き付け、刷毛塗り、カーテンフローコータ、ロールコート、スピンコート、バーコート、静電塗装等の常法によって行うことができる。
【0045】
【実施例】
以下に、この発明の実施例を比較例と合わせて示すが実施例の説明に先立って複合微粒子の製造例と重合性官能基含有化合物の合成例をその準備段階も含めて説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
以下の準備段階、製造例、合成例と実施例、比較例において、「部」は「重量部」を示す。
−重合性ポリシロキサン(S−1)の合成−
攪拌機、温度計および冷却管を備えた300mlの四つ口フラスコにテトラメトキシシラン144.5g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン23.6g、水19g、メタノール30.0g、アンバーリスト15(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製の陽イオン交換樹脂)5.0gを入れ、65℃で2時間攪拌し、反応させた。反応混合物を室温まで冷却した後、冷却管に代えて蒸留塔、これに接続させた冷却管および流出口を設け、常圧下に80℃まで2時間かけて昇温し、メタノールが流出しなくなるまで同温度で保持した。さらに、200mmHgの圧力で90℃の温度で、メタノールが流出しなくなるまで同温度で保持し、反応をさらに進行させた。再び、室温まで冷却した後、アンバーリスト15を濾別し、数平均分子量が1800の重合性ポリシロキサン(S−1)を得た。
【0046】
−含珪素ポリマー(P−1)の合成−
攪拌機、滴下口、温度計、冷却管およびN2 ガス導入口を備えた1リットルのフラスコに、有機溶剤としてトルエン200gを入れ、N2 ガスを導入し、攪拌しながらフラスコ内温を110℃まで加熱した。ついで重合性ポリシロキサン(S−1)20g、メチルメタクリレート80g、エチルアクリレート80g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル6gを混合した溶液を滴下口より2時間かけて滴下した。滴下後も同温度で1時間攪拌続けた後、1,1’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.4gを30分おきに2回添加し、さらに2時間加熱して共重合を行い、数平均分子量が13,000の含珪素ポリマー(P−1)がトルエンに溶解した溶液を得た。得られた含珪素ポリマー(P−1)の固形分は49.0%であった。
【0047】
上記のようにして得られた重合性ポリシロキサン(S−1)と含珪素ポリマー(P−1)の数平均分子量は、下記の方法により分析した。
数平均分子量測定方法
重合性ポリシロキサンと含珪素ポリマーについてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の数平均分子量を下記条件において測定した。
【0048】
試料の調整:テトラヒドロフランを溶媒として使用し、重合性ポリシロキサン、または有機ポリマー(P)0.05gを1gのテトラヒドロフランに溶解して試料とした。
装置:東ソー株式会社製の高速GPC装置HLC−8020を用いた。
カラム:東ソー株式会社製のG3000H、G2000HおよびGMHXLを用いた。
【0049】
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製のTSK標準ポリスチレンを用いた。
測定条件:測定温度35℃、流量1ml/分で測定した。
−複合微粒子分散体(Z−1)の製造−
攪拌機、2つの滴下口(滴下口イおよび滴下口ロ)、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、酢酸ブチル200g、メタノール50gを入れておき、内温を20℃に調整した。ついでフラスコ内を攪拌しながら、含珪素ポリマー(P−1)の酢酸ブチル溶液20g、テトラメトキシシラン30g、酢酸ブチル20gの混合液(原料液A)を滴下口イから、25%アンモニア水20g、メタノール20gの混合液(原料液B)を滴下口ロから、1時間かけて滴下した。滴下後、同温度で2時間攪拌を続け、複合微粒子分散体(Z−1)を得た。得られた分散体の複合微粒子濃度、複合微粒子中の無機物含有量、複合微粒子の平均粒子径と変動係数、複合微粒子中のアルコキシ基含有量、経時安定性を表1に示す。
【0050】
−複合微粒子分散体(Z−2)の製造−
攪拌機、温度計、冷却管および流出口が接続した蒸留塔を備えた500mlの四つ口フラスコに、複合微粒子分散体(Z−1)を400g入れ、110mmHgの圧力下、フラスコ内温を100℃まで昇温し、アンモニア、メタノール、酢酸ブチルを固形分濃度が30%となるまで留去し、複合微粒子が酢酸ブチルに分散した分散体(Z−2)を得た。得られた分散体の複合微粒子濃度、複合微粒子中の無機物含有量、複合微粒子の平均粒子径と変動係数、複合微粒子中のアルコキシ基含有量、経時安定性を表1に示す。
【0051】
上記で得られた複合微粒子分散体(Z−1、Z−2)を遠心分離機にかけて得られた上ずみ液をGPCで分析したが、有機ポリマーは検出されなかった。また、上記複合微粒子分散体(Z−1、Z−2)の遠心分離後の沈降物である各複合微粒子をTHFまたは水で洗浄し、その洗液をGPCで分析したが、有機ポリマーは検出されなかった。以上の結果は、複合微粒子では有機ポリマーが無機微粒子に単に付着しているのではなく、強固に固定されていることを示している。
【0052】
上記で得られた複合微粒子分散体について、得られた分散体の複合微粒子濃度、複合微粒子中の無機物含有量、複合微粒子の平均粒子径と変動係数、複合微粒子中のアルコキシ基含有量、経時安定性は下記の方法で分析、評価した。
複合微粒子濃度
複合微粒子分散体を100mmHgの圧力下、130℃で24時間乾燥し、下記の式より求めた。
【0053】
複合微粒子濃度(重量%)=100×D/W
(ここで、D:乾燥後の複合微粒子の重量(g)
W:乾燥前の複合微粒子分散体の重量(g))
複合微粒子中の無機物含有量
複合微粒子分散体を100mmHgの圧力下、130℃で24時間乾燥したものについて元素分析を行い、灰分を複合微粒子中の無機物含有量とした。
平均粒子径および変動係数
動的光散乱測定法で、下記の装置を用いて、23℃で測定した。測定した平均粒子径は、体積平均粒子径である。
【0054】
装置:サブミクロン粒子径アナライザー(野崎産業株式会社製、NICOMP
MODEL 370)
測定試料:複合微粒子濃度が0.1〜2.0重量%のテトラヒドロフランに分散させた複合微粒子分散体(複合微粒子中の有機ポリマーが、テトラヒドロフランに溶けない場合は有機ポリマーが溶解する溶媒に分散させた分散体)。
【0055】
変動係数:変動係数は、下式で求められる。
Figure 0003848434
複合微粒子中のアルコキシ基含有量
複合微粒子分散体を、100mmHgの圧力下、130℃で24時間乾燥したもの5gを、アセトン50g、2N−NaOH水溶液50gの混合物に分散させ、室温で24時間攪拌した。その後、ガスクロマトグラフ装置で液中のアルコールを定量し、複合微粒子のアルコキシ基含有量を算出した。
経時安定性
得られた分散体をガードナー粘度チューブ中に密閉し、50℃で保存した。1ヶ月後、粒子の凝集、沈降や粘度の上昇が認められないものを○とした。
【0056】
【表1】
Figure 0003848434
【0057】
−アクロイル基含有アクリル樹脂の酢酸ブチル溶液(AC−1)の合成−
攪拌機、滴下口、温度計、冷却管および窒素ガス導入口を備えた1リットルのフラスコに酢酸ブチル300部を入れ、窒素ガスを導入し、攪拌しながら内温を120℃にし、シクロヘキシルメタクリレート90部、グリシジルメタクリレート90部、ブチルアクリレート66部、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン3部、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール6部、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルブラロニトリル)12部の混合物を4時間かけて滴下し、滴下後さらに2時間加熱した。反応混合物の温度を110℃に下げ、アクリル酸45部およびトリメチルアンモニウムブロマイド3部を加えて、110℃で6時間反応させて、共重合体の側鎖にアクロイル基を有するアクリル樹脂の50%酢酸ブチル溶液(AC−1)を得た。なお、この酸価は2mgKOH/gであった。
−実施例1−
ウレタン(メタ)アクリレート、紫外線硬化
複合微粒子分散体(Z−2)60部、ウレタンアクリレート(商品名:U−4HA、新中村化学工業(株)製)100部、紫外線安定剤(商品名:チヌビン440、チバガイギー製)1部、紫外線吸収剤(商品名:チヌビン900、チバガイギー製)2部、ラジカル光開始剤(商品名:ダロキュアー1173、メルク製)、レベリング剤(商品名:BYK300、ビッグケミー製)0.1部を加えてよく攪拌し、粘度を調整して樹脂組成物(1)を得た。ポリカーボネート平板にアプリケーターを用いて、乾燥膜厚が20μmとなるように樹脂組成物(1)を塗装した試験板(1)を得た。試験板(1)を80℃で10分間熱風乾燥し、速度5m/minの速度で移動するコンベアに置き、高圧水銀灯ランプ(80W/cm)を用いて20cmの高さから、紫外線照射を1回行い、硬化試験板(1)を得た。硬化試験板(1)について、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価した。結果を表2に示す。
【0058】
−実施例2−
多官能(メタ)アクリレート、紫外線硬化
表2に示す各成分を加える以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(2)、試験板(2)を得た。試験板(2)を実施例1と同様に硬化させ、硬化試験板(2)を得て、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価した。結果を表2に示す。
【0059】
−実施例3−
多官能(メタ)アクリレートおよびアクロイル基含有アクリル樹脂、電子線硬化
複合微粒子分散体(Z−2)60部、多官能アクリレート(商品名:ライトアクリレートTMP−A、共栄社化学工業(株)製のトリメチロールプロパントリアクリレート)50部、アクロイル基含有アクリル樹脂の酢酸ブチル溶液(AC−1)100部、レベリング剤(商品名:BYK300、ビッグケミー製)0.1部を加えてよく攪拌し、粘度を調整して樹脂組成物(3)を得た。ポリカーボネート平板にアプリケーターを用いて、乾燥膜厚が20μmとなるように樹脂組成物(3)を塗装した試験板(3)を得た。日新ハイボルテージ(株)製のエリアビーム型電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧200kV、線量10Mradの条件で試験板(3)に電子線を照射して、硬化試験板(3)を得た。硬化試験板(3)について、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価し、その結果を表2に示す。
【0060】
−実施例4−
エポキシ基含有化合物、熱硬化
複合微粒子分散体(Z−2)60部、エポキシ基含有化合物(商品名:セロキサイド2021、ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシ化合物)100部、紫外線安定剤(商品名:チヌビン440、チバガイギー製)1部、紫外線吸収剤(商品名:チヌビン900、チバガイギー製)2部、カチオン熱開始剤(商品名:サンエイドSI−60L、三新化学工業(株)製)1部、レベリング剤(商品名:BYK300、ビッグケミー製)0.1部を加えてよく攪拌し、粘度を調整して樹脂組成物(4)を得た。ポリカーボネート平板にアプリケーターを用いて、乾燥膜厚が20μmとなるように樹脂組成物(4)を塗装した試験板(4)を得た。試験板(4)を100℃で60分間熱風乾燥し、硬化試験板(4)を得た。硬化試験板(4)について、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価した。結果を表2に示す。
【0061】
−実施例5−
ビニルエーテル基含有化合物、熱硬化
表2に示す各成分を加える以外は実施例4と同様にして、樹脂組成物(5)、試験板(5)を得た。試験板(5)を実施例4と同様に硬化させ、硬化試験板(5)を得て、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価した。結果を表2に示す。
【0062】
−実施例6−
ウレタン(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレート、電子線硬化
表2に示す各成分を加える以外は実施例3と同様にして、樹脂組成物(6)、試験板(6)を得た。試験板(6)を実施例3と同様に硬化させ、硬化試験板(6)を得て、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価した。結果を表2に示す。
【0063】
−実施例7−
ウレタン(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートおよびアクロイル基含有アクリル樹脂、電子線硬化
アクロイル基含有アクリル樹脂の酢酸ブチル溶液(AC−1)50部と、顔料(商品名:CR−95、石原産業(株)製の酸化チタン)20部とを予め配合して、塗料化した組成物Aを調製した。上記で調製した組成物A70部、複合微粒子分散体(Z−2)60部、ウレタンアクリレート(商品名:U−4HA、新中村化学工業(株)製)50部、多官能アクリレート(商品名:ライトアクリレートTMP−A、共栄社化学工業(株)製のトリメチロールプロパントリアクリレート)25部、紫外線安定剤(商品名:チヌビン440、チバガイギー製)1部、紫外線吸収剤(商品名:チヌビン900、チバガイギー製)2部、レベリング剤(商品名:BYK300、ビッグケミー製)0.1部を加えてよく攪拌し、粘度を調整して樹脂組成物(7)を得た。ポリカーボネート平板にアプリケーターを用いて、乾燥膜厚が20μmとなるように樹脂組成物(7)を塗装した試験板(7)を得た。日新ハイボルテージ(株)製のエリアビーム型電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧200kV、線量10Mradの条件で試験板(7)に電子線を照射して、硬化試験板(7)を得た。硬化試験板(7)について、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価し、その結果を表2に示す。
【0064】
−実施例8−
ウレタン(メタ)アクリレートおよびビニルエーテル基含有化合物、紫外線硬化)
表2に示す各成分を加える以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(8)、試験板(8)を得た。試験板(8)を実施例1と同様に硬化させ、硬化試験板(8)を得て、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価した。結果を表2に示す。
【0065】
−実施例9−
エポキシ基含有化合物、およびビニルエーテル基含有化合物、紫外線硬化
表2に示す各成分を加える以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(9)、試験板(9)を得た。試験板(9)を実施例1と同様に硬化させ、硬化試験板(9)を得て、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価した。結果を表2に示す。
【0066】
−比較例1−
ウレタン(メタ)アクリレート、複合微粒子分散体(Z−2)なし、紫外線硬化
表3に示すように、複合微粒子分散体(Z−2)を加えないこと以外は実施例1と同様にして、比較樹脂組成物(1)、比較試験板(1)を得た。比較試験板(1)を実施例1と同様に硬化させ、比較硬化試験板(1)を得て、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価した。結果を表3に示す。
【0067】
−比較例2−
ウレタン(メタ)アクリレート、市販ゾル、紫外線硬化
表3に示すように、複合微粒子分散体(Z−2)の代わりにイソプロパノール分散シリカゾル(触媒化成(株)製)を加える以外は実施例1と同様にして、比較樹脂組成物(2)、比較試験板(2)を得た。比較試験板(2)を実施例1と同様に硬化させ、比較硬化試験板(2)を得て、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を後述の方法により測定、評価した。結果を表3に示す。
【0068】
−比較例3−
アクリルウレタン、熱硬化
複合微粒子分散体(Z−2)60部、アクリルポリオール(商品名:アロタン2060、固形分60%、水酸基価48(ワニス)、(株)日本触媒製)130部、イソシアネート(商品名:スミジュールN3500、住友バイエルウレタン(株)製)22部、紫外線安定剤(商品名:チヌビン440、チバガイギー製)1部、紫外線吸収剤(商品名:チヌビン900、チバガイギー製)2部、レベリング剤(商品名:BYK300、ビッグケミー製)0.1部を加えてよく攪拌し、粘度を調整して比較樹脂組成物(3)を得た。ポリカーボネート平板にアプリケーターを用いて、乾燥膜厚が20μmとなるように比較樹脂組成物(3)を塗装した比較試験板(3)を得た。試験板(4)を80℃で60分間熱風乾燥し、比較硬化試験板(3)を得た。比較硬化試験板(3)について、硬度、擦り傷性、耐汚染性および耐候性を下記の方法により測定、評価した。結果を表3に示す。
硬 度
JIS K5400 6.14の鉛筆引っかき試験(鉛筆硬度試験)を行い、スリ傷による評価を行った。
耐擦り傷性
クレンザー分散液(濃度5%)をしみ込ませたフェルトを、200g/cm2 の荷重をかけながら硬化した塗膜に押し当て、往復50回のラビングを行った後の光沢保持率(ラビング後の光沢値をラビング前の光沢値で割り、100倍した値)を測定し、耐擦り傷性を評価した。光沢保持率が大きい程、耐擦り傷性は高い。
耐汚染性
塗膜に0.05%カーボン水溶液を刷毛で30回塗布し、80℃で1時間強制乾燥した後、水洗しながら刷毛で30回洗浄した時の塗膜への汚れの付着の程度をみた。
【0069】
◎:付着なし ○:殆ど付着なし △:やや付着あり ×:付着あり
〔耐候性〕
サンシャインウェザーメーターで3000時間後の塗膜の光沢保持率を測定して評価した。
【0070】
【表2】
Figure 0003848434
【0071】
【表3】
Figure 0003848434
【0072】
*1 商品名:U−4HA、新中村化学工業(株)製。
*2 商品名:ライトアクリレートTMP−A、共栄社化学工業(株)製のトリメチロールプロパントリアクリレート。
*3 商品名:ライトエステル1.6HX−A、共栄社化学工業(株)製の1,6−ヘキサンジオールジアクリレート。
【0073】
*4 商品名:セロキサイド2021、ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシ化合物。
*5 ISPジャパン(株)製のシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル。
*6 商品名:チヌビン440、チバガイギー製。
【0074】
*7 商品名:チヌビン900、チバガイギー製。
*8 商品名:BYK300、ビッグケミー製。
*9 商品名:CR−95、石原産業(株)製の酸化チタン。
*10 商品名:ダロキュアー1173、メルク製。
*11 商品名:Irgacure184、チバガイギー製。
【0075】
*12 商品名:サンエイドSI−60L、三新化学工業(株)製。
*13 商品名:FX512、3M製。
*14 トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート。
*15 イソプロパノール分散シリカゾル、触媒化成(株)製。
*16 複合微粒子分散体(Z−2)。
【0076】
*17 アクリルポリオール(商品名:アロタン2060、固形分60%、水酸基価48(ワニス)、(株)日本触媒製)とイソシアネート(商品名:スミジュールN3500、住友バイエルウレタン(株)製)。
*18 塗膜全面にクラックが生じた。
比較例1の塗膜は、メラミン硬化またはイソシアネート硬化と比較して、高架橋密度、高硬度塗膜となるが、塗膜に弾性がないため、クラックが生じやすく、耐候性が低く、耐擦り傷性が低い。また、耐汚染性も劣る。比較例2の塗膜は、より高硬度塗膜となるが、塗膜に弾性がないことが顕著に現れ、クラックが生じやすく、耐候性が低く、耐擦り傷性および耐汚染性が低い。比較例3の塗膜は、耐候性は良好であるが、実施例の塗膜と比較して、硬度および擦り傷性が低く、全体にもろく強靱さが十分ではない。また、比較例3の塗膜は耐汚染性を有するが、実施例の塗膜よりも劣っている。
【0077】
【発明の効果】
本発明の硬化性樹脂組成物は、耐候性および耐汚染性に優れるだけでなく、硬度が高く強靱性に優れるため、例えば、耐擦り傷性に優れた被膜を形成できる等の効果を有する。

Claims (2)

  1. 被膜形成性能を有する重合性官能基含有化合物と、
    平均粒子径が5〜200nmであり、かつ、粒子径の変動係数が50%以下である複合微粒子と、
    を含み、
    前記複合微粒子は、有機ポリマーからなる有機鎖とポリシロキサン基から構成され、1分子中に少なくともSi―OR基(Rは水素原子、および、置換されていても良いアルキル基、アシル基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Rが1分子中に複数ある場合、複数のRは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。)を有する含珪素ポリマーを、単独で、または、加水分解可能な金属化合物とともに、加水分解および縮合させてなるものである、
    硬化性樹脂組成物。
  2. 前記重合性官能基含有化合物が、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物のうちの少なくとも一種である、請求項1に記載の硬化性樹脂化合物。
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