JP3847920B2 - 静電吸着ホットプレート、真空処理装置、及び真空処理方法 - Google Patents

静電吸着ホットプレート、真空処理装置、及び真空処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空処理装置に用いられる静電吸着ホットプレート、及びその静電吸着ホットプレートを用いた真空処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体装置や液晶装置等の電子機器を製造する場合、基板上に絶縁膜や金属膜等の薄膜を形成する工程や、それらの薄膜をエッチングし、パターニングする工程が繰り返し行われている。そのような工程においては、加工中の基板温度が成膜速度やエッチング速度に大きく影響を与えること、また、基板の加熱・冷却時間がプロセス時間の大きな割合を占めることから、基板温度を正確に、素早く制御できる技術が重要視されている。
【0003】
従来では、基板の加熱にヒータを内蔵したホットプレートが用いられており、ホットプレート上に基板を載置し、真空吸着力や機械的押圧力等の力を利用し、基板をホットプレート表面に密着させた状態でヒータへ通電して発熱させ、熱伝導によって基板を加熱しており、冷却する際には、ヒータへの通電を停止し、ホットプレート裏面に冷却水を循環させ、基板に蓄積された熱を冷却水によって排出している。従って、ホットプレートと基板の密着性が良好なほど基板の昇降温速度が大きく、また、温度制御性も良好になる。
【0004】
しかしながら真空雰囲気中で基板を加熱・冷却する場合、真空吸着力は利用できない。また、機械的押圧力を利用する場合には、押圧部材に薄膜が付着し、ダスト発生源となったり、基板表面の処理が不均一になる等の問題がある。
【0005】
そこで近年では、静電吸着機構が設けられた静電吸着ホットプレートが採用されており、真空雰囲気中で静電吸着力によって基板をホットプレート表面に密着させ、加熱・冷却が行われている。
【0006】
図4(a)、(b)を用いて従来の静電吸着ホットプレートを説明する。同図(a)の符号110は、スパッタリングによって薄膜形成を行う真空処理装置であり、真空槽107を有している。
【0007】
該真空槽107の上部にはターゲットホルダ112が配置されており、下部には静電吸着ホットプレート101が配置され、真空槽107の底壁上に、ボルト114によってねじ止め固定されている。
【0008】
静電吸着ホットプレート101は円盤状の絶縁性物質によって構成されており、その内部の表面側には、同図(b)の平面図に示すように、半円の静電吸着パターン1021、1022が、左右で対を成すように設けられている。
【0009】
静電吸着パターン1021、1022は、導電性物質で構成されており、静電吸着ホットプレート101上に基板108を載置し、左右の静電吸着パターン1021、1022間に電圧を印加すると、基板108と静電吸着パターン1021、1022間に静電吸着力が発生し、静電吸着ホットプレート101の表面に基板108を密着させられるようになっている。
【0010】
この真空処理装置110によって基板108表面に薄膜を形成する場合、真空排気口119から真空槽107内を真空排気しておき、真空槽107内に設けられた静電吸着ホットプレート101上に基板108を配置し、静電吸着パターン1021、1022に電圧を印加し、基板108を静電吸着させる。
【0011】
この静電吸着ホットプレート101内部の底面側には、ヒータ106が設けられており、真空槽107内が所定真空度に到達した後、ヒータ106に通電して発熱させ、静電吸着ホットプレート101全体を加熱すると、熱伝導によって基板108が加熱される。
【0012】
基板108が昇温し、所定温度に到達したら、ガス導入口111からスパッタリングガスを導入し、真空槽107天井に設けられたターゲットホルダ112をカソード電極として電圧を印加し、該ターゲットホルダ112に保持させたターゲット113をスパッタリングし、基板108表面への薄膜形成を開始する。
【0013】
スパッタリング中は基板108の温度を監視し、ヒータ106への通電量を制御し、基板108の温度を一定に維持しておく。
【0014】
薄膜が所定膜厚に形成されたら、真空槽107側に設けられた図示しない冷却機構内に冷却水を循環させ、ヒータ106への通電を停止し、基板108を冷却する。基板108が所定温度まで降温したら、真空槽107外に搬出し、この真空処理装置110での薄膜形成作業を終了する。
【0015】
このように、静電吸着ホットプレート101を用いれば、真空雰囲気内で基板108の温度制御を行いながら、薄膜形成やエッチング等の真空処理を行うことができる。
【0016】
ところが、上述の従来技術の静電吸着ホットプレート101は真空槽107の底壁に固定されているため、ヒータ106から発生した熱が真空槽107の底壁側に流出してしまい、基板108を昇温させるのに時間がかかるという問題がある。
【0017】
しかも、静電吸着ホットプレート101は、洗浄等のメンテナンスを行う際、真空槽107から取り外す必要があるため、ボルト114によって固定されているため、ボルト114を伝わって熱が流出しやすく、基板108の加熱や冷却の際に、静電吸着ホットプレート101の熱分布が不均一になり、図5に示すように、基板108のボルト114上の領域118温度が低くなり易いという問題がある。
【0018】
他方、ボルト114を用いず、静電吸着ホットプレート101を真空槽107の底壁上に乗せただけの場合は、静電吸着ホットプレート101と真空槽107との密着性が悪くなり、その間の熱抵抗が大きくなってしまう。
【0019】
静電吸着ホットプレート101と真空槽107との間の熱抵抗が大きい場合は、ヒータ106から発生した熱が、真空槽107側へ流出しないので、基板108を加熱する際には有利であるが、近年のスパッタリングプロセスでは、成膜速度を大きくするため、ターゲット113の投入電力が大電力化する傾向にある。そのため、薄膜形成中には、表面に多量に入射するスパッタリング粒子によって基板108が加熱され、ヒータ106の発熱を停止しても、薄膜形成中に基板108が過熱状態になりやすく、静電吸着ホットプレート101と真空槽107との間の熱抵抗が大きいと、その傾向が増々強くなってしまうという問題がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合に鑑みて創作されたもので、その目的は、基板の昇降温速度を大きくできる技術、及び基板温度を正確に制御できる技術を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、被加工物を載置する載置面が表面に形成されたプレート本体と、前記プレート本体内部で、前記載置面側に設けられた第一静電吸着パターンと、前記プレート本体内部で、前記載置面とは反対側の面側に設けられた第二静電吸着パターンと、前記第一静電吸着パターンと前記第二静電吸着パターンとの間に設けられたヒータとを有し、前記プレート本体は、前記第一静電吸着パターンと前記 ヒータとを含む第一の部材と、前記第二静電吸着パターンを含む第二の部材とを有し、前記第一の部材と前記第二の部材とは、分離自在に構成されていることを特徴とする静電吸着ホットプレートである。
請求項2記載の発明は、前記第一の部材の底面には導電性のコーティングが設けられた請求項1記載の静電吸着ホットプレートである。
請求項3記載の発明は、前記第二の部材がプレート支持台上に配置された状態で前記第二の静電吸着パターンに電圧が印加されると、前記第二の部材は前記プレート支持台に静電吸着されるように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の静電吸着ホットプレートである。
請求項4記載の発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置されたプレート支持台と、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の静電吸着ホットプレートとを有し、前記第二の部材はプレート支持台上に配置され、前記第二の部材は、前記第二の静電吸着パターンに電圧が印加されると前記プレート支持台に静電吸着されるように構成された真空処理装置である。
請求項5記載の発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置されたプレート支持台と、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の静電吸着ホットプレートとを有し、前記第二の部材は、前記真空槽に設けられた前記プレート支持台上に密着固定された真空処理装置である。
請求項6記載の発明は、真空槽内に請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の静電吸着ホットプレートを配置し、又は、請求項4又は請求項5のいずれか1項記載の真空処理装置を用い、被加工物を真空雰囲気内で処理する真空処理方法であって、前記静電吸着ホットプレートの前記載置面に前記被加工物を載置し、前記ヒータへの通電と前記第一、第二静電吸着パターンへの電圧印加状態を制御し、前記被加工物の温度制御を行うことを特徴とする真空処理方法である。
請求項7記載の発明は、前記被加工物を前記ヒータによって加熱する際には、前記第二静電吸着パターンへの電圧印加を解除し、前記第一静電吸着パターンによって前記被加工物を静電吸着し、前記被加工物を冷却する際には、前記第一、第二静電吸着パターンに電圧を印加することを特徴とする請求項6記載の真空処理方法である。
【0022】
本発明の静電吸着ホットプレートでは、第一静電吸着パターンに電圧を印加すると、被加工物がプレート本体の載置面上に静電吸着され、載置面に密着される。他方、第二静電吸着パターンに電圧を印加すると、静電吸着ホットプレートは、その静電吸着ホットプレート自体を支持・載置する他の部材へと静電吸着される。
【0023】
静電吸着ホットプレートは、一般に真空槽の壁面(底壁)上に配置されるが、第二静電吸着パターンに電圧を印加せず、静電吸着を解除した状態では、静電吸着ホットプレートと真空槽壁面との密着性が低下し、熱伝導が悪くなる。従って、その状態でヒータに通電し、発熱させると、静電吸着ホットプレートの熱を真空槽に逃がさないで済む。
【0024】
他方、第二静電吸着パターンに電圧を印加し、真空槽壁面に静電吸着ホットプレートを静電吸着させた場合、静電吸着ホットプレートの熱伝導性が高くなり、プレート本体の熱を真空槽側に逃がし、静電吸着ホットプレートの放熱性を高めることができる。
【0025】
このような静電吸着ホットプレートは前記プレート本体を一枚板に成形したり、請求項3記載の発明のように、前記プレート本体を、前記第一静電吸着パターンと前記ヒータとを含む第一の部材と、前記第二静電吸着パターンを含む第二の部材とで構成し、前記第一の部材と前記第二の部材とを、分離自在にしてもよい。
【0026】
プレート本体を一枚板に形成すると、第二静電吸着パターンにより、静電吸着ホットプレートのプレート本体と、それが配置された真空槽壁面との間の密着性が制御されるが、 請求項3記載の発明のようにすると、第二静電吸着パターンにより、プレート本体を構成する第一の部材と第二の部材との間の密着性が制御される。
【0027】
いずれの場合でも、第二の静電パターンへの電圧印加を停止し、密着状態を解除すると、ヒータの熱が真空槽側に流出しにくくなる。逆に、第二の静電パターンに電圧を印加すると、被加工物側から真空槽側までの間の熱抵抗が小さくなり、放熱性を向上させることができる。
【0028】
この第二の部材は真空槽の壁面に密着固定できるように構成しておくこともできる。真空槽の壁面は、底壁であっても天井であってもよい。天井の場合、第一の部材が落下しないように、支持手段を付設するとよい。
【0029】
なお、このような第二の部材は、内部に水冷管を内蔵させ、冷却できるように構成することも可能である。
【0030】
更に予め第二の部材を真空槽内に設けておき、真空処理装置を構成することができる。
【0031】
以上説明した静電吸着ホットプレートや真空処理装置を使用する際に、静電吸着ホットプレートの載置面に被加工物を載置し、ヒータへの通電と第一、第二静電吸着パターンへの電圧印加状態を制御する場合、第一静電吸着パターンに電圧を印加し、第二静電吸着パターンに電圧を印加しないでおくと、ヒータに通電したときに被加工物の温度を上昇させやすい。
【0032】
他方、第一静電吸着パターンと第二静電吸着パターンとに電圧を印加しておくと、被加工物の温度を降温させやすい。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明に係る静電吸着ホットプレート及び真空処理方法の実施形態を説明する。
【0034】
図1(a)、(b)を参照し、符号1は本発明の一例の静電吸着ホットプレートであり、プレート本体9を有している。該プレート本体9は、耐熱性絶縁材料が一枚の円盤状に成形されて構成されており、その内部の上側表面近傍には、導電性物質でできた一対の第一静電吸着パターン21、22が配置されている。また、内部の下側表面近傍には、導電性物質でできた一対の第二静電吸着パターン41、42が配置されている。第一静電吸着パターン21、22は半円形のパターンが2枚一組で一対にされており、また、第二静電吸着パターン41、42も、同様に、半円形のパターンが2枚一組で一対を成すようにされている。
【0035】
第一静電吸着パターン21、22と第二静電吸着パターン41、42の間には、抵抗発熱体から成る渦巻き状のヒータ6が設けられており、該ヒータ6の両端と、第一、第二静電吸着パターン21、22、41、42の各パターンに接続された導線とは、プレート本体9の外部に導出され、電源に接続できるように構成されている。
【0036】
プレート本体9の第一静電吸着パターン21、22側の表面は平坦に成形されており、その表面が載置面3として、板状の被加工物を載置できるように構成されている。また、プレート本体9の第二静電吸着パターン41、42側の表面も平坦に成形され、底面5として後述するプレート支持台15上に乗せられるように構成されている。
【0037】
この静電吸着ホットプレート1を用い、被加工物の処理を行う方法を説明する。
図2を参照し、符号10はスパッタリングによって薄膜形成を行う真空処理装置であり、真空槽7を有している。
【0038】
該真空槽7には、ガス導入口11と、真空排気口19とが設けられており、図示しない真空ポンプが真空排気口19に接続され、真空槽7内を真空排気できるように構成されている。また、ガス導入口11は、図示しないガスボンベに接続され、真空槽7内に所望種類のガスを導入できるように構成されている。
【0039】
真空槽7の天井側には、ターゲットホルダ12が設けられており、該ターゲットホルダ12には、ターゲット13が保持されている。
【0040】
真空槽7の底壁側にはプレート支持台15が配置されており、該プレート支持台15表面は平坦に成形され、プレート本体9の底面5側をプレート支持台15の表面に配置すると、載置面3は略水平になるように構成されている。
【0041】
真空排気口19から真空槽7内部を真空排気した状態で、被加工物である基板8を載置面3上に載置し、第一静電吸着パターン21、22間に電圧を印加すると、基板8は静電気力によってプレート本体9に静電吸着され、載置面3に密着される。次いで、ヒータ6に通電し、発熱させる。
【0042】
このとき、第一静電吸着パターン21、22間には電圧を印加しておき、基板8を載置面3に密着しておき、他方、第二静電吸着パターン41、42間には電圧を印加せず、静電吸着ホットプレート1は、その自重でプレート支持台15上に乗った状態にしておくと、基板8とプレート本体9の間の熱抵抗は小さく、プレート本体9とプレート支持台15との間の熱抵抗は大きくなる。
【0043】
従って、ヒータ6から発生する熱は、プレート支持台15側には流出せず、基板8に有効に伝わるので、基板8の昇温速度を大きくすることができる。
【0044】
基板8が昇温し、所定温度に到達した後、例えばアルゴンガス等のスパッタリングガスをガス導入口11から導入する。真空槽7内が所定の圧力で安定したところで、ターゲットホルダ12をカソード電極として電圧を印加すると、ターゲット13表面近傍に高密度のプラズマが発生し、ターゲット13がスパッタリングされ、表面からスパッタリング粒子が飛び出す。そのスパッタリング粒子が基板8表面に付着すると、薄膜形成が開始される。
【0045】
ところで、上述のようなスパッタリングプロセスは、成膜速度を大きくするためにターゲット13への投入電力が大電力化しており、そのため、入射するスパッタリング粒子によって基板8が加熱され、薄膜形成中に過熱状態になってしまう場合がある。
【0046】
本発明においては、プレート支持台15内に水冷管16が設けられており、基板8への薄膜形成中には水冷管16内に冷却水を循環させ、プレート支持台15を低温に保っている。そして、赤外線温度計等の温度測定器によって薄膜形成中の基板8の表面温度を監視しており、基板8の温度が規定温度以上になった場合、ヒータ6への通電を停止するように構成されており、このとき、第一静電吸着パターン21、22の間と、第二静電吸着パターン41、42の間に電圧を印加し、基板8からプレート支持台15までの熱抵抗が小さい状態にしておく。従って、基板8に加えられる熱が効率よくプレート支持台15に放熱され、基板8の温度を速やかに降下させることができる。
【0047】
基板8の温度が規定温度以下に降下した場合、第二静電吸着パターン41、42への電圧の印加を停止し、プレート本体9から熱が流出しずらくし、基板8を昇温させる。このとき、必要に応じ、ヒータ6への通電を再開してもよい。
【0048】
このように、第一、第二静電吸着パターン21、22、41、42への電圧印加と、ヒータ6への通電とを制御することにより、基板8の温度を一定にしながらその表面に薄膜を形成することができる。
【0049】
基板8表面に所定膜厚の薄膜が形成されたら、スパッタリングガスの導入とヒータ6への通電を停止すると共に、一対の第一静電吸着パターン21、22間と、一対の第二静電吸着パターン41、42間に電圧を印加し、基板8、プレート本体9、プレート支持台15とが密着した状態にし、基板8に蓄積された熱を基板支持台15側に放熱させる。基板8が所定温度まで冷却されたら、真空槽7外へ搬出し、真空処理装置10での薄膜形成作業を終了する。
【0050】
基板8の冷却の際、前述の温度測定器によって基板8表面の温度を監視し、第一、第二静電吸着パターン21、22、41、42への電圧印加を制御すると、基板8の放熱状態を制御できるので、降温速度を所望の値に制御することができる。
【0051】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
図3の符号31は本発明の他の実施形態の静電吸着ホットプレートである。この静電吸着ホットプレート31は、プレート本体39を有しており、その内部には、第一静電吸着パターン321、322と、第二静電吸着パターン341、342とが設けられており、第一、第二静電吸着パターン321、322、341、342の間には、抵抗発熱体で構成されたヒータ36が設けられている。
【0052】
静電吸着ホットプレート31は、絶縁性部材から成る第一の部材391と、同様に、絶縁性部材から成る第二の部材392とで構成されており、第一の部材391と第二の部材392とは、同じ大きさの円盤状で、互いに分離可能に構成されている。
【0053】
第一静電吸着パターン321、322は第一の部材391内部の表面近傍に設けられており、ヒータ36は、該第一の部材391内部に設けられており、第一の部材391の底面には、導電性部材がコーティングされている。
【0054】
第二静電吸着パターン341、342は、第二の部材392内部に設けられており、第一、第二静電吸着パターン321、322、341、342の各パターンに接続された導線と、ヒータ36の両端とは、プレート本体39外部に導出され、電源に接続できるように構成されている。
【0055】
第一の部材391の表面(載置面)331と底面351、第二の部材392の表面332と底面352は、平坦に成形されており、図2の真空槽7のプレート支持台15上に、第二の部材392と第一の部材391とをこの順に配置すると、第一の部材391の表面が載置面331となり、板状の被加工物を配置できるように構成されている。
【0056】
その状態で載置面331に基板を載置し、第一静電吸着パターン321、322間に電圧を印加すると、基板は第一の部材391に静電吸着され、載置面331に密着した状態になる。
【0057】
この場合、第二静電吸着パターン341、342間に電圧を印加すると、第二の部材392がプレート支持台15に静電吸着され、同時に第一の部材391が、その底面に導電性部材のコーティングが設けられていることにより、第二の部材392に静電吸着される(被吸着物が導電性ではなく、絶縁性の場合には、吸着力が全く発現しないか、発現しても弱い)。従って、プレート支持台15と第二の部材392の間、及び、第二の部材392と第一の部材391の間が密着状態になる。従って、基板からプレート支持台15までの間の熱抵抗が小さい状態になる。
【0058】
他方、第二静電吸着パターン341、342間に電圧を印加しない場合は、プレート支持台15と第二の部材392の間、及び、第二の部材392と第一の部材391の間は密着せず、第一の部材391からプレート支持台15までの間の熱抵抗が大きい状態になる。
【0059】
従って、基板を昇温させたい場合には、第一静電吸着パターン321、322間に電圧を印加し、基板を第一の部材391に密着させ、第二静電吸着パターン341、342間には電圧を印加しない状態でヒータ36に通電し、発熱させる。
【0060】
他方、基板を降温させたい場合には、第一静電吸着パターン321、322間と第二静電吸着パターン341、342間に電圧を印加し、基板の熱をプレート支持台15側に放出させる。
【0061】
このように、プレート本体39が第一の部材391と第二の部材392とで構成された静電吸着ホットプレート31を用いた場合でも、昇降温速度が大きくなり、基板温度の制御性がよい。
【0062】
この静電吸着ホットプレート31を用いる場合、予め第二の部材392をプレート支持台15上に密着固定しておき、真空処理装置10の構成部材としておいてもよい。この場合には、第二静電吸着パターン341、342への電圧印加をしない場合、第一の部材391と第二の部材392間の熱抵抗だけが大きくなる。
【0063】
なお、静電吸着パターンは種々の形状のものを用いることができる。例えば、図4の静電吸着ホットプレート3のように、櫛形の静電吸着パターン2a、2bを用いてもよい。この静電吸着パターンは、上記静電吸着ホットプレート1、31の第一、第二の静電吸着パターンのいずれにも用いることができる。
【0064】
以上はスパッタリング装置について説明したが、本発明は、CVD装置、エッチング装置等、真空雰囲気中で基板を処理する真空処理装置、その真空処理装置に用いられる静電吸着ホットプレート、CVD方法やエッチング方法等の真空処理方法を広く含むものである。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、基板の昇降温速度が大きくなり、真空処理時間を短縮化することができる。また、基板の温度制御性も向上し、品質のよい薄膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b):本発明の一実施形態の静電吸着ホットプレート
【図2】その静電吸着ホットプレートを使用した真空処理装置
【図3】本発明の他の実施形態の静電吸着ホットプレートの正面断面図
【図4】静電吸着パターンの他の例
【図5】(a):従来技術の真空処理装置の全体を示す正面図 (b):この装置の静電吸着パターンを示す平面図
【図6】従来技術における問題点を説明する図
【符号の説明】
1、31……静電吸着ホットプレート 21、22、321、322……第一静電吸着パターン 3、33……載置面 41、42、341、342……第二静電吸着パターン 5、35……底面 6、36……ヒータ 7……真空槽 8……基板 9、39……ホットプレート本体 391……第一の部材 392……第二の部材

Claims (7)

  1. 被加工物を載置する載置面が表面に形成されたプレート本体と、
    前記プレート本体内部で、前記載置面側に設けられた第一静電吸着パターンと、
    前記プレート本体内部で、前記載置面とは反対側の面側に設けられた第二静電吸着パターンと、
    前記第一静電吸着パターンと前記第二静電吸着パターンとの間に設けられたヒータとを有し、
    前記プレート本体は、前記第一静電吸着パターンと前記ヒータとを含む第一の部材と、前記第二静電吸着パターンを含む第二の部材とを有し、
    前記第一の部材と前記第二の部材とは、分離自在に構成されていることを特徴とする静電吸着ホットプレート。
  2. 前記第一の部材の底面には導電性のコーティングが設けられた請求項1記載の静電吸着ホットプレート。
  3. 前記第二の部材がプレート支持台上に配置された状態で前記第二の静電吸着パターンに電圧が印加されると、前記第二の部材は前記プレート支持台に静電吸着されるように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の静電吸着ホットプレート。
  4. 真空槽と、
    前記真空槽内に配置されたプレート支持台と、
    請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の静電吸着ホットプレートとを有し、
    前記第二の部材はプレート支持台上に配置され、
    前記第二の部材は、前記第二の静電吸着パターンに電圧が印加されると前記プレート支持台に静電吸着されるように構成された真空処理装置。
  5. 真空槽と、
    前記真空槽内に配置されたプレート支持台と、
    請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の静電吸着ホットプレートとを有し、
    前記第二の部材は、前記真空槽に設けられた前記プレート支持台上に密着固定された真空処理装置。
  6. 真空槽内に請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の静電吸着ホットプレートを配置し、又は、請求項4又は請求項5のいずれか1項記載の真空処理装置を用い、被加工物を真空雰囲気内で処理する真空処理方法であって、
    前記静電吸着ホットプレートの前記載置面に前記被加工物を載置し、
    前記ヒータへの通電と前記第一、第二静電吸着パターンへの電圧印加状態を制御し、前記被加工物の温度制御を行うことを特徴とする真空処理方法。
  7. 前記被加工物を前記ヒータによって加熱する際には、前記第二静電吸着パターンへの電圧印加を解除し、前記第一静電吸着パターンによって前記被加工物を静電吸着し、
    前記被加工物を冷却する際には、前記第一、第二静電吸着パターンに電圧を印加することを特徴とする請求項6記載の真空処理方法。
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