JP3847176B2 - 作業車の走行用伝動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右の走行装置に対する伝動を各別に入り切りする一対の操向用クラッチを備えてある作業車の走行用伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記走行用伝動装置は、一対の操向用クラッチの一方を入り側にして左右の走行装置の一方を駆動しながら、他方の操向用クラッチを切り操作して他方の走行装置の駆動を停止させることによって機体の操向操作を行うものである。このように機体の操向操作を行うに当たり、操向用クラッチを切り操作するに伴って走行装置が急激に停止すると、停止衝撃が発生して運転部に振動が出るとか機体向きが急激に変化するなどの不具合が発生しやすくなる。
このため、従来、たとえば特開2001−278098号公報に示されるように、操向用クラッチより伝動下手側で左右の走行装置を連動させる油圧操作形式の摩擦クラッチを備え、この摩擦クラッチの油圧ピストンを操向用クラッチの切り換わりに連係して適切に操作する油圧回路を備えさせることにより、操向用クラッチが切り操作されると、その当初においては、摩擦クラッチが入り側に操作されて駆動状態にある走行装置の側から停止操作側の走行装置に動力伝達され、この後、摩擦クラッチが切り側に切り換え操作されて停止操作側の走行装置が本来の停止状態になり、操向用クラッチが切り操作されても停止操作側の走行装置が急激には停止しなくて停止衝撃が発生しにくいとか機体向きが緩やかに変化するようにしながら機体操向を行い得るものがあった。
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のものにあっては、油圧ピストンやこの油圧ピストンを操作する油圧回路が必要であることから、摩擦クラッチの面からも、摩擦クラッチを操作する手段の面からも装置が大型になるとともに構造の複雑なものになっていた。
【0003】
本発明の目的は、停止衝撃や機体向きの急激変化などを抑制しながら機体操向を行えるとともにコンパクトかつ構造簡単に得られる作業車の走行用伝動装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】
〔構成〕
左右の走行装置に対する伝動を各別に入り切りする一対の操向用クラッチを備えてある作業車の走行用伝動装置において、前記操向用クラッチより伝動下手側で左右の走行装置を連動させる摩擦クラッチを、スプリングによって入り側に付勢された状態で備えるとともに、左右の走行装置に各別に連動する一対の回転部材の一方が備えるカムフォロワ部と、他方が備えるカム部とを備えて成り、前記一対の回転部材の相対回転によってクラッチ操作力を発揮してこのクラッチ操作力で前記摩擦クラッチの操作部材を切り側に操作するカム機構を備えてある。
【0006】
〔作用〕
一方の操向用クラッチが切り操作されると、一方の走行装置に対する伝動が切れて左右側の走行装置に各別に連動する一対の回転部材の間に相対回転が発生する。すると、一方の回転部材が備えるカムフォロワ部と、他方の回転部材が備えるカム部とが相対回転することにより、カム機構がクラッチ操作力を発揮してこのクラッチ操作力で摩擦クラッチをスプリングに抗して切り側に切り換え操作するものである。前記カム機構にあっては、カムフォロワ部とカム部の摩擦とかスプリングの強さとかを適切に設定することにより、操向用クラッチが切り操作されて停止操作側の走行装置に対する伝動が切れた当初においては、摩擦クラッチが半クラッチになるなど、完全な切り状態に切り換わらず、駆動状態にある走行装置の側から停止操作側の走行装置に動力伝達され、この後に、摩擦クラッチが切り状態に切り換わって駆動状態にある走行装置から停止操作側の走行装置への伝動が切れるようにできる。これにより、摩擦クラッチやこれを切り換え操作する手段として、入り付勢のスプリングとカム機構とを備えて成る比較的コンパクで構造簡単なクラッチや操作手段を採用しながら、操向用クラッチが切り操作されても、その当初においては停止操作側の走行装置に動力伝達されて、この走行装置が急激に停止しないようにできる。
【0007】
〔効果〕
従って、操向用クラッチが切り操作されても停止操作側の走行装置が他方の走行装置側からの伝動のために急激には停止せず、機体向きが緩やかに変化するとか、停止衝撃が発生しにくくて運転部に振動が出にくいようにするなどしながら機体の操向操作が行える。
その割には、摩擦クラッチやこれの操作手段をコンパクトかつ構造簡単なものにして小型化できるとともに安価に得られる。
【0008】
請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0009】
〔構成〕
請求項1による発明の構成において、前記摩擦クラッチを、左右走行装置の一方の回転駆動軸に一体回転自在に付いていて前記操向用クラッチからの駆動力を前記回転駆動軸に伝達する伝動ギヤと、他方の走行装置の回転駆動軸に相対回転及び摺動自在に付いている伝動部材と、この伝動部材と前記伝動ギヤとにわたって設けた摩擦クラッチ本体とを備えて構成し、前記カム機構の前記カムフォロワ部と前記カム部とを各別に備えている前記一対の回転部材の一方が前記伝動ギヤであり、他方が前記伝動部材である。
【0010】
〔作用〕
摩擦クラッチが入り側になっていると、左右走行装置の回転駆動軸どうしが連動することによって、駆動側の走行装置から停止操作側の走行装置に動力伝達されるものである。左右の走行装置の間に相対回転が発生すると、両走行装置の回転駆動軸どうしの間に相対回転が発生し、これによってカムフォロワ部とカム部とが相対回転してクラッチ操作力を発揮するものである。この種の走行用伝動装置にあっては、両走行装置の回転駆動軸が同芯状に並列し合う状態に配置されることから、摩擦クラッチ及びその操作手段を両回転駆動軸にわたってコンパクトに装着できる。
【0011】
〔効果〕
従って、摩擦クラッチ及びその操作手段をコンパクに装着して伝動装置全体をより小型な状態にできる。
【0012】
請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0013】
〔構成〕
請求項1又は2による発明の構成において、前記カム機構のカムフォロワ部がカム部から離脱しないようにカム部とカムフォロワ部の相対回転範囲を規制するストッパーを備えてある。
【0014】
〔作用〕
カム部とカムフォロワ部とが相対回転する際、その相対回転範囲の規制がなければ、カムフォロワ部がカム部から外れて回転部材の端面に乗り上がってしまう場合がある。これに対し、ストッパーが相対回転範囲を規制していることにより、カムフォロワ部がカム部から離脱しない範囲で相対回転する。これにより、カムフォロワ部がカム部から外れて回転部材の端面に乗り上がらないようにしながら摩擦クラッチの切り換え操作を行わせられる。
【0015】
〔効果〕
カムフォロワ部がカム部から外れて回転部材の端面に乗り上がると、スプリングによる入り付勢力のために乗り上がったままになり、摩擦クラッチが切りから入りに戻らなくなることがあるが、カムフォロワ部がカム部から外れることをストッパーによって防止しながらカム機構を作動させ、摩擦クラッチが入りに戻らなくなる事態が発生しない信頼性の良い状態で摩擦クラッチの切換え操作を行わせられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、左右一対のクローラ式走行装置1によって自走する機体の機体フレーム2の前端側に、植立穀稈を引起装置3aによって引起こし処理するとともにバリカン型の刈取装置3bによって刈取り処理する刈取部3のフレーム3cの基端側を回動自在に連結するとともに、この刈取部フレーム3cに屈伸式リンク機構を介してシリンダロッドが連結しているリフトシリンダ4によって刈取部フレーム3cを上下に揺動操作して刈取部3を昇降操作するように構成し、刈取部3の穀稈搬送装置3dからの刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置5、この脱穀装置5からの脱穀粒を貯留する穀粒タンク6を前記自走機体に設けて、稲、麦などを収穫するコンバインを構成してある。
【0017】
自走機体に設けたエンジン7の出力を左右の走行装置1に伝達する伝動装置を、図2に示す如く構成してある。
すなわち、エンジン7の出力軸7aの回動力を、伝動ベルト利用の伝動機構10により、ミッションケース8の入力軸に兼用してある無段変速装置9の入力軸31に伝達し、この無段変速装置9の出力軸41の回動力を、この出力軸41が入力軸になっている走行用副変速装置20を介してセンタギヤ21に伝達するようにしてある。このセンタギヤ21が一体回転自在に連結している伝動軸22の回動力を、この伝動軸22の一端側から操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50を介して左側のクローラ式走行装置1の回転駆動軸11に伝達し、前記伝動軸22の回動力を、この伝動軸22の他端側から操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50を介して右側のクローラ式走行装置1の回転駆動軸11に伝達するようにしてある。
【0018】
前記無段変速装置9は、前記入力軸31が入力軸となっている可変容量形のアキシャルプラジャポンプ30と、このポンプ30からの圧油によって駆動されるアキシャルプランジャモータ40とを備えて成る静油圧式無段変速装置に構成してある。
【0019】
図4などに示すように、左側の走行装置1に作用する前記操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50も、右側の走行装置1に作用する前記操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50も、前記伝動軸22の端部に一体回動自在に取付けた入力側クラッチ体51と、前記伝動軸22に相対回転及び摺動自在に外嵌している筒軸形の出力側クラッチ体52とによって構成してあり、ミッションケース8の側壁部が形成しているピストン室に設けてある油圧ピストン53が操作されることによって入り切り操作されて走行装置1に対する伝動を入り切りする。
【0020】
すなわち、出力側クラッチ体52は、走行装置1の前記回転駆動軸11の端部に一体回動自在に付いている伝動ギヤ12に対して出力側クラッチ体52の外周側のギヤ部で噛合っており、この噛合いを維持しながら伝動軸22に対して摺動するように構成してある。
【0021】
ピストン室に圧油が供給されると、油圧ピストン53が圧油のためにピストン室から突出する側に摺動操作されて出力側クラッチ体52の端部に外嵌しているプレッシャーリング54を介して出力側クラッチ体52をこれの内部に位置する入り付勢ばね55に抗して入力側クラッチ体51から離れるように摺動操作する。すると、出力側クラッチ52のクラッチ爪52aが入力側クラッチ体51のクラッチ爪51aから外れ、操向用クラッチ50が出力側クラッチ体52と入力側クラッチ体51の相対回転を許容するように切り状態になり、走行装置1の回転駆動軸11に対する伝動を切る。
【0022】
ピストン室に対する圧油供給が解除されると、油圧ピストン53が前記入り付勢ばね55のためにピストン室に入る側に摺動操作されて出力側クラッチ体52をクラッチばね55による操作力で入力側クラッチ体51の方に摺動させる。すると、出力側クラッチ体52のクラッチ爪52aが入力側クラッチ体51のクラッチ爪51aに噛み合い、操向用クラッチ50が入力側クラッチ体51と出力側クラッチ体52とを一体回転させるように入り状態になり、出力側クラッチ体52から伝動ギヤ12を介して走行装置1の回転駆動軸11に伝動する。
【0023】
図4などに示すように、左側の走行装置1に作用する操向用クラッチブレーキ装置の操向用ブレーキ15も、右側の走行装置1に作用する操向用クラッチブレーキ装置の操向用ブレーキ15も、前記出力側クラッチ体52の外周側のギヤ部に相対回転が不能で、相対摺動が可能に装着してある複数枚の可動側ブレーキプレート16と、ミッションケース8のプレート支持部8aに回転不能で、摺動可能に装着してある複数枚の固定側ブレーキプレート17とで成る多板式の摩擦ブレーキに構成してあり、前記油圧ピストン53が操作されることによって入り状態と切り状態とに切り換わる。
【0024】
すなわち、油圧ピストン53が操向用クラッチ50を切り状態に切り換え操作した位置からさらにピストン室から突出する側に操作されると、この油圧ピストン53が前記プレシャーリング54を介して可動側ブレーキプレート16及び固定側ブレーキプレート17をミッションケース8のプレート支持部8aの端部8bに押圧操作する。すると、操向用ブレーキ15が出力側クラッチ体52に摩擦ブレーキを掛けるように入り状態になり、出力側クラッチ体52、伝動ギヤ12を介して走行装置1の回転駆動軸11に摩擦ブレーキを掛ける。
【0025】
油圧ピストン53が操向用クラッチ50を切り状態や入り状態に操作する位置に操作された場合、油圧ピストン53は可動側ブレーキプレート16及び固定側ブレーキプレート17を前記端部8bに押圧する位置に至らないことにより、操向用ブレーキ15が切り状態になって走行装置1の回転駆動軸11に対する摩擦制動の付与を解除する。
【0026】
図3に示すように、前記一対のピストン室の一方に操作油路60aによって接続され、他方に操作油路60bによって接続された一つの操向制御弁61によって一対の油圧ピストン53,53を制御するように構成するとともに、この操向制御弁61の電磁操作部61aに対して操向制御手段62aを利用した連係機構60によって連係させた1 本の操向レバー80を自走機体の運転部に設けてある。この操向レバー80は、前記一対のピストン室からタンク63に圧油を戻す排油路64に設けた可変リリーフ弁65の操作部に対して操作ケーブル71を利用した連動機構70によって連動させてある。
【0027】
操向レバー80は、軸芯80aまわりで自走機体の横方向に揺動操作するように支持されていて、揺動操作することにより、直進位置Sと、この直進位置Sの右横側に位置する右第1 旋回位置R1と、この右第1旋回位置R1の右横側に位置する右第2旋回位置R2と、直進位置Sの左横側に位置する左第1 旋回位置L1と、この左第1旋回位置L1の左横側に位置する左第2旋回位置L2との各操作位置に切り換わるようにしてある。
【0028】
連係機構60は、操向レバー80の基端側に操作部が連動していて操向レバー80が前記直進位置S、右第1 旋回位置R1、右第2旋回位置R2、左第1 旋回位置L1、左第2旋回位置L2のいずれの操作位置に操作されたかを検出するポテンショメータ62bと、このポテンショメータ62bから検出情報を入力し、この検出情報を基に、操向制御弁61を所定の操作位置に切り換え操作させるべき信号を操向制御弁61の電磁操作部61aに出力するマイクロコンピュータ利用の前記操向制御手段62aとを備えて成り、操向レバー80が揺動操作されると、操向制御弁61を操向レバー80の操作位置に対応する操作位置に切り換え操作する。
【0029】
連動機構70は、前記可変リリーフ弁65の操作部にインナーケーブルの一端側が連結している前記操作ケーブル71と、この操作ケーブル71のインナーケーブル及びアウターケーブルの他端側が各別に連結している一対の揺動アーム76,77を備えていて、操向レバー80による操作ケーブル71の操作を可能にしているケーブル操作機構75とを備えて構成してある。
【0030】
ケーブル操作機構75は、操向レバー80の揺動軸芯80aと同一の軸芯まわりで基端側が回動自在に支持されているとともに遊端側に前記操作ケーブル71のインナーケーブルが連結している前記揺動アーム76と、操向レバー80の揺動軸芯80aと同一の軸芯まわりで基端側が回動自在に支持されているとともに遊端側に前記操作ケーブル71のアウターケーブルが連結している前記揺動アーム77と、操向レバー80の支軸に基端側が一体回動自在に連結している操作アーム78と、前記一対の揺動アーム76,77の遊端側どうしの間に位置するストッパー79と備えて構成してある。操向レバー80が直進位置Sから右横側や左横側に揺動操作されていくと、操作アーム78が操向レバー80と共に同じ方向に揺動し、この操作アーム78の遊端側から両揺動アーム76,77の遊端側どうしの間に延出している操作ピン78aによって一方の揺動アーム76,77を軸芯80aまわりで揺動操作していくように、このとき、他方の揺動アーム77,76がストッパー79に当接して揺動不能に支持されるように構成してあることにより、ケ- ブル操作機構75は、操向レバー80が揺動操作されると、レバー操作力によって操作ケーブル71を作動させるとともに、操向レバー80の直進位置Sから右横側や左横側への揺動ストロークが大になるほど、操作ケーブル71の作動スロトークを大する。
これにより、連動機構70は、操向レバー80が揺動操作されると、これに連動させて可変リリーフ弁65を操向レバー80の操作位置に対応するリリーフ圧状態になるように切り換え操作する。
【0031】
図4などに示すように、左右走行装置1,1の前記回転駆動軸11どうしにわたって摩擦クラッチ90を装着してある。この摩擦クラッチ90は、左右走行装置1,1の一方の前記回転駆動軸11に操向用クラッチ50からの駆動力を伝達するようにこの回転駆動軸11に一体回動自在に取付けてある前記伝動ギヤ12と、他方の走行装置1の前記回転駆動軸11に相対回転及び摺動自在に取付けてある伝動部材91と、この伝動部材91と前記伝動ギヤ12とにわたって取付けた多板式の摩擦クラッチ本体92とによって構成してあり、そして、前記伝動部材91が付いている回転駆動軸11とその伝動部材12との間に設けたカム機構100と、前記伝動ギヤ12の内部に設けてあるスプリング93とによって入り切り操作されるように構成してある。
【0032】
すなわち、スプリング93は、伝動ギヤ12の内部に位置する摩擦クラッチ90の操作部材としてのプレッシャーリング94を押し操作して摩擦クラッチ本体92の伝動部材91や伝動ギヤ12に付いている複数枚の摩擦プレートを、伝動ギヤ12のプレート支持部に装着してあるストッパー95に押し付け勢するように装着してある。すなわち、摩擦クラッチ本体92を入り状態に付勢して摩擦クラッチ90を入り側に付勢するように装着してある。
【0033】
図5などに示すように、前記カム機構100は、前記伝動ギヤ12のボス部における一端側のギヤ回転方向での複数箇所に設けたカム部101と、この複数のカム部101のそれぞれに1個ずつ対応するように配置して前記伝動部材91の一端側の複数箇所に設けた複数個のカムフォロワ部102とによって構成してある。複数のカム部101のそれぞれは、一対の傾斜カム面101aを備えており、伝動ギヤ12と、伝動部材91とが相対回転するに伴い、傾斜カム面101aによるカムフォロワ部102に対するカム作用によって伝動部材91を伝動ギヤ12から離れる方向に摺動操作するように構成してある。伝動部材91がこのように摺動操作されると、これのプレート支持部の端部91aでプレッシャーリング94をスプリング93に抗して押し操作して摩擦クラッチ本体92を切り状態に切り換え操作するように構成してある。
【0034】
これにより、図5(イ)に示すように、伝動ギヤ12と、伝動部材91との間に相対回動が発生していない場合、カム機構100は、スプリング93がプレッシャーリング94を介して伝動部材91を押圧操作するためにカムフォロワ部102がカム部101の傾斜カム面101aどうしの間の底部に位置した入り操作状態になり、摩擦クラッチ90をスプリング93による入り付勢力によって入り状態に操作する。この場合、カム機構100がカム部101とカムフォロワ部102との摩擦によって伝動ギヤ12と伝動部材91とを連結することと、伝動ギヤ12も伝動部材91も回転駆動軸11に付いていることにより、摩擦クラッチ90は、左右の走行装置1,1を操向用クラッチ50より伝動下手側で連動させる。
【0035】
左右の走行装置1,1の一方を伝動状態にしながら他方を伝動切りに操作されると、その当初においては、カム機構100がクラッチ入り操作の状態になっていて、カム部101の傾斜カム面101aと、カムフォロワ部102との摩擦や引っ掛かりによって伝動ギヤ12と伝動部材91とを連動させることと、摩擦クラッチ90が入り状態になっていることとから、左右の走行装置1,1の回転駆動軸11どうしが連動される。この後、伝動停止側の走行装置1に掛かる走行負荷のために伝動ギヤ12どうしの間に相対回転が発生する。すると、一方の走行装置1の回転駆動軸11に摩擦クラッチ90を介して連動している伝動部材91と、他方の走行装置1の回転駆動軸11に連動している伝動ギヤ12とが相対回転し、カム機構100がその相対回転によってクラッチ操作力を発揮し、このクラッチ操作力で伝動部材91を摺動操作して摩擦クラッチ90を切り状態に切り換え操作し、摩擦クラッチ90は、左右走行装置1,1の相対回転を可能にするように両走行装置1,1の連動を解除する。
【0036】
図5に示すように、前記カム部101に、各傾斜カム面101aの他方の傾斜カム面101aに接続する側とは反対側の端部に配置したストッパー103を備えてあるとともに、各ストッパー103は、カムフォロワ部102が傾斜カム面101aの端まで移動しても、ストッパー103に当接してカム部101から離脱することがない状態にカム部101とカムフォロワ部102との相対回転範囲を規制するように構成し、カム機構100は、カムフォロワ部102がカム部101から離脱して伝動ギヤ12のボス部12aの端面12bに乗り上がる自体が発生することを回避しながら摩擦クラッチ90を操作するように構成してある。
【0037】
要するに、操向レバー80を操作し、一対の操向用クラッチ50及び操向用ブレーキ15を操作して左右の走行装置1,1を各別に駆動状態、停止状態、制動状態に操作して機体の操向操作を行うように構成してある。
【0038】
つまり、操向レバー80を直進位置Sに操作すると、操向制御弁61が連係機構60による操作によって中立位置になって一対の油圧ピストン53,53に対する圧油供給を解除する。これにより、一対の操向用クラッチブレーキ装置それぞれの操向用クラッチ50だけが入り状態になり、左側の走行装置1も右側の走行装置1も駆動されて機体が直進走行する。
【0039】
操向レバー80を右第1旋回位置R1に操作すると、操向制御弁61が連係機構60による操作によって右旋回位置に切り換わって右走行装置側の油圧ピストン53に圧油供給するとともに左走行装置側の油圧ピストン53に対する圧油供給を解除する。これとともに、可変リリーフ弁65が連動機構70による操作によって低リリーフ圧状態に操作されて油圧ピストン53のストローク調節をする。すなわち、排油路64のリリーフ圧を低圧に調節し、右走行装置側の油圧ピストン53が操向用クラッチ50を切り操作する位置まで摺動されても操向用ブレーキ15を入り操作する位置までは摺動されないように調節する。これにより、右走行装置側の操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50も操向用ブレーキ15も切りになり、左走行装置側の操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50だけが入りになり、左側の走行装置1が駆動されながら右側の走行装置1が伝動停止の状態になって機体が右向きに操向する。この場合、操向用クラッチ50が切れて右走行装置1が伝動停止に切り換わった当初において、摩擦クラッチ90による両走行装置1,1の連結によって左走行装置1の回転駆動軸11から右走行装置1の回転駆動軸11に伝動され、この後、摩擦クラッチ90がカム機構100によって切り操作されて両走行装置1,1の連結を解除することにより、右走行装置1を停止衝撃が発生しにくいように停止させながら機体操向できる。
【0040】
操向レバー80を右第2旋回位置R2に操作すると、操向制御弁61が連係機構60による操作によって右旋回位置に切り換わって右走行装置側の油圧ピストン53に圧油供給するとともに左走行装置側の油圧ピストン53に対する圧油供給を解除する。これとともに、可変リリーフ弁65が連動機構70による操作によって高リリーフ圧状態に操作されて油圧ピストン53のストローク調節をする。すなわち、排油路64のリリーフ圧を高圧に調節し、右走行装置側の油圧ピストン53が操向用ブレーキ50を入り操作する位置まで摺動されるように調節する。これにより、右走行装置側の操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50が切りで操向用ブレーキ15が入りになり、左走行装置側の操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50だけが入りになり、左側の走行装置1が駆動されながら右側の走行装置1が制動状態になって機体が右向きに小旋回半径で操向する。このとき、右走行装置1の駆動と左走行装置1の制動による両回転駆動軸11,11の相対回転のために伝動ギヤ12と伝動部材91が相対回転し、カム機構100がこの相対回転によって摩擦クラッチ90を切りに操作する。
【0041】
操向レバー80を左第1旋回位置L1に操作すると、操向制御弁61が連係機構60による操作によって左旋回位置に切り換わって左走行装置側の油圧ピストン53に圧油供給するとともに右走行装置側の油圧ピストン53に対する圧油供給を解除する。これとともに、可変リリーフ弁65が連動機構70による操作によって低リリーフ圧状態に操作されて油圧ピストン53のストローク調節をする。すなわち、排油路64のリリーフ圧を低圧に調節し、左走行装置側の油圧ピストン53が操向用クラッチ50を切り操作する位置まで摺動されても操向用ブレーキ15を入り操作する位置までは摺動されないように調節する。これにより、左走行装置側の操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50も操向用ブレーキ15も切りになり、右走行装置側の操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50だけが入りになり、右側の走行装置1が駆動されながら左側の走行装置1が伝動停止の状態になって機体が左向きに操向する。この場合、操向用クラッチ50が切れて左走行装置1が伝動停止に切り換わった当初において、摩擦クラッチ90による両走行装置1,1の連結によって右走行装置1の回転駆動軸11から左走行装置1の回転駆動軸11に伝動され、この後、摩擦クラッチ90がカム機構100によって切り操作されて両走行装置1,1の連結を解除することにより、左走行装置1を停止衝撃が発生しにくいように停止させながら機体操向できる。
【0042】
操向レバー80を左第2旋回位置L2に操作すると、操向制御弁61が連係機構60による操作によって左旋回位置に切り換わって左走行装置側の油圧ピストン53に圧油供給するとともに右走行装置側の油圧ピストン53に対する圧油供給を解除する。これとともに、可変リリーフ弁65が連動機構70による操作によって高リリーフ圧状態に操作されて油圧ピストン53のストローク調節をする。すなわち、排油路64のリリーフ圧を高圧に調節し、左走行装置側の油圧ピストン53が操向用ブレーキ50を入り操作する位置まで摺動されるように調節する。これにより、左走行装置側の操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50が切りで操向用ブレーキ15が入りになり、右走行装置側の操向用クラッチブレーキ装置の操向用クラッチ50だけが入りになり、右側の走行装置1が駆動されながら左側の走行装置1が制動状態になって機体が左向きに小旋回半径で操向する。このとき、左走行装置1の駆動と右走行装置1の制動による両回転駆動軸11,11の相対回転のために伝動ギヤ12と伝動部材91が相対回転し、これによってカム機構100が摩擦クラッチ90を切りに操作する。
【0043】
〔別実施形態〕
カム機構100を構成するに、上記実施形態の如くカム部101を伝動ギヤ12の方に備え、カムフォロワ部102を伝動部材91の方に備える他、カム部101を伝動部材91の方に備え、カムフォロワ部102を伝動ギヤ12の方に備えて構成してもよい。
【0044】
上記実施形態の如く、摩擦クラッチ90を両回転駆動軸11,11にわたって装着する他、両回転駆動軸11,11に各別に連動している一対の回転軸を設けるとともに、この一対の回転軸にわたって摩擦クラッチを装着して実施しても本発明の目的を達成できる。また、上記実施形態の如く、摩擦クラッチ90の伝動部材91と、回転駆動軸11の伝動ギヤ12との間に設けたカム機構100を採用する他、伝動部材91や伝動ギヤ12とは別部品に構成したカム機構専用の一対の回転部材を相対回転自在に設けるとともに、一方の回転部材が摩擦クラッチのプレッシャーリング94に連動して摩擦クラッチの切換え操作を行うように構成したカム機構を採用しても本発明の目的を達成できる。従って、伝動ギヤ12と伝動部材91とを、左右の走行装置1,1に各別に連動する一対の回転部材12,91と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】伝動構造の概略図
【図3】油圧回路図と操向レバーによる操作系の概略図
【図4】伝動装置のクラッチ配設部での断面図
【図5】カム機構及びクラッチの作用状態を示す説明図で、(イ)は、クラッチの入り状態を示し、(ロ)は、クラッチの切り状態を示す。
【符号の説明】
1 走行装置
11 回転駆動軸
12,91 回転部材
50 操向用クラッチ
90 摩擦クラッチ
92 摩擦クラッチ本体
94 操作部材
100 カム機構
101 カム部
102 カムフォロワ部
103 ストッパー

Claims (3)

  1. 左右の走行装置に対する伝動を各別に入り切りする一対の操向用クラッチを備えてある作業車の走行用伝動装置であって、
    前記操向用クラッチより伝動下手側で左右の走行装置を連動させる摩擦クラッチを、スプリングによって入り側に付勢された状態で備えるとともに、左右の走行装置に各別に連動する一対の回転部材の一方が備えるカムフォロワ部と、他方が備えるカム部とを備えて成り、前記一対の回転部材の相対回転によってクラッチ操作力を発揮してこのクラッチ操作力で前記摩擦クラッチの操作部材を切り側に操作するカム機構を備えてある作業車の走行用伝動装置。
  2. 前記摩擦クラッチを、左右走行装置の一方の回転駆動軸に一体回転自在に付いていて前記操向用クラッチからの駆動力を前記回転駆動軸に伝達する伝動ギヤと、他方の走行装置の回転駆動軸に相対回転及び摺動自在に付いている伝動部材と、この伝動部材と前記伝動ギヤとにわたって設けた摩擦クラッチ本体とを備えて構成し、前記カム機構の前記カムフォロワ部と前記カム部とを各別に備えている前記一対の回転部材の一方が前記伝動ギヤであり、他方が前記伝動部材である請求項1 記載の作業車の走行用伝動装置。
  3. 前記カム機構のカムフォロワ部がカム部から離脱しないようにカム部とカムフォロワ部の相対回転範囲を規制するストッパーを備えてある請求項1又は2記載の作業車の走行用伝動装置。
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