JP3846340B2 - 画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データを取り扱う複数のモジュール(画像入力装置や画像出力装置等)が接続されてなる画像処理システム、並びにその画像処理システムで用いられる画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スキャナやプリンタ等のような画像データを取り扱うモジュールは、近年におけるネットワーク技術の発展に伴い、LAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワークを介して互いに接続された状態で用いられることが多い。このような複数のモジュールが接続されてなる画像処理システムでは、そのシステム構成にもよるが、コピージョブ、プリントジョブ、FAXジョブ、電子入稿ジョブ等といった各種ジョブを処理することが可能である。
【0003】
ところで、このような画像処理システムにおいて、各モジュールが取り扱う画像データは、通常、解像度、ラスタデータやコードデータ等のデータ種類、データフォーマットや圧縮データ等のデータ構成、データ量等の特性が異なる。また、ジョブの種類によっても、画像データに対して施すべき色空間変換処理や拡大縮小処理等の画像処理が異なる。したがって、かかる画像処理システムでは、通常、各モジュールが独自に画像データを加工する画像処理機能を備え、これにより画像データの特性やジョブ毎の画像処理項目の相違等に柔軟に対応することを可能にしている。ただし、各モジュールが画像処理機能を備えていると、場合によってはある特定の画像処理機能に対して処理が集中してしまい、結果としてシステムの性能を最大限に引き出せないことも考えられる。
【0004】
このことから、画像処理システムの中には、例えば特開平8−289075号公報に開示されているように、特性の異なる入出力モジュールが互いに接続されてなり、複数のジョブを混在して処理することが可能なシステムにおいて、システム内における各モジュールの余剰性能を他のジョブに割り当てることで、システムの性能を最大限に発揮させ得るようにしたものがある。詳しくは、各モジュールの画像処理機能の性能や予め設定されている優先順序等の他に、ジョブで要求される画像処理項目を実行するために必要な画像処理機能の占有率をも基にして、各ジョブをどのモジュールの画像処理機能に配分するか決定するとともに、ジョブが発生する度に再配分を行い、さらに配分結果によって処理負荷の偏りが生じた場合にも再配分を行う、といったものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば特開平8−289075号公報に開示されたような従来の画像処理システムでは、ジョブ単位で各モジュールの画像処理機能への配分を行っていることから、必ずしもシステム全体の生産性(ジョブの処理効率)の向上が可能であるとは限らない。すなわち、従来の画像処理システムでは、一塊りの並列に用意された画像処理機能であればその有効活用に効果的であるが、ジョブ単位の配分であり、ジョブで要求される画像処理項目別の配分ではないため、互いに接続されたモジュール同士でのダイナミックな調整をきめ細かく行うことができず、高負荷の画像処理機能が発生してしまうのを回避するのが困難であるといえる。
【0006】
そこで、本発明は、ジョブで要求される画像処理項目別に、その画像処理項目をどのモジュールの画像処理機能で処理するか適宜配分し得るようにすることで、モジュール同士間でのきめ細かい負荷調整を実現可能とし、これによりシステム全体の生産性を向上させることのできる画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために案出された画像処理システムである。すなわち、画像入力装置、画像出力装置、画像蓄積装置またはこれらの管理制御装置が少なくとも2つ以上接続されてなり、かつ、当該2つ以上の装置のうちの複数が画像データに対する画像処理機能を備えている画像処理システムにおいて、ジョブが発生すると当該ジョブの処理に必要となる画像処理項目を認識する項目認識手段と、前記画像処理機能を備える各装置に対して当該画像処理機能の空き状況を問い合わせる状況把握手段と、前記項目認識手段による認識結果と前記状況把握手段による問い合わせ結果とを基に、前記ジョブの処理に必要な画像処理を実行させる画像処理機能を画像処理項目別に選択する機能選択手段とを備えるとともに、前記機能選択手段は、前記ジョブによる画像データの流れが、前記画像入力装置と前記画像出力装置とを直接結ぶ一時的なものの場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置とが備える画像処理機能のみを選択対象とし、前記画像蓄積装置を一旦経由する蓄積を伴う場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置と前記画像蓄積装置と管理制御装置とが備える画像処理機能を選択対象とすることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明は、上記目的を達成するために案出された画像処理方法である。すなわち、画像入力装置、画像出力装置、画像蓄積装置またはこれらの管理制御装置が少なくとも2つ以上接続されてなり、かつ、当該2つ以上の装置のうちの複数が画像データに対する画像処理機能を備えている画像処理システムで用いられる画像処理方法であって、ジョブが発生すると当該ジョブの処理に必要となる画像処理項目を認識し、前記画像処理機能を備える各装置に対して当該画像処理機能の空き状況を問い合わせ、これらの認識結果および問い合わせ結果を基に、前記ジョブの処理に必要な画像処理を実行させる画像処理機能を画像処理項目別に選択し、当該選択に当たり、前記ジョブによる画像データの流れが、前記画像入力装置と前記画像出力装置とを直接結ぶ一時的なものの場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置とが備える画像処理機能のみを選択対象とし、前記画像蓄積装置を一旦経由する蓄積を伴う場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置と前記画像蓄積装置と管理制御装置とが備える画像処理機能を選択対象とすることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記目的を達成するために案出された画像処理プログラムである。すなわち、画像入力装置、画像出力装置、画像蓄積装置またはこれらの管理制御装置が少なくとも2つ以上接続されてなり、かつ、当該2つ以上の装置のうちの複数が画像データに対する画像処理機能を備えている画像処理システムで用いられる画像処理プログラムであって、コンピュータを、ジョブが発生すると当該ジョブの処理に必要となる画像処理項目を認識する項目認識手段と、前記画像処理機能を備える各装置に対して当該画像処理機能の空き状況を問い合わせる状況把握手段と、前記項目認識手段による認識結果と前記状況把握手段による問い合わせ結果とを基に、前記ジョブの処理に必要な画像処理を実行させる画像処理機能を画像処理項目別に選択する機能選択手段として機能させるとともに、前記機能選択手段は、前記ジョブによる画像データの流れが、前記画像入力装置と前記画像出力装置とを直接結ぶ一時的なものの場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置とが備える画像処理機能のみを選択対象とし、前記画像蓄積装置を一旦経由する蓄積を伴う場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置と前記画像蓄積装置と管理制御装置とが備える画像処理機能を選択対象とすることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成の画像処理装置、上記手順の画像処理方法、および上記構成の画像処理プログラムを実行するコンピュータによれば、ジョブの処理に必要な画像処理を実行させる画像処理機能の選択を、画像処理項目別に行う。ここで、画像処理項目とは、画像データに対する拡縮処理、回転処理、色調整処理、濃度調整処理等といった各処理の項目をいう。したがって、一つのジョブの処理に必要な画像処理であっても、画像処理項目が異なれば、それぞれを別の画像処理機能に実行させるといったことが可能になる。つまり、画像処理項目別の選択を行えば、各画像処理機能における処理負荷の均一化が容易に図れるようになる。しかも、画像処理項目別の選択に当たっては、ジョブによる画像データの流れが、画像入力装置と画像出力装置とを直接結ぶ一時的なものの場合には、画像入力装置と画像出力装置とが備える画像処理機能のみを選択対象とし、画像蓄積装置を一旦経由する蓄積を伴う場合には、画像入力装置と画像出力装置と画像蓄積装置と管理制御装置とが備える画像処理機能を選択対象とする。したがって、画像処理項目別の画像処理機能の選択を行っても、各装置間における画像データの転送回数を極力抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラムについて説明する。
【0012】
先ず、はじめに、本発明に係る画像処理システムについて説明する。図1は、本発明に係る画像処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。図例のように、ここで説明する画像処理システムは、画像入力装置1a,1b、画像出力装置2a,2b、画像蓄積装置3およびこれらの管理制御装置4といった複数のモジュールが、ネットワーク回線5を介して互いに接続されてなるものである。ただし、必ずしもここで挙げたシステム構成に限定されることはなく、各モジュールが少なくとも2つ以上接続されてなるものであれば、他のシステム構成によるものであっても構わない。
【0013】
画像入力装置1a,1bとしては、例えば、原稿からの画像の光学的読み取りを行うスキャナや、電子的に画像を生成するためのアプリケーションソフトウエアを搭載したコンピュータ装置が挙げられる。このような画像入力装置1a,1bでは、それぞれが、読み取った(または生成した)画像データに対して、色空間変換処理(例えばRGB色空間→L*a*b*色空間の変換)、解像度変換処理、拡大縮小処理、トリミング処理等を行うための画像処理機能を備えているものとする。なお、ネットワーク回線5上に複数(三つ以上の場合も勿論含む)の画像入力装置1a,1bが存在する場合には、それぞれの備える画像処理機能が互いに異なっていても構わない。
【0014】
画像出力装置2a,2bとしては、例えば、画像データを可視画像化して記録用紙上に出力するプリンタが挙げられる。この画像出力装置2a,2bも、出力しようとする画像データに対して、色空間変換処理(例えばL*a*b*色空間→CMYK色空間の変換)、解像度変換処理、墨量調整調整処理、濃度・色相・彩度調整処理、拡大縮小処理、トリミング処理、フィルタ処理、階調補正処理等を行うための画像処理機能を備えているものとする。なお、ネットワーク回線5上に複数(三つ以上の場合も勿論含む)の画像出力装置2a,2bが存在する場合には、それぞれの備える画像処理機能が互いに異なっていても構わない。
【0015】
画像蓄積装置3としては、例えば、CD−R(Compact Disc Recordable)、CD−RW(Compact Disc ReWritable)、MO(Magnet Optical)または磁気テープ等といった記憶媒体との間で画像データの入出力を行うドライブ装置が挙げられる。この画像蓄積装置3は、ネットワーク回線5上に直接接続するものであっても、あるいは管理制御装置4の一部として設けられ、その管理制御装置4を通じてネットワーク回線5上に接続するものであってもよい。
【0016】
管理制御装置4としては、例えば、当該画像処理システムにて処理するジョブを管理するサーバが挙げられる。すなわち、管理制御装置4では、ジョブの実行順や、どのモジュールを用いてジョブを処理するか等を決定するようになっている。さらには、管理制御装置4も、この管理制御装置4を経由する画像データに対して、濃度・色相・彩度調整処理、拡大縮小処理、回転処理、トリミング処理、フィルタ処理、階調補正処理、合成処理等を行うための画像処理機能を備えているものとする。
【0017】
つまり、ここで説明する画像処理システムは、複数のモジュール1a〜4が少なくとも2つ以上接続されてなるとともに、これら2つ以上のモジュール1a〜4のうちの複数が画像データに対する画像処理機能を備えていることになる。なお、画像処理機能の詳細については、周知技術を利用して実現すればよいため、ここではその説明を省略する。
【0018】
次に、以上のように構成された画像処理システムにおける画像データの流れについて説明する。画像処理システムで処理する代表的なジョブとしては、コピージョブまたはプリントジョブが挙げられる。コピージョブまたはプリントジョブでは、いずれかの画像入力装置1a,1bで得られた画像データを、いずれかの画像出力装置2a,2bで印刷出力する、といった画像データの流れが生じる。さらには、当該流れの中でも、一旦画像蓄積装置3(または管理制御装置4)を経由する場合とそうでない場合とがある。
【0019】
したがって、画像処理システム内で生じ得る画像データの流れには、大別すると、画像入力装置1a,1bと画像出力装置2a,2bとを直接結ぶ場合(以下、この場合を「一時的印刷」という)と、一旦画像蓄積装置3を経由する場合(以下、この場合を「蓄積を伴う印刷」という)とがある。なお、この流れは、他のジョブの場合も全く同様である。すなわち、ここでは詳細な説明を省略するが、画像処理システムでは、画像蓄積装置3でのデータ蓄積機能を利用した電子入出稿ジョブや、公衆回線網を通じて画像データの送受信を行うFAXジョブ等をも実行可能であり、これらのジョブを処理する場合についても、略同様の流れが生じることはいうまでもない。
【0020】
次に、以上のような画像処理システムにおいてジョブを処理する際の動作例、すなわち本発明に係る画像処理方法について説明する。ここでは、主に、管理制御装置4が行う処理動作について説明する。
【0021】
画像システム内においてジョブが発生した場合、管理制御装置4は、そのジョブ管理を行う。すなわち、ジョブの実行に必要となるモジュールを認識して当該モジュールに動作指示を与えるとともに、複数のジョブが競合した場合には各ジョブの実行順を決定する。このジョブ管理については、従来と同様に周知の手法を用いて行えばよい。
【0022】
そして、実行順となったジョブについて、管理制御装置4は、以下に述べるような処理動作を行う。図2は、管理制御装置4が行う処理動作例の概要を示すフローチャートである。
【0023】
図例のように、管理制御装置4は、先ず、実行順となったジョブについて、当該ジョブの処理に必要となる画像処理項目を認識する(ステップ101、以下ステップを「S」と略す)。具体的には、ジョブに関する属性情報に基づいて、色空間変換処理、濃度・色相・彩度調整処理、拡大縮小処理等の画像処理項目のうち、当該ジョブが画像処理項目の処理を要求しているかを認識する。項目一時的印刷を行う場合の処理動作を説明する。その一方で、管理制御装置4は、画像システム内における各モジュール1a〜4(管理制御装置4自身も含む)に対して、それぞれにおける画像処理機能が対応可能な画像処理項目と、当該画像処理機能における空き状況(処理実行状態)を問い合わせる(S102)。その後、管理制御装置4は、ジョブの処理に必要となる画像処理項目の認識結果と、各画像処理機能における空き状況の問い合わせ結果とを基に、当該画像処理項目を実行させる画像処理機能を、その画像処理項目別に選択する(S103)。
【0024】
ここで、画像処理項目別の画像処理機能の選択について、さらに詳しく説明する。図3は、管理制御装置4が行う画像処理項目別の選択手順の一例を示すフローチャートである。
【0025】
図例のように、管理制御装置4では、画像処理項目別の画像処理機能の選択にあたって、先ず、認識した画像処理項目が他のモジュールでも処理可能なものであるか否か、すなわち認識した画像処理項目が他のモジュールに移転可能であるか否かを判断する(S201)。例えば、画像入力装置1a,1bにおける色空間変換処理(例えばRGB色空間→L*a*b*色空間の変換)や、画像出力装置2a,2bにおける色空間変換処理(例えばL*a*b*色空間→CMYK色空間の変換)等は、画像処理システム内で共通に使用する色空間(例えばL*a*b*色空間)を維持する処理ではないので、どのモジュールにおいても実行可能なわけではない。つまり、画像処理システム内で共通に使用する色空間(例えばL*a*b*色空間)以外についての色変換処理や、精細度を共用できる標準的な特性に合わせるためのフィルタ処理等は、他のモジュールに移転して実行することができない。したがって、管理制御装置4では、移転できない画像処理項目については、本来行うべき画像処理機能が当該画像処理項目を実行するように、画像処理機能の選択を行う(S202)。
【0026】
一方、移転可能な画像処理項目については、どのモジュールの画像処理機能においても実行可能であることから、管理制御装置4は、各画像処理機能における空き状況の問い合わせ結果を基に、どの画像処理機能に空きがあるかを判断し(S203)、空きのある(負荷が軽い)画像処理機能が当該画像処理項目を実行するように、画像処理機能の選択を行う(S204)。
【0027】
このとき、管理制御装置4は、各画像処理機能が対応可能な画像処理項目の問い合わせ結果から、各画像処理機能における処理速度を認識して、これを考慮するようにしてもよい。すなわち、処理速度の早い画像処理機能を優先することが考えられる。
【0028】
また、空きのある(負荷が軽い)画像処理機能が複数存在していた場合には、管理制御装置4は、移転可能な画像処理項目が画像データのデータ量を小さくするもの(例えば、画素値を間引く縮小処理)であるか否かを判断する(S205)。そして、データ量を小さくする画像処理項目であれば、当該画像データの入力側に存在する画像処理機能を優先するように、画像処理機能の選択を行う(S206)。これは、入力側の画像処理機能を優先することで、ネットワーク回線5上におけるデータ通信負荷を軽減させるためである。
【0029】
これとは逆に、移転可能な画像処理項目が画像データのデータ量を大きくするもの(例えば、画素値を追加する拡大処理)であると判断した場合には(S207)、管理制御装置4は、当該画像データの出力側に存在する画像処理機能を優先するように、画像処理機能の選択を行う(S208)。これも、出力側の画像処理機能を優先することで、ネットワーク回線5上におけるデータ通信負荷を軽減させるためである。
【0030】
そして、管理制御装置4は、認識した画像処理項目の全てについて終了するまで(S209)、以上のような処理を繰り返して行う(S201〜S209)。なお、いずれにも該当しなかった画像処理項目については、当該画像処理項目を最も短時間で処理できる画像処理機能や、予め設定されている優先順によって特定される画像処理機能等を選択することが考えられる。このような画像処理項目別の選択を行うことで、管理制御装置4は、ジョブを最も高速で処理し得る画像処理機能の組み合わせを選択するのである。
【0031】
ところで、画像処理システムにおいて処理するジョブには、上述したように、一時的印刷の場合と、蓄積を伴う印刷の場合とがある。
【0032】
一時的印刷の場合は、画像入力装置1a,1bで得られた画像データを画像出力装置2a,2bで印刷出力するが、これは一過性のものであって、当該画像データを再出力することを想定していない。すなわち、画像データは、処理中のみ画像処理システム内に存在するが、出力が終了すると適当なタイミングで消去される。したがって、この場合には、画像データは、必ずしも画像蓄積装置3(または管理制御装置4)を経由する必要がない。
【0033】
このことから、管理制御装置4は、ジョブが一時的印刷を行うためのものである場合には、画像処理項目別の画像処理機能の選択にあたって、ジョブを実行する画像入力装置1a,1bおよび画像出力装置2a,2bが備える画像処理機能のみを、その選択対象とする。このようにすれば、画像処理項目別の画像処理機能の選択を行っても、ネットワーク回線5上における画像データの転送回数を極力抑えることができ、結果としてネットワーク回線5上でのデータ通信負荷の低減が図れるようになるからである。
【0034】
また、蓄積を伴う印刷の場合は、画像データを再利用する可能性が極めて高い。このことから、管理制御装置4は、画像蓄積装置3(または管理制御装置4)には編集に属する処理を施していない原画に近い状態の画像データを蓄積させるようにする。そして、画像蓄積装置3(または管理制御装置4)からいずれかの画像出力装置2a,2bへ画像データを転送して出力させる際には、データ量が小さくなる画像処理項目を画像蓄積装置3側に振り分け、データ量が大きくなる画像処理項目を画像出力装置2a,2b側に振り分ける。これにより、画像データの再利用性(汎用性)を高められるとともに、ネットワーク回線5上でのデータ通信負荷の低減が図れるようになる。
【0035】
さらに、蓄積を伴う印刷の場合には、いずれかの画像入力装置1a,1bから画像蓄積装置3(または管理制御装置4)へという画像データの流れも存在するが、この場合についても全く同様である。その上、かかる画像データの流れにおいては、一旦画像データを画像入力装置1a,1bから画像出力装置2a,2bへ送信して出力を行った後に、画像処理負荷やデータ通信負荷等が軽くなったときに改めて画像入力装置1a,1bから画像蓄積装置3(または管理制御装置4)へ転送するといったことも考えられる。このようにすれば、一時的印刷の結果が迅速に得られるとともに、再利用に必要な画像データは画像処理負荷やデータ通信負荷等に影響を及ぼすことなく転送・蓄積を行うことが可能になる。
【0036】
いずれの場合においても、管理制御装置4は、画像処理負荷やデータ通信負荷等を考慮しつつ、ジョブの処理に必要となる画像処理項目別に、当該ジョブを最も高速で処理し得る画像処理機能の組み合わせを選択する。ただし、各モジュールにおける画像処理機能の中には、実行すべき処理内容に応じて処理機能を可変可能なものも存在し得る。例えば、DSP(Digital Signal Processor)からなる画像処理機能であれば、色変換処理、フィルタ処理、濃度変換処理、拡大縮小処理等といった多様な画像処理項目に対応可能であるが、特定の画像処理項目(拡大縮小処理等)のみを実行する場合には、内部リソースを当該特定の画像処理項目のためだけに振り分ければ、最も処理効率が向上する。そこで、管理制御装置4は、画像処理機能が画像処理項目の変更に対応し得るものである場合には、当該画像処理機能が実行する画像処理項目を必要な画像処理項目に特化させるようにする。例えば、拡大縮小処理のみを実行する場合であれば、内部リソースを当該ためだけに振り分ける。そして、処理能力を特定の画像処理項目に特化させた上で処理能力算定を行い、その結果得られた能力に基づいて、画像処理機能の組み合わせを選択する。このようにすれば、全体の処理が最も早く終了するように、当該選択を行うことが可能になる。
【0037】
なお、ここでは、以上に説明した処理動作(画像処理機能の組み合わせの選択)を管理制御装置4が行う場合を例に挙げて説明したが、画像処理システム内のどのモジュールが行っても構わないのは勿論である。また、以上に説明した処理動作は、例えばASIC(Application Specified Integrated Circuit)のようなハードウエアによって実現することが考えられるが、ソフトウエアによって実現されたものであっても構わない。すなわち、コンピュータとしての機能を有した管理制御装置4(または他のモジュール)が所定の画像理プログラムを実行することによって実現されるものであってもよい。この場合、画像処理プログラムは、予め管理制御装置4等に格納しておくことが考えられるが、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであっても、または有線若しくは無線による通信手段を介して配信されるものであってもよい。
【0038】
また、本実施形態で説明したシステム構成例、処理動作手順、画像処理項目の種類等は、本発明の好適な一具体例を示したものに過ぎず、これらに限定されるものではないことは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラムによれば、ジョブの処理に必要な画像処理を実行させる画像処理機能の選択を画像処理項目別に行うようになっているので、各画像処理機能における処理負荷の均一化が容易に図れる。しかも、画像処理項目別の画像処理機能の選択を行っても、各装置間における画像データの転送回数を極力抑えて、データ通信負荷の低減を図ったり、画像データの再利用性(汎用性)を高めることができる。したがって、個別の画像処理機能の生産性(画像データの処理能力)向上に留まらず、システム全体の生産性を向上させることができる。すなわち、例えば高負荷となっている画像処理機能から低負荷となっている画像処理機能に画像処理項目別に画像処理そのものを割り振ることによって、システムスループットのネックとなる部分の出力速度を回復させるといったことが可能となり、結果としてきめ細かい負荷調整によるシステム全体の生産性向上を実現可能することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】 図1の画像処理システムにおける管理制御装置が行う処理動作例の概要を示すフローチャートである。
【図3】 図1の画像処理システムにおける管理制御装置が行う画像処理項目別の選択手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a,1b…画像入力装置、2a,2b…画像出力装置、3…画像蓄積装置、4…管理制御装置、5…ネットワーク回線
Claims (8)
- 画像入力装置、画像出力装置、画像蓄積装置またはこれらの管理制御装置が少なくとも2つ以上接続されてなり、かつ、当該2つ以上の装置のうちの複数が画像データに対する画像処理機能を備えている画像処理システムにおいて、
ジョブが発生すると当該ジョブの処理に必要となる画像処理項目を認識する項目認識手段と、
前記画像処理機能を備える各装置に対して当該画像処理機能の空き状況を問い合わせる状況把握手段と、
前記項目認識手段による認識結果と前記状況把握手段による問い合わせ結果とを基に、前記ジョブの処理に必要な画像処理を実行させる画像処理機能を画像処理項目別に選択する機能選択手段とを備えるとともに、
前記機能選択手段は、前記ジョブによる画像データの流れが、前記画像入力装置と前記画像出力装置とを直接結ぶ一時的なものの場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置とが備える画像処理機能のみを選択対象とし、前記画像蓄積装置を一旦経由する蓄積を伴う場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置と前記画像蓄積装置と管理制御装置とが備える画像処理機能を選択対象とする
ことを特徴とする画像処理システム。 - 前記機能選択手段は、ジョブを最も高速で処理し得る画像処理機能の組み合わせを選択する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。 - 前記機能選択手段は、空き状態にある画像処理機能を優先的に選択する
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理システム。 - 前記機能選択手段は、画像データのデータ量が小さくなる画像処理項目については、当該画像データの入力側に存在する画像処理機能を優先的に選択する
ことを特徴とする請求項2または3記載の画像処理システム。 - 前記機能選択手段は、画像データのデータ量が大きくなる画像処理項目については、当該画像データの出力側に存在する画像処理機能を優先的に選択する
ことを特徴とする請求項2、3または4記載の画像処理システム。 - 前記機能選択手段は、前記画像処理機能が画像データの画像処理項目の変更に対応し得るものである場合に、当該画像処理機能が実行する画像処理項目を必要な画像処理項目に特化させる
ことを特徴とする請求項2、3、4または5記載の画像処理システム。 - 画像入力装置、画像出力装置、画像蓄積装置またはこれらの管理制御装置が少なくとも2つ以上接続されてなり、かつ、当該2つ以上の装置のうちの複数が画像データに対する画像処理機能を備えている画像処理システムで用いられる画像処理方法であって、
ジョブが発生すると当該ジョブの処理に必要となる画像処理項目を認識し、
前記画像処理機能を備える各装置に対して当該画像処理機能の空き状況を問い合わせ、
これらの認識結果および問い合わせ結果を基に、前記ジョブの処理に必要な画像処理を実行させる画像処理機能を画像処理項目別に選択し、
当該選択に当たり、前記ジョブによる画像データの流れが、前記画像入力装置と前記画像出力装置とを直接結ぶ一時的なものの場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置とが備える画像処理機能のみを選択対象とし、前記画像蓄積装置を一旦経由する蓄積を伴う場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置と前記画像蓄積装置と管理制御装置とが備える画像処理機能を選択対象とする
ことを特徴とする画像処理方法。 - 画像入力装置、画像出力装置、画像蓄積装置またはこれらの管理制御装置が少なくとも2つ以上接続されてなり、かつ、当該2つ以上の装置のうちの複数が画像データに対する画像処理機能を備えている画像処理システムで用いられる画像処理プログラムであって、
コンピュータを、
ジョブが発生すると当該ジョブの処理に必要となる画像処理項目を認識する項目認識手段と、
前記画像処理機能を備える各装置に対して当該画像処理機能の空き状況を問い合わせる状況把握手段と、
前記項目認識手段による認識結果と前記状況把握手段による問い合わせ結果とを基に、前記ジョブの処理に必要な画像処理を実行させる画像処理機能を画像処理項目別に選択する機能選択手段として機能させるとともに、
前記機能選択手段は、前記ジョブによる画像データの流れが、前記画像入力装置と前記画像出力装置とを直接結ぶ一時的なものの場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置とが備える画像処理機能のみを選択対象とし、前記画像蓄積装置を一旦経由する蓄積を伴う場合には、前記画像入力装置と前記画像出力装置と前記画像蓄積装置と管理制御装置とが備える画像処理機能を選択対象とする
ことを特徴とする画像処理プログラム。
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