JP4063017B2 - 画像形成システム、バックエンドプロセッサ、フロントエンドプロセッサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばカラー複写機、ファクシミリ、あるいはプリンタなど、記録媒体上に画像を形成するいわゆる印刷機能を有する画像形成装置を備えた画像形成システム、並びにこの画像形成システムを構成するバックエンドプロセッサおよびフロントエンドプロセッサに関する。より詳細には、フロントエンドプロセッサにて生成したイメージデータを圧縮してからバックエンドプロセッサに転送する際の圧縮イメージデータの取り扱いに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ装置や複写装置などの印刷機能を備えた画像形成装置が様々な分野で使用されている。また、今日では、画像形成装置がカラー化され、ユーザの様々な表現手段として利用されるようになってきている。たとえば、電子写真プロセス(ゼログラフィ)を用いたカラーページプリンタ装置は、高品質な画質あるいは高速プリンティングの点で注目されている。
【0003】
一方、印刷機能という点では、家庭内での個人ユースやオフィスでのビジネスユースといった比較的小規模(たとえば1ジョブが数枚〜数十枚程度)の印刷出力を要求されるものと、製本などの印刷業界で使用される比較的大規模(たとえば1ジョブが数千枚以上)の印刷出力を要求されるものとに大別される。前者の比較的小規模の印刷出力を要求されるものにおいては、その多くが(たとえば孔版印刷を除いて)、印刷データを受け取り版下を生成せずに印刷物を出力する。一方、後者の比較的大規模の印刷出力を要求されるものにおいては、従来は、印刷データに基づいて版下を生成し、この生成した版下を使用して印刷物を出力していた。
【0004】
ところが、今日では、DTP(DeskTop Publishing/Prepress)の普及による印刷工程の変化、いわゆる「印刷のデジタル革命」により、DTPデータから直接印刷する「ダイレクト印刷」もしくは「オンデマンド印刷」(以下オンデマンドプリンティングという)が着目されている。このオンデマンドプリンティングでは、従来の印刷(たとえばオフセット印刷)における写植などの紙焼き(印画紙)、版下、網ネガ、網ポジ、PS版などの中間成果物を生成せずに、プリプレス工程を完全にデジタル化することで電子データだけに基づいて印刷物を出力する仕組み(CTP;Computer To Print or Paper)が採られている。そして、このオンデマンドプリンティングの要求に対して、電子写真プロセスを用いた印刷機能が着目されている。
【0005】
図9は、従来の画像形成システムの概略を示す図である。ここで、図9(A)はシステムの全体構成図、図9(B)はデータの流れを示す図である。
【0006】
この画像形成システムは、図9(A)に示すように、画像形成装置1と、この画像形成装置1に印刷データを渡し印刷指示をする端末装置であるDFE(Digital Front End Processor )装置とから構成されている。
【0007】
画像形成装置1は、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録するもので、IOT(Image Output Terminal)モジュール2、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module )5、出力モジュール7、ユーザインタフェース装置8、およびIOTモジュール2とフィードモジュール5とを連結する連結モジュール9を備えている。
【0008】
DFE装置は、描画機能とプリンタコントローラ(印刷制御装置)機能とを備えており、たとえばページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記述された印刷データを図示しないクライアント端末から順次受け取り、この印刷データをラスターイメージに変換(RIP処理;Raster Image Process)し、さらにRIP処理済みのイメージデータおよび印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報(ジョブチケット)を画像形成装置1に送り、画像形成装置1のプリントエンジンや用紙搬送系を制御して、画像形成装置1に印刷処理を実行させる。つまり、画像形成装置1の印刷動作は、DFE装置によるプリンタコントローラによって制御される。
【0009】
印刷データとしては、カラー印刷用の基本色である、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(以下纏めてYMCKという)分が画像形成装置1に送られる。
【0010】
ユーザインタフェース装置8は、オペレータと画像形成装置1との分かり易い対話を支援するもので、このような操作性の向上を図るため、タッチパネルが組み合わされたカラーディスプレイ8aと、その横に配されたハードコントロールパネル8bとを備え、図示のようにベースマシン(装置本体;本例では連結モジュール9)に支持アーム8cを立ててその上に取り付けられている。
【0011】
IOTモジュール2は、IOTコア部20とトナー供給部22とを有する。トナー供給部22には、カラー印刷用のYMCK分のトナーカートリッジ24が搭載されるようになっている。
【0012】
IOTコア部20は、光走査装置31や感光体ドラム32などを有するプリントエンジン(印字ユニット)30を前述の色成分に対応する色ごとに備えており、このプリントエンジン30をベルト回転方向に一列に配置したいわゆるタンデム構成のものとなっている。またIOTコア部20は、プリントエンジン30を制御する電気回路あるいは各モジュール用の電源回路などを収容する電気系制御収納部39を備える。
【0013】
さらに、IOTコア部20は、画像転写方式として、感光体ドラム32上のトナー像を1次転写器35にて中間転写ベルト43に転写(1次転写)し、その後、2次転写部45にて中間転写ベルト43上のトナー像を印刷用紙に転写(2次転写)する方式を用いている。このような構成では、YMCKの各色トナーにより画像形成を各別の感光体ドラム32上に行なって、このトナー像を中間転写ベルト43に多重転写する。
【0014】
中間転写ベルト43上に転写された画像(トナー像)は、所定のタイミングでフィードモジュール5から搬送されてきた用紙上に転写され、さらに第2搬送路48で定着器(Fuser )70まで搬送され、この定着器70によってトナー像が用紙上に溶融定着される。そしてその後、排紙トレイ(スタッカ)74に一時的に保持されたりあるいは直ちに排紙処理装置72に渡され、必要に応じて所定の終末処理を経て機外へ排出される。また、両面印刷時には、印刷済みの用紙が排紙トレイ74から反転路76に引き出され、IOTモジュール2の反転搬送路49に渡される。
【0015】
先にも述べたように、入力側であるDFE装置は、ページ記述言語(PDL)で記述された印刷データをクライアント端末から受け取ると、PDLを解釈して各ページのイメージデータを生成し、それを出力側である画像形成装置1へ送出する。また、一般的には、画像出力前に1出力単位(通常は1ページ)の画像データ全体をレンダリングしている。出力側であるIOTモジュール2や出力モジュール7は、受け取ったページ単位のイメージデータに基づいて、DFE装置のプリンタコントローラ機能の制御の元で、プリントエンジン30や定着器70などが同期して印刷動作(画像形成動作)をすることになる。
【0016】
ここで、画像形成装置の特性に合わせたRIP処理済みの画像データ(Video Data)の生成や、IOTモジュール2の印字ユニット(プリントエンジン)の特性に合わせた高度な処理あるいは駆動部の同期制御などが必要であり、DFE装置と画像形成装置1とがほぼ密接不可分である。そして、DFE装置と画像形成装置1との間は、専用の通信プロトコルを使用した専用接続インタフェースで電気信号が伝送されている。
【0017】
一方、1出力単位全体(たとえばページ全体)に対するラスタデータは、そのデータ量が非常の大きい。たとえば電子写真方式のカラーページプリンタでは、YMCKの4色のトナーに対応するラスタデータを必要とするとともに、白黒ページプリンタ以上に画質が要求されるため、1画素当たり複数のビット情報を持つのが一般的であり、たとえば、カラーデータの場合にはページ当たり数M〜数100MByte(メガバイト)にもなる。このため、出力側である画像形成装置1へラスタデータを転送する際のデータ量が多く転送負荷が大きくなる。
【0018】
そこで、データ量を少なくするべく、図9(B)に示すように、RIP処理されたラスタデータを一旦圧縮して出力側(前例のIOTモジュール2)へ送り、出力側にて画像記録部(前例のIOTコア部20)の印刷処理速度に同期して伸張してから、そのラスタデータをプリントエンジンなどの画像記録部に渡す仕組みがある(たとえば特開平8−6238号や特開平10−166688号参照)。
【0019】
たとえば、特開平10−166688号に記載の仕組みでは、イメージデータ生成処理機能や圧縮処理機能をフロントエンドプロセッサに持たせ、伸張処理機能やプリンタコントロール機能をバックエンドプロセッサに持たせている。そして、フロントエンドプロセッサでRIP処理したイメージデータを一旦圧縮して出力側のバックエンドプロセッサへ送り、このバックエンドプロセッサにてプリントエンジンの印刷処理速度に同期して伸張してから、そのイメージデータをプリントエンジンに渡している。
【0020】
こうすることで、転送負荷の問題を生じることなく、RIP処理にてラスタライズしながら、画像記録部にてプリンティング処理を同時並行して行なう“RIP While RUN ”の仕組みが実現でき、高速エンジンをフル活用し高い生産性をあげることができる。なお、これらの制御は、バックエンドプロセッサが持つプリンタコントローラ機能の制御の元で、ジョブ単位やページ単位でなされる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、データ圧縮の際、圧縮後のイメージデータのサイズ(ファイルサイズ)が圧縮前のファイルサイズよりも大きくなる、すなわちイメージの圧縮率が“1”を越えるなど、圧縮後のファイルサイズが予め想定している規定値を超えることがある。このような場合、特開平10−166688号に記載の仕組みでは、フロントエンドプロセッサは、バックエンドプロセッサ側に設けられているハードディスク装置などのデータ格納部の空き容量を見て転送先を決めているので、圧縮イメージの記憶を確保できる。
しかし、バックエンドプロセッサのデータバス幅とエンジンの処理能力との兼ね合いで、バックエンドプロセッサ側がプリントエンジンの処理に追従(同期)して伸張処理や画像処理をした後にイメージデータをプリントエンジン側へ出力することができない場合が存在し、プリントエンジンが持つ処理能力をフルに生かすことができない事態を招く。たとえば、プリントエンジンが起動され、プリント同期信号に従って印字をする際に、想定以下の圧縮率でファイルがバックエンドプロセッサへ送られてくると、データバスに使用しているPCI(Peripheral Component Interconnect )のバスバス幅、データ格納に使用しているハードディスク装置の読出速度、PCIアクセラレーラの画像処理速度の何れかの処理が間に合わなくなる。
【0022】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、圧縮後のファイルサイズが予め想定している規定値を超える場合にも、プリントエンジンなどの画像記録部の持つ処理能力を十分に活かすことのできる画像形成システムを提供することを目的とする。
【0023】
また、本発明は、画像記録部の持つ処理能力を十分に活かすことのできる画像形成システムを構成するバックエンドプロセッサやフロントエンドプロセッサを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る画像形成システムは、印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成部およびイメージデータ生成部により生成されたイメージデータを圧縮処理する圧縮処理部を備えたフロントエンドプロセッサと、画像を所定の記録媒体上に記録する画像記録部に対応して設けられた、フロントエンドプロセッサから送付された各ページの圧縮イメージデータを受け取り伸張処理した後に画像記録部へ送出して画像記録部を制御するバックエンドプロセッサとから構成されている画像形成システムであって、フロントエンドプロセッサにて圧縮処理された圧縮イメージデータの圧縮率が予め定められている規定値を超えるか否かを監視し、圧縮率が規定値を超えることを条件として、圧縮イメージデータのファイルサイズがより小さくなるように、イメージデータの生成および圧縮処理の少なくも一方を再実行し、この処理後の圧縮イメージデータをバックエンドプロセッサに送出することとした。
【0025】
「圧縮率」は、圧縮イメージデータの圧縮率に関係する情報であればどのようなものであってもよい。たとえば圧縮率そのものを示す情報であってもよい。また、圧縮前後のイメージデータのファイルサイズであってもよい。
【0026】
また、本発明に係るバックエンドプロセッサやフロントエンドプロセッサは、本発明に係る画像形成システムを実現するために好適なものである。
【0027】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像形成システム、バックエンドプロセッサ、あるいはフロントエンドプロセッサのさらなる有利な具体例を規定する。
【0028】
たとえば、フロントエンドプロセッサにて圧縮処理された圧縮イメージデータの圧縮率が予め定められている規定値を超えるか否かの監視は、バックエンドプロセッサおよびフロントエンドプロセッサの何れにおいて実行してもかまわない。
【0029】
圧縮イメージデータのファイルサイズがより小さくなるようにするには、イメージデータの生成および圧縮処理の少なくも一方を再実行すればよく、たとえば、印刷データを構成する画像オブジェクトの属性ごとにイメージデータを生成するとともに、それぞれのイメージデータごとに圧縮処理を実行し、圧縮処理された圧縮イメージデータの圧縮率が予め定められている規定値を超えるか否かを監視し、各属性の圧縮イメージデータの総合の圧縮率が規定値を超えることを条件として、画像オブジェクトのうちの一方の画像オブジェクトを、画像オブジェクトのうちの他方の画像オブジェクトが割り当てられるイメージデータに割り当てて、一方および他方のそれぞれの画像オブジェクトが割り当てられた複合イメージデータに対して圧縮処理を再実行する。
【0030】
つまり、画像オブジェクトごとにイメージ生成や圧縮処理をするシステム構成とし、通常はそれぞれのレイヤごとに処理し、規定値を超える場合には、一方のレイヤに他方のオブジェクトも割り当てて取り扱う。
【0031】
【作用】
上記構成において、フロントエンドプロセッサは、生成し圧縮処理したイメージデータをバックエンドプロセッサに転送する。この際、圧縮イメージデータの圧縮率を、バックエンドプロセッサおよびフロントエンドプロセッサの何れにおいて監視する。
【0032】
そして、画像オブジェクトごとにイメージ生成や圧縮処理をするようにし、通常はそれぞれのレイヤごとに処理し、圧縮率が規定値を超える場合には、圧縮イメージデータのファイルサイズがより小さくなるように、一方のレイヤに他方のオブジェクトも割り当てて取り扱う。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明に係る画像形成システムの一実施形態を示す図である。ここで、図1(A)はシステム構成の概略図、図1(B)は、ユーザインタフェース装置の詳細との関係における接続例を示す図である。
【0035】
この画像形成システムは、画像形成装置1と、この画像形成装置1に印刷データを渡し印刷指示をする端末装置であるDFE装置とから構成されている。
【0036】
画像形成装置1は、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録するものである。この画像形成装置1は、クライアント端末から入力された印刷データに基づいて可視画像を所定の記録媒体上に形成する印刷装置(プリンタ)として機能するようになっている。
【0037】
すなわち、この画像形成システムにおける画像形成装置1は、IOTモジュール(IOT本体)2と、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module )5と、出力モジュール7と、パソコン(PC)などのユーザインタフェース装置8とを備える。なお、フィードモジュール5は、多段構成としてもよい。また、必要に応じて、各モジュール間を連結する連結モジュールを設けてもよい。
【0038】
また、出力モジュール7の後段に、さらにフィニッシャ(Finisher;後処理装置)モジュールを接続してもよい。フィニッシャモジュールとしては、たとえば、用紙をスタック処理をし、そのコーナ部の1個所または一辺の2個所以上を綴じるステープラを備えたもの、あるいはファイリング用のパンチ孔を穿設するパンチング機構を備えたものなどがある。このフィニッシャモジュールは、ユーザインタフェース装置8との接続が切られたオフライン状態でも使用可能とすることが望ましい。
【0039】
画像形成装置1は、本願発明に係る画像記録部として機能するものである。なお、画像形成装置1の内部構成は、従来技術の項で説明したものとほぼ同様であるので、その説明を割愛する。
【0040】
DFE装置は、イメージデータ生成装置の一例であるフロントエンドプロセッサFEP(Front End Processor )部500を備えている。フロントエンドプロセッサFEP部500は、従来技術で示したDFE装置と同様に、フロントエンジンによるROP(Raster OPeration)処理によりクライアント(Client)からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能を備える。IOTモジュール2の高速処理に対応可能なようにRIP処理や圧縮処理が高速処理対応になっている。なお、DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部500は、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備えておらず、主にRIP処理や圧縮処理をする点が、従来技術で示したDFE装置と異なる。
【0041】
ユーザインタフェース装置8は、キーボード81やマウス82などの入力デバイスを有し、ユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)部80を備えるとともに、その本体(図示せず)内に画像形成装置1の各モジュールやDFE装置との間の接続インタフェース機能やサーバ機能をなすSys(システム制御)部85を備える。また、ユーザインタフェース装置8は、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備えている。
【0042】
このような構成におけるユーザインタフェース装置8の画像形成装置1に依存した処理の制御機能を果たすプリンタコントローラ機能部分と、接続インタフェースに関わる部分とを、纏めてバックエンドプロセッサBEP(Back End Processor)部600という。結果として、本実施形態の構成におけるユーザインタフェース装置8は、GUI部80と、IOTコア部20などエンジン特性に応じた制御するプリンタコントローラ機能部分とを含むようになっている。なお、バックエンドプロセッサBEP部600やIOTコア部20は、画像処理装置の機能を備えている。
【0043】
フロントエンドプロセッサFEP部500にはクライアント端末から受け取った印刷データを保存しておくデータ格納部(図示せず)が用意される。同様に、バックエンドプロセッサBEP部600には、フロントエンドプロセッサFEP部500から受け取ったイメージデータやジョブチケットを保存しておくデータ格納部(図示せず)が用意される。
【0044】
DFE装置では、クライアント端末で生成されたコードデータをフロントエンジン側のRIP処理でラスタデータ化し、圧縮処理を施す。DFE装置側のフロントエンドプロセッサFEP部500と画像形成装置1側のバックエンドプロセッサBEP部600との間の電気信号の伝送は、IOTコア部20に対して比較的疎な関係にある。つまり、画像記録部としてのプリントエンジン30に対して非依存の通信インタフェース(汎用ネットワークによる疎結合)で構築される。
【0045】
たとえば、図1(A)に示すように、DFE装置とバックエンドプロセッサBEP部との間は、たとえば通信速度が1GBPS(Giga Bit Per Sec)程度の汎用の通信プロトコルによる高速有線LAN(Local Area Network)などで接続するとよい。印刷ファイルは、たとえばFTP(File Transfer Protocol)などによりフロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600へファイル転送される。
【0046】
これに対して、バックエンドプロセッサBEP部600と画像記録部を構成する(その主要部である)IOTコア部20との間の電気信号の伝送は、IOTコア部20に対して比較的密な関係にある、つまり、画像記録部としてのプリントエンジン30に依存した通信インタフェースで構築される。たとえば、専用の通信プロトコルで接続される。
【0047】
ユーザインタフェース装置8には、画像形成装置1を操作するための制御ソフトウェアが組み込まれている。このユーザインタフェース装置8は、画像処理装置IPS(Image Process System)の機能を備えたDFE装置と接続されており、たとえば、RIP(Raster Image Process)処理済みの印刷データ、および印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報をDFE装置から受け取り、要求された印刷処理を画像形成装置1に実行させる。
【0048】
上記構成の画像形成システムにおいて、フロントエンドプロセッサFEP部500とバックエンドプロセッサBEP部600の間のコマンドにおいて、フロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600への指示は、たとえば、両面の指定、アウトプット装置であるIOTモジュール2(詳細にはプリントエンジン30)の指定、イメージシフト量の指定、あるいは出力順序指定などである。
【0049】
プリンタコントローラ機能をなすバックエンドプロセッサBEP部は、DFE装置からのイメージデータとともに印刷制御情報(印刷コマンド)を画像形成装置1内のインタフェース部を介して受け取り、画像形成装置1に依存した印刷処理(エンジン特性に依存した処理)の制御機能を果たす。また、たとえば、コレーション(Collation ;帳合い)設定による複数部出力やプリントアウト後もう1枚欲しいときのリプリントなど、DFE装置から受け取り画像形成装置1に保持しておいたデータを利用することで、効率的な高速出力を可能とする。
【0050】
このため、バックエンドプロセッサBEP部には、DFE装置から受け取った印刷制御情報に基づいてコマンドコード(Command Code)を生成し、画像形成装置1内の各部の処理タイミングをエンジン特性に応じて制御するコントローラが設けられる。また、バックエンドプロセッサBEP部600は、IOTモジュール2やフィードモジュール5あるいは出力モジュール7などのエンジン特性に適合するようにスプール(Spool)処理を完結させてからIOTモジュール2に画像データを渡す。バックエンドプロセッサBEP部は、エンジン特性に依存した制御処理をする。
【0051】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、エンジン特性に依存した紙詰まりなどのリカバリ処理を自動的に行なう。また、クライアントからの指示をフロントエンドプロセッサFEP部で判断し、IOTコア部20や定着器70あるいはフィニッシャ部などの画像形成装置1の各部に依存せず専らフロントエンドプロセッサFEP部500のみで処理可能なものはフロントエンドプロセッサFEP部500で処理し、画像形成装置1の各部に依存するものであってバックエンドプロセッサBEP部600で行なうべき処理はバックエンドプロセッサBEP部600側へコマンドをスルーさせる。
【0052】
たとえば、DFE装置からバックエンドプロセッサBEP部には、RIP処理が施されたラスタベース画像を含む印刷ファイルデータが送られる。印刷ファイルデータとしては、TIFF(Tagged Image File Format)フォーマットなどのラスタベースの画像ファイルデータの他、印刷部数、両面/片面、カラー/白黒、合成印刷、ソートの有無、ステープラの有無など印刷制御情報などが含まれる。
【0053】
そしてたとえば、回転(Rotation)、1枚の用紙内へのページ割付(N−UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Colour Management System;カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)などのRIP処理と関わりのある処理は、フロントエンドプロセッサFEP部500にて処理し、その制御コマンドをバックエンドプロセッサBEP部600へは通知しない(非通知)。
【0054】
一方、コレーション(帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラなどのフィニッシャ装置あるいは用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正などのキャリブレーション処理、スクリーン指定処理など、画像形成装置1の処理特性と関わりの強いもの(IOT依存の処理)に関しては、その制御コマンドをフロントエンドプロセッサFEP部500がスルーすることで、バックエンドプロセッサBEP部600にて処理する。
【0055】
なお、用紙サイズ合わせに関しては、フロントエンドプロセッサFEP部500だけでなく、バックエンドプロセッサBEP部600にても処理してもかまわない。
【0056】
バックエンドプロセッサBEP部600では、印刷用にページ再配置をし、プリントエンジン30の処理速度に同期して制御コマンドをやり取りしながら、エンジン生産性を最大限生かす速度でページデータを所定の順にIOTコア部20に送出する。
【0057】
このプリントエンジン30などの処理特性に適応した処理(同期処理)よりもフロントエンドプロセッサFEP部500からのデータ送出の方が早ければ、バックエンドプロセッサBEP部600は、間に合わない画像データやジョブチケットをデータ格納部に一時的に保管しておく。そして、ユーザが希望する排出条件(ページ順や向き、あるいはフィニッシング処理の有無など)に合致するようにページデータを読み出し、また必要に応じて画像編集し、用紙上における画像位置の補正や、ユーザが希望する画像処理をし、処理済の画像データをIOTモジュール2側に送出する。
【0058】
これにより、フロントエンドプロセッサFEP部500と画像記録部としてのプリントエンジン30や定着器70などの出力側とが非同期の処理、バックエンドプロセッサBEP部600と出力側とは同期の処理となり、その差がデータ格納部へのデータ格納と読出しとで相殺されるようになる。また、画像データの圧縮/伸張をする場合においても、フロントエンドプロセッサFEP部500における圧縮処理とバックエンドプロセッサBEP部600における伸張処理とは非同期の処理となる。つまり、このような構成によれば、フロントエンドプロセッサFEP部500におけるRIP処理やその後の圧縮処理は、印刷ジョブ内容や画像記録部を構成するIOTコア部20や定着器70などの処理特性とは独立的に処理される。
【0059】
このように、本実施形態のシステム構成によれば、DFE装置と画像形成装置1との関係はルーズであってよい(Loosely connection)。たとえば、DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部500にてRIP処理や圧縮処理をしておくだけでよい。そしてそこまでは、RIPエンジンの性能次第に任せた処理としており、特にプリントエンジン側の処理速度(同期)や制御に依存する必要は一切ない。つまり、DFE装置にての処理としては、画像形成装置1の性能の影響を受けないRIP処理や圧縮処理などの範囲に留めることができる。バックエンドプロセッサBEP部600は、画像形成装置1に合わせたページ再配置や、IOTコア部20と同期した印刷制御をする。
【0060】
これらの処理は、バックエンドプロセッサBEP部600が備えるプリンタコントローラ機能が、フロントエンドプロセッサFEP部500から渡されたジョブチケットを解釈(デコード)し、あるいはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、各部を制御することで実現される。
【0061】
加えて、エンジン特性に応じた煩雑な処理を担当するバックエンドプロセッサBEP部600側は、RIP処理から開放され、IOTモジュール2や定着器70あるいはフィニッシャなどの性能に応じて、柔軟に処理や制御を変更することができる。これにより、フロントエンドプロセッサFEP部500側が特にエンジンの特性やノウハウを熟知していなくてもよくなる。
【0062】
また、フロントエンドプロセッサFEP部500がプリントエンジン30に非依存であるため、ユーザはプリントエンジンを新規に購入しても従来のフロントエンドを流用することできる。また、他のメーカのフロントエンドとの接続も可能となる。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部500の汎用化が実現でき、たとえば汎用印刷RIPエンジンや他社のRIPエンジンが使用可能となる。あるいは、容易にビジネス上必要なターゲットとしたいエンジンにプリンタコントローラを提供していくことが可能になる。
【0063】
バックエンドプロセッサBEP部600は標準コントローラの使用の制約がないので、このバックエンドプロセッサBEP部600による画像形成動作の制御は、DFE装置によるものよりも高速性や拡張性に富む。したがって、画像形成装置1の高速化、高機能化に柔軟に対応することが容易となる。
【0064】
図2は、イメージデータ生成機能を備えたDFE装置と、画像記録部の主要部をなすプリントエンジン30との間にバックエンドプロセッサBEP部600を配する場合のシステム構成例を示す図である。
【0065】
前述のように、DFE装置における処理としては、画像形成装置1(詳しくはプリントエンジン30や定着器70などの画像記録部)の性能の影響を受けないRIP処理や圧縮処理などの範囲に留めることができる一方で、エンジン特性に応じた煩雑な処理を担当するバックエンドプロセッサBEP部600側は、RIP処理から開放されるので、従来のように、イメージデータ生成機能部分と、プリンタコントローラ機能分とが1対1に接続されている必要がない。
【0066】
たとえば、図2(A)に示すように、複数のDFE装置(フロントエンドプロセッサFEP部500)が1台のバックエンドプロセッサBEP部600とネットワーク接続されたシステム、すなわちDFE装置の台数と画像形成装置1(バックエンドプロセッサBEP部600)の台数とが1:mのシステムを構築することができる。たとえば、プリントエンジンとしての基本性能が、たとえば80枚/分程度のカラー印刷に対応する画像形成装置1に対して、装置内のデジタルデータバスが66M/64ビットの高速処理対応可能なバックエンドプロセッサBEP部600と、33M/64ビットの中速処理対応可能なバックエンドプロセッサBEP部600というように、処理能力の異なる複数台のバックエンドプロセッサBEP部600が配される形態である。
【0067】
また、図2(B)に示すように、DFE装置(フロントエンドプロセッサFEP部500)も複数台接続したシステム、すなわち、DFE装置の台数と画像形成装置1(詳しくはプリントエンジン30)の台数とがn:kのシステムを構築することもできる。
【0068】
何れの場合も、イメージデータ生成装置(DFE装置)と画像記録部(プリントエンジン)との間にバックエンドプロセッサBEP部600を介在させることで、バックエンドプロセッサBEP部600の後段に高速高性能である本刷り用の画像形成装置1(プリントエンジンPa,Pb,Pc)や中速高性能の本刷り用の画像形成装置1(プリントエンジンPd)と出力確認用のプルーファ(画像形成装置1の一例;プリントエンジンPe)など、複数種類の画像形成装置1を並列設置したシステム、すなわちバックエンドプロセッサBEP部600の台数とプリントエンジン(画像記録部)の台数とが1:kのシステムを構築することもできる。この場合、バックエンドプロセッサBEP部600の前段側であるDFE装置の台数は1台であってもよいし(1:1:kのシステム)、複数台であってもよい(n:1:kのシステム)。
【0069】
なお、プルーファ接続のシステムでは、高速高機能もしくは中速高性能の画像形成装置1によるダイレクト印刷に先立って、DTPデータから直接カラー校正用プリントの出力をプルーファにて行なうDDCP(Digital Direct Color Proofing )システムを構築することができる。たとえば、バックエンドプロセッサBEP部600は、印刷ジョブとしてプルーフデータをプルーファ用のDFE装置(リップエンジンRc)から受け取るとプルーフィングに適したデータ形式のイメージデータをプルーファPeに出力してカラー校正用プリント出力を指令する。一方、本刷り用の印刷ジョブをDFE装置(リップエンジンRa,Rb)から受け取ると、高速高機能マシンPa〜Pcもしくは中速高機能マシンPdに、それらに適した形式のイメージデータを出力して、高速/中速・高機能の印刷指示を発する。
【0070】
なお、高速高機能マシンとプルーファあるいは縦連接続された機種との間の異なるカラー出力の微妙な差異(デバイス差)を補正するCMS(Colour Management System;カラー管理システム)を搭載することが望ましい。
【0071】
ここで、本刷り用エンジンPaとプルーファ用エンジンPeの処理性能の違いから、各エンジンにイメージデータを送付する際にはビデオクロック周波数を各エンジンに適したものとする。たとえば、高速高性能のプリントエンジンPa〜Pcは35MBPS(Mega Bit Per Sec)、中速高性能のプリントエンジンPdは30MBPS、プルーファ用のプリントエンジンPeは25MBPSである。
【0072】
このように、フロントエンドプロセッサFEP部500、バックエンドプロセッサBEP部600、あるいはプリントエンジン30の接続数を適宜変えて構成することで、画像形成装置1の空き状況や印刷ジョブに適合した画像形成装置を選択して、効率よい出力処理をすることができるようになる。
【0073】
ただし、フロントエンドプロセッサFEP部500からバックエンドプロセッサBEP部600に送出する圧縮イメージデータのファイルサイズやその圧縮率が予め定められている規定値を超える場合、画像記憶部602への格納が可能であっても、バックエンドプロセッサBEP部600がプリントエンジン30に追従して伸張処理や所定の画像処理をして、この処理後のイメージデータをプリントエンジン30に出力することができず、プリントエンジン30が持つ処理能力をフルに生かすことができなくなる。
【0074】
そこで、本実施形態では、ファイルサイズやその圧縮率が予め定められている規定値を超えているか否かを判断し、超えている場合には超えないような圧縮イメージデータを生成し直し再転送することとする。以下、その具体的手法について説明する。
【0075】
図3は、DFE装置と画像形成装置1との間のデータの流れに着目した図であって、フロントエンドプロセッサFEP部500およびバックエンドプロセッサBEP部600の第1実施形態を示すブロック図である。
【0076】
この第1実施形態は、フロントエンドプロセッサFEP部500、バックエンドプロセッサBEP部600、およびプリントエンジン30が、それぞれ1台で構成されたシステムにおいて、バックエンドプロセッサBEP部600側にて圧縮イメージデータの圧縮率を監視し、その圧縮率が予め定められている規定値よりも大きいときには、バックエンドプロセッサBEP部600に対して、圧縮パラメータを切り替えように指示し、圧縮率が規定値以下の圧縮イメージデータの再送を要求する形態のものである。
【0077】
先ず、フロントエンドプロセッサFEP部500は、ネットワークを介して接続されたクライアント端末(図示せず)からPDLで記述された印刷データ(以下PDLデータという)を受け取り、そのPDLデータを一旦順次格納するデータ格納部502と、データ格納部502からPDLデータを読み出して解釈しページ単位のイメージデータ(ラスタデータ)を生成(ラスタライズ)するRIP処理部(ラスタイメージ処理部)510を備える。
【0078】
RIP処理部510は、イメージデータ生成部の一例であって、ぺージ記述言語(PDL)で記述された電子データを展開してイメージデータを生成する。このため、RIP処理部510には、PDL解釈部およびイメージャとして機能するデコンポーザ、いわゆるRIPエンジンが組み込まれている。このRIP処理部510は、本実施形態特有のプリントエンジンに応じた専用RIPエンジンを搭載したものであってもよいし、汎用の印刷RIP処理エンジンを搭載したものであってもよい。なお、フロントエンドプロセッサFEP部500全体として、他社のRIP装置(DFE装置)を利用してもかまわない。
【0079】
またフロントエンドプロセッサFEP部500は、RIP処理部510にて生成されたイメージデータを所定のフォーマット(たとえばJPEG;Joint Photographic Expert Group )に従って圧縮する圧縮処理部530を備える。また、フロントエンドプロセッサFEP部500は、圧縮処理部530の後段に、出力側であるIOTモジュール2や出力モジュール7など画像記録部に非依存の通信インタフェースによりバックエンドプロセッサBEP部600との間の電気信号の伝送を採るインタフェース部の一例であるファイル転送部540を備える。
【0080】
圧縮形式としてのJPEGは、DCT(Discrete Cosine Transform)に基づくロスあり(lossy)の非可逆圧縮と、2次元DPCM(Differential Pulse Code Modulation) に基づくロスレス(lossless)の可逆圧縮に大きく分けられる。非可逆圧縮の方が可逆圧縮よりも圧縮比を大きく採る(ファイルサイズをより小さくする)ことができる。なお、DCT方式はベースラインとエクテンデッド方式に分類され、ベースラインプロセスは最も簡単なDCT方式でJPEGの必須機能である。本実施形態では、圧縮比を大きくとれるDCT方式/ベースライン非可逆圧縮を採用する。
【0081】
圧縮処理部530は、RIP処理部510からのイメージデータをJPEG形式で圧縮し、圧縮済のイメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600へ即時に転送する。なお、フロントエンドプロセッサFEP部500は、印刷ジョブに付帯して受け取った印刷ジョブ内容を示すジョブチケットの内自身に不要なものは、所定のタイミングでファイル転送部540を介してバックエンドプロセッサBEP部600にそのまま転送する。
【0082】
また、フロントエンドプロセッサFEP部500は、圧縮率の規定値を事前に登録しておく規定値登録部560と、バックエンドプロセッサBEP部600からの指示があったとき、圧縮率が規定値登録部550に登録されている規定値よりも小さくなるように圧縮パラメータを自動調整してファイルサイズをリサイズさせるファイルサイズ制御部570とを備える。
【0083】
規定値登録部560は、バックエンドプロセッサBEP部600とプリントエンジン30の各処理性能によって、バックエンドプロセッサBEP部600がプリントエンジン30に追従して伸張処理や所定の画像処理をして、この処理後のイメージデータをプリントエンジン30に出力することができなくなるような圧縮率を規定値として登録する。この規定値の登録は、本システムを設置したときに行なうのがよい。
【0084】
フロントエンドプロセッサFEP部側の処理は、プリントエンジン30の処理速度に非同期で処理される。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部500は、クライアント端末からPDLデータを受け取ると、順にラスタライズおよび圧縮処理をし、直ちに圧縮処理済のイメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600に送出する。このとき、ファイルサイズ制御部570は、たとえば、圧縮処理部530に対して、圧縮パラメータの一例であるQファクタ(圧縮指数)を、標準的な画像のときに圧縮率が規定値以下となるように、2〜255の範囲で指定する。そして、バックエンドプロセッサBEP部600から再送を要求されたときには、ファイルサイズ制御部570は、圧縮率が規定値以下となるようにQファクタを調整する。
【0085】
一方、バックエンドプロセッサBEP部600は、フロントエンドプロセッサFEP部500にて印刷ジョブやプリントエンジン30とは独立的に(ほぼ無関係)に処理された(たとえばプリントエンジン30の処理速度に非同期で処理された)圧縮済のイメージデータやジョブチケットなどを含む印刷ファイルを受け取るインタフェース部であって、出力側であるIOTモジュール2や出力モジュール7など画像記録部に非依存の通信インタフェースによりフロントエンドプロセッサFEP部500との間の電気信号の伝送を採るファイル受信部601を備える。
【0086】
またバックエンドプロセッサBEP部600は、ファイル受信部601が受信した印刷ファイルを保持する画像記憶部602と、画像記憶部602から圧縮済のイメージデータを読み出して、フロントエンドプロセッサFEP部500側の圧縮処理部530の圧縮処理に対応する伸張処理をし、この伸張処理済のイメージデータをIOTコア部20側に送出する伸張処理部610と、画像記録部に依存した通信インタフェースにより画像記録部との間の電気信号の伝送を採る出力側のインタフェース部650とを備える。
【0087】
伸張処理部610は、画像記憶部602から読み出し伸張処理したイメージデータに対して、画像回転や用紙上の画像位置の調整、あるいは拡大もしくは縮小など、画像編集機能を備えている。なお、この画像編集機能なす機能部分を伸張処理部610とは独立に設けてもかまわない。
【0088】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、IOTコア部20の処理性能に依存してバックエンドプロセッサBEP部600の各部やIOTコア部20を制御するプリンタコントローラとして機能する印刷制御部620を備える。
【0089】
なお図示での説明を割愛するが、印刷制御部620は、フロントエンドプロセッサFEP部500から渡されたジョブチケットを解釈(デコード)し、あるいはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、プリントエンジン30や定着部70あるいはフィニッシャの処理特性に応じて出力形態(ページ内の画像位置、あるいはページ排出順や向きなど)を特定する出力形態特定部と、この出力形態特定部が特定した出力形態で印刷物が出力されるように、プリントエンジン30や定着部70あるいはフィニッシャなどの各部を制御する制御部とを備える。
【0090】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、フロントエンドプロセッサFEP部500から受け取った圧縮イメージデータに対してプリントエンジン30に同期して伸張処理をし所望の画像処理をしてプリントエンジン30に出力できるかどうかを判定し、同期処理が不可の場合にはイメージデータの再送をフロントエンドプロセッサFEP部500に要求する再転送判定制御部680を備える。
【0091】
再転送判定制御部680は、圧縮後のイメージデータサイズを示す情報(ファイルサイズ情報)を抽出するサイズ情報抽出部682と、圧縮率を計算する圧縮率算出部683と、計算した圧縮率を参照して、フロントエンドプロセッサFEP部500から受け取った圧縮イメージデータについて、そのイメージデータの転送先であるターゲットエンジンに同期して出力することが可能であるか否かを判定する同期可否判定部686とを備える。
【0092】
同期可否判定部686は、同期して出力することができないときは、ファイルサイズの小さな圧縮イメージデータを再送するようフロントエンドプロセッサFEP部500に要求する。このとき、受け取った圧縮イメージデータの圧縮率に関する情報も通知することが好ましい。
【0093】
バックエンドプロセッサBEP部600は、フロントエンドプロセッサFEP部500から転送されたイメージデータを、一旦バッファとして機能する画像記憶部602に蓄積する。伸張処理部610は、画像記憶部602から圧縮済のイメージデータを読み出して伸張処理するとともに、クライアント端末やフロントエンドプロセッサFEP部500から指定された印刷ジョブに従ってページデータを組み立てたり(ページデータの再配置)、さらには指示されたプリントエンジンへの転送準備をしたりする。
【0094】
そして、バックエンドプロセッサBEP部600では、プリントエンジン30の処理速度に同期して制御コマンドをやり取りしながら、エンジン生産性を最大限生かす速度でページデータを所定の順にIOTコア部20に送出する。
【0095】
このプリントエンジン30などの処理特性に適応した処理(同期処理)よりもフロントエンドプロセッサFEP部500からのデータ送出の方が早ければ、バックエンドプロセッサBEP部600は、間に合わない画像データやジョブチケットを画像記憶部602に一時的に保管しておく。そして、ユーザが希望する排出条件(ページ順や向き、あるいはフィニッシング処理の有無など)に合致するようにページデータを読み出し、また必要に応じて画像編集し、用紙上における画像位置の補正や、ユーザが希望する画像処理をし、処理済の画像データをIOTモジュール2側に送出する。
【0096】
これにより、フロントエンドプロセッサFEP部500と画像記録部としてのプリントエンジン30や定着器70などの出力側とが非同期の処理、バックエンドプロセッサBEP部600と出力側とは同期の処理となり、その差が画像記憶部602へのデータ格納と読出しとで相殺されるようになる。また、画像データの圧縮/伸張をする場合においても、フロントエンドプロセッサFEP部500における圧縮処理とバックエンドプロセッサBEP部600における伸張処理とは非同期の処理となる。つまり、第1実施形態の構成によれば、フロントエンドプロセッサFEP部500におけるRIP処理やその後の圧縮処理は、印刷ジョブ内容や画像記録部を構成するIOTコア部20や定着器70などの処理特性とは独立的に処理される。
【0097】
このように、第1実施形態の構成では、フロントエンドプロセッサFEP部500は、RIP処理部510にてページ記述言語からラスタライズされた(描画展開された)イメージデータは、疎の関係で結合されているバックエンドプロセッサBEP部600側へページ順に転送する。そしてそこまでは、RIPエンジンの性能次第に任せた処理としており、特にプリントエンジン側の処理速度(同期)や制御に依存する必要は一切ない。
【0098】
これらの処理は、プリンタコントローラとして機能する印刷制御部620が、フロントエンドプロセッサFEP部500から渡されたジョブチケットを解釈(デコード)し、あるいはGUI部80を介したユーザ指示を受けて、各部を制御することで実現される。
【0099】
ただし、圧縮イメージデータの圧縮率が規定圧縮率(本例では“1”)を超える場合、画像記憶部602への格納が可能でも、バックエンドプロセッサBEP部600がプリントエンジン30に追従して伸張処理や所定の画像処理をして、この処理後のイメージデータをプリントエンジン30に出力するということができず、プリントエンジン30が持つ処理能力を生かすことができなくなる。
【0100】
そこで、第1実施形態の構成においては、フロントエンドプロセッサFEP部500から受け取った圧縮イメージデータの圧縮率を監視して、その圧縮イメージデータについてプリントエンジン30に同期して伸張処理をし所望の画像処理をしてプリントエンジン30に出力できるかどうかを判定し、同期処理が不可の場合、すなわち圧縮率が規定値を超える場合にはイメージデータの再送をフロントエンドプロセッサFEP部500に要求する。
【0101】
たとえば先ず、ファイルサイズ制御部570は、標準的な画像を対象として圧縮処理をした後の圧縮イメージデータの圧縮率が予め定められている規定圧縮率に略等しくなるような圧縮パラメータ(前例ではQファクタ)をデフォルト値と定め、このデフォルト値を圧縮処理部530に設定する。
【0102】
規定圧縮率は、バックエンドプロセッサBEP部600およびプリントエンジン30として予め定められている標準的な能力のものを使用した場合において、それぞれの処理性能の関わりで、バックエンドプロセッサBEP部600にてプリントエンジン30に同期した処理が可能な圧縮率である。具体的には、66M/64ビットバスのバックエンドプロセッサBEP部600と80枚/分の印刷処理能力を有するプリントエンジン30との関係では“1”である。この規定圧縮率“1”が規定値登録部560にも登録される。
【0103】
圧縮処理部530は、RIP処理部510にて生成された各イメージデータに対して、先ずデフォルト値の圧縮パラメータを用いて圧縮処理をし、処理済の圧縮イメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600に送出する。
【0104】
次に、バックエンドプロセッサBEP部600は、フロントエンドプロセッサFEP部500との間でのデータの受け渡しの際に、再転送判定制御部680により圧縮イメージデータサイズを監視するとともに、通常はack(確認)信号のみをフロントエンドプロセッサFEP部500に通知する。
【0105】
たとえば、フロントエンドプロセッサFEP部500から圧縮イメージデータを受け取ると直ちに、サイズ情報抽出部682は、印刷ファイルの付加情報DSEL(たとえばヘッダ情報)から、受け取った圧縮イメージデータのデータサイズを示す情報を抽出する。
【0106】
図4は、印刷ファイルの付加情報DSELの一例を示す図である。ここでは、圧縮イメージデータとしてTIFF圧縮形式を使用した場合における印刷ファイルに記述される各ページのヘッダ情報の基本フォーマット例を示している。
【0107】
圧縮率を計算するために、先ずサイズ情報抽出部682は、TIFFファイルのヘッダ情報の“StripByteCounts ”から圧縮後の画像データサイズを、同様に“Image width×Image length”を計算することで圧縮前の画像データサイズを、それぞれ抽出する。これを参照して、圧縮率算出部683は、実際の圧縮率を算出する。
【0108】
同期可否判定部686は、バックエンドプロセッサBEP部600に接続されているプリントエンジン30との関わりで定まる規定圧縮率(本例では“1”)と、圧縮率算出部683が算出した実際の圧縮率とを照合する。具体的には、接続されているプリントエンジン30の規定圧縮率と圧縮イメージデータの実際の圧縮率の大小を比較する。
【0109】
規定圧縮率よりも計算で求めた実際の圧縮率の方が大きければ、受け取った圧縮イメージデータについては、プリントエンジン30との間での同期処理ができなくなるので、同期可否判定部686は、圧縮率が小さくなるような圧縮パラメータを用いて圧縮処理を再実行するように、フロントエンドプロセッサFEP部500のファイルサイズ制御部570に通知する。すなわち、圧縮率が規定値を越えたという旨の情報をフロントエンドプロセッサFEP部500に通知する。このとき、同期可否判定部686は、圧縮率算出部683が算出した実際の圧縮率についても、ファイルサイズ制御部570に通知する。
【0110】
同じ圧縮パラメータ(前例ではQファクタ)を用いていても、圧縮後の画像ファイルサイズは処理対象画像によって変わるので、実際の圧縮率がどのような値になるのかは、実際に圧縮処理をしてからでなければ分からないので、このような監視の手法を採っている。
【0111】
これを受けて、ファイルサイズ制御部570は、圧縮率がより小さくなるように、圧縮処理部530へ設定している圧縮パラメータを変更する。このとき、圧縮率算出部683が算出した実際の圧縮率を参照して、圧縮パラメータの変更の度合いを調整する。圧縮処理部530は、調整済みの圧縮パラメータを用いて圧縮処理を再実行し、処理済の圧縮イメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600に再転送する。
【0112】
バックエンドプロセッサBEP部600は、この圧縮率が調整された圧縮イメージデータを画像記憶部602に格納する。画像記憶部602は、先に取得した圧縮率調整前の圧縮イメージデータを破棄しもかまわない。次に、この圧縮メージデータについての印刷処理の際には、バックエンドプロセッサBEP部600は、圧縮率が調整された圧縮イメージデータを用いて伸張処理や所定の画像処理をしてから、プリントエンジン30に渡す。
【0113】
以上説明したように、第1実施形態の構成によれば、バックエンドプロセッサBEP部600側にて実際の圧縮率を監視し、実際の圧縮率が“1”を超えるとき、すなわち元の画像ファイルサイズよりも圧縮後の画像ファイルサイズの方が大きくなるときには、圧縮パラメータを変更して再度圧縮処理をし直してイメージデータを再送させ、画像記憶部602に保持しておくことができる。これにより、圧縮イメージデータサイズが自動的にリサイズされたデータ、すなわち圧縮率が調整されたデータが事前(そのページの印刷処理実行前)に画像記憶部602に保持される。
【0114】
よって、この圧縮率が調整されたページを処理対象とするときには、圧縮率が調整された圧縮イメージデータを画像記憶部602から読み出すことができるので、バックエンドプロセッサBEP部600がプリントエンジン30に追従してイメージデータをプリントエンジン30に出力することができるようになる。よって、ユーザが意識することなく、エンジン側の最大生産性を得ることができるようになる。
【0115】
図5は、DFE装置と画像形成装置1との間のデータの流れに着目した図であって、フロントエンドプロセッサFEP部500およびバックエンドプロセッサBEP部600の第2実施形態を示すブロック図である。
【0116】
この第2実施形態は、バックエンドプロセッサBEP部600側にて圧縮処理後のファイルサイズを監視し、圧縮処理後のファイルサイズが規定値よりも大きくなったときに、バックエンドプロセッサBEP部600に対して、圧縮パラメータを切り替えるように指示することで、ファイルサイズが規定値の範囲内となるイメージデータの再送を要求する形態のものである。
【0117】
実際の圧縮率を計算するのではなく、バックエンドプロセッサBEP部600がプリントエンジン30と同期した処理を可能なファイルサイズと直接に比較する点が第1実施形態と異なる。また、1つのフロントエンドプロセッサFEP部500が、複数のバックエンドプロセッサBEP部600の何れかをコントローラとして利用可能で、かつ1つのバックエンドプロセッサBEP部600に処理能力の異なる複数のプリントエンジンが接続される形態に対応する構成とした点が第1実施形態と異なる。
【0118】
先ず、バックエンドプロセッサBEP部600として、66M/64ビットバスのものと33M/32ビットバスのものが使用可能で、プリントエンジン30として、80枚/分の印刷処理能力を有する高速高機能のものと、これよりは印刷処理能力の劣るプルーファとが使用可能な形態で説明する。なお、フロントエンドプロセッサFEP部500の構成は、第1実施形態のものと同様である。
【0119】
バックエンドプロセッサBEP部600の再転送判定制御部680は、フロントエンドプロセッサFEP部500から伝達されるイメージデータを含む印刷ファイルから出力先エンジン種(ターゲットエンジン)を示す出力先情報を抽出する出力先情報抽出部681を備える。また、再転送判定制御部680は、バックエンドプロセッサBEP部600に接続済みのIOTコア部20(具体的にはプリントエンジン30)の処理能力に関する情報を各IOTコア部20から取得するエンジン能力情報取得部684を備える。
【0120】
先ず、フロントエンドプロセッサFEP部500の圧縮処理部530は、RIP処理部510にて生成された各イメージデータに対して、先ずデフォルト値の圧縮パラメータを用いて圧縮処理をし、処理済の圧縮イメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600に送出する。このとき、フロントエンドプロセッサFEP部500は、イメージデータの転送先であるエンジン種(ターゲットエンジ)を特定する出力先情報をイメージデータの付帯情報として、各ページごとに、そのイメージデータに対応付けて送る。
【0121】
一方、バックエンドプロセッサBEP部600においては、先ず、エンジン能力情報取得部684は、バックエンドプロセッサBEP部600に接続されている各プリントエンジン30についての処理能力に関する情報を取得しておく。また、同期可否判定部686は、エンジン能力情報取得部684が取得した各プリントエンジン30についての処理能力と、バックエンドプロセッサBEP部600の処理能力とを照合し、各プリントエンジン30の処理能力とバックエンドプロセッサBEP部600の処理能力との関わりで、バックエンドプロセッサBEP部600にてプリントエンジン30に同期した処理が可能な最大イメージサイズ(規定ファイルサイズ)を、それぞれのプリントエンジン30について計算する。そして、計算結果を図示しないメモリに格納する。この処理は、たとえばバックエンドプロセッサBEP部600が設けられているユーザインタフェース装置8のメイン電源が投入された直後に行なうとよい。
【0122】
次に、バックエンドプロセッサBEP部600の出力先情報抽出部681は、フロントエンドプロセッサFEP部500から送られてきた印刷ファイルのヘッダ情報に記述されている出力先情報を参照する。
【0123】
バックエンドプロセッサBEP部600にてプリントエンジン30に同期した処理が可能な規定圧縮率は、66M/64ビットバスのバックエンドプロセッサBEP部600と80枚/分の印刷処理能力を有するプリントエンジン30との関係では“1”、33M/32ビットバスのバックエンドプロセッサBEP部600と80枚/分の印刷処理能力を有するプリントエンジン30との関係では“0.5”となる。
【0124】
バックエンドプロセッサBEP部600の同期可否判定部686は、出力先として指定されたターゲットエンジンとの関係で、事前に求めておいた規定圧縮率に対応する規定ファイルサイズと、サイズ情報抽出部682が抽出した実際のファイルサイズの大小を比較する。
【0125】
ターゲットエンジンとの関わりにおける最大イメージサイズ(規定ファイルサイズ)よりも圧縮イメージデータサイズの方が大きければ、受け取った圧縮イメージデータについては、プリントエンジン30との間での同期処理ができなくなるので、同期可否判定部686は、データサイズが小さくなるような圧縮パラメータを用いて圧縮処理を再実行するように、フロントエンドプロセッサFEP部500のファイルサイズ制御部570に通知する。このとき、同期可否判定部686は、サイズ情報抽出部682が抽出した圧縮イメージデータサイズについても、ファイルサイズ制御部570に通知する。
【0126】
これを受けて、ファイルサイズ制御部570は、ファイルサイズがより小さくなるように、圧縮処理部530へ設定している圧縮パラメータを変更する。このとき、圧縮率算出部683から通知された実際のファイルサイズを参照して、圧縮パラメータの変更の度合いを調整する。
【0127】
以上説明したように、第2実施形態の構成によれば、バックエンドプロセッサBEP部600側にて実際のファイルサイズを監視し、実際のファイルサイズが規定ファイルサイズを超えるときには、圧縮パラメータを変更して再度圧縮処理をし直してイメージデータを再送させる。これにより、圧縮イメージデータサイズが自動的にリサイズされ、バックエンドプロセッサBEP部600がプリントエンジン30に追従してイメージデータをプリントエンジン30に出力することができるようになる。よって、ユーザが意識することなく、エンジン側の最大生産性を得ることができるようになる。
【0128】
加えて、フロントエンドプロセッサFEP部500が出力先として指定したターゲットエンジンに応じて、比較対象の規定ファイルサイズを自動的に切り替えて判定処理するので、多様なシステム構成にも柔軟に対応することができる。
【0129】
図6は、フロントエンドプロセッサFEP部500およびバックエンドプロセッサBEP部600の第3実施形態を示すブロック図である。この第3実施形態は、バックエンドプロセッサBEP部600からファイルサイズの小さなイメージデータの再転送を要求されたとき、フロントエンドプロセッサFEP部500は、低解像度でRIP処理をやり直すことで、圧縮イメージデータサイズを小さくするようにしたものである。バックエンドプロセッサBEP部600の構成は、第1実施形態のものと同様である。
【0130】
図示するように、フロントエンドプロセッサFEP部500のファイルサイズ制御部570は、バックエンドプロセッサBEP部600からデータの再送要求を受け付けたとき、RIP処理部510に対して、画像解像度(ここでは画像の縦/横のピクセル数)がより小さいイメージデータを生成するよう指示する。このとき、ファイルサイズ制御部570は、圧縮率算出部683が算出した実際の圧縮率を参照して、変更後の画像解像度を指示する。圧縮処理部530は、解像度変換された(解像度がより低下された)イメージデータに対して、解像度返還前の圧縮処理と同じ圧縮処理パラメータを用いて圧縮処理をし、バックエンドプロセッサBEP部600に送出する。
【0131】
この第3実施形態の構成によれば、バックエンドプロセッサBEP部600側にて実際の圧縮率を監視し、圧縮率が規定値を超えたイメージの場合に、フロントエンドプロセッサFEP部500側で画像解像度を変換(実際には縮小側のみ)して、解像度変換後の圧縮イメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600に再転送する。これにより、第1実施形態と同様に、圧縮イメージデータサイズが自動的にリサイズされ、バックエンドプロセッサBEP部600がプリントエンジン30に追従してイメージデータをプリントエンジン30に出力することができるようになる。よって、ユーザが意識することなく、エンジン側の最大生産性を得ることができるようになる。
【0132】
なお、この第3実施形態と第1実施形態とを組み合わせて、圧縮率が規定値を超えることを条件として、RIP処理部510にて解像度変換を実施するとともに、圧縮処理部530が使用する圧縮パラメータを切り替えるようにしてもかまわない。
【0133】
図7は、フロントエンドプロセッサFEP部500およびバックエンドプロセッサBEP部600の第4実施形態を示すブロック図である。線画や文字など主に2値で現される画像オブジェクト(以下線画文字オブジェクトLW(Line Work )という)と、背景部や写真部など主に多階調で表される画像オブジェクト(以下多階調画像オブジェクトCT(Continuous Tone )など、画像オブジェクトの特性に応じて、適応した処理とするようにした点が第1実施形態の構成と異なる。
【0134】
フロントエンドプロセッサFEP部500は、先ず基本的には、線画文字オブジェクトLWをLWレイヤに割り付けてLWレイヤのイメージデータとし、また多階調画像オブジェクトCTをCTレイヤに割り付けてCTレイヤのイメージデータとして、2つのレイヤのイメージデータを1つの印刷ファイルに纏めてバックエンドプロセッサBEP部600に転送する。
【0135】
そして、バックエンドプロセッサBEP部600側にて実際の圧縮率を監視し、圧縮率が規定値を超えたイメージの場合にはフロントエンドプロセッサFEP部500側へそれを通知する。フロントエンドプロセッサFEP部500側では、LW/CTレイヤに分離したイメージデータを、線画文字オブジェクトLWについても全てCTレイヤにのみ割り付ける処置を施した上で、CTレイヤのイメージデータのみをバックエンドプロセッサBEP部600へ転送する。以下、具体的に説明する。
【0136】
画像オブジェクトの特性に適応した処理とするため、先ずフロントエンドプロセッサFEP部500は、イメージデータ生成部の一例であるRIP処理部510により生成されたイメージデータを線画文字オブジェクトLWを表す線画データDLWおよび多階調画像オブジェクトCTを表す連続階調画像データDCTに分離した状態に展開するイメージデータ分離部520を備えている。
【0137】
そして、圧縮処理部530は、イメージデータ分離部520に対応して、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを個別に圧縮処理するため、それぞれイメージデータ分離部520により分離された、線画データDLWを圧縮処理するLW圧縮処理部532と、連続階調画像データDCTを圧縮処理するCT圧縮処理部534とを備える。
【0138】
ファイル転送部540は、LW圧縮処理部532により圧縮処理された線画データDLW1とCT圧縮処理部534により圧縮処理された連続階調画像データDCT1とをジョブチケットとともに1つの印刷ファイルに纏めてバックエンドプロセッサBEP部600にファイル転送する。
【0139】
ファイルサイズ制御部570は、各圧縮処理部532,534に対して、圧縮パラメータの一例であるQファクタ(圧縮指数)を、標準的な画像のときに、LW圧縮処理部532により圧縮処理された線画文字オブジェクトLWを表すLWレイアの圧縮イメージデータと、CT圧縮処理部534により圧縮処理された多階調画像オブジェクトCTを表すCTレイアの圧縮イメージデータとの合計の圧縮率が規定値以下となるように、2〜255の範囲で指定する。そして、バックエンドプロセッサBEP部600から再送を要求されたときには、ファイルサイズ制御部570は、線画文字オブジェクトLWについても全てCTレイヤにのみ割り付けるようイメージデータ分離部520に指示する。
【0140】
一方、バックエンドプロセッサBEP部600のファイル受信部601は、ファイル転送部540から転送された印刷ファイル(線画データDLW1、連続階調画像データDCT1、およびジョブチケットを含む)を受け取り、受け取った印刷ファイルを画像記憶部602に格納する。
【0141】
また、バックエンドプロセッサBEP部600の伸張処理部610は、フロントエンドプロセッサFEP部500の圧縮処理部530に対応して、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを個別に伸張処理するため、LW圧縮処理部532により圧縮処理された線画データDLW1を伸張処理するLW伸張処理部612と、CT圧縮処理部534により圧縮処理された連続階調画像データDCT1を伸張処理するCT伸張処理部614とを備える。
【0142】
また、バックエンドプロセッサBEP部600は、伸張処理部610の後段に、個別に伸張処理された線画データDLWおよび連続階調画像データDCTを結合するイメージデータ結合部の一例であるマージ部630を備えている。
【0143】
マージ部630は、線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとの解像度を合わせる機能部分としてLW解像度整合部632およびCT解像度整合部634を備え、さらに解像度が合わされた線画文字オブジェクトLWと多階調画像オブジェクトCTとを1つの画像に統合する(纏める)画像結合部636と、この統合された画像に対して網掛け処理をする網掛け処理部638とを備える。
【0144】
このマージ部630により処理されたデータは、図示しない中間調処理部にてスクリーン処理やハーフトーニング処理(疑似中間調処理)が施された後に、プリントエンジン30の光源(図示せず)に変調2値化信号として入力される。
【0145】
この第4実施形態の構成においては、先ずフロントエンドプロセッサFEP部500にて、ページ記述言語で記述されたPDLデータは、RIP処理部510に入力された後RIP処理されてラスタイメージに変換され、さらに後段のイメージデータ分離部520にて、線画データDLWおよび連続階調画像データDCTに分離される。分離された線画データDLWはLW圧縮処理部532に送られ、連続階調画像データDCTはCT圧縮処理部534に送られ、それぞれに適した方法で圧縮される。
【0146】
ここで、線画に適した圧縮方法としては、G3,G4,TIFF−IT8のBL(バイナリラインアート),JBIG(Joint Bi-level Image Group)などがあり、連続階調画像に適した圧縮方法としては、TIFF6.0のPackBit,JPEGなどがあり、共通の圧縮方法としてSH8,Lempel−Ziv,ハフマン符号化などがある。
【0147】
G3,G4,ハフマン符号化はファクシミリの分野で広く利用されている方法であり、ハフマン符号化は文字列の生起確率のバラツキを圧縮原理とするものである。
【0148】
JBIGは、伝送の初期の段階でラフではあるが全体画像を表示し、その後必要に応じて追加情報を加え、画品質の向上を図るプログレッシブビルドアップであり、白黒2値画像および中間調画像に対して統一的に適用できる。
【0149】
また、TIFF−IT8のBLはBLデータの各ラインを、背景色(黒)ランと前景色(白)ランのペアのシーケンスとして符号化するもので、各ラインは背景色ランで始まる。BLデータのランレングス符号化では2つの基本符号化構造が使用され、254画素までのランレングスを符号化するショート形式(8ビット長)を65,535画素までのランレングスを符号化するロング形式(24ビット長)があり、この2つの形式を混合使用できる。個々のラインンデータは2つのゼロのバイトで始まり、2つのゼロのバイトで終る。
【0150】
本実施形態においては、LW圧縮処理部532における圧縮よりもCT圧縮処理部534における圧縮の方が圧縮率が高まる(ファイルサイズをより小さくする)ように、異なる圧縮方式を採用する、もしくは同じ圧縮方式を採用する場合はCT圧縮処理部534の方が圧縮率が高まる圧縮パラメータを使用する。
【0151】
上述のようにして分離された線画データDLWは、LW圧縮処理部532で圧縮されて出力側(フロントエンドプロセッサFEP部600)のLW伸張処理部612に転送され、連続階調画像データDCTはCT圧縮処理部534で圧縮されて出力側(フロントエンドプロセッサFEP部600)のCT伸張処理部614に転送される。伸張処理部612,614は、それぞれの圧縮方法に合った方法でデータ伸長をし、データ伸長した線画データDLW2をマージ部630のLW解像度整合部632に、データ伸長した連続階調画像データDCT2をマージ部630のCT解像度整合部634に送る。
【0152】
LW解像度整合部632およびCT解像度整合部634は、2つの画像オブジェクトの解像度を合わせる。たとえば、連続階調画像データDCT2の解像度が400DPI(Dot Per Inch;1インチ当たりの画素数)で線画データDLW2の解像度1200DPIの場合、連続階調画像データDCT2を3倍拡大して2種類の画像オブジェクトの解像度を合せる。このようにLW解像度整合部632,634で解像度(DPI)を合せられた両データは、画像結合部114に送られ1つの画像データD2に統合される。統合された画像データD2は、さらに網掛け処理部638で網掛け処理される。
【0153】
図8は、線画データDLWと連続階調画像データDCTの分離を説明する図である。ここで、図8(A)は第1の方法を示す図、図8(B)は第2の方法を示す図である。また、図8(C)および図8(D)は、線画データDLWと連続階調画像データDCTとを1つの印刷ファイルに纏める際の、線画データDLWと連続階調画像データDCTの優先度合いを説明する図である。
【0154】
図8(A)に示す第1の方法は、PDLデータ(ページ記述言語データ)から画像データを抽出して連続階調画像データDCTとし、残りのデータを線画データDLWとする。
【0155】
また、図8(B)に示す第2の方法は、RIP処理部510とイメージデータ分離部520とが連携して処理する構成となっている。すなわち、PDLデータD0を画像の配置情報D6とともに前処理部512に入力し、前処理部512はPDLデータD0の内の線画オブジェクトに対して、RIP処理機能と線画文字オブジェクトLWの分離機能とを備えたLWラスタメージ処理部523でラスター化して線画データDLWとして出力する。
【0156】
そして、画像の配置情報D6は前処理部512をそのまま通過して画像配置処理部516に入力され、画像データD8も画像配置処理部516に入力され、画像配置されたデータが、RIP処理機能と多階調画像オブジェクトCTの分離機能とを備えたCTラスタメージ処理部525でラスター化され、連続階調画像データDCTとして出力される。または、LWラスタメージ処理部525を経ないで、連続階調画像データDCTとして出力される。
【0157】
何れの方式でも、分離された2つの画像データ(線画データDLWと連続階調画像データDCT)は、それぞれ別のレイアにイメージデータとして配置され、それぞれ独立に圧縮処理が施された後に、2レイヤ構造のデータとして1つの印刷ファイルに纏められる。ここで、線画データDLWは、階調画像を含まないパレットカラーまたは2値画像であり、連続階調画像データDCTは階調画像を含む階調データである。この連続階調画像データDCTは線画データDLWより解像度を低くしておいてもよい。
【0158】
ただし、線画データDLWがパレットカラーのときは、線画データの情報として最小限白/黒/透明を有する。そこでこの場合、図8(C)に示すように、線画データDLWが優先(上位)画像となる。また、線画データDLWが2値画像のときは透明の情報は持たず、連続階調画像データDCTに透明の情報を持つことになる。たとえば0=透明、1=白、…、255=黒である。この場合、図8(D)に示すように、連続階調画像データDCTが優先(上位)画像となる。
【0159】
以上のように、第4実施形態の構成によれば、フロントエンドプロセッサFEP部500のRIP処理部510から出力側であるバックエンドプロセッサBEP部600側に転送する画像データの圧縮において、線画文字オブジェクトLWおよび多階調画像オブジェクトCTに分離してそれぞれに適した圧縮方法を使用しているため、データの圧縮率を上げる(元のファイルサイズよりも小さくする)ことができる。
【0160】
たとえば、A2サイズの標準画像の場合、第1実施形態では270MBが67MBの圧縮であったが、16MBまで圧縮できる。また、PDLデータのラスタイメージ処理には時間が掛かるが、オブジェクト属性に応じて分離してから個々にラスタイメージ処理(ラスタライズ)をするようにすれば、RIP処理時間を短縮することもできる。
【0161】
ただし、画像によっては、圧縮率が規定値(本例では“1”)を超えることもある。このようなケースでは、バックエンドプロセッサBEP部600は、線画文字オブジェクトLWを表すLWレイアの圧縮イメージデータや多階調画像オブジェクトCTを表すCTレイアの圧縮イメージデータを画像記憶部602に格納することができても、プリントエンジン30に追従して伸張処理や所定の画像処理をして、この処理後のイメージデータをプリントエンジン30に出力することができず、プリントエンジン30が持つ処理能力をフルに生かすことができなくなる。
【0162】
そこで、この第4実施形態では、バックエンドプロセッサBEP部600は、LWレイアとCTレイアの各圧縮イメージデータの合計のファイルサイズの圧縮率を監視し、その圧縮率が予め定められている規定値よりも大きいときには、バックエンドプロセッサBEP部600に対して、図8(E)に示すように、線画文字オブジェクトLWについても多階調画像オブジェクトCTと同様に、全てCTレイヤにのみ割り付けて、線画文字オブジェクトLWおよび多階調画像オブジェクトCTの各画像オブジェクトが割り当てられた複合イメージデータ(CTレイア)のみの圧縮イメージデータを再送するようファイルサイズ制御部570に指示する。
【0163】
そして、バックエンドプロセッサBEP部600は、フロントエンドプロセッサFEP部500から再転送された線画文字オブジェクトLWおよび多階調画像オブジェクトCTの両者を表すCTレイアの圧縮イメージデータのみに基づいて伸張処理して元の画像を再生する。マージ部630の画像統合部636は、事実上、画像統合処理を行なう必要がない。
【0164】
この第4実施形態の構成によれば、バックエンドプロセッサBEP部600側にて、LWレイアおよびCTレイヤの合計のファイルサイズについての実際の圧縮率を監視し、圧縮率が規定値を超えた場合には、フロントエンドプロセッサFEP部500側で線画文字オブジェクトLWについてもCTレイアに割り付け直す処理を施した後にCTレイアのみについて圧縮処理をしてから、CTレイアのみの圧縮イメージデータをバックエンドプロセッサBEP部600に転送する。線画文字オブジェクトLWをCTレイアに割り付けて、線画文字オブジェクト用のLWレイヤを使用しないこととすれば、圧縮対象のイメージファイルサイズが小さくなる。
【0165】
これにより、線画文字オブジェクトLWをCTレイアに割り付けて圧縮してから転送するとともにLWレイアのイメージデータの転送を割愛すれば、伸張処理したときには線画文字オブジェクトLWの再現性がLWレイアで処理したときよりも劣る。しかし、変更前と同じ圧縮パラメータを使用していてもその対象がCTレイヤのみであり、第1実施形態と同様に、バックエンドプロセッサBEP部600に転送される圧縮イメージデータサイズが自動的にリサイズされるので、バックエンドプロセッサBEP部600がプリントエンジン30に追従してイメージデータをプリントエンジン30に出力することができるようになる。よって、ユーザが意識することなく、エンジン側の最大生産性を得ることができるようになる。
【0166】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0167】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0168】
たとえば、上記第3および第4実施形態では、第1実施形態に対しての変形例として説明したが、第2実施形態の構成に適用することも可能である。また、第1実施形態の構成において、第2実施形態のように、出力先として指定したターゲットエンジンの特性に応じて判定対象の規定圧縮率を切り替えてもよい。
【0169】
また、上記実施形態では、フロントエンドプロセッサは圧縮処理したイメージデータを逐次バックエンドプロセッサBEP部600側へ転送し、バックエンドプロセッサ側にてその圧縮イメージデータの圧縮率やファイルサイズが規定値を超えているか否かを監視し、それらが規定値を超えている場合には、ファイルサイズがより小さくなるような圧縮イメージデータの再転送をフロントエンドプロセッサFEP部500に要求する形態で説明したが、監視の手法はこのようなものに限るものではない。たとえば、圧縮イメージデータを生成するフロントエンドプロセッサFEP部500側自身にて監視してもかまわない。
【0170】
なお、前述の実施形態では、圧縮率に関わる規定値として、“1”や“0.5”を例に説明したが、この値は、バックエンドプロセッサBEP部600やプリントエンジン30の処理能力によってかわるもので、固定的なものではなく、システム構成要素の処理性能如何によって異なるものである。
【0171】
また、上記実施形態では、記録媒体上に可視画像を形成する主要部であるプリントエンジンとして電子写真プロセスを利用するものに対して、本発明を適用した事例を説明したが、本発明の適用範囲は、これに限定されない。たとえば感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいはその他の同様な従来の画像形成機構を備えたエンジンにより普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する構成の画像形成装置を備えた画像形成システムに本発明を適用し得る。
【0172】
また、上記実施形態では、画像形成装置として、電子写真プロセスを利用したプリントエンジンを備える印刷装置(プリンタ)を例に説明したが、画像形成装置は、これに限らず、カラー複写機やファクシミリなど、記録媒体上に画像を形成するいわゆる印刷機能を有するものであればよい。
【0173】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、フロントエンドプロセッサにて生成された圧縮イメージデータの圧縮率やファイルサイズが規定値を超えているか否かを監視し、それらが規定値を超えている場合には、ファイルサイズがより小さくなるような圧縮イメージデータをバックエンドプロセッサに再転送するようにした。
【0174】
これにより、圧縮後のファイルサイズが予め想定している規定値を超える場合でも、実際の印刷処理に先立って、バックエンドプロセッサがプリントエンジンに追従可能な圧縮イメージデータを記憶媒体に保持しておくことができる。
【0175】
よって、ユーザが意識することなく、プリントエンジンなどの画像記録部の持つ処理能力を十分に活かすことができるようになり、生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成システムの一実施形態を示す図である。
【図2】 イメージデータ生成機能を備えたDFE装置と、画像記録部の主要部をなすプリントエンジンとの間にバックエンドプロセッサを配する場合のシステム構成例を示す図である。
【図3】 フロントエンドプロセッサFEP部およびバックエンドプロセッサBEP部の第1実施形態を示すブロック図である。
【図4】 TIFF圧縮形式を使用した場合における印刷ファイルの付加情報DSELの一例を示す図である。
【図5】 フロントエンドプロセッサFEP部およびバックエンドプロセッサBEP部の第2実施形態を示すブロック図である。
【図6】 フロントエンドプロセッサFEP部およびバックエンドプロセッサBEP部の第3実施形態を示すブロック図である。
【図7】 フロントエンドプロセッサFEP部およびバックエンドプロセッサBEP部の第4実施形態を示すブロック図である。
【図8】 線画データDLWと連続階調画像データDCTの分離を説明する図である。
【図9】 従来の画像形成システムの概略を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…IOTモジュール、5…フィードモジュール、7…出力モジュール、8…ユーザインタフェース装置、9…連結モジュール、20…IOTコア部、30…プリントエンジン、31…光走査装置、32…感光体ドラム、39…電気系制御収納部、43…中間転写ベルト、45…2次転写部、70…定着器、80…GUI部、500…フロントエンドプロセッサFEP部、502…データ格納部、510…RIP処理部、516…画像配置処理部、520…イメージデータ分離部、523…LWラスタイメージ処理部、525…CTラスタイメージ処理部、530…圧縮処理部、532…LW圧縮処理部、534…CT圧縮処理部、540…ファイル転送部、560…規定値登録部、570…ファイルサイズ制御部、600…バックエンドプロセッサBEP部、601…ファイル受信部、602…画像記憶部、610…伸張処理部、612…LW伸張処理部、614…CT伸張処理部、620…印刷制御部、630…マージ部、632…LW解像度整合部、634…CT解像度整合部、636…画像結合部、638…網掛け処理部、680…再転送判定制御部、681…出力先情報抽出部、682…サイズ情報抽出部、684…エンジン情報取得部、686…同期可否判定部
Claims (11)
- 印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成部および当該イメージデータ生成部により生成されたイメージデータを圧縮処理する圧縮処理部を備えたフロントエンドプロセッサと、前記フロントエンドプロセッサから送付された各ページの圧縮イメージデータを受け取り伸張処理した後に前記画像記録部へ送出して前記画像記録部を制御するバックエンドプロセッサとから構成されている画像形成システムであって、
前記フロントエンドプロセッサは、
前記印刷データを構成する画像オブジェクトの属性ごとにイメージデータを生成するとともに、それぞれのイメージデータごとに前記圧縮処理を実行し、
圧縮処理された前記圧縮イメージデータの圧縮率が予め定められている規定値を超えるか否かを監視し、
各属性の前記圧縮イメージデータの総合の前記圧縮率が前記規定値を超えることを条件として、前記圧縮イメージデータのファイルサイズがより小さくなるように、前記画像オブジェクトのうちの一方の画像オブジェクトを、前記画像オブジェクトのうちの他方の画像オブジェクトが割り当てられるイメージデータに割り当てて、
前記一方および前記他方のそれぞれの画像オブジェクトが割り当てられた複合イメージデータに対して圧縮処理を再実行し、この圧縮処理後の複合イメージデータをバックエンドプロセッサに送出する
ことを特徴とする画像形成システム。 - 前記バックエンドプロセッサが前記監視の処理を実行し、前記圧縮率が前記規定値を超えることを条件として、前記再実行を前記フロントエンドプロセッサに要求することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
- 前記フロントエンドプロセッサは、前記画像記録部とは独立的に前記イメージデータを生成するものであり、
前記バックエンドプロセッサは、前記フロントエンドプロセッサにて前記画像記録部とは独立的に処理されたイメージデータを受け取り前記画像記録部に依存した処理をしてから、処理済の前記イメージデータを前記画像記録部に送出するよう制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理システム。 - 前記フロントエンドプロセッサと前記バックエンドプロセッサとの間の電気信号の伝送は、前記画像記録部に対して非依存の通信インタフェースで構築されており、
前記バックエンドプロセッサと前記画像記録部との間の電気信号の伝送は、前記画像記録部に依存した通信インタフェースで構築されている
ことを特徴とする請求項1から3のうち何れか1項に記載の画像形成システム。 - 印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成部および当該イメージデータ生成部により生成されたイメージデータを圧縮処理する圧縮処理部を備えたフロントエンドプロセッサと画像を所定の記録媒体上に記録する画像記録部との間に配されて使用されるバックエンドプロセッサであって、前記フロントエンドプロセッサからの各ページの圧縮イメージデータを受け取り前記画像記録部へ送出して前記画像記録部を制御するバックエンドプロセッサにおいて、
前記フロントエンドプロセッサにて前記圧縮処理が施された圧縮イメージデータを受け取るイメージファイル受信部と、
前記イメージファイル受信部が受信した圧縮イメージファイルを保持する画像記憶部と、
前記フロントエンドプロセッサにて前記圧縮処理が施された前記圧縮イメージデータの圧縮率が予め定められている規定値を超えるか否かを監視し、前記圧縮率が前記規定値を超えることを条件として、前記圧縮イメージデータのファイルサイズがより小さくなるように、前記イメージデータの生成および前記圧縮処理の少なくも一方を再実行し、この処理後の圧縮イメージデータを送出するよう前記フロントエンドプロセッサを制御する再転送判定制御部とを備え、
前記イメージファイル受信部は、前記印刷データを構成する画像オブジェクトの属性ごとに生成および前記圧縮処理された圧縮イメージデータを受け取り、
前記再転送判定制御部は、各属性の前記圧縮イメージデータの総合の前記圧縮率が前記規定値を超えることを条件として、前記画像オブジェクトのうちの一方の画像オブジェクトを、前記画像オブジェクトのうちの他方の画像オブジェクトが割り当てられるイメージデータに割り当てて、前記一方および前記他方のそれぞれの画像オブジェクトが割り当てられた複合イメージデータに対して前記圧縮処理を再実行し、この圧縮処理後の複合イメージデータを送出するよう、前記フロントエンドプロセッサを制御し、
前記再実行された複合イメージデータを前記画像記憶部に保持することを特徴とするバックエンドプロセッサ。 - 前記イメージファイル受信部は、前前記フロントエンドプロセッサにて前記画像記録部とは独立的に処理された前記圧縮イメージデータを受け取るものであり、
前記イメージファイル受信部が受信した前記圧縮イメージデータに対して、前記画像記録部に依存した処理をしてから、処理済の前記イメージデータを前記画像記録部に送出するよう制御する印刷制御部を備えた
ことを特徴とする請求項5に記載のバックエンドプロセッサ。 - 前記画像記録部に非依存の通信インタフェースにより前記フロントエンドプロセッサとの間の電気信号の伝送を採るフロントエンド側のインタフェース部と、
前記画像記録部に依存した通信インタフェースにより前記画像記録部との間の電気信号の伝送を採る出力側のインタフェース部と
を備えていることを特徴とする請求項5または6に記載のバックエンドプロセッサ。 - 印刷ジョブを処理して各ページのイメージデータを生成するイメージデータ生成部および当該イメージデータ生成部により生成されたイメージデータを圧縮処理する圧縮処理部を備え、前記圧縮処理済の圧縮イメージデータをバックエンドプロセッサに送出し、画像を所定の記録媒体上に記録する画像記録部に前記圧縮イメージデータに基づくイメージデータを送出させるフロントエンドプロセッサであって、
前記圧縮イメージデータの圧縮率が予め定められている規定値を超えることを条件として、前記圧縮イメージデータのファイルサイズがより小さくなるように、前記イメージデータの生成および前記圧縮処理の少なくも一方を再実行し、この処理後の圧縮イメージデータを前記バックエンドプロセッサに送出するよう制御するファイルサイズ制御部を備え、
前記イメージデータ生成部は、前記印刷データを構成する画像オブジェクトの属性ごとに前記イメージデータを生成し、
前記圧縮処理部は、前記イメージデータ部により生成されたそれぞれの属性の前記イメージデータに対して前期圧縮処理を施し、
前記ファイルサイズ制御部は、各属性の前記圧縮イメージデータの総合の前記圧縮率が前記規定値を超えることを条件として、前記画像オブジェクトのうちの一方の画像オブジェクトを、前記画像オブジェクトのうちの他方の画像オブジェクトが割り当てられるイメージデータに割り当てるよう前記イメージデータ生成部を制御するとともに、前記一方および前記他方のそれぞれの画像オブジェクトが割り当てられた複合イメージデータに対して前記圧縮処理を実行するよう前記圧縮処理部を制御する
ことを特徴とするフロントエンドプロセッサ。 - 前記圧縮処理が施された前記圧縮イメージデータの圧縮率が予め定められている規定値を超えるか否かを監視する監視部を備えていることを特徴とする請求項8に記載のフロントエンドプロセッサ。
- 前記イメージデータ生成部は、前記画像記録部とは独立的に前記イメージデータを生成することを特徴とする請求項8または9に記載のフロントエンドプロセッサ。
- 前記画像記録部に非依存の通信インタフェースにより前記バックエンドプロセッサとの間の電気信号の伝送を採るバックエンド側のインタフェース部を備えていることを特徴とする請求項8から10のうちの何れか1項に記載のフロントエンドプロセッサ。
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