JP3846315B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機に係わり、より詳細には、下面の前後に区画された吹出口の一方にのみ左右風向板群を設けて風向を偏向することにより、部品点数を削減すると共に風損を低減できるようにした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の壁掛け式の空気調和機は、例えば特開平11ー201488号公報に記載されているように、本体の上部を仕切壁により前後に区画し、仕切壁後方の本体上面に第1の吸込口と、本体前面中央部に第2の吸込口を設け、第2の吸込口の下方に第1の吹出口を、上方に第2の吹出口を設け、第1の吸込口を臨ませて第1の室内熱交換器を設け、第1の室内熱交換器の下部に第1の送風ファンを設け、第2の吸込口に臨ませて第2の室内熱交換器を設け、第1の室内熱交換器の下部に第1の露受皿を設け、第2の室内熱交換器の下部に第2の露受皿を設け、第1の吹出口に回動自在に第2の風向板を設けた構成となっていた。
【0003】
すなわち、暖房運転時に前記第2の室内熱交換器が蒸発器として作用し、発生した凝縮水は前記第2の露受皿で受けられた後、水路により前記第1の室内熱交換器の下部熱交換器の前面側に導かれ、前記第1の吹出口から水分が室内に戻され、室内の乾燥を防止するようになっている。
【0004】
しかしながら、前記第1の吹出口および前記第2の吸込口における左右方向の風向を偏向する際、これら第1の吹出口および第2の吸込口に左右風向板群を夫々設けることになってしまうことから、部品点数を削減し且つ風損を低減できるようにするため、何れか一方の吹出口にのみ左右風向板群を設けることによって風向を偏向できるようにすることが望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、下面の前後に区画された吹出口の一方にのみ左右風向板群を設けて風向を偏向することにより、部品点数を削減すると共に風損を低減できるようにした空気調和機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、本体の前面上部および上面に設けられた吸込口と、下面の前部に設けられた吹出口と、これら吸込口と吹出口とを結ぶ空気通路に設けられ、同空気通路の下位部および前記吹出口を前後に区画し、第一空気通路と第二空気通路とを形成する仕切体と、前記第一空気通路に設けられ、逆V字状に折曲された第一熱交換器および第一送風ファンと、前記第二空気通路に設けられ、逆V字状に折曲された第二熱交換器および第二送風ファンとで構成され、
前記第一空気通路および前記第二空気通路が、前記第一送風ファンを収容した第一ファンケーシングおよび前記第二送風ファンを収容した第二ファンケーシングと、前後に区画された前記吹出口とを夫々略平行に結ぶ第一エアガイダおよび第二エアガイダからなり、これら第一エアガイダまたは第二エアガイダの何れか一方に、左右方向の風向を偏向する左右風向板群を設けた構成となっている。
【0007】
また、前記第一送風ファンおよび前記第二送風ファンと、前記第一エアガイダおよび前記第二エアガイダとが、ほぼ同一の寸法および形状で形成された構成となっている。
【0008】
また、前記第一送風ファンが、冷房運転時に前記第二送風ファンよりも高速で回転するようにした構成となっている。
【0009】
更に、前記第一送風ファンが、暖房運転時に前記第二送風ファンよりも低速で回転するようにした構成となっている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
図1は本発明による空気調和機の一実施例を示す断面図であり、図2は本発明による空気調和機の他の実施例を示す断面図である。
【0011】
本発明による空気調和機は、一実施例として図1で示すように、本体の前面上部および上面には、室内空気と吸い込む吸込桟を備えた吸込口1が設けられ、前方に行くに従い上方に湾曲する下面の前部には、熱交換された空気を室内に吹き出す吹出口2が設けられている。
【0012】
そして、前記吸込口1と前記吹出口2とを結ぶ空気通路は、同空気通路の下位部および前記吹出口2を前後に区画する仕切体3によって、第一空気通路と第二空気通路とに区画されている。
【0013】
前記仕切体3により本体内の前部に区画された前記第一空気通路には、側面視で逆V字状に折曲形成された第一熱交換器4および第一ファンケーシング11に収容された第一送風ファン5が順次設けられると共に、本体内の後部に区画された前記第二空気通路には、側面視で逆V字状に折曲形成された第二熱交換器6および第二ファンケーシング12に収容された第二送風ファン7が順次設けられている。
【0014】
また、前記第一熱交換器4の前端下部には第一露受皿8が設けられ、前記第一熱交換器4の後端下部および前記第二熱交換器6の前端下部には第二露受皿9が設けられ、前記第二熱交換器6の後端下部には第三露受皿10が設けられた構成となっている。
【0015】
そして、前記第一空気通路および前記第二空気通路が、前記第一ファンケーシング11および前記第二ファンケーシング12と、前後に区画された前記吹出口2とを夫々略平行に結ぶ第一エアガイダ13および第二エアガイダ14からなり、前記第一エアガイダ13に、左右方向の風向を偏向する左右風向板群15を設けた構成となっている。
【0016】
または、他の実施例として図2で示すように、前記第二エアガイダ14に、左右方向の風向を偏向する左右風向板群15を設けた構成となっている。
なお、図2で示す他の実施例は、前記左右風向板群15が前記第二エアガイダ14に設けられた構成以外については、図1に基づいて上記に説明した一実施例における構成と同一である。
【0017】
以上の構成により、次にその動作について説明をする。
本発明による空気調和機は、とくに逆V字状に折曲した前記第一熱交換器4および前記第二熱交換器6を前後に設けたことにより、また、これら第一熱交換器4および第二熱交換器6により熱交換された空気を効率よく吹き出すため、前記第一送風ファン5および前記第二送風ファン7と、これらに対応する夫々の吹出口2を本体下面の前後に区画して設けたことによって熱交換能力を大幅に向上させることができるようになり、上下寸法を大型化させることなく、コンパクト性を維持したまま省エネルギ化および低騒音化を大幅に促進できるようになっている。
【0018】
なお、前記第一送風ファン5および前記第二送風ファン7と、前記第一エアガイダ13および前記第二エアガイダ14とが、ほぼ同一の寸法および形状で形成された構成となっているので、前記第一熱交換器4および前記第二熱交換器6で夫々熱交換された空気を均等に、且つ多量に送出できるようになっている。
【0019】
次に、図1に基づき上記に説明した一実施例のように、前記第一エアガイダ13に、左右方向の風向を偏向するための前記左右風向板群15を設けたことにより、同左右風向板群15が設けられた前記前部の吹出口2における左右方向の風向が偏向されるのに伴って、前記後部の吹出口2における吹出空気が誘引されて風損を生じさせることなく風向を偏向できるようになる。
【0020】
すなわち、例えば図1で示す構成で冷房運転を行った際、前記吸込口1から吸い込まれ、前記第一熱交換器4で熱交換され、前記第一送風ファン5によって前記前部の吹出口2に送出された冷気流が、前記左右風向板群15により左右方向に偏向されることになる。
【0021】
そして、前記吸込口1から吸い込まれ、前記第二熱交換器6で熱交換され、前記第二送風ファン7によって前記後部の吹出口2に送出された冷気流が、前記左右風向板群15により左右方向に偏向された吹出冷気流に誘引されて偏向されることになる。
【0022】
これにより、前記後部の吹出口2には前記左右風向板群15を設ける必要がなくなって部品点数を削減できると共に、風損を生じさせることなく、前記後部の吹出口2における左右方向の風向を誘引させることで容易に偏向できるようになる。
【0023】
その際、前記第一送風ファン5を、前記第二送風ファン7よりも高速で回転させることにより、前記後部の吹出口2における左右方向の風向が更に効果的に誘引されることになる。
【0024】
または、例えば他の実施例として図2で示す構成で暖房運転を行った際、前記吸込口1から吸い込まれ、前記第二熱交換器6で熱交換され、前記第二送風ファン7によって前記後部の吹出口2に送出された暖気流が、前記左右風向板群15により左右方向に偏向されることになる。
【0025】
そして、前記吸込口1から吸い込まれ、前記第一熱交換器4で熱交換され、前記第一送風ファン5によって前記後部の吹出口2に送出された暖気流が、前記左右風向板群15により左右方向に偏向された吹出暖気流に誘引されて偏向されることになる。
【0026】
これにより、前記前部の吹出口2には前記左右風向板群15を設ける必要がなくなって部品点数を削減できると共に、風損を生じさせることなく、前記前部の吹出口2における左右方向の風向を誘引させることで容易に偏向できるようになる。
【0027】
その際、前記第一送風ファン5を、前記第二送風ファン7よりも低速で回転させることにより、前記前部の吹出口2における左右方向の風向が更に効果的に誘引されることになる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、下面の前後に区画された吹出口の一方にのみ左右風向板群を設けて風向を偏向することにより、部品点数を削減すると共に風損を低減できるようにした空気調和機となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気調和機の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明による空気調和機の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 吸込口
2 吹出口
3 仕切体
4 第一熱交換器
5 第一送風ファン
6 第二熱交換器
7 第二送風ファン
8 第一露受皿
9 第二露受皿
10 第三露受皿
11 第一ファンケーシング
12 第二ファンケーシング
13 第一エアガイダ
14 第二エアガイダ
15 左右風向板群
Claims (4)
- 本体の前面上部および上面に設けられた吸込口と、下面の前部に設けられた吹出口と、これら吸込口と吹出口とを結ぶ空気通路に設けられ、同空気通路の下位部および前記吹出口を前後に区画し、第一空気通路と第二空気通路とを形成する仕切体と、前記第一空気通路に設けられ、逆V字状に折曲された第一熱交換器および第一送風ファンと、前記第二空気通路に設けられ、逆V字状に折曲された第二熱交換器および第二送風ファンとで構成され、
前記第一空気通路および前記第二空気通路が、前記第一送風ファンを収容した第一ファンケーシングおよび前記第二送風ファンを収容した第二ファンケーシングと、前後に区画された前記吹出口とを夫々略平行に結ぶ第一エアガイダおよび第二エアガイダからなり、これら第一エアガイダまたは第二エアガイダの何れか一方に、左右方向の風向を偏向する左右風向板群を設けてなることを特徴とする空気調和機。 - 前記第一送風ファンおよび前記第二送風ファンと、前記第一エアガイダおよび前記第二エアガイダとが、ほぼ同一の寸法および形状で形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
- 前記第一送風ファンが、冷房運転時に前記第二送風ファンよりも高速で回転するようにしてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
- 前記第一送風ファンが、暖房運転時に前記第二送風ファンよりも低速で回転するようにしてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
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