JP3845719B2 - メソ−置換ポルフイリン誘導体化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メソ−置換ポルフイリン誘導体化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポルフイリンは、周期律表の殆どの金属と金属錯体を形成することが知られている。とりわけ、Fe(II),Co(II),Mn(II),Mg(II),Zn(II)などの金属と結合して形成される金属錯体はよく知られているところであり、これらの中には天然物として存在し、生体内でも重要な役割を果たしていることも知られている。
ポルフイリン金属錯体は、広範囲の金属触媒レドックス反応に用いられている。金属レドックスとしての特性は、ポルフイリンの外部置換基に基づく電子効果により影響を受ける。このようなことからポルフイリンの置換体を合成することによる応用研究が進められている。このようことを背景にして、複雑なポルフイリン誘導体が特に注目されている。具体的には、光合成を模倣する反応、長鎖電子移動反応、オプトエレクトロニクスデバイスに用いられる合成レセプター及び液体膜集合体に用いられる合成ポルフイリンの光センサーなどを取り扱う鍵となる構造部分との関連において複雑なポルフイリン誘導体が特に興味が持たれている。
従来、反応式(1)で表されるジピロメタンと2種類のアルデヒドを反応させるマクドナルド型2+2クロス縮合反応によるメソ−置換ポルフイリン誘導体を製造方法が知られている。
【化5】
前記反応式から明らかなように、この反応によれば、目的生成物であるポルフイリンは混合物として得られるにすぎない。そして、目的生成物であるトランス−ポルフイリンの収率も低い。また、生成物の分離精製は困難であった。
縮合反応における反応生成物が混合物となる現象は、ポルフイリンの前駆体となるポルフイリノーゲンの生成に先立って起こると考えられる。ここで、カルボキシル基を有するポルフイリンは、アミノリンカーによって結合されているポルフイリンからなる光素子として線形置換構造体として有用であることに注目したことによるものであり、その観点から原料物質として、構造式( 1 )で表される4’−ホルミル−4−ビフエニルカルボキシレート及び構造式( 2 )で表されるメソ−(3,5−ジ−tert−ブチルフエニル)−2,2’−ジピロメタンを選択したものである。前者の物質は既知であり(J.Chem.Soc.,1965.100.)、この記載に従って、製造することができる。また、後者はポルフイリンに対する溶解度を向上させることができることによるものである。
【化6】
【化7】
そして、この縮合反応の後に、クロラニル及び酢酸金属塩と反応させて目的生成物である金属メソ−置換ポルフイリンを製造している。
ところで、前段階であるマクドナルド型反応で得られる反応生成物には、しばしば、目的とするポルフイリンを含有するポルフリンの混合物として得られこととなる。ポルフイリン化学の研究分野の一部門として広範囲の機能を有するポルフイリンの合成に関して、本発明者らは、研究し続けてきたところであるが、このような場合において得られる生成物中に副生成物が少ないことが好ましい。
通常、こられの生成物の分離は困難である。これらの混合物は、このようなことから、ジピロメタン及びアリルアルデヒドからメソー置換ポルフイリンを得る際に、できるだけ高収率で目的生成物(トランスーポルフイリン)を得ること、そして、混合物を含まない状態で得られることが望まれ、この製造方法について研究を進めた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、目的生成物であるメソー置換ポルフイリンを、不規則な縮合生成物を生ずることなく、分離しやすい状態で、一段階で、反応生成物として得ることができる製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、以下の反応について試みた。
構造式(1)で示されるジピロメタン、構造式(2)で示される4−ホルミル−4−ビフエニルカルボキシレート及び構造式(3)で示される4−フロロベンズアルデヒドをジクロロメタンに溶解させたトリクロロ酢酸の存在下に反応させて、クロラニルを添加した後、さらに酢酸亜鉛を添加して、構造式(4)、(5)、(6)、(7)、(8)及び(9)で示されるメソ−置換ポルフイリン誘導体化合物を、3%、13%、12%、微量、10%、10%の割合で得ることができる。反応式は以下に示すとおりである。
【化8】
構造式(6)の化合物については、4−ベンズアルデヒドによる再結合が起こり、混成物が得られることとなる。構造式(7)の化合物については、ジピロメタンと4−フロロベンズアルデヒドの直接反応によっては形成されていないことがわかる。メソ−(4−フロロフエニル)−2,2’−ジピロメタン(構造式(10) )及び3,5−ジ−tert−ブチルベンズアルデヒド(構造式(15))が低い収率ではあるが得られた。構造式(10)の化合物の分析結果から、既存データとの同一を確認した。構造式(7)の化合物の生成過程は明確ではないが、4−フロロベンズアルデヒド、ジピロメタン及び構造式(10)の化合物の縮合によって、ポルフイリン(構造式(8))を生成すると考えられる。不思議なことに、トリス−、テトラキス−ビフエニル置換ポルフイリンは得られていない。
【0005】
次に、ポルフイリン収率が最高になる状態において混成が起こらない反応条件を検討するために、芳香族アルデヒドが置換基を有する場合の反応に与える影響を検討した。
この反応は、構造式(1)で示されジピロメタンと電子吸引性基を有する3種類のアルデヒドを反応させた場合を検討したものである。
構造式(1)で示されるジピロメタン、及び構造式(3)で示されるアルデヒドでは、構造式(4)、(5)、(6)及び(7)の生成物が各々が5%、12%、24%及び微量であった。構造式(11)及び(12)で示される電子吸引性の基を有する化合物の電子吸引性の基として、ニトロ基及び塩素原子をあげた。反応結果は以下に示すとおりである。
【化9】
これらの化合物を構造式(1)のジピロメタンと反応させることにより得られる生成物は4種類のポルフイリンの混合物であり、カラムクロマトグラフイ−により注意深く分析した後でも、分離することが困難であった。
【0006】
次に以下の実験を行った。この反応によると、得られる反応生成物の種類が限られ、また分離精製が容易であることを見いだした。即ち、電子吸引性基を有しないアリルアルデヒド化合物と構造式(1)で示されるジピロメタンと反応させると2種類又は3種類のポルフイリンが得られ、混成はみられず、かつ分離精製が容易であるということである。具体的には、構造式(1)で示されるジピロメタンと構造式(2)で示されるアルデヒド及び構造式(15)で示される3,5−ジ−tertーブチルベンズアルデヒドを、ジクロロメタンに溶解させたトリクロロ酢酸の存在下に反応させると、混成はおこらず、3種類のメソ置換ポルフイリン(構造式(4)、構造式(8)及び構造式(13)からなる生成物であり、その割合は各々21%、19%及び15%)が、高収率で得られる。
【0007】
この知見に基づいて以下の発明を完成された。
(1)構造式(1)で示されるジピロメタンと電子吸引性の基を有しない芳香族アルデヒドを、ジクロロメタンに溶解させたトリクロロ酢酸の存在下に反応させて、クロラニルを加えた後、酢酸亜鉛を添加して、メソ−置換ポルフイリン亜鉛化合物を製造することを特徴とするメソ−置換ポルフイリン亜鉛化合物の製造方法。
【化10】
(2)前記電子吸引性の基を有しない芳香族アルデヒドは、構造式(2)で示されるアルデヒドであり、メソ−置換ポルフイリン誘導体化合物が構造式(8)及び構造式(13)で示されることを特徴とするメソ−置換ポルフイリン誘導体化合物の製造方法。
【化11】
(13)前記電子吸引性の基を有しない芳香族アルデヒドは構造式(14)で示されるアルデヒド、及び構造式(15)で示される3,5−ジ−tert−ブチルベンズアルデヒドであり、メソ−置換ポルフイリン誘導体化合物が一般式(4)、(16)及び(17)で示されるメソ−置換ポルフイリン誘導体化合物であることを特徴とするメソ−置換ポルフイリン誘導体化合物の製造方法。
【化12】
(14)前記電子吸引性の基を有しない芳香族アルデヒドは構造式(2)で示されるアルデヒド、及び構造式(15)で示される3,5−ジ−tert−ブチルベンズアルデヒドであり、メソ−置換ポルフイリン誘導体化合物が構造式(4)、(8)及び構造式(13)で示される化合物であることを特徴とするメソ−置換ポルフイリン誘導体化合物の製造方法。
【化13】
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、ジピロメタンと電子吸引性の基を有しない芳香族アルデヒド化合物を反応させて目的とするメソ置換ポルフイリンを製造するものである。この反応は液相中で行い、ジクロロメタンに溶解させたトリクロロ酢酸の存在下に行う。このようにすることにより、目的とするメソ置換ポルフイリンが混成を生ずることなく得られる。この反応に続き、クロラニルを加えた後、酢酸亜鉛を添加して、メソ−置換ポルフイリン亜鉛化合物を製造する。
この反応において、用いる芳香族アルデヒドとして電子吸引性の基を有しないものであること、及び反応中にジクロロメタンに溶解させたトリクロロ酢酸を存在させることが重要である。電子吸引性の基を有しない芳香族アルデヒドとは、4’−ホルミル−4−ビフエニルカルボキシレート、3,5−ジ−アルキル−ベンズアルデヒド、3,5−ジ−tert−ブチルベンズアルデヒドをあげることができる。
【0009】
本発明のメソ−置換ポルフイリンの製造方法は、以下の通りである。
第1の方法は、以下の通りである
構造式(1)で示されるジピロメタン、構造式(2)で示されるアルデヒドを、ジクロロメタンに溶解させたトリクロロ酢酸の存在下に反応させ、次にクロラニル及び酢酸亜鉛と反応させて、構造式(8)及び構造式(13)で示されるメソ−置換ポルフイリン誘導体化合物を製造する。反応式は以下の通りである。
【化14】
【0010】
第2の反応は以下の通りである。
構造式(1)で示されるジピロメタン、構造式(14)で示されるアルデヒド、及び構造式(15)で示される3,5−ジ−tert−ブチルベンズアルデヒドを、ジクロロメタンに溶解させたトリクロロ酢酸の存在下に反応させて、ついで、クロラニル及び酢酸亜鉛と反応させて、構造式(4)、構造式(16)及び構造式(17)で示されるメソ−置換ポルフイリン誘導体化合物を製造する。反応式は以下の通りである。
【化15】
【0011】
第3の反応は以下の通りである。
構造式(1)で示されるジピロメタン、構造式(2)で示されるアルデヒド、及び構造式(15)で示される3,5−ジ−tert−ブチルベンズアルデヒドを、ジクロロメタンに溶解させたトリクロロ酢酸の存在下に反応させて、ついで、クロラニル及び酢酸亜鉛と反応させて、構造式(4)、構造式(8)及び構造式(13)で示されるメソ−置換ポルフイリン誘導体化合物を製造する。反応式は以下の通りである。
【化16】
【0012】
【実施例】
以下に、反応の具体例を実施例として示す。本発明はこれに限定されるものではない。生成物の 融点は、毛細管に充填されている状態で、電子熱融点測定装置により測定された結果であり、未修正のものである。紫外可視スペクトルは、Shimadzu UV−3101PCスペクトルメーターによって測定されたものである。定常状態の蛍光スペクトルは、Shimazu RF−5301PCにより測定する。1H NMR スペクトルは、Varian XL−300スペクトルメーターにより測定したものである。化学シフト(δ)は、ppmにより記録されている。FABマススペクトルは、JEOL−DX303により記録した。用いた化学試薬は特級であり、精製することなく用いた。ジクロロメタンは、水素化カルシウムを加え蒸留した。すべての反応はアルゴン雰囲気下に行ったものである。
【0013】
比較例1
構造式(1)で示されるジピロメタン180mg(0.54モル)、構造式(2)で示されるアルデヒド69mg(0.27モル)及び構造式(3)で示されるアルデヒド33mg(0.27モル)を、ジクロロメタン70mlに溶解し、10mlに溶解させたトリクロロ酢酸50mg(0.30モル) を添加し、混合物を17時間アルゴン雰囲気下に撹拌しながら、反応させた。次に、5mlのジクロロメタンに溶解させたクロラニル420mg(1.76モル)を添加し、さらに3時間反応を継続した。終了後、炭酸ナトリウム水溶液及び水により洗浄した。反応で得られた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶剤を除去し、残滓をジクロロメタン50mlに溶解させ、メタノールに溶解させた酢酸亜鉛の飽和溶液を添加した。1時間にわたって、撹拌後、真空中で溶剤を除去し、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフイー(溶出液はジクロロメタン)により分離精製を行った。得られた生成物は以下の通りであった。
構造式(4)で示されるポルフイリン(10mg.3%)紫色の粉末。
mp>300℃; 1H NMR(300MHz、CDCl3): δ0.52(72H、s、t−Bu)、7.79(4H,t、J=1.5Hz、ArH)、8.10(8H,d,J=1.8Hz,ArH)、9.01(8H、s、pyrrole−H);
MS(FAB):m/z =1126(M +).
吸収スペクトル(CH2 Cl2 、λmax)421.5(ε=5.1×105)、
549.5nm.
(Found:C76.80;H,7.88;N,4.35. C76H92 N4O2 Zn・2/3CHCl3 reqires C,76.32;H,7.74;N4.68 %)
【化17】
構造式(5)で示されるポルフイリン(40mg.13%)紫色の粉末。
mp>300℃; 1H NMR(300MHz、CDCl3): δ1.53(54H、s、t−Bu)、7.45(2H,m、ArH)、7.80(2H,d,J=5Hz、pyrrole−H)、9.01(2H、d、J=5 Hz、pyrrole−H)、9.02(4H,s、pyrrole−H);
MS(FAB):m/z =1132(M +). HRMSm/z[M+]calcd for C68H75 N4F Zn 1030.5267、found1030.5240; 吸収スペクトル(CH2 Cl2 、λmax)421.0(ε=5.5×105)、
549.5、587.0nm.
【化18】
構造式(6)で示されるポルフイリン(30mg.12%)紫色の粉末。
mp>300℃; 1H NMR(300MHz、CDCl3): δ1.53(36H、s、t−Bu)、7.45(4H,m,ArH)、7.81(2H,d,J=2Hz,ArH)、8.10(4H,m,ArH)、8.19(4H,m,ArH)、8.91(2H,s,pyrrole−H)、8.93(2H,s,pyrrole−H)、9.01(2H、s、pyrrole−H)、9.03(2H,s、pyrrole−H);
MS(FAB):m/z 938(M +).
吸収スペクトル(CH2 Cl2 、λmax)420.0(ε=4.6×105)、
547.5nm.
(Found:C74.15;H,5.69;N,5.24. C60H58 F2N4 Zn・1/2CHCl3 reqires C,74.07;H,6.06;N5.71 %)
【化19】
構造式(7)で示されるポルフイリン(痕跡量)紫色の粉末。
mp>300℃; 1H NMR(300MHz、CDCl3): δ1.53(18H、s、t−Bu)、7.45(6H,m,ArH)、7.81(1H,t,J=2Hz)、8.09(2H,m,ArH)、8.19(6H,m,ArH)、8.92−9.03(8H,m,pyrrole−H);
MS(FAB):m/z =843(M +). HRMS m/z[M+]calcd for C52H41 N4F3Zn 842.2575、found842.2572; 吸収スペクトル(CH2 Cl2 、λmax)419.5(ε=4.6×105)、
548.0、586.0nm.
【化20】
構造式(8)で示されるポルフイリン(30mg.10%)紫色の粉末。
mp>300℃; 1H NMR(300MHz、CDCl3): δ0.92(36H、s、J=7.3Hz,CH2CH3)、1.53(54H,m,t−Bu)、4.45(2H,q,J=7.3 Hz, CH2CH3)、7.80(3H,t, J=2 Hz,ArH)、8.02(4H,m,biphenyl−H)、8.10(6H,m,ArH)、8.25(2H,d,J=8.4Hz,biphenyl−H)、8.35(2H,d,J=8.1 Hz,biphenyl−H)、9.02(8H,m,pyrrole−H);
MS(FAB):m/z 1162(M +).
吸収スペクトル(CH2 Cl2 、λmax)422.5(ε=5.0×105)、
549.5、 588.5nm.
(Found:C78.06;H,7.57;N,4.30. C77H84 N4 O2Zn・H2O reqires C,78.32;H,7.34;N4.74 %)
【化21】
構造式(9)で示されるポルフイリン(30mg.10%)紫色の粉末。
mp>300℃; 1H NMR(300MHz、CDCl3): δ0.92(3H、t、J=7.3Hz,−CH2CH3)、1.53(36H,s,t−Bu)、4.44(2H,q,J=7.3 Hz, −CH2CH3)、7.45(2H,m, ArH)
7.81(2H,t,J=2 Hz,ArH)、8.03(4H,m,bipheenyl−H)、8.10(4H,m,ArH)、8.19(6H,m,ArH)8.24(2H,d,J=8.7Hz,biphenyl−H)、8.33(2H,d,J=8.1 Hz,biphenyl−H)、8.93−9.05(8H,m,pyrrole−H);
MS(FAB):m/z 1068(M +).
吸収スペクトル(CH2 Cl2 、λmax)420.5(ε=5.8×105)、
549.5、 588.0nm.
(Found:C74.93;H,5.68;N,5.15. C69H67 FN4 O2Zn・1/3CHCl3 reqires C,75.13;H,6.12;N5.05 %)
【化22】
以上の結果から、電子吸引性の基を有する芳香族アルデヒドを用いると、反応生成物が多種類となり、また混成がみられることがわかる。反応式は以下の通りである。
【化23】
構造式10の化合物(メソ−(4−フロロフエニル)ー2,2’−ジピロメタン)を公知方法により製造した。融点80−81℃(文献値81℃)
3,5−ジ−tert−ブチルベンズアルデヒド(構造式15)を公知の方法により製造した。無色プリズム状、融点は81−83℃(文献値82−83℃)。
【化24】
【化25】
【0014】
実施例1
構造式(2)で示されるアルデヒド115mg(0.45モル)及び構造式(15)で示される化合物98mg(0.45モル)をジクロロメタン50mlに溶解させた溶液に、ジピロメタン300mg(0.91モル)をジクロロメタン50mlに溶解させた溶液を添加した。室温で30分間アルゴン雰囲気下に撹拌し、トリクロロ酢酸85mg(0.53モル)をジクロロメタン10mlに溶解した溶液を添加した。この溶液を実施例1と同様に処理して、3種類のポルフイリン(構造式(4)で示される化合物、70mg(21%)。構造式(8)で示される化合物、100mg(19%)。構造式(13)で示される化合物、80mg(15%))を得た。
構造式(13)で示されるポルフイリン 紫色の粉末。
mp>300℃; 1H NMR(300MHz、CDCl3): δ0.90(6H、t、J=7.2Hz,CH2CH3)、1.55(36H,s,t−Bu)、4.48(4H,q,J=7.2 Hz,CH2CH3)、7.81(2H,m,ArH),
1.06(8H,m,biphenyl−H)、8.11(4H,m,ArH)、8.28(4H,d,J=8.1Hz,biphenyl−H)、8.35(4H,d,J=8.7 Hz,biphenyl−H)、9.04(8H,m,pyrrole−H); MS(FAB):m/z 1198(M +).
吸収スペクトル(CH2 Cl2 、λmax)422.5(ε=4.9×105)、
550.0、 590.0nm.
(Found:C75.86;H,5.87;N,4.40. C78H76 N4 O4Zn・1/3CHCl3 reqires C,75.96;H,6.21;N4.52 %)
【化26】
構造式(16)で示されるポルフイリン 紫色の粉末。
mp>300℃; 1H NMR(300MHz、CDCl3): δ1.56(54H、m,t−Bu)、7.61 (2H,m,biphenyl−H)、7.80(3H,t,J=2 Hz,ArH)、8.00(5H,m,biphenyl−H)、8.10(6H,m,ArH)、8.23(2H,d,J=8.1 Hz,biphenyl−H)、9.02(8H,m,pyrrole−H);
MS(FAB):m/z 1090(M +).
吸収スペクトル(CH2 Cl2 、λmax)422.5(ε=5.2×105)、
549.5、 588.5nm.
(Found:C75.75;H,7.05;N,4.30. C74H80 N4 O2Zn・4/5CHCl3 reqires C,75.73;H,6.86;N4.72 %)
【化27】
構造式(17)で示されるポルフイリン 紫色の粉末。
mp>300℃; 1H NMR(300MHz、CDCl3): δ1.56(36H、s、t−Bu)、7.61(4H,m、biphenyl−H)、7.80(2H,m,ArH)8.00(10H,m,biphenyl−H)、8.10(4H,m,ArH)、8.32(4H,d,J=8.1Hz、biphenyl−H)、9.05(8H,m,pyrrole−H);
MS(FAB):m/z =1045(M +).
吸収スペクトル(CH2 Cl2 、λmax)423.0(ε=5.0×105)、549.5、590.0nm (Found:C75.98;H,5.98;N,4.50 C72H58 4N4 Zn・4/56CHCl3 reqires C,76.02;H,6.03;N4.87 %)
【化28】
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば副生成物が少ないメソ置換ポルフイリンを高収率で得ることができる。
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