JP3845684B2 - 疑似接着シートを用いた情報通信体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、DM(ダイレクトメール)をはじめ葉書、往復葉書、封書等に利用可能な情報通信体に関する。詳しくは、本発明は、見掛けは通常のDM、葉書、往復葉書、封書であるにもかかわらず、多層に重ね合わされ或いは折り畳まれた用紙が剥離可能に積層されているために多量の情報を隠蔽することが可能な情報通信体製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、葉書等の郵便物において、複数の情報が記載された用紙を重ね合わせ或いは折り畳んで剥離可能に接着(以下、疑似接着という)し、それによって多量の情報を郵送可能にした情報通信体が多用されている。
そのような情報通信体は、折り線を介して連接された葉片の表面に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした後に折り畳み、加熱・加圧処理を施すことにより作成できる。
しかし、この方法では加熱・加圧処理時における熱の管理が非常に難しく、加熱不足の場合は自然剥離を起こし、また加熱過剰の場合はブロッキングにより剥離が困難になり、紙面を破壊してしまう等の諸問題を含んでいる。そのような状況から考えると、ラミネートした熱可塑性樹脂フィルムの表面に疑似接着層としてさらに1層の熱可塑性樹脂層を設け、それら疑似接着層を介して熱可塑性樹脂フィルム同士を疑似接着する方法が考えられる。
前記2層構成の疑似接着シートを使用した場合は、対向する疑似接着層同士を十分融着してしまえば自然剥離は起こり得ない。また、剥離に際しては、前記疑似接着層が十分に薄ければ容易に分断が可能であり、また融着した疑似接着層がそのように分断されても、印刷物表面は支持体の熱可塑性樹脂フィルムで保護されるため破壊されることはなく、実用に供することが十分可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記2層構成の疑似接着シートでは、前記のような自然剥離や紙面の破壊は起こり得ないものの、融着した疑似接着層が強制的に分断されることから剥離後の表面は非常に荒れた状態となる。そして、DM等の印刷物に前記疑似接着を適用した場合、剥離後、この表面の荒れを通して印刷表面を見ることになる。通常の印刷面においても、前記疑似接着層の分断に起因する表面の荒れは斑状の模様の原因になるが、特にバックが寒色系のベタ刷りの場合には斑模様が顕著に現れ、印刷された商品等のイメージを傷つけて、それらの価値を低下させるのみならず、場合によってはクレームの対象となり、情報通信体や疑似接着シートの製造者側に大きな損害賠償負担が生じる可能性もある。
本発明は、自然剥離を起こさず、剥離時には疑似接着層を確実に分断することができ、しかも剥離後の疑似接着シートの表面が荒れず、従ってDM等の印刷表面に斑模様を発生させることがなく、透明性の高い情報通信体の製造方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題に鑑み、本発明者等は、上記目的を達成するべく鋭意研究の末、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明に係る情報通信体の製造方法は、折り線を介して連接された少なくとも2葉片からなる情報通信体用用紙が複数印刷された印刷用紙の疑似接着予定面に、支持体とその一方の面に形成された熱可塑性樹脂製の疑似接着層とからなる疑似接着シートを、前記疑似接着予定面と支持体の非疑似接着層側とを対向させて被覆する工程、疑似接着シートが被覆された印刷用紙における複数の情報通信体用用紙を個別に裁断する工程、裁断された情報通信体用用紙を折り線で折り畳む工程、折り畳まれた情報通信体用用紙の任意の対向面を加熱・加圧処理により各面上の疑似接着層を介して疑似接着する工程からなる情報通信体の製造方法であって、前記疑似接着シートの支持体及び疑似接着層が共押出成形により製造されると共に、前記共押出成形時における支持体及び疑似接着層の低い方の押出温度Teと前記加熱・加圧処理時における情報通信体用用紙の内面側の加熱温度Tpとの差(Te−Tp)が120℃以上であることを特徴としている。
【0005】
前記疑似接着シートにおける支持体としては、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリフェニレンサルファイド系、軟質塩化ビニル系、ポリカーボネート系、ナイロン系、アセテート系、フッ素樹脂系、ポリ−4−メチルペンテン−1系、ABS樹脂系、その他の耐熱・エンジニアリング樹脂等の樹脂を好適に使用することができる。
なお、前記支持体の構成成分には、粘着付与剤をはじめ各種ワックス類、充填剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、離ロール剤、滑剤、酸化防止剤等が添加されていても構わない。
【0006】
また、前記疑似接着シートにおける疑似接着層としては、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、エチレンアクリル酸共重合体系、エチレンアクリル酸エチル共重合体系、ポリ−4−メチルペンテン−1系、アイオノマー系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ABS樹脂系、ポリスチレン・AS樹脂系、メタクリル樹脂系、ポリビニルアルコール系、セルロース系プラスチック、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂を好適に使用することができる。
なお、前記疑似接着層の構成成分には、粘着付与剤をはじめ各種ワックス類、充填剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、離ロール剤、滑剤、離型剤、酸化防止剤等が添加されていても構わない。
【0007】
前記支持体と疑似接着層からなる疑似接着シートを製造する方法としては、公知の共押出法を使用することができる。
ところで、2層構成の疑似接着シートは、単一のダイを通って2つの異なった樹脂(支持体用樹脂と疑似接着層用樹脂)を1枚の溶融被膜として同時に押出す共押出成形により製造される。そして、情報通信体を製造する際には、疑似接着予定面同士が各面上の疑似接着層を対向させて加熱・加圧処理に供される。この場合、支持体と疑似接着層の間及び対向する両疑似接着層間は、結合力の差こそあれ結果的に複数のフィルム層を積層して一体化することになる。従って、完成した情報通信体を受取人が剥離する際、支持体と疑似接着層の間からは剥離せず、確実に両疑似接着層の界面から剥離が開始するように、支持体と疑似接着層の間をより強固に結合させておく必要がある。そこで、支持体と疑似接着層の材質は化学的性質及び熱的レオロジー性の差があまりない類似の樹脂の組み合わせを選択することが好ましいといえる。
【0008】
本発明に従い、疑似接着を実行する際の加熱・加圧処理時における情報通信体用用紙の内面側の加熱温度Tpが共押出成形時における支持体及び疑似接着層の低い方の押出温度Teよりもかなり低い温度、若しくは疑似接着を実行する際の加熱・加圧処理時における情報通信体用用紙の内面側の加熱温度Tpよりも共押出成形時における支持体及び疑似接着層の低い方の押出温度Teがかなり高い温度であれば、疑似接着層同士の接着力が支持体と疑似接着層の接着力よりも弱くなり、ブロッキングすることもなく、剥離が確実に疑似接着層同士の界面で実行される。さらに、本発明では、疑似接着層が、疑似接着を実行する際の加熱温度よりも高い押出温度で成形されるため強固な仕上がりとなり、剥離後の表面に荒れが発生せず、透明率が高い表面が得られるのである。
【0009】
本発明に係る情報通信体の製造方法における情報通信体用用紙には、複数の葉片が折り線を介して連接されたものを使用することができる。
前記情報通信体用用紙に格別の限定はなく、通常に使用される公知の印刷用紙、合成紙、プラスチック樹脂フィルムやシート、布等を使用することができる。
前記情報通信体用用紙を構成する葉片の数にも制限はなく、基本的な2つ折り形態のための2葉片から、それ以上の3つ折り形態や4つ折り形態のための3葉片や4葉片を選択することができる。折りの態様に関しては、3つ折りの場合はZ(S)折り及びC(巻き)折り、また4つ折りの場合は蛇腹折り、巻き折り、蛇腹折りと巻き折りの混合折り、観音開き折り等があり、それ以上の複数折りについても制限はない。
【0010】
折りの形態に応じて発生する複数の対向面の処理に関しても制限はない。すなわち、発生した対向面をすべて剥離可能に疑似接着してもよく、また何れかの対向面を剥離不能に完全接着しても、さらに何もせずにフリーなままの非接着状態にしても構わない。要は、作成する情報通信体の使用目的に応じて、一番効果的なアプリケーションを選択して設計すればよいのである。
例えば、3葉片からなる情報通信体用用紙をZ折りする場合、2個所の対向面が発生する。その場合、
a)2個所の対向面とも剥離可能に疑似接着し、剥離後は再び3葉片に展開する、
b)1個所の対向面を疑似接着すると共に残る1個所の対向面を完全接着し、剥離後は見開き2頁に展開する、
c)1個所の対向面を疑似接着し、残る1個所の対向面は接着しないでフリーなまま残しておく等の3つの選択が可能である。
前記a)、b)については、現在葉書として使用することが認められており、c)については、2つ折りで疑似接着した往信葉書にフリーな返信葉書が連接されてなる往復葉書として使用することが認められている。
【0011】
情報通信体の製造方法は、複数の情報通信体用用紙が面付けされた印刷用紙の疑似接着予定面に疑似接着シートを被覆し、個別に裁断して折り畳んだ後にヒートロール又はヒータ一パネルと加圧ローラー等による加熱・加圧工程を通過させて製造を完成する。
前記疑似接着シートについては、夏場の高温により積層状態での保管時にブロッキング等を起こさないように疑似接着層の物性を選択する必要がある。また、前記疑似接着を実行する際の加熱温度Tpは、印刷紙面表面にトナーが使用されているか否かを考慮して設定しなければならない。前記のように印刷紙面表面にトナーが使用されている場合には、実用に供するための加熱温度Tpは、対向する疑似接着予定面の内面側で約70〜130℃の範囲になり、従ってその場合、共押出成形時の押出温度Teは、前記加熱温度T p との間に120℃以上の温度差を得るために、支持体及び疑似接着層共に少なくとも約190℃以上に設定される必要がある。
【0012】
前記情報通信体用用紙が面付けされた印刷用紙の疑似接着予定面に疑似接着シートを被覆する方法として、例えばドライラミネートとサーマルラミネートがある。ドライラミネートは、疑似接着シートを、その支持体の非疑似接着層側の面に接着剤を塗布しながら印刷紙の疑似接着予定面に完全接着する方法である。また、サーマルラミネートでは、支持体の非疑似接着層側の面に公知の感熱接着剤層を予め形成してなる3層構成の疑似接着シートを用い、この疑似接着シートを、ヒートローラーで感熱接着剤を溶かしながら印刷紙の疑似接着予定面に完全接着するのである。
【0013】
なお、前記情報通信体の製造方法においては印刷用紙の裁断工程の後に情報通信体用用紙の折り工程を配置しているが、この2工程の順序には格別の制限はない。印刷用紙にレイアウトされている複数の情報通信体用用紙は当然折り線や裁断線を並べて配置してあるので、例えば隣り合う2つの情報通信体用用紙を1つのブロックとして裁断し、2丁付のまま折り畳んでそのまま疑似接着を完了させ、その後に個別に裁断してもよいのである。また、印刷用紙の裁断工程を、折り工程を挟んで又は折り工程の前後に段階的に配置し、次第に個別の情報通信体に仕上げて行くこともできる。
【0014】
【作用】
本発明では、疑似接着シートの共押出成形時における支持体及び疑似接着層の低い方の押出温度Teと疑似接着実行時における情報通信体用用紙の内面側の加熱温度Tpが120℃以上の差になる。この高い温度差のために、支持体と疑似接着層は共押出成形で強固に接着し、疑似接着層が支持体から剥離することはなく、接着力の弱い疑似接着層同士はそれらの界面から確実に剥離される。また、疑似接着層自体が1層のフィルム層として高温で強固に支持体上に製造されるため、剥離後の表面が荒れることがなく、斑模様の発生がなくなる。
【0015】
【実施例】
以下、図面と共に本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の実施例に係る疑似接着シートの断面図である。図2は、図1に示す疑似接着シートにおける支持体の非疑似接着層側の面に感熱接着剤層を設けてなる、別の実施例に係る疑似接着シートの断面図である。図3は、図1又は図2に示す疑似接着シートを適用した場合における最も基本的な2つ折り形態の情報通信体の断面図である。
なお、本発明に係る疑似接着シートでは、複数の実験結果に基づいて共押出成形時における支持体及び疑似接着層の低い方の押出温度Teと疑似接着実行時における情報通信体用用紙の内面側の加熱温度Tpの温度差の範囲を限定したものであるが、以下の実施例は代表的なものであり、本発明がそれら実施例の内容に制限されるものではない。
【0016】
実施例1.
図1に示すように、共押出成形により、支持体1とその一方の面に形成された疑似接着層2からなる疑似接着シートGを製造した。
前記支持体1としてポリプロピレンを使用すると共に、疑似接着層2としてエチレン酢酸ビニル共重合体を主体とした熱可塑性樹脂を使用した。前記支持体1及び疑似接着層2を製造するための共押出成形においては、両者の押出温度を共に240℃とし、また前者の厚みを18μm、後者の厚みを2μmとして合計20μmの厚みになるように条件を調整した。
このようにして製造した疑似接着シートGを、葉書倍寸サイズの情報通信体用用紙4が複数印刷された印刷用紙(菊判換算76.5kg)の表面にラミネートし、個別に裁断した後、各情報通信体用用紙4を、疑似接着層2が対向するように図3に示す状態に折り線で折り合わせ、ヒートローラーに通して加熱・加圧処理に供した。ヒートローラーの温度は約110℃であり、2つ折りされた情報通信体用用紙4の内面側において約100℃の加熱温度になるように調整した。
本実施例1の場合、疑似接着シートGの共押出成形時における支持体1及び疑似接着層2の押出温度Teと情報通信体用用紙4の加熱・加圧処理時における該情報通信体用用紙4の内面側の加熱温度Tpの差は約140℃である。
このようにして作成された情報通信体Jを剥離して表面を観察したところ、寒色系のベタ刷り印刷部分においても荒れがなく、斑模様が発生せずに透明性が非常に高い表面状態が確認された。
【0017】
比較例1.
支持体1と疑似接着層2の共押出成形時の押出温度を共に200℃とし、その他の条件は実施例1と同様に設定した。
本比較例1の場合、疑似接着シートGの共押出成形時における支持体1及び疑似接着層2の押出温度Teと情報通信体用用紙4の加熱・加圧処理時における該情報通信体用用紙4の内面側の加熱温度Tpの差は約100℃である。
このようにして作成された情報通信体を剥離して表面を観察したところ、全体に荒れた状態で斑模様が部分的に発生し、見苦しい状態であった。
【0018】
比較例1'.
加熱・加圧処理時におけるヒートローラーの温度を約160℃として情報通信体用用紙4の内面側において約150℃の加熱温度になるように調整し、その他の条件は実施例1と同様に設定した。
本比較例1'の場合、疑似接着シートGの共押出成形時における支持体1及び疑似接着層2の押出温度Teと情報通信体用用紙4の加熱・加圧処理時における該情報通信体用用紙4の内面側の加熱温度Tpの差は約90℃である。
このようにして作成された情報通信体を剥離して表面を観察したところ、全体に荒れた状態で斑模様が全体的に発生し、著しく見苦しい状態であった。
【0019】
実施例2.
図1に示すように、共押出成形により、支持体1とその一方の面に形成された疑似接着層2からなる疑似接着シートGを製造し、さらに図2に示すように、前記支持体1の非疑似接着層側の面に感熱接着剤層3を塗工により形成し、全体として3層構成とした。
前記支持体1としてポリエチレンテレフタレートを使用すると共に、疑似接着層2としてエチレンアクリル酸エチル共重合体を主体とした熱可塑性樹脂を使用した。それらを製造するための共押出成形においては、前者の押出温度を290℃、後者の押出温度を270℃とし、さらに前者の厚みを14μm、後者の厚みを1μmとして合計15μmの厚みになるように条件を調整した。
このようにして製造した疑似接着シートGを、葉書倍寸サイズの情報通信体用用紙4が複数印刷された印刷用紙(菊判換算76.5kg)の表面にラミネートし、個別に裁断した後、疑似接着層2が対向するように図3に示す状態に折り合わせ、ヒートローラーに通して加熱・加圧処理に供した。ヒートローラーの温度は約140℃であり、2つ折りされた情報通信体用用紙4の内面側において約130℃の加熱温度になるように調整した。
本実施例2の場合、疑似接着シートGの共押出成形時における支持体1及び疑似接着層2の押出温度Te(但し、低い方の押出温度)と情報通信体用用紙4の加熱・加圧処理時における該情報通信体用用紙4の内面側の加熱温度Tpの差は約140℃である。
このようにして作成された情報通信体Jを剥離して表面を観察したところ、寒色系のベタ刷り印刷部分においても荒れがなく、斑模様が発生せずに透明性が非常に高い表面状態が確認された。
【0020】
比較例2.
疑似接着層2の押出温度を230℃とし、その他の条件は実施例2と同様に設定した。
本比較例2の場合、疑似接着シートGの共押出成形時における支持体1及び疑似接着層2の低い方の押出温度 e 情報通信体用用紙4の加熱・加圧処理時における該情報通信体用用紙4の内面側の加熱温度Tpの差は約100℃である。
このようにして作成された情報通信体を剥離して表面を観察したところ、全体に荒れた状態で斑模様が部分的に発生し、見苦しい状態であった。
【0021】
実施例2'.
ヒートローラーの温度を100℃として情報通信体用用紙の内面側において90℃の加熱温度になるように調整し、その他の条件は比較例2と同様に設定した。
本実施例2'の場合、疑似接着シートGの共押出成形時における支持体1及び疑似接着層2の低い方の押出温度 e 情報通信体用用紙4の加熱・加圧処理時における該情報通信体用用紙4の内面側の加熱温度Tpの差は約140℃である。
このように作成された情報通信体を剥離して表面を観察したところ、寒色系のベタ刷り印刷部分においても荒れがなく、斑模様が発生せずに透明性が非常に高い表面状態が確認された。
【0022】
実施例3.
図1に示すように、共押出成形により、支持体1とその一方の面に形成された疑似接着層2からなる疑似接着シートGを製造した。
前記支持体1としてポリ−4−メチルペンテン−1を使用すると共に、疑似接着層2としてエチレンアクリル酸共重合体を主体とした熱可塑性樹脂を使用した。それらを製造するための共押出成形において、前者の押出温度を300℃、後者の押出温度を320℃とし、さらに前者の厚みを16μm、後者の厚みを2μmとして合計18μmの厚みになるように条件を調整した。
このように製造した疑似接着シートGを、葉書倍寸サイズの情報通信体用用紙4が複数印刷された印刷用紙(菊判換算93.5kg)の表面にラミネートし、個別に裁断した後、疑似接着層2が対向するよう図3の状態に折り合わせ、ヒートローラーに通して加熱・加圧処理に供した。ヒートローラーの温度は約180℃であり、2つ折りされた情報通信体用用紙4の内面側において約160℃の加熱温度になるように調整した。
本実施例3の場合、疑似接着シートGの共押出成形時における支持体1及び疑似接着層2の低い方の押出温度 e 情報通信体用用紙4の加熱・加圧処理時における該情報通信体用用紙4の内面側の加熱温度Tpの差は約140℃である。
このようにして作成された情報通信体を剥離して表面を観察したところ、寒色系のベタ刷り印刷部分においても荒れがなく、斑模様が発生せずに透明性が非常に高い表面状態が確認された。
【0023】
比較例3.
支持体1の押出温度を270℃とし、その他の条件は実施例3と同様に設定した。
本比較例3の場合、疑似接着シートGの共押出成形時における支持体1及び疑似接着層2の低い方の押出温度 e 情報通信体用用紙4の加熱・加圧処理時における該情報通信体用用紙4の内面側の加熱温度Tpの差は約110℃である。
このようにして作成された情報通信体を剥離したところ、部分的に支持体と疑似接着層の剥離が起こり、表面状態が著しく見苦しくなった。
【0024】
実施例3'.
ヒートローラーの温度を約160℃として情報通信体用用紙の内面側において約140℃の加熱温度になるように調整し、その他の条件は比較例3と同様に設定した。
本実施例3'の場合、疑似接着シートGの共押出成形時における支持体1及び疑似接着層2の低い方の押出温度 e 情報通信体用用紙4の加熱・加圧処理時における該情報通信体用用紙4の内面側の加熱温度Tpの差は約130℃である。
このようにして作成された情報通信体を剥離して表面を観察したところ、寒色系のベタ刷り印刷部分においても荒れがなく、斑模様が発生せずに透明性が非常に高い表面状態が確認された。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、疑似接着シートの共押出成形時における支持体及び疑似接着層の低い方の押出温度と疑似接着実行時における情報通信体用用紙の内面側の加熱温度が120℃以上の差になる。この高い温度差のために、支持体と疑似接着層は共押出成形で強固に接着し、支持体から疑似接着層が分離することがなく、また完成した情報通信体を剥離すると確実に疑似接着層の界面から剥離が実行される。また、前記のように疑似接着実行時の加熱温度よりも120℃以上高い押出温度で成形された疑似接着層は表面も強固なため、剥離後の表面が荒れることがなく、斑模様の発生もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る疑似接着シートの断面図である。
【図2】 図1に示す疑似接着シートにおける支持体の非疑似接着層側の面に感熱接着剤層を設けてなる、別の実施例に係る疑似接着シートの断面図である。
【図3】 図1又は図2に示す疑似接着シートを適用した場合における最も基本的な2つ折り形態の情報通信体の断面図である。
【符号の説明】
G 疑似接着シート
J 情報通信体
1 支持体
2 疑似接着層
3 感熱接着剤層
4 情報通信体用用紙

Claims (2)

  1. 折り線を介して連接された少なくとも2葉片からなる情報通信体用用紙が複数印刷された印刷用紙の疑似接着予定面に、支持体とその一方の面に形成された熱可塑性樹脂製の疑似接着層とからなる疑似接着シートを、前記疑似接着予定面と支持体の非疑似接着層側とを対向させて被覆する工程、疑似接着シートが被覆された印刷用紙における複数の情報通信体用用紙を個別に裁断する工程、裁断された情報通信体用用紙を折り線で折り畳む工程、折り畳まれた情報通信体用用紙の任意の対向面を加熱・加圧処理により各面上の疑似接着層を介して疑似接着する工程からなる情報通信体の製造方法であって、前記疑似接着シートの支持体及び疑似接着層が共押出成形により製造されると共に、前記共押出成形時における支持体及び疑似接着層の低い方の押出温度Teと前記加熱・加圧処理時における情報通信体用用紙の内面側の加熱温度Tpとの差(Te−Tp)が120℃以上であることを特徴とする情報通信体の製造方法
  2. 疑似接着シートにおける支持体の非疑似接着層側の面に感熱接着剤層形成された請求項1に記載の情報通信体の製造方法
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