JP3844856B2 - 高純度シリコンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、四塩化珪素を還元して高純度シリコンを製造する方法に関し、さらに詳しくは還元反応によって多結晶シリコンを生成する工程から副生成物を回収、再利用する工程までクローズドサイクルを構成する高純度シリコンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の太陽光発電の普及にともない、太陽電池の製造技術は半導体用シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコン等と多様な分野で適用され、いずれの分野においても技術開発は著しい。開発当初の太陽電池に要求された特性は光電変換効率の向上を主眼とする高性能化であったが、太陽電池の普及にともなって低価格化が指向されるようになってきた。このため、例えば多結晶シリコン基板の製造においては、原料として半導体用シリコンとして製造された多結晶シリコンの格外品や単結晶シリコンの残材等低価格のものが使用されるようになったが、量的に不十分であり、低価格化にも限界がある。このため、今後の太陽電池の開発には、所定の光電変換効率を発揮する高純度の品質と低コスト化に対応したシリコンの製造技術の確立が必要になる。
【0003】
高純度の多結晶シリコンを製造する方法として、従来から多くの製造方法が知られている。なかでも代表的な製造方法として、中間化合物であるトリクロロシラン(SiHCl3)を水素(H2)によって還元するシーメンス法(Siemens Method)がある。この製造方法では、気化された高純度のトリクロロシランを高純度の水素とともに反応炉内に導入し、トリクロロシランを下記(A)の反応式にしたがって分解させ、両端をグラファイト電極で支えられ約1100℃に加熱された多結晶シリコン心棒の表面に多結晶シリコンを気相成長させるものである。
【0004】
SiHCl3 + H2 → Si + 3HCl ・・・ (A)
他の製造方法として、粒状多結晶シリコンを製造するエチル法(Ethy Method)が用いられている。この製造方法では、流動床反応炉が用いられ、反応炉内にシードとなるシリコン微粉末を流動させておき、その中にモノシラン(SiH4)と水素の混合ガスとが導入され、600〜700℃に加熱された流動雰囲気中でモノシランが分解する。このとき下記(B)の反応式を経て粒状多結晶シリコンが生成する。
【0005】
SiH4 → Si + 2H2 ・・・ (B)
しかしながら、これらの高純度シリコンの製造方法を、太陽電池用として適用する場合に多くの問題がある。まずシーメンス法では電力原単位が悪く、さらに反応炉に導入されたトリクロロシランのシリコン生成比率が低いことから生産効率が著しく低い。このため低コスト化に対応する太陽電池用シリコン原料の製造方法として適さない。一方、エチル法は、シーメンス法に比べ製造コスト的に有利な面があるが、未だ、太陽電池用として効率的な製造方法とは言えず、もう一段のコスト低減が必要である。
【0006】
上記の多結晶シリコンの製造法に代わって、いわゆる「四塩化珪素の亜鉛還元法」であって、下記(C)の反応式で示されるように、中間化合物として四塩化珪素(SiCl4)を用い、これを溶融亜鉛(Zn)で還元することによってシリコン(Si)を製造する方法が用いられるようになってきた。
【0007】
SiCl4 + Zn → Si + ZnCl2 ・・・ (C)
上記(C)式に示す製造方法は、金属シリコンを塩化処理(ハロゲン化反応)して中間化合物を生成したのち、それを2次汚染させることなく還元・分解して製造する方法であるから、高純度シリコンの製造には有効な方法である。一方、製造コストの面においても、ほぼ全ての四塩化珪素(SiCl4)がシリコン(Si)に進行する反応系で反応効率に優れるとともに、後述するように、製造プロセスにおいて工程の連続化が図り易く生産効率のよい製造方法である。そのため、上記の製造方法は、低コストで多結晶シリコンを製造する方法としても適する。
【0008】
図2は、いわゆる「四塩化珪素の亜鉛還元法」による多結晶シリコンの製造工程の一例を説明する図であり、図3は、同法による多結晶シリコンの製造工程で金属亜鉛の溶融から還元反応後の反応副生成物の分離に至る工程を処理する装置構成の一例を説明する図である。これらの図2、図3で示す工程は、▲1▼原料を供給する工程、▲2▼四塩化珪素を還元する工程、▲3▼混合物を分離する工程および▲4▼高純度シリコンを取り出す工程からなり、それらの内容は次の通りである。
【0009】
▲1▼原料を供給する工程
原料としては、金属シリコンを塩化処理した四塩化珪素と還元剤である金属亜鉛とが準備される。金属亜鉛は、反応炉への供給を容易にするため溶融される。そのため、金属亜鉛を投入した溶解タンク3は、加熱装置2aを備えた溶解槽2内に設置され、450〜550℃の範囲に加熱される。一方、中間化合物である四塩化珪素は常温でSiCl4タンク1内に収容され、液体状態に保たれる(融点−70℃)。
【0010】
溶融亜鉛および四塩化珪素のタンク1、2内は、大気圧の状態で不活性ガス(例えば、アルゴンガス)雰囲気に保持されており、反応容器5への供給に際しては、この不活性ガスで加圧され、溶融亜鉛および四塩化珪素が別個または同時に供給される。
【0011】
▲2▼四塩化珪素を還元する工程
還元反応は還元炉4内に設置された密閉式の反応容器5内で行われ、中間化合物である四塩化珪素を溶融亜鉛で還元することによって、多結晶シリコンと副生成した塩化亜鉛との混合物を得る。還元炉4は加熱装置4aを内蔵しており、内部の亜鉛および副生成する塩化亜鉛は溶融状態で保持される。四塩化珪素はノズルを通して上部から滴下されるか、または溶融亜鉛中に直接吹き込まれる。溶融亜鉛中に直接吹き込む場合には、反応面積が反応容器5内の水平方向だけでなく、垂直方向にも確保できるので、反応の効率化が図れる。
【0012】
前記(C)式で示すように、四塩化珪素の供給にともなって四塩化珪素は溶融亜鉛によって還元され、多結晶シリコン粉と塩化亜鉛が生成する。塩化亜鉛の沸点は732℃であるので、生成した塩化亜鉛は蒸気となって反応容器5の外部に排出される。また、同時に生成される多結晶シリコン粉は非常に微細であり、上述の塩化亜鉛の蒸気とともに混合物7として反応容器5の外部に排出される。
【0013】
▲3▼混合物を分離する工程
反応副生成物の分離は、分離炉9の内部に配置された分離容器10内で行われる。蒸発分離法を用いる場合、多結晶シリコンと塩化亜鉛とからなる混合物7は分離容器10の上部から導入され、そののち、分離炉9に内蔵された加熱装置9aによって、分離容器10全体が加熱され、塩化亜鉛や亜鉛が蒸発・分離されることによって、多結晶シリコンが回収される。
【0014】
液体濾過法を用いる場合は、分離容器10には、高温特性を有し、かつ汚染が少ない多孔質のファインセラミックフィルターが施され、分離容器10に導入された混合物7が加圧濾過される。
【0015】
▲4▼多結晶シリコンを取り出す工程
上記の分離を繰り返すことによって、完全に不純物が除去され、純化された多結晶シリコンが製造される。このような多結晶シリコンは、分離容器10の下部から取り出される。
【0016】
上述の通り、図2に示す「四塩化珪素の亜鉛還元法」による多結晶シリコンの製造方法では、▲1▼〜▲4▼の工程を連続して処理することができるので生産効率に優れた製造方法であるとともに、2次汚染のおそれもなく、混合物の分離を繰り返し実施することによって高純度のシリコンを製造することができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
いわゆる「四塩化珪素の亜鉛還元法」による多結晶シリコンの製造方法によれば、太陽電池用基板として所定の光電変換効率を発揮する高純度の品質と低コスト化に対応した多結晶シリコンの製造に適用することができるが、上述の従来法では、副生成物を回収、再利用の促進や製造工程におけるクローズドサイクルの構築に関して充分でない。
【0018】
すなわち、図2に示すように、従来の「四塩化珪素の亜鉛還元法」では、原料となる四塩化珪素(SiCl4)や亜鉛(Zn)は外部購入を主体としていた。このため、還元工程で副生成された塩化亜鉛(ZnCl2)は系外に排出され、塩酸処理の後廃棄されていた。一部に亜鉛(Zn)の再利用を図るため、分離工程で取り出された塩化亜鉛(ZnCl2)を電気分解することにより、金属亜鉛(Zn)を個別に回収することも行われたが、同時に発生する塩素(Cl2)の利用が図れず、中和処理の後廃棄処分にせざるを得なかった。そのため、多結晶シリコンの製造にともなって、塩酸処理、中和処理、廃棄物処理に設備投資を要し、製造コストの上昇要因となっていた。
【0019】
さらに、副生成された塩化亜鉛(ZnCl2)の回収を図り、金属亜鉛(Zn)や塩素(Cl2)の再利用を促進することにより、「四塩化珪素の亜鉛還元法」による多結晶シリコンの製造において一層のコスト低減を達成することができる。また、多結晶シリコンを生成する工程から副生成物を回収する工程に至る製造プロセスのクローズドサイクル化を実現すれば、高純度シリコンを効率的に製造できることになる。
【0020】
本発明は、従来の「四塩化珪素の亜鉛還元法」での問題点に鑑み、工程中で副生成された塩化亜鉛(ZnCl2)の回収、再利用を促進するとともに、高純度の多結晶シリコンの製造工程をクローズドサイクルで構成することによって、生産効率が高く、品質的に安定して、低価格化に対応した高純度の多結晶シリコンを製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、後述の図1に示すように、副生成物の回収、再利用を図るとともに、製造プロセスのクローズドサイクル化を達成した、高純度シリコンの製造方法を要旨としている。
【0022】
すなわち、反応容器内で液体または気体状態の四塩化珪素を溶融亜鉛で還元し、生成した多結晶シリコンと塩化亜鉛とを含有する混合物を反応容器外に取り出してのち、前記混合物中の塩化亜鉛を分離して、多結晶シリコンを回収する高純度シリコンの製造方法であって、分離された塩化亜鉛(ZnCl2)を電気分解して金属亜鉛(Zn)と塩素(Cl2)を回収し、回収された金属亜鉛を再び前記四塩化珪素の還元剤として用いるとともに、回収された塩素を水素と合成させて塩化水素とし、前記四塩化珪素を生成するための金属シリコンの塩化処理に用いることを特徴とする高純度シリコンの製造方法である。
【0023】
上述の金属シリコンの塩化処理に際し、塩化亜鉛を電気分解して回収された塩素(Cl2)と金属シリコンの塩化処理で回収された水素(H2)とを合成させた塩化水素(HCl)を用いることとしている。
【0024】
【発明の実施の形態】
太陽電池用シリコンの製造においては、所定の光電変換効率を発揮する性能を具備することが前提となる。このため、太陽電池用に供される多結晶シリコンおよびこれを製造するためのシリコン原料には、これに必要な高純度、具体的にはそれぞれ6N(99.9999%)、7N(99.99999%)相当の純度を確保することが求められる。本発明は、このような高純度を達成するため、いわゆる「四塩化珪素の亜鉛還元法」による多結晶シリコンの製造方法を基礎としている。
【0025】
図1は、本発明の高純度シリコンの製造工程を説明する図である。同図に示すように、製造工程としては、基礎となる▲1▼原料を供給する工程、▲2▼四塩化珪素を還元する工程、▲3▼混合物を分離する工程および▲4▼高純度シリコンを取り出す工程に加え、▲5▼塩化亜鉛を電解する工程および▲6▼金属シリコンを塩化する工程からなる。そして、これらの▲1▼〜▲6▼の工程は閉システムを構成して、クローズドサイクル化を図っている。クローズドサイクル化した工程のうち基礎となる▲1▼〜▲4▼の工程内容は前述の通りであるが、本発明で新たに追加される▲5▼塩化亜鉛を電解する工程と▲6▼金属シリコンを塩化する工程について、その具体的な内容を区分して説明する。
【0026】
▲5▼塩化亜鉛を電解する工程
ここでは、前記▲3▼混合物を分離する工程で取り出された塩化亜鉛(ZnCl2)を電解して金属亜鉛(Zn)と塩素(Cl2)を回収する。前述の通り、従来の製造方法では、中間化合物である四塩化珪素(SiCl4)は外部からの購入を前提としており、また、反応副生成物の塩化亜鉛(ZnCl2)も系外に排出されている。本発明においては、副生成物の回収、再利用を促進するため、分離容器から排出され、熱交換器によって凝縮され回収された塩化亜鉛(ZnCl2)を、電気分解して回収された金属亜鉛(Zn)を還元剤として使用し、同時に回収された塩素(Cl2)を金属シリコンの塩化処理に供するものである。
【0027】
本発明で使用される電解は、電極上に金属亜鉛(Zn)を沈着させて回収するとともに、塩素ガス(Cl2)を発生させる慣用の方法を採用すればよい。すなわち、凝縮され溶融状態となった塩化亜鉛(ZnCl2)を連続的に供給させながら、金属亜鉛(Zn)が一定量ずつ回収される。このとき、回収された金属亜鉛(Zn)と塩素(Cl2)の再結合反応を起こりにくくするとともに、安定した電解効率を確保するため、溶融塩の組成を調整する。
【0028】
浴の温度は亜鉛(Zn)および塩化亜鉛(ZnCl2)の過度の揮発を防ぐため、亜鉛(Zn)の融点近傍に保つべきであり、450〜550℃の範囲にするのが望ましい。回収された金属亜鉛(Zn)は再び溶融亜鉛として用いられるで、製造されるシリコンの純度を一定以上に保つため、その純度は99.9%以上の範囲で管理するのが望ましい。
【0029】
▲6▼金属シリコンを塩化する工程
本発明では、クローズドサイクルを構築するため、シリコンの製造プロセス内に、原材料供給の前工程として金属シリコンを塩化処理(ハロゲン反応)し中間生成物である四塩化珪素(SiCl4)を生成する工程を設けて、回収された塩素(Cl2)を水素と合成させて金属シリコンの塩化処理に供給することとした。これによって、多結晶シリコンを製造する工程は、閉システムを構成する。このため、電解によって回収される塩素(Cl2)の純度の管理は99%とするのが望ましい。
【0030】
金属シリコンの塩化処理による四塩化珪素(SiCl4)を生成は、下記(D)式の反応に基づく。このとき、回収される塩素(Cl2)は塩化処理で副生された水素(H2)と合成して塩化水素(HCl)として塩化処理に供給される。
【0031】
Si2 + 8HCl → 2SiCl4 +4H2 ・・・ (D)
中間化合物である四塩化珪素(SiCl4)の純度は製造されるシリコンの純度にも大きく影響するので、通常、生成された四塩化珪素(SiCl4)は精製されて高純度化される。四塩化珪素(SiCl4)の精製には一般的な蒸留法が採用され、最終的には純度が99.99%以上になるように高純度化され、高純度シリコンの原料化合物とされる。
【0032】
【実施例】
図1に示す本発明の製造方法で、高純度シリコンの製造を行った。製造プロセス中▲1▼原料を供給する工程から▲4▼高純度シリコンを取り出す工程までは、図3に示す製造装置の構成を使用したが、製造工程全体としては、▲5▼塩化亜鉛を電解する工程および▲6▼金属シリコンを塩化する工程を設けてクローズドサイクル化を図った。それぞれの工程における操業条件は次の通りである。
【0033】
▲1▼原料を供給する工程
使用した金属亜鉛(Zn)の純度は4N(99.99%)で、500℃に加熱し溶融状態とした。その後供給される金属亜鉛(Zn)は、後述する電解工程で回収される亜鉛を使用している。中間化合物としては、後述する塩化処理で生成した四塩化珪素(SiCl4)を蒸留して、純度4N(99.99%)、金属不純物20ppb以下まで高純度にして用いた。これらの反応容器への供給は、アルゴンガスで1Kg/cm2に加圧して行った。
【0034】
▲2▼還元工程
還元剤として反応容器内に溶融亜鉛(Zn)を供給し、800℃に加熱し安定状態にして、反応容器の上部から溶融亜鉛(Zn)中に供給用ノズルを浸漬して四塩化珪素(SiCl4)を供給した。四塩化珪素の供給にともない、多結晶シリコン(Si)と塩化亜鉛(ZnCl2)との混合物が生成する。四塩化珪素の供給速度は、ノズル先端から溶融亜鉛層までの高さを0.5mとしたところ、最大1.6Kg-SiCl4/m2minであった。生成する塩化亜鉛(ZnCl2)は蒸発し、同時に生成する微粉状の多結晶シリコン(Si)と気体状の混合物となって、分離容器に移送される。
【0035】
▲3▼混合物を分離する工程
混合物の分離は、蒸発分離法と液体濾過法で実施した。蒸発分離法による場合は、分離容器内は500℃で、1Torrの条件とした。分離の終点は、加熱炉の制御出力の変化を見極めた。
【0036】
一方、液体濾過法による場合は、混合物を常温で水に溶解させ、塩化亜鉛を水溶液とした後、ファインシリカ製の多孔質板を用い、0.2Kg/cm2の圧力をかけて加圧濾過した。
【0037】
▲4▼高純度シリコンを取り出す工程
分離が完了したのち、高純度の粉粒体状シリコンを取り出した。取り出したシリコンを分析したところ、純度は7N(99.99999%)であり、太陽電池用として適用できることを確認した。
【0038】
▲5▼塩化亜鉛を電解する工程
電気分解は、分離工程で排出された塩化亜鉛(ZnCl2)水溶液を用い、浴温度500℃で、電流密度760A/m2、浴電位3V、浴電流2.26Aとし、塩化亜鉛(ZnCl2)の溶融液の濃度を56Zn-g/リットルとなるように浴組成を調整した。電解で回収された金属(Zn)の純度は99.998%であり、再び溶融亜鉛として利用できる純度のものであった。
【0039】
▲6▼金属シリコンを塩化する工程
金属シリコンの塩化処理に供給するため、電解で回収された塩素(Cl2)は塩化処理で副生される水素(H2)と合成されて、塩化水素(HCl)を生成する。生成された塩化水素(HCl)は、25リットル/minで塩化処理に供給される。
【0040】
塩化処理される金属シリコンは、粒度80〜200メッシュで、Si純度98%のものを外部から購入した。塩化容器に上記の金属シリコンを充填し、600〜800℃に加熱してのち、塩化水素(HCl)を供給して四塩化珪素(SiCl4)を生成した。さらに、生成した四塩化珪素(SiCl4)を蒸留法で精製して、前述の純度4N(99.99%)で金属不純物20ppb以下の四塩化珪素(SiCl4)を得た。
【0041】
以上説明した▲1▼〜▲6▼の工程でクローズドサイクルを構成して、3時間の連続操業によって、重量5.2Kgのシリコン粉末粒状体を取り出すことができた。前述の通り、取り出されたシリコンの純度は7N(99.99999%)であり、太陽電池用として適用できる品質のものであり、しかも、このようにして製造されたシリコン原料の製造コストを、従来のシーメンス法で製造された多結晶シリコンの製造コストと比較すると、シーメンス法の製造コストの40%となり、大幅な低価格化が図れたことが分かる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の高純度シリコンの製造方法によれば、還元反応の後、反応副生成物を分離する工程まで連続して実施できるとともに、中間化合物である四塩化珪素を製造する工程から副生成物を回収する工程までクローズドサイクルで構成することができるので、品質的に安定して、低価格化に対応した太陽電池用基板として最適な高純度シリコンを高い効率で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高純度シリコンの製造工程を説明する図である。
【図2】いわゆる「四塩化珪素の亜鉛還元法」による多結晶シリコンの製造工程の一例を説明する図である。
【図3】「四塩化珪素の亜鉛還元法」による多結晶シリコンの製造工程で金属亜鉛の溶融から還元反応後の反応副生成物の分離に至る工程を処理する装置構成の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1:SiCl4タンク、 2:溶解槽
3:溶解タンク、 4:還元炉
5:反応容器、 7:混合物
8:溶融Zn層、 9:分離炉
10:分離容器
2a、4a、9a:加熱装置

Claims (2)

  1. 反応容器内で液体または気体状態の四塩化珪素を溶融亜鉛で還元し、生成した多結晶シリコンと塩化亜鉛とを含有する混合物を反応容器外に取り出してのち、前記混合物中の塩化亜鉛を分離して、多結晶シリコンを回収する高純度シリコンの製造方法であって、分離された塩化亜鉛を電気分解して金属亜鉛と塩素を回収し、回収された金属亜鉛を再び前記四塩化珪素の還元剤として用いるとともに、回収された塩素を水素と合成させて塩化水素とし、前記四塩化珪素を生成するための金属シリコンの塩化処理に用いることを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
  2. 請求項1記載の金属シリコンの塩化処理に際し、塩化亜鉛を電気分解して回収された塩素と金属シリコンの塩化処理で回収された水素とを合成させた塩化水素を用いることを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
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