JP3840788B2 - 車両フレームへのバンパー固定構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の所定方向に延びるように設けられた閉断面状のフレームに、例えばフロントバンパーやリアバンパーを固定するバンパー固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両のフロントフレームやリアフレームなどのフレームにおいては、車両衝突時等にフレームの前端又は後端から軸方向(延設方向)に圧縮荷重が作用した場合、その初期にはそれほど大きくない荷重によって潰れ初めることで、乗員が最初に感じるショックを緩和する一方、一旦、潰れ始めた後は、規則的かつ安定的に折れ曲がることなく潰れることで、なるべく大きな潰れ荷重を維持し、そのことにより、十分に大きな衝突エネルギーを吸収できることが望ましい。
【0003】
そして、上記フレームが軸方向に規則正しく安定的に潰れて大きな潰れ荷重が維持される好適な潰れモードとしては、例えば矩形閉断面を有するフレームの場合、軸方向に延びる周方向4つの平面部がそれぞれフレーム固有の潰れピッチにて軸方向に交互に凹凸を繰り返すように潰れ変形するとともに、隣り合う2つの平面部同士は、一方が凹状であれば他方が凸状になるように潰れ変形するモードが知られている。
【0004】
そこで、従来より、フロントバンパーが固定される車両のフロントフレームに種々の潰れ案内ビードを形成して、車両の衝突時には、上記フロントバンパーからの入力荷重を受けたフロントフレームが所望の態様で潰れるようにしたものが知られている。すなわち、例えば、特開昭61−287871号公報、特開平5−305877号公報、実開平2−24777号公報等には、フレームに軸方向に並設した種々形状の案内ビードにより、車両の衝突時に上記フレームを上述の如き好適な潰れモードで潰れ変形するように導いて、比較的大きな潰れ荷重(平均耐力)を維持するようにしたものが開示されている。
【0005】
また、例えば特開平4−231268号公報に開示されるものでは、上下左右の壁部で構成された矩形閉断面構造のフレームに、角部を挟んで隣り合う2つの壁部の一方では凹条、他方では凸条をなす周方向に延びるビードを設けて、衝突時に軸方向に圧縮荷重が作用したとき最初に上記ビードが潰れることで、入力初期の最大潰れ荷重(初期最大耐力)をある程度低く抑えるようにしている。
【0006】
さらに、特開平8−324454号公報には、上記の初期最大耐力低減用のビード及び平均耐力向上用のビードを両方共に設けたものが開示されている。
【0007】
そして、上記従来の車両のフロントフレームにフロントバンパーを固定する場合、フレームの前端部に左右に折れ曲がったフランジを一体的に設け、このフランジにバンパーを連結固定することが一般に行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、車両衝突時にバンパーに加わる衝突荷重は必ずしもフレーム軸方向に平行に作用するとは限らず、このような平行でない衝突荷重の作用があると、上記従来のバンパー固定構造では、衝突の初期にフレームの左右いずれか一方のフランジが先に曲げ変形して、入力荷重がその方に大きく偏ってずれてしまい、フレーム側に十分に伝達されない。したがって、その場合には、上述の如くフレーム側に種々の案内ビードを設けていても、フレームを狙い通りの好適な潰れモードで変形させることができず、初期荷重の低減や衝突エネルギーの吸収といった機能が十分に発揮されない虞れがある。
【0009】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、衝突荷重がバンパー側からフレーム側に十分に伝達されるように工夫を凝らして、初期荷重の低減等のフレーム側構造による効果を十分に引き出すことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の解決手段では、初期荷重を低減するための潰れビードよりもバンパー側のフレーム閉断面内に、該フレームを補強する節状部材をフレーム延設方向に並べて2つ設け、かつその節状部材の一方を第1ビードに近接して配置するとともに、他方の節状部材にバンパーを連結することとした。
【0011】
具体的には、請求項1記載の発明では、周方向に隣り合う平面部間に角部を有し、車両の所定方向に延びる閉断面状フレームの延設方向の車両外端側に、上記角部両側の隣り合う2つの平面部の一方に形成された凹条と、他方に該凹条に角部を介して連続するように形成された凸条とからなっていて、上記フレームの初期最大耐力を低減するための第1ビードが設けられ、該第1ビードよりも車両外端側のフレームにバンパーが連結固定されたバンパー固定構造を前提とする。そして、上記第1ビードは、フレームの全ての角部を含む略全周に亘って形成され、この第1ビードよりも車両外端側のフレーム閉断面内に、フレーム内周面に接合されかつ該フレーム内を区分する節状部材がフレーム延設方向に並んで2つ設けられ、該2つの節状部材の一方が第1ビードに近接して配置される一方、他方の節状部材には、バンパー側へ向かって延びるボルトが固定されており、該ボルトとこれにバンパー側から螺合締結されるナットとによって、その他方の節状部材に上記バンパーが連結固定されている構成とする。
【0012】
この構成によれば、車両の衝突時にバンパーに加わった荷重は、最初に、フレーム閉断面内に設けられた2つの節状部材のうち、バンパーの連結固定されている他方の節状部材に伝えられるので、フレームの外側にずれることなく上記他方の節状部材からフレームに伝達される。また、2つの節状部材によってフレーム前端部の閉断面形状の潰れが阻止されるので、バンパー側から伝達された荷重を十分に第1ビードに加えることができ、このことで、第1ビードを狙い通りに潰して、初期荷重を低減させることができる。
【0013】
より詳しくは、延設方向に並んで設けられた2つの節状部材によってフレームの閉断面形状の潰れが阻止され、特に、第1ビードに近接配置された一方の節状部材により該第1ビード近傍でのフレームの閉断面形状の潰れを確実に防止することができる。このため、バンパー側の節状部材に伝達された荷重をフレームを介して確実に第1ビードに加えることができ、よって、第1ビードによる初期荷重の低減機能を最大限に発揮させることができる。
【0014】
しかも、上記第1ビードがフレームの全ての角部を含む略全周に亘って、その角部を介して連続するように即ち角部にかかって形成されていることで、潰れにくいフレーム角部の全てが第1ビードによって潰れ易くなっており、このことで、フレームの潰れ初期最大耐力は十分に小さくなっている。また、第1ビードが隣り合う2つの平面部の一方では凹条を、他方では凸条をそれぞれなしているので、潰れ変形の際の角部での引張りによる破断や圧縮による肉余りが抑制されて、そのことによる悪影響が回避される。
【0015】
よって、衝突時の荷重を簡単な構造でフレーム側に十分に伝達することができ、フレーム側の構造による効果を十分に引き出して、荷重入力初期の最大潰れ荷重を低減することができる。
【0016】
加えて、上記2つの節状部材のうちの一方は、上記の如く第1ビードに近接配置されていても、他方の節状部材はフレームの車体外方端側に離して配置することができるので、この他方の節状部材に対するバンパーの連結構造を比較的自由に設計することができる。
【0017】
請求項記載の発明では、請求項1に記載の発明における第1ビードは、各角部を形成する隣り合う2つの平面部の一方の凹条の深さと、他方の凸条の高さとが略同一に設定されている。
【0018】
このことで、第1ビードが潰れる際の該第1ビードの各角部に作用する凹条の変形による圧縮力と凸条の変形による引張り力とが略等しくなるので、上記各角部における引張りによる破断や圧縮による肉余りが略完全に抑制される。よって、上記破断や肉余りによって第1ビードによる潰れ変形案内に支障をきたすことを確実に防止できる。
【0019】
請求項記載の発明では、請求項1又は2のいずれかに記載の発明において、第1ビードよりも車体内方側のフレーム平面部には、フレーム延設方向に沿って略潰れピッチにて該略潰れピッチ全長に亘る凹部及び凸部が交互に繰り返す平均耐力向上のための第2ビードが、両側の角部にかからない範囲に形成されている構成とする。
【0020】
この構成では、車両衝突時に、第2ビードによって、フレームを折れ曲がり変形することなくフレーム延設方向に略潰れピッチにて規則正しく安定的に潰れ残りなく狙いの潰れモードで潰れ変形させるように導くことができ、このことで、より大きな潰れ平均耐力を確保して、より高い潰れ耐力を安定的に持続させることができる。また、上記第2ビードはフレームの角部には形成されていないので、角部が潰れ易くなることによる潰れ平均耐力の低下を阻止でき、この点においてもより大きな潰れ平均耐力を確保することができる。
【0021】
請求項記載の発明では、請求項記載の発明における第1ビードのフレーム延設方向の幅は、第2ビードの潰れピッチよりも短く設定されている。
【0022】
このことで、フレーム延設方向に沿った断面内において、第1ビードの凹条及び凸条ビードの上記フレーム延設方向に沿った傾斜角が大きくなるので、上記フレーム延設方向の荷重による凹条及び凸条ビードの潰れ易さが増大し、このことによっても、潰れ初期最大耐力のより大きな低減を図ることができる。
【0023】
請求項記載の発明では、請求項又は記載の発明における第2ビードは、フレーム延設方向において第1ビードに連続して、又は該第1ビードに対して潰れピッチの整数倍の長さの中間平面部を介在させて形成されている。
【0024】
このことで、第1ビードと第2ビードとの間の中間平面部の潰れ変形が上記潰れピッチで行われるので、上記第2ビードの第1ビード側端部領域において、その第2ビードに従ってスムーズかつ確実に潰れピッチにて狙い通りの潰れモードで潰れ変形を開始させることができる。
【0025】
請求項記載の発明では、請求項のいずれか1つに記載の発明における第2ビードは、フレームの互いに対向する2つの平面部に形成されている。このことで、第2ビードによる潰れ変形案内をより確実に行うことができる。
【0026】
請求項記載の発明では、請求項記載の発明における互いに対向する2つの第2ビードは、フレーム延設方向において一方が凹部のときは他方が凸部になるように形成されている。
【0027】
このことで、フレームが延設方向に潰れ変形するとき、該フレーム延設方向の各位置の断面内で引張りや圧縮が生じないので、その引張りや圧縮に起因する破断や肉余りを回避することができる。よって、上記破断や肉余りによって第2ビードによる潰れ変形案内に支障をきたすことを防止できる。
【0028】
請求項記載の発明では、請求項のいずれか1つに記載の発明における第2ビードは、該第2ビードが形成されている平面部の両側の角部から少なくともフレーム潰れ時における上記角部の移動分を差し引いた残りの範囲に形成されている。
【0029】
このことで、フレームが延設方向に潰れ変形するとき、角部(稜線)が第2ビードの形成された部分にまで移動して入り込む虞れがないので、その移動した角部が入り込むことによる潰れ変形の乱れを回避することができる。よって、角部の移動によって第2ビードによる潰れ変形案内に支障をきたすことを防止できる。
【0030】
請求項記載の発明では、請求項記載の発明における第2ビードは、該第2ビードが形成されている平面部の両側の角部から潰れピッチの略1/2の長さを差し引いた残りの範囲に形成されている。
【0031】
すなわち、一般に、フレームの潰れは各潰れピッチ毎に行われるので、角部の移動量は最大で潰れピッチの1/2になる。そこで、本発明では、第2ビードを平面部の両側の角部から潰れピッチの略1/2の長さを差し引いた残りの範囲に形成することで、請求項記載の発明による作用を確実に得ることができる。
【0032】
請求項10記載の発明では、請求項1又は2のいずれかに記載の発明において、第1ビードよりも車体内方側のフレーム閉断面内に、該フレームの少なくとも1つの平面部に対向してフレーム延設方向に延びる補強平面部を有する補強板が配設され、該補強平面部には、フレーム延設方向に沿って略潰れピッチにて該略潰れピッチ全長に亘る凹部及び凸部が交互に繰り返す平均耐力向上のための第2ビードが形成されている構成とする。
【0033】
この構成では、フレームがその延設方向に潰れ変形するとき、該フレーム内に設けられた補強板が第2ビードに従って潰れ変形し、該補強板の潰れ変形により、フレームを狙い通りの潰れモードで潰れ変形するように導くことができる。よって、請求項記載の発明と同様に大きな潰れ平均耐力を確保することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0035】
(実施形態1)
図1は、本発明に係る車両フレームへのバンパー固定構造Cを、乗用車のフロントフレームへのフロントバンパーの固定に適用した実施形態を示し、同図の手前左側が前方すなわち車体外方であり、右奥側が後方すなわち車体内方である。尚、以下、特に断らない限り車体の前後左右を前後左右というものとする。
【0036】
上記図1において、86は車体のフロントボディ右側下部において前後方向に延びる右側のフロントフレームであり、後述するが、該フレーム86は複数の平面部により構成され、隣り合う平面部同士の連結部が角部とされた閉断面状のものである。上記フレーム86の前端部(車体外方端)の近傍には、該フレーム86の初期最大耐力を低減して、衝突時の最初の荷重をある程度低く抑えるための第1ビード92が設けられ、また、該第1ビード92に連続する後側のフレームの左右両側の平面部58,66(図2参照)には、フレーム86の平均耐力を高めて吸収し得る衝突エネルギー量を十分に確保するための連続凹凸状の第2ビード90、90が設けられている。
【0037】
そして、上記第1ビード92の前方に連続するフレーム86の閉断面内には、衝突時に該閉断面形状の崩れを抑制するようにフレーム86を補強する節状部材10,20が前後に並んで2つ設けられていて、そのうちの前側の第1節状部材10に、フロントバンパーのレインフォースメント30が連結固定されている。
【0038】
以下、まず上記フレーム86の構成及びその潰れ変形時の態様について詳細に説明する。
【0039】
上記フレーム86は、図2にも示すように、車体前後方向に延びる断面ハット状の第1パネル50及び第2パネル52を向かい合わせて、それぞれフランジ50a,52a同士を接合してなるダブルハット型フレームであり、車体前後方向に延びる8つの平面部54,56,58,60,62,64,66,68(平面部54と平面部62とは、2枚のフランジ50a,52aにより構成されている)と、隣り合う平面部同士の連結部である8つの角部70,72,74,76,78,80,82,84とからなる断面四角形の閉断面状のものである。
【0040】
上記フレーム86の互いに左右に対向する平面部58,66には、それぞれ平均耐力向上用の第2ビード90(図には一方のみ示す)が形成されている。この第2ビード90は、上記互いに対向する2つの平面部58,66において、それらの平面部58,66の両側の角部72,74,80,82にかからない範囲に形成されるとともに、さらに、両側の角部72,74,80,82からそれぞれ所定長H=P/2(Pは以下に説明する潰れピッチ)の長さ分を差し引いた残りの範囲に形成されている。
【0041】
上記2つの平面部58,66に形成された第2ビード90は、特に図3に示すように、それぞれ車体前後方向つまりフレーム86の軸方向に沿って上記潰れピッチPにて該潰れピッチP全長に亘る凹部90aと凸部90bとが交互に繰り返す連続凹凸状をなすように形成されている。また、これらの2つの平面部58,66に形成された第2ビード90は、上記軸方向において同一位相で、つまり上記軸方向の各潰れピッチ領域A1,A2,…において一方の第2ビードが凹部90aのときは他方の第2ビードが凸部90bとなるように形成されている。
【0042】
上記潰れピッチPは、フレームの断面形状、肉厚及び材質などによって定まるフレームに固有の値であり、例えば1986年にイギリスで発行された「Int.J.Impact Engng Vol.4 No.4」の第243頁〜第270頁に記載された「DYNAMICPROGRESSIVE BUCKLING OF CIRCULAR AND SQUARE TUBES」の第243頁及び第244頁に、「2H」(この2Hが1潰れピッチ)として定義されている。
【0043】
上記フレーム86における第2ビード90の前端側に連続する位置に、該フレーム86の全ての角部70,72,74,76,78,80,82,84を含む全周に亘って初期最大耐力低減用の第1ビード92が形成されている。この第1ビード92は、上記各角部を挟んで隣り合う2つの平面部の一方では凹条92a、他方では凸条92bをなしている。より具体的には、図4に示すように、角部70を挟む平面部54,56においては、平面部54では凸条(角部70から見れば平面部54におけるビードは凸条である)をなすとともに、平面部56では凹条をなし、角部72を形成する平面部56,58においては、平面部56では凹条であるので平面部58では凸条をなし、角部74を形成する平面部58,60においては、平面部58では凸条であるので平面部60では凹条をなし、角部76を形成する平面部60,62においては、平面部60では凹条であるので平面部62では凸条(角部76から見れば平面部62におけるビードは凸条である)をなす。
【0044】
さらに、上記第1ビード92は、角部78を形成する平面部62,64においては、平面部62では凹条(角部78から見れば平面部62におけるビードは凹条である)であるので平面部64では凸条をなし、角部80を形成する平面部64,66においては、平面部64では凸条であるので平面部66では凹条をなし、角部82を形成する平面部66,68においては、平面部66では凹条であるので平面部68では凸条をなし、角部84を形成する平面部68,54においては、平面部68では凸条であるので平面部54では凹条(角部84から見れば平面部54におけるビードは凹条である)をなしている。
【0045】
上記第1ビード92は、フレーム86の軸方向の幅L2が潰れピッチPよりも十分に小さく設定され、また、フレーム86の各角部を形成する隣り合う2つの平面部の一方の凹条の深さSiと、他方の凸条の高さSoとが略同一になるように形成されている。さらに、上記第1ビード92は、フレーム86の前端部から所定長さLf={P/2(Pは潰れピッチ)の整数倍}だけ後方に形成されている。
【0046】
また、上記第2ビード90は、その後端がフレーム86の後端から所定長さLr={P/2(Pは潰れピッチ)の整数倍}だけ前方に離れるように形成されている。尚、上記フレーム86の後端とは、フレーム86の軸方向にストレートに略同一の断面が続いている部分、つまり、フレーム86の衝突荷重の吸収のために潰そうとしている部分の後端を意味する。
【0047】
そして、このような構成により、上記フレーム86に図3に示すように前端から軸方向後方に向けて荷重Wが作用した場合、まず、図5及び図6に示すように、第1ビード92部分が潰れ変形する。この第1ビード92の潰れ変形は、図示の如く凹条92aはより凹の状態に、また凸条92bはより凸の状態になるように変形する。そして、第1ビード92が潰れた後、続いてこの第1ビード92よりも後方側のフレーム部分が第2ビード90に導かれて、図7、図8、図9及び図10に示すように潰れ変形する。
【0048】
すなわち、軸方向に延びる各平面部54,56,58,60,62,64,66,68のそれぞれは各潰れピッチ領域A1,A2,…毎に軸方向に交互に凹凸を繰り返して潰れ変形するとともに、各角部70,72,74,76,78,80,82,84を挟んで隣り合う2つの平面部同士、例えば角部72を挟んで隣り合う平面部56と平面部58とは、同一潰れピッチ領域において一方が凹部であれば他方が凸部になるように変形するのである。
【0049】
尚、上記フレーム86の構成は上記図2〜図10に示すものに限定されるものではなく、例えば図11に示すように、断面ハット状パネルと断面直線パネルとからなるシングルハット型のフレーム86を用いてもよい。また、図12に示すように、フレーム86の各角部70,72,74,76を面取り状に形成したり、第1ビード92と第2ビード90との間にフレーム軸方向に潰れピッチPの整数倍(この変形例では1倍)の長さL3の中間平面部91を介在させたりしてもよい。
【0050】
したがって、上述の如く、フレーム86に初期最大耐力低減用の第1ビード92が形成され、この第1ビード92が全ての角部を含むフレーム全周に亘って形成されているので、潰れにくい角部の全てがこの第1ビード92により潰れ易くなり、このことにより初期最大耐力を小さくさせて衝突時の初期荷重を十分に低減させることができる。
【0051】
また、上記第1ビード92は、フレーム軸方向の幅L2がフレーム86の潰れピッチPよりも短く設定されているので、図13に示すように、フレーム軸方向に沿った断面内での凹条92a及び凸条92bの該軸方向に対する傾斜角α1が、同図に破線で示すように軸方向の幅が潰れピッチPの場合の傾斜角α2よりも大きくなり、その結果、軸方向の荷重Wが作用した場合に上記凹条92a及び凸条92bが潰れやすくなるので、このことによっても初期最大耐力を小さくさせて衝突時の最初の荷重を十分に低減させることができる。このことから、上記第1ビード92の幅は十分に小さく設定することが好ましい。
【0052】
さらに、上記第1ビード92の形状を変えることで、潰れ初期最大耐力を変えて、フレーム86の潰れ変形案内を調整することも可能である。すなわち、フレーム86の板厚が同じであるとすれば、図14に示すように第1ビード92の角θ及び曲率Rを変えることで、例えば曲率Rを大きくすれば、応力集中度合が小さくなるので初期最大耐力を大きくすることができ、また、角θを小さくすれば、軸方向荷重が入力した場合に第2ビード92に作用する力のフレーム軸方向に垂直な成分が小さくなるので初期最大耐力を大きくすることができる。
【0053】
さらにまた、上記第1ビード92は、フレーム86の各角部を挟んで隣り合う2つの平面部において、一方では凹条92aをなし、他方では凸条92bをなしており、しかも、該凹条92aの深さと凸条92bの高さとが略同一に形成されているので、この第1ビード92が潰れる際に該第1ビード92の各角部では、上記凹条92aの変形による圧縮と上記凸条92bの変形による引張りとの両方が作用してそれらが互いに相殺される。このことで、上記第1ビード92の各角部での引張りのよる破断や圧縮による肉余りを回避でき、よって、この破断や肉余りによる潰れ変形への悪影響を回避しつつ、第2ビード90で導こうとする狙い通りの潰れモードを実現させて、十分に大きな潰れ平均耐力を確保することができる。
【0054】
また、上記フレーム86の互いに対向する2つの平面部58,66には、それぞれ平均耐力向上用の第2ビード90が形成され、該第2ビード90はそれぞれフレーム軸方向に沿って潰れピットPにて、該潰れピッチP全長に亘る凹部90a及び凸部90bが繰り返す連続凹凸状をなしている。このため、上記フレーム86は、車両衝突時に第2ビード90に導かれて、軸方向に潰れピッチPにて規則正しく安定的に折れ曲がることなく、狙い通りの潰れモードで潰れ残りなく変形し、これにより、より大きな潰れ平均耐力が確保され、より高い潰れ耐力を安定的に持続させることができる。
【0055】
また、上記第2ビード90は、それぞれ平面部58,66において両側の角部にかからない範囲に形成されているので、角部が潰れやすくなることによる潰れ平均耐力の低下を阻止でき、この点においてもより大きな潰れ平均耐力を確保することができる。
【0056】
さらに、上記第2ビード90がフレーム軸方向において第1ビード92に連続して形成されているので、第2ビード90の前端側領域において、その第2ビード90に従ってスムーズかつ確実に潰れピッチPにて狙い通りの潰れモードで変形を開始させることができる。しかも、上記第2ビード90がフレーム86の互いに対向する2つの平面部58,66に形成されているので、1つの平面部のみに形成されている場合に比べて、第2ビード90による潰れ案内がより確実に行われる。
【0057】
さらにまた、上記第2ビード90は、フレーム86の互いに対向する2つの平面部58,66において、一方が凹条92aであれば他方が凸条92bになるように形成されているので、フレーム86が軸方向に潰れ変形する場合に各潰れピッチ領域の軸方向に垂直な断面内で引張りや圧縮が生じない。従って、その引張りに因る破断や圧縮による肉余りが回避され、上記第2ビード90による潰れ変形の案内に支障をきたさない。
【0058】
加えて、上記第2ビード90は、平面部58,66の両側の角部からそれぞれ潰れピッチPの1/2の長さ分を差し引いた残りの範囲に形成されているので、フレーム86が軸方向に潰れ変形する場合に、各角部が第2ビード90の部分にまで移動して該第2ビード90の変形を乱すことを回避することができる。すなわち、フレーム86の潰れ変形は潰れピッチP毎に行われるので、角部の移動量は最大でもP/2になり、上記のように両側の角部からP/2だけ差し引いた残りの範囲に第2ビード90を形成しておけば、角部が第2ビード90の形成された範囲まで移動することを確実に回避できる。
【0059】
ここで、上記第1ビード92及び第2ビード90による効果を確かめるために、上記図11に示すフレーム86と従来例の一つ(実開平2−24777号公報)のフレームとを同一材料で同一寸法、同一形状に形成した試験フレームを製作し、
それらを同一条件で潰した場合の潰れ量と荷重との関係を調べた試験結果を図15に示す。
【0060】
上記試験結果から分かるように、第1ビード92と第2ビード90とを設けることにより、同一材質で同一寸法、同一形状のフレームであっても、初期最大耐力十分に低減させるとともに、平均耐力をより増大させることができる。尚、なんらのビードも設けなかったフレームの場合は、同図に破線で示すように初期最大耐力が大きく立ち上がるとともに、例えば途中で折れ曲がる等して平均耐力が著しく小さくなることがある。
【0061】
次に、本発明の特徴部分として、上述の如き構成のフレーム86へフロントバンパーのレインフォースメント30を固定する構造について、上記図1及び図16,17,18に基づいて詳細に説明する。
【0062】
上記各図に示すように、フレーム86の前端開口部には、僅かに突出した状態で第1節状部材10が設けられている。この第1節状部材10は、フレーム軸方向に対し垂直な面内に広がる隔壁部11を有しており、該隔壁部11が左側の平面部58から右側の平面部66まで左右方向に延びていて、その左右両端部で折り曲げられて後方に延びる左右両側の側壁部12,13が一体的に形成されるとともに、上記隔壁部11の上下両端部がそれぞれ上側の平面部56,82よりもやや低い位置、及び下側の平面部60,64よりもやや高い位置で後方に折り曲げられて、それぞれ上壁部14及び底部15が一体的に形成されている。また、上記左右両側の側壁部12,13はそれぞれ上下両端部がフレーム86の内側に折り曲げられ、上壁部14及び底部15にそれぞれ重ね合わされて接合(溶接)されており、このことで、上記第1節状部材10が強固な閉断面状に形成されている。
【0063】
そして、上記第1節状部材10の右側の側壁部13は、フレーム86の右側の平面部66に内側から重ね合わされていて、上下2本のボルト16,16により該平面部66に締結されている。一方、左側の側壁部12は、第2節状部材20の左側の側壁部22と共にフレーム86の左側の平面部58に内側から重ね合わされていて、上下2本のボルト17,17により上記側壁部22及び平面部58に締結されている。
【0064】
また、上記第2節状部材20は、第1ビード92のフレーム前端側に連続するように配置され、フレーム86の内部空間を前後に区画するようにフレーム軸方向に垂直に広がる隔壁部21と、該隔壁部21の左右両側端部が折り曲げられて前方に延びる左右両側の側壁部22,23とにより、略コの字状に構成されている。そして、上記右側の側壁部23は、フレーム86の右側の平面部66に内側から重ね合わされていて、上下2本のボルト24、24(図17及び図18に示す)により該平面部66に締結されており、また、該側壁部23の上端部はフレーム86の上側の平面部82に沿って内側に折り曲げられている。一方、左側の側壁部22はフレーム86の前端部まで延びていて、上述の如く第1節状部材10の左側の側壁部12と共にフレーム86の左側の平面部58に締結されている。
【0065】
さらに、上記各図において、26は車両を貨物列車等で運搬する際に床に固定するために用いるタイダウンフックである。このタイダウンフック26の上端側には、フレーム86の第1ビード92よりも前端側の右側外側面全体を概ね覆うように広がる接合面26aが設けられていて、上記タイダウンフック26はその接合面26aにおいてフレーム86に締結固定されている。すなわち、上記タイダウンフック26の接合面26aは、第1節状部材10の右側の側壁部13と共に、フレーム86の右側の平面部66に対し上下2本のボルト16,16により締結固定されるとともに、第2節状部材20の右側の側壁部23と共に、フレーム86の右側の平面部66に対し上下2本のボルト24、24により締結固定されている。
【0066】
言い換えれば、上記第1節状部材10及び第2節状部材20は、左側の側壁部同士が互いに重ね合わされて上下2本のボルト17,17により締結されるとともに、右側の側壁部同士がタイダウンフック26の接合面26aを介して締結されて一体とされており、このことで、第1ビード92よりもフレーム前端側のフレーム86は、上記第1節状部材10及び第2節状部材20によって強固に補強されている。
【0067】
一方、上記第1節状部材10の隔壁部11には、該隔壁部11から略垂直に前方に延びる3本のウェルドボルト31,31,31が立設されている。この各ウェルドボルト31は、上記隔壁部11における上段右側及び下段左右両側で後側から前側に貫通した状態で、該隔壁部11に基端部が接合される一方、先端部は、車体の左右両端間に延びる樹脂製のレインフォースメント30の左右両端部に形成された取り付け面32(図には右側のみ示す)の貫通孔を貫通していて、前方から螺合するナット33,33,…と共に上記レインフォースメント30を第1節状部材10に固定するようになっている。
【0068】
尚、上記各図において、34は、図示しないが車体前方からレインフォースメント30に被せられるバンパー表皮の上下両端部を支持するためのブラケットである。
【0069】
したがって、この実施形態1のバンパー固定構造Cによれば、車両衝突時にバンパーに加わった衝突荷重が、レインフォースメント30からフレーム閉断面内に設けられた第1節状部材10に伝えられるので、フレーム86よりも外側にずれることなく上記第1節状部材10からフレーム86に対し十分に伝達される。このことで、簡単な構成により衝突荷重をフレーム86の第2ビード90が形成された部分まで十分に伝達して、フレーム86を第2ビード90の案内によって狙い通りの潰れモードで潰れ変形させることができるので、上述の如き第2ビード90によるフレーム86の潰れ平均耐力向上の効果を有効に発揮させることができる。
【0070】
また、第2節状部材20が第1ビード92に可及的に近接して配置されており、しかも、第1節状部材10、第2節状部材20及びフレーム86の前端部が一体とされて、該フレーム前端部が強固に補強されているので、その部分のフレーム閉断面形状の潰れを阻止して、バンパー側から伝達された荷重を十分に第1ビード92に加えることができる。このことで、第1ビード92を狙い通りに潰して、上述の如き第1ビード92による入力初期の最大潰れ荷重の低減機能を設計通り最大限に発揮させることができる。
【0071】
さらに、第2節状部材20を第1ビード92に可及的に近接配置する一方、第1節状部材10は比較的自由に配置できるので、この第1節状部材10に対するバンパーの連結構造を比較的自由に設計することができる。そして、この実施形態では、第1節状部材10をフレーム86の前端部に配置しているので、該第1節状部材10とバンパーのレインフォースメント30とを直接的に強固に連結固定することができる。
(実施形態2)
図19は、本発明の実施形態2に係るバンパー固定構造Cを示し、この実施形態2におけるフレーム86へのバンパー固定構成は実施形態1のもの(図1等参照)と同様のものであるので、以下、同様の部分には同一の符号を付して説明する。
【0072】
上記図19において、10、20はそれぞれは上記実施形態1と同様にフレーム86に設けられた節状部材であり、第1節状部材10は、フレーム軸方向に対し垂直な面内に広がる隔壁部11と、該隔壁部11の左右両側端部が折り曲げられて後方に延びる左右両側の側壁部12,13とにより、略コの字状に構成されている。そして、上記第1節状部材10の右側の側壁部13は、上記実施形態1と同様にフレーム86の右側の平面部66に内側から重ね合わされて、上下2本のボルト(図示せず)により締結され、また、左側の側壁部12はフレーム86の左側の平面部58に内側から重ね合わされて、上下2本のボルト17,17により締結されている。さらに、上記実施形態1と同様、上記第1節状部材10の隔壁部11には2本のウェルドボルト31,31が立設され、このウェルドボルト31,31と該ウェルドボルト31,31にそれぞれバンパー側から螺合するナット33,33とにより、鋼製のレインフォースメント30が第1節状部材10に締結固定されている。
【0073】
また、第2節状部材20は、第1ビード92のフレーム前端側に連続する位置でフレーム86内の空間を前後に区画する隔壁部21と、該隔壁部21が左右両端部で折り曲げられて前方に延びる左右両側の側壁部22,23と、上記隔壁部21が上下両端部で折り曲げられてそれぞれ前方に延びる上側の壁部41、及び底部42とを備えており、上記左右両側の側壁部22,23はそれぞれ上下両端部がフレームの内側に折り曲げられ、上壁部41及び底部42にそれぞれ重ね合わされて接合(溶接)されており、このことで、上記第2節状部材20は強固な閉断面状に形成されている。
【0074】
そして、上記第2節状部材20の右側の側壁部23はフレーム86の右側の平面部66に内側から重ね合わされていて、該平面部66に外側から重ね合わされているタイダウンフック26の接合面26aと共に、上下2本のボルト24,24により平面部66に締結されている。上記タイダウンフック26の接合面26aは、第1ビード92の前縁からフレーム86の前端までの間の後側の半分程度を覆うように形成されていて、上記第1実施形態とは異なり、第1節状部材10の右側側壁部13とは重ならないようになっている。一方、上記第2節状部材20の左側の側壁部12はフレーム86の左側の平面部58に内側から接合(溶接)されている。つまり、この実施形態では、上記両節状部材10,20はそれぞれ単独でフレーム86に締結されている。
【0075】
したがって、上記実施形態2によれば、上記実施形態1と同様、車両衝突時にバンパーに加わる衝突荷重を、フレーム閉断面内に設けられた第1節状部材10を介してフレーム86に対し十分に伝達することができるので、第1ビード92による入力初期の最大潰れ荷重の低減機能を狙い通りに発揮させることができる上、第2ビード90によるフレーム86の潰れ平均耐力向上の効果を有効に発揮させることができる。また、第1節状部材10に対するバンパーの連結構造を比較的自由に設計することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記実施形態1,2に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態1,2では、本発明を車両のフロントフレームへのフロントバンパーの固定構造に適用しているが、これに限らず、例えば車両のリアフレームへのリアバンパーの固定構造に適用してもよい。
【0076】
また、本発明が適用されるフレームの構造は、上記実施形態1,2のものに限らない。すなわち、上記実施形態1,2では、フレーム86の左右両側の平面部58,66にそれぞれ第2ビード90を形成しているが、これに限らず、例えば図21に示すように(尚、同一の部材には同一の符号を付す)、フレーム86の内部にフレーム軸方向に延びる左右一対の補強板96,98を設け、該各補強板96,98のフレーム平面部58,66にそれぞれ対向する補強平面部に、上記実施形態1,2の第2ビード90と同様の潰れ案内ビードを形成してもよい。
【0077】
そして、このように構成すれば、バンパー側からの圧縮荷重を受けて、フレーム86が軸方向に潰れ変形するとき、該フレーム86内に設けられた補強板96,98が潰れビードに従って潰れ変形するので、該補強板96,98の潰れ変形により、フレーム86を狙い通りの潰れモードで潰れ変形するように導くことができる。よって、上記実施形態1,2のフレーム86と同様に大きな潰れ平均耐力を確保することができる。
【0078】
また、上記実施形態1,2において、フレーム86に形成されている第1ビード92や第2ビード90を、フレーム86が取り付けられている上方のエプロンパネルや下方のフレームロアパネルにも形成するようにしてもよい。このようにすれば、フレーム86の潰れ変形の際にその周囲のパネルをフレーム86と同様の潰れモードで変形させることができるので、それらのパネルの変形によってフレーム86の潰れ変形が乱されることがない。
【0079】
さらにまた、上記実施形態1,2では、フレーム86内に節状部材10,20を形成し、その節状部材10,20にバンパーを連結するようにしているが、これに限らず、例えば、上記実施形態1のフレーム86の前端部に該フレーム86と同様に閉断面状に形成されたブラケットを連結し、このブラケット内に節状部材を設けてバンパーを連結するようにしてもよい。また、この場合には、上記ブラケットに第1ビード92を形成してもよく、さらに、上記ブラケットに第1ビード92及び第2ビード90を形成してもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明における車両フレームへのバンパー固定構造によれば、車両衝突時にバンパーに加わった荷重を、フレーム閉断面内に設けた2つの節状部材を介して簡単な構造で十分にフレーム側に伝達し、第1ビードに加えることができるので、フレーム側の構造による効果を十分に引き出して、荷重入力初期の最大潰れ荷重を低減することができる。しかも、節状部材に対するバンパーの連結構造を比較的自由に設計することができる。また、フレームの角部の全てを潰れ易くしたことによっても、潰れ初期最大耐力を有効に低減できる。
【0081】
請求項記載の発明によれば、フレームの各角部における破断や肉余りによって第1ビードによる潰れ変形案内に支障をきたすことを確実に防止できる。
【0082】
請求項記載の発明によれば、車両衝突時に、第2ビードによってフレームを狙いの潰れモードで潰れ変形させるように導くことができるので、より大きな潰れ平均耐力を確保して、より高い潰れ耐力を安定的に持続させることができる。
【0083】
請求項記載の発明によれば、フレーム延設方向の荷重による凹条及び凸条ビードの潰れ易さを増大させて、そのことによる潰れ初期最大耐力のより大きな低減を図ることができる。
【0084】
請求項記載の発明によれば、第2ビードの第1ビード側端部領域においてその第2ビードに従ってスムーズかつ確実に潰れ変形を開始させることができる。
【0085】
請求項記載の発明によれば、第2ビードによる潰れ変形案内をより確実に行うことができる。
【0086】
請求項記載の発明によれば、フレームの潰れ変形時にフレーム延設方向各位置の断面内での引張りや圧縮を防止することができ、その引張りや圧縮に伴う破断や肉余りが第2ビードの潰れ変形案内に支障をきたすことを防止できる。
【0087】
請求項及び請求項に記載の発明によれば、フレームの潰れ変形に伴う角部の移動が第2ビードによる潰れ変形案内に支障をきたすことを防止できる。
【0088】
請求項10記載の発明によれば、請求項記載の発明と同様に大きな潰れ平均耐力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係るフレームへのバンパー固定構造を示す斜視図である。
【図2】 フレーム構造を示す斜視図である。
【図3】 図2のIII−III線における断面図である。
【図4】 図2のIV−IV線における断面図である
【図5】 図2に示すフレームの変形状態を示す斜視図である。
【図6】 図5のVI−VI線における断面図である。
【図7】 図2に示すフレームの変形状態を示す斜視図である。
【図8】 図7のVIII−VIII線における断面図である。
【図9】 図7のIX−IX線における断面図である。
【図10】 図7のX−X線における断面図である。
【図11】 実施形態1の変形例の構成を示す図1相当図である。
【図12】 実施形態1の図11とは異なる変形例の構成を示す図1相当図である。
【図13】 第1ビードの幅の初期最大耐力への影響を示す説明図である。
【図14】 第1ビードの形状を示す断面図である。
【図15】 各潰れ量における荷重の大きさを示す説明図である。
【図16】 フレームへのバンパー固定構造を示す正面図である。
【図17】 フレームの上側平面部を省略して示す図16の上面図である。
【図18】 図16の側面図である。
【図19】 本発明の実施形態2に係る図1相当図である。
【図20】 本発明の他の実施形態に係るフレームの構成を示す図2相当図である
【符号の説明】
10 第1節状部材
20 第2節状部材
30 レインフォースメント(バンパー)
31 ウェルドボルト
33 ナット
54,56,58,60,62,64,66,68 平面部
70,72,74,76,78,80,82,84 角部
86 フロントフレーム(フレーム)
90 第2ビード
90a 凹部
90b 凸部
92 第1ビード
92a 凹条
92b 凸条
96,98 補強板

Claims (10)

  1. 周方向に隣り合う平面部間に角部を有し、車両の所定方向に延びる閉断面状フレームの延設方向の車両外端側に、上記角部両側の隣り合う2つの平面部の一方に形成された凹条と、他方に該凹条に角部を介して連続するように形成された凸条とからなっていて、上記フレームの初期最大耐力を低減するための第1ビードが設けられ、
    上記第1ビードよりも車両外端側のフレームにバンパーが連結固定されたバンパー固定構造において、
    上記第1ビードは、フレームの全ての角部を含む略全周に亘って形成され、
    上記第1ビードよりも車両外端側のフレーム閉断面内に、フレーム内周面に接合されかつ該フレーム内を区分する節状部材がフレーム延設方向に並んで2つ設けられ、
    上記2つの節状部材の一方が第1ビードに近接して配置される一方、
    他方の節状部材には、バンパー側へ向かって延びるボルトが固定されており、該ボルトと該ボルトにバンパー側から螺合締結されるナットとによって、上記他方の節状部材に上記バンパーが連結固定されていることを特徴とする車両フレームへのバンパー固定構造。
  2. 請求項1において、
    第1ビードは、各角部を形成する隣り合う2つの平面部の一方の凹条の深さと、他方の凸条の高さとが略同一に設定されていることを特徴とする車両フレームへのバンパー固定構造。
  3. 請求項1又は2において、
    第1ビードよりも車体内方側のフレーム平面部には、フレーム延設方向に沿って略潰れピッチにて該略潰れピッチ全長に亘る凹部及び凸部が交互に繰り返す平均耐力向上のための第2ビードが、両側の角部にかからない範囲に形成されていることを特徴とする車両フレームへのバンパー固定構造。
  4. 請求項において、
    第1ビードのフレーム延設方向の幅は、第2ビードの潰れピッチよりも短く設定されていることを特徴とする車両フレームへのバンパー固定構造。
  5. 請求項3又は4のいずれかにおいて、
    第2ビードは、フレーム延設方向において第1ビードに連続して、又は該第1ビードに対して潰れピッチの整数倍の長さの中間平面部を介在させて形成されていることを特徴とする車両フレームへのバンパー固定構造。
  6. 請求項〜5のいずれか1つにおいて、
    第2ビードは、フレームの互いに対向する2つの平面部に形成されていること特徴とする車両フレームへのバンパー固定構造。
  7. 請求項において、
    互いに対向する2つの第2ビードは、フレーム延設方向において一方が凹部のときは他方が凸部になるように形成されていることを特徴とする車両フレームへのバンパー固定構造。
  8. 請求項3〜7のいずれか1つにおいて、
    第2ビードは、該第2ビードが形成されている平面部の両側の角部から少なくともフレーム潰れ時における上記角部の移動分を差し引いた残りの範囲に形成されていることを特徴とする車両フレームへのバンパー固定構造。
  9. 請求項8において、
    第2ビードは、該第2ビードが形成されている平面部の両側の角部から潰れピッチの略1 / 2の長さを差し引いた残りの範囲に形成されていることを特徴とする車両フレームへのバンパー固定構造。
  10. 請求項1又は2のいずれかにおいて、
    第1ビードよりも車体内方側のフレーム閉断面内に、該フレームの少なくとも1つの平面部に対向してフレーム延設方向に延びる補強平面部を有する補強板が配設され、
    上記補強平面部には、フレーム延設方向に沿って略潰れピッチにて該略潰れピッチ全長に亘る凹部及び凸部が交互に繰り返す平均耐力向上のための第2ビードが形成されていることを特徴とする車両フレームへのバンパー固定構造
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