JP3838691B2 - 窒化ケイ素の粉砕助剤及びその用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化ケイ素の粉砕助剤及びそれを用いた窒化ケイ素粉末組成物と窒化ケイ素粉末組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギー、高エネルギー効率の観点から、ガスタービンやターボロータ、バルブ等の自動車部品及び一般産業用機械部品に窒化ケイ素セラミックスが検討されている。そのセラミックスを提供するのための窒化ケイ素粉末に要求される特性としては、高α化率、サブミクロン粒子、高純度、安価であるということである。
【0003】
窒化ケイ素の製造方法は、大別して金属シリコンを窒素やアンモニア等の反応ガスを用いて窒化する直接窒化法、シリカを炭素等の還元剤と反応ガスを用いて窒化する還元窒化法、ハロゲン化ケイ素から生成するシリコンジイミドを熱分解するイミド熱分解法である。
【0004】
これらのうち、工業的に最も普及しているのは直接窒化法である。直接窒化法では、窒化反応で合成された窒化ケイ素インゴットを粉砕して窒化ケイ素粉末とする。窒化ケイ素インゴットとは、粉末状の金属シリコンから合成された窒化ケイ素粒子の集合体である。主原料の金属シリコンは、通常、ハンドリング性向上のため成形体にするか又は粉末のまま窒化するが、金属シリコンの窒化反応は大きな発熱反応であるので生成した窒化ケイ素粒子が比較的強固に結合した集合体となる。
【0005】
窒化ケイ素インゴットの粉砕には湿式法と乾式法がある。湿式法は、乾式法よりも粉砕効率がよいが、粉砕物の精製・濾過・乾燥・解砕等の後処理工程が必要である。また、粉砕し難い窒化ケイ素インゴットでは長時間の粉砕が必要となるため、粉砕メディアの摩耗が激しく、更には混入した不純物や粒子表面の酸化層を取り除く精製工程や、酸処理等が必要となる。これに対し、乾式法では湿式法のような後処理工程は必要でないが、粉砕効率が低くメディアの摩耗粉の混入や表面酸素の大幅な増加等の問題がある。また、数十μm又はそれ以上の粗大粒子が残留し易く焼結体に大きな欠陥を生じ強度や靭性を損なう原因となる。
【0006】
更には、湿式法と乾式法ないしは窒化ケイ素の製造方法には関係なく、微粉の窒化ケイ素は、経時的な安定性やハンドリング性の面で問題が生じ易い。すなわち、窒化ケイ素粒子の表面は、常温でも表面から酸化されたり加水分解を生じ、長期安定性に劣り流動性が悪くなり、その結果、焼結体特性の低下を招く。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記に鑑み、長期安定性に優れた窒化ケイ素粉末を提供することである。また、本発明の別の目的は、直接窒化法で製造された窒化ケイ素インゴットの粉砕性を高める方法を提供することである。
【0008】
本発明の目的は、窒化ケイ素の製造方法には関係なく、微粉の窒化ケイ素粉末に、分子内にシクロヘキシル基とアミノ基を有する有機化合物の塩を添加するか、直接窒化法で製造された窒化ケイ素インゴットの粉砕助剤として、上記有機化合物の塩を使用することによって達成することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、以下を要旨とするものである。
(請求項1)シクロヘキシル基とアミノ基を有する有機化合物の塩からなることを特徴とする窒化ケイ素の粉砕助剤
(請求項2)請求項1記載の窒化ケイ素の粉砕助剤を含有してなることを特徴とする窒化ケイ素粉末組成物。
(請求項3)金属シリコン粉末を窒化して得られた窒化ケイ素インゴットに請求項1記載の窒化ケイ素の粉砕助剤を添加し粉砕することを特徴とする窒化ケイ素粉末組成物の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳しく本発明について説明する。
【0011】
一般に、窒化ケイ素の製造方法が同じであれば、その粉末の比表面積(窒素ガスを用いて測定されたBET比表面積。以下、同じ。)が大きくなるほど焼結性は高くなるが、長期安定性が悪くなる。
【0012】
すなわち、窒化ケイ素粉末の比表面積が小さいということは、大きな窒化ケイ素粒子で粉末が構成されているか、又は窒素ガスが入り込めないほど強固に粒子が結合していることを示し、逆に比表面積が大きいということは、粉末の一次粒子が微細であることを表している。微細な窒化ケイ素粒子ほど焼結性がよく、焼結体の微構造制御が可能となるので強度や靭性が向上し易くなる。このようなことから、窒化ケイ素粉末の比表面積は少なくとも8m2 /g以上であることが好ましく、直接窒化法によるものはその粉砕効率を考慮して9m2 /g以上特に10〜20m2 /gであることが好ましい。
【0013】
しかしながら、このような微粉の窒化ケイ素粉末は酸化され易く、高比表面積のものほど空気中の酸素、水分と反応し長期安定性が乏しくなり、焼結性が低下する。
【0014】
本発明は、このような高比表面積の有する長期安定性の問題を、シクロヘキシル基とアミノ基を有する有機化合物の塩の添加によって解決したものである。また、驚くべきことに、このような有機化合物の塩を直接窒化法により製造された窒化ケイ素インゴットの粉砕助剤として使用するとその粉砕効率が高まることをも見いだしたものである。
【0015】
本発明において、分子内にシクロヘキシル基とアミノ基を有する有機化合物の塩とは、例えばジシクロヘキシルアミンの亜硝酸塩(Dicyclohexylamine nitrite(DHA):(C6H11)2NH ・HNO2) 、亜硝酸塩、硝酸塩、硫酸塩などをあげることができる。このような有機化合物の塩は、窒化ケイ素粉末への分散性が良好で窒化ケイ素粒子表面への吸着性に優れ、少量の添加量で長期安定性ないしは窒化ケイ素インゴットの粉砕助剤としての効果がある。
【0016】
本発明における有機化合物の塩の添加量は、窒化ケイ素粉末及び/又は窒化ケイ素インゴット100重量部に対し、0.1〜10重量部程度特に0.5〜5重量部が好ましい。0.1重量部未満では長期安定性ないしは粉砕助剤としての効果が少なく、また10重量部をこえると窒化ケイ素本来の特性が損なわれる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例と比較例をあげて具体的に示す。
【0018】
実施例1〜5 比較例1〜6
市販の金属シリコン粉末100重量部に対して、窒化ケイ素粉末を骨材として30重量部加えボールミルで混合して窒化原料とした。この原料1kgを容器に自然充填した状態で窒化炉に入れ、真空排気してから窒素ガスで置換し、アルゴンガスと水素ガスを導入して窒素30%、アルゴン50%、水素20%のガス組成の雰囲気に調整した後、昇温を開始した。窒化開始後は、平均反応速度2%/hrになるように雰囲気を調整して1420℃まで昇温した。反応速度は、ガスの入り口と出口に取り付けた積算流量計で5分毎にガス量を測定し、その差を消費ガス量として金属シリコン粉末がSi3 4 の理論比で消費されたものとし、窒素ガス1モルの体積を20℃で22.4リットルとして算出した。
【0019】
窒化終了後、窒素ガスを流しながら室温まで放冷して合成した窒化ケイ素インゴットを取り出した。次いで、これを窒化ケイ素製乳鉢で0.2mm以下に粗・中砕した後、窒化ケイ素製ボールを媒体として用い、表1に示す粉砕助剤を添加しボールミルで8時間粉砕して窒化ケイ素粉末を製造した。
【0020】
実施例1〜5は粉砕助剤としてジシクロヘキシルアミンの亜硝酸塩(DHA)を用い、比較例1は無添加、比較例2〜6は従来のトリエタノールアミン(TEA)を用いたものである。なお、表1に示された粉砕助剤の添加量は、窒化ケイ素インゴット100重量部に対する重量部である。
【0021】
得られた窒化ケイ素粉末について、以下に従い、比表面積、平均粒径、粗大粒子の残留分、α化率、長期安定性を測定した。それらの結果を表1に示す。
(1)比表面積:湯浅アイオニクス社製のカンタソーブを用い、ヘリウム−窒素の混合ガスを標準ガスとして流通式の1点法で測定。
(2)平均粒径:Leeds &Northrup社製のマイクロトラック「SPA」を用い、水中に20分間超音波分散させた希薄スラリーで測定。
(3)粗大粒子の残留分:水500mlに試料200gを加えて30分間超音波分散させ、目開き25μmで水篩する操作を3回繰り返し、篩上残差の乾燥重量を求め、元試料に対する割合を算出。
(4)α化率:CuKα線によりX線回折を行い、α相は(102)面の回折線強度Ia102と(210)面の回折線強度Ia210、β相は(101)面と(210)面の回折線強度をそれぞれIb101、Ib210で代表し、次式により算出。
α化率(%)=(Ia102+Ia210)/(Ia102+Ia210+Ib101+Ib210)×100
(5)長期安定性:20℃、湿度60%で300日間粉末を放置して比表面積の変化を測定し、放置前の比表面積に対する相対値を算出。
【0022】
長期安定性試験前の窒化ケイ素粉末及び長期安定性試験後の窒化ケイ素粉末について以下の焼結性を評価した。すなわち、窒化ケイ素粉末91重量部にY2 3 粉末5重量部とAl23 粉末4重量部を混合し、有機バインダー5重量%を加えて混合粉末の50重量%のスラリー水溶液を調合した。それをスプレードライヤーで造粒・乾燥し、金型プレス成形後、2.5トン/cm2 でCIP成形した後、温度1750℃で4時間焼結して窒化ケイ素焼結体を製造した。この焼結体について、JIS R1601に準拠して室温における4点曲げ強度を測定した。それらの結果についても表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0003838691
【0024】
表1に示したように、実施例1〜5の本発明の窒化ケイ素粉末は、窒化ケイ素インゴットを乾式粉砕して得られた比較的製造の容易なものであるが、比較例1〜6に比較して、粗大粒子の残留は少なく、長期保存後の比表面積の変化も小さく、焼結用原料として十分な比表面積とα化率を持つので、焼結体強度は高い値を示した。
【0025】
実施例6
還元窒化法によって製造された窒化ケイ素粉末100重量部に対しジシクロヘキシルアミンの亜硝酸塩(DHA)を2重量部添加し、実施例1と同様にして長期安定性試験と焼結性の評価試験を行った。その結果を表2に示す。
【0026】
比較例7
ジシクロヘキシルアミンの亜硝酸塩(DHA)を添加しなかったこと以外は、実施例6と同様にして試験した。その結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
Figure 0003838691
【0028】
表2から、本発明における有機化合物の塩は、還元窒化法によって製造された窒化ケイ素粉末についても長期安定性の改善効果が示された。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、長期安定性の改善された窒化ケイ素粉末が提供される。また、本発明によれば、直接窒化法で製造された窒化ケイ素インゴットの粉砕性とその窒化ケイ素粉末の長期安定性を改善することができる。

Claims (3)

  1. シクロヘキシル基とアミノ基を有する有機化合物の塩からなることを特徴とする窒化ケイ素の粉砕助剤
  2. 請求項1記載の窒化ケイ素の粉砕助剤を含有してなることを特徴とする窒化ケイ素粉末組成物。
  3. 金属シリコン粉末を窒化して得られた窒化ケイ素インゴットに請求項1記載の窒化ケイ素の粉砕助剤を添加し粉砕することを特徴とする窒化ケイ素粉末組成物の製造方法。
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