JP3835929B2 - 角栓除去用シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、毛穴に形成された角栓を取り除く角栓除去用シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
人の皮膚の毛穴には、油分等の分泌物やゴミ、埃等により角栓が形成されるが、この角栓は、肌の健康上および美容上好ましくない。この角栓を予防または除去する方法としては、各種の洗顔剤を用いた洗顔の他、チューブに入った液状のパック剤(角栓除去剤)が利用されている。
【0003】
従来のパック剤は、液状の水溶性パック剤を皮膚に塗布し、乾燥後、形成された皮膜を皮膚から剥離し、皮膜の粘着力により角栓の除去を行うものであるが、角栓の除去性能は十分ではない。
【0004】
さらに、このような塗布型のパック剤では、使用者が自己の皮膚に対し均一な厚さに塗布することが困難であるため、乾燥状態に部分的なバラツキを生じ、パック剤皮膜を剥離した際、乾燥が不十分な部分のパック剤が皮膚に残留する。また、皮膜の薄い部分は、剥離時に破れ易く、破断片が皮膚に残留するので、皮膜全体を除去するのに多大な手間がかかるという問題があった。
【0005】
そこで、パック剤を厚く塗布し、より長時間乾燥することが必要となるが、これでは簡便さを欠き、実用性に乏しいとともに、パック剤の消費量も多く、経済的にも不利である。
【0006】
このような欠点を解消するために、基材層上にパック剤層を積層した角栓除去用シートが開発されている。この角栓除去用シートは、皮膚を水で濡らし、そこへ角栓除去用シートのパック剤層を貼着し、湿潤したパック剤層を乾燥後、角栓除去用シートを皮膚から剥すことにより角栓を除去する。
【0007】
この角栓除去用シートの基材層としては、主に織布が用いられている。そのため、次のような欠点がある。
【0008】
パック剤層を湿潤(含水)させた際に、軟化したパック剤が織布の繊維間の隙間に深く侵入する。これにより、パック剤層と織布とが厚さ方向にほぼ全体が重なり、パック剤層の角栓除去性能が低下するとともに、パック剤が基材層の表面にまでしみ出し(所謂、裏抜けという)、角栓除去用シートを貼付する際にベタツキを生じる。
【0009】
また、このような欠点を解消するために、基材層の厚さを厚くすることも考えられるが、この場合には、基材層の柔軟性が損なわれるため、角栓除去用シートを貼着する際の皮膚の湾曲に対する局面追従性が悪くなり、角栓除去用シートの皮膚に対する密着不良の箇所では角栓を十分に除去できない等の問題が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、皮膚への貼着時の曲面追従性に優れ、高い角栓除去性能を発揮する角栓除去用シートおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(11)に示す本発明により達成される。
【0012】
(1) 通気性および可撓性を有する基材層と、水溶性高分子材料を主成分とする角栓除去層とを積層してなる角栓除去用シートであって、
前記基材層は、繊度が0.0007デニール以上0.02デニール以下の繊維よりなる不織布で構成され、
前記基材層の米坪量が、20〜200g/m2であることを特徴とする角栓除去用シート。
【0013】
(2) 前記基材層の厚さは、0.05〜1mmである上記(1)に記載の角栓除去用シート。
【0015】
(3) 前記角栓除去層の構成物質が前記基材層の一部に含浸または埋入している上記(1)または(2)に記載の角栓除去用シート。
【0016】
(4) 前記角栓除去層の構成物質が前記基材層に含浸または埋入している部分の厚さは、前記基材層全体の厚さの1〜65%である上記(3)に記載の角栓除去用シート。
【0017】
(5) 前記基材層の少なくとも片面側に親水化処理が施されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の角栓除去用シート。
【0018】
(6) 前記基材層の少なくとも片面側に疎水化処理が施されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の角栓除去用シート。
【0019】
(7) 前記水溶性高分子材料は、酢酸ビニルとN−ビニル−2−ピロリドンの共重合体である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の角栓除去用シート。
【0020】
(8) 前記共重合体における酢酸ビニルとN−ビニル−2−ピロリドンの共重合比が5:95〜95:5である上記(7)に記載の角栓除去用シート。
【0021】
(9) 前記水溶性高分子材料の平均分子量が1万〜300万である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の角栓除去用シート。
【0022】
(10) 繊度が0.0007デニール以上0.02デニール以下の繊維よりなる不織布で構成され、かつ、米坪量が、20〜200g/m2である基材層の片面に、水溶性高分子材料を主成分とする角栓除去剤を塗布、乾燥して、角栓除去層を形成することを特徴とする角栓除去用シートの製造方法。
【0023】
(11) 繊度が0.0007デニール以上0.02デニール以下の繊維よりなる不織布で構成され、かつ、米坪量が、20〜200g/m2である基材層の片面に、水溶性高分子材料を主成分とする角栓除去剤よりなる角栓除去層を転写法により接合することを特徴とする角栓除去用シートの製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の角栓除去用シートおよびその製造方法について詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の角栓除去用シートの構成例を示す斜視図である。同図に示すように、本発明の角栓除去用シート1は、基材層2と角栓除去層(パック剤層)3とを積層してなるものである。以下、各層の構成について説明する。
【0026】
基材層2は、後述するような極細繊維よりなる不織布で構成されている。これにより、所定の通気性および可撓性(柔軟性)を確保しつつ、貼着する皮膚の曲面に対する曲面追従性に優れ、また、肌ざわりの良い基材層2とすることができる。
【0027】
また、極細繊維よりなる不織布を使用することにより、不織布への角栓除去剤の侵入を抑制することができるため、少ない角栓除去剤の塗布量で優れた角栓除去性が得られ、これに伴い、製造時および使用時の乾燥時間を短縮することができる。
【0028】
不織布を構成する繊維としては、例えば、セルロース繊維、綿、リンター、カポック、亜麻、***、ラミー、絹、羊毛等の天然繊維、ナイロン(ポリアミド)、テトロン、レーヨン、キュプラ、アセテート、ビニロン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)、ポリプロピレン等の化学繊維、またはこれら天然および化学繊維のうちの2以上を組み合わせたものを挙げることができる。
【0029】
これらの繊維の繊度(太さ)は、0.0007デニール以上0.02デニール以下である。
【0030】
本発明では、基材層2にこのような極細繊維を用いる。これにより、繊維の充填密度(嵩密度)を高めることができ、よって、基材層2の厚さを増大することなく、製造時に塗布されるの角栓除去剤の塗布液や、使用時に湿潤して軟化した角栓除去剤の繊維間間隙への侵入を抑制することができる。その結果、基材層2と重ならない単独の角栓除去層3の厚さを十分に確保することができ、高い角栓除去性能が得られる。また、角栓除去剤が基材層2の表面21にしみ出し(裏抜け)、ベタツキを生じることも防止される。特に、基材層2の柔軟性を損なわないので、角栓除去用シート1を貼着する際の皮膚の湾曲部に対する曲面追従性を確保することができ、この点でも優れた角栓除去性を発揮する。
【0031】
また、少ない角栓除去剤の塗布量で、良好な角栓除去性が得られるため、製造時および使用時の乾燥時間を大幅に短縮することができる。
【0032】
用いる繊維の繊度が0.1デニール以上では、繊維の細径化が不十分であり、繊維の種類等によっては上記効果を十分に得ることができない。また、0.0001デニール未満の繊維は、製造上困難である。
【0033】
また、基材層2の米坪量は、20〜200g/m2である。この値が低過ぎると、角栓除去剤の繊維間間隙への侵入抑制を十分に発揮することができなくなる場合があり、また、この値が高過ぎると、基材層2の柔軟性が低下し、十分な曲面追従性が確保できない。なお、基材層2の米坪量は、20〜200g/m2であるが、30〜100g/m2であるのがより好ましい。
【0034】
このような基材層2は、それ自体通気性を有している。これにより、後述する角栓除去層3を皮膚に貼着した際に、角栓除去層3中の溶媒(水分、アルコール分等)が基材層2を透過して蒸発し、角栓除去層3の乾燥が均一かつ良好(迅速)になされる。
【0035】
また、基材層2は、可撓性(柔軟性)を有している。これにより、角栓除去用シート1を例えば鼻、額、頬、あごやその周辺の皮膚の湾曲面に対して貼着する場合に、その湾曲面に対する追従性(曲面追従性)が確保される。特に、前記のような繊度の繊維を用いると、この曲面追従性が特に優れ、角栓除去性能の向上に寄与する。
【0036】
基材層2の厚さは、特に限定されず、それを構成する繊維の材質、繊度、充填密度等の条件に応じて適宜決定されるが、通常は、0.05〜1mm程度であるのが好ましく、0.07〜0.7mm程度であるのがより好ましい。厚さが0.05mm未満であると、前述した裏抜けを生じ易くなり、また、厚さが1mmを超えると、基材層2の柔軟性が低下し、皮膚の湾曲部に対する曲面追従性が低下する。
【0037】
このような基材層2には、予め、親水化処理、または疎水(撥水)化処理等を、その繊維の材料、繊度、充填密度等の条件に応じて適宜行っておくことができる。この親水化処理、疎水化処理は、基材層2を構成する不織布の全体に対し行っても、片面側(表面21または角栓除去層3との接合面22)のみに行ってもよい。
【0038】
このような処理を行うことにより、基材層2と角栓除去層3との重複部分4(図2参照)の厚さ等を調整することができる。
【0039】
例えば、基材層2の角栓除去層3との接合面22側に対し親水化処理を施すと、基材層2と角栓除去層3との接着力が向上する。また、基材層2の表面21側に対し疎水化処理を施すと、重複部分4の厚さをより小さくし、角栓除去性能を向上させるとともに、前述した裏抜けの防止効果がより一層高まる。また、これら双方の処理を施すこともできる。
【0040】
親水化処理の具体例としては、例えば、界面活性剤の付与、プラズマ処理が挙げられ、疎水(撥水)化処理の具体例としては、例えば、シリコーン化合物、フッ素化合物等の撥水剤の付与が挙げられる。
【0041】
なお、基材層2として、親水化処理を施した不織布、疎水(撥水)化処理を施した不織布、これらの処理を施していない不織布のうちの任意の2以上のものを組み合わせた積層したものを用いることもでき、この場合にも前記と同様の効果が発揮される。
【0042】
角栓除去層3を構成する角栓除去剤は、水溶性高分子材料を主成分とする組成物で構成される。かかる水溶性高分子材料としては、水またはエチルアルコール等の親水性媒体により湿潤状態または濡れ状態におかれたとき、接着性を示すものが好適に用いられる。
【0043】
このような水溶性高分子材料としては、特に限定されず、各種のポリマーを用いることができる。例えば、親水性官能基を導入したポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルキルエステル共重合体、オルガノシロキサン系ポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、デンプン類、アルギン酸塩、ポリ(ビニルエーテル−マレイン酸)共重合体、ポリ−N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体等が挙げられるが、このなかでも、N−ビニル−2−ピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体を主とするものが好ましい。
【0044】
N−ビニル−2−ピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体(以下単に「共重合体」とも言う)は、適度な凝集性をもち、皮膚面に対する密着性(貼付性)が優れているため、高い角栓除去性能を発揮する。また、皮膚に対する刺激が少ないという点でも優れている。さらに、角栓除去層3の膜強度が高く、破損が生じにくいため、剥離した際に角栓除去剤の皮膚への残存(剥離残渣)が生じにくい。
【0045】
N−ビニル−2−ピロリドンと酢酸ビニルの共重合体における共重合比は、任意の範囲で選択できるが、5:95〜95:5であることが好ましく、15:85〜85:15がより好ましく、30:70〜70:30の範囲がさらに好ましい。このような共重合比とすることにより特に良好な皮膚密着性が得られ、角栓除去性能を向上させることができる。
【0046】
また、酢酸ビニルとN−ビニル−2−ピロリドンの共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの共重合体であってもよい。
【0047】
さらに、このような共重合体に、組成物の凝集性、取扱性および角栓除去層の膜強度の向上等に寄与するものとして、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のホモポリマー成分を適宜混合して用いることもできる。
【0048】
角栓除去層3中における前記共重合体の含有量は、15〜95wt%程度であるのが好ましく、40〜80wt%程度であるのがより好ましい。この含有量が少な過ぎると、前記共重合体を用いたことによる角栓除去性能の向上効果が少なく、また多過ぎると、角栓除去層3が硬化し、割れを生じ、取扱性が悪くなる。
【0049】
前記共重合体に代表される水溶性高分子材料の重量平均分子量は、1万〜300万程度が好ましく、2万〜150万程度がより好ましい。この平均分子量が小さ過ぎると、角栓除去層3の膜強度が低下し、乾燥後皮膚への角栓除去剤の残留を生じ易く、また、平均分子量が大き過ぎると、水に対する溶解性が低くなり、皮膚への接着強度が不足することがある。
【0050】
また、角栓除去層3中には、以下に述べるような充填剤が必要に応じ添加されていてもよい。充填剤の添加により、角栓除去層3の膜強度をより向上させることができ、よって、皮膚への剥離残渣の防止効果が高まる。また、充填剤は、その種類に応じて、顔料としての機能も発揮する。
【0051】
この充填剤は、通常粉体であることが好ましく、その形状は特に限定されないが分散性の点から球状、鱗片状、針状であることが好ましく、特に球状であることが好ましい。
【0052】
充填剤の平均粒径は、特に限定されないが、5nm〜50μm であることが好ましく、7nm〜30μm がより好ましい。充填剤の平均粒径をこの範囲とすることにより、角栓除去層3中における分散性をより向上させることができる。
【0053】
角栓除去剤中の充填剤の含有量は、特に限定されないが、60wt%以下が好ましく、1〜50wt%がより好ましい。充填剤の含有量が多過ぎると、角栓除去性能が低下する。
【0054】
本発明で使用される充填剤としては特に限定されず、無機系充填剤、有機系充填剤のいずれも使用することができ、また、これらを混合して使用してもよいが、本発明では、無機系充填剤を主として用いることがより好ましい。無機系充填剤の持つ吸湿性によって、角栓除去層3中の水分が吸収され、角栓除去層3の乾燥時間の短縮および膜強度の向上を図ることができる。
【0055】
無機系充填剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セラミック、ハイドロキシアパタイト、窒化ホウ素、セリサイト、マイカ、タルク、クレー、カオリン、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、鉄黒、黄色酸化鉄、べんがら、紺青、群青、カーボンブラック、パール顔料等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、このなかでも無水ケイ酸および酸化チタンの少なくとも一方を含むのが好ましい。
【0056】
無水ケイ酸は、吸水作用を有し、角栓除去層3に含まれる水分を吸収することができるため、乾燥性の向上に寄与することができる。また、角栓除去層3の膜強度を向上させ、剥離性をより優れたものとすることができる。
【0057】
一方、酸化チタンは、白色隠蔽性を有するため、これを添加することにより角栓除去層3を白色化することができ、皮膚より除去され、角栓除去層3に付着した角栓の視認性を向上することができる。
【0058】
有機系の充填剤としては、例えば、シルクパウダー、セルロースパウダー、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ユリア樹脂、ポリホルムアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレア樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、レーキ顔料、アゾ染料等が挙げられ、必要に応じ、これらの1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
【0059】
さらに、充填剤として、多孔質粒子を用いて抗菌剤等の薬剤を担持させたものや、各種機能性ポリマー等で被覆したものを使用することも可能である。
【0060】
また、角栓除去層3中には、水溶性高分子と相溶性のある可塑剤が必要に応じ添加されていてもよい。可塑剤としては以下のような化合物が挙げられる。
【0061】
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、それ以上のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、それ以上のポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなどのブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、それ以上のポリグリセリンなどの多価アルコール類である。
【0062】
さらに、敏感肌の人に用いる場合など、角栓除去層3の接着力が強く、剥離後の肌に異常を起こすことが予想される場合は、以下のような油状成分が添加されていてもよい。油状成分としては、スクワラン、スクワレン、ワセリン、流動パラフィンなどの炭化水素、ホホバ油、ヒマシ油、オリーブ油、卵黄油、ヤシ油などの天然油、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン油、オレイン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸、ラウリルアルコールなどの高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル類が挙げられる。
【0063】
このような油状成分を角栓除去層3中に安定分散させるために、次に挙げるような界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤として、非イオン性界面活性剤であるグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど、N−アシルアミノ酸塩などの陰イオン界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩などの陽イオン界面活性剤、ベタイン類などの両性界面活性剤が挙げられる。
【0064】
また、これらの可塑剤、油状成分、界面活性剤は1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0065】
また、角栓除去剤中には、ビニルアルコール、ビニルアルキルエーテル、スチレン、アルキル置換スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルブチラール、ビニルホルマール、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、アリルアミン、エチレンイミン、アクリロニトリル、α−アミノ酸、スチレンスルホン酸や、これらの塩等の一般の単量体の単独重合体または共重合体、アルギン酸、アルギン酸塩、でんぷん、セルロース、セルロース誘導体(HEC、CMC)等の高分子化合物が添加されていてもよい。これらの物質の含有量は、特に限定されないが、角栓除去剤に対し、20wt%以下であるのが好ましく、0.1〜10wt%程度であるのがより好ましい。
【0066】
また、角栓除去層3中には、溶媒(または分散媒)が含まれていてもよい。
このような溶媒は、前記水溶性高分子化材料を安定的に溶解するものであって、室温〜体温付近で揮発性を有し、さらに皮膚に刺激を与えないものが良く、その好適例としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール等の、水および/または炭素数1〜4のモノアルコールが挙げられる。これらの溶媒は、特に前記無機充填剤と組合わせて使用される場合には、無機充填剤の吸湿性による角栓除去層3の過剰な乾燥を抑制する働きを有する。
【0067】
角栓除去剤における溶媒の含有量としては、水溶性高分子材料、充填剤の含有量等により適宜選択することができるが、通常、30wt%以下が好ましく、20wt%以下がより好ましい。また、溶媒の含有量は、微量または極微量であっても良い。
【0068】
なお、このような溶媒は、角栓除去層3中に積極的に含有せしめる場合の他、角栓除去剤を調製する過程で添加された溶媒(または分散媒)の不揮発分が残存しているものでも良い。
【0069】
さらに、角栓除去層3中には、一般に化粧料、医薬製剤等に使用される各種の添加剤が配合されていてもよい。このような添加剤としては、例えば抗菌剤、粘度調整剤、防腐剤、防黴剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、酸化防止剤、中和剤、pH調整剤、消炎剤、栄養剤等が挙げられる。これらの添加量は、角栓除去層3の角栓除去性能を悪化させない範囲の量とされる。
【0070】
以上のような基材層2と角栓除去層3とは、所定の接着力をもって接合(接着)されている。
【0071】
基材層2と角栓除去層3との接着力は、例えば基材層2と角栓除去層3とを接着剤で接着すること等により得ることもできるが、本発明では、図2に模式的に示すように、角栓除去層3の構成物質である角栓除去剤が基材層3の一部(厚さ方向の一部)に含浸または埋入(拡散)しているような構成とするのが好ましい。これにより、簡易な層構成(簡易な製造工程)で、基材層2と角栓除去層3との高い接着力を得ることができ、前述した角栓除去剤の皮膚へ剥離残渣防止が発揮される。
【0072】
このような構成では、基材層2と角栓除去層3との界面は、必ずしも明確ではなく、両層2、3の境界付近では、両層2、3がある程度重複している(図2参照)。この場合、両層2、3の重複部分4の厚さ、すなわち、角栓除去層3の構成物質(角栓除去剤)が基材層2に含浸または埋入している部分の厚さは、基材層2全体の厚さの1〜65%程度であるのが好ましく、5〜50%程度であるのがより好ましい。この比率が少な過ぎると、基材層2と角栓除去層3との接着力が弱くなるので層間剥離を生じ易くなり、また、この比率が多過ぎると、前記裏抜けを生じるおそれがある。
【0073】
角栓除去層3の厚さは、特に限定されないが、0.05〜1mm程度であるのが好ましく、0.08〜0.3mm程度であるのがより好ましい。角栓除去層3の厚さが薄過ぎると、膜強度が低下し、角栓除去性能が低下するとともに、前述した角栓除去剤の皮膚への剥離残渣防止効果が少ない。また、厚過ぎると、角栓除去層3の乾燥時間が長くなる。
【0074】
このような角栓除去層3の形成方法は、特に限定されないが、形成の容易性、安定性、生産性等の理由から、塗布法または転写法により形成されたものであるのが好ましい。
【0075】
塗布法、転写法は、角栓除去層3の形成を容易かつ適正に行うことができるとともに、図2に示すような層2、3の重複構造を得る上で、重複部分4の厚さやその比率等をコントロールし易いという利点を持つ。塗布法、転写法による形成方法の詳細は、後に詳述する。
【0076】
また、図示されていないが、本発明の角栓除去用シートは、基材層2の表面21に、角栓除去層3中の成分の蒸散や、基材層2の表面21の汚染等を防止する等の目的で、保護層を有していてもよい。
【0077】
この保護層としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるフィルム、表面をポリマー処理した紙類、あるいはその他のフィルム、シート等が挙げられる。
【0078】
また、図示されていないが、本発明の角栓除去用シートは、角栓除去層3の皮膚への貼着面31に離型フィルムが接合されていてもよい。
【0079】
これにより、使用時まで角栓除去層3を衛生的に保管し、また、角栓除去層3中の成分の蒸散を抑制することができる。
【0080】
離型フィルムの基材としては、一般的に使用されるものが挙げられ、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるフィルム、表面をポリマー処理した紙類、あるいはその他の各種フィルム、シート等が挙げられる。このような基材の貼着面31と接合する面には、シリコーン等の離型剤がコーティングされている。
【0081】
次に、本発明の角栓除去用シートの製造方法について説明する。本発明の角栓除去用シートは、例えば以下のような方法により製造することができる。
【0082】
1.塗布法
まず、角栓除去層3を形成するための角栓除去剤塗布液を調製する。角栓除去剤塗布液の調製は、前述した水溶性高分子材料、その他必要に応じて添加される充填剤、可塑剤、その他の添加剤、無機および/または有機溶媒(分散媒)を各々所定量混合し、撹拌することによりなされる。角栓除去剤塗布液の粘度は、例えば100〜5000 cps(常温)程度とされる。
【0083】
次に、この角栓除去剤塗布液を基材層2の片面に塗布し、乾燥する。これにより、基材層2と角栓除去層3との積層体が得られる。このとき、基材層2が、前述したような極細繊維の不織布で構成されているため、基材層2への塗布液の含浸が適度に規制され、重複部分4の厚さを前述したような範囲とすることができる。これにより、優れた角栓除去性および裏抜け防止効果が得られる。
【0084】
塗布の方法としては、例えば、ロール、エアナイフ、ナイフ、コンマ、グラビア、マイヤーバー、ファウンテンダイ等を用いたコート、スプレーコート、はけ塗り、ディッピング等いかなる方法でもよい。
【0085】
このような塗布法によれば、基材層2が不織布で構成されているので、角栓除去剤塗布液を塗布する際にその一部が不織布の繊維間の間隙に含浸し、図2に示すような、角栓除去層3が基材層2の一部に含浸または埋入した構成を得ることができる。
【0086】
なお、前述したように、基材層2には、予め、親水化処理、または疎水(撥水)化処理等を、その構成材料や面に応じて行っておくことができる。
【0087】
2.転写法
前記と同様にして角栓除去剤塗布液を調製し、この角栓除去剤塗布液をフィルム、シート等の転写体(仲介物)の表面に塗布、乾燥し、角栓除去層3を形成する。転写体としては、前述した離型フィルムを用いることができる。
【0088】
次に、この角栓除去層3を基材層2に重ね、必要に応じ、加水処理や加圧処理を施し、その後、転写体を除去して、角栓除去層3を基材層2の表面に転写する。これにより、基材層2と角栓除去層3との積層体が得られる。
【0089】
なお、角栓除去層3の基材層2上への転写に際しては、基材層2と角栓除去層3との間に、接着剤層等の中間層を介在させてもよい。
【0090】
また、基材層2に対する親水化処理、疎水(撥水)化処理については、前記と同様である。
【0091】
以上のような角栓除去用シートの製造方法によれば、前述したような優れた効果を持つ角栓除去用シートを容易に製造することができる。特に、各層の厚さや層の重複の度合い等を容易にコントロールすることができ、角栓除去層も均一な厚さに形成することができる。また、生産性も高く、量産にも適する。
【0092】
また、本発明の角栓除去用シートの製造方法により得られた角栓除去用シートの乾燥減量率は30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。ここで、乾燥減量率は、角栓除去用シートから乾燥により除去される溶媒量に相当し、下記式[1]により求めることができる。
【0093】
乾燥減量率(%)={ (WA −WB )/WA } ×100 ・・・[1]
【0094】
WA :乾燥前の角栓除去用シート重量 (g)
WB :乾燥後の角栓除去用シート重量 (g)
【0095】
乾燥減量率が30%を超えると、角栓除去層が過度に軟化され、シート端部または不織布表面からのしみ出し、角栓除去剤、保護層からの剥離不良を生じるおそれがある。
【0096】
【実施例】
以下、具体的実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0097】
(実施例1)
下記表1に示す組成の角栓除去剤塗布液を調製した。その方法は、まず、水溶性高分子の溶液に、充填剤等を加え、これらを十分に撹拌して、角栓除去剤塗布液とした。なお、この塗布液の粘度は、500〜1500 cpsであった。
【0098】
一方、基材層として、アクリル系極細繊維よりなる不織布(繊度:0.0007デニール、米坪量40g/m2、厚さ:0.3mm)を用意した。
【0099】
次に、基材層の片面(接合面22)に前記塗布液を塗布、乾燥し、厚さ(乾燥膜厚)0.15mmの角栓除去層を形成した。基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの20%程度であった。
【0100】
以上のようにして、本発明の角栓除去用シートを製造した。
なお、この製造において、上記式[1]で示される乾燥減量率は、9%であった。
【0101】
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、下記表1に示す組成の角栓除去剤塗布液を調製した。
【0102】
一方、基材層として、ポリエステル系極細繊維よりなる不織布(繊度:0.005デニール、米坪量40g/m2、厚さ:0.35mm)を用意した。
【0103】
次に、転写体として、離型剤をコーティングしたポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、該フィルムの離型剤層上に、前記塗布液を塗布、乾燥し、厚さ(乾燥膜厚)0.14mmの角栓除去層を形成した。
【0104】
次に、この角栓除去層と前記基材層とを接合し、加水処理による湿潤下でローラ加圧し、角栓除去層と基材層とを接着した。基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの30%程度であった。
【0105】
以上のようにして、本発明の角栓除去用シートを製造した。
なお、この製造において、上記式[1]で示される乾燥減量率は、8%であった。
【0106】
(実施例3)
実施例1と同様の方法により、下記表1に示す組成の角栓除去剤塗布液を調整した。
【0107】
一方、基材層として、ポリエステル系極細繊維/ポリプロピレン系極細繊維の混合繊維よりなる不織布(繊度(平均):0.02デニール、米坪量50g/m2、厚さ:0.45mm)を用い、実施例2と同様にして、本発明の角栓除去用シートを製造した。角栓除去層の厚さ(乾燥膜厚)は0.14mmであった。
【0108】
なお、基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの20%程度であった。
また、上記式[1]で示される乾燥減量率は、9%であった。
【0109】
(実施例4)
実施例1と同様の方法により、下記表1に示す組成の角栓除去剤塗布液を調整した。
【0110】
一方、不織布の一方の面(表面21)側に疎水化処理、他方の面(接合面22)側に親水化処理を施した基材層を用い、実施例1と同様にして、本発明の角栓除去用シートを製造した。
【0111】
ここで、疎水化処理は、シリコーン系撥水剤をバインダーと共にコーティングして担持させることにより行い、親水化処理は、界面活性剤をスプレーし乾燥して担持させることにより行った。角栓除去層の厚さ(乾燥膜厚)は0.15mmであった。
【0112】
基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの25%程度であった。
また、上記式[1]で示される乾燥減量率は、9%であった。
【0113】
(実施例5)
実施例1と同様の方法により、下記表2に示す組成の角栓除去剤塗布液を調整した。
【0114】
一方、不織布の一方の面(表面21)側に疎水化処理、他方の面(接合面22)側に親水化処理を施した基材層を用い、実施例2と同様にして、本発明の角栓除去用シートを製造した。なお、疎水化処理および親水化処理の方法は、実施例4と同様とした。角栓除去層の厚さ(乾燥膜厚)は0.14mmであった。
【0115】
基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの20%程度であった。
また、上記式[1]で示される乾燥減量率は、8%であった。
【0116】
(実施例6)
実施例1と同様の方法により、下記表2に示す組成の角栓除去剤塗布液を調整した。
【0117】
一方、不織布の一方の面(表面21)側に疎水化処理、他方の面(接合面22)側に親水化処理を施した基材層を用い、実施例3と同様にして、本発明の角栓除去用シートを製造した。なお、疎水化処理および親水化処理の方法は、実施例4と同様とした。角栓除去層の厚さ(乾燥膜厚)は0.14mmであった。
【0118】
基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの20%程度であった。
また、上記式[1]で示される乾燥減量率は、9%であった。
【0119】
(実施例7)
角栓除去剤塗布液の組成を下記表2に示すものとした以外は、実施例6と同様にして、本発明の角栓除去用シートを製造した。
【0120】
角栓除去層の厚さ(乾燥膜厚)は、0.2mm、基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの45%程度であった。
また、上記式[1]で示される乾燥減量率は、9%であった。
【0121】
(実施例8)
角栓除去剤塗布液の組成を下記表2に示すものとした以外は、実施例6と同様にして、本発明の角栓除去用シートを製造した。
【0122】
角栓除去層の厚さ(乾燥膜厚)は、0.25mm、基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの20%程度であった。
また、上記式[1]で示される乾燥減量率は、9%であった。
【0123】
(比較例1)
実施例1と同様の方法により、下記表3に示す組成の角栓除去剤塗布液を調製した。
【0124】
一方、基材層として、ポリエステル系繊維よりなる不織布(繊度:1.0デニール、米坪量60g/m2、厚さ:0.5mm)を用意した。
【0125】
次に、基材層の片面(接合面22)に前記塗布液を塗布、乾燥し、厚さ(乾燥膜厚)0.15mmの角栓除去層を形成した。
【0126】
基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの70%程度であった。
【0127】
以上のようにして、比較例の角栓除去用シートを製造した。
なお、この製造において、上記式[1]で示される乾燥減量率は、9%であった。
【0128】
(比較例2)
基材層として、ポリプロピレン系繊維よりなる不織布(繊度:2.5デニール、米坪量40g/m2、厚さ:0.5mm)を用いた以外は比較例1と同様にして、比較例の角栓除去用シートを製造した。
【0129】
角栓除去層の厚さ(乾燥膜厚)は、0.14mm、基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの75%程度であった。
また、上記式[1]で示される乾燥減量率は、8%であった。
【0130】
(比較例3)
基材層として、ポリエステル系繊維よりなる不織布(繊度:5.2デニール、米坪量80g/m2、厚さ:0.7mm)を用いた以外は比較例1と同様にして、比較例の角栓除去用シートを製造した。
【0131】
角栓除去層の厚さ(乾燥膜厚)は、0.14mm、基材層と角栓除去層との重複部分の厚さは、基材層の厚さの85%程度であった。
また、上記式[1]で示される乾燥減量率は、9%であった。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】
<試験>
実施例1〜8および比較例1〜3で製造された各角栓除去用シートの諸性能を評価した。
【0136】
まず、被験者(10名)の鼻周辺部位を適量の水(蒸留水)で濡らし、この部位に各角栓除去用シートを角栓除去層にて貼付した。そのままの状態で12分間放置した後、角栓除去用シートを皮膚から剥離した。
【0137】
この試験により、▲1▼角栓除去用シートの初期貼付性(皮膚表面への密着性、曲面追従性)、▲2▼角栓除去剤の基材層表面へのしみ出し状況(裏抜けの発生状況)、▲3▼角栓除去性能、▲4▼角栓除去剤の皮膚表面への残存の度合い(剥離残渣の有無)および▲5▼剥離時の刺激の度合いの5項目について、各々以下のように5段階で評価し、その平均値(点数)を求めた。
【0138】
これらの評価結果を、下記表4に示す。
5:非常に良い
4:良い
3:普通
2:悪い
1:非常に悪い
【0139】
なお、項目▲1▼は、角栓除去用シートと皮膚との間の浮き・しわの発生の度合により評価を行った。
【0140】
また、項目▲2▼は、基材層表面を指で押圧し、角栓除去剤の存在によるベタツキの度合いで評価した。
【0141】
また、項目▲3▼は、剥離後の角栓除去層を目視観察し、角栓除去層上に起立している角栓の数を数えることにより評価した。
【0142】
また、項目▲4▼は、角栓除去剤の皮膚への残存面積を調べることにより評価した。
また、項目▲5▼は、皮膚から剥す際の痛みや不快感の度合いで評価した。
【0143】
【表4】
【0144】
表4に示す結果からわかるように、実施例1〜8の本発明の角栓除去用シートは、いずれも、皮膚へ貼着した際の密着性、曲面追従性に優れ、また、角栓除去剤の基材層表面へのしみ出し(裏抜け)もなく、優れた角栓除去性能を発揮すること、さらには、角栓除去剤の剥離残渣もなく、剥離時の刺激も少ないことが確認された。
【0145】
これに対し、比較例1〜3の各角栓除去用シートは、貼着時における皮膚への曲面追従性が劣り、皮膚に密着されない部分があった。また、角栓除去剤の裏抜けによりベタツキを生じ、取り扱いがしにくかった。このように曲面追従性が劣ることや、基材層と角栓除去層との重複部分の厚さの比率が高いこと等から角栓除去性能が低く、角栓除去剤の剥離残渣も生じていた。
【0146】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、貼着する皮膚の曲面に対する曲面追従性に優れ、基材層と角栓除去層との重複を抑制すること、さらには、皮膚への密着性が良好であることにより、優れた角栓除去性能を発揮する。
【0147】
また、角栓除去剤の基材層表面へのしみ出しがなく、取り扱いがし易い。加えて少ない角栓除去剤の塗布量で優れた角栓除去性が得られるため、乾燥時間が短く、角栓除去を短時間で簡便に効率良く行うことができる。
【0148】
また、剥離の際に角栓除去剤の皮膚への残存が生じにくく、皮膚への刺激も少ない。
【0149】
また、本発明の角栓除去用シートの製造方法によれば、前記効果を有する角栓除去用シートを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角栓除去用シートの構成例を示す斜視図である。
【図2】本発明の角栓除去用シートの層構成を模式的に示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 角栓除去用シート
2 基材層
21 表面
22 接合面
3 角栓除去層
31 貼着面
4 重複部分
Claims (11)
- 通気性および可撓性を有する基材層と、水溶性高分子材料を主成分とする角栓除去層とを積層してなる角栓除去用シートであって、
前記基材層は、繊度が0.0007デニール以上0.02デニール以下の繊維よりなる不織布で構成され、
前記基材層の米坪量が、20〜200g/m2であることを特徴とする角栓除去用シート。 - 前記基材層の厚さは、0.05〜1mmである請求項1に記載の角栓除去用シート。
- 前記角栓除去層の構成物質が前記基材層の一部に含浸または埋入している請求項1または2に記載の角栓除去用シート。
- 前記角栓除去層の構成物質が前記基材層に含浸または埋入している部分の厚さは、前記基材層全体の厚さの1〜65%である請求項3に記載の角栓除去用シート。
- 前記基材層の少なくとも片面側に親水化処理が施されている請求項1ないし4のいずれかに記載の角栓除去用シート。
- 前記基材層の少なくとも片面側に疎水化処理が施されている請求項1ないし4のいずれかに記載の角栓除去用シート。
- 前記水溶性高分子材料は、酢酸ビニルとN−ビニル−2−ピロリドンの共重合体である請求項1ないし6のいずれかに記載の角栓除去用シート。
- 前記共重合体における酢酸ビニルとN−ビニル−2−ピロリドンの共重合比が5:95〜95:5である請求項7に記載の角栓除去用シート。
- 前記水溶性高分子材料の平均分子量が1万〜300万である請求項1ないし8のいずれかに記載の角栓除去用シート。
- 繊度が0.0007デニール以上0.02デニール以下の繊維よりなる不織布で構成され、かつ、米坪量が、20〜200g/m2である基材層の片面に、水溶性高分子材料を主成分とする角栓除去剤を塗布、乾燥して、角栓除去層を形成することを特徴とする角栓除去用シートの製造方法。
- 繊度が0.0007デニール以上0.02デニール以下の繊維よりなる不織布で構成され、かつ、米坪量が、20〜200g/m2である基材層の片面に、水溶性高分子材料を主成分とする角栓除去剤よりなる角栓除去層を転写法により接合することを特徴とする角栓除去用シートの製造方法。
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