JP3944614B2 - 湿潤粘着性組成物及びそれを用いた貼付材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿潤粘着性組成物及びそれを用いた貼付材に関する。具体的には、水又はメチルアルコールやエチルアルコールなどの親水性媒体によって湿潤されたり、濡らされたりすると粘着性を示す湿潤粘着性組成物及び当該湿潤粘着性組成物を用いた貼付材に関する。
【0002】
【従来の技術】
病院等で使用される皮膚カバー材(ドレッシングなどの皮膚に貼付される医療用材)は、皮膚への良好な接着性を得るため、天然ゴム系やアクリル系等の医療用接着剤が用いられていた。これらの医療用接着剤は、皮膚に対して良好な接着性を示すように設計されているため、湿潤面に対する接着性は期待できない。また、接着剤の透湿性を高くするために、接着剤中に吸水性高分子を添加したり、微細な貫通孔を基材や接着剤層に設けたりしているが、これら方法では湿潤面に対する接着性を十分に確保することができない。
【0003】
また、皮膚面に貼付して使用されるものとして種々の化粧用パックがあるが、特にピールオフタイプの化粧用パックとしては、被膜形成剤を皮膚表面に塗布し、一定時間経過乾燥させて、被膜を十分に形成させた後に皮膚から剥がすタイプのものが主流であり、これらの製品形態としてゼリー状のもの、ペースト状のもの及び粉末状のものが知られている。しかしながら、これらの化粧用パックは、皮膚に塗布した後、被膜が形成されるまでの放置時間、つまり乾燥に要する時間が長いという問題があった。
【0004】
一方、被膜形成剤を予めシート状に成形したシート状化粧用パックも知られており、例えば、貼付前に水又は親水性媒体と接触させて湿潤状態または濡れ状態とした後、貼付部位に貼り付けるか、貼付部位に予め水または親水性媒体を塗布した後、貼り付けて使用されるタイプのものがある。
【0005】
このタイプの化粧用パックには、一般的に各種の水溶性有機高分子材料を主成分とする湿潤粘着性組成物が用いられており、この湿潤粘着性組成物は、水又はメチルアルコールやエチルアルコールなどの親水性媒体によって湿潤状態または濡れ状態とされて、粘着性を示す。
【0006】
ここにおいて、水溶性有機高分子が過大な分子量を有する場合は、水又は親水性媒体を介しての粘着性の発揮までに長時間を要する問題がある。一方、低分子量の水溶性有機高分子は、水又は親水性媒体を介しての粘着性の発揮が速くて短時間内に粘着性を示す長所がある反面、低分子量であるために乾燥状態での機械的強度が低いので、上記組成物からなる乾燥した被膜の剥離除去が困難であるのみならず、剥離時には剥離残渣を生じる問題もあった。
【0007】
さらに、被貼付面上の水又は親水性媒体の量は、貼付部位や貼付までに要する時間によって様々であり、一定しない。そこで、どのような条件下でも安定した貼付効果を得るために、一般的に上記組成物からなる被膜の膜厚は、通常100〜300μmという比較的厚膜に調整される。この結果、貼付後の被膜の乾燥に長時間を要する。
【0008】
上記問題点を解決するために、本願発明者らは、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体系ポリマーからなる湿潤粘着性組成物が、優れた効果を発揮できることを見出し、特許出願するに至っている(特願平8−213835号)。
【0009】
しかしながら、この湿潤粘着性組成物を、適度な大きさの分子量を有する単一のポリマー(分子量2万〜120万)から主として構成させると、特に、角栓除去材として用いる場合にあっては、皮膚にある角栓の除去が効果的に行なえない場合が生じるという問題点があった。また、貼付部位、特に、鼻部から剥離する際の痛みが強すぎるといった使用上の不都合もあった。そこで、本発明者らはさらに研究を積み重ね、鋭意努力の結果、上記問題点を解決するに至った。
【0010】
本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水又は親水性媒体によって粘着性を示して、貼付部位に良好に粘着するとともに、乾燥が速くてかつ乾燥後の機械的強度が高く、しかも剥離が容易な、角栓除去に適した湿潤粘着性組成物及び貼付材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の湿潤粘着性組成物は、A成分としてポリビニルピロリドン又は/及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する湿潤粘着性組成物であって、前記A成分は、分子量が100万〜500万の高分子量ポリマーと分子量が5000〜30万の低分子量ポリマーの混合物であることを特徴としている。ここで、本発明における分子量とは、重量平均分子量を意味するものとする。
【0012】
従来例の湿潤粘着性組成物にあっては平均分子量がほぼ単一であるポリマーが使用されており、このようなポリマーを使用した場合には、次のような欠点があった。すなわち、使用するポリマーが高分子量、具体的には分子量が70万以上である場合には、上述したような組成を有する湿潤粘着性組成物から得られる貼付層は、貼り付けて乾燥した後の機械的強度が強く、いわゆる糊残り(剥離残渣量)が少ないという利点があるが、一方で水で濡らした場合には、シート状化粧用パックとしての貼付層表面のポリマーが溶解するのに時間を要し、あるいは溶解するよりむしろ、膨潤してしまい、皮膚の毛穴に奥深く入り込んでいる角栓部分にまで十分に到達しえない。この結果、角栓除去が十分に行なえないという問題を生じる。
【0013】
一方、使用するポリマーが低分子量、つまり分子量70万未満である場合には、貼付層表面のポリマーがすぐに溶解して、角栓部分にまで容易に達する点では効果的である。しかし、用いた水又は親水性媒体を含んだ貼付層表面が十分に乾燥するまでに時間を要するという欠点がある。また、十分に乾燥させた状態にあっても、貼付層中に水分等が残存してしまうため、ポリマーの一部はドロドロとした溶解状態に近く、機械的強度は低い。このため、剥離した際に糊残りを生じやすく、その結果角栓除去が十分に行なえないという問題を生じる。また、糊残りを防ぐため、水分等を十分に蒸発させようとすれば、長時間貼付なければならず、十分に乾燥するまで、貼付したままでじっとしているのは非常に苦痛なものである。ちなみに、一般的な待ち時間としては、5〜30分程度であり、30分を超えるようになると耐えがたいものとなる。
【0014】
したがって、この分子量70万以上、好ましくは100万〜500万の高分子量ポリマー及び分子量70万未満、好ましくは5000〜30万の低分子量ポリマーとを混合して用いることにより、両者の特徴を活かした湿潤粘着性組成物を提供できる。
【0015】
また、本発明において用いるポリマーとしては、ポリビニルピロリドン又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体のいずれか一種のみならず、両者を適宜混合して用いることにしてもよい。この場合には、乾燥後の機械的強度を高める観点から、高分子量のビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体を、低分子量のポリビニルピロリドン中に混合する、若しくは高分子量ポリビニルピロリドンと低分子量ポリビニルピロリドンの混合物中に、混合するのが望ましい。
【0016】
さらに、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーとの混合割合は、用いるポリマーの分子量や使用する目的などによっても異なるが、おおよそ、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの比が、重量比で、5:95〜95:5、好ましくは20:80〜70:30の割合で使用でき、さらに好ましくは角栓の除去効率や剥がす際の痛さの観点から、低分子量ポリマーの配合比が多くなるように混合するのが好ましい。
【0017】
また、本発明に用いられるB成分としては、A成分に対して相溶性を有し、A成分を溶解して可塑化効果を示す材料が用いられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、その他のポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、その他のポリプロピレングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、その他のポリグリセリン類、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、などのブチレングリコール類、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコール類、ラノリン、レシチン、オリーブ油などのグリセライド類などが、例示される。また、B成分としてこれらの1種若しくは2種以上を併用することができる。
【0018】
C成分としては、A成分とB成分との混合物に対して、難溶性または不溶性の各種の無機又は有機の充填剤が用いられる。無機の充填剤としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、硝子などの無機酸化物ないし複合酸化物をはじめ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、セラミックス、カーボンなどのその他の無機化合物類、金属や各種金属の合金等の金属類、などが例示される。無機の充填剤としては、例えば、セルロース、シルク、ポリエステル、ポリオレフィンなどの繊維形成性高分子類、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、その他の有機高分子類、などが例示される。これらの充填剤は、通常粉体状態で用いるのが好ましく、その形状は特に限定されないが、均一な分散性の観点から球形であることが好ましく、その平均粒径は、0.01〜50μm、特に0.1〜10μmのものが好ましい。また、C成分としてこれらの1種若しくは2種以上を併用することができる。
【0019】
組成割合としては、A成分の使用量に対するB成分の使用量が過大であると、本発明の湿潤粘着性組成物から得られる貼付層を貼り付けて乾燥した後の機械的強度が乏しくなり、逆に過小であると、本発明の湿潤粘着性組成物から得られる貼付層の柔軟性が乏しく、貼付部位に良好にフィットし難い。このため、B成分の使用量としては、A成分100重量部に対して、好ましくは1〜75重量部、より好ましくは5〜50重量部である。
【0020】
また、A成分の使用量に対するC成分の使用量が過大であると、本発明の湿潤粘着性組成物から得られる貼付層の柔軟性が乏しくて、貼付部位に良好にフィットし難く、逆に過小であると、本発明の湿潤粘着性組成物から得られる貼付層を貼り付けて乾燥した後の機械的強度の改善効果が乏しく、貼付後の乾燥に要する時間が長くなる。このため、C成分の使用量としては、A成分100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部、より好ましくは25〜100重量部である。
【0021】
本発明の貼付材は、本発明に係る湿潤粘着性組成物を含有する貼付層を少なくとも有することを特徴としている。この貼付材は、貼付層のみからなるシート状の物として作製することもできるが、一般的に取扱いが容易となるのみならず、貼付材の機械的強度が向上して、貼付部位からの剥離性がより一層向上する点で、その片面に保持層を形成するのが好ましい。
【0022】
保持層は、貼付後における貼付層の乾燥速度や貼付前後における柔軟性を阻害することなく、機械的強度の向上に寄与できるものであれば、特に限定されるものではなく、種々の材料からなる種々の構造のものを用いることができる。構造に関しては、織布、不織布、編布、紙などの繊維の集合体類、および多孔性フィルム、透気性フィルムなどのフィルム類等のシート状物が例示される。これらのうち、被貼付部位の曲面になじみ易い適度の伸縮性を有するものが特に好ましい。また、材料に関しては、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、セルロース、などの合成あるいは天然の有機高分子類が例示される。
【0023】
また、本発明に用いる保持層の通気度は、JIS P−8117の方法に準じて測定された値が10秒以下であるのが好ましい。保持層の通気度が不足すると、貼付後の貼付層の乾燥を遅延させ、剥離の際に貼付部位に剥離残渣を生じる恐れがある。このとき、10秒を超える保持層を用いると、乾燥時間が長くなるとともに、剥離残渣を生じて、実用上に耐えない恐れがある。また、この通気度を確保できるならば、厚みも特に限定されるものではないが、貼付材の柔軟性等を考慮するに、その厚みは、5〜500μm程度、特に10〜200μm程度が好ましい。
【0024】
また、当該保持層は、貼付層が保持層の片面に単純に積層載置した状態、保持層の片面からその内部に貼付層の組成物の一部が含浸した状態、さらには貼付層が保持層の片面から一部がはみ出した状態のいずれであってもよい。
【0025】
貼付層は、上記の湿潤粘着性組成物を含有するものであり、湿潤粘着性組成物と、水/及び又はエチルアルコールやメチルアルコールなどの親水性媒体等とからなる塗布液を、上記保持層となるシート状物、あるいは、剥離層を有する場合には剥離層となるシート状物の上に、塗布した後乾燥して作製される。
【0026】
本発明に係る貼付材は、貼付部位に塗布された水又は親水性媒体を吸収するか、あるいは予め貼付層に与えられた水等を吸収して粘着性を示すので、貼付層の水又は親水性媒体の含有率を予め設定しておくのが好ましい。このとき、良好な粘着性を発揮できる点で、貼付層の水又は親水性媒体の含有率、つまり、水又は親水性媒体を含んだ貼付層に対する水又は親水性媒体の割合は、25重量%以下、特に7〜20重量%以下であることが望ましい。25重量%を超えると、使用時に適用する水又は親水性媒体の吸収性が劣る傾向にあり、粘着効果が十分に発揮できない場合があり、貼付材自体にべとつきが生じ、手に付着する等取扱いにくくなる。また、水又は親水性媒体の含有率が7重量%以下になると、貼付部位に適合できなくなる。
【0027】
また、当該貼付層は、分子量の大小異なる2種のポリマーを混合することによって、機械的強度と貼付部位からの剥離性を改善するものではあるが、A成分、B成分、C成分の種類や物性によっては、貼付後の乾燥状態における機械的強度が過小になったり、過大になったりする場合があるので、これらの種類や物性を考慮しつつ、上記した配合量の範囲内で適宜配合量比を決定すればよい。
【0028】
さらに、貼付層に予め付与される水又は親水性媒体の量や、貼付部位に予め塗布される水又は親水性媒体の量は、使用毎に異なるものである。したがって、貼付層の厚さは、これらの水や親水性媒体をできるだけ多く吸収できるよう設定するのが好ましく、具体的には10〜500μm程度、特に50〜250μm程度とするのが望ましい。
【0029】
また、本発明の貼付材にあっては、貼付層を衛生的に保存できる点や、貼付材を積み重ねたり、ロール状にして保管できる点から、貼付層上にさらに剥離層が積層されることが好ましい。この剥離層として、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、表面をポリマー処理した紙、あるいはその他のフィルムやシートが例示される。
【0030】
本発明の貼付材は、保持層及び剥離層を有している場合には、例えば、次の方法により製造することができる。A成分に、B成分及びC成分を添加して、均一に撹拌した後、粘度や濃度調整のために20〜70重量%となるように水又は親水性媒体を加えて液状物とする。次いで、剥離層上にこの液状物を乾燥後の厚みが所望の範囲となるように塗布し、必要に応じて乾燥させて貼付層を形成する。次いで、この上に保持層を積層して乾燥させて貼付材を得ることができる。この時の乾燥条件は、得られる貼付層の水又は親水性媒体の含有量が25重量%以下となるような条件に設定することが好ましい。
【0031】
また、上記の液状物に、必要に応じて化粧料、香料、防腐剤、着色剤、アルコール、紫外線吸収剤、あるいはその他の貼付材に通常使用される薬剤や添加剤を通常量添加することができる。
【0032】
こうして得られた貼付材は、任意の形状に裁断され、使用直前に剥離層を剥離して使用される。また、保存中の乾燥により貼付層中の水又は親水性媒体の含有量が低下するのを防止するため、密封包装などの手段によって適度な湿度条件下で保存される。
【0033】
そして、上記貼付材を使用する際には、貼付前に剥離層を剥がして貼付層に水又は親水性媒体を付与して湿潤状態又は濡れ状態にした後、貼付部位に貼り付けるか、あるいは、貼付部位に予め水又は親水性媒体を塗布した後、上記貼付材を当該貼付部位に貼り付ける。
【0034】
このような貼付材は、ピールオフタイプの化粧用パックや毛穴に形成された角栓を良好に除去できる角栓除去材、あるいは湿潤又は濡れた皮膚面に対しての皮膚カバー材等として有効に利用できる。
【0035】
【実施例】
次に、各種実施例及び比較例の貼付材を作製し、角栓除去材としての本発明の効果について確認した。以下、各成分の分量は、重量部を示す。
【0036】
〔評価項目及び評価方法〕
1.貼付層の水分含有率
作製した各種実施例及び比較例の貼付材から、所定の大きさの貼付層を剥がし、当該剥がした貼付層の重量(Wo)を測定した。これを乾燥機にて、75℃で30分間乾燥した後、直ちに乾燥後の重量(Wt)を測定し、次式により水分含有率を求めた。
水分含有率(%)=(Wo−Wt)/Wo×100
2.貼付層の厚み
ダイヤルゲージを用いて測定した。
3.保持層の通気度
JIS P−8117に準じて測定した。
4.貼付材の実用性能
20名の女性パネラーに、洗顔後あるいは化粧をしていない状態で、鼻筋を境にして左右いずれか一方の鼻部に実施例の貼付材を、残る一方の鼻部に比較例の貼付材を貼付してもらい、使用感について評価した。各貼付材は、3cm×4cmの大きさに裁断して用い、鼻の貼付部位をたっぷりの水で濡らした後に貼付した。この状態で15分間放置した後、貼付材を剥がし、この時の角栓の取れ具合及び鼻への剥離残渣量並びに剥離時の痛みについて、次の評価基準に基づいて評価点を求め、平均点を求めた。また、試験は、実施例1と比較例1について行ない、後日改めて実施例2と比較例2について行なった。
【0037】
〔評価基準〕
(角栓の取れ具合)
・非常によく取れた :5点
・よく取れた :4点
・よく取れたとも取れないとも言えない:3点
・取れ方が足りない :2点
・全く取れない :1点
(鼻への剥離残渣量)
・全く残らない :5点
・ごくわずかに残った :4点
・1/3の面積が残った :3点
・1/3〜1/2の面積が残った :2点
・1/2以上残った :1点
(剥離時の痛み)
・痛みなく剥がせた :4点
・少し痛いが問題なく剥がせた :3点
・やや痛かった :2点
・かなり痛みを伴った :1点
【0038】
(実施例1)
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:16万) 6部
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:120万) 4部
水 16部
グリセリン 1.2部
酸化チタン 0.31部
二酸化ケイ素 6部
【0039】
上記各成分を所定の分量となるように計り取り、撹拌混合して液状物を得た。この液状物を、剥離層となる厚さ50μmのポリエステルフィルム上に均一に塗布し、その上に保持層となる坪量25g/m2、通気度1.5秒のポリエステル不織布を積層した。次いで、乾燥して保持層及び剥離層を有する3層構造の実施例1のシート状貼付材を作製した。なお、貼付層の厚み及び水分含有率は、それぞれ、150μm及び15%であった。
【0040】
(実施例2)
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:4万) 7部
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:150万) 3部
水 16部
グリセリン 1.2部
酸化チタン 0.31部
二酸化ケイ素 6部
【0041】
上記各成分を所定の分量となるように計り取り、実施例1と同様にして、保持層及び剥離層を有する3層構造の実施例2のシート状貼付材を作製した。なお、貼付層の厚み及び水分含有率は、それぞれ、150μm及び15%であった。
【0042】
(比較例1)
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:16万) 10部
水 16部
グリセリン 1.2部
酸化チタン 0.31部
二酸化ケイ素 6部
【0043】
上記各成分を所定の分量となるように計り取り、実施例1と同様にして、保持層及び剥離層を有する3層構造の比較例1のシート状貼付材を作製した。なお、貼付層の厚み及び水分含有率は、それぞれ、150μm及び10%であった。
【0044】
(比較例2)
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:120万) 10部
水 30部
グリセリン 1.2部
酸化チタン 0.31部
二酸化ケイ素 6部
【0045】
上記各成分を所定の分量となるように計り取り、実施例1と同様にして、保持層及び剥離層を有する3層構造の比較例2のシート状貼付材を作製した。なお、貼付層の厚み及び水分含有率は、それぞれ、150μm及び15%であった。
【0046】
〔実用性能評価結果〕
上記各実施例及び比較例の実用性能を、表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1に示すように、本発明に係る実施例1及び実施例2の貼付材にあっては、角栓の取れ方では、比較例1及び比較例2の貼付材に比べて、それぞれ約1点スコアが向上した。また、鼻への剥離残渣量では、実施例2の貼付材では比較例2の貼付材よりやや糊残りが見られたが、実施例1の貼付材では比較例1の貼付材に比べて1.6点スコアが向上した。さらに、剥離時の痛みについては、実施例1及び実施例2の貼付材とも、比較例2の貼付材よりも痛みが軽減された。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係る湿潤粘着性組成物にあっては、速やかに乾燥し、乾燥後の機械的強度も適度であり、剥離も良好な貼付層を形成することができる。また、当該湿潤粘着性組成物は、ピールオフタイプの化粧用パックや湿潤又は濡れた皮膚面に対する皮膚カバー材等として有用であり、特に角栓除去が効果的に行なえ、しかも剥離時の痛みが少ない角栓除去材を提供できる。
Claims (6)
- A成分としてポリビニルピロリドン又は/及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する湿潤粘着性組成物であって、
前記A成分は、分子量が100万〜500万の高分子量ポリマーと分子量が5000〜30万の低分子量ポリマーの混合物であることを特徴とする湿潤粘着性組成物。 - 請求項1に記載の湿潤粘着性組成物を含有する貼付層を少なくとも有することを特徴とする貼付材。
- さらに保持層を有することを特徴とする請求項2に記載の貼付材。
- 前記貼付層は、さらに水又は親水性媒体を25重量%以下の割合で含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の貼付材。
- JIS P−8117の方法に準じて測定される保持層の通気度が、10秒以下であることを特徴とする請求項3又4に記載の貼付材。
- 貼付層上にさらに剥離層を有することを特徴とする請求項2〜5に記載の貼付材。
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