JPH10167928A - 表皮清浄シート - Google Patents

表皮清浄シート

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JPH10167928A
JPH10167928A JP34668996A JP34668996A JPH10167928A JP H10167928 A JPH10167928 A JP H10167928A JP 34668996 A JP34668996 A JP 34668996A JP 34668996 A JP34668996 A JP 34668996A JP H10167928 A JPH10167928 A JP H10167928A
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JP
Japan
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skin
film
forming polymer
polymer base
cleaning sheet
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JP34668996A
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Naoki Suzuki
直樹 鈴木
Yumi Natori
由美 名取
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲面に貼りやすく、密着性にも優れ、また剥
がす際の膜切れや肌残りがなく、しかも角柱等汚れの除
去効果にも優れた表皮清浄シートを提供する。 【解決手段】 皮膜形成性高分子基剤層と支持体層とか
らなり、該基剤層が、固有粘度K値が25〜100のポ
リビニルピロリドンを含有し、或いは更にポリオール、
無水ケイ酸、酸化チタンの少なくとも1種を含有し、該
支持体層が、10〜70g/m2のポリオレフィン系繊
維からなるスパンボンド法の不織布であることを特徴と
する表皮清浄シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピールオフタイプ
の表皮清浄シートに関する。
【0002】
【従来技術】従来より、パック剤は水分、保湿剤やエモ
リエント剤などを皮膚に補給したり、皮膚に適度な緊張
を与えて一時的に皮膚温を高め血行をよくする、あるい
は皮膚を清浄にする目的で使用されている。それらの目
的によって、乾燥後に剥離するピールオフタイプや拭き
取りまたは洗い流しタイプのものが種々開発されてき
た。特に皮膚を清浄にする目的を達成するためには、被
膜形成性の化粧料を皮膚に塗布し、一定時間放置して皮
膚表面に被膜を形成せしめた後、その被膜を剥がして皮
膚から除去するピールオフタイプのパック剤が汎用され
ている。剤型としては、指で皮膚表面に塗るゼリー状又
はペースト状のものや使用時に水などで溶いて塗布する
粉末状のものが、一般的であった。これらの剤型のもの
は多量のパック剤が指に残ってしまって不経済、均一に
塗りにくい、剥がすときに膜が破れてしまったり肌に残
ってしまうなどの不具合があった。
【0003】近年、これらの問題を解決するためにシー
ト状のパック剤が考案された。例えば、粘着剤を紙やプ
ラスチックシートに展延させた粘着シートタイプのもの
が市販されている。これらは使用する際に乾燥不要であ
り使用が簡便であるといった特徴を有し皮膚表面の古く
なった角質や表面に露出した汚れは除去できるものの、
皮溝や毛穴にまで粘着剤が到達しないために、細部の汚
れやニキビの原因となる角栓を除去することはできな
い。
【0004】一方、油性の連続相中に水を乳化した粘着
性ゲルを不織布に塗布した粘着性シート状パック剤(登
録1512942号公報)、ポリアクリル酸と架橋剤を
用いた架橋型含水ゲル(特開昭58−180408公
報、特開昭61−260007公報、特開平1−254
612号公報)、ポリアクリル酸ソーダやCMCなどの
糊料の乾燥した薄層或いは糊料の微粉末の分散した薄層
を設けたフィルム(特開昭60−165902号公
報)、アルギン酸と水溶性高分子と架橋剤を含む含水ゲ
ル(特開平2−145505号公報)を用いたもの、ポ
リビニルアルコールと他の水溶性高分子と多価アルコー
ルを組み合わせたもの(特開平5−194180号公
報)、アルギン酸ナトリウムと多価アルコールを組合せ
て含水率を25%以下にしたもの(特開平6−6504
8号公報)、塩生成基を有する高分子などを含む被膜形
成性化粧料が透湿性基剤に含浸させたもの(特開平7−
330575号公報)などが提案されている。
【0005】これらのシート状のパック剤は、従来のゼ
リー状あるいはペースト状のものや使用時に水などで溶
いて塗布する粉末状のものに比べると、多量のパック剤
が指に残ってしまって不経済、均一に塗りにくい、剥が
すときに膜が破れてしまったり肌に残ってしまうなどの
不具合が改善されてはいるものの、まだ充分ではなかっ
た。また、汚れの除去効果が弱く、特に皮溝などの細部
の汚れやニキビの原因となる角栓を除去する効果が劣る
といった欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多量の皮膜
形成性高分子基剤が指に残ってしまって不経済、均一に
塗りにくい、剥がすときに膜が破れてしまったり肌に残
ってしまうなどの従来のピールオフタイプのパック剤の
欠点を解消すると共に、汚れの除去効果、特に皮溝など
の細部の汚れやニキビの原因となる角栓を除去する効果
に優れる表皮清浄シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、皮膜形
成性高分子基剤層と該基剤層を保持する支持体層からな
り、皮膜形成性高分子基剤層が固有粘度K値が25〜1
00のポリビニルピロリドンを含有し、支持体層が10
〜70g/m2のポリオレフィン系繊維からなるスパン
ボンド法で製造された不織布であることを特徴とする表
皮清浄シートが提供される。また、本発明によれば、前
記皮膜形成性高分子基剤中に、下記(a)成分、(b)
成分、(c)成分から選ばれた1種又は2種以上を配合
したことを特徴とする請求項1記載の表皮清浄シートが
提供される。 (a)炭素数3〜5の、ジオール、トリオール又はテト
ラオールから選ばれた1種又は2種以上 (b)無水ケイ酸 (c)酸化チタン
【0008】本発明者等は、従来のピールオフタイプの
パック剤の欠点を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、パ
ック剤の皮膜形成性高分子として特定のポリビニルピロ
リドンを用い、また支持体として特定の不織布を用いる
ことによって、従来の問題点を解決し、しかも表皮清浄
効果の優れた表皮清浄シートが得られることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の表皮清浄シートにおいては、皮膜形成性高
分子基剤層に含有させる皮膜形成性高分子として、固有
粘度K値が25〜100のポリビニルピロリドンを用い
る。ここで、固有粘度K値はFikentscherの
式を変形した下式で定義された値をいう。 (式中、Zは25℃における蒸留水の流動時間に対する
濃度C(w/v%)のポリビニルピロリドン水溶液の流
動時間(相対粘度)を表す。)
【0010】一般に表皮清浄シートの使用にあたって
は、皮膜形成性高分子の粘稠な溶液、または分散液であ
る皮膜形成性高分子基剤層を支持体層に保持させた状態
で鼻等の顔の一部又は顔全体あるいは、背中、肘など汚
れやニキビなどが気になる部位に貼付して乾燥させた後
に、本剤を剥離する。あるいは、皮膜形成性高分子の粘
稠な溶液、または分散液をあらかじめ乾燥させた皮膜形
成性高分子基剤層を支持体層に保持させた状態で、上記
の清浄処理をすべき部位を水、アルコール、含水アルコ
ール、化粧水などで濡らした後に貼付、乾燥させて剥離
する。
【0011】表皮清浄シートの上記の使用方法から、皮
膜形成性基剤に用いる高分子は水溶性であることが必須
条件である。水溶性高分子は多くのものが知られている
が、特にポリビニルピロリドンが、水溶性を有すると同
時に表皮に常に分泌されている皮脂や毛穴に詰まった角
栓(皮脂と角質の固まったもの)等除去すべき汚れとの
親和性も高く、表皮清浄効果が優れている。さらに、固
有粘度K値が25〜100、好ましくは40〜90のも
のは皮膚清浄効果が優れているとともに、形成された皮
膜がパック剤としての性状が極めて優れている。 即
ち、ポリビニルピロリドンの固有粘度K値が25より低
い場合は、乾燥した時の被膜がもろく、ヒビ割れてしま
う。また該K値が100より高い場合は、特に皮膜形成
性高分子基剤層をあらかじめ乾燥させておいたものを使
用する場合、皮膜が硬すぎて、鼻、背中、肘など湾曲し
た部位に貼りにくい。
【0012】ポリビニルピロリドの配合量は、水及び又
は他の揮発性成分を除いた全成分中の50〜100重量
%、特に75〜95重量%が好ましい。配合量が少なす
ぎる場合は、十分な汚れの除去効果が得られない。
【0013】次に本発明の表皮清浄シートの支持体とし
ては、1m2当たり10〜70gのポリオレフィン系繊
維からなるスパンボンドの不織布を用いる。一般に、表
皮清浄シートの支持体層として求められる条件は、製造
時に皮膜形成性高分子基剤液が裏にしみ出さないこと、
貼付時に顔面等の曲面にフィットさせるのに十分な柔軟
性があること、乾燥速度に著しく悪影響を及ぼさないこ
と、皮膚から剥がす時に破れず十分耐え得るだけの強度
があること、等である。また、刺激物が溶出する等の安
全性に問題が生ずる可能性のあるものは避けるべきであ
る。不織布の材質としては、ポリオレフィン系、アクリ
ル系、セルロース系等種々のものがあるが、上記表皮清
浄シートの支持体層として求められる条件を満足するも
のとしては、ポリオレフィン系のものである。
【0014】不織布の製造法は、スパンレース、サーマ
ルボンド、ケミカルボンド、ニードルパンチ、スパンボ
ンドなど種々開発されており、製造法によって、不織布
の性能が以下のように異なる。 1)高圧水流で繊維を交絡させて製造したスパンレース
は引っ張り強度が弱い。 2)高温雰囲気下で部分的に溶融させることによって繊
維を結合させて製造したサーマルボンドは柔軟性が不十
分である。 3)接着剤で繊維を接着させて製造したケミカルボンド
は接着剤の溶出により安全性が懸念される。 4)針でウエブをニードリングして交絡させることによ
って製造したニードルパンチは毛羽立っているために皮
膜形成性高分子基剤との密着性が劣り貼付・剥離後に該
基剤が肌に残ると共に貼付時の感触が悪い。 等、ほとんどのものは表皮清浄シートの支持体として不
適であった。
【0015】本発明者らは突起を設けた高温のロールに
通す等により繊維を点接着させるスパンボンド法で製造
したポリオレフィン製の不織布を特定の固有粘度K値を
有するポリビニルピロリドン系の皮膜形成性高分子基剤
と組み合わせると、上述の条件を十分に満たし得ること
を見出した。本発明において、表皮清浄シートの支持体
に上記スパンボンド法で製造したポリオレフィン製の不
織布を用いる場合、該不織布は、1m2当たり10〜7
0gのものを用いる。好ましくは1m2当たり20〜4
0gのものである。不織布の単位面積(1m2)当たり
の重量が少なすぎる場合は、十分な引っ張り強度が得ら
れず、肌から剥がす時に破れる。また、多すぎる場合
は、硬すぎて曲面にフィットしないために十分な汚れ除
去効果が得られないばかりか、乾燥速度も遅くなる。
【0016】皮膜形成性高分子は、不織布1m2当たり
水及び又は他の揮発性成分を除いた皮膜形成性高分子基
剤全成分換算で50g〜300gが好ましく、特に80
〜150gが好ましい。皮膜形成性高分子の量が、これ
より少ないと、均一面が得られず、またこれより多いと
乾燥の際に時間がかかり、剥がす際には肌残りが出る。
【0017】上記本発明の表皮清浄シートは、優れた性
能を有するものであるが、更に皮膜形成性高分子基剤
に、特定の成分を配合することにより、皮膜の性能を向
上でき、しかも清浄効果等をも向上させうることを見い
出した。即ち、使用前に乾燥すると皮膜形成性高分子基
剤層が硬くなり、特に皮膜形成性高分子基剤層をあらか
じめ乾燥させておいたものを使用する場合に顔などの曲
面に貼り難くなるばかりか、もろくなりヒビ割れを起こ
して好ましくない。この場合、皮膜形成性高分子基剤
に、(a)炭素数3〜5のジオール、トリオール又はテ
トラオールであるポリオールの1種又は2種以上を配合
することにより上記の不具合点が改善できる。
【0018】しかし、高湿度下で使用した場合、吸湿し
て皮膜形成性高分子基剤面がベタついて取扱い難くなっ
たり、貼付後に乾燥しにくくなる。この場合には、前記
ポリオール類と共に(b)無水ケイ酸を皮膜形成性高分
子基剤に配合することにより、これらの不具合を解決で
きる。
【0019】更に、この系に、(c)酸化チタンを配合
して皮膜形成性高分子基剤を白く濁らすことによって、
皮膜形成性高分子基剤表面に付着した皮膚の汚れが目立
ち、視覚的に汚れ除去効果が確認でき、より高い消費者
満足が得られる。
【0020】また、上記した特定のポリビニルピロリド
ン、炭素数3〜5のジオール、トリオール又はテトラオ
ールの1種又は2種以上及び無水ケイ酸を含有した上記
皮膜形成性高分子基剤に、更に酸化チタンを配合する
と、意外にも上記の視覚的効果ばかりでなく、皮膚への
付着力が向上し、汚れを取る効果そのものを向上させる
ことができる。以下、これら各配合成分について詳細に
説明する。
【0021】本発明の表皮清浄シートにおいて、皮膜形
成性高分子基剤に配合する(a)成分のポリオールは、
炭素数3〜5のジ、トリ又はテトラオールであれば、皮
膜形成性高分子基剤層の硬さともろさを改善できるが、
該改善効果が高く、皮膜形成性高分子基剤層のベタつき
の発現や乾燥時間の遅延といった欠点が少ないことか
ら、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、イソプ
レングリコール又はこれらの混合物が特に好ましい。ポ
リオールの配合量は、好ましくは水及び又は他の揮発性
成分を除いた皮膜形成性高分子基剤中の0.1〜10重
量%、特に1〜5重量%が好ましい。該配合量が少なす
ぎる場合は、皮膜形成性高分子基剤層を柔軟にする効果
が不十分であり、また該配合量が多すぎる場合は、ベタ
つきが出ると共に乾燥し難くなる。
【0022】また、本発明の表皮清浄シートにおいて、
皮膜形成性高分子基剤に配合する(b)成分の無水ケイ
酸の好ましい平均粒子径は、0.5〜10μmであり、
特に好ましくは1〜3μmである。平均粒子径が小さす
ぎる場合は、乾燥性向上効果が不十分であり、また大き
すぎる場合は、皮膜形成性高分子基剤層がもろくなる。
また、無水ケイ酸の好ましい吸油量(JIS K510
1)は、250〜400ml/100gである。尚、こ
こでいう吸油量はJIS K5101に準拠し、試料の
煮アマニ油の吸油量をいう。無水ケイ酸の吸油量が少な
すぎる場合は、乾燥性向上効果が不十分であり、また多
すぎる場合は、付着力が低下する。無水ケイ酸の配合量
は、好ましくは水及び又は他の揮発性成分を除いた皮膜
形成性高分子基剤中の0.1〜10重量%、更に好まし
くは、3〜8重量%である。無水ケイ酸の配合量が少な
すぎる場合は、皮膜形成性高分子基剤層のベタつき改善
効果が不十分であり、また、多すぎる場合は、皮膜形成
性高分子基剤層がもろくなって付着力が低下し、好まし
くない。
【0023】更に、本発明の表皮清浄シートにおいて、
皮膜形成性高分子基剤に配合する(c)成分の酸化チタ
ンは、ルチル型の結晶型のものが好ましい。市販にはア
ナタース型もあるが、結晶形が疎のため、肌への付着力
が弱く、好ましくない。酸化チタンの好ましい平均粒子
径は、0.2〜0.4μmである。平均粒子径が小さす
ぎる場合は、視覚的汚れ除去の確認性が良好であるが、
該皮膜形成性高分子基剤を皮膚から剥離するときの痛感
があり、また、大きすぎる場合は、皮膚への付着力向上
効果が不十分である。酸化チタンの配合量は、好ましく
は水及び又は他の揮発性成分を除いた皮膜形成性高分子
基剤中の0.1〜5重量%であり、更には1〜2.5重
量%が好ましい。酸化チタンの配合量が少なすぎる場合
は、十分な付着力向上効果が得られず、また多すぎる場
合は、皮膚への付着力が強すぎ、該皮膜形成性高分子基
剤を皮膚から剥離する時の痛感があり、また、皮膜形成
性高分子基剤が肌に残り、好ましくない。
【0024】本発明の表皮清浄シートにおいて、皮膜形
成性高分子基剤層が皮膜形成性高分子の粘稠な溶液又は
分散液の乾燥物の場合、水分含量は10〜30重量%の
範囲にあることが好ましい。本発明の表皮清浄シートは
顔に使用する場合は、シート状パック剤、ニキビ治療用
シート剤として、また、肘、膝、踵などの身体の局部に
使用する場合は角化表皮除去シートとして使用できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。尚、表中、PVPはポリビニルピロリドンを、ま
た、PPはポリプロピレンを夫々示す。
【0026】実施例1〜4及び比較例1、2 表1に示す各種ポリビニルピロリドンを精製水に溶解し
厚さ70μmのポリプロピレン製シートにポリビニルピ
ロリドン換算で100g/m2塗布した。上からポリプ
ロピレン製の不織布(スパンボンド、25g/m2)を
重ね、4×8cmの長方形に裁断した。これを50℃の
恒温槽で約20分間乾燥して皮膜形成性高分子基剤層の
水分量を20%(w/w)に調整し、ポリプロピレン製
シートを剥がした。得られた表皮清浄シートの性能(剥
離時の被膜の破れ、皮膜形成性高分子基剤の肌残り、角
栓除去能)を専門パネラー10名により、実使用で評価
した。結果を表1に示す。なお、評価の基準は、以下の
通り。 剥離時の被膜の破れにくさ ○:剥離時に破れず、きれいに剥がすことができた △:剥離時に破れかけた(不適) ×:剥離時にすぐに破れた 皮膜形成性高分子基剤の肌残りのなさ ◎:肌残りがまったく認められなかった ○:わずかに残った △:肌に多く残った ×:ほとんどの基剤が肌に残った 角栓除去能 ◎:非常によく除去できた ○:かなりよく除去できた △:わずかに除去できた ×:まったく除去できなかった
【0027】
【表1】 注)PVP:ポリビニルピロリドン 不織布:PP(スパンボンド:25g/m2
【0028】表1から明らかなように、皮膜形成性高分
子のポリビニルピロリドンの固有粘度K値は、25〜1
00のものが表皮清浄シートとして優れていることが判
る。
【0029】実施例5〜7、比較例3〜6 表2に示す各種ポリビニルピロリドンを精製水に溶解し
厚さ70μmのポリプロピレン製シートにポリビニルピ
ロリドン換算で100g/m2塗布した。上から表2に
示す各種の不織布を重ね、4×8cmの長方形に裁断し
た。これを50℃の恒温槽で約20分間乾燥して皮膜形
成性高分子基剤層の水分量を20%(w/w)に調整し
た。得られた表皮清浄シートの性能を表1と同様の方法
で、同項目につき、同評価基準で評価した。結果を表2
に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、アクリル系繊維
製及びセルロース系繊維製の不織布では、皮膜形成性高
分子基剤層が不織布にしみ込んでしまい、皮膜形成高分
子基剤層表面の平滑性が保てないため、角栓除去能が劣
る。ポリオレフィン系繊維製のスパンボンド法で製造し
た不織布であっても、単位当り(1m2当り)の重量が
多いと、硬すぎて曲面にフィットしないため、また、ポ
リオレフィン系繊維でもスパンレース法で製造した不織
布は引っ張り耐性が弱いため、更にまたサーマルボンド
法で製造した不織布は硬すぎで鼻の形状にフィットしに
くいため、いずれも角栓除去能が劣る。
【0032】実施例8〜16 実施例6の皮膜形成性高分子基剤に表3に示した配合成
分を加え、支持体としてポリプロピレン製の不織布(ス
パンボンド、25g/m2)を用い、他は実施例6と同
じ方法により表皮清浄シートを調製した。実施例6と同
様の方法で評価した結果を、表3に示す。なお、評価の
基準は、以下の通りである。 ベタつきのなさ ◎:まったくベタつきがなかった ○:僅かにベタついた △:ベタついた ×:非常にベタつき、使用に耐えない ヒビ割れのなさ ◎:まったくヒビ割れがなかった ○:僅かにヒビ割れが認められた △:ヒビ割れが認められた ×:ヒビ割れがひどく、使用に耐えられなかった乾燥し
易さ ◎:高湿度下(相対湿度80%)ですぐに乾燥した ○:高湿度下(相対湿度80%)で比較的速く乾燥した △:高湿度下(相対湿度80%)で乾燥し難かった ×:高湿度下(相対湿度80%)では実用に耐える時間
では乾燥しなかった 密着性 ◎:非常に良く密着した ○:十分におさえつけることで肌に良く密着した △:一部が肌に密着せずに浮いた ×:肌にまったく密着しなかった
【0033】
【表3】
【0034】表3から明らかなように、皮膜形成性高分
子基剤中に、炭素数3〜5のジオール、トリオール又は
テトラオールから選ばれた1種又は2種、又は無水ケイ
酸、又は酸化チタンを配合した場合、これら成分を配合
しない場合に比較して、表皮清浄シートの性能は向上す
るが、これら3種類の成分を併用した場合は、該性能は
更に向上することが判る。以下、本発明の表皮清浄シー
トの皮膜形成性高分子基剤の具体的処方を示す。尚、配
合比は重量基準である。
【0035】実施例17 ポリビニルピロリドン(K値=56)(45%液) 70.0 グリセリン 2.0 無水ケイ酸 6.0 酸化チタン 1.8 エタノール 10.0 l−メントール 0.3 シャクヤクエキス 0.1 シラカバエキス 0.1 グリチルレチン酸ジカリウム 0.2 香料 0.2 精製水 9.3
【0036】実施例18 ポリビニルピロリドン(K値=56)(45%液) 73.0 グリセリン 2.0 無水ケイ酸 6.5 酸化チタン 1.5 油溶性カンゾウエキス 0.2 トリメチルグリシン 0.1 香料 0.3 精製水 16.4
【0037】実施例19 ポリビニルピロリドン(K値=56)(45%液) 50.0 ポリビニルピロリドン(K値=90) 12.0 イソプレングリコール 2.0 無水ケイ酸 4.0 酸化チタン 2.0 エラグ酸 0.5 ダービリアエキス 0.1 精製水 29.4
【0038】実施例17〜19の処方の各成分を混合撹
拌して均一な分散液を得た。この液を厚さ70μのポリ
プロピレン製シートに1m2当たり100gの厚さに塗
布し、ポリプロピレン製のスパンボンド不織布(目付1
2当たり30g)を重ね、4×8cmの大きさにカッ
トし、表皮清浄シートを得た。これを専門パネル20名
により実用で評価した。評価に当たっては、ポリプロピ
レン製シートを剥がした該表皮清浄シートを洗顔後の鼻
に貼付して乾燥した後、該表皮清浄シートを剥離すると
いった方法で使用した。
【0039】実施例20〜22 また、実施例17〜19で得た表皮清浄シートを加熱乾
燥し、水分量を20%に調整してアルミニウム層を挟ん
だプラスチック積層フィルムの袋に封入した。これを専
門パネル20名により実用で評価した。評価に当たって
は、洗顔後の濡れた鼻に使用直前に袋から取り出しポリ
プロピレンシートを剥がした該表皮清浄シートを貼付し
て乾燥した後、該表皮清浄シートを剥離するといった方
法で使用した。
【0040】実施例17〜22の表皮清浄シートは、剥
離時の破れ、皮膜形成性高分子の肌への残り、べたつ
き、ひび割れなどなく、また乾燥しやすく、角栓除去
能、密着性に優れたものであった。
【0041】
【発明の効果】本発明の表皮清浄シートは、皮膜形成性
高分子基剤層の該高分子として、固有粘度K値が25〜
100のポリビニルピロリドンを用いたものであるか
ら、剥がす際の膜切れや肌残りがなく、汚れの除去効果
が優れている。また、本発明の表皮清浄シートは、支持
体層が、1m2当たり10〜70gのポリオレフィン系
繊維からなるスパンボンドの不織布を用いたため、剥が
す際の膜切れや肌残りがなく、汚れ除去効果が優れてい
る。また、上記皮膜形成性高分子基剤中に、(a)成分
の炭素数3〜5のジオール、トリオール、又はテトラオ
ールから選ばれたポリオールを配合することにより、柔
軟性が付与でき、ヒビ割れを防止することができる。更
に、上記皮膜形成性高分子基剤中に(b)成分の無水ケ
イ酸を配合することにより、高湿度下でのベタつきを改
善することができ、さらに乾燥性も向上させることがで
きる。更にまた、上記皮膜形成性高分子基剤中に、
(c)成分の酸化チタンを配合することにより、視覚的
に汚れ除去効果を確認することができ、しかも皮膚への
付着力も向上させることができる。そして、これら
(a)、(b)、(c)成分を併用することにより、ベ
タつきのなさ、ヒビ割れのなさ、乾燥性、密着性の全て
の性能において優れたものとなり、清浄効果も著しく向
上する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膜形成性高分子基剤層と該基剤層を保
    持する支持体層からなり、皮膜形成性高分子基剤層が固
    有粘度K値が25〜100のポリビニルピロリドンを含
    有し、支持体層が10〜70g/m2のポリオレフィン
    系繊維からなるスパンボンド法で製造された不織布であ
    ることを特徴とする表皮清浄シート。
  2. 【請求項2】 前記皮膜形成性高分子基剤中に、下記
    (a)成分、(b)成分、(c)成分から選ばれた1種
    又は2種以上を配合したことを特徴とする請求項1記載
    の表皮清浄シート。 (a)炭素数3〜5の、ジオール、トリオール又はテト
    ラオールから選ばれた1種又は2種以上 (b)無水ケイ酸 (c)酸化チタン
JP34668996A 1996-12-10 1996-12-10 表皮清浄シート Pending JPH10167928A (ja)

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