JP2003313110A - 皮膚粘着性シート - Google Patents

皮膚粘着性シート

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JP2003313110A
JP2003313110A JP2002120122A JP2002120122A JP2003313110A JP 2003313110 A JP2003313110 A JP 2003313110A JP 2002120122 A JP2002120122 A JP 2002120122A JP 2002120122 A JP2002120122 A JP 2002120122A JP 2003313110 A JP2003313110 A JP 2003313110A
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JP2002120122A
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Hideo Sato
英生 佐藤
Masayuki Konno
真之 今野
Hisanori Takahashi
尚則 高橋
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度に水分を蒸発させることが可能であり、
かつ、水分や油成分等の支持体への裏抜け防止効果に優
れた皮膚粘着性シートを提供すること。 【解決手段】 皮膚粘着性シートは、撥水処理を施した
支持体上に、水性ゲル状組成物からなる層を有する。こ
こで支持体は不織布または織布であることが好ましい。
また撥水処理は、例えば、支持体にディッピングを行う
ことによって施される。このような構成とすることによ
り、皮膚粘着シートを貼付した適用皮膚を湿潤状態に長
時間保持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は皮膚粘着性シートに
関し、特に、湿布剤、ハップ剤等の医薬分野や、化粧用
パック等のスキンケア分野において使用される皮膚粘着
性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】乾燥肌や荒れ肌、ひび割れ等の症状の改
善や美肌目的のスキンケア商品は、有効成分として、保
湿成分、柔軟剤、ビタミンE等の血行促進剤 、抗炎症
剤、ビタミンC等の美肌成分等を含有しており、かかる
有効成分を皮膚に浸透させて効果を発揮するものであ
る。また、湿布剤やハップ剤等の疾患治療用のものは、
水による冷却効果や膏体等による保湿効果を発揮した
り、有効成分を経皮吸収させて効果を発揮するものであ
る。有効成分を皮膚に浸透させるには、皮膚を湿潤状態
に保ち、皮膚表面に濡れの状態(水和状態)を形成する
ことが好ましい。
【0003】また、美白剤や保湿剤と水溶性高分子とを
含有する皮膜形成能を有するパック剤が市販されている
が、従来のパック剤は塗布時に手を汚したり、剥離時に
糊残りが生じやすかった。
【0004】そこで、湿布薬、ハップ剤、化粧用パック
剤等の有効成分を粘着剤に混合して皮膚に貼付し、皮膚
を通して有効成分を体内に吸収させるために、支持体に
粘着剤を含浸させたり塗布したシート形状の疾患治療用
商品やスキンケア商品等が開発された。また、解熱作用
を有する冷却シート等として、支持体に水等を含浸させ
たシート形状の商品等が開発された。ところが、従来の
商品等では、商品の製造中あるいは保存中に、粘着剤層
に含有される水分や油成分等が支持体の背面から滲み出
すこと(裏抜け)があり、汚れやベトツキが生じて取り
扱いが不便であったり、被着者に不快感を与えたりし
た。また、裏抜けにより水分含有量や有効成分の濃度が
変動したり、有効成分の一部が失われて効果が減少する
ことがあった。
【0005】そのため、裏抜け防止を考慮したシート形
状商品の開発が行われている。例えば、特開平11−1
30624号公報には、残存モノマーを除去した高純度
のポリ(メタ)アクリル酸塩を含有するパック剤組成物
を基布等に含浸又は塗布したパック剤シートが開示され
ているが、水や油成分等の滲み出し防止効果が十分では
なく、かつ残存モノマーを精製する工程を必要とするた
めコストが高くなるという欠点がある。特開平11−1
30664号公報には、極細繊維の不織布からなる支持
体上に、水溶性高分子物質と水分を含有する貼付剤組成
物を含浸又は塗布したシート状パックが開示されている
が、かかる構成においても濡れやすい油成分は支持体か
ら滲み出してきた。特開平11−130665号公報に
は、基布にポリ(メタ)アクリル酸塩、水及び架橋剤を
含有する組成物を含浸させるか又は塗布してなるシート
状パックが開示されているが、長時間経過すると支持体
に水分等が滲み出してきた。特開2000−14350
3号公報には、微細孔を有する多孔性合成樹脂フィルム
からなる支持体に粘着剤層を積層した外用貼付剤が開示
されているが、かかる合成樹脂フィルムに油成分が移行
するという欠点がある。特開2001−302447号
公報には、水溶性高分子と多価アルコールと水とを所定
の配合量で含有する粘着剤層を、支持体上に設けたシー
ト状パック剤が開示されているが、適度な物性のゲル膏
体が得られなかった。特開2001−321395号公
報には、布と布とを積層し、それらの布の間を部分的に
接着した積層体を支持体とする外用貼付剤が開示されて
いるが、濡れやすい油成分が染み出してきた。特開20
00−119129号公報に開示された、ポリエステル
フィルムにレーヨン不織布をラミネートした支持体上に
含水ゲル層を積層した化粧用ゲルシートのようにプラス
チックフィルムをラミネートした支持体を用いた場合に
は、裏抜け防止効果には優れるが、支持体からの水蒸散
が生じないので冷却効果が得られないという問題があっ
た。粘着剤層中の水分や油分は、冷却効果を奏すると共
に有効成分の経皮吸収効果を高める作用を有する。した
がって、粘着剤層中に比較的多量の水分を含ませる場合
があり、かかる場合でも裏抜け防止効果のある商品の開
発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決すべく為されたものであり、本発明の目的は、適
度に水分を蒸発させることが可能であり、かつ、水分や
油成分等の支持体への裏抜け防止効果に優れた皮膚粘着
性シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の皮膚粘着性シー
トは、撥水処理を施した支持体上に、水性ゲル状組成物
からなる層を設けたことを特徴とする。ここで、撥水処
理は、支持体にディッピングを行うことによって施され
ることができる。また、撥水処理は、フッ素系撥水処理
であることが好ましい。上記支持体は、不織布又は織布
であることができる。また、水性ゲル状組成物は、ポリ
アクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩、カルボキシビ
ニルポリマー、多価アルコール類、水、架橋剤を必須成
分とすることができる。また、水性ゲル状組成物は、消
炎鎮痛成分、香料、細胞賦活成分、美肌成分及びオイル
成分からなる群のうち、少なくとも1つを含有すること
ができる。また、水性ゲル状組成物は、多価金属塩を用
いて架橋されていてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の皮膚粘着性ゲルシート
は、撥水処理を施した支持体上に、水性ゲル状組成物か
らなる層を有する。ここで、支持体としては、織布又は
不織布等の布帛が好ましく用いられる。本発明の皮膚粘
着性ゲルシートは、ゲル状組成物からなる層の表面に剥
離ライナー等を有してもよい。図1に、剥離ライナーを
有する実施形態に係る皮膚粘着性シートの層構成を示
す。本実施形態においては、撥水処理された支持体1の
一方の面にゲル状組成物からなる層2が設けられてお
り、このゲル状組成物からなる層2の上に剥離ライナー
3が設けられている。剥離ライナー3は、シリコーン処
理等の剥離処理が施されていてもよい。
【0009】本発明の皮膚粘着性シートは、撥水処理さ
れた支持体上に、例えば後述する各成分からなる水性ゲ
ル状組成物を層状に形成してなるものである。用いる支
持体としては、皮膚面に対する追従性を有するように柔
軟性を有するものが好ましく、厚みも薄い方が好まし
い。例えば、布帛等を使用することができ、その坪量が
20〜200g/m2のものが好ましく使用できる。通
気性やゲル状組成物等との投錨性、コスト面等から不織
布、織布等の布帛を使用することが好ましく、また、編
布やフェルト等を使用することもできる。皮膚粘着性シ
ートを皮膚面に貼付して水性ゲル状組成物中に配合され
ている細胞賦活成分等の有効成分を適用皮膚面に浸透さ
せるためには、適用皮膚面を十分に水和させることが重
要であり、水や多価アルコールの含有量を多くすること
が有効である場合がある。このように水等の含有量を多
くした水性ゲル状組成物でも布帛等の支持体を用いるこ
とにより、その内部に含浸し保持されるので、皮膚接着
力の低下を招きにくい。
【0010】支持体の材質としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリエステル、ポリエーテルポリウレタン、ポリエ
ステルポリウレタン、ナイロン、レーヨン、セルロー
ス、コットン等が挙げられる。例えば天然繊維、人造繊
維のいずれをも使用することができ、天然繊維として
は、綿花、カポック、亜麻、ラミー、***、黄麻、しゅ
ろ、マニラ麻、サイザル麻、コイヤー・ファイバー等の
植物繊維、家蚕絹、羊毛、カシミア毛、ラクダ毛、アル
パカ毛、モヘヤー、兎毛等の動物繊維等が挙げられ、人
造繊維としては、人絹糸、スフ、ビスコース等の再生繊
維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアク
リル系繊維、ポリビニル・アルコール系繊維、ポリアル
キレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系
繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリアクリロニトリ
ル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維
等の合成繊維、酢酸人造繊維等のように天然物質と合成
物質とを共重合した半合成繊維等が挙げられる。なお、
各種の複合繊維やウォータージェット等により分割され
た分割繊維も含む。
【0011】不織布の製造方法は特に制限されるもので
はなく、乾式法、湿式法のいずれの方法によっても製造
することができる。ウォータージェット等の水流交絡に
より、繊維が三次元的に交絡しているもの、あるいはメ
ルトブロー等の極細繊維緻密構造を有する不織布等が挙
げられる。
【0012】本発明においては、上記不織布や織布等の
支持体に撥水処理が施されていることが好ましい。例え
ば、単なるスプレーではなくディッピング等の手段によ
って支持体に撥水処理をすることが好ましい。撥水処理
としては、フッ素系の撥水処理やシリコーン系撥水処
理、パラフィン系撥水処理等が挙げられるが、フッ素系
処理が撥油効果に優れているので特に好ましい。このよ
うに支持体に撥水処理を施すことにより、水性ゲル状組
成物の水分や油成分が支持体の背面に滲み出すことを防
ぐことができる。
【0013】本発明に係る水性ゲル状組成物は、湿布
剤、冷却剤、パック剤等に使用される水性ゲル状組成物
である。冷却感、粘着特性、ゲルの柔らかさ、糊残り防
止等を考慮すると、上記水性ゲル状組成物として、例え
ば、ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩、カル
ボキシビニルポリマー、多価アルコール、水、架橋剤を
必須成分とする水性ゲル状組成物を使用することが好ま
しい。
【0014】ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸
塩は、ゲル状組成物の基本骨格をなすものであり、後述
する外部架橋剤によって架橋構造をとり、他の成分を取
り込んだ状態で三次元骨格を形成する。したがって、皮
膚面を湿潤状態に保ち、皮膚表面に濡れの状態(水和状
態)を長時間維持することができる。その結果、有効成
分を皮膚に効果的に浸透させることができる。このよう
なポリアクリル酸及び/ポリアクリル酸塩としては、重
量平均分子量が2万〜1,000万のものを用いること
が好ましく、さらに好ましくは重量平均分子量が100
万〜700万のものである。また、ポリアクリル酸及び
/又はポリアクリル酸塩は、水性ゲル状組成物の全量中
に約2〜30重量%含有されることが好ましく、約3〜
10重量%の範囲内で含有されることがさらに好まし
い。重量平均分子量が2万〜1,000万のポリアクリ
ル酸及び/又はポリアクリル酸塩を、約2〜30重量%
含有することにより、水性ゲル状組成物からなる層に三
次元骨格を形成しやすくなる。
【0015】ポリアクリル酸塩における塩としては、薬
理学的に許容できる塩であれば特に制限はなく、例えば
ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等
が挙げられる。これらのうち、入手容易性という観点か
らは、ポリアクリル酸ナトリウムを用いることが好まし
い。また、角質軟化作用を発現させるためには、水性ゲ
ル状組成物のpHを8〜9の弱アルカリ性にすることが
望ましいが、ポリアクリル酸ナトリウムを使用すると水
性ゲル状組成物のpHを8〜9の弱アルカリ性に調整し
やすくなる。本発明の皮膚粘着性シートを化粧用シート
として使用する場合には、例えば顔面のように刺激に対
して敏感な肌に貼付されることが多いので、肌に刺激を
与えないように水性ゲル状組成物が酸性側に傾かないこ
とが好ましい。この場合には、ポリアクリル酸とポリア
クリル酸塩との混合比率を0:10〜7:3の範囲内に
調整することが好ましい。特に、水性ゲル状組成物がp
H5〜7の弱酸性から中性となるように調整することが
好ましい。ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩との混合
比率を3:7〜5:5の範囲内に調整することによって
水性ゲル状組成物を上記pHの範囲内に調整することが
容易になる。また、本発明においては、ポリアクリル酸
とポリアクリル酸塩との混合物の代わりに、ポリアクリ
ル酸の部分中和物を用いてもよい。ここでポリアクリル
酸の部分中和物とは、例えばポリアクリル酸の一部を水
酸化ナトリウム等によって中和したものを言う。
【0016】水性ゲル状組成物に含有される多価アルコ
ール類としては、グリセリンやソルビトールの他、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等
のジオール類を用いることができる。これらは1種もし
くは2種以上を併用して用いることができる。これらの
うち、保湿力や適度なゲル強度、製造面における材料の
溶解性や均一分散性等の点からは、グリセリンを用いる
ことが好ましい。多価アルコールは、ポリアクリル酸及
び/又はポリアクリル酸塩の可塑剤として作用するが、
水分を保持して保湿効果も発揮する。多価アルコール類
の含有量は、水性ゲル状組成物中に、10〜50重量%
であることが好ましく、さらに好ましくは20〜40重
量%である。
【0017】水性ゲル状組成物中に含有される水は、本
発明の皮膚粘着性シートを貼付した皮膚部分を湿潤状態
にして水和するために重要な成分である。水は、水性ゲ
ル状組成物中に10〜90重量%の範囲内で含有される
ことが好ましく、さらに好ましくは30〜70重量%の
範囲内である。水の含有量が10重量%未満であると、
皮膚(角質層)の水和効果が十分でなくなることがあ
り、90重量%を超えると、支持体上にゲル層を形成し
た場合にゲル層の機械的強度が不足する恐れがある。な
お、支持体内にゲル層を形成する場合には強度上の問題
は生じない。
【0018】また、ポリアクリル酸及び/又はポリアク
リル酸塩を架橋するために配合する外部架橋剤として
は、水酸化アルミニウムやカリウムミョウバン、硫酸ア
ルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、塩
化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等
の多価金属塩、多価金属水酸化物、多価金属酸化物等が
挙げられる。乾燥水酸化アルミニウムゲルは入手が容易
であり、配合量を決定しやすいので好適である。
【0019】これらの架橋剤の配合量は架橋剤の種類に
よって異なるので一概に限定することはできないが、水
性ゲル状組成物全体量に対して、通常、約0.1〜5重
量%に設定することが好ましい。架橋剤の配合量が少な
すぎると架橋が十分に行われず、多価アルコール類や水
などの他の成分の保持性が悪くなると共に、ゲル層自体
の機械的強度が低下する。また、配合量が多すぎると架
橋が強くなりすぎて、得られるゲル層が硬くなり柔軟性
に劣るようになると共に、他の成分の保持性も低下する
傾向を示す。
【0020】本発明においては、ゲル状組成物中にさら
にカルボキシビニルポリマーが配合される。カルボキシ
ビニルポリマーとは、アクリル酸を主として、これに少
量のアリルショ糖等を配した共重合体であって、その一
部が架橋されたカルボキシビニルポリマーである。カル
ボキシビニルポリマーとしては、例えば、商品名「カー
ボポール」(BFグッドリッチ社製)、「ハイビスワコ
ー」(和光純薬工業製)、ジュンロン(日本純薬株式会
社製)等として市販されているものを入手することがで
きる。このカルボキシビニルポリマーは、酸の状態のも
のでも、一部乃至その全部が中和された状態のものでも
差し支えなく使用することができる。
【0021】ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸
塩、多価アルコール、架橋剤及び水からなる水性ゲル状
組成物によっても、保湿作用が長時間持続し、有効成分
の効能を十分に発揮することのできる水性ゲル状組成物
からなる層を得ることはできるが、肌に対する接着性が
弱いので日常活動中に肌に貼付した化粧用ゲルシートが
脱落しやすい。この結果、肌へ十分な水分補給を行えな
かったり、有効成分を十分に放出できないことがある。
一方、接着力を強くするためにゲル状組成物を柔らかい
状態にすると、液だれが生じたり、剥離時に糊残りが生
じることがある。
【0022】ところが水性ゲル状組成物中にさらにカル
ボキシビニルポリマーを配合すれば、かかる問題も解決
することができるのである。これは、ポリアクリル酸及
び/又はポリアクリル酸塩の一部がカルボキシビニルポ
リマーで置換され、カルボキシビニルポリマー自体が内
部架橋の機能を発揮して、水性ゲル状組成物からなる層
を硬化させるためであると考えられる。したがって、ポ
リアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩にカルボキシ
ビニルポリマーを配合することによって、架橋剤の配合
量を減少させることができる。この結果、液だれや剥離
時の糊残りの問題を起こすことがなく、かつ接着力を損
なうこともない水性ゲル状組成物からなる層を形成する
ことができるので、肌へ十分な水分補給を行うことがで
きると共に、有効成分を十分に放出することができる皮
膚粘着性シートを得ることができる。
【0023】このような機能を果たすカルボキシビニル
ポリマーとしては、重量平均分子量が約100万〜40
0万のものを用いることが好ましく、さらに好ましくは
約200万〜300万のものを用いることが望ましい。
このとき、カルボキシビニルポリマーで置換する量はポ
リアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩のうち、概ね
10%〜50%であり、配合量としては、水性ゲル状組
成物の全量中に、0.1〜10重量%であることが好ま
しく、さらに好ましくは1〜5重量%程度である。カル
ボキシビニルポリマーの配合量が少なすぎると水性ゲル
状組成物からなる層に必要な接着力が得られず、また多
すぎると水性ゲル状組成物の粘度が高くなり、混合攪拌
が困難になる。
【0024】本発明においては、水性ゲル状組成物中に
さらにポリビニルピロリドンを配合することが好まし
い。ポリビニルピロリドンを加えることにより、液だれ
や剥離時の糊残りを起こすことなくさらに接着力を向上
させることができる。ポリビニルピロリドンとしては、
重量平均分子量が5,000〜500万のものが好まし
く、2万〜120万のものがさらに好ましく用いられ
る。また配合量は、架橋剤、多価アルコール、及び有効
成分の種類や配合量等に応じて適宜設定されるが、例え
ば、水性ゲル状組成物の全量中に0.1〜10重量%で
あることが好ましく、さらに好ましくは1〜6重量%で
ある。ポリビニルピロリドンの配合量が10重量%を超
えると接着力が強くなりすぎて剥離する際に皮膚に強い
刺激を与えることになり、また水性ゲル状組成物の粘度
が大きくなるので混合攪拌が困難になる。
【0025】さらにゲル化を補強するために、その他の
水溶性ポリマー、例えば、ゼラチン、カルボキシメチル
セルロースナトリウム塩等を、本発明の効果を阻害しな
い範囲内で配合することも可能である。
【0026】本発明の皮膚粘着性シートをスキンケア用
途に用いる場合には、皮膚の各症状を改善するために、
水性ゲル状組成物にさらに細胞賦活成分、オイル成分、
美肌成分のいずれかを配合することができ、さらに必要
に応じて、これら成分を2種以上配合することができ
る。
【0027】好ましく用いられる細胞賦活成分として
は、オタネニンジンエキスが挙げられる。オタネニンジ
ンエキスとしては、天然物であってもカルス誘導などの
組織培養によって得られる培養物であってもよいが、サ
ポニン等の成分をバラツキなく安定して含有している培
養オタネニンジンエキスを用いることが好ましい。細胞
賦活成分の配合量は、成分の有効性の点から、水性ゲル
状組成物中に約0.01〜5重量%であることが好まし
く、さらに好ましくは約0.01〜1重量%である。
【0028】オイル成分としては、オリーブオイル、ツ
バキオイル、綿実油、流動パラフィン、シリコンオイ
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイ
ルアルコール、スクワラン、ラノリンなどが挙げられ
る。これらのうち皮膚に対する低刺激性などの点から、
オリーブオイルを用いることが好ましい。このようなオ
イル成分の配合量は適用する皮膚面にしっとり感を与え
て、乾燥肌、荒れ肌等に対して有効に効果を発揮させる
ために、ゲル状組成物からなる層中に、5〜60重量
%、好ましくは20〜40重量%の範囲に調整して配合
することが望ましい。
【0029】また、オイル成分を配合する場合、水性ゲ
ル状組成物には比較的多量の水が配合されているので、
水とオイル成分が分離してしまう可能性が高い。したが
って、このような場合には界面活性剤を併存させて水と
オイル成分を、いわゆる水中油滴型(O/W:Oil in W
ater)の状態に乳化して均一分散状態にすることが好ま
しい。使用される界面活性剤としては、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レングリコール、多価アルコール脂肪酸部分エステル、
ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステ
ル、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫
酸塩、アルキルスルホン酸等が挙げられる。これらは、
水性ゲル状組成物の全体量に対して、0.1〜5重量%
程度の量を配合することが好ましい。
【0030】本発明においては、上述の細胞賦活成分又
はオイル成分の代わりに、あるいはこれらの有効成分と
共に、美肌成分を配合することもできる。美肌成分とし
ては、従来の化粧品等に使用されている各種の美肌用活
性物質を使用することができ、例えば、L−セリンやL
−アスコルビン酸等のアミノ酸、塩化リゾチーム等の酵
素、アスコルビン酸や酢酸トコフェロール等のビタミン
類、胎盤抽出物、ペプチド、蛋白質、有機酸、尿素、無
機イオン、各種生薬エキス、動植物抽出液等を挙げるこ
とができる。これらの配合量は、一般に水性ゲル状組成
物中、0.01〜20重量%であることが好ましい。
【0031】また用途に応じて、例えばパック剤等には
皮膚美白物質を含有してもよい。使用される皮膚美白物
質としては、従来の化粧品等に使用されている各種の皮
膚美白物質を使用することができ、例えばアスコルビン
酸、アスコルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸
ジパルミテート、アスコルビン酸ステアレート、アスコ
ルビン酸モノエチルヘキサノエート、アスコルビン酸ジ
エチルヘキサノエート、アスコルビン酸ナトリウム塩、
コウジ酸、糖アミン類、ハイドロキノン類、メルカプト
基含有化合物、レシチン等が挙げられる。
【0032】本発明においては、血行促進剤としてのビ
タミンEや、抗炎症剤としてのグリチルリチン酸等を適
宜配合することができる。また、公知の充填剤の他、染
料や顔料等も配合することもできる。さらに、パラオキ
シ安息香酸やそのエステル等の防バイ剤、BHT等の抗
酸化剤を配合することもできる。
【0033】用途に応じて、水性ゲル状組成物に角質軟
化剤を含有させることもできる。角質軟化剤としては、
乳酸、乳酸塩、尿素、サリチル酸、サリチル酸塩、トリ
エタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等が挙げられる。これらのうち、皮膚に対する低刺激性
等の点から、乳酸、乳酸塩及び/又は尿素を使用するこ
とが好ましい。角質軟化剤の配合量は、その有効性の点
から、ゲル状組成物の全量に対して、乳酸又は乳酸塩の
場合には0.1〜3重量%、尿素の場合には1〜20重
量%、サリチル酸又はサリチル酸塩の場合には0.1〜
2重量%、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム水
酸化カリウムの場合には水性ゲル状組成物のpHが8〜
9の弱アルカリ性を呈する程度の配合量であることが好
ましい。
【0034】さらに、本発明には通常化粧品に配合され
るその他の補助成分、例えば、ヒアルロン酸、プラセン
タエキス、各種アミノ酸等の保湿剤、スクワラン、ラノ
リン、セラミド等のエモリエント剤、痩身作用を有する
成分として、昆布、ワカメ、ヒバマタ、ヒジキ等の海藻
抽出物、ゴマ油、ハマメリス、高麗人参、ハッカ、ハト
ムギ、茶、いちょう葉、米ぬか、アロエ等の植物油、ミ
ンク油、馬油等の動物性油脂及び深海鮫等の動物抽出
物、シイタケ、サルノコシカケ、ナメタケ、冬虫夏草等
の菌類抽出物、ポリアミノ酸、リポアミノ酸、サークフ
ァンチン、コウジ酸、ヒアルロン酸等の微生物代謝産物
等の各種動植物抽出エキス、1−メントール、トウガラ
シエキス等の清涼剤、香料、L−メントール、L−イソ
プレゴール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2
−ジオ−ル、パラメンタン−3,8−ジオール、ハッカ
油、カンフル等の各種冷感剤、トウガラシエキス等の各
種温感剤等を配合することができる。
【0035】また、水性ゲル状組成物中には、従来のス
キンケア商品等に使用されている、防腐剤、酸化防止
剤、粘着付与剤、溶解剤、無機充填剤、pH調整剤等が
適宜配合されていてもよい。防腐剤としては、アスコル
ビン酸、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソー
ル、ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェロール
等が挙げられる。粘着付与剤としては、カゼイン、プル
ラン、寒天、デキストラン、アルギン酸ソーダ、可溶性
デンプン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロ
ール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。溶解剤と
しては、ベンジルアルコール、ハッカ油、ミリスチン酸
イソプロピル、コロタミトン等が挙げられる。色素とし
ては、赤色2号、赤色3号、黄色4号、緑色3号、青色
1号等の法定色素が挙げられる。無機充填剤としては、
酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、含水シリカ、炭酸マグ
ネシウム、ケイ酸マグネシウム、ベントナイト等が挙げ
られる。pH調整剤としては、酢酸、ギ酸、乳酸、酒石
酸、シュウ酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、メチルアミン、エチルアミン、トリエタノール
アミン等が挙げられる。
【0036】支持体上に形成するゲル状組成物からなる
層の厚みは、0.05〜5mmの範囲内であることが好
ましく、さらに好ましくは0.3〜2mm程度である。
層の厚みが0.05mmより薄くなると、比較的早く乾
燥するので保湿効果が薄れるおそれがある。一方、層の
厚みが5mmより厚いと、貼付時に違和感を感じたり、
皮膚面からの剥離時に皮膚面に多量のゲル状組成物が残
留したり、ゲルシートの重量が重くなり支持体表面から
剥離脱落するおそれもある。
【0037】本発明においては、長時間の連続貼付によ
り乾燥が進行し、皮膚への密着力が低下することを防止
するために、ゲル状組成物からなる層と粘着剤組成物か
らなる層を交互に配置することにより、例えば、図2
(a)に示すように、水性ゲル状組成物からなる層4と
粘着剤層5とを縞状に交互に配置したり、図2(b)に
示すように、千鳥格子状に交互に配置することにより、
安定した長時間の皮膚密着性を確保することができる。
なお、水性ゲル状組成物からなる層と粘着剤層の配置
は、図2(a),(b)に限定されるものではなく、波
線を描くように構成しても、部分的に粘着剤層を配置し
てもよく、適宜設計変更されるものとする。
【0038】本発明において使用される粘着剤として
は、親油性の粘着剤でも、親水性の粘着剤でもよいが、
湿布剤や冷熱シートのように水分の蒸散によって薬効に
影響を与えたり、薬物のしみ出しが問題になる外用貼付
剤に適用する場合には、親水性の粘着剤を使用すること
が好ましい。具体的には、ポリイソブチレンゴム、ポリ
イソプレンゴム(スチレン−イソプレン−スチレン)ブ
ロック共重合体ゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム
等の合成ゴム或は天然ゴムのようなゴム系粘着剤、アク
リル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘
着剤、ポリ塩化ビニル系粘着剤、ポリエチレン系粘着
剤、エチレン−ビニルアルコール共重合体系粘着剤、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、エチレン−メタ
クリル酸共重合体系粘着剤、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体系粘着剤、親水性アクリルポリマー系粘着
剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、ポリビニルアルコ
ール系粘着剤、セルロース系粘着剤、酢酸ビニル系粘着
剤(シリコーン系粘着剤)等を使用することができる。
【0039】本発明においては、ゲル状組成物からなる
層を使用時まで汚染や各成分の蒸散や揮散防止等のため
に、あるいはゲル状組成物と粘着剤組成物からなる層を
使用時まで保護するために、剥離ライナーを設けること
ができる。剥離ライナーとしては、シリコーン処理等の
剥離処理されたポリエステルフィルム等が挙げられる。
また、各成分の蒸散や揮散を確実に防止するために、シ
ート全体を包装材料等において密封包装することが好ま
しい。
【0040】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発
明の技術思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能で
ある。なお、以下の実施例において、部は重量部を%は
重量%を意味する。
【0041】(実施例1)まず、撥水処理された支持体
を作製する。フッ素系撥水処理剤として商品名「アサヒ
ガードAG−8025」(旭硝子株式会社製)を精製水
で濃度5%となるように希釈した。このフッ素系撥水処
理剤の希釈液に支持体としてポリエステル不織布(坪量
100g/m2)を浸漬し、ディッピング処理を施した
後、余分な液を絞って除去した。これを130℃で3分
間乾燥させて剥離処理された支持体を形成した。次い
で、水性ゲル状組成物からなる層を形成する。水45部
に、ポリアクリル酸部分中和物(重量平均分子量400
万、水酸化ナトリウムによりモル比で50%中和された
もの)5部とグリセリン30部を混合したものを素早く
加え溶解する。次に、カルボキシビニルポリマーの粉末
(商品名「ハイビスワコー104」、和光純薬工業社
製)1部を徐々に加えて溶解する。これに、乳化剤とし
てポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品
名「ノイゲンEA−190D」、第一工業製薬株式会社
製)1.6部を加え、さらにメチルパラベン0.1部と
スクワラン16部を含む油成分17部とを加えて攪拌
し、ニーダーを用いて均一混合した。これに乾燥水酸化
アルミニウムゲル0.3部を加えて均一分散させた。こ
れを水性ゲル状組成物からなる層の厚みが1mmとなる
ように、フッ素処理された支持体上に展延し、60℃で
1日加熱処理を行いゲル化させて、支持体上に水性ゲル
状組成物からなる層を形成した。このようにして、撥水
処理された支持体上に水性ゲル状組成物からなる層を有
する皮膚粘着性シートを作製した。なお、使用時まで、
水性ゲル状組成物からなる層の上に、剥離ライナーを被
せておいてもよい。
【0042】(実施例2)実施例1において、フッ素系
撥水処理剤を商品名「アサヒガードAG−8025」
(旭硝子株式会社製)を精製水で濃度1%となるように
希釈した希釈液を使用し、支持体としてアクリル系極細
不織布(坪量100g/m2)を使用した以外は実施例
1と同様にして、皮膚粘着性シートを作製した。
【0043】(実施例3)実施例1において、フッ素系
撥水処理剤を商品名「アサヒガードAG−8025」
(旭硝子株式会社製)を精製水で濃度0.5%となるよ
うに希釈した希釈液を使用し、支持体としてコットンス
パンレース不織布(坪量60g/m2)を使用した以外
は実施例1と同様にして、皮膚粘着性シートを作製し
た。
【0044】(実施例4)実施例1において、フッ素系
撥水処理剤の代わりにシリコーン系撥水処理剤(商品名
「繊維用シリコーンSM8070」、東レダウコーニン
グシリコーン社製)を精製水で濃度5%となるように希
釈した希釈液を使用し、この希釈液を用いて支持体とし
てポリエステル不織布(坪量100g/m2)にディッ
ピング処理を施した以外は実施例1と同様にして、皮膚
粘着性シートを作製した。
【0045】(実施例5)実施例1において、フッ素系
撥水処理剤の代わりにパラフィン系撥水処理剤(商品名
「サントールWP」、日華化学株式会社製)を精製水で
濃度5%となるように希釈した希釈液を使用し、この希
釈液を用いて支持体としてポリエステル不織布(坪量1
00g/m2)にディッピング処理を施した以外は実施
例1と同様にして、皮膚粘着性シートを作製した。
【0046】(比較例1)実施例1において、撥水処理
を行わず、支持体としてアクリル系極細不織布(坪量1
00g/m2)を使用した以外は実施例1と同様にし
て、皮膚粘着性シートを作製した。
【0047】(比較例2)実施例1において、撥水処理
を行わず、支持体としてポリエステル不織布(坪量10
0g/m2)を使用し、これにポリエステルフィルムを
ラミネートした以外は実施例1と同様にして、皮膚粘着
性シートを作製した。
【0048】実施例1〜5、及び比較例1〜2において
得られた皮膚粘着性シートについて、下記に示すように
評価を行った。その結果を表1に示す。(評価方法) 支持体裏抜け:皮膚粘着性シートを支持体側から肉眼で
観察し、下記基準に従い評価を行った。 裏抜けがなく、支持体の表面が乾燥してきれいな状態であった ○ 部分的に裏抜けがあり、支持体表面にマダラ模様が生じていた △ 全面的に裏抜けがあり、支持体表面がべとついた × 冷却感:皮膚粘着性シートをモニターの皮膚に貼着して
下記基準に従って評価を行った。 冷却感が長時間持続した場合 ○ 貼付直後は冷却感があるが、直ぐになくなった場合 △ 貼付直後から冷却感がなかった場合 × 接着性:皮膚粘着ゲルシートをモニターの皮膚に貼付し
て下記基準に従って評価を行った。 シートが脱落せず、長時間連続して良好な貼着状態を保持した ○ シートが短時間で乾燥して脱落した △ シートを貼着後、直ちに脱落した × 不快感:皮膚粘着ゲルシートをモニターの皮膚に貼付し
て書き基準に従って評価を行った。 貼付後、快適であり、貼付中ずっと違和感がなかった ○ 貼付直後は快適であるが、徐々に支持体に裏抜けが起こりべとついた △ 貼付後、直ちに裏抜けが起こり、貼付中ずっと不快であった ×
【0049】
【表1】
【0050】表1から明らかなように、実施例1〜5の
本発明の皮膚粘着性シートは、このシートの製造中に
も、シート製造後においても支持体の裏抜けが起こらな
かった。また、皮膚粘着性シートを貼付する際には、べ
とつくこともなく快適に作業することができ、シートの
使用中は脱落することなく良好な貼付状態を長時間維持
することができ、かつ冷却感も長時間持続することが分
かった。特に実施例1〜3の皮膚粘着性シートは、シー
トを長期間保存した後においても支持体の裏抜けが生じ
ない優れたものであった。実施例4及び5の皮膚粘着性
シートは、3ヶ月の保存によって部分的に支持体の裏抜
けが発生したり、べとついたりしたが、製造後所定期間
内は裏抜けも生じず、冷却感等が長時間持続した。一
方、比較例1〜2の皮膚粘着性シートは、製造工程中、
あるいは製造後直ぐに裏抜けが起こり、貼付時にべとつ
き不快であり、作業性も低下した。
【0051】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明に
よれば、肌触りが良好で、適度な柔軟性を有し、適度に
水分を蒸発させることが可能であり、かつ、水分や油成
分等の支持体への裏抜け防止効果に優れた皮膚粘着性シ
ートを得ることができる。その結果として、肌に潤いを
与え、好ましいしっとり感が得られ、また、外部に水を
揮散することにより気化熱を奪い、顔の火照りや炎症を
抑えると同時に清涼感を与えたり、解熱作用を発揮する
ことができる。さらにまた、手指等の汚染や衣服等の汚
染を伴うことがなく、剥離時に糊残りが生じることもな
く、取扱い性、作業性、簡便性等の点で満足できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る皮膚粘着性シー
トの層構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る皮膚粘着性シー
トの粘着剤層と水性ゲル状組成物からなる層との配置を
示す斜視図であり、(a)はこれらの層の配置を示す第
1の具体例であり、(b)は第2の具体例である。
【符号の説明】
1 撥水処理された支持体 2、4 水性ゲル状組成物からなる層 3 剥離ライナー 5 粘着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 尚則 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4C081 AA03 AA12 BB01 BB02 BB04 BB06 BC02 CA021 CA081 CA132 CA161 CA211 CA231 CC05 CD021 CD32 CD33 CE02 CE11 DA05 DA12 DB07 DC03 DC14 EA06 4C083 AB221 AB222 AC021 AC022 AC121 AC122 AC182 AC482 AC811 AC812 AD021 AD022 AD091 AD092 AD151 AD152 AD261 AD262 CC01 CC07 DD12 EE01 EE07 FF01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水処理を施した支持体上に、水性ゲル
    状組成物からなる層を設けたことを特徴とする皮膚粘着
    性シート。
  2. 【請求項2】 前記撥水処理が、支持体にディッピング
    を行うことによって施されることを特徴とする請求項1
    記載の皮膚粘着性シート。
  3. 【請求項3】 前記撥水処理が、フッ素系撥水処理であ
    ることを特徴とする請求項2記載の皮膚粘着性シート。
  4. 【請求項4】 前記支持体が、不織布又は織布である請
    求項1から3のいずれか1項記載の皮膚粘着性シート。
  5. 【請求項5】 前記水性ゲル状組成物が、ポリアクリル
    酸及び/又はポリアクリル酸塩、カルボキシビニルポリ
    マー、多価アルコール類、水、架橋剤を必須成分とする
    請求項1から4のいずれか1項記載の皮膚粘着性シー
    ト。
  6. 【請求項6】 前記水性ゲル状組成物が、消炎鎮痛成
    分、香料、細胞賦活成分、美肌成分及びオイル成分から
    なる群のうち、少なくとも1つを含有する請求項1から
    5のいずれか1項記載の皮膚粘着性シート。
  7. 【請求項7】 前記水性ゲル状組成物が、多価金属塩を
    用いて架橋されていることを特徴とする請求項1から6
    のいずれか1項記載の皮膚粘着性シート。
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