JP3830387B2 - リクエスト曲に特典を付与する仕組みに特徴を有するカラオケシステム、多機能カラオケリモコン装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多機能カラオケリモコン装置およびカラオケ装置に関し、とくに、利用者が選曲して予約して順番がきたら歌うという通常のカラオケ利用行為の中でゲーム的な要素などを伴った何らかのサービスを提供することを意図した技術改良に関する。
【０００２】
【発明の背景】
カラオケ利用客が増加することを期待して、カラオケの楽しみを増すように、カラオケ装置にはさまざまな種類の付加的な機能が備わっている。カラオケで歌うことと直結した付加機能としては、歌唱の巧拙を採点して提示する機能や、歌うという身体運動の消費カロリーを推定して提示する機能や、ダンスダンスリボリューション（商品名）のように歌うとともに踊ることに関連した機能などがある。またカラオケで歌っていない場合に利用する機能としては、イントロ当てクイズ機能や、ビンゴゲーム支援機能や、じゃんけんゲーム機能などがある。さらに、カラオケとして演奏する曲と曲の間におみくじゲームとかルーレットゲームなどを短く挿入する機能も知られている。
【０００３】
【発明の開示】
この発明は、利用者が選曲して予約して順番がきたら歌うという通常のカラオケ利用行為の中でゲーム的な要素などを伴った何らかのサービスを提供することを目的としてなされたもので、その目的にかなった機能の多機能カラオケリモコン装置およびカラオケ装置を提供するものである。
【０００４】
この発明に係るカラオケシステムは、分説すると、つぎの事項（１）〜（８）により特定されるものである。
（１）多機能カラオケリモコン装置およびカラオケ装置からなるカラオケシステムであること
（２）多機能カラオケリモコン装置は、操作入力手段と、記憶手段と、制御手段と、送信手段を備えること
（３）操作入力手段は、利用者入力を受付可能とすること
（４）記憶手段は、楽曲索引データベースと、題目を格納すること
（５）楽曲索引データベースは、楽曲ごとに楽曲識別子・曲名・アーチスト名・歌詞を関連付けすること
（６）題目は、１つ以上の単語を含むこと
（７）制御手段は、利用者入力に従って楽曲索引データベースを検索してリクエスト曲が特定された際、当該リクエスト曲の楽曲識別子に関連付けされた曲名・歌詞を抽出し、当該曲名・歌詞に含まれる単語と題目の単語とを対照し、両者で一致する単語があるか否かをチェックし、一致する単語がある場合は当該リクエスト曲の楽曲識別子に特典フラグを付した演奏予約信号を、一致する単語がない場合には特典フラグを付けない演奏予約信号を送信手段により送信させること
（８）カラオケ装置は、演奏予約信号を受信し、特典フラグ付きの楽曲識別子および特典フラグ無しの楽曲識別子を待ち行列に登録して演奏順番を管理するとともに、特典フラグが付いた楽曲のリクエストに対して特典があることを告知出力すること
【０００６】
【発明の実施の形態】
＝＝＝多機能カラオケリモコン装置の構成＝＝＝
この発明の一実施例による多機能カラオケリモコン装置の外観を図１に示し、電気的な機能ブロック構成を図２に示している。この多機能カラオケリモコン装置は、Ｂ５判ほどの寸法で厚みのあるパネル型のキーボードレス・コンピュータであり、外観的には装置正面の大部分が液晶表示パネル１ａに透明タッチセンサ１ｂを重ねた液晶タッチパネル１で占められ、内部には、ＣＰＵ・ＲＡＭ・ＲＯＭを含む中央処理装置２と、液晶表示パネル１ａを表示駆動する表示ドライバ３と、透明タッチセンサ１ｂに対する入力座標を検出する入力検出回路４と、大容量の外部記憶であるフラッシュメモリ５と、カラオケ装置に向けてリモコン信号を発信するための赤外線ＬＥＤ６およびＬＥＤドライバ７と、充電ステーションと結合して充電される電源電池（図示省略）と、充電ステーションに付属のデータ通信装置を介してカラオケ装置とデータ通信する通信制御部８などが実装されている。
【０００７】
中央処理装置２は、楽曲索引データベースをフラッシュメモリ５に格納して管理する。楽曲索引データベースは、カラオケ装置で演奏に供される多数の楽曲についての属性情報を記述したデータベースであり、楽曲番号・曲名・アーチスト名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・使用された映画やテレビドラマのタイトル・使用されたテレビＣＭ・各種音楽賞の受賞経歴・デュエット曲か否かなど、さまざまな属性情報がこれに含まれている。多機能カラオケリモコン装置をカラオケ装置に接続されている充電ステーションに結合した状態において、中央処理装置２は通信制御部８を介してカラオケ装置とデータ通信し、楽曲索引データベースの内容を更新するようにシステム構成されている。
【０００８】
＝＝＝データベース検索による選曲＝＝＝
中央処理装置２は、利用者が希望の楽曲を前記楽曲索引データベースに基づいて検索するための処理を前記利用者インタフェースの媒介で実行する。このデータベース検索処理の初期状態では、検索メニュー画面（図３）が液晶タッチパネル１に表示される。この検索メニュー画面の歌手名検索ボタンにタッチ入力すると、５０音のカナ文字パレット画面に表示が切り替わり、その画面上でカナ文字にタッチして歌手名の頭文字から順番に入力して（途中まででもよい）、検索実行ボタンにタッチ入力すると、楽曲索引データベースから該当する楽曲群が抽出されて一覧表示される。その中に希望の曲があれば、その曲名にタッチ入力した上で決定ボタンにタッチ入力すると、その楽曲の詳細画面（図４）が表示される。この画面上で転送ボタンにタッチ入力すると、その楽曲の識別情報を含んだ演奏予約リモコン信号がカラオケ装置に向けて発信される。検索メニュー画面に示しているように、曲名検索モードや、流行時期を検索キーとするあのころ検索モードなどがある。
【０００９】
＝＝＝特典フラグ＝＝＝
各種の検索モードを使って予約対象楽曲を一曲に絞った段階では、先に説明したようにその楽曲の詳細画面（図４）が表示される。この実施例の多機能カラオケリモコン装置においては、予約対象楽曲の詳細画面が表示されたときに、中央処理装置２が、その予約対象楽曲が特典付与条件を充足するかどうかを判断するための特典確認処理を実行する。
【００１０】
特典付与条件の具体例や特典確認処理の内容については後で詳しく説明するように、さまざまな実施の形態が考えられる。ここでは、特典確認処理により予約対象楽曲が特典付与条件を充足したとする。この場合、前記の転送ボタンにタッチ入力することにより予約対象楽曲の識別情報を含んだ演奏予約リモコン信号を発信する処理において、そのリモコン信号中に所定のデータ形式で特典フラグを含ませる。このように楽曲識別情報に特典フラグを付帯させることで、その楽曲が特典付与の対象となる楽曲であることを意味づけしている。
【００１１】
＝＝＝カラオケ装置＝＝＝
この発明の一実施例によるカラオケ装置の概略構成を図５に示している。カラオケ装置は、パソコン相当のコンピュータ応用機器であって、中央処理装置５１がＣＰＵ・ＲＯＭ・ＲＡＭを含んだコンピュータ本体であり、大容量の外部記憶であるハードディスク装置５２と、加入電話回線またはＩＳＤＮ回線を介してカラオケホスト装置と通信する通信制御装置５３と、利用者からの入力情報を受け付けるとともに利用者に向けて案内情報や応答情報を提示する利用者インタフェース装置５４と、ＭＩＤＩデータを主体にした音楽演奏データに基づいて伴奏音楽の音響信号を生成する音楽生成装置５５と、伴奏音楽やマイクロホンからの音響信号を増幅してスピーカーから発音する音響装置５６と、ＣＲＴやＬＣＤあるいはＰＤＰなどを用いた映像表示装置５７と、この映像表示装置５７に表示すべき画像データを処理する画像処理装置５８と、ＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ−ＲＯＭを再生する光ディスク装置５９などを備えている。
【００１２】
利用者インタフェース装置５４には、装置本体の操作パネル（キーボードとディスプレイ）が含まれるとともに、前述した多機能カラオケリモコン装置から発信されたリモコン信号を受信するリモコン信号受信部が含まれている。
【００１３】
＝＝＝待ち行列管理と演奏制御の基本動作＝＝＝
中央処理装置５１は適宜な記憶部に演奏予約の待ち行列を作成し、カラオケ楽曲の演奏順番を管理している。利用者インタフェース装置４により入力される演奏予約データ中に楽曲を特定する６桁の数字からなる楽曲番号（楽曲識別情報）が含まれている。中央処理装置５１は、演奏予約データが入力されたならば、その中の楽曲番号がカラオケ楽曲データベースに登録されている演奏可能な楽曲の番号であることを確認した上で、その楽曲番号を待ち行列に登録する。
【００１４】
中央処理装置５１は、待ち行列から登録順に楽曲番号を取り出し、ハードディスク装置５２のカラオケ楽曲データベースから該当するカラオケ楽曲データを取り出して処理する。１つの楽曲番号に対応する１曲分のカラオケ楽曲データは、ＭＩＤＩデータやＡＤＰＣＭデータなどで表現されたカラオケ伴奏音楽の起源となる音楽演奏データと、伴奏音楽に同期した歌詞字幕を表示するための歌詞字幕データと、伴奏音楽の出力期間に前記歌詞字幕の背景として表示すべき映像データを直接または間接に指定する映像指定データと、当該楽曲のタイトルやアーチストや著作者を字幕表示するための楽曲説明字幕データなどが対応づけされたデータ群である。
【００１５】
なお、ハードディスク装置５２と光ディスク装置５９を記憶資源として、カラオケ背景として表示される映像データベースも構築されており、中央処理装置５１はカラオケ楽曲データ処理の一環として前記映像指定データに基づいて映像データベースから適宜な映像データを取り出して画像処理装置５８に受け渡し、歌詞字幕とともに映像表示装置５７により表示する。
【００１６】
＝＝＝特典フラグと特典のお知らせ＝＝＝
カラオケ装置の中央処理装置５１は、多機能カラオケリモコン装置から発信された演奏予約リモコン信号を受信したとき、その信号中に前記特典フラグが含まれているか否かをチェックし、特典フラグがあったならば、演奏予約楽曲の楽曲番号を待ち行列に登録するとき特典フラグも付けて登録しておく。
【００１７】
そしてカラオケ装置の中央処理装置５１は、待ち行列に登録されいる特典フラグ付きの楽曲番号に演奏の順番がまわってきたときに、前述のようにその楽曲のカラオケ演奏の準備を進めるとともに、「この楽曲を予約した人には特典が用意されています」という主旨のメッセージを利用者に伝達する特典メッセージ出力処理を実行する。たとえば、ファンファーレのようなごく短い音楽を音響出力するとともに、見栄えよくデザインされたメッセージ文書を映像出力する。
【００１８】
具体的にどのような特典を利用客に与えるのか、その特典を受けるために利用客がどのように手続きするのかは、特典を付与する側のカラオケ店経営者の裁量に委ねられる。たとえばカラオケバーのようなお店では、特典メッセージが出力されると利用客とともに店員もこれを認知するので、お店側は即座にその利用客に生ビールを一杯サービスすることができる。また、カラオケボックスのような店舗形態では、特典メッセージが出力されたら、インターホンで受け付けに連絡して状況を伝え（たとえば楽曲番号などを伝える）、それを確認した店員が記念品を利用客のいるボックスに持参することができる。
【００１９】
＝＝＝特典付与条件と特典確認処理＝＝＝
特典付与条件は多機能カラオケリモコン装置にプログラムされる。具体的には、楽曲索引データベースの更新処理と同様に、前記リモコン装置を充電ステーションに結合した状態において、リモコン装置がカラオケ装置と通信し、カラオケ装置から与えられる特典付与条件プログラムがリモコン装置のフラッシュメモリ５に格納され、中央処理装置２がこの特典付与条件プログラムに従って前記特典確認処理を実行する。
【００２０】
ごくシンプルな特典付与条件の例から説明する。特典付与条件プログラム中にキャンペーン中の楽曲の識別情報（楽曲番号）が設定されている。演奏予約楽曲が選定されたとき、中央処理装置２は、それが設定されたキャンペーン中の楽曲の番号であると確認した場合に、その楽曲に特典フラグをつける。キャンペーン対象をアーチスト名とした場合には、選定された演奏予約楽曲のアーチスト名を楽曲索引データベースから引き出してきて比較することになる。
【００２１】
また、特典付与条件プログラム中には適当な単語が題目ワードとして設定されている。その題目ワードは利用者には知らされていなくてもよいし、お店のポスターなどでさりげなく掲示されていてもよい。演奏予約楽曲が選定されたとき、中央処理装置２は、楽曲索引データベースからその楽曲の曲名と歌い出し部分の歌詞とを取り出してきて、その中に題目ワードと一致する単語が含まれているか否かをチェックする。題目ワードと一致する単語があれば、特典付与条件を充足したことになり、その楽曲に特典フラグをつける。そうでなければ特典フラグはつけない。
【００２２】
もう少し複雑な特典付与条件を例示する。特典付与条件プログラム中には多数の単語の連なった単文が題目フレーズとして設定されている。その題目フレーズをお店のポスターなどで掲示して利用者にさりげなく知らせておいてもよい。演奏予約楽曲が選定されたとき、中央処理装置２は、楽曲索引データベースからその楽曲の曲名と歌い出し部分の歌詞とを取り出してきて、その中に含まれる単語群と、題目フレーズ中の単語群とを対照し、両群に一致する単語があるか否かをチェックする。一致する単語があった場合に、その楽曲に特典フラグをつける。
【００２３】
さらに複雑な特典付与条件を例示する。特典付与条件プログラム中には多数の単語の連なった短文が題目フレーズとして設定されている。その題目フレーズをお店のポスターなどで掲示して利用者にさりげなく知らせておいてもよい。演奏予約楽曲が選定されたとき、中央処理装置２は、楽曲索引データベースからその楽曲の曲名と歌い出し部分の歌詞とを取り出してきて、その中に含まれる単語群と、題目フレーズ中の単語群とを対照し、両群に一致する単語があるか否かをチェックする。ここまでは前記の例と同じである。一致した単語があったなら、中央処理装置２はその単語をヒット単語として一時記憶するとともに、液晶タッチパネル１に短時間だけ表示して選曲をした利用者に知らせる（なんのことだか理解できるように表示してもよいし、そうでなくてもよい）。利用者が別の楽曲を演奏予約楽曲として選定したときも同じ処理を行い、何曲も選曲されて予約されているうちに前記ヒット単語が増えてくる。そして、ある演奏予約楽曲について同じ処理を行ったとき、題目フレーズ中の全単語がヒット単語になった場合、そのときの楽曲が特典付与条件を充足したものとして扱い、これに特典フラグをつける。この実施例では、お店のポスターに書かれているフレーズと、選曲するときにときどき表示されるヒット単語と、特典のお知らせとの関係性に気がつく勘の鋭いお客さんも出てきて、話題性に富む付加サービスとなる。
【００２４】
【発明の効果】
この発明によれば、利用者が選曲して予約して順番がきたら歌うという通常のカラオケ利用行為の中でゲーム的な要素などを伴った楽しいサービスを利用客に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の一実施例による多機能カラオケリモコン装置の外観図である。
【図２】同上多機能カラオケリモコン装置の機能ブロック図である。
【図３】同上多機能カラオケリモコン装置における選曲メニュー画面の概略図である。
【図４】同上多機能カラオケリモコン装置における楽曲詳細画面の概略図である。
【図５】この発明の一実施例によるカラオケ装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
１ 液晶タッチパネル
１ａ 液晶表示パネル
１ｂ 透明タッチセンサ
２ 多機能カラオケリモコン装置の中央処理装置
５１ カラオケ装置の中央処理装置

Claims (2)

1. 多機能カラオケリモコン装置およびカラオケ装置からなるカラオケシステムであって、
   多機能カラオケリモコン装置は、操作入力手段と、記憶手段と、制御手段と、送信手段を備え、
   操作入力手段は、利用者入力を受付可能とし、
   記憶手段は、楽曲索引データベースと、題目を格納し、
   楽曲索引データベースは、楽曲ごとに楽曲識別子・曲名・アーチスト名・歌詞を関連付けし、
   題目は、１つ以上の単語を含み、
   制御手段は、利用者入力に従って楽曲索引データベースを検索してリクエスト曲が特定された際、当該リクエスト曲の楽曲識別子に関連付けされた曲名・歌詞を抽出し、当該曲名・歌詞に含まれる単語と題目の単語とを対照し、両者で一致する単語があるか否かをチェックし、一致する単語がある場合は当該リクエスト曲の楽曲識別子に特典フラグを付した演奏予約信号を、一致する単語がない場合には特典フラグを付けない演奏予約信号を送信手段により送信させ、
   カラオケ装置は、演奏予約信号を受信し、特典フラグ付きの楽曲識別子および特典フラグ無しの楽曲識別子を待ち行列に登録して演奏順番を管理するとともに、特典フラグが付いた楽曲のリクエストに対して特典があることを告知出力する
   カラオケシステム。
2. 操作入力手段と、記憶手段と、制御手段と、送信手段を備えた多機能カラオケリモコン装置であって、
   操作入力手段は、利用者入力を受付可能とし、
   記憶手段は、楽曲索引データベースと、題目を格納し、
   楽曲索引データベースは、楽曲ごとに楽曲識別子・曲名・アーチスト名・歌詞を関連付けし、
   題目は、１つ以上の単語を含み、
   制御手段は、利用者入力に従って楽曲索引データベースを検索してリクエスト曲が特定された際、当該リクエスト曲の楽曲識別子に関連付けされた曲名・歌詞を抽出し、当該曲名・歌詞に含まれる単語と題目の単語とを対照し、両者で一致する単語があるか否かをチェックし、一致する単語がある場合は当該リクエスト曲の楽曲識別子に特典フラグを付した演奏予約信号を、一致する単語がない場合には特典フラグを付けない演奏予約信号を送信手段により送信させる
   多機能カラオケリモコン装置。

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