JP3830213B2 - スイッチング素子を備えた基板及び液晶表示パネル並びにそれを用いた電子機器 - Google Patents

スイッチング素子を備えた基板及び液晶表示パネル並びにそれを用いた電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(TFT)などをスイッチング素子として有するアクティブマトリクス型液晶表示パネル及びそれを用いたプロジェクタ等の電子機器に関する。
【0002】
【背景技術】
TFTをスイッチング素子とした用いたアクティブマトリクス型液晶表示パネルは、例えばプロジェクタのライドバルブとして利用されている。プロジェクタの光源光は、この液晶表示パネルを透過する際に、そのパネルを構成する基板にて、あるいはその後段の光学系にて反射され、それがTFTに向かって入射することがある。TFTを構成するポリシリコン層は、可視光に対して20〜30%の透過率があり、TFT内にフォトキャリアを生成し、リーク電流が流れる。このリーク電流により、TFTがオンし、非選択期間であった画素にも信号電位が供給されるクロストークが生ずる。
【0003】
これを防止するために、TFTの下層に遮光層を設ける技術が、特公平3−52611号、特開平8−171101号、特開平3−125123号などに開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この遮光層は金属又は金属化合物にて形成されるため、TFTと絶縁する必要があり、遮光層とTFTとの間に絶縁層が設けられる。ここで、例えばトップゲート型TFTでは、ソース、ドレインとなるポリシリコン層と遮光層とが絶縁層を介して対向し、コンデンサを形成する。このとき、遮光層はフローティング電位であり、ポリシリコン層の電荷の影響を受けて、遮光層の電荷が変動する。逆に、TFTも遮光層の電荷の影響を受けることになり、この遮光層が本来のゲートとは別のゲートとして機能するおそれがある。すなわち、遮光層の持つ電荷に起因してTFTにリーク電流が流れたり、あるいは、TFTのゲートに高い電圧を印加しなければ、TFTがオンしなくなる。このことは、TFTと遮光層とを絶縁する絶縁層の膜厚が薄い程顕著であり、これを防止するには、遮光層の持つ電荷がTFTに影響しないほどのかなり厚い絶縁層を形成しなければならない。このような現象は、スイッチング素子として、バック ツー バック ダイオードを用いた時も同様である。
【0005】
そこで、本発明の目的は、スイッチング素子への光の入射を遮光層により防止してクロストークの発生を低減しながら、遮光層の持つ電荷によってスイッチング素子のスイッチング動作に悪影響を及ぼすことのない液晶表示パネル及びそれを用いた電子機器を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、遮光層を保持容量の容量線として兼用し、かつ、絶縁層を薄くすることでその保持容量を増大できる液晶表示パネル及びそれを用いた電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る発明は、一対の基板の間に液晶が封入され、かつ、一方の基板上に、 走査信号に基づいて画像信号を画素電極に供給するスイッチング素子と、前記スイッチング素子と前記画素電極との間に接続された保持容量とを有する液晶表示パネルにおいて、
前記スイッチング素子は、ソース、ドレインとなる第1ポリシリコン層と、ゲート電極となる第2ポリシリコン層と、下層の前記第1ポリシリコン層及び上層の前記第2ポリシリコン層間に設けられたゲート絶縁膜とを有するトップゲート型薄膜トランジスタにて形成され、
前記一方の基板と前記薄膜トランジスタの前記第1ポリシリコン層との間に、遮光層と、該遮光層及び前記第1ポリシリコン層を絶縁する絶縁層とを設け、
前記第1ポリシリコン層の前記ドレイン側が、隣接する2つの画素電極間に延長形成され、その延長部が、前記保持容量の一方の電極とされ、前記第2ポリシリコン層が前記保持容量の一方の電極と対向して配置されて前記保持容量の他方の電極とされ、
前記遮光層が、前記ソースに接続されるデータ信号線と交差する方向に延び、前記保持容量の下層にて前記保持容量の電極幅よりも幅広に形成され、かつ、前記遮光層は前記保持容量の容量線として兼用され、
前記画素電極と前記薄膜トランジスタとの間の層に、前記データ信号線を設けたことを特徴とする。
また、本発明の他の態様では、上述のスイッチング素子、遮光層及び絶縁膜を有する一方の基板を定義している。
本発明の一態様及び他の態様において、絶縁層を薄くすると、遮光層を用いて構成される保持容量の容量を大きく確保でき、非選択期間での画素電圧の保持特性を改善できる。
【0008】
本発明の一態様において、遮光層に走査信号が供給されると、絶縁層の厚さを薄くしても、遮光層の持つ電荷の影響は、走査信号により駆動されるスイッチング素子に対して一定となり、スイッチング素子のスイッチング動作に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記遮光層は、前記スイッチング素子をオフさせる電位に設定されていることを特徴とする。
【0010】
こうすると、スイッチング素子は、本来のオン信号のみによってオンされ、例えばスイッチング素子がTFTであれば、そのゲートへのオン電位のみによってスイッチング素子をオンさせることができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2において、前記スイッチング素子は薄膜トランジスタ(TFT)であり、前記遮光層は、前記薄膜トランジスタのゲートに印加されるオフ電位と実質的に等しい電位に設定されていることを特徴とする。
【0012】
こうすると、遮光層が第2のゲートとして機能することがあっても、この第2のゲート電位は常にオフ電位であることから、本来のゲートへのオン電位によってのみTFTをオンさせることができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記一方の基板には、液晶ドライバ用薄膜トランジスタが形成され、前記遮光層は、前記液晶駆動用薄膜トランジスタと対向する領域にも配置されていることを特徴とする。
【0014】
こうすると、液晶ドライバ用薄膜トランジスタの誤動作をも防止できる。
【0015】
請求項5の発明は、一対の基板の間に液晶が封入され、かつ、一方の基板上に、複数の走査信号線と、複数のデータ信号線と、それらの交差によって形成される各画素位置にて前記液晶と直列に接続されるスイッチング素子と、を有する液晶表示パネルにおいて、
前記一方の基板と各々の前記スイッチング素子との間に、遮光層と、該遮光層及び前記スイッチング素子間を絶縁する絶縁層とを設け、かつ、前記遮光層は、前記走査信号線の方向に連続して前記走査信号線の数だけ複数設けられ、各々の前記遮光層に、対応する前記走査信号線の信号を供給したことを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明によれば、遮光層は走査信号線と対応して設けられ、走査信号線に供給される走査信号が、対応する遮光層にも供給されている。従って、走査信号線及び遮光層は共に同時にオン電位又はオフ電位の同相の電位になり、遮光層の影響を無視できる。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記絶縁層の膜厚を、O.05〜1.5μmとしたことを特徴とする。
【0018】
上述の通り、遮光層の電荷がスイッチング素子のスイッチング動作に悪影響を及ぼさないため、絶縁層は、スイッチング素子と遮光層と電気的に絶縁できる程度の上述の厚さで足り、絶縁層の厚さを従来よりも薄くしてもよい。
【0021】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記遮光層は、前記一方の基板に形成された前記データ信号線と直交する方向に配列され、前記データ信号線と前記遮光層とでブラックマトリクスを構成することを特徴とする。
【0022】
こうすると、一方の基板側のみにブラックマトリクスを配置できるので、組立時に他方の基板との厳密な位置合わせが不要となる。また、ブラックマトリクスラインの線幅のマージンも少なくでき、液晶表示パネルの開口率が増大される。
【0023】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、前記一方の基板は石英基板であり、前記遮光層は、シリサイド系金属であることを特徴とする。
【0024】
シリサイド系金属は、一方の基板にスイッチング素子を形成する際の最高プロセス温度より十分に高い融点を持ち、しかも、石英基板との熱膨張係率も他の金属又は金属化合物と比較して近づけられるため、亀裂、割れの発生を低減できる。
【0025】
請求項10の発明に係る電子機器は、請求項1乃至9のいずれかに記載の液晶表示パネルを有することを特徴とする。
【0026】
請求項10の発明によれば、クロストークが低減され、しかも走査信号線の信号電位に依存させてスイッチング素子にて正確なスイッチング動作を正確に実行でき、電子機器の表示画面の画質が向上する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、アクティブマトリクス型液晶表示パネルの断面を示している。図1において、この液晶表示パネルは、透明基板な2枚の基板10,12間に、液晶14を封入して構成されている。一方の基板10は石英等の絶縁基板であり、この石英基板10には後述するとおり、各画素の液晶14に直列に接続されたスイッチング素子としてのトップゲート型薄膜トランジスタ(TFT)30がアレイ状に形成される。この石英基板10には、液晶ドライブ回路を構成するTFTも形成されている。他方の基板12は例えばガラス基板にて形成されている。このガラス基板12が石英基板10と対向する面12aには、該対向面12aを覆ってITO(インジウム・ティン・オキサイド)から成る透明電極16が形成され、共通電極として機能する。なお、対向基板12には、ブラックマトリクスのためのクロム層などは形成されてなく、このブラックマトリクスは、後述の通り、石英基板10側のみに配置されている。
【0029】
次に、石英基板10に形成される各層について、図1及び図2を参照して説明する。図2は、石英基板10上の各画素領域に形成される各層の透視図であり、デュアルゲート型のTFT構造が示されている。この石英基板10上には、主として、上述のTFT30と、TFT30と石英基板10との間に形成された遮光層20と、この遮光層20とTFT30とを絶縁する絶縁層22とを有する。
【0030】
TFT30は、図1及び図2に示すように、トランジスタのソース、ドレインとなる第1ポリシリコン層40と、トランジスタのゲートとなる第2ポリシリコン層44を有する。両ポリシリコン層40,44の間に、第1ポリシリコン層40を覆って形成されたSiO2から成るゲート酸化膜42が設けられている。第2ポリシリコン層44は、図2及び図3(D)のとおり、液晶表示パネルの第1の方向(図の横方向)と平行に複数本設けられ、液晶表示パネルの複数の走査信号線として用いられる。
【0031】
また、ゲート酸化膜42及び第2ポリシリコン層44を覆って第1層間絶縁層46が設けられている。その上に、トランジスタのソース線として機能する例えばアルミニウム(Al)にて形成された金属配線層48が設けられている。この金属配線層48は、第1層間絶縁層46に形成された第1コンタクトホール47を介して、第1ポリシリコン層40と接続されている。なお、この金属配線層48は、図2及び図4(B)のとおり、液晶表示パネルの前記第1の方向と直交する第2の方向(図の縦方向)と平行に複数本設けられ、液晶表示パネルの複数のデータ信号線として用いられる。
【0032】
この金属配線層48及び第1層間絶縁層46を覆って第2層間絶縁層50が設けられ、その上に例えばITOから成る透明電極52が各画素領域と対向する位置に形成されている。この透明電極52は、第1,第2層間絶縁層46,50に形成された第2コンタクトホール51を介して、第1ポリシリコン層40に接続され、画素電極として機能する。
【0033】
この液晶表示パネルでは、ある行の走査信号線に対応する第2ポリシリコン層44に、TFT30の閾値以上のオン電圧を選択期間内に印加すると、その行に存在する全てのTFTがオンする。その際、各列のデータ信号線に対応する複数の金属配線層48を介して、各画素毎にデータ信号が供給され、オンされた各TFT30を介して各透明電極52に信号電位が印加される。こうすると、対向基板12の透明電極16の共通電位と、石英基板10側の各画素毎の透明電極52の信号電位との差電圧が、液晶14に印加されることになる。非選択期間では、TFT30がオフされるので、選択期間に液晶14にチャージされた電圧により、次の選択期間まで表示状態が維持される。なお、この非選択期間での電圧の保持特性を改善するために、後述する保持容量が、液晶14と並列に接続されている。この動作を、各行毎に繰り返し実施することで、液晶表示パネルに所望の画像を表示することができる。
【0034】
次に、石英基板10上に形成される各層について、図3(A)〜(D)及び図4(A)〜(C)に示す製造工程を参照しながら説明する。
【0035】
<アニール工程>
製造段階での石英基板10は、8インチウエハ形状である。まず、この石英基板10を、石英基板10の最高プロセス温度(今回はゲート酸化膜42のための熱酸化工程での1000℃)以上の温度、例えば1000℃にて、不活性ガス例えばN2ガス雰囲気でアニール処理した。この前処理により、後に実施される最高プロセス温度での熱処理時に石英基板10に生ずる歪みを予め除去している。
【0036】
<遮光層20の形成工程>
この遮光層20は、石英基板10の表面などでの反射光が、TFT30に入射すること防止するものである。この遮光層20により、TFT30内にフォトキャリアが形成されることを防止でき、リーク電流に起因したクロストークが防止される。
【0037】
このために、この遮光層20は、図1に示すように、第1ポリシリコン層40の幅より広い幅に亘って形成され、かつ、充分な遮光特性を有する材質にて形成される。この遮光層20の求められる遮光特性として、OD値が3以上、換言すれば、透過率が1/1000以下である。
【0038】
この遮光層20の特性として、上記の遮光特性の他、この液晶表示パネルの最高プロセス温度に対する耐熱性を有することが必要となる。本実施例では、後述するとおり、ゲート酸化膜42の熱酸化工程が最高プロセス温度であり、例えば1000℃である。そこで、この遮光層20は、最高プロセス温度である1000℃以上の融点を有する材質として、金属又は金属化合物を用いている。この種の好適な材質として、タングステンシリサイド(WSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)などのシリサイド系金属を挙げることができる。この種のシリサイド系金属は、石英基板10との相性が良く、熱膨張係数を石英基板10と近くできる点でも好ましい。これにより、石英基板10等に亀裂、割れが生ずることを防止できる。
【0039】
また、この遮光層20は、図3(A)に示すように、TFT30と対向する領域Aと、横方向(走査信号線と平行な方向)に伸びる領域Bとで形成される。このように配置することで、この遮光層20と、これと交差する遮光性を有する金属配線層48とにより、各画素を囲むブラックマトリクスを、石英基板10側のみに構成することができる。これにより、対向基板に設けた遮光層例えばクロム層によりブラックマトリクスを構成する場合とは異なり、石英基板10と対向基板12との厳密な位置合わせは不要となる。また、従来では、2つの基板の位置ずれを考慮してブラックマトリクスの形成層の線幅にマージンを比較的大きく確保する必要があったが、本実施例ではその必要はなくなる。従って、液晶表示パネルの開口率が増大し、明るい表示画面を確保できる。
【0040】
この遮光膜20はスパッタ法又はCVD(化学的気相成長)により形成し、図3(A)に示す領域A,Bのみ残存されるように、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程が実施される。なお、図3(A)のようにブラックマトリクスとして遮光層20を使用する場合には、遮光層20が黒色となるのに充分な厚さを有することが必要である。このため、シリサイド系金属の場合には、0.1μm以上の膜厚とすればよい。
【0041】
<絶縁層22の形成工程>
この絶縁層22は、遮光層20を第1ポリシリコン層40から絶縁するためのものである。この絶縁層22は例えばSiO2にて形成され、例えばCVDにより形成される。
【0042】
<遮光層20の電位設定と絶縁層22の膜厚について>
遮光層20は、他の配線と接続されない場合には、フローティング電位となる。この場合には、絶縁層22の膜厚が薄いと、上述の通り、遮光層20の持つ電荷が、TFT30のスイッチングに悪影響を及ぼす。これを防止するには、絶縁層22の膜厚を厚く形成しなければならない。
【0043】
本実施例では、絶縁層22の膜厚に頼らずに、ゲート電位のみに依存した正規のスイッチング動作をTFT30にて実現するために、遮光層20に一定のDC電位を印加している。
【0044】
本実施例では、TFT30のゲートに印加されるオフ電位を、遮光層20に常時印加している。画素毎に設けられたTFT30はN型TFTであり、遮光層にはゲートへのオフ電位として例えば−1Vが常時印加される。こうすると、絶縁層22を介して遮光層20が持つ電荷がTFT30に影響があったとしても、この遮光層20の持つ電荷によって誤ってTFT30がオンすることはない。このようにするには、遮光層20に印加する電位を、TFT30の閾値未満の電位とすればよい。Nチャンネル型TFTであれば、グランド電位又は負電位でよい。
【0045】
液晶ドライブ回路を形成するTFTと対向して設けられる遮光層にも、オフ電位が印加される。この際、液晶ドライブ回路に用いるトランジスタにN型及びP型TFTが双方用いられる場合には、それらと対向する遮光層には、P,N型TFT毎に異なるオフ電位が印加される。
【0046】
このようにすると、遮光層20が持つ電荷によってTFT30のスイッチング動作は影響を受けないため、絶縁膜22の膜厚は、単に遮光層20と第1ポリシリコン層40とを電気的に絶縁できるものであればよい。この場合の遮光層20の膜厚は、0.05μm以上あれば良く、遮光層20がフローティング電位である場合に要求される絶縁層22の膜厚(0.8μm以上)よりも薄くてもよい。この絶縁層22の膜厚は、0.05〜1.5μmの中から選ぶことができる。
【0047】
図3(A)の場合、遮光層22は、走査信号線である第2ポリシリコン層44と対応して、少なくとも走査信号線の本数分だけそれぞれ分離して設けられている。この場合には、各々の遮光層22に、対応する走査信号線への走査信号を供給しても良い。こうすると、走査信号線である第2ポリシリコン層44と遮光層20とは、TFT30をオンさせたい時には共にオン電位となり、オフさせたい時には共にオフ電位となり、TFT30のスイチッチングに誤動作が生ずることはなくなる。
【0048】
<遮光層20を保持容量の容量線として用いる場合について>
図3(A)に示す領域A,Bに加えて、図5に示す領域Cにも遮光層20を形成することができる。この領域Cは、図3(B)に示す第1ポリシリコン層40が同図の縦方向に伸びる領域と対向する領域である。こうすると、遮光層20と第1ポリシリコン層40とで保持容量C1を構成することができる。
【0049】
また、第1,第2ポリシリコン層40,44も保持容量C2を構成している。この各保持容量C1,C2、液晶14及びTFT30の電気的な接続関係は図6の通り、液晶14、保持容量C1,C2はそれぞれ並列に接続される。従って、この場合のトータル保持容量はC1+C2となり、保持容量を増大させることができる。
【0050】
ここで、この保持容量C1は、絶縁層22の厚さに依存し、上述の絶縁層22の好適な範囲である0.05〜1.5μmの中から選択することで、所望の容量に設定できる。この保持容量C1は、絶縁層22を薄くする程大きくなる。したがって、保持容量C1を大きく確保したい場合には、上述した通り、遮光層20を一定のDC電位に設定して、絶縁層22を薄くすることが好ましい。
【0051】
このトータル保持容量C1+C2は、石英基板10上に形成される画素の密度に応じて下記の幅で設定すると良い。画素密度が640〜480ドットのVGA(Video Graphics Array)の場合には、20fF〜200fFであり、画素密度が800〜600ドットのSVGA(Super Video Graphics Array)の場合にも、20fF〜200fFである。
【0052】
<第1ポリシリコン層40の形成工程>
絶縁層22の形成後、石英基板10を約500℃に加熱しながら、モノシラン(SiH4)ガスを500cc/minの流量で供給し、圧力30Paにて、石英基板10上にアモルファスシリコン(a−Si)のデポジション膜を形成した。この処理を約2時間実施することで、0.055μmの膜厚のa−Si膜を形成した。
【0053】
この後、N2雰囲気にて、640℃にて約6時間アニール処理し、固相成長によりポリシリコン膜を形成した。ポリシリコン層をCVDにて形成する方法もあるが、これだとグレインの大きさが細かくなってしまう。本実施例では、a−Siから鈍晶でグレインを固相成長させてポリシリコンとしているので、グレインサイズが大きく、形成されたポリシリコン層が単結晶の特性に近くなり、半導体としての特性を向上させている。
【0054】
この後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等の実施により、図3(B)に示すパターンを有する第1ポリシリコン層40が形成される。
【0055】
この第1ポリシリコン層40の膜厚は、この後の熱酸化工程により目減りするが、その最終膜厚は、0.02〜0.15μmとすると良い。この下限を下回ると、第1ポリシリコン層40の抵抗が大きくなり過ぎ、オン電流を確保できなくなる恐れがある。なお、このオン電流は、MOS界面側の所定厚さ領域にて流れるため、それ以上の厚さとなるとリーク電流が増大するので、上記範囲の上限を越えないことが好ましい。
【0056】
<ゲート酸化膜42の形成工程>
(1)熱酸化膜の形成
まず、第1ポリシリコン層40を1000℃、ドライ酸素100%の雰囲気で、30分熱酸化した。このとき、0.055μmの第1ポリシリコン層40は0.04μmとなり、0.03μmの熱酸化膜(SiO2)42aがその第1ポリシリコン層40上に形成された。
【0057】
図7は熱酸化時間と熱酸化膜厚との関係を示し、図8は熱酸化膜厚と8インチ石英基板10に生ずる反りとの関係を示している。熱酸化温度は、図8に示すように、8インチ石英基板10の反りを100μm以下となる1050℃を上限とする。図8から明らかなように、熱酸化温度が1050℃を越えた1100、1150℃では、石英基板10の反りを100μm以下に押さえることはできない。
【0058】
また、1050℃以下で熱酸化しても、その熱酸化時間が長いと、換言すれば熱酸化膜42aの膜厚が厚くなると、石英基板10の反りを100μm以下に押さえることはできない。図8によると、熱酸化温度が1050℃以下では、熱酸化膜厚がほぼ0.1μm以下で、石英基板10の反りを100μm以下に押さえることができる。しかし、以下に説明する他の要因から、熱酸化膜厚はさらに薄いことが好ましい。
【0059】
図9(A)〜(F)は、熱酸化後のMOS界面の電子顕微鏡写真を模式的に図示したものであり、熱酸化温度毎のMOS界面の荒れ(凹凸)を示している。同図からわかるように、MOS界面の荒れは熱酸化温度が高いほど少ない。この意味で、熱酸化温度は高いほどよいが、石英基板10の反りを考慮すると、1050℃以下とする必要がある。
【0060】
本発明者等によれば、上述のMOS界面の荒れは、熱酸化時間が長い程、換言すれば、熱酸化膜厚が厚いほど顕著となることが判明した。そして、このMOS界面の荒れは、その上の熱酸化膜42aに膜密度が粗となる部分を生じさせ、ここに集中的に電流が流れて、熱酸化膜42aの絶縁耐圧が低下してしまう。
【0061】
これらのことを考慮すると、熱酸化膜42aの膜厚は、好ましくは0.015〜0.05μm、さらに好ましくは0.02〜0.035μmである。熱酸化膜42aの膜厚の下限は、それより薄いと界面自体の形成が困難となる点から決められている。その上限は、上述の基板の反りと温度との関係を鑑みて絶縁耐圧を確保する観点から決められている。
【0062】
(2)CVD酸化膜の形成
上述の熱酸化膜42aの形成により、比較的荒れの少ないMOS界面を形成できるが、これだけだと充分な絶縁耐圧を確保できない。そこで、本実施例では、MOS界面の荒れを反映して凹凸のある熱酸化膜42aを、ステップカバレージ能力の高いCVDにより形成されたSiO2膜42bにて覆っている。このCVD酸化膜42bは、図1に示す通り、石英基板10の全面に形成される。これにより、パターニングのためのフォトリソグラフィ工程、エッチング工程などが不要となる。さらに加えて、図1に示す熱酸化膜42a以外の位置にもCVD酸化膜42bを形成することで、石英基板10の最上層である第2層間絶縁膜50及び透明電極52の表面に生ずる段差を少なくできる。このため、液晶配向のためのラビング処理が容易となり、基板10,12間のセルギャップを所望の寸法精度内に押さえることが容易となる。
【0063】
このCVD酸化膜42bは、シリコンを含むガス例えばモノシラン(SiH4)と、酸素を含むガス例えば過酸化チッ素(N2O)とを、例えば流量比で1:50の酸素過剰の雰囲気で、HTO法によりSiO2膜を気相成長させた。過剰シリコン雰囲気では、CVD酸化膜42bが電荷をもつため好ましくない。このときの圧力は80Paとした。また、成膜温度は、熱酸化温度と同じ1050℃を上限とし、好ましくは600〜1000℃である。上限は、石英基板10の反りを100μm以下とするためであり、下限はCVD膜42bの膜質を確保する観点から決められる。この成膜温度は、より好ましくは700〜900℃、さらに好ましくは、図10に示すように、ステップカバレージを0.7以上確保するために、750〜850℃とする。圧力は、好ましくは300pa以下であり、図11に示す通り、ステップカバレージを0.7以上確保するには、200Pa以下とする。圧力の下限については特に制限はないが、図11に示すように、圧力40Paにて高いステップカバレージが得られることが確認できた。また、シリコンを含むガス例えばモノシラン(SiH4)に対して、酸素を含むガス例えば過酸化チッ素(N2O)の流量比(N2O/SiH4)は、図12に示す通り、石英基板10面内の均一性を10%以下とする観点から25〜75とし、面内均一性を5%以下にするには、40〜60に設定すると良い。
【0064】
CVD酸化膜42bの膜厚は、0.02μm以上とすると良い。この数値は、ゲート耐圧を確保する観点から求められ、膜厚が厚いほどステップカバレージは向上する。CVD酸化膜42bの厚さは、このCVD酸化膜42bと熱酸化膜42aとから成るゲート酸化膜42のトータル膜厚を考慮して決定することができる。このゲート酸化膜42の膜厚は、第1,2ポリシリコン層40,44にて形成される保持容量C2の大きさにも影響する。ゲート酸化膜42の膜厚を薄くする程、保持容量C2を大きくできる。この保持容量C2を確保する観点から、ゲート酸化膜42の膜厚は、0.05〜0.12μmとするとよい。
【0065】
従って、このトータル膜厚を得るためには、上述の熱酸化膜42aの厚さが0.015〜0.05μmであることを考慮すると、CVD酸化膜42bの膜厚は0.03〜0.1μmの範囲で十分である。熱酸化膜42aの膜厚を上述の通り、0.02〜0.035μmとした場合には、CVD酸化膜42bの膜厚は、0.05〜0.09μmの範囲で十分である。
【0066】
このCVD酸化膜42bは、その後アニーリングされる。不活性ガス例えばN2雰囲気で、600〜1000℃の範囲例えば950℃で30分アニーリングを実施した。これにより、CVD酸化膜42b中の欠陥を再配列させ、固定チャージを逃がすことができる。上記の温度範囲は、固定チャージを逃がすために必要となる。
【0067】
<第1ポリシリコン層40へのキャパシタンスの形成工程>
図3(C)の領域Dをマスクして、それ以外の第1ポリシリコン層40の容量を作るべき領域に、不純物例えばリンをドーズ量例えば3×1014/cm3でドープして、その部分の第1ポリシリコン層40を低抵抗化させた。このドーズ量としては、1.0×1014〜2.0×1015/cm3とすることが好ましい。下限は、第1ポリシリコン層40にキャパシタンスを形成するために必要な導電性を確保する観点から求められ、より好ましくは3.0×1014/cm3以上あれば十分に低抵抗化される。上限は、ゲート酸化膜42の劣化を押さえる観点から求められている。
【0068】
<第2ポリシリコン層44の形成工程>
次に、第2ポリシリコン層を全面に形成し、低抵抗化のために不純物例えばリンをドープする。その後、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程の実施により、図3(D)に示すようにパターニングされた第2ポリシリコン層44によりゲート電極が形成される。ゲート電極44は、本実施例ではポリシリコン層40に対して2度交差しており、デュアルゲート構造となっている。デュアルゲート構造とすることで、オフ時のリーク電流を低減することができる。なお、デュアルゲートとせずに、ポリシリコン層40に対して1度交差するシングルゲートとしてもよい。
【0069】
<トランジスタ形成のための不純物の打ち込み工程>
まず、N型トランジスタを形成するために、ゲートとなる第2ポリシリコン層44をマスクとして、図3(D)の領域Dのソース、ドレイン領域に不純物リンを、2×1013/cm3のドーズ量にてライトドープする。さらに、ゲート幅より広いマスクをゲート上に形成して、図3(D)のソース領域に、不純物ボロンを、2×1015/cm3のドーズ量にて2回目の打ち込みを実施してハイドープする。これにより、マスクされた領域が、ライトドープトドレインとなる。この2回目の打ち込み時のドーズ量は、好ましくは1.0×1012〜1.0×1014/cm3とすると良い。下限を下回ると、抵抗が大きくなりオン電流が減少する。上限を越えると、リーク電流が流れ易くなる。本実施例においては、ソース・ドレイン領域に低濃度領域と高濃度領域とを有するLDD構造としているが、LDD構造に限定されるものではなく、ゲート電極に対してソース・ドレイン領域が離れているオフセット構造であっても良い。あるいは、ゲート電極をマスクとしてソース・ドレイン領域を形成するセルフアライン構造であっても良い。LDD構造あるいはオフセット構造とすることで、オフ時のリーク電流を低減することができる。従って、上述のデュアルゲート構造と併用することで、オフ時のリーク電流はさらに低減される。
【0070】
同様にして、石英基板10上には、液晶ドライバ回路として用いられるN型トランジスタも形成される。液晶ドライバのP型トランジスタに関しても同様に形成され、即ち、ゲート電極をマスクとしてボロンを1.0×1013/cm3のドーズ量にてライトドープする。その後、ゲート電極よりも広いマスクをゲート電極飢えに形成して、リンを1.0×1015/cm3のドーズ量にて打ち込んで、LDD構造が形成される。
【0071】
<第1層間絶縁層46の形成工程>
次に、第1層間絶縁層46を形成する。これは、TEOS(テトラ・エチル・オソル・シリケート)を140cc/min、基板温度680℃、圧力50Paの条件下で、CVDにより0.08μmの膜厚で形成した。この後、950℃にて20分アニールし、第1層間絶縁層46内の不純物を活性化して、その膜質を向上させた。この後、例えばアルゴンと水素から成るフォーミングガスを用い、500℃にて1時間加熱した。これにより、第1ポリシリコン層40に水素を含有させ、シリコン未結合部分を結合させて、ギャップ内準位を減らし、TFT30の特性の向上を図った。
【0072】
さらに、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程の実施により、図4(A)に示す位置に、第1コンタクトホール47を形成した。エッチング工程として、ドライエッチングの実施の後にウェットエッチングを行い、第1ポリシリコン層40を露出させるためのライトエッチングを実施した。
【0073】
<金属配線層48の形成工程>
アルミニウム(Al)をスパッタして、その後パターニングを実施することで、図4(B)に示すように、金属配線層48を形成した。このとき、この金属配線層48は、第1コンタクトホール47を介して、第1ポリシリコン層40と接続される。この金属配線層48はAlに限らず、Cr等の導電性を有する材質であればよい。
【0074】
<第2層間絶縁層50の形成工程>
この第2層間絶縁層50として、ボロン及びリンを含むSiO2(BPSG)を常圧CVD法にて形成した。プロセスガスは、TEOS、TEB(テトラ・エチル・ボーレート)、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)を用いた。その後、図4(C)に示す位置に、第2コンタクトホール51を、第1コンタクトホール47と同様の工程の実施により形成した。なお、第2コンタクトホール51のアスペクト比が大きく、第1ポリシリコン層40の厚さの範囲でのエッチングストップ制御が困難である場合には、第1ポリシリコン層40の下層に、例えばポリシリコンシートなどを形成しておくとよい。
【0075】
<透明電極52の形成工程>
第2層間絶縁層50上に、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)をスパッタし、その後パターニングして、図2に示すように、透明電極52を形成した。
【0076】
なお、上述の実施例では、スイッチング素子をTFTとしたが、反射光によりフォトキャリアが生ずるバック ツー バック ダイオードなどをスイッチング素子とした液晶表示パネルにも同様に適用可能である。
【0077】
<液晶パネルの説明>
図13は、上記実施例の液晶パネルのうちのTFTが形成される基板のシステム構成例を示す。互いに交差するように配設されたゲート線102と信号線103との交点に対応してそれぞれ配置された各画素190は、ITO等から成る画素電極114と、TFT191とから成る。TFT191は、信号線103上の画素信号に応じた電圧を、画素電極114に印加するものである。同一行(Y方向)のTFT191は、そのゲートが同一のゲート線102に接続され、そのドレインが対応する画素電極114に接続されている。また、同一列(X方向)のTFT191は、そのソースが同一の信号線103に接続されている。この実施例においては、周辺回路(X,Yシフトレジスタやサンプリング手段)150,160を構成するトランジスタが、画素を駆動するTFTと同様にポリシリコン層を動作層とするポリシリコンTFTで構成されており、周辺回路150,160を構成するトランジスタは、画素駆動用TFTとともに同一のプロセスにより、同時に形成される。
【0078】
この実施例では、表示領域(画素マトリクス)120の一側(図13では上側)に上記信号線103を順次選択するシフトレジスタ(以下、Xシフトレジスタと称する)151が配置され、画素マトリクスの他の一側には、上記ゲート線102を順次選択するシフトレジスタ(以下、Yシフトレジスタと称する)161が設けられている。また、Yシフトレジスタ161の次段には、必要に応じてバッファ163が設けられる。上記信号線103の他端には、サンプリング用スイッチ(TFT)152が設けられており、これらのサンプリング用スイッチ152は、外部端子174,175,176に入力される画像信号VID1〜VID3を伝送するビデオライン154,155,156と、信号線103とに接続され、上記Xシフトレジスタ151から出力されるサンプリングパルスによって順次オン/オフされるようになっている。Xシフトレジスタ151は、端子172,173を介して外部より入力されるクロックCLX1,CLX2に基づいて、1水平走査期間中に全ての信号線103を順番に1回ずつ選択するようなサンプリングパルスX1,X2,X3,…Xnを形成してサンプリング用スイッチ152の制御端子に供給する。一方、Yシフトレジスタ161は、端子177,178を介して外部から入力されるクロックCLY1,CLY2に同期して動作され、各ゲート線102を順次駆動する。
【0079】
図14(A),(B)には、上記液晶パネルを適用した液晶パネル130の断面及び平面レイアウト構成が示されている。図に示すように、液晶パネル用基板110の表面側には、共通電極電位が印加される透明膜電極(ITO)から成る対向電極133及びカラーフィルタ層113を有する入射側のガラス基板(対向基板)131が、適当な間隔をおいて配置され、周囲をシール材136で封止された間隙内にTN(Twisted Nematic)型液晶又はSH(Super Homeotropic)型液晶137などが充填されている液晶パネル130として構成されている。また、周辺回路150,160の上方には、例えば対向基板131に設けられるブラックマトクックス等により遮光されるように構成される。なお、対向基板131には液晶注入口138が設けられる。
【0080】
<電子機器の説明>
上述の実施例の液晶表示パネルを用いて構成される電子機器は、図15に示す表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、表示駆動回路1004、液晶パネルなどの表示パネル1006、クロック発生回路1008及び電源回路1010を含んで構成される。表示情報出力源1000は、ROM、RAMなどのメモリ、テレビ信号を同調して出力する同調回路などを含んで構成され、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて、ビデオ信号などの表示情報を出力する。表示情報処理回路1002は、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて表示情報を処理して出力する。この表示情報処理回路1002は、例えば増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路あるいはクランプ回路等を含むことができる。表示駆動回路1004は、走査側駆動回路及びデータ側駆動回路を含んで構成され、液晶パネル1006を表示駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に電力を供給する。
【0081】
このような構成の電子機器として、図16に示す液晶プロジェクタ、図17に示すマルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、図18に示すページャ、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などを挙げることができる。
【0082】
図16に示す液晶プロジェクタは、透過型液晶パネルをライトバルブとして用いた投写型プロジェクタであり、例えば3板プリズム方式の光学系を用いている。 図16において、プロジェクタ1100では、白色光源のランプユニット1102から射出された投写光がライトガイド1104の内部で、複数のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってR、G、Bの3原色に分けられ、それぞれの色の画像を表示する3枚の液晶パネル1110R、1110Gおよび1110Bに導かれる。そして、それぞれの液晶パネル1110R、1110Gおよび1110Bによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。ダイクロイックプリズム1112では、レッドRおよびブルーBの光が90°曲げられ、グリーンGの光が直進するので各色の画像が合成され、投写レンズ1114を通してスクリーンなどにカラー画像が投写される。
【0083】
図17に示すパーソナルコンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示画面1206とを有する。
【0084】
図18に示すページャ1300は、金属製フレーム1302内に、液晶表示パネル1304、バックライト1306aを備えたライトガイド1306、回路基板1308、第1,第2のシールド板1310,1312、2つの弾性導電体1314,1316、及びフィルムキャリアテープ1318を有する。2つの弾性導電体1314,1316及びフィルムキャリアテープ1318は、液晶表示パネル1304と回路基板1308とを接続するものである。
【0085】
ここで、液晶表示パネル1304は、2枚の透明基板1304a,1304bの間に液晶を封入したもので、これにより少なくともドットマトリクス型の液晶表示パネルが構成される。一方の透明基板に、図15に示す駆動回路1004、あるいはこれに加えて表示情報処理回路1002を形成することができる。液晶表示パネル1304に搭載されない回路は外付け回路とされ、図18の場合には回路基板1308に搭載できる。
【0086】
図18はページャの構成を示すものであるから、液晶表示パネル1304以外に回路基板1308が必要となるが、液晶表示パネル1304を筺体としての金属フレーム1302に固定したものを、電子機器用の一部品である液晶表示装置として使用することもできる。さらに、バックライト式の場合には、金属製フレーム1302内に、液晶表示パネル1304と、バックライト1306aを備えたライトガイド1306とを組み込んで、液晶表示装置を構成することができる。これらに代えて、図19に示すように、液晶表示パネル1304を構成する2枚の透明基板1304a,1304bの一方に、金属の導電膜が形成されたポリイミドテープ1322にICチップ1324を実装したTCP(Tape Carrier Package)1320を接続して、電子機器用の一部品である液晶表示装置として使用することもできる。
【0087】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示パネルの一部の断面図である。
【図2】図1の液晶表示パネルの石英基板上に形成される各層の透視図である。
【図3】図3(A)〜図3(D)は、石英基板上に形成される各層の製造プロセス順の工程図である。
【図4】図4(A)〜図4(C)は、図3(D)に続いて石英基板上に形成される各層の製造プロセス順の工程図である。
【図5】遮光層を、液晶に並列に接続される保持容量の容量線として用いる場合の、遮光層の形成パターンを示す平面図である。
【図6】スイッチング素子と、液晶と、保持容量との電気的接続関係を示す回路図である。
【図7】熱酸化時間と熱酸化膜厚との関係を示す特性図である。
【図8】熱酸化膜厚と8インチ石英基板に生ずる反りとの関係を示す特性図である。
【図9】図9(A)〜図9(F)は、MOS界面の荒れの状態を示す電子顕微鏡写真を、熱酸化膜温度毎に模式的に示す特性図である。
【図10】ゲート酸化膜を構成するCVD酸化膜のステップカバレージの温度依存特性を示す特性図である。
【図11】ゲート酸化膜を構成するCVD酸化膜のステップカバレージの圧力依存特性を示す特性図である。
【図12】ゲート酸化膜を構成するCVD酸化膜の基板面内均一性の流量比依存特性を示す特性図である。
【図13】図1に示す石英基板側に形成されるTFT及び駆動回路を示す概略説明図である。
【図14】(A)は図1に示す液晶パネル全体の断面図、(B)はその平面レイアウトを示す図である。
【図15】本発明の電子機器のブロック図である。
【図16】本発明が適用されるプロジェクタの概略説明図である。
【図17】本発明が適用されるパーソナルコンピュータの外観図である。
【図18】本発明が適用されるページャの分解斜視図である。
【図19】外付け回路を備えた液晶表示パネルの一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
10 石英基板
12 ガラス基板
14 液晶
16 共通電極(ITO)
20 遮光層
22 絶縁層
30 薄膜トランジスタ
40 第1ポリシリコン層(ソース、ドレイン)
42 ゲート酸化膜
42a 熱酸化膜
42b CVD酸化膜
44 第2ポリシリコン層(ゲート、走査信号線)
46 第1層間絶縁層
47 第1コンタクトホール
48 金属配線層(データ信号線)
50 第2層間絶縁層
51 第2コンタクトホール
52 画素電極(ITO)

Claims (9)

  1. 一対の基板の間に液晶が封入され、かつ、一方の基板上に、走査信号に基づいて画像信号を画素電極に供給するスイッチング素子と、前記スイッチング素子と前記画素電極との間に接続された保持容量とを有する液晶表示パネルにおいて、
    前記スイッチング素子は、ソース、ドレインとなる第1ポリシリコン層と、ゲート電極となる第2ポリシリコン層と、下層の前記第1ポリシリコン層及び上層の前記第2ポリシリコン層間に設けられたゲート絶縁膜とを有するトップゲート型薄膜トランジスタにて形成され、
    前記一方の基板と前記薄膜トランジスタの前記第1ポリシリコン層との間に、遮光層と、該遮光層及び前記第1ポリシリコン層を絶縁する絶縁層とを設け、
    前記第1ポリシリコン層の前記ドレイン側が、隣接する2つの画素電極間に延長形成され、その延長部が、前記保持容量の一方の電極とされ、前記第2ポリシリコン層が前記保持容量の一方の電極と対向して配置されて前記保持容量の他方の電極とされ、
    前記遮光層が、前記薄膜トランジスタの前記ソースに前記画像信号を供給するデータ信号線と交差する方向に延び、前記保持容量の下層にて前記保持容量の電極幅よりも幅広に形成され、かつ、前記遮光層は前記保持容量の容量線として兼用され、
    前記画素電極と前記薄膜トランジスタとの間の層に、前記データ信号線を設けたことを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 請求項1において、
    前記遮光層に走査信号を供給することを特徴とする液晶表示パネル。
  3. 請求項1または2において、
    前記一方の基板には、液晶ドライバ用薄膜トランジスタが形成され、前記遮光層は、前記液晶ドライバ用薄膜トランジスタと対向する領域にも配置されていることを特徴とする液晶表示パネル。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記絶縁層の膜厚を、0.05〜1.5μmとしたことを特徴とする液晶表示パネル。
  5. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記遮光層は、前記一方の基板に形成された複数の遮光性の前記データ信号線と直交する方向に複数配列され、前記データ信号線と前記遮光層とでブラックマトリクスを構成することを特徴とする液晶表示パネル。
  6. 請求項において、
    前記一対の基板のうち、前記一方の基板に対向する他方の基板上には、遮光層が形成されないことを特徴とする液晶表示パネル。
  7. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記一方の基板は石英基板であり、前記遮光層は、シリサイド系金属であることを特徴とする液晶表示パネル。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の液晶表示パネルを有することを特徴とする電子機器。
  9. 走査信号に基づいて画像信号を画素電極に供給するスイッチング素子と、前記スイッチング素子と前記画素電極との間に接続された保持容量とを有する基板において、
    前記スイッチング素子は、ソース、ドレインとなる第1ポリシリコン層と、ゲート電極となる第2ポリシリコン層と、下層の前記第1ポリシリコン層及び上層の前記第2ポリシリコン層間に設けられたゲート絶縁膜とを有するトップゲート型薄膜トランジスタにて形成され、
    前記一方の基板と前記薄膜トランジスタの前記第1ポリシリコン層との間に、遮光層と、該遮光層及び前記第1ポリシリコン層を絶縁する絶縁層とを設け、
    前記第1ポリシリコン層の前記ドレイン側が、隣接する2つの画素電極間に延長形成され、その延長部が、前記保持容量の一方の電極とされ、前記第2ポリシリコン層が前記保持容量の一方の電極と対向して配置されて前記保持容量の他方の電極とされ、
    前記遮光層が、前記ソースに接続されるデータ信号線と交差する方向に延び、前記保持容量の下層にて前記保持容量の電極幅よりも幅広に形成され、かつ、前記遮光層は前記保持容量の容量線として兼用され、
    前記画素電極と前記薄膜トランジスタとの間の層に、前記データ信号線を設けたことを特徴とするスイッチング素子を有する基板。
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