JP3825817B2 - 対物レンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、金属用のレーザー走査型顕微鏡(MLSM)等に用いられる対物レンズで、特に2種類の波長を用いるMLSM用の対物レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、MLSM用の対物レンズには、通常の金属顕微鏡用の対物レンズを流用していた。しかし、MLSMは、レーザーの特定の波長(例えばHe−Neの632.8nmとArの488nm)の光しか用いないために、可視光全域にわたって収差(特に色収差)が補正されている必要はなく、使用する波長において収差補正がなされていればよい。
【0003】
通常の金属顕微鏡用の対物レンズは、可視光全域にわたって収差を補正するために屈折率やアッベ数の異なる各種硝材の接合レンズを多く用い、又異常分散ガラス等も多く用いられている。それでも使用するレーザーの波長(特に短波長例)での性能が、MLSMにとっては十分とは言えないものもある。
【0004】
最近、回折型光学素子(DOE)を用いて光学性能が良好になるように試みた光学系が開発されている。この回折型光学素子を用いた光学系の従来例のうち、本発明と類似する光学系として、特開平2−1109号、特開平4−361201号、特開平4−214516号の各公報に記載されている光学系がある。
【0005】
ここで回折型光学素子(DOE)について述べる。回折型光学素子に関しては、例えばオプトロニクス社発行の「光学系デザイナーのための小型光学エレメント」第6章、第7章や「SPIE」第126巻46頁乃至53頁(1977年)等に記載されている。この回折型光学素子の原理を簡単に述べると次の通りである。
【0006】
通常の光学ガラスは、図7のように表わされるスネルの法則に従って屈折する。
【0007】
nsin θ=n’sin θ’ (1)
ただし、nは入射側媒質の屈折率、n’は出射側媒質の屈折率、θは光線の入射角、θ’は光線の出射角である。
【0008】
一方、回折現象では、図8のように光は次の式で表わす回折の法則にしたがって曲げられる。
【0009】
nsin θ−n’sin θ’=mλ/d (2)
ただしmは回折光の次数、λは波長、dは格子間隔である。
【0010】
上記の式(2)に従って光線を屈折させるようにした光学素子が回折型光学素子である。尚回折面の断面を図9に示すような鋸歯状断面としてブレーズ化するか、図10に示すように鋸歯状断面を2の累乗の微小階段で近似する(バイナリ近似)と高い回折効率が得られる。
【0011】
次に上記のような回折型光学素子を使用することによる利点について説明する。
【0012】
屈折系の薄肉レンズの場合、次の式(3)に示す関係が成立つ。
【0013】
1/f=(n−1)(1/r1 −1/r2 ) (3)
ただし、fは焦点距離、r1 ,r2 は夫々入射面と射出面の曲率半径、nはレンズの屈折率である。
【0014】
上記式(3)の両辺を波長λにて微分すると下記のように式(4)が求まる。
【0015】
Figure 0003825817
上記式(4)において、係数倍的効果を除くと、Δn/(n−1)が分散特性を表わすことになり、分散値νを下記のように定義することができる。
【0016】
ν≡(n−1)/Δn (5)
式(5)より、可視域における分散値(アッベ数νd )は次のようになる。
【0017】
νd =(nd −1)/(nF −nC ) (6)
一方、回折型光学素子の場合、その焦点距離fは、入射する平行光の光線高hでの格子間隔をdh とすると下記式(7)のようになる。
【0018】
f=h/(n’sin θ’)=(dh h)/(mλ) (7)
近軸回折型光学素子では、dh hは一定であり、f=c/λ(cは定数)となる。f=c/λの両辺をλで微分すると下記の式(8),(9)のようになる。
【0019】
df/dλ=−c/λ2 =−f/λ
したがって
Δf=−f(Δλ/λ) (8)
ν=λ/Δλ (9)
ここで可視域での分散値νd を計算すると以下のようになる。
【0020】
νd =λd /(λF −λC )=−3.453 (10)
一般の光学硝子のアッベ数は、20〜95であり、これに比べ回折型光学素子は、非常に大きな逆分散特性を持つことがわかる。また同様の計算により大きな異常分散性をもつことがわかる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
前記の従来例は、いずれも基本的にはステッパーレンズに関するものであり、石英のみで構成した光学系の色収差等を補正することを目的とするもので、そのために主として回折型光学素子の異常分散性を利用したアポクロマート設計に関するものである。
【0022】
これら従来例のうち、特開平2−1109号公報の光学系は、光学系の瞳位置に回折型光学素子を配置したことを特徴とするものである。又特開平4−361201号公報の光学系は、回折型光学素子の周辺部で中心部よりも高次の回折光を用いるようにしたことを特徴とするもので、更に特開平4−214516号公報の光学系は、光線高の高いところに回折型光学素子を配置したことを特徴としている。しかし、これら従来例では、かなり離れた2波長(50nm以上離れた2波長)で収差補正する必要のある対物レンズには対応できない。
【0023】
又、この出願の出願人が出願した特開平5−160028号公報に記載のものは、単一の硝材と少なくとも1枚の回折型光学素子よりなる対物レンズに関するものである。しかし1枚の回折型光学素子では、離れた2波長で軸上色収差と倍率の色収差の両方を補正することは困難である。更にMLSM用の対物レンズは、各倍率の対物レンズの射出瞳位置を揃える必要があり、この点に関しても前記の従来例は、対応し得ない。
【0024】
本発明は、接合レンズや各種の硝材を用いることなく、1種類の硝材の屈折型光学素子と2枚の回折型光学素子を用いて特定の2波長で効果的に色収差を含む諸収差が良好に補正され、かつ各倍率で射出瞳位置を揃えた対物レンズを提供するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の顕微鏡対物レンズは、物体側から順に、凹面を物体側に向けたメニスカスレンズを含み全体として正のパワーを有する第1群と、正のパワーの第1の回折型光学素子(DOE1)と、負のパワーの第2の回折型光学素子(DOE2)とを含む第2群とからなり、下記の条件(1)ないし(3)を満足し、なおかつ前記2つの回折型光学素子のうちの少なくとも一方が、以下の条件(4),(5)のうちのいずれかを満足することを特徴とするものである。
【0026】
(1) 0.5<R/D<5
(2) 10<f1 /f<100
(3) 1<−f2 /f1 <10
(4) φD /φM >0.8
(5) (h・f)/(L・I)>0.07
ただしRは前記メニスカスレンズの像側の面の曲率半径、Dは前記メニスカスレンズの肉厚、f1 ,f2 は夫々第1の回折型光学素子(DOE1)および第2の回折型光学素子(DOE2)の焦点距離、fは対物レンズ全系の焦点距離、φD は回折型光学素子の所でのマージナル光束径、φM は最大マージナル光束径、hは回折型光学素子面での最大主光線高、Lは同焦点距離、Iは標本面での最大像高である。
【0027】
高NAで高倍率の対物レンズは、物体から出た高NAの発散光を収斂光にするために先玉にパワーの強い面が必要である。この先玉として物体側に凸面を向けたレンズを用いると、このレンズで発生する諸収差が非常に大で、後群で補正出来ない。そのために、先玉には物体側に凹面を向けたメニスカスレンズが用いられる。このように先玉には、物体側に凹面を向けたメニスカスレンズが用いられその像側の面のパワーを強くするためその曲率半径が小になり、縁肉を確保するためにほぼ半球状レンズとなる。
【0028】
又、中程度のNAで、中倍率(倍率20×程度)の対物レンズでも、同様の理由から、先玉はある程度のパワーを持ったメニスカスレンズとなる。
【0029】
本発明では、この物体側に凹面を有するメニスカスレンズを条件(1)を満足するように規定した。この条件(1)の下限の0.5を越えると縁肉を確保できず、また面で発生する球面収差が大きすぎて後群で補正出来ない。逆に条件(1)の上限の5を越えると、このレンズのパワーが弱すぎて光束を効果的に収斂光にすることが出来ない。
【0030】
次に、本発明では上記のメニスカスレンズで発散角を小さくした光線を、更に複数の凸レンズで収斂させ、マージナル光線高が高くなった個所に正のパワーを有する第1の回折型光学素子DOE1を配置して、軸上色収差を補正している。この色収差を含む諸収差を良好に補正するために設けたのが条件(2)である。
【0031】
条件(2)の下限の10を越えると回折型光学素子DOE1のパワーが強くなりすぎて、軸上色収差が補正過剰になる。また、この第1の回折型光学素子DOE1の最小ピッチが小さくなりすぎて製造上の問題が生ずる。逆に条件(2)の上限の100を越えると、第1の回折型光学素子DOE1のパワーが弱すぎて軸上色収差が補正不足になり、また光束を効果的に収斂方向へもって行くことが出来ない。
【0032】
又本発明は、第1の回折型光学素子DOE1の像側に負のパワーの第2の回折型光学素子DOE2を設け、しかも条件(3)を満足するようにして非点収差を補正している。
【0033】
回折型光学素子は、後に述べるように屈折率無限大のレンズと等価であるためペッツバール係数は0であるが、かなり大きな非点収差が発生する。そのため第2の回折型光学素子DOE2に負のパワーを持たせ第1の回折型光学素子DOE1で発生した非点収差を補正する必要がある。そのための条件が条件(3)である。
【0034】
条件(3)の下限の1を越えると第2の回折型光学素子による補正が過剰になり他の光学素子での補正が出来なくなる。逆に上限の10を越えると補正が不足し他の光学素子での補正が困難になる。
【0035】
色収差は、大きく分けて2種類あり、それは軸上色収差と倍率の色収差である。単一の硝材で離れた2波長での軸上色収差と倍率の色収差を、一つの回折型光学素子で補正することは不可能で、必然的に2枚の回折型光学素子が必要になる。
【0036】
ここで軸上色収差は、焦点位置のずれであり、又倍率の色収差は焦点距離のずれ(倍率のずれ)である。したがって軸上色収差を効果的に補正出来るのは、対物レンズの瞳位置であるが、正確に瞳位置である必要はなく、その近傍で光束の径(軸上マージナル光束の径)が大である所がより効果的である。
【0037】
条件(4)は、軸上色収差を効果的に補正するための回折型光学素子の配置位置を定めたものである。
【0038】
条件(4)の下限の0.8を越えると他の屈折型光学素子(レンズ)で発生する軸上色収差を補正できない。
【0039】
又倍率の色収差を効果的に補正し得る位置は、瞳位置ではなく、瞳位置から少し離れた主光線がある程度の光線高を有する位置である。
【0040】
条件(5)は、回折型光学素子による倍率の色収差の補正のために最も効果的な配置位置を規定するものである。
【0041】
条件(5)の下限の0.07を越えると倍率の色収差を補正しきれなくなる。つまり、色収差を効果的に補正するためには、その用途に応じた適切な位置に回折型光学素子を配置することが望ましい。
【0042】
回折型光学素子は同心円状の回折格子であるが、その製作上の特徴として、回折格子の格子間隔(ピッチ)を任意に設定出来る点がある。これは任意の非球面レンズと等価である。しかも回折型光学素子は、非球面レンズにおける変曲点に対応する点が多数存在してもよい等の非球面レンズよりもより設計の自由度があり、また精度良く製作することが可能である。又非球面レンズは、色収差の補正が出来ないことを考え合わせると、回折型光学素子は、非球面レンズより一層収差補正能力が優れている。
【0043】
又屈折率分布型レンズによれば、色収差の補正が可能であるが、実際に作製出来るものは限られている。このように回折型光学素子は、屈折率分布型レンズよりも収差補正能力が優れている。
【0044】
以上述べたように、回折型光学素子は、非球面レンズや屈折率分布型レンズよりも優れた収差補正能力を有し、この回折型光学素子を用いることにより対物レンズの高性能化やコスト低減が出来る。又単一硝材設計が出来、紫外線や赤外線用の対物レンズのように使用出来る硝材が極めて限定される場合にも、応用出来る。
【0045】
更に、本発明の対物レンズは、対物レンズ中の実際の瞳位置(主光線が光軸と交わる位置)より像側に少なくとも1枚の凸レンズと少なくとも1枚の凹レンズを配置したことを特徴とするものである。
【0046】
MLSM用の対物レンズは、各倍率でその射出瞳位置を揃えることが重要である。対物レンズの倍率が異なると当然その焦点距離が異なる。そのため対物レンズの実際の瞳位置(主光線が光軸と交わる位置)が異なる。これを対物レンズの射出瞳位置として揃えるためには、対物レンズの中の実際の瞳位置(主光線が光軸と交わる位置)より像側に少なくとも1枚の凸レンズと少なくとも1枚の凹レンズを配置しそのパワー配置によって実際の瞳位置を投影しなければならない。
【0047】
【実施例】
次に本発明の対物レンズの実施例について述べる。本発明の実施例1乃至実施例3は夫々図1乃至図3に示す構成のレンズ系で、下記のデーターを有する。
Figure 0003825817
【0048】
Figure 0003825817
Figure 0003825817
【0049】
Figure 0003825817
Figure 0003825817
ただしr1 ,r2 ,・・・ はレンズ各面の曲率半径、d1 ,d2 ,・・・ は各レンズの肉厚およびレンズ間隔、n1 ,n2 ,・・・ は各レンズの屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・ は各レンズのアッベ数である。又dのうち最後のdは作動距離WDであり、標本面最大像高とは視野の大きさ(半径)である。
【0050】
これら実施例は、図面において右側に物***置が来るように描いてあり、データーも物***置と反対側よりr1 ,r2 ,・・・のように記載してある。
【0051】
図1に示す実施例1は、物体側の二つの正レンズ(r15〜r18)が第1群であり、それより物体と反対側が第2群である。第2群中の物体側の平行平面板の面r13の側に第1の回折型光学素子(DOE1)が設けられており、面r12が回折面を表わしている。又他の平行平面板の面r6 に第2の回折型光学素子(DOE2)が設けられており、面r5 が回折面を表わしている。又データー中d18は作動距離である。
【0052】
図2に示す実施例2は、物体側の三つの正レンズ(r15〜r20)が第1群で残りが第2群である。第2群中の平行平面板(r13,r14)の面r13に第1の回折型光学素子(DOE1)が設けられ、面r12が回折面を表わしている。又平行平面板(r6 ,r7 )の面r6 に第2の回折型光学素子(DOE2)が設けられ、面r5 が回折面を表わしている。又データー中d20は作動距離である。
【0053】
図3に示す実施例3は物体側の三つの正レンズ(r17〜r22)が第1群で残りが第2群である。第2群中の平行平面板(r15,r16)の面r15に第1の回折型光学素子(DOE1)が設けられ、面r14が回折面を表わしている。又平行平面板(r6 ,r7 )の面r6 に第2の回折型光学素子(DOE2)が設けられ、面r5 が回折面である。又データー中d20は作動距離である。
以上の実施例1,2,3の収差状況は、夫々図4,図5,図6に示す通りである。これら図4〜図6の収差曲線図は、いずれも逆追跡して描いたものであり、又コマ収差はタンジェンシャル方向である。
【0054】
次に上記実施例に示した、本発明の対物レンズで用いる回折型光学素子の設計法について説明する。
【0055】
次に、上記実施例に示した回折光学素子を含む対物レンズの設計法についての説明する。
回折型光学素子を含む設計法として、ウルトラ−ハイ インデックス法(ultra−high index methods)と呼ばれるものが知られている。このウルトラ−ハイ インデックス法については、前掲の文献SPIE 126巻46−53頁(1977年)に詳細に記載されている。このウルトラ−ハイ インデックス法について、図11をもとに簡単に説明する。
【0056】
この図11において、1はn≫1である屈折系レンズ(ウルトラ−ハイ インデックス レンズ)の媒質、2は法線、zは光軸方向の座標、hは基板方向の座標である。
【0057】
このウルトラ−ハイ インデックス レンズにおいては、次の式(11)が成立つ。
【0058】
(nU −1)dz /dh=nsin θ−n’sin θ’ (11)
ただし、nU はウルトラ−ハイ インデックス レンズの屈折率、zはウルトラ−ハイ インデックス レンズの光軸方向の座標、hは光軸からの距離、n,n’はそれぞれ入射側媒質および射出側媒質の屈折率、θ,θ’は光線の入射角および射出角である。尚,前述の実施例データーではnU =10001としている。つまり、例えば実施例1でn3,n7の値が10001である。
【0059】
式(2)および(11)から次の式(12)が成立つ。
【0060】
(nU −1)dz /dh=mλ/d (12)
即ち、ウルトラ−ハイ インデックス レンズ(屈折率が極めて大きい屈折型レンズ)の面形状と回折型光学素子のピッチとの間には上記式(12)で与えられる等価関係が成立し、この式を通じてウルトラ−ハイ インデックス法で設計したウルトラ−ハイ インデックス レンズの面形状から回折型光学素子のピッチ分布を求めることが出来る。
【0061】
具体的には、ウルトラ−ハイ インデックス レンズを下記式(13)にて表わされる非球面を有するレンズとして設計すると、式(12)と下記式(13)とから回折型光学素子のピッチ分布は、下記の式(14)にて表わされる。
【0062】
Figure 0003825817
ただしzは光軸でレンズに接する接平面からのずれ量(サグ値)、cは曲率、hは光軸からの距離、kは円錐定数、A,B,C,D,・・・は夫々4次,6次,8次,10次,・・・の非球面係数である。
【0063】
以上述べた実施例は、いずれもHe−Neレーザーの波長632.8nmとArレーザーの波長488nmの2波長につき補正されているMLSM用対物レンズで、レンズは全て同一の硝材で構成され、回折型光学素子は石英で構成されている。又射出瞳位置は全て胴付から標本側に8mmである。尚実施例1の胴付は、面r1 より面r2 側へ0.27mmの位置、実施例2の胴付は、面r1 より標本側へ0.39mmの位置、実施例3の胴付は面r1 より標本側へ0.17mmの位置である。
【0064】
【発明の効果】
本発明の対物レンズは、単一の硝材で、50nm以上離れた二つの波長で色収差を含む諸収差が良好に補正され、また各倍率の対物レンズでその射出瞳を揃えたレンズ系である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の断面図
【図2】本発明の実施例2の断面図
【図3】本発明の実施例3の断面図
【図4】本発明の実施例1の収差曲線図
【図5】本発明の実施例2の収差曲線図
【図6】本発明の実施例3の収差曲線図
【図7】屈折面による光の屈折状況を示す図
【図8】回折格子による光の回折状況を示す図
【図9】回折型光学素子をブレーズ化した形状の断面図
【図10】回折型光学素子のバイナリー近似を行なったものの断面図
【図11】ウルトラ−ハイ インデックス レンズにおける光の屈折状況を示す図

Claims (2)

  1. 最も物体側に、該物体側に凹面を向けたメニスカスレンズを配置し全体として正のパワーの第1群と、この第1群より像側に配置される第2群よりなり、前記第2群は、正のパワーの第1の回折型光学素子と、この第1の回折型光学素子より像側に配置される負のパワーの第2の回折型光学素子とを含むと共に、下記条件(1),(2),(3)を満足し、更に少なくとも一つの回折型光学素子が条件(4)を満足する顕微鏡に用いる対物レンズ。
    (1) 0.5<R/D<5
    (2) 10<f1 /f<100
    (3) 1<−f2 /f1 <10
    (4) φD /φM >0.8
    ただしRは前記メニスカスレンズの像側の面の曲率半径、Dは前記メニスカスレンズの肉厚、f1 ,f2 は夫々第1の回折型光学素子および第2の回折型光学素子の焦点距離、fは対物レンズ全系の焦点距離、φDは回折型光学素子におけるマージナル光束の径、φM は最大マージナル光束径である。
  2. 対物レンズ中の実際の瞳位置(主光線が光軸と交わる位置)より像側に少なくとも1枚の凸レンズと少なくとも1枚の凹レンズを配置したことを特徴とする請求項1の顕微鏡に用いる対物レンズ。
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