JP3818467B2 - 電気脱塩装置の運転方法及びその方法の実施に使用する電気脱塩装置 - Google Patents

電気脱塩装置の運転方法及びその方法の実施に使用する電気脱塩装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気脱塩装置の運転方法及びその方法の実施に使用する電気脱塩装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工場等へ送られて使用される純水の製造を目的として、従来から電気脱塩装置を用いた水処理が行なわれている。
電気脱塩装置は、脱塩室と濃縮室と電極とを備え、脱塩室にイオン交換樹脂等のイオン交換体を充填してなるものであり、この装置による脱塩処理は、イオン交換体によるイオン交換と、電気的作用によるイオンの分離・移動が繰り返し行なわれる。即ち、脱塩室に導入した被処理水が脱塩室内を流下する間に被処理水中の不純物イオンがイオン交換作用によってイオン交換体に吸着され、且つ一旦吸着された不純物イオンは電気的に吸引されてイオン交換体より分離し、濃縮室に移動し、系外に排出される。
【0003】
電気脱塩装置による脱イオン機構は上記のようなものであるため、イオン交換体に不純物イオンが吸着してイオン交換能が低下するという虞れはなく、その結果、イオン交換式脱塩装置にみられるような薬液による再生処理は一般的に不要であるとされている。通常、再生処理を行なう場合には、専用の再生設備を設けて再生処理を行なうようにするか、或いはカートリッジ式の脱塩装置の場合はその装置に代わって別の装置を運転させるため、代替装置を常に併設しておく必要があるが、電気脱塩装置においては、上記したように一般的には再生処理が不要であるため、再生設備は基本的に不要であり、また、代替装置を併設することは行なわれていない。
【0004】
しかし、電気脱塩装置であっても再生処理は全く不要であるという訳ではなく、被処理水中に有機物、鉄サビ等の非イオン性物質が含まれていたり、或いはシリカ、炭酸等の弱酸成分が含まれている場合には、以下に述べるように再生処理が必要となる。
即ち、被処理水中に有機物や鉄サビ等の非イオン性物質が含まれていると、長年の運転により、イオン交換体に非イオン性物質が次第に堆積し、イオン交換体の官能基が閉塞された状態となってイオン交換体の反応性が失われ、脱塩処理能力が次第に低下する。また、被処理水中にシリカや炭酸などの弱酸成分が含まれていると、該弱酸成分の解離イオンは電気的作用によるイオン移動速度が遅いため、イオン交換体に吸着されている時間が長く、そのため、被処理水の単位時間当たりの流量が多いとイオン交換体の反応性を低下させ、脱塩処理能力の低下を招く。
【0005】
このように、電気脱塩装置であっても実際には、脱塩性能の低下を招く場合があり、数年に一度の割合で脱塩室の洗浄或いは装置全体の交換を行なう必要があった。
このため従来は、電気脱塩装置における脱塩性能の低下を監視するために、脱塩室の出口から得られる処理水の水質を測定し、水質が低下したことを検知した時点で装置の洗浄や交換を行なうようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、脱塩室の出口水の水質を測定したのでは、出口水の水質低下を検知した時点で直ちに当該装置の運転を停止しなければならない。出口水の水質低下を検知したことは、当該装置の脱塩性能が低下したことを意味しており、電気脱塩装置により製造される純水をユースポイントに供給している場合には、水質低下を検知した時点で運転を停止しなければ、不純物イオンを含んだ水質の悪い水をユースポイントに供給してしまうことになる。
【0007】
しかしながら、上記の場合において、直ちに運転を停止した場合は、ユースポイントにおいて純水を使用できなくなり、生産管理体制に多大な支障を及ぼすこととなる。
本発明者は上記の問題を解決するため種々検討した結果、本発明を完成するに到った。
本発明は、脱塩性能の低下を早期に検知し、事前に装置の洗浄或いは交換のための対策が講じられる運転方法及びその方法の実施に使用する電気脱塩装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、(1)電気脱塩装置を用いて被処理水を脱塩処理するに当たり、該装置の被処理水入口と処理水出口との間の任意の位置に測定点を設けて中間処理水の水質を測定し、測定点における脱塩性能の低下を検知するようにしたことを特徴とする電気脱塩装置の運転方法、(2)電気脱塩装置を用いて被処理水を脱塩処理するに当たり、電気脱塩装置の脱塩室における被処理水入口と処理水出口との間の任意の位置に測定点を設け、該測定点より脱塩室内の中間処理水をサンプリングし、該中間処理水の水質を測定し、測定点における脱塩性能の低下を検知するようにしたことを特徴とする電気脱塩装置の運転方法、(3)脱塩室と濃縮室と電極とを備えてなる電気脱塩装置であって、該電気脱塩装置の脱塩室を構成する枠体側面における、脱塩室の被処理水入口と処理水出口との間の任意の位置に、中間処理水の水質を測定するためのサンプリング管を設けて構成したことを特徴とする電気脱塩装置を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の運転方法について説明するに当たり、まずその方法を実施するために用いられる図1に示す装置について説明する。図1は本発明運転方法に使用する本発明装置の一例を表わす略図であり、電気脱塩装置1には、該装置1内に被処理水を流入するための被処理水流入管2、及び該装置1により被処理水を脱塩処理して得られた処理水を装置外へ流出するための処理水流出管3が設けられ、更に脱塩処理途中段階の中間処理水を装置1外へ取り出して水質を測定するためのサンプリング管4が設けられ、このサンプリング管4の先端には水質測定装置5が設けられている。6はサンプリング管4の途中に設けられた開閉バルブである。
【0010】
上記した本発明装置の具体的構造は図2に示されている。同図において7は脱塩室、8は濃縮室で、これらの脱塩室7、濃縮室8は交互に複数設けられている。一般的には脱塩室7を構成するに当たっては1個のモジュール品として製作される。即ち、四周枠状に形成された例えば合成樹脂からなる枠体9の両面にそれぞれカチオン交換膜10、アニオン交換膜11を接着し、その内部空間にカチオン交換樹脂やカチオン交換繊維等のカチオン交換体とアニオン交換樹脂やアニオン交換繊維等のアニオン交換体との混合物(以下、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合樹脂を例にとって説明する)を充填して脱イオンモジュール12を製作し、該脱イオンモジュール12内のイオン交換樹脂充填部を脱塩室7として構成する。
【0011】
上記の如く構成される脱イオンモジュール12を、ゴムパッキン等のスペーサ13を介して複数並設し、各脱イオンモジュール12、12間の空間部を濃縮室8として形成する。
上記の如き脱塩室7と濃縮室8との交互配列体の両側部に陽極14と陰極15が配置されている。図中、16は陽極室、17は陰極室である。
【0012】
脱塩室7の入口側には、被処理水を導く被処理水流入管2が連結され、これにより被処理水入口18が形成され、また、脱塩室7の出口側には脱塩室7から流出する処理水を導くための処理水流出管3が連結され、これにより処理水出口19が形成されている。一方、濃縮室8の入口側には濃縮水流入管20が連結され、濃縮室8の出口側には濃縮水流出管21が連結されている。22は電極水流入管、23は電極水流出管である。
【0013】
脱塩室7を構成する枠体9の側面に穴を設け、該穴から脱塩室7内に通じるように、サンプリング管4が取り付けられる。
図3には、図2におけるA矢視方向から見た脱イオンモジュール12が描かれており、同図には、枠体9の側面9aを通してサンプリング管4が脱塩室7内に挿通されて設けられている状態が略図的に描かれている。脱塩室7内におけるサンプリング管4の先端にはイオン交換樹脂を通過させずに中間処理水だけを通過させるストレーナー24が取り付けられており、脱塩室7内のイオン交換樹脂がサンプリング管4内に入り込まないようになっている。
サンプリング管4は脱塩室の被処理水入口18と処理水出口19との間の任意の位置に設けられるが、装置の脱塩性能の低下をより確実に検知するためには、該サンプリング管4を脱塩室7の中央部よりやや下流側に相当する位置に設けることが好ましい。
【0014】
本発明において、複数の脱塩室7のうちいずれか1つの脱塩室7にサンプリング管4を設置すればよいが、サンプリング管4は1本に限られず、複数の脱塩室7に設置して、複数本設けるようにしてもよい。
サンプリング管4の途中には開閉バルブ6が取り付けられる。中間処理水の水質測定時以外は該バルブ6は閉鎖状態とされる。また、サンプリング管4の先端に中間処理水の水質測定装置5が設けられる。
【0015】
上記の如く構成される電気脱塩装置の作用及び該装置の運転方法について以下、説明する。
市水、工場排水、井水等の原水(被処理水)を脱塩処理するに当たって、まず被処理水は被処理水流入管2を通して電気脱塩装置1の脱塩室7の被処理水入口18に導かれ、脱塩室7に流入する。一方、濃縮水流入管20を通して濃縮室8に濃縮水が導かれると共に、電極水流入管22を通して陽極室16、陰極室17に電極水が導かれる。これらの濃縮水及び電極水としては一般に、被処理水が用いられる。
【0016】
脱塩室7において、被処理水に含まれているイオンはイオン交換樹脂の充填層を通過する際にイオン交換樹脂に吸着される。即ち、被処理水に含まれているカチオンはカチオン交換樹脂に、アニオンはアニオン交換樹脂にそれぞれ吸着される。
陽極14、陰極15の両電極間には電圧が印加されており、カチオン交換樹脂に吸着されたカチオンは陰極15側に吸引され、カチオン交換膜10を通って濃縮室8に移動する。アニオン交換樹脂に吸着されたアニオンは陽極14側に吸引され、アニオン交換膜11を通って濃縮室8に移動する。濃縮室8を流れる濃縮水はこの移動してくるカチオン又はアニオンを受け取り、イオンを濃縮した濃縮水として濃縮水流出管21より流出し、系外に排出される。また、脱塩処理により得られた水質良好な処理水は脱塩室7の処理水出口19を通り、処理水流出管3を経て流出する。
【0017】
電気脱塩装置1を長期間運転すると、イオン交換樹脂に有機物や鉄サビ等の非イオン性物質が付着し、付着量が増加するに従いイオン交換樹脂を覆ってしまい、イオン交換樹脂の官能基が閉塞された状態となってイオン交換樹脂の反応性が失われてくる。その結果、装置の脱塩性能が次第に低下する。また、解離性の低い弱酸成分やナトリウムイオンなどもイオン交換樹脂に吸着している時間が長いため、被処理水の単位時間当たりの流量が多いとイオン交換樹脂のイオン交換能を低下させ、脱塩性能が低下する。イオン交換樹脂のイオン交換能の低下は、イオン交換樹脂層における被処理水入口側の区域から始まり、順次、そのイオン交換能低下区域は処理水出口側に向けて拡大する。図2においては脱塩室7のイオン交換樹脂層の上層から下層へ向けて次第にイオン交換能低下区域が拡大する。そしてそのまま使用し続ると、所定期間経過後には装置の脱塩性能が完全に喪失し、その時点を境として以後は目的とする水質の処理水が得られなくなる。
【0018】
そこで、本発明はサンプリング管4の設けられている地点を測定点aとし、この測定点aにおいて中間処理水の水質を測定するものである。水質測定は間欠的でも連続的でもよいが、通常は間欠的(例えば、2日〜7日に一度の割合で測定)に行なわれる。間欠的に測定を行なう場合には、サンプリング管4の開閉バルブ6を測定の度毎に開放する。尚、連続的に測定を行なう場合には、開閉バルブ6は開放したままとなる。
【0019】
サンプリング管4を通して水質測定装置5に中間処理水が導かれ、ここで水質の測定が行なわれ、電気脱塩装置の脱塩性能の低下を検知する。
水質測定の方法としては、水の電気伝導率(μS/cm)を測定する方法や、水中のイオン濃度を測定する方法等が挙げられるが、いずれの方法でもよく、特に限定されない(以下、電気伝導率を例に挙げて説明する)。
水質測定において、イオン交換樹脂層におけるイオン交換能低下区域の広がりと共に、中間処理水の水質が次第に低下するが、当該区域の拡がりによる移動帯が測定点a、即ちサンプリング管設置点にまで到達すると、水質測定装置5により検出表示される電気伝導率は大きく変化する。この電気伝導率の大幅な変化に基づき、電気脱塩装置の脱塩性能の低下を検知する。
【0020】
即ち、上記電気伝導率の大幅な変化を検知したとき、イオン交換樹脂層におけるイオン交換能の低下区域が測定点aにまで及んだことを認識でき、これをもって電気脱塩装置1の脱塩性能の低下が相当程度進んでいることを知ると共に、当該装置の運転寿命、即ち脱塩室のイオン交換樹脂の洗浄又は装置の交換までに運転持続が可能な期間、換言すれば洗浄、交換を行なうべき時期を予測することができる。
【0021】
以上のように、中間処理水の水質の低下を検知するようにすれば、処理水の水質が許容限界点に到達するまでの期間が予測できるから、電気脱塩装置の脱塩性能を回復させるための洗浄や装置の交換のために運転を停止する時期を決定するに当たり、ユースポイントへ支障を及ぼすことのない時期を選択することができると共に、その時期に合わせて洗浄用機器や交換用機器等を揃えて準備しておくことができ、洗浄や交換に要する時間を短縮することができる。
【0022】
本発明によれば、中間処理水の水質低下を検知したとしても、それは測定点における脱塩性能の低下を意味するものであって、装置全体としての脱塩性能の低下を意味するものではないから、水質低下を検知した時に即座に装置の運転を停止しなければならないものではない。その結果、突然の運転停止によりユースポイントに純水(処理水)を供給できなくなるという事態の発生を防止できる。
【0023】
本発明における脱塩性能検知手段としては、上記した方法以外に、電気伝導率やイオン濃度等の測定物性値の限界値を予め決定しておき、水質測定装置によって検出表示される数値がこの限界値に達したことを確認することによって、測定点における脱塩性能の低下を検知する方法を採用してもよい。
【0024】
本発明において、装置の脱塩性能の低下が検知されたときは、例えば酸やアルカリ、或いはシュウ酸、クエン酸等の有機酸の水溶液を用いて装置内の脱塩室の洗浄を行なうが、洗浄を行なっても脱塩性能を回復できないときは、装置の交換を行なうことになる。この場合、脱イオンモジュール単位で交換するのは困難であるので、装置全体を交換するのが一般的である。
【0025】
次に、本発明の電気脱塩装置の別の実施例について説明する。図4は、2つの電気脱塩処理装置を直列に連結してなる電気脱塩装置を示している。ここにおいて、電気脱塩処理装置とは、電気脱塩装置と同義であり、前記実施例で示した電気脱塩装置1と同一の構造を有している。図4において、第1電気脱塩処理装置26aと第2電気脱塩処理装置26bとの2つの電気脱塩処理装置が連結管27を介して直列に連結され、第1電気脱塩処理装置26aには、該装置26aの脱塩室に被処理水を導入する被処理水流入管28が設けられ、これにより被処理水入口29が形成され、また第2電気脱塩処理装置26bには、該装置26bの脱塩室から処理水を流出する処理水流出管30が設けられ、これにより処理水出口31が形成されている。そして、連結管27の任意の位置にはサンプリング管32が設けられていると共に該サンプリング管32の先端には中間処理水の水質測定装置33が設けられている。34はサンプリング管32の開閉バルブである。
【0026】
上記の如く構成される本発明電気脱塩装置35において、各電気脱塩処理装置の脱塩室にはイオン交換樹脂が充填されているが、この場合、第1、第2の両電気脱塩処理装置に用いられるイオン交換樹脂は、相互に同じ種類のもの(例えば両装置共、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合樹脂を用いる)であっても或いは異なる種類のもの(例えば第1電気脱塩処理装置26aはアニオン交換樹脂を用い、第2電気脱塩処理装置26bはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合樹脂を用いる)であってもよい。
【0027】
本実施例における電気脱塩装置の作用及び該装置の運転方法について以下に説明する。尚、第1及び第2電気脱塩処理装置の脱塩室にはいずれも、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合樹脂を充填した場合を例にとって説明する。
【0028】
被処理水は被処理水流入管28を通して第1電気脱塩処理装置26aの脱塩室の被処理水入口29に導かれ、ここで脱塩処理が行なわれる。脱塩処理の原理及び機構は前記実施例において図2に基づいて説明したのと同様である。
第1電気脱塩処理装置26aによる脱塩処理で得られた中間処理水は、該装置の脱塩室出口から流出し、連結管27を通って第2電気脱塩処理装置26bの脱塩室に導かれる。この脱塩室においても、第1電気脱塩処理装置26aの脱塩室におけると同様の脱塩処理が行なわれる。
第2電気脱塩処理装置26bによる脱塩処理で得られた水質良好な処理水は、該装置26bの脱塩室の処理水出口31を通り、処理水流出管30を経て流出する。
【0029】
連結管27におけるサンプリング管設置地点を測定点bとし、サンプリング管32を通してサンプリングされた中間処理水の水質を水質測定装置33により測定する。この水質測定は、前記実施例において図2に基づいて説明した水質測定方法と同様の方法により行なわれ、また同様にかかる水質測定により、測定点bにおける脱塩性能の低下を検知する。
【0030】
本実施例において、中間処理水水質の測定点bは、連結管27の任意の位置であり、換言すれば第1電気脱塩処理装置26aの脱塩室出口と第2脱塩処理装置26bの脱塩室入口との間の位置であるから、水質測定装置33により測定点bにおける脱塩性能の低下が検知されたとき、それは第1電気脱塩処理装置26a全体の脱塩性能が低下していることを意味している。従って、この場合、第1電気脱塩処理装置26aについて洗浄又は交換を行なう必要があるが、この時点では後段の第2電気脱塩処理装置26bの脱塩性能は低下していないので脱塩処理を継続しても何ら支障がなく、水質良好な処理水(純水)を一定期間供給することが可能である。
【0031】
その結果、ユースポイントへの純水の供給が突然停止されるという不具合の発生はない。また第1と第2の電気脱塩処理装置(即ち、本発明電気脱塩装置35)全体の脱塩性能が低下する時期、従ってまた本発明電気脱塩装置35について洗浄又は交換を行なうべき時期を予測でき、時間的余裕をもってそれに対処することができる。
【0032】
本実施例における別の態様として、特に図示しないが、水質測定装置33を連結管27の任意の位置に直接、設置してもよい。この場合、連結管27を或る地点で分断し、その間に水質測定装置を連結してもよく、或いは水質測定装置を本体部とセンサー部に分離すると共に、両者を電気的に結合し、センサー部を連結管27の内部に設置するようにしてもよい。
【0033】
中間処理水の水質測定に当たって、測定する成分は、水処理の目的によって異なる。例えば純水製造を目的とする場合には、シリカや炭酸等の弱酸成分を測定し、該成分のリーク量を監視するのが最も有効である。ここにおいて、弱酸成分の解離イオンはアニオンであるから、第1電気脱塩処理装置26aの脱塩室にはアニオン交換樹脂のみを充填することが好ましい。
【0034】
また、一般にカチオンの混入を嫌う水の製造に当たっては、カチオンの中でも最もイオン移動速度の遅いナトリウムイオンを測定し、該ナトリウムイオンのリーク量を監視するのが最も有効である。この場合、第1電気脱塩処理装置26aの脱塩室にはカチオン交換樹脂のみを充填することが好ましい。
【0035】
本実施例のように、電気脱塩処理装置を複数台連結してなる装置においては、中間処理水の水質測定のためのサンプリング管を連結管に設けることができるので、電気脱塩装置の脱塩室に直接サンプリング管を設ける構造のものと比較して設計上容易であり、装置構成を簡単にすることができる。
【0036】
また本実施例のように、電気脱塩処理装置が複数台ある場合、その処理能力回復のための洗浄や交換の作業は、全ての装置について行なってもよいが、中間処理水の測定点よりも前段にある装置についてだけ行なってもよい。即ち、図4に示す実施態様においては、第1電気脱塩処理装置26aのみについて洗浄又は交換の作業を行なえばよく、必ずしも第2電気脱塩処理装置26bについては行なう必要はない。
【0037】
第1電気脱塩処理装置26aのみについて洗浄又は交換を行なった場合において、運転再開に際しては、当初の第2電気脱塩処理装置26bを新たに第1電気脱塩処理装置として機能させるようにし、洗浄後の装置又は交換された新品の装置を新たに第2電気脱塩処理装置として機能させる方式で運転を再開させるようにするのが好ましい。このように、前段の装置と後段の装置とを入れ替える方式をメリーゴーランド方式という。このようにすれば、後段には常に、より清浄で脱塩性能の高い電気脱塩処理装置が配置されることとなり、処理水の水質維持に寄与できる。
尚、メリーゴーランド方式を採用できるのは、洗浄や交換を行なった装置とそれを行なわなかった装置とに用いられているイオン交換樹脂が互いに同種のものである場合(例えば、前段、後段の装置共に、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合樹脂が用いられている場合)だけであり、それが異種同士の場合には上記方式を採用することができない。
【0038】
本実施例のように電気脱塩処理装置を複数台設けた場合は、測定点よりも前段の電気脱塩処理装置のみを洗浄する際、仮りに洗浄或いはその後のすすぎが不完全で中間処理水にイオンがリークしてもリークしたイオンを後段の電気脱塩処理装置で除去できる。従って、処理水の水質に影響を及ぼさずに、洗浄等の作業時間を短縮することが可能である。
【0039】
また、本実施例の場合、前記したように、前段の第1電気脱塩処理装置としてアニオン交換樹脂のみ、又はカチオン交換樹脂のみを充填したものを用いることができるが、そのように構成した場合、除去し難いアニオン又はカチオンについてのみ監視を行なえばよく、測定が容易である。
【0040】
第1電気脱塩処理装置としてアニオン交換樹脂のみを充填したものを用いた場合は、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混合樹脂を充填した場合のように、洗浄液として水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄を行なった時にカチオン交換樹脂がナトリウム型になるという不具合がなく、洗浄を短時間で行なうことができる。尚、上記混合樹脂の場合は、水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄を行なった時にカチオン交換樹脂がナトリウム型になるが、この場合、立ち上げ運転を行なって、ナトリウム型を水素型に変換する必要があり、そのためにかなりの時間を要する。
【0041】
本発明においては、電気脱塩処理装置を3台以上直列に連結してもよい。3台の電気脱塩処理装置を直列に連結した態様の場合も、中間処理水水質の測定点は各電気脱塩処理装置を連結する連結管の任意の位置に設けられる。この場合、複数ある連結管のうち、前段側の連結管に測定点を設けても或いは後段側の連結管に測定点を設けてもよいが、後段側の連結管に測定点を設けることが好ましい。
【0042】
本発明においては、イオン交換樹脂への有機物や鉄サビ等の付着をできるだけ防止するため、電気脱塩装置の前段に図示しない濾過装置を設置して、事前に有機物等の非イオン性物質を除去しておくことが好ましい。ここにおいて用いる濾過装置としては、中空糸膜濾過器、電磁濾過器、プリーツ型膜濾過器等一般的な濾過装置が挙げられる。
【0043】
前記した各実施例において、電気脱塩装置は、脱塩室と濃縮室とを横方向に交互に配列し、その両側部に電極を配置した構造のものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば脱塩室と濃縮室が螺旋状に形成された構造のものであってもよい。即ち、中心に棒状の形態をした一方の電極を配置し、この棒状電極を中心として脱塩室を螺旋状に形成し、これに伴ない、脱塩室に隣接する濃縮室も螺旋状に形成する。螺旋体の最外周に筒状の形態をした他方の電極を配置する。本発明はこのような螺旋状構造を有する電気脱塩装置を用いてもよい。或いはまた、本発明は、脱塩室と濃縮室とを同心円状に交互に複数配置し、且つ中心部と外周部にそれぞれ電極を配してなる同心円状構造の電気脱塩装置を用いることもできる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、電気脱塩装置の被処理水入口と処理水出口との間の任意の位置に測定点を設けて中間処理水の水質を測定し、測定点における脱塩性能の低下を検知するようにしたので、装置全体としての脱塩性能の低下を招来する以前の段階で装置の脱塩性能の低下の進行度合いを確認することができ、その結果、装置全体の脱塩性能が低下する時期を予測できるものであり、その時期を考慮して事前の対策を講じることが可能となる。即ち、装置について洗浄又は交換を行なう時期を予測できるから、その時期に合わせて洗浄用機器や交換用機器等を予め準備しておくことができ、洗浄や交換に要する時間を短縮することができる。
本発明によれば、測定点における脱塩性能の低下を検知した時点では、未だ装置全体としての脱塩性能の低下にまで至っている訳ではないので、例えば本発明装置により純水を製造し、この純水をユースポイントに配管供給するというシステムを組んでいる場合において、脱塩性能の低下を検知した時に直ちにユースポイントへの純水供給を停止しなければならないという不具合の発生はない。従って、ユースポイントへの純水供給を停止する場合においても、事前にそのことを予告でき、時間的余裕をもって対処できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電気脱塩装置を示す略図である。
【図2】図1に示す本発明電気脱塩装置を具体的に表した図である。
【図3】本発明電気脱塩装置におけるサンプリング管の取り付け位置を示す略図である。
【図4】本発明電気脱塩装置の別の態様を示す略図である。
【符号の説明】
1,35 電気脱塩装置
4,32 サンプリング管
5,33 水質測定装置
7 脱塩室
8 濃縮室
9 枠体
9a 枠体側面
12 脱イオンモジュール
14 陽極
15 陰極
18,29 被処理水入口
19,31 処理水出口
a,b 測定点
26a 第1電気脱塩処理装置
26b 第2電気脱塩処理装置
27 連結管

Claims (3)

  1. 電気脱塩装置を用いて被処理水を脱塩処理するに当たり、該装置の被処理水入口と処理水出口との間の任意の位置に測定点を設けて中間処理水の水質を測定し、測定点における脱塩性能の低下を検知するようにしたことを特徴とする電気脱塩装置の運転方法。
  2. 電気脱塩装置を用いて被処理水を脱塩処理するに当たり、電気脱塩装置の脱塩室における被処理水入口と処理水出口との間の任意の位置に測定点を設け、該測定点より脱塩室内の中間処理水をサンプリングし、該中間処理水の水質を測定し、測定点における脱塩性能の低下を検知するようにしたことを特徴とする電気脱塩装置の運転方法。
  3. 脱塩室と濃縮室と電極とを備えてなる電気脱塩装置であって、該電気脱塩装置の脱塩室を構成する枠体側面における、脱塩室の被処理水入口と処理水出口との間の任意の位置に、中間処理水の水質を測定するためのサンプリング管を設けて構成したことを特徴とする電気脱塩装置。
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