JP3963032B2 - イオン交換装置およびポリッシングフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は向流再生型のイオン交換装置、特にポリッシングフィルタ付のイオン交換装置およびポリッシングフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
純水装置、軟化装置等のイオン交換装置では、イオン交換時における通液方向と再生時における再生剤の通液方向を逆にした向流再生型のイオン交換装置が、少ない再生剤量で再生できる装置として広く使用されている。このような向流再生型イオン交換装置には、原水を上から下に流し、再生剤は下から上に流す方式と、原水を下から上に流し、再生剤は上から下に流す方式の2種類がある。いずれの場合もイオン交換時と再生時で通液方向が変わる際、樹脂層が乱れるため、処理水の純度が低下しやすい。
【0003】
すなわち向流再生型において原水を上から下向流で流してイオン交換する方式では、再生時においてイオン交換樹脂層は再生剤流の上向きの力を受けるため、下部(処理水出口側)のイオン交換樹脂が持ち上げられて、下部に隙間が形成される。特にイオン交換樹脂はイオン性にかかわらず再生剤と接触すると浸透圧の関係で収縮するため隙間は大きくなる。
【0004】
このため再生終了後、再生剤の流れが停止するときに、イオン交換樹脂が流動化し、十分再生されていない中間部以上のイオン交換樹脂が下部の樹脂層に混ざり込むことがある。こうして処理水出口側のイオン交換樹脂層に、十分に再生されていない樹脂が混入すると、イオン交換時における処理水の純度が低下する。
【0005】
この対策として従来、 i 再生後にイオン交換樹脂を下方へ押しつけるためのリフトダウン水を供給する方法、 ii イオン交換樹脂をできるだけ密に充填し、隙間を発生させない方法などが実施されている。
しかし上記 i の方法では、再生、押出とは反対の方向に水を流すため、イオン交換樹脂の洗浄効果を悪化させることになり、またリフトダウン水供給のための弁が必要になり制御関係が複雑になり、水使用量が増大する。 ii の方法では、差圧が上昇し、流入した濁質を排出しにくくなるなどの問題が新たに発生する。
【0006】
また原水を下から上向流で流してイオン交換する方式では、通水時においてイオン交換樹脂層は原水流の上向きの力を受けるため、下部(原水入口側)のイオン交換樹脂が持ち上げられて、下部に隙間が形成される。特に強酸または強塩基性のイオン交換樹脂の場合は原水と接触することによりイオン交換反応が起こって収縮するため、隙間が大きくなる。
【0007】
このため採水途中で、運転を停止するとき、イオン交換樹脂が下方へ沈降して流動化し、十分再生されていない中間部以下のイオン交換樹脂が十分再生されている上部の処理水側のイオン交換樹脂層に混ざり込むことがある。こうして処理水出口側のイオン交換樹脂層が十分に再生されていない樹脂が混入すると、イオン交換時の処理水の純度が低下する。
【0008】
この対策として従来、前記と同様に、 i 運転停止時にイオン交換樹脂を下方へ押しつけるためのリフトダウン水を供給する方法、 ii イオン交換樹脂をできるだけ密に充填し、隙間を発生させない方法などが実施されている。
しかしこの場合も前記下向流の場合と同様に、 i の方法では、リフトダウン水供給のため、弁が必要になり、制御関係が複雑になるほか、純水使用量が増大する。また ii の方法では、差圧が上昇し、流入した濁質を排出しにくくなる、イオン交換樹脂の割れが多くなる、などの問題が新たに発生する。
【0009】
一方、4床5塔型純水装置のように、陽イオン交換塔−脱炭酸塔−陰イオン交換塔−陽イオン交換塔−陰イオン交換塔の組合せにおいて、後段の陽または陰イオン交換塔から前段の陽または陰イオン交換塔に再生剤を通液することにより向流再生する装置が知られており、少ない再生剤使用量で高純度の脱イオン水を得ることができるとされている。
【0010】
しかしながら、このような装置では陽または陰イオン交換樹脂について各2個の塔が必要となり、それぞれに弁、配管、制御系が必要となるため、装置が大型化かつ複雑化し、操作および制御も複雑になるなどの問題点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、簡単な装置と操作により、イオン交換樹脂を塔内に密に充填することなく、これにより差圧を上昇させることなく、樹脂の展開による洗浄が可能であり、かつ少ない再生剤量で高純度のイオン交換処理液を得ることができるイオン交換装置を得ることである。
本発明の第2の課題は、イオン交換塔に取付けて上記のイオン交換装置を形成することができ、従来のイオン交換装置にも取付け可能なイオン交換装置用ポリッシングフィルタを得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のイオン交換装置およびポリッシングフィルタである。
(1) フリーボードを有するように陽イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔と、
フリーボードを有するように陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔と、
イオン交換塔または陰イオン交換塔に充填された樹脂と同種の少量の樹脂を二重のストレーナ間に密に充填し、かつ陽イオン交換塔および陰イオン交換塔のそれぞれの処理液出口側口の配管に取付けられる第1および第2のポリッシングフィルタと
前記陽イオン交換塔および陰イオン交換塔からそれぞれ第1および第2のポリッシングフィルタに、上向流または下向流で通液してイオン交換を行い、これと逆方向に再生剤を通液して再生を行うように設けられた配管系と
を有するイオン交換装置。
(2) 上記(1)記載のイオン交換装置の第1または第2のポリッシングフィルタとして用いられるポリッシングフィルタであって、
イオン交換塔の処理液出口側配管への接続部を有するケーシングと、
このケーシング内に設けられた二重のストレーナ間に密に充填された陽イオン交換樹脂層または陰イオン交換樹脂層と
を有するイオン交換装置用ポリッシングフィルタ。
【0013】
本発明のイオン交換装置は純水装置等に用いられるもので、陽イオン交換樹脂を充填した陽イオン交換塔、および陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔を有する。
【0014】
これらのイオン交換塔および陰イオン交換塔はフリーボード(逆洗空間)を有するように陽または陰イオン交換樹脂が充填される。フリーボードは陽または陰イオン交換樹脂層の1/5〜1/20程度とするのが好ましい。この陽または陰イオン交換塔は従来から純水装置、軟化装置等に使用されているものと同じ構造のもので、樹脂層に通液できるように原水の流入側と流出側にストレーナを有する構造とする。すでに陽または陰イオン交換塔として使用されている既設の陽または陰イオン交換塔を本発明の陽または陰イオン交換塔として使用することも可能である。
【0015】
本発明では上記の陽または陰イオン交換塔に、それぞれ向流再生を行えるように、上向流または下向流で被処理液を通液してイオン交換を行い、イオン交換時の処理液流と逆方向すなわち下向流または上向流で再生剤を通液して再生を行うように、配管系が設けられる。すなわち上向流通水でイオン交換を行う場合は、下向流再生を行い、下向流通水でイオン交換を行う場合は上向流再生を行うように、陽イオン交換塔および陰イオン交換塔のそれぞれの上部および下部に配管を設ける。上向流通水、上向流再生の場合とも、樹脂層の少なくとも一部を陽イオン交換塔および陰イオン交換塔の上側に押しつけて固定床を形成するような流速で通水、通液を行うように構成される。
【0016】
本発明では上記のような陽イオン交換塔および陰イオン交換塔からイオン交換処理液を取出し、再生剤を注入するそれぞれの配管に第1および第2のポリッシングフィルタを取付ける。第1および第2のポリッシングフィルタとして用いられるポリッシングフィルタは、陽イオン交換塔および陰イオン交換塔のそれぞれの処理液出口側配管に接続する接続部を両側に有するケーシング内に、両側の接続部に対向するように設けられた二重のストレーナを設け、この二重のストレーナ間に、陽または陰イオン交換樹脂を密に充填した構成とされる。
【0017】
イオン交換樹脂としては陽または陰イオン交換塔に充填された樹脂と同種の樹脂を充填する。すなわちイオン交換塔に陽イオン交換樹脂を充填した場合は同じ陽イオン交換樹脂を充填し、イオン交換塔に陰イオン交換樹脂を充填した場合は陰イオン交換樹脂とする。ポリッシングフィルタに充填する陽または陰イオン交換樹脂量は陽または陰イオン交換塔に充填された陽または陰イオン交換樹脂量の1/10〜1/50、好ましくは1/20〜1/30程度の容量とする。
【0018】
ストレーナとしては通液可能なものであればその構造は制限されないが、通液抵抗の小さい構造のものを使用する。樹脂は二重に設けられたストレーナ間に、樹脂が収縮した状態において隙間が生成せず流動しない程度に密に充填する。樹脂の容量変化を吸収するためにスポンジ等の緩衝材を設けることもできる。この樹脂層の通液方向およびポリッシングフィルタの設置方向は任意である。樹脂層の通液方向の厚さは5〜30cm、好ましくは10〜20cm程度とするのが好ましい。この樹脂層は通液速度が陽または陰イオン交換塔における通液速度の5〜50倍、好ましくは10〜20倍となるようにストレーナの通液面積を決める。
【0019】
上記のポリッシングフィルタは陽イオン交換塔および陰イオン交換塔のそれぞれの処理液出口側配管に挿入するように取付けてイオン交換装置が形成される。このイオン交換装置はポリッシングフィルタを通して陽イオン交換塔および陰イオン交換塔に再生剤(純水装置の場合は酸またはアルカリ、軟化装置の場合は食塩)を上向流または下向流で通液して再生を行い、逆方向に被処理液を通液してイオン交換を行う。
【0020】
この場合、全体の陽イオン交換樹脂または陰イオン交換樹脂量に対する再生剤の全量をポリッシングフィルタを通して通液するため、ポリッシングフィルタは完全再生される。その後再生剤は陽イオン交換塔および陰イオン交換塔にそれぞれ処理液出口側から通液されるので、処理液出口側の樹脂層が完全再生に近い状態に再生され、反対側ほど不完全再生状態となる。
【0021】
再生後反対方向に通液してイオン交換を行うとき、通液方向の切換えにより樹脂層の乱れがなければ、被処理液はその入口側から樹脂層を通過することによりイオン交換処理を受け、出口側では高純度の処理液として流出する。しかし通液方向の反転により樹脂層が移動する際、樹脂層が部分的に乱れるため、一部の不完全再生樹脂が処理液の出口側の樹脂層に混入することがある。
【0022】
この場合は出口側の不完全再生部分からイオンが漏出して処理液の純度が低下する。本発明ではこのように純度が低下した処理液はポリッシングフィルタを通過する際漏出したイオンが除去され、高純度のイオン交換処理液が得られる。ポリッシングフィルタでは樹脂層の乱れがないので、イオン漏出による純度の低下はない。また陽イオン交換塔および陰イオン交換塔における樹脂層の乱れは、フリーボードを前記範囲にすることにより最少限にすることができ、このため少容量の樹脂層を有するポリッシングフィルタを用いて陽イオン交換塔および陰イオン交換塔のそれぞれにおける漏出イオンを除去することが可能となる。
【0023】
このように本発明では、陽イオン交換塔および陰イオン交換塔のそれぞれの処理液側にポリッシングフィルタを設置することにより、塔内の陽イオン交換樹脂または陰イオン交換樹脂が展開して、塔出口の処理水純度が低下しても、ポリッシングフィルタで純度を高くできるため、陽イオン交換塔および陰イオン交換塔内に樹脂を密に充填する必要がなくなり、差圧の上昇を解消することができる。また、密度充填しないため、樹脂の逆洗展開率を大きくできるため、陽イオン交換樹脂層および陰イオン交換樹脂層に流入した濁質の逆洗による排出が向上する。
【0024】
ポリッシングフィルタに充填される陽および陰イオン交換樹脂は、それぞれ再生時に陽または陰イオン交換塔内の樹脂を再生する再生剤と最初に接触するため、純度の高い再生剤と接触することになり、また塔内の樹脂量に比べてポリッシングフィルタ内の陽または陰イオン交換樹脂量は少ないため再生レベルが高くなり、このため処理水純度が向上する。再生後の押出し水量も充填樹脂量に対して大量であるため、再生剤の残留を心配する必要もない。
【0025】
本発明のポリッシングフィルタは陽または陰イオン交換塔の面前配管に取り付けられ、弁が不要のため、容易に既設装置に取付けて使用することができる。弁は不要であるが修理、点検等のために、簡単な遮断弁を設けることは差支えない。
【0026】
【発明の効果】
本発明のイオン交換装置は、フリーボードを有するように陽または陰イオン交換樹脂を充填した陽イオン交換塔および陰イオン交換塔のそれぞれの処理液出口側に、少量の陽または陰イオン交換樹脂を密に充填したポリッシングフィルタを設置したので、簡単な装置と操作により、陽または陰イオン交換樹脂を塔内に密に充填することなく、これにより差圧を上昇させることなく、樹脂の展開による洗浄が可能であり、かつ少ない再生剤量で高純度のイオン交換処理液を得ることができる。
【0027】
本発明のポリッシングフィルタは、ケーシング内の二重のフィルタ間に陽または陰イオン交換樹脂を密に充填したので、陽および陰イオン交換塔に簡単に取付けて上記のイオン交換装置を形成することができ、既設のイオン交換装置にも取付け可能なイオン交換装置用ポリッシングフィルタが得られる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は実施形態の純水装置の系統図、図2はポリッシングフィルタの断面図である。
【0029】
図1は下向流通水によりイオン交換を行い、上向流再生を行うにようにされた向流再生型の純水装置を示し、1aは陽イオン交換塔、1bは陰イオン交換塔で、それぞれ陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を充填して陽イオン交換樹脂層2a、陰イオン交換樹脂層2bがフリーボード3a、3bを塔内に残すように形成されている。フリーボード3a、3bは陽、陰イオン交換樹脂層2a、2bの1/5〜1/20の容量とされている。イオン交換塔1a、1bにはストレーナ4a、4bを有する支持板5a、5b、ならびにストレーナ6a、6bを有する支持板7a、7bが上部または下部に設けられて樹脂層2a、2bが支持されている。
【0030】
イオン交換塔1a、1bの上部には被処理液入口配管8a、8bが設けられていて、それぞれポンプP1a、P1b、弁V1a、V1bを有する被処理液路9a、9b;ならびに弁V2a、V2bを有する洗浄排液路10a、10bが接続している。イオン交換塔1a、1bの下部にはポリッシングフィルタ11a、11bを有する処理液出口配管12a、12bが設けられていて、弁V3a、V3bを有する処理液路13a、13b;ポンプP2a、P2b、弁V4a、V4bを有する洗浄水路14a、14b;ポンプP3a、P3b、弁V5a、V5bを有する薬注路15a、15b;ならびに弁V6a、V6bを有する排液路16a、16bが接続している。処理液路13aと被処理液路9bは脱炭酸塔17を介して連絡している。
【0031】
ポリッシングフィルタ11a、11bは図2に示すように、処理液出口配管12a、12bに接続される接続部21、22を両端部に有する円筒状のケーシング20内に、ケーシング20と同心円の二重円筒状に設けられたストレーナ23、24間に、イオン交換塔1a、1bの樹脂と同種であって樹脂層2a、2bの1/10〜1/50のイオン交換樹脂が密に充填された樹脂層25a、25bが形成されている。上流側の接続部21に対向するように隔壁26が設けられており、これにより接続部21、ストレーナ23、樹脂層25a、25b、ストレーナ24、接続部22の順に流路が形成されている。接続部21、22には処理液出口配管12a、12bに接続するためのフランジ27、28が形成されている。接続部21に一体化した蓋29は、ケーシング20のフランジ30にボルト31により固着されている。隔壁26はパッキン32を介してねじ33によりストレーナ23、24に固着されている。
【0032】
上記のポリッシングフィルタ11a、11bは、図1のイオン交換塔1a、1bの処理液出口配管12a、12bに挿入するように取付けてイオン交換装置を形成する。イオン交換塔1a、1bとしては既設のものであっても、新設のものであってもよい。この場合、配管12a、12bに操作用の弁を設ける必要はないが、修理、点検のための遮断弁等を設けることは差支えない。
【0033】
上記のように構成されたイオン交換装置においては、ポンプP1a、P1bを駆動(他は停止)し、弁V1a、V3a、V1b、V3bを開(他は閉)としてイオン交換を行う。このとき、被処理液路9aから原水が陽イオン交換塔1に供給され、下向流で樹脂層2aを通過して陽イオン交換され、原水中の陽イオンが除去される。樹脂層2a下部の乱れにより純度が低下した処理液は、処理液出口配管12aからポリッシングフィルタ11aに入って樹脂層25aを通過することにより、陽イオン交換を受け、残留する陽イオンが除去される。
【0034】
処理液路13aの処理液は脱炭酸塔17で脱炭酸され、被処理液路9bから陰イオン交換塔1bに入り、下向流で樹脂層2bを通過して陰イオン交換を受け陰イオンが除去される。樹脂層2bの下部の乱れより純度が低下した処理液は、処理液出口配管12bからポリッシングフィルタ11bに入って樹脂層25bを通過することにより陰イオン交換を受け、残留する陰イオンが除去される。これにより最終処理液(純水)として処理液路13bから取出される。
【0035】
再生は流路を切換えて上向流で再生する。まず逆洗として、ポンプP2a、P2bを起動(他は停止)し、弁V4a、V4b、V2a、V2bを開(他は閉)として、洗浄水路14a、14bからポリッシングフィルタ11a、11bを介して洗浄水をイオン交換塔1a、1bに導入し、上向流で流水して、樹脂層2a、2bを展開させて洗浄し、洗浄排液路10a、10bから洗浄排液を取出す。これにより樹脂層2a、2bに拒絶された濁質を除去する。最終的に樹脂層2a、2bを上側の支持板5a、5bに押付けた状態で洗浄を終る。
【0036】
その後、ポンプP3a、P3bを起動(他は停止)し、弁V5a、V5b、V2a、V2bを開(他は閉)として薬注路15a、15bからポリッシングフィルタ11a、11bを介して再生剤(酸またはアルカリ)をイオン交換塔1a、1bに導入して上向流で通液し、樹脂層2a、2bを上に押付けた状態で再生を行う。下層の一部の樹脂が流動化してもよい。このとき、再生剤量は樹脂層2aまたは2bと25aまたは25bの全体量に対する量をすべてポリッシングフィルタ11a、11bを通過させるので、樹脂層25a、25bは完全再生される。そして樹脂2a、2bは下部から順次再生されて行き、交換帯は次第に上に移動する。
【0037】
所定量の再生剤の薬注を終った時点で同じ経路で純水を注入して押出を行う。その後ポンプP2a、P2bを起動(他は停止)弁V4a、V4b、V2a、V2bを開として、純水を通水し上向流に洗浄を行う。一定時間上向流で洗浄を行った後、ポンプP1a、P1bを起動(他は停止)し、弁V1a、V1b、V6a、V6bを開(他は閉)として下向流で洗浄を行う。このとき樹脂層2a、2bは下に移動するか、その際、樹脂層2a、2bに若干の乱れが生じ、不完全再生部分の樹脂が樹脂層2a、2bの下層の部分に混入することがあるが、樹脂層25a、25bには影響はない。所定時間下向流洗浄を行った後、弁V6a、V6bを閉、弁V3a、V3bを開として前記と同様のイオン交換工程に移る。
【0038】
上記の各操作において、ポリッシングフィルタ11a、11bは常に樹脂が密に充填されて流動しない状態を保つので、完全再生された状態でイオン交換工程に移ることができる。このため樹脂層2a、2bの乱れにより純度が低下した処理液を脱イオンして高純度の処理液とすることができる。このとき樹脂層2a、2bに生じる乱れは、フリーボード容量を前記範囲とすることにより最少限にすることができ、このため前記樹脂量の樹脂層25a、25bにより処理液の純度を高い値に回復することが可能となる。樹脂層25a、25bが破砕等により容積減少したとき、あるいは性能低下したときは、ボルト31を緩めて蓋29を外し、さらにねじ33を緩めて隔壁26およびパッキン32を外して、樹脂を補給し、あるいは交換する。また、ポリッシングフィルタ11a、11b自体を配管からはずして新品と交換してもよい。
【0039】
上記実施形態は下向流通液でイオン交換を行い上向流再生する例であるが、上向流通液にてイオン交換を行い、下向流再生を行うイオン交換装置の場合は、イオン交換塔1a、1bに連絡する流路、配管系を上下逆にし、下部に被処理液入口配管8a、8bおよび被処理液路9a、9bを連絡し、上部にポリッシングフィルタ11a、11bを有する処理液出口配管12a、12b、処理液路13a、13b、洗浄水路14a、14b、薬注路15a、15bを連絡するように構成する。この点の構成、操作は従来と同様である。樹脂層2a、2bの展開洗浄(逆洗)のためには下部にも洗浄水路を連絡するのが好ましい。
【0040】
このようなイオン交換装置では、ポリッシングフィルタ11a、11bを通してイオン交換塔1a、1bに再生剤を供給し、下向流で通液して再生することにより、樹脂層25a、25bは完全再生され、樹脂層2a、2bは上部から順次再生される。再生後上向流に切換えて樹脂層を押上げ、上向流でイオン交換を行う。樹脂層を押上げる際樹脂層2a、2bに若干の乱れが生じるが、この乱れによる純度の低下は、処理液をポリッシングフィルタ11a、11bを通過させることにより純度が回復するのは前記の場合と同様である。
【0041】
上記のイオン交換装置では、イオン交換塔1a、1bの処理液側にポリッシングフィルタ11a、11bを設置することにより、塔内のイオン交換樹脂層2a、2bが展開して、塔出口の処理水純度が低下しても、ポリッシングフィルタ11a、11bで純度を高くできるため、イオン交換塔1a、1b内に樹脂を密に充填する必要がなくなり、差圧の上昇を解消することができる。また、密に充填しないため、樹脂の逆洗展開率を大きくでき、イオン交換樹脂層2a、2bに流入した濁質の逆洗による排出が向上する。
【0042】
ポリッシングフィルタ11a、11bに充填されるイオン交換樹脂層25a、25bは、再生時にイオン交換塔1a、1b内の樹脂層2a、2bを再生する再生剤と最初に接触するため、純度の良い再生剤と接触することになり、またイオン交換塔1a、1b内の樹脂量に比べてポリッシングフィルタ11a、11b内のイオン交換樹脂量は少ないため再生レベルが高くなり、このため処理水純度が向上する。再生後の押出し水量も充填樹脂量に対して大量であるため、再生剤の残留を心配する必要もない。
【0043】
また上記のポリッシングフィルタ11a、11bはイオン交換塔1a、1bの面前配管に取り付けられ、弁が不要のため、容易に既設装置に取付けて使用することができる。弁は不要であるが修理、点検等のために、簡単な遮断弁を設けることは差支えない。
【0044】
このように上記のイオン交換装置は、フリーボード3a、3bを有するようにイオン交換樹脂層2a、2bを形成したイオン交換塔1a、1bの処理液出口側に、少量のイオン交換樹脂層25a、25bを密に充填したポリッシングフィルタ11a、11bを設置したので、簡単な装置と操作により、イオン交換樹脂をイオン交換塔1a、1b内に密に充填することなく、これにより差圧を上昇させることなく、樹脂の展開による洗浄が可能であり、かつ少ない再生剤量で高純度のイオン交換処理液を得ることができる。
【0045】
【実施例】
以下実施例および比較例について説明する。
実施例1、比較例1
図1のイオン交換装置において、表1の条件でイオン交換を行った。
【0046】
【表1】
Figure 0003963032
【0047】
比較例1としてポリッシングフィルタ11a、11bを取付けない場合は、Naリーク量0.5mg/l、電気伝導率0.5mS/mであったが、ポリッシングフィルタ11a、11bを取付けた実施例1ではNaリーク量0.05mg/l、電気伝導率0.05mS/mとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のイオン交換装置の系統図である。
【図2】実施形態のポリッシングフィルタの断面図である。
【符号の説明】
1a 陽イオン交換塔
1b 陰イオン交換塔
2a 陽イオン交換樹脂層
2b 陰イオン交換樹脂層
3a、3b フリーボード
4a、4b、6a、6b、23、24 ストレーナ
5a、5b、7a、7b 支持板
8a、8b 被処理液入口配管
9a、9b 被処理液路
10a、10b 洗浄排液路
11a、11b ポリッシングフィルタ
12a、12b 処理液出口配管
13a、13b 処理液路
14a、14b 洗浄水路
15a、15b 薬注路
16a、16b 排液路
17 脱炭酸塔
20 ケーシング
21、22 接続部
25a、25b 樹脂層
26 隔壁
27、28 フランジ

Claims (2)

  1. フリーボードを有するように陽イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔と、
    フリーボードを有するように陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔と、
    イオン交換塔または陰イオン交換塔に充填された樹脂と同種の少量の樹脂を二重のストレーナ間に密に充填し、かつ陽イオン交換塔および陰イオン交換塔のそれぞれの処理液出口側口の配管に取付けられる第1および第2のポリッシングフィルタと
    前記陽イオン交換塔および陰イオン交換塔からそれぞれ第1および第2のポリッシングフィルタに、上向流または下向流で通液してイオン交換を行い、これと逆方向に再生剤を通液して再生を行うように設けられた配管系と
    を有するイオン交換装置。
  2. 請求項1記載のイオン交換装置の第1または第2のポリッシングフィルタとして用いられるポリッシングフィルタであって、
    イオン交換塔の処理液出口側配管への接続部を有するケーシングと、
    このケーシング内に設けられた二重のストレーナ間に密に充填された陽イオン交換樹脂層または陰イオン交換樹脂層と
    を有するイオン交換装置用ポリッシングフィルタ。
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