JP3817873B2 - チップ型電子部品の搬送装置および搬送障害除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はチップ型コンデンサやチップ抵抗のようなチップ型電子部品を搬送する搬送装置およびその搬送障害を除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パーツフィーダから供給されたチップ型電子部品をキャリヤテープに自動的に収納できるようにした搬送装置が、特公平2−20490号公報にて知られている。この装置は、パーツフィーダの給送トラックから振動輸送される電子部品を歯形整送環の全周に形成されたポケット溝に捕捉して給送し、これらポケット溝内の電子部品をキャリヤテープのくぼみ内に装填し、カバーテープを貼着するものである。上記パーツフィーダの給送トラックの出口端と歯形整送環との間に、歯形整送環の歯部が入り込める溝を備えた案内保持板を設け、この保持板内に真空通路を設け、この真空通路の外端に吸引孔を設けて電子部品を給送トラックからポケット溝へ送り込むようにしている。
【0003】
ところで、上記のように給送トラックから案内保持板の真空通路を介して歯形整送環のポケット溝に電子部品を送り込む際、何らかの原因で電子部品が案内保持板と歯形整送環との境界部で停止してしまうことがある。この状態のまま、歯形整送環が回転すると、電子部品が案内保持板と歯形整送環との間に噛み込み、真空通路や電子部品が破損したり、装置が故障するという問題が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなトラブルを解消するため、電子部品の供給通路の先端部にスイッチ片を設け、電子部品が噛み込みそうになった時、電子部品がスイッチ片を押すことで、装置を緊急停止させるものが考えられる。
ところが、このような緊急停止機構を設けた搬送装置では、電子部品がスイッチ片を機械的に押すことによって装置を停止させるものであるため、電子部品に少なからず負荷がかかり、傷が生じたり破損する問題がある。特に、1mm〜数mm程度のセラミック電子部品のように小型で脆弱な部品を搬送する場合には、スイッチ片を押すだけで部品が破壊される恐れがある。
また、スイッチ片をある程度押さないと、スイッチが切り替わらないので、搬送障害の検出に遅れを生じ、装置を停止させない限り搬送障害を除去できなくなる。つまり、搬送障害が発生する度に装置を停止させ、搬送障害を除去する作業を行なわなければならないので、作業者が常に装置を監視していなければならず、生産性が悪い。
【0005】
そこで、本発明の目的は、搬送障害を瞬時に検出でき、電子部品や供給,取出通路などの破損を防止するとともに、電子部品にかかる負荷を軽減できるチップ型電子部品の搬送装置を提供することにある。
また、他の目的は、搬送障害が発生した時、装置を停止させずに搬送障害を取り除くことができる搬送障害除去方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかるチップ型電子部品の搬送装置は、一定方向に周回駆動され、チップ型電子部品を1個ずつ収納するための側方へ開口した収納凹部を等ピッチ間隔で設けた搬送治具と、出口部が上記搬送治具の側部に近接し、チップ型電子部品を一列に整列搬送しながら上記収納凹部へ側方より供給する供給通路と、上記収納凹部の内側面に開口し、上記供給通路を搬送されたチップ型電子部品のうち先頭の電子部品を収納凹部に引き込むため負圧源と接続された空気穴と、上記収納凹部と供給通路との隙間を監視する非接触型センサと、を備えたものである。
【0007】
パーツフィーダなどの供給通路から搬送治具の側部近傍へ供給された電子部品は、収納凹部の内側面に開口した空気穴から吸引することで、先頭の電子部品が収納凹部へ引き込まれる。収納凹部に正確に収納された電子部品は、搬送治具の駆動に伴って搬送され、所定の取出部から取り出される。一方、電子部品が収納凹部に正確に収納されず、供給通路と搬送治具との隙間に跨がった状態で停止した場合には、そのままで搬送治具が駆動すると、電子部品が供給通路と搬送治具との間に噛み込むことになる。ところが、センサが収納凹部と供給通路との隙間に停止した電子部品を監視しているので、即座に装置を停止させたり、あるいは搬送障害を解消するための動作に移行することができ、電子部品の噛み込みを防止できる。また、センサは非接触型のセンサであるから、電子部品に負荷をかけない。
【0008】
搬送障害は、供給通路と搬送治具との間だけでなく、搬送治具と取出通路との間でも発生し得る。そこで、搬送治具の側部に近接し、電子部品を収納凹部から取り出す取出通路と、収納凹部が取出通路と対応した時、空気穴を正圧源と接続し、圧空によって収納凹部内のチップ型電子部品を取出通路へ押し出すよう切り換える切換手段と、収納凹部と取出通路との隙間を監視する非接触型センサと、を備えたものが望ましい。この場合も、センサで搬送障害をいち早く検出できるので、電子部品に負荷がかからない。
【0010】
供給通路と搬送治具との間に搬送障害が発生した場合、治具の回転を一々停止させていたのでは、生産効率が著しく低下する。そこで、請求項4では、治具を停止させずに搬送障害を解消する方法を提案している。すなわち、一定方向に周回駆動され、チップ型電子部品を1個ずつ収納するための側方へ開口した収納凹部を等ピッチ間隔で設けた搬送治具と、出口部が上記搬送治具の側部に近接し、チップ型電子部品を一列に整列搬送しながら上記収納凹部へ側方より供給する供給通路と、上記収納凹部と供給通路との隙間を監視する非接触型センサと、上記収納凹部と切換手段を介して接続され、チップ型電子部品を収納凹部に吸引する吸引負圧を発生する負圧源、およびチップ型電子部品を収納凹部から排出する圧空を発生する正圧源と、を備えた搬送装置であって、上記収納凹部の1つが供給通路と対応した時、上記切換手段は負圧源と空気穴とを接続して空気穴から真空吸引するステップと、上記センサが収納凹部と供給通路との隙間にチップ型電子部品が停止したことを検出した時、上記切換手段は正圧源と空気穴とを接続して空気穴から圧空を噴射するステップと、圧空噴射によって上記隙間のチップ型電子部品が供給通路へ押し戻された時、上記切換手段が負圧源と空気穴とを接続して再度空気穴から真空吸引するステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
また、搬送治具と取出通路との間に搬送障害が発生した場合には、次のようにすれば、搬送障害を解消できる。すなわち、上記搬送治具の側部に近接し、チップ型電子部品を収納凹部から側方へ取り出す取出通路と、上記収納凹部と取出通路との隙間を監視する非接触型センサと、をさらに備え、上記収納凹部の1つが取出通路と対応した時、上記切換手段は正圧源と空気穴とを接続して空気穴から圧空を噴射するステップと、上記センサが収納凹部と取出通路との隙間にチップ型電子部品が停止したことを検出した時、上記切換手段は正圧源と空気穴とを接続して再度圧空を噴射するステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明方法を用いた搬送装置の第1実施例を示す。
1は搬送治具の一例である円盤状の搬送テーブルであり、このテーブル1は図示しない駆動モータによって矢印方向に一定ピッチ間隔で間欠的に回転駆動される。テーブル1の外周部には、チップ型電子部品Cを1個ずつ収納できる収納凹部2が上記駆動ピッチと同一ピッチ間隔で多数個設けられている。
【0013】
上記収納凹部2の内周側側面には電子部品Cより空気穴3の一端部が開口している。各空気穴3の他端部は、図2に示すように正圧源4および負圧源5と電磁式切替弁6を介して接続されている。なお、正圧源4および負圧源5は全ての空気穴3に対して共通に用いられるのでそれぞれ1個で足りるが、切替弁6は個々の空気穴3に対応した個数分だけ設けられている。切替弁6は図示しない制御回路からの指令信号に基づいて正圧源4または負圧源5を空気穴3と選択的に接続する。正圧源4は電子部品Cを収納凹部2から排出する圧空を発生し、負圧源5は電子部品Cを収納凹部2に真空吸引する吸引負圧を発生する。
【0014】
テーブル1の周囲には、電子部品Cをテーブル1へ供給する供給ブロック10、電子部品Cの電気的特性を測定する複数の測定ブロック11a〜11h、分類取出を行なう取出ブロック12が設けられている。これらブロック10〜12は不動部分であり、供給ブロック10と取出ブロック12には、電子部品Cの移動姿勢を安定させる供給ガイド10aと取出ガイド12aとがそれぞれ設けられている。さらに、供給ガイド10aの上板部10bは収納凹部2の上面を覆っており、この上板部10bには、供給ガイド10aと搬送テーブル1との隙間を監視する光電センサ13が設けられている。上記上板部10bは収納凹部2の上面を覆っており、空気穴3からの吸引負圧あるいは圧空の漏れを少なくして、電子部品Cに効果的に作用させる機能を有する。同様に、取出ガイド12aの上板部12bにも、取出ガイド12aと搬送テーブル1との隙間を監視する光電センサ14が設けられている。センサとしては、光電センサ13,14に限らず、上記隙間を監視する非接触センサであれば如何なるものでもよい。
【0015】
搬送テーブル1が一旦停止した後、供給ブロック10の供給ガイド10aを通って電子部品Cが収納凹部2へ供給される。この供給に際しては、振動や圧空噴射などによって電子部品Cを供給ガイド10aから送り出すと同時に、空気穴3から真空吸引を行なうようにすれば、電子部品Cを収納凹部2へ確実に供給することができる。電子部品Cが収納凹部2へ収納された後、搬送テーブル1は図1の矢印方向に1ピッチ分回転し、以下同様の動作を繰り返す。なお、搬送テーブル1が回転する間、収納凹部2に収納された電子部品Cに対し、空気穴3から真空吸引を続けるようにすれば、収納凹部2の内周側側面に電子部品Cを吸着保持でき、電子部品Cの脱落を防止できる。
【0016】
上記供給ガイド10aから収納凹部2への供給の際、乗り移りが正常に終了せず、搬送テーブル1と供給ガイド5の隙間に電子部品Cが停止することがある。この時には、光電センサ13が電子部品Cを検知して搬送テーブル1が次の間欠送りタイミングが来ても動作しないような動作プログラムで制御する。そして、作業者あるいは図示しない取り除き装置が隙間に停止した電子部品Cを除去した後、テーブル1を再起動すればよい。このようにすれば、電子部品Cの破損や供給ガイド10aの破損といった問題を解消できる。
【0017】
供給ガイド10aがパーツフィーダのように連続的に電子部品を送り込む方式の場合、1個の電子部品Cがテーブル1の収納凹部2に収納された後、後続の電子部品Cがテーブル1と供給ガイド10aとの隙間で停止し、これを光電センサ13が検出してしまう恐れがある。そこで、収納凹部2に入った電子部品Cと後続の電子部品Cとを分離させる機構を設けるのが望ましい。図3はその一例を示し、供給ガイド10aの出口近傍の底部に出没自在なピン15を設け、1個の電子部品Cが通過した後、このピン15が突出して後続の電子部品Cを阻止するようにしたものである。このピン15はテーブル1の間欠回転に同期して上下に往復駆動させるのがよい。
【0018】
搬送テーブル1と取出ガイド12aとの間でも、上記と同様の動作を行なうことができる。すなわち、図4に示すように測定が終了した電子部品Cが取出ガイド12aの位置に到達すると、搬送テーブル1が停止している期間中に空気穴3から圧空を噴射し、収納凹部2内の電子部品Cを取出ガイド12aへ取り出すことができる。この時、取出が不十分で電子部品Cが搬送テーブル1と取出ガイド12aとの隙間に停止した場合には、光電センサ14がこの電子部品Cを検知し、搬送テーブル1が次の間欠送りタイミングが来ても動作しないように制御する。そして、この電子部品Cを除去した後、テーブル1を再起動させることができる。
【0019】
なお、取出ブロック12をテーブル1の周囲の一箇所にのみ設けたが、複数箇所に設けてもよい。すなわち、測定ブロック11a〜11hによって電気的特性を測定した後、その結果に応じて電子部品Cを分類して取り出せるように、複数の取出ブロック12を設けてもよい。この場合、各取出ガイド12aに設けられる光電センサ14は、電子部品Cの通過個数確認用として使用することもできる。
【0020】
上記説明において、供給ブロック10に設けられた光電センサ13により検出された電子部品C自身が規格より大きな異常寸法である場合は、光電センサ13がこれを検出することで設備を緊急停止させればよいが、電子部品C自身に異常がないのにトラブルが発生した場合には、設備を停止させることなく、次のような搬送障害除去方法を実行するのが望ましい。
【0021】
ここで供給ブロック10における搬送障害除去方法、つまり搬送障害が発生した場合に装置を自動復帰させる方法を、図5にしたがって説明する。
制御がスタートすると、まず供給ブロック10に対応した収納凹部2の空気穴3より真空吸引を行ない(ステップS1)、ついで光電センサ13が異常を検出したか否かを判定する(ステップS2)。異常を検出しない場合には、電子部品Cが収納凹部2に正常に収納されたと判定し、テーブル1を駆動させる(ステップS3)。
【0022】
一方、ステップS2において、異常を検出した場合には、空気穴3より圧空を噴射し、搬送テーブル1と供給ガイド10aの隙間に停止している電子部品Cを供給ガイド10a方向へ押し戻す(ステップS4)。そして、再度真空吸引を行い(ステップS5)、電子部品Cを収納凹部2に引き込む。そこで、再度光電センサ13が異常を検出したか否かを判定する(ステップS6)。
【0023】
ステップS6の判定で異常が検出されなければ、搬送障害が除去されたと判断し、テーブル1を駆動させる(ステップS3)。一方、ステップS6の判定で異常が検出された場合には、搬送障害の原因が電子部品C自身の異常寸法によるものであると判断し、搬送テーブル1をトラブル停止させる(ステップS7)。
【0024】
なお、図5では2回の異常検出が行なわれた場合に、トラブル停止させるようにしたが、トラブル停止の異常検出回数は2回に限らず、3回以上に設定してもよい。電子部品Cの寸法異常の発生頻度が高い場合には、異常検出回数を少なくし、電子部品Cの寸法異常の発生頻度が低い場合には、異常検出回数を多くするのが望ましい。これによって、出来るだけ自動復帰を行なわせ、設備のトラブル停止回数を減少させて、生産性を向上させることができる。
【0025】
図6は取出ブロック12における搬送障害除去方法を示す。
制御がスタートすると、まず取出ブロック12に対応した収納凹部2の空気穴3より圧空噴射を行ない(ステップS8)、ついで光電センサ14が異常を検出したか否かを判定する(ステップS9)。異常を検出しない場合には、電子部品Cが収納凹部2から正常に取り出されたと判断し、テーブル1を駆動させる(ステップS10)。
【0026】
一方、ステップS9において、異常を検出した場合には、空気穴3より再度圧空を噴射し(ステップS8)、搬送テーブル1と取出ガイド12aの隙間に停止している電子部品Cを取出ガイド12a方向へ押し出す。このようにして、異常が解消されるまで圧空噴射を繰り返すことで、自動復帰させる。
【0027】
上記のように取出ブロック12では、光電センサ14によるトラブル検出のうち、電子部品Cの異常寸法によるトラブルは供給ブロック10で取り除かれているので、それ以外のトラブルのみが検出される。したがって、設備をトラブル停止させることなく、自動復帰させることができる。
【0028】
図7,図8は搬送治具としてタイミングベルト20を用いた例を示す。
タイミングベルト20は、ゴムなどの柔軟な弾性材料で形成され、外周面には電子部品Cを1個ずつ収容できる収納凹部21が一定ピッチ間隔で設けられている。タイミングベルト20の両側面および下面がレール22によってスライド自在にガイドされ、電子部品Cの落下を防止している。タイミングベルト20の内周面には内歯23が形成され、この内歯23を図示しないプーリの周面に設けた外歯とかみ合わせることにより、高精度に間欠搬送することができる。
【0029】
図8に示すように、レール22の一部には切欠部22aが形成され、この切欠部22aに供給ガイド10aの出口部が配置され、供給ガイド10aからベルト20の収納凹部21へ電子部品Cを供給する。供給ガイド10aの上板部10bはベルト20の上面を覆っており、この上板部10bには、供給ガイド10aの出口部とベルト20との隙間で停止する電子部品Cを監視する光電センサ13が設けられている。レール22の側壁には空気穴24が設けられ、この空気穴24は正圧源4および負圧源5と電磁式切替弁6を介して接続されている。
なお、取出部の構造については図8と同様であるため、省略する。
この実施例の場合も、先の実施例と同様に、センサ13で供給ガイド10aの出口部とベルト20との隙間で停止する電子部品Cを監視しているので、電子部品Cに負担を掛けずに搬送障害を即座に検出できる。
【0030】
搬送治具としては、搬送テーブルやタイミングベルトのほか、周回駆動されるものであれば適用可能である。
第1実施例では、搬送テーブルの周囲に供給ガイドと測定ブロックと取出ガイドとを設けた例について説明したが、取出位置にテーピング装置やケース詰め装置などを配置し、搬送テーブルの収納凹部から電子部品をそのままキャリヤテープあるいはケースへ取り出す場合には、取出ガイド(取出通路)を省略することが可能である。
第1実施例では、搬送テーブルの回転途中で電子部品の電気的特性の測定を行なうようにしたが、測定に代えて印刷やその他の作業を行なってもよいし、単に搬送のみを行なうものでもよい。
搬送テーブルの場合、収納凹部の構造は実施例のように底面と円周方向両側面と内周側側面とで構成されたものに限らず、特公平2−20490号公報に示されるように、外周部に切欠部を有する回転体と、不動体である底板とで構成してもよい。ただ、実施例のような収納凹部とした場合には、電子部品が不動体と摺動しないので、損傷を受けず、しかも空気穴を内周側側面に設けることで、電子部品に吸引負圧および圧空を効果的に作用させることができる。
本発明の対象とするチップ型電子部品はチップ型のセラミックコンデンサ、チップ抵抗、チップ型圧電部品など如何なる電子部品であってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、供給通路から搬送治具の収納凹部にチップ型電子部品を収納する際、その途中で停止した電子部品をセンサによっていち早く検出するようにしたので、電子部品が供給通路と搬送治具との間に噛み込むのを防止でき、供給通路、搬送治具、電子部品などの破損を防止できる。また、センサは非接触型のセンサであるから、電子部品に負荷をかけない。また、供給通路または取出通路と搬送治具との間に電子部品が停止してしまった場合、これをセンサで検出し、搬送治具の収納凹部に設けられる空気穴から真空吸引あるいは圧空噴射を行なうことで、搬送障害を除去するようにしたので、装置を停止させずに自動復帰させることが可能となる。したがって、生産性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる搬送装置の第1実施例の概略平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2の部分の変形例の断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】供給部の搬送障害除去プログラムのフローチャート図である。
【図6】取出部の搬送障害除去プログラムのフローチャート図である。
【図7】搬送装置の第2実施例の斜視図である。
【図8】図7の搬送装置の供給部の断面図である。
【符号の説明】
1 搬送テーブル
2 収納凹部
3 空気穴
4 正圧源
5 負圧源
6 切換弁
10a 供給ガイド(供給通路)
12a 取出ガイド(取出通路)
13,14 センサ
Claims (5)
- 一定方向に周回駆動され、チップ型電子部品を1個ずつ収納するための側方へ開口した収納凹部を等ピッチ間隔で設けた搬送治具と、
出口部が上記搬送治具の側部に近接し、チップ型電子部品を一列に整列搬送しながら上記収納凹部へ側方より供給する供給通路と、
上記収納凹部の内側面に開口し、上記供給通路を搬送されたチップ型電子部品のうち先頭の電子部品を収納凹部に引き込むため負圧源と接続された空気穴と、
上記収納凹部と供給通路との隙間を監視する非接触型センサと、を備えたことを特徴とするチップ型電子部品の搬送装置。 - 上記供給通路の出口部近傍に設けられ、先頭の電子部品が収納凹部に収納された後、2番目の電子部品の収納凹部方向への動きを規制する停止手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のチップ型電子部品の搬送装置。
- 上記搬送治具の側部に近接し、チップ型電子部品を収納凹部から側方へ取り出す取出通路と、
上記収納凹部が上記取出通路と対応した時、上記空気穴を正圧源と接続し、圧空によって上記収納凹部内のチップ型電子部品を取出通路へ押し出すよう切り換える切換手段と、
上記収納凹部と取出通路との隙間を監視する非接触型センサと、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のチップ型電子部品の搬送装置。 - 一定方向に周回駆動され、チップ型電子部品を1個ずつ収納するための側方へ開口した収納凹部を等ピッチ間隔で設けた搬送治具と、
出口部が上記搬送治具の側部に近接し、チップ型電子部品を一列に整列搬送しながら上記収納凹部へ側方より供給する供給通路と、
上記収納凹部と供給通路との隙間を監視する非接触型センサと、
上記収納凹部と切換手段を介して接続され、チップ型電子部品を収納凹部に吸引する吸引負圧を発生する負圧源、およびチップ型電子部品を収納凹部から排出する圧空を発生する正圧源と、を備えた搬送装置であって、
上記収納凹部の1つが供給通路と対応した時、上記切換手段は負圧源と空気穴とを接続して空気穴から真空吸引するステップと、
上記センサが収納凹部と供給通路との隙間にチップ型電子部品が停止したことを検出した時、上記切換手段は正圧源と空気穴とを接続して空気穴から圧空を噴射するステップと、
圧空噴射によって上記隙間のチップ型電子部品が供給通路へ押し戻された時、上記切換手段が負圧源と空気穴とを接続して再度空気穴から真空吸引するステップと、を有することを特徴とするチップ型電子部品の搬送障害除去方法。 - 上記搬送装置は、
上記搬送治具の側部に近接し、チップ型電子部品を収納凹部から側方へ取り出す取出通路と、
上記収納凹部と取出通路との隙間を監視する非接触型センサと、をさらに備え、
上記収納凹部の1つが取出通路と対応した時、上記切換手段は正圧源と空気穴とを接続して空気穴から圧空を噴射するステップと、
上記センサが収納凹部と取出通路との隙間にチップ型電子部品が停止したことを検出した時、上記切換手段は正圧源と空気穴とを接続して再度圧空を噴射するステップと、を有することを特徴とする請求項4に記載のチップ型電子部品の搬送障害除去方法。
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