JP3812673B2 - 発光標識用の面光源装置 - Google Patents
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Description
内照式の標識や看板、とりわけ内照式道路標識においては、板面照度のムラが無くて、眩(まぶ)しさを感じさせないこと、並びに、保安が容易で、光源の寿命の長いことが求められる。
大形の内照式標識や看板の表示面を均一に発光させるため、導光板が用いられる。
図6は、導光板と光源とを描いた模式的な正面図であって、(A)は比較的古いタイプを示している。
導光板(1)の縁に、矢印a,a…のように光束を投射するため、蛍光管(2)が設けられている。
このLED式面光源装置を、前掲の(A)図の蛍光灯式に比較すると、
蛍光管1に代えて多数の発光ダイオード3,3,3…が列設されている。これに関連する技術として、広島工業大学紀要研究編第36巻(2002)pp9−12論文「太陽電池式白色LED内照型道路標識の開発」が公知である。
また、LED式面光源に太陽電池およびパルス点灯制御回路を組み合わせて商用電源の供給を不要にした技術「面発光標示盤および標識装置」が、特開2003−195792号公報「面発光表示盤および標識装置」に掲載されている。
しかし、多数の発光ダイオードを整列させて設置し、かつ着脱を容易ならしめるための具体的で実用的な光源装置は未だ開発されていない。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、
簡単な構造で、多数の発光ダイオードを導光板に対して正確に配列させることができ、しかも、導光板に対して迅速容易に着脱することができ、発光ダイオードの経年劣化を抑制し得て、
さらに、発光ダイオードから出射された光束の有効利用率の高い発光標識用の面光源装置を提供するにある。
断面H形の柱状ソケットを具備し、H形の平行2辺に相当する1対の平行な平板状部をフランジと呼び、これに直交する中央の平板状部をウェブと呼んで、
上記のウェブに、発光ダイオード用の多数の保持孔が長手方向に列設されるとともに、
上記多数の保持孔のそれぞれに発光ダイオードが1個ずつ挿入されて装着されていて、
前記一対のフランジの間に導光板が嵌合されていて、該導光板の端面がウェブの片側の面に当接しており、
前記ウェブの、導光板に当接する側の面の反対側の面に沿って、該ウェブとフランジとに囲まれた空間内に給電用の回路基板が配置されており、
前記発光ダイオードの端子が上記回路基板を貫通してハンダ付けされ、H形ソケットのフランジに挟まれている空間から突出しない範囲内で延出せしめられ、
該延出部分が放熱器として機能するようになっていることを特徴とする。
多数の発光ダイオードを装着された断面H形柱状のソケットの一対のフランジの間に、導光板の縁を嵌合させると、該多数の発光ダイオードが導光板に対して正確に、かつ確実に配列され、多数のダイオードを導光板に対して迅速容易に着脱することができる。
その上、給電用の回路基板がH形ソケットのフランジによって保護されていて、外部障害物の衝撃を受けて破損したり、導電性異物の接触を受けてショートしたりする虞れが無い。
さらに、発光ダイオードの端子が上記回路基板を貫通して、H形ソケットのフランジに
保護された状態で延出していて放熱効果が果たされる。
その上、給電用の回路基板がH形ソケットのフランジによって保護されていて、外部障害物の衝撃を受けて破損したり、導電性異物の接触を受けてショートしたりする虞れが無い。
さらに、発光ダイオードの端子が上記回路基板を貫通して、H形ソケットのフランジに
保護された状態で延出していて放熱効果が果たされる。
符号1を付して示したのは透過性の良いアクリル製の厚板(t=8mm)製の導光板である。
図示を省略したが、必要に応じて網点印刷・レーザー加工またはスリット加工によって標識模様を形成してある。
H形ソケット4は断面H形の柱状であり、譬えて言えばH型鋼と類似の立体形状(H形柱)である。説明の便宜上、H型鋼における呼称に準じて(図示のごとく)一対の平行板状部をフランジ4a,4bと名付ける。そして、該一対のフランジを連結している(フランジに対して直角な)細長い平板状の部分をウェブ4bと名付ける。
上記一対のフランジ4a,4bの間隔寸法は、前記導光板1の厚さ寸法に対して緩やかに嵌合するように設定してある。すなわち、着脱操作に必要な程度のクリアランスを与えてある。
上記のような構成であるから、H形ソケット4の保持孔5を正確に配設しておけば、該H形ソケット4の溝状部を導光板1の縁に嵌合させて組み付けることによって、多数の発光ダイオード3が導光板1に対して正確に配列される。
また、多数の発光ダイオード3を挿入して保持したH形ソケットを導光板1から取り外すと、多数の発光ダイオード3が迅速容易に、一挙に導光板1から取り外される。
以上のようにして、多数の発光ダイオードの着脱交換作業も点検清掃作業も、少ない人手で行なうことができ、しかも作業員に格別の熟練を要しない。従って、メンティナンス性が良く、保守コストが低廉である。
本図2(A)に示すごとく、H形ソケット4のウェブ4bに列設された保持孔5のそれぞれに発光ダイオード3が挿入されていて、該発光ダイオードの端子は回路基板6にハンダ付け7されている。
上記回路基板6は、前記H形ソケット4のウェブ4bの「導光板1に対向している側と反対側の面」に沿って、これと平行に設置されている(本図2において、ウェブ4bが導光板に対向していてる面は上側の面であり、その反対側の面は下側の面である)。
発光ダイオード3の端子3aは、回路基板6を貫通して下方に延出している。
これにより、該端子3aが放熱器として作用し、発光ダイオード3の温度上昇を抑制して過熱を防止する。
このような現象に着目すれば、本発明の適用によって発光ダイオード3の過熱が防止されることによって透明合成樹脂の劣化進行が抑制され、透明度の維持時間が延長されることが、合理的に期待される。これによって、構成部材としての発光ダイオードの耐久性を向上せしめられる。
上記のハンダ付け7によって、H形ソケット4に対する発光ダイオード3の機械的支持と電気的接続とが一挙に行なわれ、生産性が良い上に、導光板1に対する発光ダイオードの着脱交換および点検清掃が迅速容易に行なわれる。発光ダイオードの数は非常に多い(数百個)が、取り外された発光ダイオードが清掃中に紛失する虞れが無く、メンティナンス性に優れている。
例えば高速道路の標識などのように、24時間連続使用されて休止期間が無く、数分間の表示消失も許されない面光源装置を定期点検整備する場合であっても、予備のH形ソケットに発光ダイオードを取り付けて準備しておくことによって、大型の面発光標識に装着されている数百個の発光ダイオードを、きわめて迅速に(熟練すれば秒単位で)着脱交換することができる。
この際、端子3aの先端が「一対のフランジ4a,4bによって挟まれた空間」から突出しないように留意することが望ましい。その理由は、端子が長すぎると他の物体に触れてショートしたり変形したりする虞れが有るからである。
1個の導光板1に対して1個の長尺のH形ソケットを対応させて取り付けると、その着脱交換が1回の操作で完了するから好都合である。
しかし、本図3の実施例では、敢えて4個のH形ソケット4A,4B,4C,4Dを構成して、これら4個のH形ソケットを1列に並べて取り付けてある。
H形ソケットの主たる役目は多数の発光ダイオード(本図において図示省略)を配列して支持することであるが、派生的な役目として導光板1の重量を支持しなければならない場合が多い。そのようなとき、本図3の実施例が好適である。
いま仮にH形ソケット4Bを、仮想線で示した4B′のように取り外しても、導光板1の重力荷重は残り3個のH形ソケット4A,4C,4Dで支持される。このため、別段の仮支持手段を講じなくても支障を来たさない。
発光ダイオードの点検清掃に一々外装板の全部を脱着していては面倒なので、なるべく外装板の一部分だけ取り外してH形ソケットの脱着交換を行ないたい。
そのためには、H形ソケットを回転させながら引き出す形に障害物を躱(かわ)しながら、狭い隙間を通過させたい。
このような場合は、次に示す実施例が好適である。
図において左が発光標識の正面側、右が背後側である。一対のフランジを図示のように前側フランジ4d、および後側フランジ4eと呼ぶ。
符号Wfは前側フランジ4dの幅寸法である。この図をみると、幅寸法ではなくて高さ寸法であるように感じられるが、前側フランジ4dは図の奥行き方向に長さを有する細長い平板状の部材であるから、これを立体的に考察すると、このWfは幅寸法である。同様に、符号Wbは後側フランジ4eの幅寸法である。
符号※を付して示したのは「前側フランジ4dの、導光板側の片」である。この片の二つの角(立体的に考えると稜線)の内で、導光板1に接している方の角に丸みr(いわゆるアール)を付してある。これによって、矢印Fのように回しながらの取り外し、取り付けが一層容易になる。
発光ダイオード3を挿入する保持孔は、ネガチブな直円柱面であっても良く、また本図
4のように導光板1に向かって開くテーパ孔であっても良い。
先に述べたように、導光板1の材質は透明アクリル樹脂である)。
本発明を実施する際、H形ソケットの材質は、導光板1の材質と同様ないし類似に選定することが望ましい。
すなわちH形ソケットの光学的性質、特に屈折率を、導光板とほぼ等しくすることが望ましい。
そして、色調は白色とする。次に、その理由を述べる。
(イ) 発光ダイオードは、主投光方向のみでなく側方に向けても光束を出射する。
そこで、いま仮にH形ソケットが無色透明であったとすると、側方に出射された光束はH形ソケットを透過して無効光になってしまう。
(ロ) H形ソケットが白色であると、発光ダイオードから側方に出射した光束が該H形ソケットに入射し、散乱されて一旦は迷光となる。この迷光の内の少なからぬ部分が導光板に向かう。
(ハ) 「導光板とH形ソケットとが接している面」に到達した光は、屈折したり反射したりするが、双方の屈折率が等しい場合は反射される割合が少なく、かつ、マクロ的には屈折しないで導光板に入射する。
以上に述べた理由によって、H形ソケットを導光板に類似の材質とし、かつ乳白色とすることによって、「発光ダイオードから出射した光束」の有効利用率を向上せしめることができる。
2…蛍光管
3…発光ダイオード
3a…端子
4…H形ソケット
4a…フランジ
4b…ウェブ
4c…フランジ
4A〜4B…H形ソケット
4d…前側フランジ
4e…後側フランジ
5…保持孔
6…回路基板
7…ハンダ
a…照明光の方向を表す矢印
b…導光板の嵌合組みつけ方向を表す矢印
F…H形ソケットの取り外し方向を表す矢印
Wb…後側フランジの幅寸法
Wf…前側フランジの幅寸法
Claims (1)
- 断面H形の柱状ソケットを具備し、H形の平行2辺に相当する1対の平行な平板状部をフランジと呼び、これに直交する中央の平板状部をウェブと呼んで、
上記のウェブに、発光ダイオード用の多数の保持孔が長手方向に列設されるとともに、
上記多数の保持孔のそれぞれに発光ダイオードが1個ずつ挿入されて装着されていて、
前記一対のフランジの間に導光板が嵌合されていて、該導光板の端面がウェブの片側の面に当接しており、
前記ウェブの、導光板に当接する側の面の反対側の面に沿って、該ウェブとフランジとに囲まれた空間内に給電用の回路基板が配置されており、
前記発光ダイオードの端子が上記回路基板を貫通してハンダ付けされ、H形ソケットのフランジに挟まれている空間から突出しない範囲内で延出せしめられ、
該延出部分が放熱器として機能するようになっていることを特徴とする、発光標識用の面光源装置。
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