JP3809270B2 - 対物レンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は対物レンズに関し、特に負の屈折力の前群と正の屈折力の後群より成るレトロフォーカス型を採用し、広画角化を図りつつ、射出瞳を像面から遠く離したデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、放送用カメラ、写真用カメラ等の撮影系に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの画像入力機器としてデジタルスチルカメラが普及しつつある。このデジタルスチルカメラではCCD等の固体撮像素子からの出力信号をAD変換して画像データとし、これをJPEG等の圧縮処理を行い、フラッシュメモリー等の記録媒体に記録するといった処理が一般的に行われている。このようにして記録された圧縮データはコンピュータ上で展開された後、モニタ等に表示される。
【0003】
このようなデジタルスチルカメラにおいては、近年撮影画像の高精細化と撮影装置の小型化が課題となっており、それに伴い撮影系には高解像力と小型化の両立が求められている。特に携帯性を重視して薄型のカメラとするには、撮影系にはレンズ全長の短縮化が要求されている。レンズ全長を短縮するにはできるだけレンズ構成枚数の少ない対物レンズを用いると有利である。
【0004】
また、広角系(広画角系)の対物レンズとしては負の屈折力の前群と、正の屈折力の後群で構成されるレトロフォーカス型の対物レンズが多数知られている。特にレンズ構成枚数が少ないレトロフォーカス型の対物レンズとしては、上記前群を1枚の負レンズで構成したものが提案されている。
【0005】
このように前群を1枚の負レンズで構成したレトロフォーカス型の対物レンズとして、例えばUSP5、418、649には物体側から順に負レンズ、正レンズ、正レンズの3群3枚構成が、USP5、418、649の別の実施例では物体側から順に負レンズ、正レンズ、正接合レンズの3群4枚構成が、特公平7−122692号公報には物体側から順に負レンズ、正レンズ、正レンズ、正レンズの4群4枚構成が、特公平5−37288号公報には物体側から順に負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズの4群4枚構成が、特公平5−20724号公報には物体側から順に負レンズ、正レンズ、正レンズ、負レンズの4群4枚構成が、特公昭61−46807号公報には物体側から順に負レンズ、正レンズ、正レンズ、正接合レンズの4群5枚構成が、特公昭58−7号公報、特開平9−189856号公報には物体側から順に負レンズ、正レンズ、負接合レンズ、正レンズの4群5枚構成が、USP4、146、304には物体側から順に負レンズ、正レンズ、正接合レンズ、正レンズの4群5枚構成が、USP4、674、844には物体側から順に負レンズ、正レンズ、正接合レンズ、負レンズの4群5枚構成が、特公昭60−32165号公報には物体側から順に負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズ、正レンズの5群5枚構成が開示されている。いずれもレトロフォーカス型であり、負の前群と正の後群より成っている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
固体撮像素子を用いた撮影系では、像面から射出瞳までの距離が短いと軸外光線の受光面への入射角が大きくなるため、シェーディング等の問題が発生する。よってこのような撮像素子に用いる対物レンズは、射出瞳が像面より十分に離れているテレセントリックな光学系とする必要がある。具体的には、対物レンズを光軸と撮影画角に相当する角度をなして入射した軸外主光線が光軸と略平行となって結像面に至るように構成するのが良い。撮影画角が広画角となる程、光軸と平行となるまで軸外主光線を屈曲するために必要な屈折力は強まる。
【0007】
一般的に、絞りより物体側のレンズ群を負の屈折力とし、絞りより像面側のレンズ群を正の屈折力とすると軸外主光線の光軸となす角度を小さくする、すなわち平行に近づけるのに有利となる。即ち、レトロフォーカス型の対物レンズにおいては、一般的に絞りより物体側に負の屈折力の前群が配置されるため、この前群により軸外主光線の光軸となす角度を小さくすることができる。正の後群においては絞りより像面側の正レンズにより軸外主光線の光軸となす角度を小さくすることができる。レトロフォーカス型の光学系は前群、後群ともに射出瞳を像面から離す効果があるため、撮影画角が広画角な場合は大変効果的である。
【0008】
さらに、レンズ全長を短縮して射出瞳を像面より十分に離すには、少なくとも後群の最終レンズは正レンズとすることが良い。さらに好ましくは最終レンズの直前のレンズの像面側の面は凸面であるのがよい。このようにすると軸外主光線を屈曲させる作用を最終レンズを含め三つのレンズ面で分担できるため、最終レンズの屈折力が極端に強くならずにすむ。最終レンズの屈折力が強すぎると樽型の歪曲収差および非点収差が発生するためよくない。
【0009】
以上より、撮影画角が広画角でレンズ全長を短縮しテレセントリックな対物レンズとするには、全系をレトロフォーカス型とし、負の前群を第1レンズのみ、正の後群の最終レンズを正レンズとするのが効果的であり、好ましくは最終レンズの直前のレンズの像面側の面は凸面であるのがよい。
【0010】
さらに、像面の平坦性を良好にするにはペッツバール和をある程度小さくすることが必要である。前記後群中に負の屈折力がない場合、ペッツバール和を小さくするには前群の第1レンズの屈折力をかなり強める必要がある。第1レンズの屈折力をこのように強めると、結果として非常に大きな樽型の歪曲収差が発生する。デジタルスチルカメラを含む一般的なカメラにおいては大きな歪曲収差は問題である。後群に負の屈折力を有する場合は、後群内のペッツバール項をある程度コントロールすることができる。レンズ1枚で構成される前群のペッツバール項は群内で補正されないので、前群を補正するように後群のペッツバール項を設定すればよい。よって良好な像面特性を得るには、後群には少なくとも凹レンズを1枚もしくは負の屈折力を有する接合レンズを1群有することが必要である。
【0011】
特公平5−20724号公報、USP4、674、844の構成は最終レンズが正レンズでないため、バックフォーカスを短縮した場合に射出瞳を像面から十分離せないという課題がある。
【0012】
USP5、418、649の3群3枚構成、特公平7−122692号公報の構成では後群に凹レンズがないためペッツバール和を小さくしながら、射出瞳を像面から十分離せないという課題がある。
【0013】
USP5、418、649の3群4枚構成、特公昭61−46807号公報、USP4、146、304の構成では後群中に負レンズを有するが、これは正の接合レンズを構成するものである。色収差に関してはこの負レンズは効果があるが、ペッツバール和を小さくしながら射出瞳を像面から十分離せないという課題がある。
【0014】
特公平5−37288号公報では後群に独立した負レンズを有している。しかしながら負レンズは最終レンズの直前のレンズであり、像面側の面は凹面のため最終レンズの屈折力をかなり大きくしないと射出瞳を像面から十分に離すことができない。特公平5−37288号公報の構成では最終レンズの屈折力が射出瞳を像面から十分に離す程強くはなっていない。また、射出瞳を像面から十分に離すために最終レンズの屈折力を極端に強くすると樽型の歪曲収差、非点収差が発生するためよくない。特公昭58−7号公報の構成においても最終レンズの直前に位置する負の接合レンズが像面側に強い凹面を有するメニスカス形状となっており同様の課題を有する。
【0015】
また、特開平9−189856号公報においては接合レンズが像面側に凸面を向けた構成ではあるが、画角が48°程度であり広画角な対物レンズには対応していない。また、第1群と第2群の合成系の屈折力が弱いためレンズバックが長く、光軸方向にコンパクトなカメラを構成できない。
【0016】
特公昭60−32165号公報の構成においてはこれらの課題はない。しかしながら、負の第3レンズと正の第4レンズ間の空気間隔の各収差に対する敏感度が大きいという課題を有する。特に球面収差と像面彎曲に対する敏感度の符号が異なるため、上記空気間隔が設計値よりずれると設計上のベストピント面に対し画面中心、画面周辺のベストピント位置は光軸方向で逆方向にずれる。結果として像面彎曲が発生し、画面中心にピントを合わせた場合は画面周辺では解像力不足となる。これを防ぐには製造において上記空気間隔に対する公差を非常に厳しく管理する必要があり、製造コストアップにつながるためよくない。
【0017】
本発明はレンズ構成を適切に設定することにより撮影画角の広画角化、及びレンズ全長の短縮化を図りつつ射出瞳を像面より遠く離したテレセントリックな撮影画角50〜94度程度、Fナンバー2.5程度で画面全体の諸収差を良好に補正した高い光学性能を有した対物レンズの提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の対物レンズは、
物体側から順に、像面側に凹面を向けたメニスカス状の負の第1レンズより成る第1群、正の第2レンズより成る第2群、物体側に凹面を向けた負の第3レンズと像面側に凸面を向けた正の第4レンズとを接合した接合レンズより成る全体として負の屈折力の第3群、そして正の第5レンズより成る第4群の4つのレンズ群から成り、
該第1群と該第2群との間、又は該第2群と該第3群との間に絞りを有し、
該第i群の焦点距離をfi、該第1群と第2群の合成の焦点距離をf12、全系の焦点距離をfとしたとき
0.7<|f1|/f<3.0 ‥‥‥(1)
0.7< f4 /f<3.0 ‥‥‥(2)
0.8< f12/f<2.5 ‥‥‥(3)
を満足することを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の対物レンズの基本構成の説明図である。図2〜図8は本発明の後述する数値実施例1〜7のレンズ断面図、図9〜図15は本発明の数値実施例1〜7の諸収差図である。図1において101は負の屈折力の前群、102は正の屈折力の後群である。前群101は負の屈折力の第1群103を有し、後群102は正の屈折力の第2群104、負の屈折力を有する第3群105、そして正の屈折力の第4群106とを有している、107は水晶ローパスフィルター、赤外カットフィルター等で構成されるフィルター群(ガラスブロック)である。SPは絞りであり、第1群103と第2群104との間、又は第2群104と第3群105との間に設けている。108は結像面、109は軸上光束、110は軸外光束、111は軸外光束110の主光線、112、113は軸外光束110のマージナル光線であり、光線112は上線、光線113は下線を表す。
【0020】
本発明の対物レンズは物体側より順に、負の屈折力の前群101と正の屈折力の後群102で構成されるレトロフォーカス型のレンズ構成である。負の屈折力の第1群103は像面側に凹面を向けたメニスカス状の負の第1レンズのみから成っている。正の屈折力の第2群104は、物体側のレンズ面が凸面の正の第2レンズより成っている。負の屈折力の第3群105は、負の第3レンズと正の第4レンズとを接合し、全体として凹面を物体側に向けたメニスカス形状の接合レンズより成っている。正の屈折力の第4群106は1つの両レンズ面が凸面の正の第5レンズで構成している。対物レンズの全系は4群5枚で構成している。
【0021】
前述のように、撮影画角を広画角として射出瞳を像面より十分離すには全系をレトロフォーカス型とするのがよい。またレンズ全長を短縮するにはレンズ枚数を最小限とするのがよく、本発明では負レンズ1枚で構成される前群101と、最終レンズを正の第5レンズとした後群102で構成している。また、最終レンズの屈折力を極端に強めず射出瞳を像面より離すために、最終レンズの直前のレンズである負の接合レンズは像面側の面を凸面としている。
【0022】
また、像面特性を良好とするために後群102中に負の接合レンズを配置している。前群101はレンズ1枚のため群内ではペッツバール和に対する補正がなされていない。よって後群102中に負の屈折力を設定することで前群101と後群102でキャンセルして全系でペッツバール和を小さくしている。
【0023】
また、物体側から順に負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズ、正レンズの5つのレンズのうち物体側から数えて第3番目と第4番目のレンズを貼り合わせて接合レンズとして偏芯敏感度の高い空気間隔部がない構成としている。これによって、全系を通して製造誤差、組み立て誤差等による結像性能の劣化を防止している。
【0024】
また、本発明の対物レンズは第1群103と第2群104の間、もしくは第2群104と第3群105の間に絞りSPを設けている。射出瞳を像面から離すにはレトロフォーカス型の前群は絞りSPより物体側に配置されるのが好ましく、本発明の対物レンズでは絞りSPは第1群より像面側に配置している。また第3群と第4群の間に絞りを配置すると、レンズ全長を短縮しながら射出瞳を像面から離すために第4群の屈折力を過度に強くする必要があり、この結果、ペッツバール和を小さくすることができない。そこで、レンズ全長の短縮と射出瞳を像面から遠く離す為に絞りSPを第1群と第2群の間、もしくは第2群と第3群の間に配置している。
【0025】
また、第1レンズは像面側に凹面を有するメニスカスレンズとしている。射出瞳を像面から遠く離すには軸外主光線を屈曲させる作用を第1レンズにある程度持たせる必要がある。よって、第1レンズにはある程度の負の屈折力が必要であるが、結果として第1レンズにおいて樽型の歪曲収差が発生しやすい。この歪曲収差の発生を最小限とするには、軸外光束の主光線がレンズ面へ入射する角度を最小とすると効果がある。例えばコンセントリックな曲率半径とすれば軸外光線の入射角度を0とできるが、これでは前述のようなある程度の負の屈折力を有することができない。よって本発明の対物レンズではコンセントリックな形状に対して物体側の面は曲率半径を大きく、像面側の面は曲率半径を小さくして負の屈折力を強めるものの、像面側に強い凹面を有するメニスカス形状を維持して歪曲収差の発生を最小限としている。そして、これをキャンセルするように後群102にて収差補正を行っている。
【0026】
また、本発明の対物レンズは最終レンズである第4群106の少なくとも1つのレンズに非球面を用いることにより、さらにレンズ全長を短縮して良好な結像性能を得ている。上記4群5枚構成では球面レンズだけでは射出瞳を像面から十分に離してレンズ全長を短縮するには限界がある。それは射出瞳を像面から十分に離してレンズ全長を短縮するには特に最終レンズの屈折力を強めなければならず、これにより樽型の歪曲収およびアンダーの像面彎曲が生じる。本発明の対物レンズは最終レンズに非球面を用いることで、諸収差を補正しながら球面レンズのみの構成よりもさらにレンズ全長の短縮を容易としている。
【0027】
最終レンズに非球面を設定する場合、樽型の歪曲収差を補正するには光軸から周辺に向かって収斂作用が弱まるような形状とすると効果がある。これは凸面においては曲率が緩くなるような形状である。このようにすると、レンズ面の曲率、光線の入射角ともに軸外光線に対して屈曲を弱めるよう働き、この結果、樽型の歪曲収差が補正される。また、軸外光束に対しては結像作用が弱まるためアンダーの像面彎曲を補正する方向にある。よって、本発明の対物レンズでは最終レンズにこのような非球面を用いることでレンズ全長を短縮しながら歪曲収差と像面彎曲をともに補正している。なお、上記非球面形状により光軸付近に対して周辺の屈折力は相対的に弱まるが、非球面導入により第4群の屈折力そのものは強められるため射出瞳を像面から十分に離したまま収差補正が可能である。
【0028】
さらに、本発明の対物レンズは第2群に少なくとも1つの非球面を用いることで、広画角としながらレンズ全長を短縮した場合でもさらに良好な結像性能を実現している。軸外光束は第1群にて屈曲した後、第2群に主光線が光軸とある角度をもって入射する。このとき第2群のレンズ面がコンセントリックな曲率でないとコマ収差が発生する。そこで、広画角の場合は第2群の物体側のレンズ面を比較的小さな曲率半径とすることでコマ収差の発生を低減している。また、軸上光束においては第1群の像側の凹面にてオーバーの球面収差が発生する。第2の物体側のレンズ面を凸面とすればアンダーの球面収差が発生し、第1群で発生する球面収差を補正できる。しかしながら、広画角としてコマ収差補正のために第2群の物体側レンズ面の曲率をきつくすると第2群にて必要以上にアンダーの球面収差が発生する。第3群の凹面ではオーバーの球面収差が発生するが第2群でのアンダーの度合いが大きいとこれを補正しきれず全系にて補正不足となる。そこで、本実施形態では第2群に光軸から周辺に向かって収斂作用が弱まるような非球面を設定することで、アンダーの球面収差を補正している。軸上ランド光線は第2群のいずれの面においても光軸から離れた位置で屈曲するため、球面収差を補正するための非球面は第2群のいずれのレンズ面においても有効である。
【0029】
また、撮影画角をより広画角とするには第4群106に加えて第1群103にも少なくとも1つの非球面を用いると効果がある。ある一定のレンズ全長では撮影画角が広画角になるほど第1群の負の屈折力を強める必要がある。第1群では樽型の歪曲収差が発生するが屈折力が強すぎると第4群に非球面を用いても補正不足となる。このような場合は第1群に非球面を用いると、より広画角な対物レンズとしながら歪曲収差を良好に補正できる。前に述べたように、第1群はコンセントリックな形状に対して負の屈折力を強めたメニスカスレンズである。よって、第1群のレンズ面では軸外光束ほど大きな入射角で主光線が屈曲する。樽型の歪曲収差を補正するには光軸から周辺に向かってしだいに発散作用が弱まるような非球面とするのがよい。すなわち、第1群の物体側のレンズ面では光軸から周辺に向かって曲率がきつくなるような非球面とし、また、像面側のレンズ面では光軸から周辺に向かって曲率がゆるくなるような非球面形状とするのがよい。
【0030】
また、本発明の対物レンズは前述の条件式(1)〜(3)を満たすようにしている。
【0031】
次に、前述の条件式(1)〜(3)の技術的意味について説明する。
【0032】
条件式(1)は第1群の焦点距離すなわち屈折力を規定している式である。
【0033】
条件式(1)の上限値をこえて屈折力が弱まると第1群にて射出瞳を像面から遠ざける作用が弱まる。これを補うように後群の屈折力にて射出瞳を像面から遠ざけようとすると、後群中の凸面の屈折力を強めなければならず、ペッツバール和を小さくすることができなくなり像面彎曲が多く発生するためよくない。また、後群の屈折力を強めないで射出瞳を像面から遠ざけようとすると、レンズ全長が長くなりコンパクトな対物レンズを構成することができない。また、下限値をこえて屈折力が強まると、第1群にて歪曲収差、非点収差が過度に発生し非球面を用いても補正困難となりよくない。また、バックフォーカスが長くなり光学全長を短縮するのが困難となる。
【0034】
条件式(2)は第4群の焦点距離すなわち屈折力を規定している式である。
【0035】
条件式(2)の上限値をこえて屈折力が弱まると、射出瞳を像面から十分に離すことができなくなるためよくない。また、下限値を超えて屈折力が強まると第4群にて過度の歪曲収差、像面彎曲、非点収差が発生し、非球面を用いても補正困難となる。
【0036】
条件式(3)は第1群と第2群からなる合成系の焦点距離すなわち屈折力を規定している式である。
【0037】
条件式(3)の上限値をこえて屈折力が弱まるとバックフォーカスが長くなり光学全長を短縮することが困難となる。また、下限値をこえて屈折力が強まると諸収差の発生を抑えて良好な光学性能を得ることが困難となる。特に過度の球面収差が発生し非球面を用いても補正困難となる。
【0038】
次に本発明の数値実施例を示す。数値実施例においてRiは物体側より第i番目のレンズ面の曲率半径、Diは物体側より順にi番目のレンズ厚及び空気間隔、Niとνiは各々物体側より順に第i番目のレンズのガラスの屈折率とアッベ数である。また、本発明の対物レンズの非球面形状は以下の式で表される。
【0039】
【数1】
Figure 0003809270
但し、X:非球面の頂点を原点とし、光軸に沿って物体側から像側に向かう座標
h:非球面の頂点を原点とし、光軸に垂直な座標
R:非球面の近軸曲率半径
B、C、D、E:非球面係数
また、 表1に各数値実施例における各条件式の値を示す。
Figure 0003809270
Figure 0003809270
Figure 0003809270
Figure 0003809270
Figure 0003809270
【0040】
【表1】
Figure 0003809270
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば以上のように各要素を設定することにより、撮影画角の広画角化、及びレンズ全長の短縮化を図りつつ射出瞳を像面より遠く離したテレセントリックな撮影画角50〜94度程度、Fナンバー2.5程度で画面全体の諸収差を良好に補正した高い光学性能を有した対物レンズを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の対物レンズの基本構成の説明図
【図2】 本発明の数値実施例1のレンズ断面図
【図3】 本発明の数値実施例2のレンズ断面図
【図4】 本発明の数値実施例3のレンズ断面図
【図5】 本発明の数値実施例4のレンズ断面図
【図6】 本発明の数値実施例5のレンズ断面図
【図7】 本発明の数値実施例6のレンズ断面図
【図8】 本発明の数値実施例7のレンズ断面図
【図9】 本発明の数値実施例1の諸収差図
【図10】 本発明の数値実施例2の諸収差図
【図11】 本発明の数値実施例3の諸収差図
【図12】 本発明の数値実施例4の諸収差図
【図13】 本発明の数値実施例5の諸収差図
【図14】 本発明の数値実施例6の諸収差図
【図15】 本発明の数値実施例7の諸収差図
【符号の説明】
101 前群
102 後群
103 第1群
104 第2群
105 第3群
106 第4群
107 ガラスブロック
108 像面
SP 絞り
d d線
g g線
ΔS サジタル像面
ΔM メリディオナル像面

Claims (8)

  1. 物体側から順に、像面側に凹面を向けたメニスカス状の負の第1レンズより成る第1群、正の第2レンズより成る第2群、物体側に凹面を向けた負の第3レンズと像面側に凸面を向けた正の第4レンズとを接合した接合レンズより成る全体として負の屈折力の第3群、そして正の第5レンズより成る第4群の4つのレンズ群から成り、
    該第1群と該第2群との間、又は該第2群と該第3群との間に絞りを有し、
    該第i群の焦点距離をfi、該第1群と第2群の合成の焦点距離をf12、全系の焦点距離をfとしたとき
    0.7<|f1|/f<3.0
    0.7< f4 /f<3.0
    0.8< f12/f<2.5
    を満足することを特徴とする対物レンズ。
  2. 前記第4群は少なくとも1つの非球面を有することを特徴とする請求項1記載の対物レンズ。
  3. 前記第4群の非球面は光軸から周辺に向かう方向においてしだいに収斂作用が弱まる部分を有する形状であることを特徴とする請求項2記載の対物レンズ。
  4. 前記第2群は少なくとも1つの非球面を有することを特徴とする請求項1記載の対物レンズ。
  5. 前記第2群の非球面は光軸から周辺に向かう方向においてしだいに収斂作用が弱まる部分を有する形状であることを特徴とする請求項4記載の対物レンズ。
  6. 前記第1群は少なくとも1つの非球面を有することを特徴とする請求項3、又は5記載の対物レンズ。
  7. 前記第1群の非球面は光軸から周辺に向かう方向においてしだいに発散作用が弱まる部分を有する形状であることを特徴とする請求項6記載の対物レンズ。
  8. 前記第5レンズは両レンズ面が凸面であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項の対物レンズ。
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