JP3806574B2 - 水難救命用ウェストバッグ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の目的】
この発明は、水難救命用の浮袋に関するものであって、特に、小型船舶を利用したマリンスポーツや船釣り、その他水上や水辺での活動に際し、携行し易い上に、水難に瀕したときには即座に展開、膨脹させて浮袋として使用可能な状態に変形させることができる、新規な構造からなる水難救命用ウェストバッグを提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
我が国は、四方を海に囲まれ、また急峻な山岳部から流れ出す清涼な河川を有し、所々には風光明媚な湖沼を点在させるといった具合に、非常に恵まれた地理的環境にあることから、休日ともなれば、家族連れが磯や川辺で水に戯れ、あるいは磯釣りや船釣りに興じたり、若者達ともなれば、ボートや水上オートバイ、サーフィン等のマリンスポーツ、カヌーによる川下り等に果敢に挑戦する等、老若男女を問わず、水辺での多様なレジャーを楽しむ姿が目立ち、今後とも、こうした水に係わるレジャーを愛好する人々の数は、更に一層増加していくものと予想される。
【0003】
海辺や湖沼、河川等で活動する多くの人々は、確りとしたアウトドア・レジャーに関する知識をもち、充分な装備を心掛けて安全対策に手抜かりのないよう努めているが、中には、自然を相手にすることの厳しさを忘れたり、自信過剰となってしまい、救命胴衣やヘルメット、グローブ等といった相対する自然環境に応じて当然用意しなければならない装備にも拘らず、事前に準備することを怠ったり、あるいは折角用意したものの、実際には装着せず、突発的な事故に遭遇して極めて危険な体験をする羽目に陥ったり、運悪くして一命を落としてしまうといった悲惨な結末に至るケースも頻発しているのが実情である。
【0004】
特に、海洋レジャーブームに伴い、広く普及している水上オートバイやボートは、その危険性故に救命胴衣の装着が義務付けられているものの、オレンジや黄色といった注意喚起色に彩られた救命胴衣が、「船や洋服とのコーディネートができない」、「面倒である」、「格好が悪い」等といった理由から敬遠され、装着すべき当事者本人がその義務をないがしろにしていたり、その周囲の人々についても、装着の進言、注意をする習慣も持ち合わせていないことから、殆ど初心者に近いレベルの人達までも、そうした傾向に感化されて全く無防備のままでブームのマリンスポーツに興じてしまい、その結果、救命具を着けていさいすれれば無事であった筈のところを、装着を怠ったがために人命に係わる悲惨な水難事故に遭遇してしまうといった事例が一向に後を絶たない。
【0005】
こうした不用意な行動による水難事故の発生を防ぐため、運輸省は、救命胴衣の色を、海上で発見しやすい蛍光オレンジや黄色といった色に制限せず、青、黒、緑、紫等カラフルでファッショナブルな救命胴衣の装着を認め、着用率を高めようとする方向の省令改正に踏み切り、ようやく海洋レジャーの安全性の向上に本腰を入れることとなった。しかし、一般的な救命胴衣は、ベストタイプの肉厚な素材から造られているため、着用すると上半身の動きが拘束されてしまうような印象が強く、特に微妙な重心の移動や正確なハンドリング、肌からの直接的な感触、素早い身のこなし等といった、素肌かあるいはそれに近いできるだけ軽装であることが、より有利な条件となるマリンスポーツ愛好者にとっては、そうした分厚い救命胴衣の着用自体を嫌うことになる。
【0006】
この発明は、以上のように、従前までの救命胴衣が窮屈な上、装着が面倒で格好が悪いと不評であり、これまで長期に渡って着用率を高めることができなかったという事情に疑問を抱き、着用が容易で、身体を拘束することもなく、高い安全性も確保することができる水難救命具を造り出すことはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の水難救命用ウェストバッグを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【0007】
【発明の構成】
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含される水難救命用ウェストバッグは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、上部に開閉口を有し、該開閉口に繋がる箇所を収納空間部とし、それ以外の何れかの部位に、圧搾酸素が封入された小型ボンベを着脱自在に仮着、収容可能としたバッグ本体が、ベルト体に一体的または着脱自在に取着されると共に、バッグ本体および/またはベルト体には、折り畳み、展開自在構造とし、何れか適所には、小型ボンベ内酸素を救命および呼吸用酸素として供給可能とする開閉自在な排気口を形成してなるものとした浮袋体を折り畳み、縮小化した状態で収納または添設してなるものとする一方、小型ボンベの射出口と、前記排気口とは別異に設けてある浮袋体の注入口との間を配管路で連結すると共に、自動または手動式とした小型ボンベ内圧搾酸素噴射用の作動スイッチを小型ボンベノズルまたは配管路適所に組み込んでなるものとした構成を要旨とする水難救命用ウェストバッグである。
【0008】
小型ボンベは、浮袋体に注入する圧搾ガスを携帯可能な状態に収容する機能を果たすものであり、バッグ本体に着脱自在に仮着、収納可能な形状、寸法に設定し、浮袋体内に充分な量のガスを供給できるガス容量を確保したものとしなければならず、変形しても容易に破損しない強度をもつ素材や構造をもつものとすべきであり、射出口に圧搾ガス噴射用の作動スイッチを設けたものとすることが可能な外、圧搾ガスとして救命または呼吸用酸素に使用可能な圧搾酸素を封入したものや、放出後短時間の内に硬化する溶解状態の発泡樹脂材を封入し、浮袋体内に圧搾ガスと共に該発泡樹脂材を射出するよう構成することが可能であり、また、該小型ボンベを2個以上設け、各小型ボンベ射出口と浮袋体の注入口との間の夫々に個別の配管路を形成し、夫々の小型ボンベノズルまたは配管路毎に個別の作動スイッチを独立、配設する構造とすることが可能である。
【0009】
バッグ本体は、ベルト体に一体的または着脱自在に取着され、少なくとも小型ボンベを脱着自在に仮着、収納する機能を果たすものであって、最小であっても小型ボンベを取着、収納できる程度の容量を有するように寸法設定されていなければならず、充分な強度でベルト体に装着され、容易に破損、離脱したりしない程度の充分な強度を有するものに形成すべきであり、必要に応じて開閉口を有し、合成樹脂フィルムで個別に防水された発煙筒、非常用のロープ、非常食、簡易的な救急用具等を収納できる収納空間部を形成したり、小型ボンベ用の作動スイッチや、圧搾ガス用の配管路の一部を収容できるよう形成するのが望ましく、浮袋体を折り畳み、縮小化した状態で収納または添設できるよう構成することが可能である外、2個以上の小型ボンベやそれに付随する作動スイッチ、配管路等を収納できる寸法、形状に設定することが可能である。
【0010】
ベルト体は、浮袋体を水難救命を可能とするに充分な強度で、救命の対象に装着する機能を果たすものであり、バッグ本体を一体的または着脱自在に取着できるよう構成しなければならず、人体の腰部や腕、足等の体の一部に寸法調節して装着できるよう形成すべきであって、一本の帯状体にバッグ本体を取着したものや、バッグ本体の左右側夫々に一対の帯状体を取着した構造とすることが可能であり、外側部に浮袋体を折り畳み、縮小化した状態で収納または添設したものとすることができ、長さ調節構造や着脱用のバックル構造を有するものとして構成するとよい。
【0011】
浮袋体は、折り畳まれた状態に縮小して、何れかの部分に収納または添設され、救命用浮袋として展開、膨脹する機能を果たすものであって、防水性を有する気密な袋状に形成され、水上に浮上して人命を救助できる程度に充分な浮力を発生し得る容量に設定されたものとしなければならず、折り畳み構造や収納または添設構造に適する形状に形成するのが望ましく、環状や筒状、球状、直方体状等、特にその形状に制約を受けるものではなく、繰り返しの使用や縮小廃棄、注入物の利用等の目的から、何れかの部位に開閉自在な排気口を形成してなる構造のものとすることもできる外、発泡樹脂材を圧搾ガスと共に注入し、万が一破損したときにも破裂によるガスの漏出を防止して確実に浮力を確保することができるよう構成することが可能であり、また、前記排気口とは別異に設けてあるガス注入口には逆止弁機構を設け、取着したベルト体やバッグ本体から取り外され、当該注入口が圧搾ガスの配管路から離脱した際に自動的に内部に収容された圧搾ガスの漏出を阻止するよう構成したものとすることもできる。
【0012】
配管路は、小型ボンベの射出口と浮袋体の注入口との間を気密な管路で連結する機能を果たすものであり、小型ボンベの噴出力で不用意に離脱してしまうことのない確実な連結構造と、破損によるガスの漏出を生じ難い素材や管路形状を有するものに形成すべきであって、中途部または端部側に作動スイッチを設けたものとすることができ、合成樹脂製パイプや天然ゴム製のパイプ等の比較的軟質な素材や、硬質プラスチックや金属等からなる硬質なパイプ素材から形成したもの、または比較的軟質なパイプ素材を比較的硬質なパイプ素材で連結した構造とすることが可能である外、比較的軟質なパイプ素材の外周に補強用糸や補強布あるいは補強用シート素材等を被着した構造とすることができる。
【0013】
作動スイッチは、小型ボンベから浮袋体への圧搾ガスの注入を制御する機能を果たすものであり、少なくとも圧搾ガスの注入開始を制御して、必要量のガスを小型ボンベから放出するよう作動するものとしなければならず、バネや圧縮空気等で開放側に付勢された弁機構を、外部に露出状であって水溶性の硬質素材からなる閉鎖部品で閉鎖状態を維持し、浸水したときに、該閉鎖部品が速やかに溶解して弁機構を自動開放するよう構成したり、浸水すると通電して弁機構を自動開放する作動構造を有するものとしたり、あるいは、水に接触すると化学反応を起こして弁機構を開放操作する構造とすることができる外、空気溜りや独立発泡樹脂体等の水に対して強い浮力をもつ浮力部を組み込んだ補助スイッチ部を設け、浸水した際に浮上した該補助スイッチ部を手動によって引き出し、遠隔操作できるように構成したものとすることもできる。 以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【0014】
【実施例1】
図1の水難救命用ウェストバッグの斜視図、および図2の水難救命用ウェストバッグが作動した状態の斜視図に示される事例は、小型ボンベならびに浮袋体共にバッグ本体内に収納するようにした構成からなる、代表的なこの発明の水難救命用ウェストバッグを示すものである。
当該水難救命用ウェストバッグは、一本の小型ボンベ、および折り畳み、縮小された環状の浮袋体が、バッグ本体1内に収容されてなるものであり、バッグ本体1は、主として人体の腰部に装着し易いよう湾曲させるか、湾曲可能とした背面でウエストポーチ風の袋状のものに形成され、その上部に、通常時は閉鎖状とされていて、必要に応じて開放自在となるようにした開閉口11が一体的に設けられた上、バックル部と長さ調節部の組み込まれた所定長さのベルト体2を左右に一体形成してなるものとしてある。
【0015】
圧搾空気または圧搾酸素を充填する小型ボンベ3は、噴出用ノズルに一体に設けた作動スイッチ4の固定用金具部41を介して上記バッグ本体1の内側底面部に着脱自在に固着されたものとなっており、該作動スイッチ4の図示しない弁機構に通じる部位には、浮袋体5の注入口51に一端側を連結した軟質合成樹脂製のパイプからなる配管路6の他端側を連結し、小型ボンベ3の噴射口と浮袋体5注入口51とを、気密状の管路で連結した構造としている。
【0016】
また、作動スイッチ4からは、先端側に軽量な発泡樹脂製の浮力部43が結合された紐状であって、引き出し操作を受けることにより、作動スイッチ4の閉鎖されている図示しない弁機構を開放操作できるようにした手動式遠隔操作用の補助スイッチ部42が延伸されており、通常時には、浸水したときに自動的に補助スイッチ部42の操作紐が伸びるよう、該浮力部43だけがバッグ本体1の開閉口11から露出した状態となるようにしてある。更にまた、該浮袋体5の周壁部適所には、浮袋体5内に供給された圧搾空気または圧搾酸素を放出可能とする開閉操作自在な排気口52が形成されており、該浮袋体5を折り畳み、展開自在な状態に縮小化してバッグ本体1内の小型ボンベ3上側に収納した状態としてある。
【0017】
【実施例2】
図3の水難救命用ウェストバッグの斜視図、および図4の水難救命用ウェストバッグが作動した状態の斜視図に示される事例は、この発明の水難救命用ウェストバッグに包含される他の代表的な実施例を示すものであり、小型ボンベをバッグ本体内に収容し、ベルト体外側に添って略有底筒状の浮袋体を設けたものである。
【0018】
バッグ本体1は、ベルト体2に対して一体的に設けられた二重底構造の袋状に形成され、上側部に開閉口11を有する物品用収納空間部12を形成し、その下側部には、小型ボンベ3、該小型ボンベ3の図示しない噴出用ノズルに接続された作動スイッチ4、該作動スイッチ4に接続された配管路6の一部、および該作動スイッチ4から延伸された補助スイッチ部42の基端側が収容されたものとなっており、バッグ本体1左右側に延伸されたベルト体2の左右側の各外側壁面部には、夫々折り畳まれて小型化された有底筒形状の浮袋体5,5が結合され、収容されたものとなっており、該浮袋体5,5の各注入口51,51の夫々には、作動スイッチ4から導出され、分岐された配管路6,6の端部が接続され、同浮袋体5,5の夫々の適所には、開閉可能な排気口52,52が設けられたものとなっている。なお、該浮袋体5,5を折り畳み、収納しているベルト体2の外側上下縁部には、開閉自在な帯状の覆い布21,21,……が設けられた構造としてあり、通常時には、収容されている浮袋体5,5を覆い隠して外方から保護されるようにした構造となっている。
【0019】
【実施例3】
図5の水難救命用ウェストバッグの斜視図、および図6の水難救命用ウェストバッグの作動状態の斜視図に示される事例は、取外し可能な浮袋体を有する水難救命用ウェストバッグの一例を示してあり、バッグ本体1左右外側壁面の夫々に形成された脱着用の鉤状爪部13,13,……に、矩形筒状の浮袋体5,5が、その端部に一体に設けられた硬質樹脂製の脱着用プレート部に形成した図示しない掛着用穴を介して脱着自在に装着されると共に、浮袋体5,5の脱着用プレート部には、バッグ本体1内に設けられた小型ボンベ3に、作動スイッチ4を通じて接続した配管路6,6の端部、および脱抜自在に装着される注入口51,51が夫々形成されたものとなっている。
【0020】
左右一対の浮袋体5,5は、通常段階では、折り畳まれ、小型化された状態にして、バッグ本体1の左右外側壁面に装着されており、該浮袋体5注入口51の内部には、配管路6が脱抜されたときに、同浮袋体5内に充填してある圧搾ガスを漏出させてしまわないようにする、図示しない逆止弁機構が内蔵されたものとなっている上、同浮袋体5の何れか適所には、開閉自在な排気口52が形成されてなるものとしてある。
【0021】
作動スイッチ4は、小型ボンベ3のノズル射出口に接続された図示しない弁機構を有しており、該弁機構には、同作動スイッチ4から延伸され、バッグ本体1の外側まで延伸させた補助スイッチ部42に接続され、水中に没したときに、該補助スイッチ部42が通電して作動スイッチ4の弁機構を自動的に開放操作するように構成してある。
なお、この補助スイッチ部42は、浸水直後に瞬時にして溶解してしまう水溶性素材からなる制止部品により、開放方向に付勢されたスイッチ機構部を係止するようにした構造としてもよく、または、浸水したときに、水と化学反応を起こして、消失、縮小あるいは膨脹等の変形を生じ、作動スイッチ4の弁機構を自動的に開放操作するよう構成したものとすることもできる。
【0022】
更にまた、浮袋体5は、図7の水難救命用ウェストバッグの斜視図に示すように折り畳まれ、縮小化された状態で、バッグ本体1底部の外側壁面に脱着自在に装着されたものとすることが可能となる外、小型ボンベ3には、圧搾空気や圧搾酸素ではなく、放出後直ちに硬化を開始する溶解状態の発泡樹脂材と圧搾ガスとを充填したものとし、浮袋体5内に圧搾ガスと共に発泡樹脂材を射出、供給するように構成するも可能である。
【0023】
【作用】
以上のとおりの構成からなるこの発明の水難救命用ウェストバッグは、ベルト体2を腰部に巻き付ける状態に装着、使用するものであり、装着した者が誤って水中に落下し、救助が必要となったときには、図1中に示される補助スイッチ部42の浮力部43が浮上することから、それを掴んで引き出すと、作動スイッチ4が作動して小型ボンベ3内に封入された圧搾空気または圧搾酸素を射出させ、噴出した圧搾ガスは、配管路6を通じて浮袋5の注入口51に供給される。
【0024】
圧搾ガスの供給を受けた浮袋体5は、それまでの折り畳まれ、縮小化された状態から、図2中に示すように、瞬時の中に膨脹、展開して環状の浮輪を形成することとなり、その膨脹の勢いで、浮袋体5はバッグ本体1の開閉口11を強制的に開放し、バッグ本体1外に飛び出してしまうことになる。
浮袋体5中に供給された空気あるいは酸素は、排気口52を開放すれば放出することが可能であることから、特に酸素の場合には、酸素吸入用に使用することも可能とするものであり、その際に、小型ボンベ3内のガス残量が有る限り、放出によって内圧が低下してしまったとしても浮袋体5内に圧搾ガスを供給し続け、浮袋体5を一定の内圧に保つことができ、浮袋体5としての機能も確保し続けることが可能になる。
【0025】
同様に、図3に示されるように、ベルト体2の外側壁面部に浮袋体5,5を折り畳み、縮小化して収納した水難救命用ウェストバッグでは、水難に瀕したときに補助スイッチ部42の浮力部43を掴んで引き出し操作すると、作動スイッチ4が作動し、小型ボンベ3内の圧搾空気または酸素が射出され、強制的なガスの供給を受けて膨脹した浮袋体5,5が、図4中に示すように、外側を覆う覆い布21,21,……を押し払いながら瞬時の中に展開、拡張することとなる。
【0026】
また、図5に示した水難救命用ウェストバッグは、特別な操作をせずとも、作動スイッチ4に設けられた補助スイッチ部42が、水没すると略同時に、自動的に小型ボンベ3内の圧搾空気または圧搾酸素を浮袋体5側に射出、供給するように構成されている上、圧搾空気または圧搾酸素の供給を受けて膨脹した浮袋体5をバッグ本体1から取り外すこともでき、しかも、離脱した浮袋体5は、その注入口51に内蔵してある逆止弁機構により、配管路6が脱抜した瞬間に収容ガスの漏出を阻止して内圧を保持し、独立した浮袋としての利用も可能とすることから、第三者の救助用にも使用できることになる。
【0027】
更に、同浮袋体5に設けられている排気口52を開放すれば、内部に収容されている圧搾空気または圧搾酸素を必要に応じて放出させることが可能である上、同排気口52を閉鎖すれば、そのまま浮袋として使用し続けることが可能であり、収容ガス量が不足したときには、分離した状態のまま、浮袋体5の注入口51に配管路6の端部を再度接続するようにすると、逆止弁がそれまでの封止状態を開放して再び圧搾ガスを浮袋体5内に供給することになり、充分な量の空気または酸素を注入することが可能になる。
【0028】
また、図7中に示す水難救命用ウェストバッグのように、浮袋体5内に圧搾ガスと共に溶解状態の発泡樹脂材を供給するようにした構造のものでは、発泡樹脂が充填されて膨脹、展開した浮袋体5が、浮袋として充分な浮力を発生することができる上、何等かの要因で浮袋体5が破れてしまったような場合であっても、封入されて硬化してしまっている発泡樹脂は、独立した成形体となっていて元の浮袋体5の形状を維持し続けているため、浮袋体5の有無に係わらず浮袋の機能を果たすことになる。
【0029】
【効果】
以上のとおり、この発明の水難救命用ウェストバッグによれば、従前までの上半身に着用するようにしたものであって、全体としてかさばっている上、装着にも手間が掛かる救命胴衣とは異なり、気軽に腰部に装着できるウェストポーチのように、一旦腰周りの寸法を調節してしまえば、手軽に腰部に脱着することができるものであって、しかも、浮袋体が折り畳み、縮小化された状態でバッグ本体および/またはベルト体に収納または添設される構造となっていることから、水難救命具としては極めて小型、軽量化したものとなり、装着時における着用者の違和感をなくし、普段の機敏な行動に何等支障を来す慮がないものとすることができる上、一朝、運悪く水難に遭遇したときには、瞬時の中に浮袋体が膨脹、展開して水面に浮かび、人命救助に役立つことになるという秀れた特徴が得られるものである。
【0030】
特に、実施例に取り上げたこの発明を代表する構造の水難救命用ウェストバッグは、上記した特徴に加え、小型ボンベ3を収容可能としたバッグ本体1の上部に、開閉口11を有する収納空間部12を形成し、この収容空間部に発煙筒や非常食、救急用具、ロープ等、水難の際に必要となる物品を収納しておくことができたり、あるいは、小型ボンベ3内に圧搾空気または圧搾酸素を収容して浮袋体5に注入する構造とし、膨脹した浮袋体5をバッグ本体1またはベルト体2から離脱可能な構造としたものでは、浮袋体5を取り外し、救命具を着けないまま遭難しかけている第三者に投げ与えて救助することができるものになり、また、浮袋体5注入口51に逆止弁機構を組み込んであるものでは、離脱の際の内部ガスの漏出を確実に防止可能なものとすることができ、更には、圧搾気体として酸素を充填したものにあっては、必要に応じて開閉自在な排気口52を開放し、浮袋体5内に封入してある酸素を利用して酸素吸入にも応用することができる等といった特徴を有するものとなる。
【0031】
また、小型ボンベ3内に、放出後短時間の内に硬化する溶解状態の発泡樹脂材を封入したものでは、浮袋体5内に圧搾ガスと共に該発泡樹脂材が注入され、直ちに発泡樹脂材が浮袋体5の形状に従って充填、硬化してしまうことから、その直後に、転落後の船体やその他の浮遊物に衝突する等といった外力を受け、浮袋体5が破損してしまったとしても、硬化した発泡樹脂材が浮袋体5の形状を維持していて浮力を維持し続け、救命具としての役割を無くしてしまうことのないものとすることができるという利点があり、更にまた、作動スイッチ4の一部が、バッグ本体1から露出した状態に配置され、浸水直後に溶解、通電または化学反応する等して小型ボンベ3内の圧搾ガスを自動的に噴出するよう構成したものでは、被災者が万が一気絶してしまったり、負傷して作動スイッチ4を思うように操作できなくなったような場合であっても、着水すると自動的に浮袋体5が膨脹、展開して浮袋としての機能が得られるという効果が期待できるものになる。
【0032】
そして、作動スイッチ4に空気溜りや独立発泡樹脂体等からなる浮力部43を有する手動式遠隔操作用の補助スイッチ部42の組み込まれたものでは、着水したときに浮力部43が自然に浮上することから、遭難者は水中に没したときでも確実に補助スイッチ部の位置を探り出して作動スイッチ4を操作することができ、水中に没して混乱状態に陥ってしまい、冷静な判断ができなくなっている者にとっても、信頼の置ける救命具として役立つことになり、更に、小型ボンベを2個以上設け、各小型ボンベ噴出口と浮袋体注入口との間に個別の配管路を形成し、夫々の小型ボンベノズルまたは配管路毎に個別の作動スイッチを独立、配設したものでは、万が一何れかの小型ボンベ、作動スイッチ、配管路または浮袋体注入口等に破損や障害が生じたとしても、他の系統から圧搾ガスが供給され、浮袋体を確実に膨脹させることができるという極めて安全性の高い救命具が得られることになる。
【0033】
叙述の如く、この発明の水難救命用ウェストバッグは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの救命胴衣の単価に比較し、遥かに経済的なものとすることができると共に、通常のウェストバッグと同様に脱着することができ、外部の色彩や形状を自由に選択することができる上、折り畳まれた状態で収納または添設された浮袋体は、遭難の際に発見され易い蛍光オレンジや黄色に設定しても、ウェストバッグのデザインを損ねるものではないので、充分なファッション性を確保して流行を取り入れることが容易なことから、多彩な商品展開を可能とし、各種水上スポーツで低迷している水難救命具の着用率を大幅に高めることができ、安全性の向上が求められるレジャー業界やマリンスポーツ業界において高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものと予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の水難救命用ウェストバッグの技術的思想を具現化した幾つかの実施例を示すものである。
【図1】 水難救命用ウェストバッグの内部構造を示す斜視図である。
【図2】 水難救命用ウェストバッグの作動状態を示す斜視図である。
【図3】 ベルト体に浮袋体を添設した構造を示す斜視図である。
【図4】 ベルト体に添設された浮袋体が膨脹した作動状態を示す斜視図である。
【図5】 バッグ本体の左右外側に浮袋体を設けた構造を示す斜視図である。
【図6】 浮袋体をバッグ本体から離脱する状態を示す斜視図である。
【図7】 バッグ本体の底部外側に浮袋体を設けた構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 バッグ本体
11 同 開閉口
12 同 収納空間部
13 同 鉤状爪部
2 ベルト体
21 同 帯状の覆い布
3 小型ボンベ
4 作動スイッチ
41 同 固定用金具部6
42 同 補助スイッチ部
43 同 浮力部
5 浮袋体
51 同 注入口
52 同 排気口
6 配管路

Claims (3)

  1. 上部に開閉口を有し、該開閉口に繋がる箇所を収納空間部とし、それ以外の何れかの部位に、圧搾酸素が封入された小型ボンベを着脱自在に仮着、収容可能としたバッグ本体が、ベルト体に一体的または着脱自在に取着されると共に、バッグ本体および/またはベルト体には、折り畳み、展開自在構造とし、何れか適所には、小型ボンベ内酸素を救命および呼吸用酸素として供給可能とする開閉自在な排気口を形成してなるものとした浮袋体を折り畳み、縮小化した状態で収納または添設してなるものとする一方、小型ボンベの射出口と、前記排気口とは別異に設けてある浮袋体の注入口との間を配管路で連結すると共に、自動または手動式とした小型ボンベ内圧搾酸素噴射用の作動スイッチを小型ボンベノズルまたは配管路適所に組み込んでなるものとしたことを特徴とする水難救命用ウェストバッグ。
  2. 作動スイッチが、手動式遠隔操作用の補助スイッチ部に連動されてなるものに形成され、該補助スイッチ部に、空気溜りや独立発泡樹脂体等浮力部を組み込んでなるものとした、請求項1記載の水難救命用ウェストバッグ。
  3. 小型ボンベが2個以上着脱自在に設けられた上、各小型ボンベ噴出口と浮袋体の注入口との間の夫々に個別の配管路を形成すると共に、夫々の小型ボンベノズルまたは配管路毎に個別の作動用スイッチを独立、配設してなるものとした、請求項1記載の水難救命用ウェストバッグ。
JP2000130087A 2000-04-28 2000-04-28 水難救命用ウェストバッグ Expired - Lifetime JP3806574B2 (ja)

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