JP3806535B2 - ビルトイン型空気調和機 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建屋の天井部に設置され、内部に熱交換器およびファンを備え、熱交換された空気を吹き出しダクトを介して室内の適宜位置へ導き吹き出させるビルトイン型空気調和機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、建屋の天井空間に設置され、室内熱交換器およびファンを収容したユニット本体に、吹出ダクトが延設されると共に電装箱が設けられたビルトイン型空気調和機が知られている。このようなビルトイン型空気調和機では、ユニット本体にて熱交換された空気を、吹出ダクトを介して室内の適宜位置へ導き室内に吹き出すことができるので、室内の美観を損なうことなく最適な空気調和を実現できる。
【０００３】
従来、この種のビルトイン型空気調和機には、図６に示すように、パネル仕様ビルトイン型空気調和機１０とダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０とがある。パネル仕様ビルトイン型空気調和機１０（図６（Ａ））は、ユニット本体１１の下面に設けられて天井板に設置される天井パネル１２から室内空気を吸い込むものであり、また、電装箱がユニット本体１１内部に配設されている。従って、このパネル仕様ビルトイン型空気調和機１０の電気工事またはメンテナンスは、作業者が天井パネル１２の吸込板１３を開き、天井パネル１２から手を挿入することにより、上記電装箱に対して実施される。尚、図６（Ａ）中の符号１４は、上記電装箱に接続される外部配線の配線取入口である。
【０００４】
一方、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０（図６（Ｂ））は、ユニット本体２１の背面に吸込ダクト２２を設けて、この吸込ダクト２２を介し室内空気を吸い込むものであり、電装箱２３がユニット本体２１の側板の外面に設置されている。従って、このダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０の電気工事またはメンテナンスは、建屋の天井板に開設された点検口（図示せず）から作業者が手を挿入することにより、上記電装箱に対して実施される。尚、図６（Ｂ）中の符号２４は、電装箱２３に接続される外部配線の配線取入口である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のパネル仕様ビルトイン型空気調和機１０及びダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０では、電装箱の取付位置や空気吸込方向の相違などによって関連部品（特に電装箱）がそれぞれ別部品となり、これらに共通性がない。この為、据付現場で関連部品を交換などして、パネル仕様ビルトイン型空気調和機１０をダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０に、またはダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０をパネル仕様ビルトイン型空気調和機１０に相互に仕様変更することは極めて困難である。
【０００６】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、パネル仕様とダクト仕様のビルトイン型空気調和機における電装箱を共通部品化して、両空気調和機の共用化を実現できるビルトイン型空気調和機を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、建屋の天井部に設置され、熱交換器及びファンを収容したユニット本体に、吹出ダクトが延設されるとともに、このユニット本体の側板の外面には電装箱が設けられ、上記ユニット本体の真下位置には天井パネルが設けられたビルトイン型空気調和機において、上記天井パネルは、ユニット本体の直下位置から電装箱の直下位置を越える位置まで延長され、このパネル延長部にパネル口が開設され、このパネル口はパネル延長部に着脱自在に装着されるパネル蓋によって閉鎖され、上記電装箱は、ユニット本体の外側に向く開口および開口を塞ぐ電装箱蓋を備え、上記パネル延長部からパネル蓋を取り外してパネル口を開放し、このパネル口内に手を挿入し電装箱内の配線工事を実施可能としたことを特徴とするものである。
【０００８】
請求項１に記載の発明には、次の作用がある。
【０００９】
上記天井パネルは、ユニット本体の直下位置から電装箱の直下位置を越える位置まで延長され、このパネル延長部にパネル口が開設され、このパネル口はパネル延長部に着脱自在に装着されるパネル蓋によって閉鎖され、上記電装箱は、ユニット本体の外側に向く開口および開口を塞ぐ電装箱蓋を備え、上記パネル延長部からパネル蓋を取り外してパネル口を開放し、このパネル口内に手を挿入し電装箱内の配線工事を実施可能としたことから、パネル仕様の場合に電気工事またはメンテナンスを実施するときには、上記パネル蓋を取り外し、パネル口から電装箱にアクセスして上記電気工事等を実施する。一方、ダクト仕様の場合には、ユニット本体から天井パネルが取り外されており、電気工事またはメンテナンスを実施するときには、建屋の天井板に設けられた点検口から電装箱にアクセスして上記電気工事等を実施する。このため、パネル仕様とダクト仕様とで電装箱を共通部品化でき、パネル仕様とダクト仕様の両ビルトイン型空気調和機の共用化を実現できる。
【００１０】
また、従来、パネル仕様のビルトイン型空気調和機の場合には、ユニット本体に接続された配管接続部の漏洩検査や、この配管接続部のメンテナンスのために、建屋の天井板にメンテナンス口が必要となっていたが、これらの配管接続部の漏洩検査なども天井パネルのパネル口から実施できるので、建屋の天井板にメンテナンス口を設ける必要がない。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【００１２】
図１は、本発明に係るビルトイン型空気調和機の第一の実施の形態を示し、（Ａ）がパネル仕様ビルトイン型空気調和機、（Ｂ）がダクト仕様ビルトイン型空気調和機をそれぞれ示す側面図である。
【００１３】
図１（Ａ）に示すパネル仕様ビルトイン型空気調和機３０と、図１（Ｂ）に示すダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０は、共に、建屋３１の天井３２と天井板３３との間の天井空間３４内に懸吊して配設され、ユニット本体３５、吹出ダクト３６及び運転制御用の電装箱３７を有して構成される。
【００１４】
上記ユニット本体３５は、互いに対向配置されて四角枠形状に設けられた４枚の側板３８の上縁部に天板３９が、下縁部の一部に底板４６がそれぞれ固定されて構成される。これらの側板３８、天板３９及び底板４６の内外表面に断熱材が貼着されている。
【００１５】
このユニット本体３５の側板３８には吊り金具４１が固着され、この吊り金具４１が、建屋３１の天井３２から垂下された吊りボルト４２に止着されて、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０が建屋３１の天井３２に懸吊可能に構成される。
【００１６】
このユニット本体３５の内部に、図示しない室内熱交換器、ファンおよびファンモータが収容される。上記室内熱交換器は、図２及び図４に示す冷媒配管接続口４３に接続された冷媒配管（液管）、及び冷媒配管接続口４４に接続された冷媒配管（ガス管）を用いて、図示しない室外機に接続される。ユニット本体３５内の室内熱交換器は、室外機から導かれる冷媒の蒸発または凝縮により、後述の如くユニット本体３５内に吸い込まれた空気を冷却し又は暖房する。
【００１７】
尚、図２、図４中の符号４５Ａはドレン配管接続口を示し、符号４５Ｂはドレン排出口を示す。
【００１８】
上記吹出ダクト３６は、通常、複数本がユニット本体３５から延設されている。吹出ダクト３６のそれぞれは、ユニット本体３５の一つの側板３８に一体に設置された吹出口４７に一端が嵌装され、他端に吹出グリル４８が取付けられる。この吹出グリル４８は、天井板３３の適宜位置に設置される。ユニット本体３５内のファンの回転により、後述の如くユニット本体３５内に室内空気が吸い込まれ、室内熱交換器により熱交換された空気が、吹出ダクト３６を経て吹出グリル４８から室内へ吹き出される。
【００１９】
ところで、図１（Ａ）、図２及び図３に示すパネル仕様ビルトイン型空気調和機３０は、ユニット本体３５の下部開口に天井パネル４９が着脱自在に嵌装されたものである。この天井パネル４９は、中央位置に吸込板５０を備え、この吸込板５０との隙間から室内空気を吸い込み、ユニット本体３５内へ導入する。
【００２０】
また、図１（Ｂ）、図４及び図５に示すダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０は、ユニット本体３５の一つの側板３８で、吹出口４７が設置された側板３８に対向する側板（すなわちダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０の背面板３８Ｂ）に、図示しない吸込開口が形成され、この側板３８（背面板３８Ｂ）に、例えばフィルタボックス５１を介して、通常一本の吸込ダクト５２が連接されたものである。吸込ダクト５２の一端部に吸込グリル５３が嵌装され、この吸込グリル５３が、天井板３３の適宜位置に設置される。この吸込グリル５３から室内空気が取り込まれ、吸込ダクト５２を経てユニット本体３５内へ吸い込まれる。尚、ユニット本体３５の下部開口は、本体蓋７７により閉鎖される。
【００２１】
上記電装箱３７は、図１に示すように、ユニット本体３５の側板３８のうち、吹出ダクト３６または吸込ダクト５２が配設されていない側板３８Ａに取付けられる。この電装箱３７は、図３及び図５に示すように箱体５４及び電装箱蓋５７を有し、ほぼ直方体形状の箱体５４の内部に、ともに図示しない制御基板及び端子板を備えて構成される。ユニット本体３５内に設置されたファンモータ、ドレンポンプ、フロートスイッチ、電子制御弁、各種センサなどからの配線（内部配線（不図示）と称する）が、上記制御基板または端子板に接続される。また、電源配線、ユニット間配線またはリモコン配線などの外部配線（不図示）が端子板に接続される。
【００２２】
電装箱３７の箱体５４には、一側部に開口５５が形成される。箱体５４は、この開口５５がユニット本体３５の外側に向くように、ユニット本体３５の側板３８Ａの外面に固定して取付けられる。また、箱体５４の開口５５は、蓋取付ビス５６を用いて着脱自在に締結された電装箱蓋５７により閉鎖される。
【００２３】
さて、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０における前記天井パネル４９は、図２及び図３に示すように、ユニット本体３５の直下位置から電装箱３７の直下位置を越える位置まで延長され、このパネル延長部５８にパネル口５９が開設される。このパネル口５９は、パネル延長部５８に着脱自在に装着されるパネル蓋６０によって閉鎖される。
【００２４】
従って、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０を電気工事またはメンテナンスする場合には、作業者は、天井パネル４９におけるパネル延長部５８からパネル蓋６０を取り外してパネル口５９を開放し、このパネル口５９内に手を挿入し電装箱蓋５７を取り外すことにより、電装箱３７内の配線工事を実施する。
【００２５】
一方、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０では、図４及び図５に示すように、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０の天井パネル４９が取り外され、この位置に前述の如く本体蓋７７が装着されて、ユニット本体３５の下部開口が閉鎖されている。また、このダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０の場合、建屋３１の天井板３３には、点検口蓋７２にて閉鎖される点検口７１が開設されている。
【００２６】
従って、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０を電気工事またはメンテナンスする場合には、作業者は、天井板３３から点検口蓋７２を取り外して点検口７１を開放し、この点検口７１内に手を挿入し、電装箱蓋５７を取り外すことにより電装箱３７内の配線工事などを実施する。
【００２７】
更に、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０の場合にはパネル蓋６０を取り外してパネル口５９から、また、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０の場合には点検口蓋７２を取り外して点検口７１から、冷媒配管接続口４３及び４４に接続された冷媒配管や、ドレン配管接続口４５Ａに接続されたドレン配管などの漏洩検査、またはそれらの接続箇所のメンテナンスが実施される。
【００２８】
上記実施の形態によれば、次の効果▲１▼及び▲２▼を奏する。
【００２９】
▲１▼ユニット本体３５は開口５５を備え、この開口５５がユニット本体３５の外側に向くように、ユニット本体３５の側板３８Ａ外面に設置され、ユニット本体３５の下部に着脱可能に設けられた天井パネル４９が電装箱３７位置まで延長され、このパネル延長部５８に、パネル蓋６０により閉鎖可能なパネル口５９が設けられたことから、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０の場合に電気工事またはメンテナンスをするときには、パネル蓋６０を取り外し、パネル口５９から電装箱３７にアクセスして上記電気工事などを実施する。一方、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０の場合には、ユニット本体３５から天井パネル４９が取り外されており、電気工事またはメンテナンスを実施するときには、建屋３１の天井板３３に設けられた点検口７１から電装箱３７にアクセスして上記電気工事などを実施する。この為、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０とダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０とで電装箱３７を共通部品化でき、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０とダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０の共用化を実現できる。この結果、ビルトイン型空気調和機の機種数を削減でき、在庫管理を容易化できる。
【００３０】
▲２▼従来、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０の場合には、電装箱３７に接続された冷媒配管接続口４３、４４、４５の漏洩検査や、これらの冷媒配管接続口４３、４４、４５のメンテナンスのために、建屋３１の天井板３３にメンテナンス口が必要となっていたが、これらの冷媒配管接続口４３、４４、４５の漏洩検査なども天井パネル４９のパネル口５９から実施できるので、建屋３１の天井板３３にメンテナンス口を設ける必要がない。
【００３１】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【００３２】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るビルトイン型空気調和機によれば、天井パネルは、ユニット本体の直下位置から電装箱の直下位置を越える位置まで延長され、このパネル延長部にパネル口が開設され、このパネル口はパネル延長部に着脱自在に装着されるパネル蓋によって閉鎖され、上記電装箱は、ユニット本体の外側に向く開口および開口を塞ぐ電装箱蓋を備え、上記パネル延長部からパネル蓋を取り外してパネル口を開放し、このパネル口内に手を挿入し電装箱内の配線工事を実施可能としたことから、パネル仕様とダクト仕様のビルトイン型空気調和機における電装箱を共通部品化して、両空気調和機の共用化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るビルトイン型空気調和機の一実施の形態を示し、（Ａ）がパネル仕様ビルトイン型空気調和機、（Ｂ）がダクト仕様ビルトイン型空気調和機のそれぞれ側面図である。
【図２】図１（Ａ）におけるパネル仕様ビルトイン型空気調和機のユニット本体及び電装箱を示す平面図である。
【図３】図２のＩＩＩ矢視図である。
【図４】図１（Ｂ）におけるダクト仕様ビルトイン型空気調和機のユニット本体及び電装箱を示す平面図である。
【図５】図４のＩＶ矢視図である。
【図６】従来のビルトイン型空気調和機を示し、（Ａ）がパネル仕様ビルトイン型空気調和機、（Ｂ）がダクト仕様ビルトイン型空気調和機をそれぞれ示す部分斜視図である。
【符号の説明】
３０ パネル仕様ビルトイン型空気調和機
３１ 建屋
３２ 天井
３４ 天井空間
３５ ユニット本体
３６ 吹出ダクト
３７ 電装箱
４０ ダクト仕様ビルトイン型空気調和機
４９ 天井パネル
５５ 開口
５７ 電装箱蓋
５８ パネル延長部
５９ パネル口
６０ パネル蓋
７１ 点検口
７２ 点検口蓋
【発明の属する技術分野】
本発明は、建屋の天井部に設置され、内部に熱交換器およびファンを備え、熱交換された空気を吹き出しダクトを介して室内の適宜位置へ導き吹き出させるビルトイン型空気調和機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、建屋の天井空間に設置され、室内熱交換器およびファンを収容したユニット本体に、吹出ダクトが延設されると共に電装箱が設けられたビルトイン型空気調和機が知られている。このようなビルトイン型空気調和機では、ユニット本体にて熱交換された空気を、吹出ダクトを介して室内の適宜位置へ導き室内に吹き出すことができるので、室内の美観を損なうことなく最適な空気調和を実現できる。
【０００３】
従来、この種のビルトイン型空気調和機には、図６に示すように、パネル仕様ビルトイン型空気調和機１０とダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０とがある。パネル仕様ビルトイン型空気調和機１０（図６（Ａ））は、ユニット本体１１の下面に設けられて天井板に設置される天井パネル１２から室内空気を吸い込むものであり、また、電装箱がユニット本体１１内部に配設されている。従って、このパネル仕様ビルトイン型空気調和機１０の電気工事またはメンテナンスは、作業者が天井パネル１２の吸込板１３を開き、天井パネル１２から手を挿入することにより、上記電装箱に対して実施される。尚、図６（Ａ）中の符号１４は、上記電装箱に接続される外部配線の配線取入口である。
【０００４】
一方、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０（図６（Ｂ））は、ユニット本体２１の背面に吸込ダクト２２を設けて、この吸込ダクト２２を介し室内空気を吸い込むものであり、電装箱２３がユニット本体２１の側板の外面に設置されている。従って、このダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０の電気工事またはメンテナンスは、建屋の天井板に開設された点検口（図示せず）から作業者が手を挿入することにより、上記電装箱に対して実施される。尚、図６（Ｂ）中の符号２４は、電装箱２３に接続される外部配線の配線取入口である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のパネル仕様ビルトイン型空気調和機１０及びダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０では、電装箱の取付位置や空気吸込方向の相違などによって関連部品（特に電装箱）がそれぞれ別部品となり、これらに共通性がない。この為、据付現場で関連部品を交換などして、パネル仕様ビルトイン型空気調和機１０をダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０に、またはダクト仕様ビルトイン型空気調和機２０をパネル仕様ビルトイン型空気調和機１０に相互に仕様変更することは極めて困難である。
【０００６】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、パネル仕様とダクト仕様のビルトイン型空気調和機における電装箱を共通部品化して、両空気調和機の共用化を実現できるビルトイン型空気調和機を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、建屋の天井部に設置され、熱交換器及びファンを収容したユニット本体に、吹出ダクトが延設されるとともに、このユニット本体の側板の外面には電装箱が設けられ、上記ユニット本体の真下位置には天井パネルが設けられたビルトイン型空気調和機において、上記天井パネルは、ユニット本体の直下位置から電装箱の直下位置を越える位置まで延長され、このパネル延長部にパネル口が開設され、このパネル口はパネル延長部に着脱自在に装着されるパネル蓋によって閉鎖され、上記電装箱は、ユニット本体の外側に向く開口および開口を塞ぐ電装箱蓋を備え、上記パネル延長部からパネル蓋を取り外してパネル口を開放し、このパネル口内に手を挿入し電装箱内の配線工事を実施可能としたことを特徴とするものである。
【０００８】
請求項１に記載の発明には、次の作用がある。
【０００９】
上記天井パネルは、ユニット本体の直下位置から電装箱の直下位置を越える位置まで延長され、このパネル延長部にパネル口が開設され、このパネル口はパネル延長部に着脱自在に装着されるパネル蓋によって閉鎖され、上記電装箱は、ユニット本体の外側に向く開口および開口を塞ぐ電装箱蓋を備え、上記パネル延長部からパネル蓋を取り外してパネル口を開放し、このパネル口内に手を挿入し電装箱内の配線工事を実施可能としたことから、パネル仕様の場合に電気工事またはメンテナンスを実施するときには、上記パネル蓋を取り外し、パネル口から電装箱にアクセスして上記電気工事等を実施する。一方、ダクト仕様の場合には、ユニット本体から天井パネルが取り外されており、電気工事またはメンテナンスを実施するときには、建屋の天井板に設けられた点検口から電装箱にアクセスして上記電気工事等を実施する。このため、パネル仕様とダクト仕様とで電装箱を共通部品化でき、パネル仕様とダクト仕様の両ビルトイン型空気調和機の共用化を実現できる。
【００１０】
また、従来、パネル仕様のビルトイン型空気調和機の場合には、ユニット本体に接続された配管接続部の漏洩検査や、この配管接続部のメンテナンスのために、建屋の天井板にメンテナンス口が必要となっていたが、これらの配管接続部の漏洩検査なども天井パネルのパネル口から実施できるので、建屋の天井板にメンテナンス口を設ける必要がない。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【００１２】
図１は、本発明に係るビルトイン型空気調和機の第一の実施の形態を示し、（Ａ）がパネル仕様ビルトイン型空気調和機、（Ｂ）がダクト仕様ビルトイン型空気調和機をそれぞれ示す側面図である。
【００１３】
図１（Ａ）に示すパネル仕様ビルトイン型空気調和機３０と、図１（Ｂ）に示すダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０は、共に、建屋３１の天井３２と天井板３３との間の天井空間３４内に懸吊して配設され、ユニット本体３５、吹出ダクト３６及び運転制御用の電装箱３７を有して構成される。
【００１４】
上記ユニット本体３５は、互いに対向配置されて四角枠形状に設けられた４枚の側板３８の上縁部に天板３９が、下縁部の一部に底板４６がそれぞれ固定されて構成される。これらの側板３８、天板３９及び底板４６の内外表面に断熱材が貼着されている。
【００１５】
このユニット本体３５の側板３８には吊り金具４１が固着され、この吊り金具４１が、建屋３１の天井３２から垂下された吊りボルト４２に止着されて、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０が建屋３１の天井３２に懸吊可能に構成される。
【００１６】
このユニット本体３５の内部に、図示しない室内熱交換器、ファンおよびファンモータが収容される。上記室内熱交換器は、図２及び図４に示す冷媒配管接続口４３に接続された冷媒配管（液管）、及び冷媒配管接続口４４に接続された冷媒配管（ガス管）を用いて、図示しない室外機に接続される。ユニット本体３５内の室内熱交換器は、室外機から導かれる冷媒の蒸発または凝縮により、後述の如くユニット本体３５内に吸い込まれた空気を冷却し又は暖房する。
【００１７】
尚、図２、図４中の符号４５Ａはドレン配管接続口を示し、符号４５Ｂはドレン排出口を示す。
【００１８】
上記吹出ダクト３６は、通常、複数本がユニット本体３５から延設されている。吹出ダクト３６のそれぞれは、ユニット本体３５の一つの側板３８に一体に設置された吹出口４７に一端が嵌装され、他端に吹出グリル４８が取付けられる。この吹出グリル４８は、天井板３３の適宜位置に設置される。ユニット本体３５内のファンの回転により、後述の如くユニット本体３５内に室内空気が吸い込まれ、室内熱交換器により熱交換された空気が、吹出ダクト３６を経て吹出グリル４８から室内へ吹き出される。
【００１９】
ところで、図１（Ａ）、図２及び図３に示すパネル仕様ビルトイン型空気調和機３０は、ユニット本体３５の下部開口に天井パネル４９が着脱自在に嵌装されたものである。この天井パネル４９は、中央位置に吸込板５０を備え、この吸込板５０との隙間から室内空気を吸い込み、ユニット本体３５内へ導入する。
【００２０】
また、図１（Ｂ）、図４及び図５に示すダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０は、ユニット本体３５の一つの側板３８で、吹出口４７が設置された側板３８に対向する側板（すなわちダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０の背面板３８Ｂ）に、図示しない吸込開口が形成され、この側板３８（背面板３８Ｂ）に、例えばフィルタボックス５１を介して、通常一本の吸込ダクト５２が連接されたものである。吸込ダクト５２の一端部に吸込グリル５３が嵌装され、この吸込グリル５３が、天井板３３の適宜位置に設置される。この吸込グリル５３から室内空気が取り込まれ、吸込ダクト５２を経てユニット本体３５内へ吸い込まれる。尚、ユニット本体３５の下部開口は、本体蓋７７により閉鎖される。
【００２１】
上記電装箱３７は、図１に示すように、ユニット本体３５の側板３８のうち、吹出ダクト３６または吸込ダクト５２が配設されていない側板３８Ａに取付けられる。この電装箱３７は、図３及び図５に示すように箱体５４及び電装箱蓋５７を有し、ほぼ直方体形状の箱体５４の内部に、ともに図示しない制御基板及び端子板を備えて構成される。ユニット本体３５内に設置されたファンモータ、ドレンポンプ、フロートスイッチ、電子制御弁、各種センサなどからの配線（内部配線（不図示）と称する）が、上記制御基板または端子板に接続される。また、電源配線、ユニット間配線またはリモコン配線などの外部配線（不図示）が端子板に接続される。
【００２２】
電装箱３７の箱体５４には、一側部に開口５５が形成される。箱体５４は、この開口５５がユニット本体３５の外側に向くように、ユニット本体３５の側板３８Ａの外面に固定して取付けられる。また、箱体５４の開口５５は、蓋取付ビス５６を用いて着脱自在に締結された電装箱蓋５７により閉鎖される。
【００２３】
さて、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０における前記天井パネル４９は、図２及び図３に示すように、ユニット本体３５の直下位置から電装箱３７の直下位置を越える位置まで延長され、このパネル延長部５８にパネル口５９が開設される。このパネル口５９は、パネル延長部５８に着脱自在に装着されるパネル蓋６０によって閉鎖される。
【００２４】
従って、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０を電気工事またはメンテナンスする場合には、作業者は、天井パネル４９におけるパネル延長部５８からパネル蓋６０を取り外してパネル口５９を開放し、このパネル口５９内に手を挿入し電装箱蓋５７を取り外すことにより、電装箱３７内の配線工事を実施する。
【００２５】
一方、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０では、図４及び図５に示すように、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０の天井パネル４９が取り外され、この位置に前述の如く本体蓋７７が装着されて、ユニット本体３５の下部開口が閉鎖されている。また、このダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０の場合、建屋３１の天井板３３には、点検口蓋７２にて閉鎖される点検口７１が開設されている。
【００２６】
従って、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０を電気工事またはメンテナンスする場合には、作業者は、天井板３３から点検口蓋７２を取り外して点検口７１を開放し、この点検口７１内に手を挿入し、電装箱蓋５７を取り外すことにより電装箱３７内の配線工事などを実施する。
【００２７】
更に、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０の場合にはパネル蓋６０を取り外してパネル口５９から、また、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０の場合には点検口蓋７２を取り外して点検口７１から、冷媒配管接続口４３及び４４に接続された冷媒配管や、ドレン配管接続口４５Ａに接続されたドレン配管などの漏洩検査、またはそれらの接続箇所のメンテナンスが実施される。
【００２８】
上記実施の形態によれば、次の効果▲１▼及び▲２▼を奏する。
【００２９】
▲１▼ユニット本体３５は開口５５を備え、この開口５５がユニット本体３５の外側に向くように、ユニット本体３５の側板３８Ａ外面に設置され、ユニット本体３５の下部に着脱可能に設けられた天井パネル４９が電装箱３７位置まで延長され、このパネル延長部５８に、パネル蓋６０により閉鎖可能なパネル口５９が設けられたことから、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０の場合に電気工事またはメンテナンスをするときには、パネル蓋６０を取り外し、パネル口５９から電装箱３７にアクセスして上記電気工事などを実施する。一方、ダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０の場合には、ユニット本体３５から天井パネル４９が取り外されており、電気工事またはメンテナンスを実施するときには、建屋３１の天井板３３に設けられた点検口７１から電装箱３７にアクセスして上記電気工事などを実施する。この為、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０とダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０とで電装箱３７を共通部品化でき、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０とダクト仕様ビルトイン型空気調和機４０の共用化を実現できる。この結果、ビルトイン型空気調和機の機種数を削減でき、在庫管理を容易化できる。
【００３０】
▲２▼従来、パネル仕様ビルトイン型空気調和機３０の場合には、電装箱３７に接続された冷媒配管接続口４３、４４、４５の漏洩検査や、これらの冷媒配管接続口４３、４４、４５のメンテナンスのために、建屋３１の天井板３３にメンテナンス口が必要となっていたが、これらの冷媒配管接続口４３、４４、４５の漏洩検査なども天井パネル４９のパネル口５９から実施できるので、建屋３１の天井板３３にメンテナンス口を設ける必要がない。
【００３１】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【００３２】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るビルトイン型空気調和機によれば、天井パネルは、ユニット本体の直下位置から電装箱の直下位置を越える位置まで延長され、このパネル延長部にパネル口が開設され、このパネル口はパネル延長部に着脱自在に装着されるパネル蓋によって閉鎖され、上記電装箱は、ユニット本体の外側に向く開口および開口を塞ぐ電装箱蓋を備え、上記パネル延長部からパネル蓋を取り外してパネル口を開放し、このパネル口内に手を挿入し電装箱内の配線工事を実施可能としたことから、パネル仕様とダクト仕様のビルトイン型空気調和機における電装箱を共通部品化して、両空気調和機の共用化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るビルトイン型空気調和機の一実施の形態を示し、（Ａ）がパネル仕様ビルトイン型空気調和機、（Ｂ）がダクト仕様ビルトイン型空気調和機のそれぞれ側面図である。
【図２】図１（Ａ）におけるパネル仕様ビルトイン型空気調和機のユニット本体及び電装箱を示す平面図である。
【図３】図２のＩＩＩ矢視図である。
【図４】図１（Ｂ）におけるダクト仕様ビルトイン型空気調和機のユニット本体及び電装箱を示す平面図である。
【図５】図４のＩＶ矢視図である。
【図６】従来のビルトイン型空気調和機を示し、（Ａ）がパネル仕様ビルトイン型空気調和機、（Ｂ）がダクト仕様ビルトイン型空気調和機をそれぞれ示す部分斜視図である。
【符号の説明】
３０ パネル仕様ビルトイン型空気調和機
３１ 建屋
３２ 天井
３４ 天井空間
３５ ユニット本体
３６ 吹出ダクト
３７ 電装箱
４０ ダクト仕様ビルトイン型空気調和機
４９ 天井パネル
５５ 開口
５７ 電装箱蓋
５８ パネル延長部
５９ パネル口
６０ パネル蓋
７１ 点検口
７２ 点検口蓋
Claims (1)
- 建屋の天井部に設置され、熱交換器及びファンを収容したユニット本体に、吹出ダクトが延設されるとともに、このユニット本体の側板の外面には電装箱が設けられ、上記ユニット本体の真下位置には天井パネルが設けられたビルトイン型空気調和機において、
上記天井パネルは、ユニット本体の直下位置から電装箱の直下位置を越える位置まで延長され、このパネル延長部にパネル口が開設され、このパネル口はパネル延長部に着脱自在に装着されるパネル蓋によって閉鎖され、上記電装箱は、ユニット本体の外側に向く開口および開口を塞ぐ電装箱蓋を備え、上記パネル延長部からパネル蓋を取り外してパネル口を開放し、このパネル口内に手を挿入し電装箱内の配線工事を実施可能としたことを特徴とするビルトイン型空気調和機。
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| JP04812399A JP3806535B2 (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | ビルトイン型空気調和機 |
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Family
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Family Applications (1)
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-
1999
- 1999-02-25 JP JP04812399A patent/JP3806535B2/ja not_active Expired - Lifetime
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