JP3804120B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の制御装置、特に、登坂走行時のアクセルペダルの踏込み操作によって不必要なシフトダウンが頻繁に起こらないように改良された自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両に搭載される自動変速機の制御装置は、予め車速とスロットル開度とをパラメータとして設定した変速マップにこれら二つの実測値を当てはめて変速段を決定すると共に、クラッチやバンドブレーキ等からなる複数の摩擦要素の動力伝達経路を自動的に切り換えて上記変速段を実現するように構成されている。
【0003】
その場合に、上記変速マップとしては、まず第一に、平坦路において適切なタイミングでシフトチェンジが行なわれるように特性付けられた平坦路走行用の変速マップが用いられる。しかしながら、例えば特開平5−71626号公報に開示されているように、この平坦路用マップでは登坂走行時又は降坂走行時に適切な変速特性が得られないため、該平坦路用マップに比べて4−3変速線が高車速側に変更されて、4速領域が縮小され、3速領域が拡大された登降坂走行用の変速マップを上記平坦路用マップに加えて用いることも知られている。これによれば、登降坂走行時には4速から3速にシフトダウンされる傾向が大きくなり、その結果、上り坂の場合では駆動力が増大し、また、下り坂の場合ではエンジンブレーキが活用されて、それぞれ平坦路用マップでは得られない良好な変速特性が実現されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の変速制御においては、車両が平坦路から登坂路、特に、緩やかな登坂路に差し掛かった場合に、次のような不具合が生じる。
【0005】
すなわち、まず平坦路用マップは、一般に、車速を一定に保つ定常走行が可能なスロットル開度と車速との関係を表す所謂ロードロードラインを基準とし、これに、例えば運転者による加速を意図しない無意識のアクセルペダルの踏込み操作等の僅かな操作幅を考慮して作成される。つまり、図10及び図11に概念的に示すように、勾配0°のときのロードロードラインaに対して、上記の多少の操作幅dを加味したうえで、変速線cがこの操作幅d内に入らないような位置に設定される。したがって、いま、車両が車速vで平坦路を定常走行しているとすると、そのスロットル開度は符号アの位置にあり、ここで無意識のうちのアクセル操作等が行なわれたりしても変速は起こらない。
【0006】
一方、車両が平坦路から、例えば高速道路でよく見掛けられるような長い緩やかな上り坂に入った場合を考える。そして、運転者が現変速段のままで車速を維持して登り切れると判断し、緩やかな上り傾斜に対して車速を低下させないようにするだけのアクセルペダルの踏込み操作を行なったものとする。このアクセル操作は、加速のためにより大きな駆動力を得ようとするものではなく、上記したように、この上り坂においても平坦路と同じ車速vを保とうとする程度のものであるから、スロットル開度は符号イの位置に上昇はするが変速線cは越えないものである。しかしながら、この状態で、換言すれば緩傾斜のときのロードロードラインb上で、上記した無意識のアクセル操作等が行なわれると、スロットル開度が変速線cを越えて大きくなる場合が発生し、その結果、シフトダウンが起き易くなるのである。
【0007】
そして、このシフトダウン変速は運転者の意図しないものであるから、運転者にとっては走り難く、ドライブフィーリングが阻害されると共に、また、静粛性の面からも乗員に不快感を与えてしまうものとなる。
【0008】
さらには、図11に符号eで示したように、上記公報に開示されているような登坂制御においてはシフトダウン用の変速線が高車速側に変更されるので、該シフトダウン線eと、平坦路と同じ車速vを保とうとして踏み込んだスロットル開度イとが一層接近して、以上のような不具合がより頻繁に発生することになると共に、登坂用マップの設定によっては、図例のようにシフトダウン線eがより大きく高車速側に変更されて、上記スロットル開度イ自体がシフトダウン線eを越え、したがって車速維持のためにアクセルペダルが踏み込まれた時点でシフトダウン変速が起きることもあり得る。
【0009】
そこで、本発明は、従来の自動変速機の制御装置における上記のような問題に対処するもので、車両が平坦路から登坂路に差し掛かった場合のアクセルペダルの踏込み操作に起因して、不必要なシフトダウン変速が頻繁に起こらないようにすることを課題とし、併せて登坂路での加速要求にも対応しうる変速制御を実現することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は次のように特定される。
【0011】
すなわち、本発明のうち請求項1に記載の発明(以下「第1発明」という。)は、車両の運転状態と変速マップとに基づいて変速段を自動的に切り換える自動変速機の制御装置であって、車両の登坂走行時に登坂路の勾配を検出する勾配検出手段と、該検出手段で検出された登坂路の勾配が第1所定値より大きいときに、上記変速マップにおけるシフトダウン用の変速線として平坦路走行時より低車速側の変速線を用いることによりシフトダウンを起こり難くするシフトダウン規制手段と、上記検出手段で検出された登坂路の勾配が上記第1所定値より大きな第2所定値より大きい状態でシフトダウンが起きたときに、上記変速マップにおけるシフトアップ用変速線として平坦路走行時より高車速側の変速線を用いることにより、シフトアップを起こり難くするシフトアップ規制手段とが備えられていることを特徴とする
【0012】
この第1発明によれば、車両の登坂走行時において、登坂路の勾配が第1所定値より大きいときに、変速マップにおけるシフトダウン用の変速線として平坦路走行時より低車速側の変速線が用いられて、シフトダウンが起こり難くなるので、運転者が上り傾斜に対して車速を低下させないようにアクセルペダルを踏み込んだり、あるいは、さらに無意識のうちにアクセル操作を行なったりしても、従来の変速制御のように運転者の意図しない不必要なシフトダウン変速が発生することが抑制され、運転者のニーズに合った走り易さと静粛性が得られる。
【0013】
そして、登坂路の勾配が上記第1所定値より大きな第2所定値より大きい状態でシフトダウンが起きたときには、上記変速マップにおけるシフトアップ用変速線として平坦路走行時より高車速側の変速線が用いられるので、シフトダウン前の変速段へのシフトアップが平坦路走行時よりも起こり難くなる。
【0014】
つまり、登坂走行時には、まず、運転者の意図しない不必要なシフトダウン変速の発生を抑制するためのシフトダウン規制が行なわれるが、このシフトダウン規制を越えて加速を意図するアクセルペダルの踏込み操作があった場合には、今度は、上記シフトダウン規制が作動していないときのシフトアップ用変速線、換言すれば、平坦路走行時のシフトアップ用変速線よりも高車速側の変速線が用いられ、結果としてシフトアップ規制がより厳しくなり、平坦路走行時よりもシフトアップが起こり難くなる。このシフトアップ規制は従来の登坂制御と同様の制御であって、換言すれば、この第1発明は、登坂走行時にはまず運転者の意図しない不必要なシフトダウン変速の発生を抑制しつつ、必要とあれば、より大きな駆動力が与えられるように従来と同様の登坂制御に移行するものである。これにより、運転者が上り傾斜に対して車速を落とさない程度のアクセル操作をしているときは、現変速段のままで走行して、走り易さと静粛性が得られ、一方、運転者が加速を希望してさらに大きくアクセルペダルを踏み込んだときには、登坂制御に移行して、低変速段での走行と長期間に渡る駆動力の増大が図られて、運転者のニーズを両立させ、より一層緻密な二段構えの変速制御が実現されることになる。
【0015】
次に、請求項2に記載の発明(以下「第2発明」という。)は、上記第1発明において、シフトダウン規制手段は、登坂路の勾配が第1所定値より大きいことが検出されたときに、変速マップにおけるシフトダウン用変速線低車速側に補正することにより、シフトダウン用変速線として平坦路走行時より低車速側の変速線を用い、シフトアップ規制手段は、登坂路の勾配が第2所定値より大きい状態でシフトダウンが起きたときに、変速マップにおけるシフトアップ用変速線を高車速側に補正することにより該シフトアップ用変速線として平坦路走行時より高車速側の変速線を用いることを特徴とする。
【0016】
この第2発明によれば、第1発明におけるシフトダウン規制及びシフトアップ規制が、変速マップにおけるシフトダウン用変速線の低車速側への補正、及びシフトアップ用変速線の高車速側への補正によってそれぞれ実行されることになる。
【0017】
次に、請求項3に記載の発明(以下「第3発明」という。)は、上記第1発明において、シフトダウン規制手段は、登坂路の勾配が第1所定値より大きいことが検出されたときに、変速マップをシフトダウン用変速線が平坦路用の変速マップより低車速側に設定された変速マップに切り換えることにより、シフトダウン用変速線として平坦路走行時より低車速側の変速線を用い、シフトアップ規制手段は、登坂路の勾配が第2所定値より大きい状態でシフトダウンが起きたときに、変速マップをシフトアップ用変速線が平坦路用の変速マップより高車速側に設定された変速マップに切り換えることにより、シフトアップ用変速線として平坦路走行時より高車速側の変速線を用いることを特徴とする。
【0018】
この第3発明によれば、第1発明におけるシフトダウン規制及びシフトアップ規制が、変速マップの切り換えによってそれぞれ実行されることになる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図1に示すように、この実施の形態における車両は、左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,4が駆動輪とされ、エンジン5の出力トルクがトルクコンバータ6と変速歯車機構7との組合せからなる自動変速機8を経て、該自動変速機8の出力軸9、差動装置10及び左右の駆動軸11,12を介して左右の後輪3,4に伝達されるようになっている。
【0034】
また、エンジン5の吸気系にはスロットル弁13が配設されて、アクセルペダル14の踏込みにより、該スロットル弁13の開度が調節され、吸入空気量が可変制御されてエンジン出力がコントロールされるようになっている。
【0035】
そして、この車両には、エンジン5の出力軸5aの回転数を検出するエンジン回転センサ15、トルクコンバータ6のタービン軸6aの回転数を検出するタービン回転センサ16、自動変速機8の出力軸9の回転数を検出する出力回転センサ17、及びスロットル弁13の開度を検出するスロットル開度センサ18が設けられていると共に、これらのセンサ類から入力される各種の信号に基づいて、図2、図6ないし図7、又は図8のいずれかの制御プログラムに従い、自動変速機8の変速装置19に変速信号を出力するコントロールユニット20が備えられている。以下、上記各図に示した変速制御を順次説明する。
【0036】
まず、図2に示す変速制御は、コントロールユニット20内に路面勾配に応じて相互に異なる複数の変速マップが予めメモリされていると共に、路面勾配の検出結果に基づいて上記変速マップを切り換えて用いるものである。
【0037】
すなわち、コントロールユニット20は、エンジン回転数NE、タービン回転数TREV、車速VSP、及びスロットル開度THVOL等の各種信号を読み込む(ステップS11)。その場合に、車速VSPとしては、自動変速機8の出力軸9の回転数から差動装置10のギア比及びタイヤ周長等をもとに求めたものを用いても、また、タービン回転数TREVから変速歯車機構7のギア比、差動装置10のギア比及びタイヤ周長等をもとに求めたものを用いてもよい。
【0038】
次いで、コントロールユニット20は、路面勾配値gradeを演算する(ステップS12)。この路面勾配値gradeの演算は、概略次のようにして行なわれる。つまり、コントロールユニット20は、エンジン回転数NEとスロットル開度THVOLとからエンジン5の出力トルクを求め、このエンジントルクとトルクコンバータ6のトルク比とからタービントルクを求める。さらに、このタービントルクから車体重量等をもとに平坦路走行時に得られる予想加速度を算出する。一方、コントロールユニット20は、車速VSPの時間変化から車両の実加速度を求める。そして、上記予想加速度と実加速度とを比較して、両者が略等しければ平坦路と、後者が前者より大きければ降坂路と、前者が後者より大きければ登坂路とそれぞれ判定すると共に、その差分に応じて路面勾配値gradeを演算する。
【0039】
次いで、コントロールユニット20は、このようにして得られた路面勾配値gradeが所定値Aより大きいか否かを判定する(ステップS13)。その場合に、この所定値Aは、車両が現変速段のままで車速を維持して登り切れると判断されるような緩やかな登坂角のうちの相対的に小さな勾配角、例えば3°等に設定されている。そして、NOの場合、つまり車両が平坦路を走行中であると判定された場合は、図3に示す平坦路用のシフトパターンAを選択し(ステップS14)、このシフトパターンAに基づく変速判定をする(ステップS19)。
【0040】
一方、路面勾配値gradeが所定値Aより大きいときは、さらに該路面勾配値gradeが所定値Bより大きいか否かの判定を行なう(ステップS15)。ここで、所定値Bは、上記所定値A以上の勾配角、例えば5°等に設定されている。そして、NOの場合、つまり車両が相対的に小さな勾配角の登坂路を走行中であると判定された場合は、図4に示すシフトパターンBを選択し(ステップS16)、このシフトパターンBに基づく変速判定をする(ステップS19)。
【0041】
また、路面勾配値gradeが所定値Bより大きいとき、つまり車両が相対的に大きな勾配角の登坂路を走行中であると判定された場合には、さらにシフトダウンが発生したか否かの判定を行なって(ステップS17)、YESの場合は、図5に示すシフトパターンCを選択し(ステップS18)、このシフトパターンCに基づく変速判定をする一方(ステップS19)、NOの場合には、上記シフトパターンBを選択する(ステップS16)。
【0042】
このとき、図3ないし図5に示したように、シフトパターンAは、専ら平坦路走行で円滑な変速が実現するように各変速線が設定されているのに対し、シフトパターンBは、この平坦路用シフトパターンAに比べて、3−2シフトダウン線及び2−1シフトダウン線が低車速側に設定されていると共に、シフトパターンCは、平坦路用シフトパターンAに比べて、全ての変速線が高車速側に設定されている。
【0043】
したがって、この変速制御によれば、車両が平坦路(前記設例でいえば勾配角が3°以下)を走行中は、シフトパターンAが用いられて、平坦路に適したシフトチェンジが行なわれる。一方、車両が登坂路を走行中であって、勾配角が相対的に小さいとき(前記設例でいえば勾配角が3°より大きく5°以下のとき)は、シフトパターンBが用いられて、シフトダウンが発生し難くされる。これにより、運転者がこの相対的に小さい緩傾斜に対して車速を低下させないようにアクセルペダルを踏み込んだり、あるいは、ここで無意識のうちにさらにアクセル操作を行なったりしても、運転者の意図しない不必要なシフトダウン変速が抑制され、運転者のニーズに合った走り易さと静粛性が得られることになる。
【0044】
また、車両が登坂路を走行中であって、勾配角が相対的に大きいとき(前記設例でいえば勾配角が5°より大きいとき)には、シフトダウンが起きるまでは、同様にシフトパターンBが用いられて、シフトダウンが発生し難くされるが、運転者がこの相対的に大きい緩傾斜に対してアクセルペダルを踏み込んで加速要求をし、その結果、シフトダウンが起きたときには、シフトパターンCが用いられて、却って平坦路走行時よりもシフトアップが発生し難くされることになる。
【0045】
つまり、この変速制御によれば、登坂走行時にはまず運転者の意図しない不必要なシフトダウン変速の発生を優先的に抑制しつつ、運転者のアクセル操作に応じて、必要とあれば、より大きな駆動力が与えられるように従来の登坂制御と同様の変速制御に移行するものである。これにより、運転者が車速を落とさない程度の僅かなアクセル操作をしているときの走り易さ及び静粛性と、運転者が加速を希望して大きくアクセルペダルを踏み込んだときの低変速段での走行及び長期間に渡る駆動力の増大との両立が図られて、運転者のニーズに緻密に合致した二段構えの変速制御が実現されることになる。
【0046】
次に、図6ないし図7に示す変速制御は、基本的に上記図2に示す変速制御と同様の流れであるが、変速マップの切換えに代えて、路面勾配の検出結果に応じて変速線を補正して用いるものである。
【0047】
すなわち、コントロールユニット20は、前述と同様にして、各種信号を読み込んだのち(ステップS21)、路面勾配値gradeを演算し(ステップS22)、この路面勾配値gradeが所定値Aより大きいか否かを判定する(ステップS23)。そして、NOの場合、つまり車両が平坦路を走行中であると判定された場合は、ステップS24に進んで、1−2シフトアップ用、2−3シフトアップ用、3−2シフトダウン用、及び2−1シフトダウン用の各変速用車速所定値F12,F23,F32,F21を求める。これらの変速用車速所定値F12,F23,F32,F21はそれぞれスロットル開度THVOLの関数f12,f23,f32,f21とされており、車両が平坦路走行している場合に円滑な変速が実現するような値に設定される。
【0048】
一方、路面勾配値gradeが所定値Aより大きいときは、さらに該路面勾配値gradeが所定値Bより大きいか否かの判定を行ない(ステップS25)、NOの場合、つまり車両が相対的に小さな勾配角の登坂路を走行中であると判定された場合は、ステップS26に進んで、同じく各車速所定値F12,F23,F32,F21を求めるが、その場合に、3−2シフトダウン用、及び2−1シフトダウン用の車速所定値F32,F21については、1未満の所定の正の値αを乗算して算出される。その結果、これらの3−2シフトダウン用及び2−1シフトダウン用の車速所定値F32,F21は、平坦路走行時よりも低い値、つまり低車速側に設定されることになる。
【0049】
また、路面勾配値gradeが所定値Bより大きいとき、つまり車両が相対的に大きな勾配角の登坂路を走行中であると判定された場合には、さらにシフトダウンが発生したか否かの判定を行なって(ステップS27)、YESの場合は、ステップS28に進んで、同じく各車速所定値F12,F23,F32,F21を求めるが、その場合に、これらの所定値F12,F23,F32,F21は、全て、1より大きい所定の正の値βを乗算して算出される。その結果、各変速用車速所定値F12,F23,F32,F21は、平坦路走行時よりも高い値、つまり高車速側に設定されることになる。
【0050】
そして、ステップS29からS36において、現在の変速段gearと、上記各変速用車速所定値F12,F23,F32,F21に対する車速VSPの大小関係とから、変速段gearをそれぞれ一段づつシフトアップ又はシフトダウンし、その決定された変速段gear信号を自動変速機8の変速装置19に出力する。
【0051】
したがって、この変速制御によれば、車両が平坦路を走行中は、変速用車速所定値F12,F23,F32,F21が、平坦路走行に適した値に設定されるのに対して、車両が相対的に小さな勾配角の登坂路を走行中には、3−2シフトダウン線及び2−1シフトダウン線が低車速側に設定され、また、車両が相対的に大きな勾配角の登坂路を走行中には、全ての変速線が高車速側に設定されて、これにより、上記図2に示す変速制御と同様の作用が得られることになる。
【0052】
なお、図8に示す変速制御は本発明に関連する制御例であって、この例では上記のような変速マップの切換えや変速線の補正を行なわず、スロットル開度が変速線を越えてもその増分が所定量となるまでは変速を許可しないようにするものである。
【0053】
すなわち、コントロールユニット20は、前述と同様にして、各種信号を読み込んだのち(ステップS41)、路面勾配値gradeを演算し(ステップS42)、この路面勾配値gradeが所定値Aより大きいか否かを判定する(ステップS43)。そして、NOの場合、つまり車両が平坦路を走行中であると判定された場合は、ステップS44に進んで、スロットル開度が変速線を越えてからの増分に対する所定値TVXを0とする。一方、YESの場合、つまり車両が登坂路を走行中であると判定された場合には、ステップS45に進んで、上記所定値TVXを車速VSPに応じて決定する。
【0054】
そして、コントロールユニット20は、スロットル開度の増分δが上記所定値TVXより大きいか否かを判定し(ステップS46)、NOの場合は変速を実行せず(ステップS47)、YESの場合には変速を実行する(ステップS48)。
【0055】
したがって、この変速制御によれば、車両が平坦路を走行中は、上記所定値TVXが0とされるので、スロットル開度が変速線を越えた時点で直ちに変速が実行されて通常の変速制御が行なわれるのに対して、車両が登坂路を走行中には、スロットル開度が変速線を越えても直ちには変速が実行されず、スロットル開度の増分δが上記所定値TVXを越えて大きくなったときに初めて変速が実行されることになる。これにより、登坂走行時には、変速実行条件が厳しくなり、結果的に変速が遅延されてシフトダウンが起こり難くなる。
【0056】
また、この変速制御においては、シフトダウン線の補正や変速特性の切換えを行なわなくても済むことになる。
【0057】
さらに、この変速制御によれば、スロットル開度の増分が所定値となったときにはシフトダウンが許可されることになる。これは、運転者がそれ程大きくアクセルペダルを踏み込んだ場合には、単に車速を維持しようとしているのではなく、積極的に加速を希望して駆動力を要求していると判断するのが妥当であるので、そのような場合にはシフトダウン変速をして、より大きな駆動力を与えるようにするのである。これにより、運転者のニーズにより一層緻密に合致した変速制御が実現されることになる。
【0058】
ところで、前述したように、車速VSPは、自動変速機8の出力軸9の回転数からも、また、タービン回転数TREVからも求められるが、特に、タービン回転数TREVから求めた値を用いて、上記各ステップS12,S22,S42において勾配値gradeを演算する場合には、次のような問題が生じる。
【0059】
すなわち、タービン回転数TREVから車速VSPを決定するためには、タービン軸6aが自動変速機8の出力軸9と直結されている必要があるが、変速中は、変速歯車機構7内の摩擦要素の締結状態が過渡期にあり、その動力伝達経路が変化している最中で、上記タービン軸6aと出力軸9との回転比関係が崩れることになる。したがって、変速中においても、タービン回転数TREVから車速VSPを算出し、これから車両の実加速度等を求めると、勾配値が異常な値となって、上記各変速制御が精度不良となるのである。
【0060】
そこで、図9に示すように、ステップS11,S21,もしくはS41で各種信号を読み込んだ次に、ステップS51において、変速中であるかどうかを判定し、変速中でない場合には、前述通りにステップS12,S22,もしくはS42で勾配値gradeを演算し、変速中のときは、ステップS52に進んで、勾配値gradeの演算を行なわず、変速開始前の前回値を用いるようにすることが好ましい。このようにすることにより、勾配値がタービン回転数TREVの不安定さに起因して異常な値となることが回避され、変速制御の精度が確保されることになる。その場合に、変速は非常に短時間に終了するので、このように前回の勾配値gradeを用いても、実際の勾配との差は僅かであり、変速制御の精度は十分担保される。また、上記ステップS52で、前回の勾配値gradeを用いる代わりに、変速開始前の各種信号を用いて勾配値gradeを演算するようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自動変速機の制御装置によれば、車両の登坂走行時において、登坂路の勾配が第1所定値より大きいときに、変速マップにおけるシフトダウン用の変速線として平坦路走行時より低車速側の変速線が用いられて、シフトダウンが起こり難くなるので、運転者が上り傾斜に対して車速を低下させないようにアクセルペダルを踏み込んだり、あるいは、さらに無意識のうちにアクセル操作を行なったりしても、従来の変速制御のように運転者の意図しない不必要なシフトダウン変速が発生することが抑制され、運転者のニーズに合った走り易さと静粛性が得られる。
【0071】
そして、登坂路の勾配が上記第1所定値より大きな第2所定値より大きい状態でシフトダウンが起こったときは、シフトアップ用変速線として、平坦路走行時より高車速側の変速線が用いられるので、これにより、シフトダウン後の変速段からシフトダウン前の元の変速段へのシフトアップがより一層起こり難くされることになる。
【0072】
つまり、登坂走行時には、まず、運転者の意図しない不必要なシフトダウン変速の発生を抑制するためのシフトダウン規制が行なわれるが、このシフトダウン規制を越えて加速を意図するアクセルペダルの踏込み操作があった場合には、本発明によれば、今度は、却って、上記シフトダウン規制が作動していないときのシフトアップ用変速線、換言すれば、平坦路走行時のシフトアップ用変速線よりも高車速側の変速線が用いられ、結果としてシフトアップ規制がより厳しくなり、平坦路走行時よりもシフトアップが起こり難くなる。つまりこれは従来の登坂制御と同様の制御であって、換言すれば、本発明は、登坂走行時にはまず運転者の意図しない不必要なシフトダウン変速の発生を抑制しつつ、必要とあれば、より大きな駆動力が与えられるように従来と同様の登坂制御に移行するものである。これにより、運転者が上り傾斜に対して車速を落とさない程度のアクセル操作をしているときは、現変速段のままで走行して、走り易さと静粛性が得られ、一方、運転者が加速を希望してさらに大きくアクセルペダルを踏み込んだときには、登坂制御に移行して、低変速段での走行と長期間に渡る駆動力の増大が図られて、運転者のニーズを両立させ、より一層緻密な二段構えの変速制御が実現されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における車両の制御システム図である。
【図2】 上記車両における第1の変速制御のフローチャート図である。
【図3】 同変速制御で平坦路走行時に使用される変速マップの概念図である。
【図4】 同変速制御で登坂走行時に使用される変速マップの概念図である。
【図5】 同変速制御で登坂走行時に使用される別の変速マップの概念図である。
【図6】 上記車両における第2の変速制御の前半部分のフローチャート図である。
【図7】 同第2の変速制御の後半部分のフローチャート図である。
【図8】 本発明に関連する変速制御例のフローチャート図である。
【図9】 上記各変速制御における勾配値の演算が改良されたフローチャート図である。
【図10】 本発明の解決課題の説明図である。
【図11】 同じく、本発明の解決課題の説明図である。
【符号の説明】
5 エンジン
6 トルクコンバータ
7 変速歯車機構
8 自動変速機
20 コントロールユニット

Claims (3)

  1. 車両の運転状態と変速マップとに基づいて変速段を自動的に切り換える自動変速機の制御装置であって、車両の登坂走行時に登坂路の勾配を検出する勾配検出手段と、該検出手段で検出された登坂路の勾配が第1所定値より大きいときに、上記変速マップにおけるシフトダウン用の変速線として平坦路走行時より低車速側の変速線を用いることによりシフトダウンを起こり難くするシフトダウン規制手段と、上記検出手段で検出された登坂路の勾配が上記第1所定値より大きな第2所定値より大きい状態でシフトダウンが起きたときに、上記変速マップにおけるシフトアップ用変速線として平坦路走行時より高車速側の変速線を用いることにより、シフトアップを起こり難くするシフトアップ規制手段とが備えられていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. シフトダウン規制手段は、登坂路の勾配が第1所定値より大きいことが検出されたときに、変速マップにおけるシフトダウン用変速線を低車速側に補正することにより、シフトダウン用の変速線として平坦路走行時より低車速側の変速線を用い、シフトアップ規制手段は、登坂路の勾配が第2所定値より大きい状態でシフトダウンが起きたときに、変速マップにおけるシフトアップ用変速線を高車速側に補正することにより、該シフトアップ用変速線として平坦路走行時より高車速側の変速線を用いることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. シフトダウン規制手段は、登坂路の勾配が第1所定値より大きいことが検出されたときに、変速マップをシフトダウン用変速線が平坦路用の変速マップより低車速側に設定された変速マップに切り換えることにより、シフトダウン用の変速線として平坦路走行時より低車速側の変速線を用い、シフトアップ規制手段は、登坂路の勾配が第2所定値より大きい状態でシフトダウンが起きたときに、変速マップをシフトアップ用変速線が平坦路用の変速マップより高車速側に設定された変速マップに切り換えることにより、シフトアップ用変速線として平坦路走行時より高車速側の変速線を用いることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
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