JP3803507B2 - 医療用診療台及びインスツルメントホルダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、着座部とこの着座部に対して傾動可能な背板とを備えた医療用診療台(例えば、歯科診療台)に関する。また、本発明は、このような診療台用のインスツルメントホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−250871号に、本願出願人の歯科診療台が開示されている。この歯科診療台は、患者の着座部と、この着座部に対して傾動自在な背板を備えている。背板の横には、この背板の側部から水平方向に突出する第1のアームと、第1のアームに対して水平面上で回転する第2のアームと、第2のアームに支持されたインスツルメントユニットが配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この歯科診療台では、インスツルメントユニットの旋回範囲が限られており、背板の傾動角度に拘らず、常に背板の横に位置するようにしてある。したがって、歯科診療台は多くの面積を占有する。そのため、複数の歯科診療台を隣合わせに配置すると、インスツルメントユニットが患者、歯科医師、及び補助者の通行の邪魔になるという問題があった。また、壁の近くに歯科診療台を配置した場合、この歯科診療台と壁との間にインスツルメントユニットが位置すると同様の問題を生じる。
【0004】
また、上記歯科診療台では、インスツルメントユニットが背板の片側にのみ位置するので、歯科診療台を挟んでインスツルメントユニットの反対側で歯科医師が患者を診療する場合、このインスツルメントユニットに容易にアクセスできないという問題があった。
【0005】
さらに、上記歯科診療台では、テーブルの前部に掛け置き式のインスツルメントホルダを設け、この掛け置き式のインスツルメントホルダに一つのハンドインスツルメントを保持する形態を採用している。しかし、このような掛け置き式のインスツルメントホルダは一つのハンドインスツルメントしか保持し得ないので、複数のハンドインスツルメント用に複数のインスツルメントホルダを配置すると、これら複数のハンドインスツルメントが散在し、ハンドインスツルメントに対する歯科医師のアクセス性が悪いという問題があった。また、例えば歯科医師の衣服がハンドインスツルメントに接触した場合、このハンドインスツルメントが落下する危険があった。
【0006】
そこで、本発明は、インスツルメントユニットが不要なときはこのインスツルメントユニットを通行の邪魔にならない場所に移動できる医療用診療台を提供することを目的とする。また、本発明は、医療用診療台の左右いずれに居ても容易にインスツルメントユニットにアクセスできる医療用診療台を提供することを別の目的とする。さらに、本発明は、医師がハンドインスツルメントに容易にアクセスできる診療台用インスツルメントホルダを提供することを別の目的とする。さらにまた、本発明は、ハンドインスツルメントが不用意に落下することのない診療用ハンドインスツルメントホルダを提供することを別の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明の医療用診療台は、着座部と、上記着座部に対して傾きを調整できる背板と、上記背板の内部に収容され且つ上記背板の横幅方向略中央部に配置された支持部材と、上記背板の傾動に応じて垂直面に沿って上記支持部材を平行に移動させるリンク機構と、一端が上記支持部材に固定されると共に他端が上記背板から突出し、上記他端が上記背板の側部よりも外側に突出し得る長さを有する腕部と、上記腕部の他端に水平面に沿って回転自在に連結され、上記背板がほぼ起立しているとき、上記背板の背後に位置し得るインスツルメントユニットと、上記背板とインスツルメントユニットとの干渉を防止する干渉防止装置を有し、上記干渉防止装置は、上記インスツルメントユニットの位置を検出する検出部と、上記検出部の検出結果をもとに、上記インスツルメントユニットが上記背板の背後に位置しているか否かを判断する判断部と、上記判断部で上記インスツルメントユニットが背板の背後に位置していると判断したときに上記背板の傾動を禁止する禁止部を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明の診療台用インスツルメントホルダは、ホルダ板に複数の孔又は溝を形成し、これらの孔又は溝にそれぞれハンドインスツルメントを着脱自在に保持するハンドインスツルメントを保持する診療台用インスツルメントホルダにおいて、上記複数のハンドインスツルメントのそれぞれについて、上記ホルダ板の前後方向とのなす角度を調整する水平角調整部と、水平面とのなす角度を調整する鉛直角調整部を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の他の形態の診療台用インスツルメントホルダは、上記複数のハンドインスツルメントは一端側に配置されたインスツルメントほど緩い傾斜角度が付けられていることを特徴とする。
【0015】
【発明の効果】
本発明の医療用診療台によれば、背板を起こした状態で、インスツルメントユニットを背板の背後に移動させることができる。したがって、患者導入時及び患者退出時、背板を起立し、この背板の背後にインスツルメントユニットを移動しておけば、このインスツルメントユニットに干渉することなく、患者は医療用診療台の着座部に進み又そこから退出できる。また、背板の背後に配置されたインスツルメントユニットは、医師及びその補助者の通行を邪魔する危険も少なく、これらの者がハンドインスツルメントに不用意に接触することもない。さらに、一つの診療室に複数の医療用診療台を並列又は任意の状態で配置した場合でも、背板を起こしてその背後にインスツルメントユニットを移動させておけば、医療用診療台の占有スペースが小さくなり、患者、医師等の移動が容易になる。さらにまた、支持部材が背板の略中央部に配置され、腕部の他端が背板の側部よりも外側に突出し得る長さを有するので、インスツルメントユニットを医療用診療台の左右いずれにも位置させることができるので、医療用診療台が更に利用し易いものとなる。そしてまた、背板とインスツルメントユニットとの干渉を防止する干渉防止装置を備えているので、背板とインスツルメントユニットとの干渉が確実に防止でき、インスツルメントユニットに損傷を与えることもない。
【0016】
また、ホルダ板に複数の孔又は溝を形成し、これらの孔又は溝にそれぞれハンドインスツルメントを着脱自在に保持するハンドインスツルメントを保持する診療台用インスツルメントホルダにおいて、上記複数のハンドインスツルメントのそれぞれについて、上記ホルダ板の前後方向とのなす角度を調整する水平角調整部と、水平面とのなす角度を調整する鉛直角調整部を備えていることを特徴とする診療台用インスツルメントホルダによれば、インスツルメントホルダの前に座った医師は、各インスツルメントを捕らえる位置から目的の治療部位を目掛けて、各インスツルメントをスムーズに運ぶことができる。つまり、各インスツルメントが前後方向に向けて配置されている場合、医師はまずインスツルメントを自分の体の方向に引き出し、次に治療部位に向かって方向を変えるという方向転換の操作が必要であるが、本発明によれば、余分な方向転換をする必要がないので、インスツルメントの扱いが容易になる。
【0017】
さらに、上記複数のハンドインスツルメントは一端側に配置されたインスツルメントほど緩い傾斜角度が付けられていることを特徴とする診療台用インスツルメントホルダによれば、引き出したインスツルメントを真っ直ぐ患者に向けてスムーズに引き出すことができるとともに、インスツルメントを捕るとき、目的のインスツルメント以外のインスツルメントに触れることも少ない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を歯科用診療台に適用した例であるが、本発明は歯科用診療台に限らず、種々の医療用診療台に適用できる。
(1)医療用診療台の第1実施形態
図1は、本発明に係る医療用診療台の一形態である歯科用診療台10を示す。歯科用診療台10は、概略、昇降台12と、昇降台12の上部に固定された着座部14と、着座部14に対して傾動自在に連結された背板16とを有する。背板16は、上部にヘッドレスト18を有し、左右いずれか一方の側部(図1の実施形態では右側部)にインスツルメントユニット20を有する
【0021】
インスツルメントユニット20は、治療に必要な材料等を載せる略長方形の材料テーブル22を有する。材料テーブル22の一側部には、操作テーブル24が配置されている。操作テーブル24には、昇降台12の昇降、着座部14の回転、背板16の傾動等を制御する各種のスイッチ26が配置されており、これらのスイッチ26を操作することで歯科用診療台10を任意の姿勢、方向に制御できるように設計されている。操作テーブル24を挟んで材料テーブル22の反対側にはインスツルメントホルダ28が設けてあり、このインスツルメントホルダ28には歯科治療に必要な各種のハンドインスツルメント30が保持されている。
【0022】
これら材料テーブル22、操作テーブル24、インスツルメントホルダ28を一体的に備えたインスツルメントユニット20は、背板16の側部から突出したアーム機構32により水平に支持されている。アーム機構32は、背板16の側部から突出した第1の腕部34を有する。第1の腕部34は、背板16の内部に位置する一端部が後述する平行リンク機構に連結されており、背板16が傾動しても、この第1の腕部34の中心を通る軸の周りで回転することの無いようにしてある。つまり、第1の腕部34は、背板16の傾動と共に、一定の状態を保ちながら移動する。第1の腕部34の他端部には、第2の腕部36の一端部が鉛直方向の軸38を中心に水平面上で回転自在に連結されている。第2の腕部36の他端部は、鉛直方向の軸40(図4参照)を介して材料テーブル22の底部に連結され、この軸40を中心として材料テーブル22が水平面上で回転自在としてある。
【0023】
図2に示すように、平行リンク機構42は、背板16内の一側部(本実施形態では右側部)に収容されている。この平行リンク機構42は、第1の腕部34に固定された第1のリンケージ44を有する。第1のリンケージ44の一端部は、背板16に固定された第1の支持板46に、第1の軸48を介して回転自在に連結されている。また、第1のリンケージ44の他端部は、着座部14側の底部からヘッドレスト18側の上端部に向かって伸びる第2のリンケージ50の一端部に第2の軸52を介して回転自在に連結されている。第2のリンケージ50の他端部は、着座部14に固定された第2の支持板54に、第3の軸56を介して回転自在に連結されている。第2の支持板54はまた、第4の軸58を介して、背板16を傾動自在に支持している。そして、第1の軸48と第2の軸52との間の距離が第3の軸56と第4の軸58との距離に等しく、第1の軸48と第4の軸58との距離が第2の軸52と第3の軸56との距離に等しくしてあり、図3に示すように、これら4つの軸48、52、56、58が平行四辺形60の4点を構成している。
【0024】
図2に戻り、空圧式又は油圧式のシリンダ62のシリンジ部64が第5の軸66を介して昇降台12に回転自在に連結され、また該シリンダ62のプランジャ部66の先端が第6の軸68を介して背板16に連結されており、シリンダ62の動作に基づいて、背板16が第4の軸58を中心に傾動するようにしてある。
【0025】
このような構成を備えた平行リンク機構42によれば、シリンダ62の動作に基づいて背板16が傾動する。このとき、背板16の傾動に応じて平行四辺形60は図3に示すように変形するが、第1のリンケージ44の傾斜角は一定に保たれる。したがって、第1のリンケージ44に固定されている第1の腕部34、さらには第2の腕部36及びインスツルメントユニット20は回転することなく、平行にのみ移動する。
【0026】
以上の構成を供えた歯科用診療台10によれば、図4において実線で示すように、背板16を倒した状態で、インスツルメントユニット20は、歯科医師が治療中に容易にハンドインスツルメント30にアクセスできるように、背板16の側部に移動させることができる。また、図4において点線で示すように、背板16を所定の角度以上に起こした状態で、インスツルメントユニット20を背板16の背後に移動させることができる。
【0027】
したがって、患者導入時及び患者退出時、背板16を起立し、この背板16の背後にインスツルメントユニット20を移動しておけば、このインスツルメントユニット20に干渉することなく、患者は歯科用診療台10の着座部14に進み又そこから退出できる。同様に、背板16の背後に配置されたインスツルメントユニット20は、歯科医師及びその補助者の通行を邪魔する危険も少なく、これらの者がハンドインスツルメントに不用意に接触することもない。また、一つの診療室に複数の歯科用診療台10を並列又は任意の状態で配置した場合でも、背板16を起こしてその背後にインスツルメントユニット20を移動させておけば、歯科用診療台10の占有スペースが少なくなり、患者、歯科医師等の移動が容易になる。
【0028】
(2)医療用診療台の第2実施形態:図5は、医療用診療台の第2実施形態を示す。この歯科用診療台10'は、背板16の背面横幅方向略中央部に、着座部14側の底部からヘッドレスト18側の上端部に向かって伸びるハウジング70を有し、このハウジング70内に上述した平行リンク機構42が収容されている。また、第1の腕部72は、平行リンク機構から横方向(本実施形態では右側)に向かって伸び、その先端部は背板16の外側に位置させてある。その他の構成は第1実施形態の歯科用診療台10と同一である。
【0029】
この歯科用診療台10’も、第1実施形態の歯科用診療台10と同様に、背板16を倒した状態では、インスツルメントユニット20を、歯科医師が治療中に容易にハンドインスツルメント30にアクセスできるように、背板16の側部に移動させることができる。また、背板16を所定の角度以上に起こした状態で、インスツルメントユニット20を背板16の背後に移動させることができる。したがって、背板16を起立し、この背板16の背後にインスツルメントユニット20を移動しておけば、このインスツルメントユニット20が患者、医師、及び補助者の通行を邪魔することが無いし、診療室のスペースを有効に活用できる。
【0030】
(3)医療用診療台の第3実施形態
図6は、医療用診療台の第3実施形態を示す。この歯科用診療台10’’は、背板16の略中央部に、着座部14側の底部からヘッドレスト18側の上端部に向かって伸びるハウジング74を有し、このハウジング74内に上述した平行リンク機構42が収容されている。また、第1の腕部76は、背板の後方に向かって突出している。本実施形態でも、第1の腕部76は、第1実施形態と同様に、平行リンク機構42の第1のリンケージ44に固定されているので、背板16の傾斜角度に拘らず、一定の角度を維持する。この第1の腕部76は鉛直方向の軸77を中心として回転自在に連結用腕部78が連結され、さらに連結用腕部78に第2の腕部36が鉛直方向の軸79を中心として回転自在に連結されている。その他の構成は第1実施形態の歯科用診療台10と同一である。
【0031】
この歯科用診療台10’’も、第1実施形態の歯科用診療台10と同様に、背板16を倒した状態では、インスツルメントユニット20を、歯科医師が治療中に容易にハンドインスツルメント30にアクセスできるように、背板16の側部に移動させることができる。また、背板16を所定の角度以上に起こした状態で、インスツルメントユニット20を背板16の背後に移動させることができる。したがって、背板16を起立し、この背板16の背後にインスツルメントユニット20を移動しておけば、このインスツルメントユニット20が患者、歯科医師、及び補助者の通行を邪魔することが無いし、診療室のスペースを有効に活用できる。加えて、本実施形態の歯科用診療台10’’では、第1の腕部76が背板16の略中央部から後方に向かって突出しているので、図7に示すように、インスツルメントユニット20を歯科用診療台10’’の左右いずれにも位置させることができる。また、インスツルメントユニット20が左右いずれにあっても、インスツルメントホルダ28を歯科医師に向けることができる。さらに、歯科医師がヘッドレスト18の背後から患者にアクセスする場合、左右いずれにもインスツルメントユニット20を位置させることができるし、その時、軸38を中心にインスツルメントユニット20を回転させることにより、歯科医師に向けてインスツルメントホルダ28を配置することも当然可能である。そして、本実施形態の歯科用診療台10’’では、第1の腕部74と連結腕部76、連結腕部76と第2の腕部36、及び第2の腕部36とインスツルメントユニット20のそれぞれの連結部で隣接する部材が相対的に回転できるので、インスツルメントユニット20の移動が自由に行える。
【0032】
(3)干渉防止装置
上述のように、本発明の歯科用診療台10は、傾動自在な背板16の背後にインスツルメントユニット20を移動できる構成を採用している。ところが、背板16の背後にインスツルメントユニット20が位置した状態で背板16を倒すと、この背板16とインスツルメントユニット20とが干渉する。そこで、背板16とインスツルメントユニット20との干渉(衝突)を防止するための干渉防止装置が設けてある。
【0033】
図8は第1及び第2の実施形態の歯科用診療台10、10’用の干渉防止装置を示す。この干渉防止装置80は、隣接する第1の腕部34に対する第2の腕部36の方向を検出する第1の検出器82、第2の腕部に対するインスツルメントユニット20の方向を検出する第2の検出器84を有する。なお、図8に点線で示すように、第3実施形態の歯科用診療台10’’の場合はさらに、第1の腕部76に対する連結用腕部78の方向を検出する第3の検出器86と、連結用腕部78に対する第2の腕部36の方向を検出する第4の検出器88を設ける必要がある。これら検出器82、84(86、88)には、一方の部材に対する他方の部材の回転角を検出するポテンシオメータが好適に利用できる。ポテンシオメータに代えて、マイクロスイッチ、超音波センサなどの各種の検出機器を利用することもできる。
【0034】
これらの検出器82、84(86、88)は制御回路(判断部)90に接続されており、各検出器82、84(86、88)の出力が制御回路90に送られるように構成されている。制御回路90は、検出器82、84(86、88)からの信号をもとに、背板16を倒したときにこれがインスツルメントユニット20と干渉する領域(図4、7においてインスツルメントユニット20を点線で示す領域)に該インスツルメントユニット20が現在配置されているか否かを演算し判断する。そして、インスツルメントユニット20が干渉領域に存在すると判断した場合、制御回路90と電気的に接続されている安全回路(禁止部)92に対して信号を出力し、操作テーブル24又は図示しないフートコントローラの背板傾動スイッチ94で背板16を倒す指示がなされた場合、この指示を無視して背板16の傾動を禁止する。必要であれば、安全回路92は、診療台回転スイッチ96からの指示を無視して診療台の回転を禁止するように構成してもよい。
【0035】
このような構成を有する干渉防止装置80によれば、背板16とインスツルメントユニット20との干渉が確実に防止でき、インスツルメントユニット20に損傷を与えることがない。
【0036】
(4)インスツルメントホルダの第1実施形態
図9は、インスツルメントを右手に持って操作する歯科医師用のインスツルメントホルダ28の詳細を示す。インスツルメントホルダ28は各種のインスツルメント30を保持するホルダプレート100を有する。このホルダプレート100には、インスツルメントホルダ28に歯科医師が対向する前後方向(Y方向)と直交する方向(操作テーブル24のスイッチ配列方向:X方向)に複数のインスツルメント挿入孔102が形成されている。図10に示すように、これらのインスツルメント挿入孔102を囲む部分はホルダプレート100をその裏側に向けて傾斜し、傾斜導入部104としてある。これらインスツルメント挿入孔102の大きさ、及び傾斜導入部104の傾斜角と傾斜方向は、このインスツルメント挿入孔102に挿入するインスツルメント30の種類、傾斜角、傾斜方向等を考慮してそれぞれ定められている。具体的に、本実施形態では、図9に示すように、各インスツルメント30は、前後方向(Y方向)に対して斜めになるように、しかも、より左側に配置されるインスツルメント30ほど前後方向に対する角度が大きくなるようにしてある。また、各インスツルメント30を斜めに方向付けるために、ホルダプレート100の裏側にはインスツルメント支持機構が設けてある。
【0037】
図11に示すように、インスツルメント支持機構110は、ホルダプレート100の裏側で該ホルダプレート100に固定される第1の基枠(水平角調整部)112を有する。第1の基枠112は、ホルダプレート100にボルト113で固定される略矩形の固定プレート114と、固定プレート114の対向する端部から平行に且つ垂直上方に伸びる一対の垂直プレート116とを有する。各垂直プレート116には、複数の水平溝118が形成されている。なお、本実施形態では、上段、中段、下段に水平溝118が形成されている。2つの垂直プレート116の間には第2の基枠(鉛直角調整部)120が配置される。
【0038】
第2の基枠120は、バックプレート122と、このバックプレート122の片面から垂直に伸びる一対のサイドプレート124とを有し、一対のサイドプレート124が一対の垂直プレート116の間に挿入される。また、各サイドプレート124には複数のねじ孔126が形成されており、図示するように、垂直プレート116の水平溝118を介してねじ孔126にねじ128をねじ込むことで、第1の基枠112に対する第2の基枠120が固定できるようにしてある。なお、ねじ128を取り付ける位置、具体的には、上・中・下段のうちどの水平溝118にねじ128を通すか、また、水平溝118における前後方向のどの位置にねじ128を通すか、さらに、どのねじ孔126を選択するかに応じて、第1の基枠112に対する第2の基枠120の位置(前後方向の位置、上下方向の高さ、傾斜角度)が任意に調整できる。また、ホルダプレート100に対する第1の基枠112の取り付け方向も任意に設定でき、図9に示すように、より左側に位置するインスツルメント30ほど前後方向(Y方向)とのなす角度が大きくなるように、各インスツルメント支持機構110を配置できる。
【0039】
サイドプレート124の先端には、それぞれ支持部材130が固定されている。そして、左右の支持部材130には、両者の対向部に、ローラ132が回転自在に支持されている。また、各支持部材130には、バックプレート122の対向部に、インスツルメント受け部材134の一端部が連結されている。これらインスツルメント受け部材134の他端部は、バックプレート122に連結されている。そして、これらインスツルメント受け部材134は所定の間隔をあけて平行に配置されており、それらの間にインスツルメント30の基端部に連結されたチューブ136(図1参照)が挿通されるようにしてある。
【0040】
一方、バックプレート122には、前後方向の垂直面に沿って回転自在に、インスツルメント検出プレート138が設けてある。インスツルメント検出プレート138は、バックプレート122の溝部140を介して該バックプレート122の後方に突出する突起部142を一体的に備えている。他方、バックプレート122の背面にはスイッチ(図示せず)が固定されており、このスイッチの可動部(検出部)144が突起部142に接触し、この突起部142及びインスツルメント検出プレート138を矢印146方向に付勢している。したがって、一対のインスツルメント受け部材134にインスツルメント30を載せると、このインスツルメント30の後端がインスツルメント検出プレート138に接触して該インスツルメント検出プレート138が後方(矢印146と逆の方向)に回転し、スイッチがオン(又はオフ)してインスツルメント30の存在を検出する。また、インスツルメント受け部材134からインスツルメント30を取り上げると、インスツルメント検出プレート138がその自重により前方(矢印146方向)に回転し、スイッチがオフ(又はオン)してインスツルメント30の不存在を検出する。
【0041】
このように構成された右手用インスツルメントホルダ28によれば、各インスツルメント30はその先端が歯科医師の左側に向かって斜めに向けてあり、しかも、より左側に位置するインスツルメント30ほど前後方向(Y方向)となす角度が大きくしてあるので、インスツルメントホルダ28の前に座った歯科医師は、インスツルメント30を捕えた位置から歯科医師の左側に居る患者の口部(治療部位)を目掛けてスムーズにインスツルメント30とこれに接続されたチューブ136を運ぶことができる。つまり、各インスツルメント30が前後方向に向けて配置されている場合、歯科医師はまずインスツルメント30を自分の体の方向に引き出し、次に患者に向かって方向を変えるという方向転換の操作が必要であるが、本実施形態の場合、余分な方向転換をする必要がないので、歯科医師にとってインスツルメント30の扱いが容易になる。
【0042】
(6)インスツルメントホルダの第2実施形態
図12及び図13はインスツルメントホルダ28の第2実施形態を示す。この実施形態では、各インスツルメント30の傾斜角度(仰角)も違えてあり、左端に配置されているインスツルメントを除いて、残り4つのインスツルメント30は、より左側に配置されたインスツルメントほど緩い傾斜角度がつくように設計されている。なお、インスツルメント30の傾斜角度は、インスツルメント支持機構110において、第1の基枠112に対する第2の基枠120の傾斜角度を調整することで、自由に設定できる。この実施形態のインスツルメントホルダ28によれば、引き出したインスツルメント30とチューブ136を真っ直ぐ患者に向けてスムーズに引き出すことができるだけでなく、インスツルメント30を捕るとき、目的のインスツルメント以外のインスツルメントに触れることも少ない。
【0043】
なお、以上の説明では、インスツルメントホルダ28においてインスツルメント30を保持する部分を孔(インスツルメント挿入孔102)としているが、この部分は溝であってもよい。そして、インスツルメント30を保持する部分は溝であっても、孔と同様に、インスツルメント30を確実に保持できる。したがって、医師等の衣服が僅かに触れただけで、インスツルメントホルダ28からインスツルメント30が容易に落下することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る医療用診療台の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】 背板の断面図で、背板の内部に配置された平行リンク機構の構成を示す。
【図3】 平行リンク機構の動きを説明する図である。
【図4】 図1に示す医療用診療台のインスツルメントホルダの動きを説明する図である。
【図5】 医療用診療台の第2実施形態の斜視図である。
【図6】 医療用診療台の第3実施形態の斜視図である。
【図7】 図6に示す医療用診療台のインスツルメントホルダの動きを説明する図である。
【図8】 干渉防止装置のブロック図である。
【図9】 インスツルメントホルダの第1実施形態の平面図である。
【図10】 ホルダプレートの斜視図である。
【図11】 インスツルメント支持機構を斜視図である。
【図12】 インスツルメントホルダの第2実施形態の斜視図である。
【図13】 図12のインスツルメントホルダに保持されているインスツルメントの傾斜角度を示す図である。
【符号の説明】
10…歯科用診療台、12…昇降台、14…着座部、16…背板、20…インスツルメントユニット、28…インスツルメントホルダ、32…アーム機構、34…第1の腕部、36…第2の腕部、42…平行リンク機構。
Claims (3)
- 着座部と、上記着座部に対して傾きを調整できる背板と、上記背板の内部に収容され且つ上記背板の横幅方向略中央部に配置された支持部材と、上記背板の傾動に応じて垂直面に沿って上記支持部材を平行に移動させるリンク機構と、一端が上記支持部材に固定されると共に他端が上記背板から突出し、上記他端が上記背板の側部よりも外側に突出し得る長さを有する腕部と、上記腕部の他端に水平面に沿って回転自在に連結され、上記背板がほぼ起立しているとき、上記背板の背後に位置し得るインスツルメントユニットと、上記背板とインスツルメントユニットとの干渉を防止する干渉防止装置を有し、上記干渉防止装置は、上記インスツルメントユニットの位置を検出する検出部と、上記検出部の検出結果をもとに、上記インスツルメントユニットが上記背板の背後に位置しているか否かを判断する判断部と、上記判断部で上記インスツルメントユニットが背板の背後に位置していると判断したときに上記背板の傾動を禁止する禁止部を備えていることを特徴とする医療用診療台。
- ホルダ板に複数の孔又は溝を形成し、これらの孔又は溝にそれぞれハンドインスツルメントを着脱自在に保持するハンドインスツルメントを保持する診療台用インスツルメントホルダにおいて、上記複数のハンドインスツルメントのそれぞれについて、上記ホルダ板の前後方向とのなす角度を調整する水平角調整部と、水平面とのなす傾斜角度を調整する鉛直角調整部を備えていることを特徴とする診療台用インスツルメントホルダ。
- 上記複数のハンドインスツルメントは一端側に配置されたインスツルメントほど緩い傾斜角度が付けられていることを特徴とする請求項2の診療台用インスツルメントホルダ。
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