JP3801656B2 - 難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物に関するものである。さらに詳細には、ポリプロピレン系樹脂に、有機ハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物を配合してなる難燃性ポリプロピレン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン系樹脂はその優れた特性のため、射出成形品、フィルム、ブロ−成形品の形で、自動車、建築材料、電気部品等の分野で広く使われているが用途が広まるにつれてポリプロピレン系樹脂は単体で使われるだけでなく、無機充填剤やゴムを多量に配合して、剛性、表面硬度、衝撃強度などの材料強度を高めて使用されることが多くなっている。
【0003】
しかしながら、ポリプロピレン系樹脂は極めて燃え易いと言う欠点を有しており、用途が広まるに連れ難燃化の要求も多くなっている。
【0004】
一般にポリプロピレン系樹脂の難燃化には、ハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンの併用添加による方法が行われている。
【0005】
無機充填剤を含有しないポリプロピレン系樹脂の難燃化は少量のハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンの併用により達成されることが知られている。例えばデカブロモジフェニルエーテル(以下DBDEと記述)8重量%と三酸化アンチモン4重量%の添加で電気製品の難燃性規格であるUL94/V−2に合格する。またテトラブロモビスフェノールA−2,3ジブロモプロピルエーテル(以下TBA−BPと記述)10重量%と三酸化アンチモン5重量%の併用ではUL94/V−0が得られる。
【0006】
しかしながら材料強度、特に剛性を高めるために無機充填剤を含有したポリプロピレン系樹脂ではハロゲン系難燃剤の効果は、極めて悪くなる。例えばタルクを20重量%含有したポリプロピレン系樹脂でUL94/V−2を達成するにはDBDE18重量%以上、三酸化アンチモン6重量%以上の添加が必要となり、難燃度の高いUL94/V−0の達成にはより多くの難燃剤の添加を必要とする。
【0007】
また、TBA−BPと三酸化アンチモンの併用系を用いても、効果の上昇は見られず、DBDEと同等量の難燃剤が必要とされることが知られている。そしてこの様な難燃剤の多量添加は加工性、物性、熱安定性及び、耐候性を劣化させるだけでなく、価格を上昇させ、またリサイクル性も困難となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は無機充填剤を含有した剛性、難燃性の良好な難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のメルトフローレートを有するポリプロピレン樹脂に特定の有機ハロゲン系難燃剤とハロゲンに対し特定の割合のアンチモン化合物を添加することにより難燃性、物性、耐候性、熱安定性の極めて優れる難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物を得ることができることを見いだした。
【0010】
すなわち本発明は、230℃、2.16kgf荷重のメルトフローレート(以下MFRと記述)が10gr/10min以上のポリプロピレン系樹脂に、無機充填剤を5〜30重量%、ジブロモプロピルエーテル基を有する有機ハロゲン系難燃剤2〜17重量%、アンチモン化合物を有機ハロゲン系難燃剤のハロゲン/アンチモン化合物のアンチモンのモル比が2.8〜4.0になる量を配合してなるポリプロピレン系樹脂組成物である。
【0011】
本発明の樹脂組成物は難燃性、物性、耐候性、熱安定性の極めて優れた難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物である。
【0012】
本発明には各種ポリプロピレン系樹脂を用いることができる。プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1又はヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1とのブロック共重合体、ランダム共重合体並びにこれらの混合物を用いることができる。
【0013】
ポリプロピレン系樹脂のMFRは10gr/min、より好ましくは15gr/min以上が好ましい。このMFRが10gr/min未満の場合は十分な難燃性が得られない。
【0014】
また本発明で使用する有機ハロゲン系難燃剤としては、ジブロモプロピルエーテル基を有する難燃剤、例えばテトラブロモビスフェノールS−2,3ジブロモプロピルエーテル(TBS−BP)、TBA−BP、1,3,5−トリス(2,3ジブロモプロピルエーテル)イソシアヌレート(TAIC−6B)等を用いることができる。
【0015】
これらの難燃剤の配合量は要求される難燃レベル、難燃剤中のハロゲン含有量、ポリプロピレン系樹脂のMFRによって異なるが2〜17重量%、より好ましくは3〜15重量%の範囲である。添加量が2重量%未満の場合は十分な難燃性が得られず、添加量が17重量%より多くなるとブルーミング、熱安定性、耐候性等が悪くなる。
【0016】
またアンチモン化合物としては三酸化アンチモン、五酸化アンチモンを用いることができる。アンチモン化合物の添加量は樹脂に含有された有機ハロゲン系難燃剤のハロゲン量と密接な関係がありハロゲン/アンチモンのモル比が2.8〜4.0、より好ましくは3.0〜3.5の範囲がよい。この組成比より小さくても大きくても十分な難燃効果が得られず、多量のハロゲン難燃剤、アンチモン化合物の添加が必要とする。
【0017】
また無機充填剤としてはタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、ガラスファイバー、カーボンファイバーなどを用いることができる。無機充填剤の添加量は5〜30重量%がよい。この添加量が5重量%未満の配合では十分な強度が得られず、また30重量%より多く配合すると十分な難燃効果を得ることは難しい。
【0018】
また本発明の樹脂組成物には、衝撃強度などを改善するため、通常ポリプロピレン樹脂に添加されるゴム成分を添加することができる。この添加量は10重量%以下がよく、これより多くの配合では十分な難燃効果が得られないことがある。
【0019】
また本発明の樹脂組成物には、衝撃強度、引張特性を改良するために通常の無機充填系ポリプロピレン系樹脂に添加される変性ポリプロピレン樹脂を通常の使用する範囲で添加することができる。
【0020】
また本発明の樹脂組成物には、以上のものの他に通常ポリプロピレン系樹脂の添加剤として用いられるもの、例えば酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤あるいはハロゲン系難燃剤を添加したときに併用されるハロゲン用安定剤などを添加することができる。
【0021】
かくして得られる難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロ−成形等通常行われる加工方法にて成形品にすることができる。
【0022】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにのみ限定されるものではない。尚、実施例、比較例において実施した各種の試験方法は次の通りである。
【0023】
・難燃性試験
UL94/V法に準じた。
【0024】
・機械的特性
JIS K6758に準拠した。
【0025】
なお試験片はすべて射出成形機を用いて作製した。
【0026】
実施例1
ポリプロピレン系樹脂(A)(東ソー(株)社製:J5100A、MFR 11、ホモポリマ−)82.5重量%とタルク(林化成(株)社製:ミクロンホワイト5000A、平均粒径3μ)10重量%、TBA−BP(帝人化成(株)社製:ファイヤーガードFG3100、臭素含有率67%)5.5重量%、三酸化アンチモン(日本精鉱(株)社製:アトックスS)2重量%(ハロゲン/アンチモン=3.4)および安定剤として2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル(吉富製薬(株)社製;ヨシノックスBHT)0.1重量%、ステアリン酸カルシウム0.1重量%、エポキシ化大豆油0.1をヘンセルミキサ−で混合し、口径30mmφの二軸混練押出機で樹脂温度220℃にて押出し、ペレットを作製した。ついで該ペレットを150tの射出成形機を用いて樹脂温度230℃にて試験片を作製した。結果を表1に示すが、得られた樹脂組成物は剛性2万1千kgf/cm2、難燃性UL94/V−0と極めて良好であった。
【0027】
実施例2
ポリプロピレン系樹脂(B)(東ソー(株)社製:J7250B、MFR 25、ブロックポリマ−)74重量%とタルク15重量%、TBS−BP(丸菱油化(株)社製:ノンネンPR−2、臭素含有率65%)8重量%、三酸化アンチモン3重量%(ハロゲン/アンチモン=3.3)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて試験片を作製した。結果を表1に示すが、得られた樹脂組成物は剛性2万1千kgf/cm2、難燃性UL94/V−0と極めて良好であった。
【0028】
実施例3
ポリプロピレン系樹脂(B)79重量%とガラスファイバー(日本電気硝子(株)社製:ECSO3T−488)10重量%、TBS−BP8重量%、三酸化アンチモン3重量%(ハロゲン/アンチモン=3.3)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて試験片を作製した。結果を表1に示すが、得られた樹脂組成物は剛性2万3千kgf/cm2、難燃性UL94/V−0と極めて良好であった。
【0029】
実施例4
ポリプロピレン系樹脂(B)69重量%とマイカ(レプコ(株)社製:S200、平均粒径150μ)20重量%、TBS−BP8重量%、三酸化アンチモン3重量%(ハロゲン/アンチモン=3.3)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて試験片を作製した。結果を表1に示すが、得られた樹脂組成物は剛性2万9千kgf/cm2、難燃性UL94/V−0と極めて良好であった。
【0030】
比較例1
ポリプロピレン系樹脂として、MFRが3.5のホモポリマー(C)(東ソー(株)社製:J5040B)をベ−スレジンに用いた以外は実施例1と同様の方法にて試験片を作製した。結果を表1に示すが、得られた樹脂組成物は剛性は十分有するものの、UL94/V法での難燃性の評価は自己消火性を示さなかった。
【0031】
比較例2
ポリプロピレン系樹脂(A)75重量%とタルク10重量%、難燃剤としてテトラブロムビスフェノ−ル−A(帝人化成(株)社製:ファイヤーガード2000、臭素含有量58%)を10重量%及び三酸化アンチモンを3重量%(ハロゲン/アンチモン=3.5)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて試験片を作製した。結果を表1に示すが、得られた樹脂組成物は剛性は十分有するもののUL94/V法での難燃性の評価は自己消火性を示さなかった。
【0032】
比較例3
ポリプロピレン系樹脂(A)75重量%とタルク10重量%、難燃剤としてDBDE(東ソ−(株)社製:フレ−ムカット110R)を10重量%、三酸化アンチモンを5重量%(ハロゲン/アンチモン=3.0)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて試験片を作製した。結果を表1に示すが、得られた樹脂組成物は十分な剛性を有するものの、UL94/Vでの難燃性の評価は自己消火性を示さなかった。
【0033】
比較例4
ポリプロピレン系樹脂(B)78重量%とタルク10重量%、難燃剤としてTBS−BPを8重量%、三酸化アンチモンを4重量%(ハロゲン/アンチモン=2.4)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて試験片を作製した。結果を表1に示すが、得られた樹脂組成物は剛性が1万7千kgf/cm2と低くまたUL94/Vでの難燃性の評価も自己消火性を示さなかった。
【0034】
比較例5
ポリプロピレン系樹脂(B)76重量%とタルク10重量%、難燃剤として
TBS−BPを11重量%、三酸化アンチモンを3重量%(ハロゲン/アンチモン=4.3)を用いた以外は実施例1と同様の方法にて試験片を作製した。結果を表1に示すが、得られた樹脂組成物は剛性が1万7千kgf/cm2と低くまたUL94/Vでの難燃性の評価も自己消火性を示さなかった。
【0035】
【表1】
Figure 0003801656
【0036】
【発明の効果】
以上の記述から明らかなように本発明の組成物は、材料強度、特に剛性を強化するために無機充填剤を添加した場合の欠点であるポリプロピレン系樹脂の難燃性の低下の極めて少ない組成物である。

Claims (1)

  1. 230℃、2.16kgf荷重のメルトフローレートが10gr/10min以上のポリプロピレン系樹脂に、無機充填剤5〜30重量%、ジブロモプロピルエーテル基を有する有機ハロゲン系難燃剤2〜17重量%、アンチモン化合物を有機ハロゲン系難燃剤のハロゲン/アンチモン化合物のアンチモンのモル比が2.8〜4.0になる量を含有する難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物。
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