JP3798640B2 - 受信装置及び受信信号の波形劣化補償方法並びに波形劣化検出装置及び方法並びに波形測定装置及び方法 - Google Patents

受信装置及び受信信号の波形劣化補償方法並びに波形劣化検出装置及び方法並びに波形測定装置及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信装置及び受信信号の波形劣化補償方法並びに波形劣化検出装置及び方法並びに波形測定装置及び方法に関し、特に、光信号が光伝送路から受ける波形劣化を補償するために用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図20は既存の光伝送システムの一例を示すブロック図で、この図20に示す光伝送システム100は、光送信装置200,光中継器(光アンプ)300及び光受信装置400をそなえて構成されており、光送信装置200から送信された光信号が、光伝送路500を通じて、光中継器300にて適宜に中継増幅されながら光受信装置400へ伝送されるようになっている。なお、この図20において、光中継器300は、1台しか図示していないが、勿論、光信号の伝送距離に応じて2台以上設けられる場合もあるし、不要な場合もある。
【0003】
ここで、上記の光伝送路500には、波長分散がほぼ零になる波長(これを零分散波長という)が1.3μm(マイクロメートル)帯(図22中に示す波長分散特性600参照)のシングルモード光ファイバ(SMF)がよく用いられる。なお、「波長分散」とは、光ファイバ自体の材料分散(図22中の破線800参照)や構造(導波路)分散(図22中の一点鎖線900参照)に起因して光波長によって光ファイバ中の伝搬速度が異なる(零分散波長を中心として長波長側が遅れ、短波長側が進む)性質のことである。つまり、「零分散波長」とは、光ファイバ中を伝搬する光(波長)に進みも遅れも生じない波長を意味する。
【0004】
さて、このように光伝送路500にSMFがよく用いられるのは、その伝送損失が、WDM光伝送によく用いられる光伝送帯域(1.55μm帯)で最も小さく、長距離伝送が可能なためである。しかしながら、SMFでは、光信号を高速伝送しようとすると、波長分散による波形劣化が顕著に現われる。
例えば、2.5 Gb/s(ギガビット毎秒)以上の高速光信号をSMFで長距離伝送した場合、波長分散によりその光信号に波形劣化、即ち、光信号のアイパターンの開口度(以下、アイ開口度という)が小さくなる現象が発生する。なお、波長分散による波形劣化には、元の送信波形〔図21(a)参照〕に対して、振幅方向のアイ開口度が小さくなる(波形がなまる)場合〔図21(b)参照〕と、位相方向のアイ開口度が小さくなる(位相が圧縮される)場合〔図21(c)参照〕とがある。
【0005】
これらの違いは、光伝送システムの設計(光伝送路500の種類,光伝送帯域,チャーピング設定など)に依存する。例えば、零分散波長が1.3μm帯のSMFを用い、光伝送帯域1.55μm帯で光伝送を行なう一般的な光伝送システムにおいて、チャーピングの設定を、波形の立ち上がりを短波長側(立ち下りを長波長側)にすると、長波長側が波長分散の影響を強く受けることになり、波形がなまる傾向になる。チャーピングの設定を逆にすれば、これとは逆の傾向になる。
【0006】
さて、このような波長分散による波形劣化は、光信号の伝送距離(中継距離)が長くなるにつれて顕著になり、光受信器402(後述)の受信感度特性を劣化させる(信号の識別・再生が困難になる)要因となる。そこで、従来は、零分散波長を光伝送帯域である1.55μm帯にシフトした分散シフトファイバ(DSF:Dispersion-Shifted Fiber)(図22中に示す波長分散特性700参照)を光伝送路500に用いることで、光伝送帯域での波長分散の影響を抑制した光伝送システム100も存在する。しかしながら、DSFを適用した場合でも、さらに光信号の伝送速度を上げると、SMFの場合と同様に、波長分散による波形劣化は無視できなくなる。
【0007】
そこで、従来は、例えば図20中に示すように、光伝送路500にSMF,DSFのいずれを用いるにしろ、光信号の伝送速度が或る程度高速になると、光伝送路500で受ける波長分散とは逆の波長分散特性をもつように設計された分散補償ファイバ(DCF:Dispersion Compensation Fiber)401を光受信器402の前段に設けることで、波形劣化を補償してアイ開口度を大きくしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、光受信器402の受信感度特性により光受信器402が許容できるアイ開口度の劣化量、即ち、光受信器402が許容できる波長分散値の範囲は限られており、しかも、波長分散値は伝送距離に比例して大きくなる(図22参照)ため、上述したような既存の光伝送システム100では、光受信器402が許容できる波長分散値の範囲となるように光伝送距離(中継距離)毎に異なる波長分散特性をもった分散補償ファイバ401を設ける必要がある。
【0009】
このため、システムとしての柔軟性がなく、また、必要な分散補償ファイバ401の種類が増えるので、システム構築時のコストやシステム構築後の管理コストも高くなる。
また、近年では、10Gb/sや40Gb/sといった超高速光信号〔仮に、2.5Gb/sの光信号を16波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)信号とすると、64波長多重や128波長多重の信号〕の伝送も実現可能になってきており、このような場合には、波長(チャンネル)間隔が1/4や1/16といった具合に非常に短くなるため、光伝送路500の温度変化などの外的要因による特性変化も無視できなくなる。
【0010】
このため、上述のごとく分散補償ファイバ401により固定的に波長分散を補償して光受信器402の受信感度特性を改善するには、近年のWDM伝送技術の超高速化,大容量化の点からみても限界があり、将来のさらなる高速化,大容量化には到底対応できないことが容易に予想される。
また、このように10 Gb/sや40 Gb/sといった超高速光信号を伝送する場合には、波長分散以外の分散(例えば、偏波モード分散)や自己位相変調効果などの非線形効果による波形劣化も光受信器402の受信感度特性の劣化要因として無視できなくなる。このため、超高速光信号伝送の場合、単に、分散補償ファイバ401を設けるだけでは、十分な波形劣化の補償を実現しえない。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、分散補償ファイバを用いることなく、波長分散などによる受信信号の波形劣化を確実に補償できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の受信装置(請求項1)は、次のような各手段をそなえたことを特徴としている。
(1)受信信号の波形劣化を補償しうる補償特性可変型の波形劣化補償手段
(2)上記の受信信号の波形データ(以下、受信波形データという)を測定する受信波形測定手段
(3)この受信波形測定手段により得られた受信波形データを周波数領域に変換して得られる上記受信信号の周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分が最小となるように上記の波形劣化補償手段の補償特性を制御する制御手段
上述のごとく構成された本発明の受信装置では、受信波形データを測定し、測定した受信波形データを周波数領域に変換することにより得られる周波数データと基準波形の周波数データとの差分が最小となるように波形劣化補償手段の補償特性を制御するので、例えば、受信信号の伝送距離毎に異なる補償特性の波形劣化補償器を用いなくても、受信装置の波形劣化の許容範囲を拡大して1種類の受信装置で対応することができる。また、受信信号の周波数領域での周波数データと基準波形の周波数データとの差分を求めるので、あらゆる波形劣化に対応することができる(請求項1,16)。
【0013】
ここで、上記の受信波形測定手段は、受信信号を等価時間サンプリングして上記の受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング部と、この等価時間サンプリング部により得られた波高データを受信波形データとして記録する波形データ記録部とをそなえて構成されていてもよい。このようにすれば、受信信号が高速信号であっても等化時間サンプリングにより受信波形データを確実に記録・測定することができる(請求項2)。
【0014】
さらに、上記の等価時間サンプリング部は、受信信号に同期した基準クロックに基づくサンプリングタイミングを生成し、その出力タイミングを周期的にシフトしながら出力するサンプリングタイミング生成回路と、このサンプリングタイミング生成回路で生成されたサンプリングタイミングに従って上記の受信信号をサンプリングして上記波高データを取得するサンプリング回路とをそなえて構成されていてもよい(請求項3)。このようにすれば、上記等化時間サンプリングによる波形測定を確実に実現することができる。
【0015】
なお、上記のサンプリングタイミング生成回路は、上記の基準クロックを分周する分周器と、この分周器の出力を周期的に遅延させながら上記のサンプリング回路に供給する遅延制御回路とをそなえて構成されるのが好ましい。このようにすれば、基準クロックの速度(周波数)に関わらず常に装置内において適切な動作クロックでサンプリングタイミングの生成を行なうことができる。また、整数倍(N)分周する分周器を用いたとしても、遅延制御回路による遅延制御により任意のタイミングでサンプリングタイミングを出力することが可能となる(請求項4)。
【0016】
また、上記の制御手段には、次のような各部をそなえるのが好ましい(請求項5)。
(1)上記の基準波形の周波数データを予め記憶する基準波形データ記憶部
(2)上記の受信波形データをフーリエ変換して受信信号の周波数データを求めるフーリエ変換部
(3)このフーリエ変換部により得られた周波数データと上記基準波形データ記憶部の周波数データとの差分を演算により求める差分演算部
(4)この差分演算部によって求められた差分が最小となる波形劣化補償手段の補償特性を求める補償特性決定部
(5)この補償特性決定部で得られた補償特性をもつように上記の波形劣化補償手段を制御するための制御信号を生成する制御信号生成部
このようにすれば、差分演算部によって求められた上記の周波数データの差分を最小にする波形劣化補償手段の最適な補償特性を一義に決めることができるので、例えば、受信信号品質を監視してその品質が所定の品質を満足するよう波形劣化補償手段の補償特性を制御する場合のように、最適な補償特性を求めるためのスイープ動作等が不要である(請求項5,17)。
【0017】
なお、上記の波形劣化補償手段を、上記の補償特性として、可変周波数・位相特性を有する等化増幅器により構成し、上記の制御手段を、この等化増幅器の周波数・位相特性を制御するように構成すれば、確実に、受信信号の波形劣化補償(受信装置の波形劣化許容範囲の拡大化)を実現することができる(請求項6)。
【0018】
ここで、上記の等化増幅器は、例えば、上記の受信信号に対してそれぞれ異なる通過帯域を有する複数のバンドパスフィルタと、複数の移相器と、複数の利得可変型の増幅器とを用いて構成すれば、周波数特性(振幅及び位相)を複数の通過帯域毎に個々に調整することのできる等化増幅器を実現することができ、上記の等化増幅器による波形劣化補償を精度良く実現することができる(請求項7)。
【0019】
なお、上記の受信信号が、光伝送路を通じて受信されることにより上記波形劣化として光伝送路のもつ波長分散特性による波形劣化を受けた信号の場合、上記の波形劣化補償手段を、上記の補償特性として可変分散補償特性を有する可変分散補償器により構成し、上記の制御手段を、この可変分散補償器の分散補償特性を制御するように構成すれば、光伝送路の距離(つまり、受信信号の伝送距離)毎に異なる波長分散補償ファイバを用いなくても、波長分散特性による波形劣化を補償して受信装置(光受信装置)の波形劣化の許容範囲を拡大することができる(請求項8)。
【0020】
次に、本発明の受信装置(請求項9)は、次のような構成要素から成ることを特徴としている。
(1)複数種類の波長を多重した波長多重光信号(以下、WDM信号と表記する)を光伝送路から受信して上記の波長毎に分波する分波部
(2)上記の光伝送路のもつ分散特性によって上記WDM信号が受けた波形劣化を補償しうる補償特性可変型の波形劣化補償手段
(3)上記の分波部で分波された各光信号のうち少なくとも1波の特定波長の光信号について設けられ、その光信号を光電変換した後の受信信号の周波数領域での周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を検出する受信波形劣化検出手段
(4)この受信波形劣化検出手段により得られた特定波長についての差分が最小となるように上記の波形劣化補償手段の補償特性を制御する制御手段
上述のごとく構成された本発明の受信装置では、少なくとも1波の特定波長の受信信号について波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を演算により求め、その差分に基づいて波形劣化補償手段の補償特性を制御してWDM信号の波形劣化を補償するので、WDM信号の伝送距離毎に異なる分散補償特性をもつ分散補償ファイバを用いなくても、受信信号の波形劣化の許容範囲を拡大して1台の受信装置で対応することができる。
【0021】
また、周波数データの差分を求めてその差分に基づいて補償制御を行なうので、波長分散だけでなく偏波モード分散や非線形光学効果などによって光信号が受ける波形劣化にも対応することができる。その結果、10 Gb/s(ギガビット毎秒)や40 Gb/sといった超高速光信号の伝送にも十分対応することが可能となる(以上、請求項9,18)。
【0022】
ここで、上記の波形劣化補償手段は、上記の分波部の前段に設けられた分散特性可変型の可変光分散補償器として構成されるとともに、上記の制御手段は、この可変光分散補償器の分散特性を上記の各波長に共通で一括制御する一括補償制御部として構成されていてもよい。
このようにすれば、多波長の光信号に対する補償制御を各波長に共通で一括して行なえるので、制御手段の縮小化を図ることができる。また、光信号の段階で補償を行なうので、光電変換後の電気信号の段階で補償を行なう場合よりも、受信信号の波形劣化許容範囲をさらに拡大することができる(請求項10)。
【0023】
また、上記の波形劣化補償手段は、上記の分波部の後段において光信号を光電変換する前の光信号のそれぞれについて設けられた複数の分散特性可変型の可変光分散補償器により構成し、上記の制御手段は、上記特定波長についての上記差分に基づいて全波長についての差分を求め、それらの差分がそれぞれ最小となるよう上記の各可変光分散補償器の分散補償特性をそれぞれ個別に制御する個別補償制御部として構成されていてもよい。
【0024】
このようにすれば、個々の波長について補償制御が行なわれるので、一括補償制御する場合よりも、精度良い補償が実現される。また、この場合も、光信号の段階で補償が行なわれるので、光電変換後の電気信号の段階で補償を行なう場合よりも、受信信号の波形劣化許容範囲を拡大することができる(請求項11)。
さらに、上記の受信波形劣化検出手段を、上記の波長毎に設けるとともに、上記の波形劣化補償手段は、上記の分波部の前段に設けられた分散特性可変型の可変光分散補償器と、上記の分波部で分波された各光信号を光電変換した後の各電気信号についてそれぞれ設けられた周波数・位相特性可変型の複数の等化増幅器とにより構成し、且つ、上記の制御手段は、対応する受信波形劣化検出手段で検出された上記差分が最小となるように対応する等化増幅器の周波数・位相特性を制御する波長毎の等化増幅器制御部と、上記の特定波長についての差分に基づいて上記の可変光分散補償器の分散特性を各波長に共通で一括制御する一括補償制御部とにより構成してもよい。
【0025】
このようにすれば、2段階の補償、即ち、光信号(WDM信号)の段階での可変光分散補償器による各波長に共通の一括補償と、光電変換後の個々の波長についての電気信号の段階での等化増幅器による補償とが行なわれることになるので、全体としての波形劣化補償能力を向上することができる。また、この場合は、光信号の段階の補償が先に行なわれることにより、ある程度、波形劣化を補償した上で、等化増幅器による補償が行なわれるので、等化増幅器に必要とされる補償能力(周波数・位相可変幅)を緩和することができる(請求項12)。
【0026】
また、上記の受信波形劣化検出手段は、上記の受信信号の波形データ(受信波形データ)を測定する受信波形測定手段と、この受信波形測定手段により得られた受信波形データを周波数領域に変換して得られる周波数データと上記の基準波形の周波数データとの差分を演算により求める演算手段とをそなえて構成されるのが好ましい。このようにすれば、受信信号と基準波形との周波数データの差分を確実に得ることができる(請求項13)。
【0027】
なお、上記の受信波形劣化検出手段は受信信号の波形劣化検出装置(請求項14)として、上記の受信波形測定手段は受信信号の波形測定装置(請求項15)として、あらゆる受信装置に適用することが可能である。
即ち、本発明の受信信号の波形劣化検出装置は、伝送路から波形劣化を受けて受信される受信信号の波形データ(受信波形データ)を測定し(受信波形測定過程)、その受信波形データを周波数領域に変換して得られる受信信号の周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を演算により求める(演算過程)ことで受信信号の波形劣化量を検出することができるので、あらゆる受信装置において受信信号の波形劣化を精度良く検出することができる(請求項19)。
【0028】
また、本発明の受信信号の波形測定装置は、伝送路から波形劣化を受けて受信される受信信号を等価時間サンプリングしてその受信信号についての複数の波高データを取得し(等価時間サンプリング過程)、それにより得られた波高データを、波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分演算のために周波数領域に変換されるべき受信信号の波形データとして記録する(波形データ記録過程)ので、あらゆる受信装置において、受信信号と基準波形との周波数データの差分演算に必要とされる波形データを確実に測定(記録)することができる(請求項20)。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)一実施形態の説明
(A1)基本態様の説明
図1は本発明の一実施形態に係る光受信装置の要部の基本態様を示すブロック図で、この図1に示す光受信装置1は、光伝送路30を伝送されてくる光信号を受光して電流信号に変換するための受光素子2と、この受光素子2の出力を増幅することにより前記電流信号を電圧信号に変換するための前置増幅器(プリアンプ)3と、このプリアンプ3の出力について波形劣化の補償(等化)を行ないながら受信信号の識別・再生を行なうための光受信器4とをそなえて構成されている。なお、光受信器4によって識別・再生された信号データ(DATA)とクロック(CLK)はそれぞれデジタル信号処理のための信号処理部(例えば、図20の符号403参照)に出力される。また、光伝送路30には、SMF,DSFのいずれを用いてもよい。
【0030】
そして、本実施形態の光受信器4は、この図1に示すように、さらに、等化増幅器5,クロック(CLK)抽出器6,識別器7,等化増幅波形モニタ回路8及び制御回路9をそなえて構成されている。
ここで、等化増幅器(補償特性可変型の波形劣化補償手段)5は、受信信号が光伝送路30で受けた波形劣化の補償特性として、可変周波数特性を有し、その周波数特性が制御回路9から制御されることにより、プリアンプの出力(受信信号)が光伝送路30において波長分散により受けた波形劣化を適応的に等化(補償)しながら増幅することができるものである。
【0031】
なお、本実施形態で使用する「周波数特性」とは、広義の意味で、周波数領域における振幅成分と位相成分の双方を含む(周波数・位相特性を意味する)ものとし、「周波数データ」とは、周波数領域における振幅成分についてのデータと位相成分についてのデータの双方を含むものとする。
このため、本等化増幅器5は、ここでは、例えば図2に示すように、受信信号の周波数帯域を複数の帯域に分割したときの帯域を通過帯域としてそれぞれ有する複数のバンドパスフィルタ(BPF)51と、これらのBPF51の各出力(入力信号)についてそれぞれ移相(群遅延)調整を施しうる複数の移相器52と、これらの移相器52の各出力に直列接続されてその出力(入力信号)をそれぞれ増幅しうる複数の利得可変型の増幅器53(あるいは、可変減衰器でもよい)とをそなえて構成される。なお、移相器52と増幅器53の位置は入れ替えても良い。
【0032】
つまり、これらの移相器52及び増幅器53の組は、BPF51の出力について位相調整と利得調整とを個々に施しうる位相・利得調整回路としての機能を果たしており、これにより、本実施形態の等化増幅器5は、各移相器52の位相及び各増幅器53(もしくは、可変減衰器)の利得を個々に制御することで、BPF51の通過帯域(以下、分割帯域ともいう)毎に、受信信号に対して異なる群遅延及び異なる利得を与えて、その周波数特性(補償特性)を適宜に調整することができるのである。
【0033】
このようにして、周波数特性(振幅及び位相)を受信信号の通過帯域毎に個々に調整することのできる等化増幅器5が実現され、等化増幅器5による精度の高い波形劣化補償が実現されて、本光受信装置1の実現に大きく寄与する。なお、BPF51には、上記の帯域分割を精度良く行なうために、ロジックによりフィルタリングを行なうデジタルフィルタを用いることも可能である。
【0034】
次に、クロック抽出器6は、上記の受信信号からクロックを再生するもので、再生されたクロックは、等化増幅波形モニタ回路8(後述の分周器11),識別器7及び上述した信号処理部へそれぞれ供給されるようになっている。また、識別器7は、このクロック抽出器6で再生されたクロックに従って等化増幅器5の出力を識別・再生して信号データを信号処理部へ出力するものであり、等化増幅波形モニタ回路(受信波形測定手段;受信信号の波形測定装置)8は、等化増幅器5の出力波形、即ち、受信信号の波形(アイパターン)をモニタしてその波形データ(以下、受信波形データともいう)を測定するためのものである。
【0035】
そして、制御回路(等化増幅器制御部;制御手段)9は、この等化増幅波形モニタ回路8(以下、単に「モニタ回路8」と略称する)で測定された光伝送路30において波形劣化を受けた受信信号のアイパターンデータをFFT(Fast Fourier Transform;フーリエ変換)により周波数領域に変換して得られる受信信号の周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分が最小となるよう等化増幅器5の周波数特性を制御するためのものである。
【0036】
このため、上記のモニタ回路8は、さらに、分周器11,遅延制御器12,サンプラ13,アナログ/デジタル(A/D)コンバータ14及び波形記録用メモリ15をそなえて構成され、制御回路9は、CPU(Central Processing Unit)あるいはDSP(Digital Signal Processor)等により構成されたプロセッサ21,参照データ用メモリ22及びデジタル/アナログ(D/A)コンバータ23をそなえて構成されている。
【0037】
ここで、まず、モニタ回路8において、分周器11は、クロック抽出器6で再生された、受信信号に同期した高速(基準)クロック(例えば、10GHzや40GHzなど)を分周することにより、モニタ回路8の動作クロックとして適切な(後述する等化時間サンプリングが容易な)クロックを生成するものであり、遅延制御器12は、この分周器11で分周された基準クロックの遅延時間を制御することにより、分周器11の出力を周期的に遅延させながらトリガ出力(サンプリングタイミング)としてサンプラ13に供給しうるもので、このときの遅延時間(遅延値)はA/Dコンバータ14に出力されるようになっている。
【0038】
また、サンプラ(サンプリング回路)13は、上記の遅延制御器12からのトリガ(サンプリング)タイミングで等化増幅器5の出力をサンプリングして波高(振幅)データを取得するものであり、A/Dコンバータ14は、このサンプラ13でサンプリングされた波高データと遅延制御器14からの上記遅延値とをA/D変換するものである。
【0039】
さらに、波形記録用メモリ(波形データ記録部)15は、このA/Dコンバータ14でA/D変換された波高データと遅延値とを組で記憶することにより、各遅延時間に対する波高データを、後述する基準波形の周波数データとの差分演算のために周波数領域に変換(FFT)されるべき受信信号の波形データとして記録するためのものである。なお、この波形記録用メモリ15は、例えば、RAMなどで実現される。
【0040】
このような構成において、本実施形態では、遅延制御器12で上記の遅延時間を順次(周期的に)増加してゆくことより、例えば図3に模式的に示すように、サンプリングタイミングが順次シフト(遅延)してゆき、各タイミングでの波高データが波形記録用メモリ15に記録されることになる。そして、記録された各遅延時間に対する波高データを受信信号のビットレートに応じた周期で再構築すると、受信信号の波形(アイパターン)が得られる。
【0041】
つまり、上記の分周器11,遅延制御器12,サンプラ13及びA/Dコンバータ14から成る部分は、受信信号を等価時間サンプリングしてその受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング部10として機能し、さらに、分周器11及び遅延制御器12から成る部分は、受信信号に同期した基準クロックに基づくサンプリングタイミングを生成し、その出力タイミングを周期的にシフトしながら出力するサンプリングタイミング生成回路として機能するのである。
【0042】
一方、制御回路9において、参照データ用メモリ22は、プロセッサ21での周波数特性の差分を求める際に参照される(比較対象となる)参照データ(波形劣化を受けていない基準波形の周波数データ)を予め記憶しておくものであり、プロセッサ21は、上述のごとく波形記録用メモリ15に記録された波高データを遅延時間によって再構築することにより受信信号のアイパターンを再生するとともに、そのアイパターンをFFTして得られる受信信号の周波数データと参照データ用メモリ22の参照データとに基づいて各周波数データの差分〔振幅成分の差分及び群遅延(位相)成分の差分〕を演算により求め、その差分が最小となるように等化増幅器5の周波数特性(移相器52の群遅延量,増幅器53の利得)を制御する機能を有するものである。
【0043】
つまり、このプロセッサ21は、次のような機能を兼ね備えていることになる。
(1)モニタ回路8により得られた受信波形データをFFTして受信波形データの周波数データを求めるFFT部(フーリエ変換部)211としての機能
(2)このFFT部211により得られた周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとに基づいて上記の各周波数特性(振幅成分及び群遅延成分)の差分を演算により求める差分演算部212としての機能
(3)この差分演算部212によって求められた上記の振幅成分及び群遅延成分についての各差分が最小となる等化増幅器5の周波数特性(補償特性)を求める補償特性決定部213しての機能
(4)この補償特性決定部213で得られた周波数特性をもつように等化増幅器5を制御するための制御信号を生成する制御信号生成部214としての機能
なお、上記のFFT部211と差分演算部212は、FFTと差分演算とを行なう演算手段210として機能することになる。そして、この演算手段210とモニタ回路8とで、受信信号の波形劣化(受信波形データと基準波形データとの差分)を検出する、受信信号の波形劣化検出装置(受信波形劣化検出手段)としての機能が実現されていることになる。
【0044】
また、D/Aコンバータ23は、プロセッサ21(制御信号生成部214)で生成された等化増幅器5の周波数特性を制御するための制御信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換して等化増幅器5に供給するものである。
なお、上記の「基準波形」としては、本実施形態では、例えば、受信信号が10Gb/s, NRZ(Non Return to Zero)信号であったとすると、図4に示すような、10Gb/s,DUTY:100%の方形波にカットオフ周波数7GHzの4次ベッセルトムソンフィルタをかけた波形を用いることができる。
【0045】
また、上記の参照データ用メモリ22には、「参照データ」として、FFT前及びFFT後のいずれの周波数データを格納しておいてもよい。ただし、FFT前の周波数データを格納した場合は、上記の差分演算前に「参照データ」についてもデータの次元を合わせるためにFFTを施す必要がある。
以下、上述のごとく構成された本実施形態の光受信装置1の基本動作について詳述する。
【0046】
まず、光伝送路30を伝送されてきた光信号は受光素子2により電流信号に変換され、プリアンプ3により電流/電圧変換されたのち、等化増幅器5に入力される。等化増幅器5は、受信信号(電気信号)を増幅したのち、クロック抽出器6,識別器7,モニタ回路8へそれぞれ出力する。クロック抽出器6は、等化増幅器5から入力される受信信号からその受信波形に同期した基準クロックを再生する。
【0047】
再生された基準クロックは、識別器7,モニタ回路8(分周器11)及び信号処理部(図示省略)へそれぞれ供給される。そして、識別器7は、このようにクロック抽出器6から供給された基準クロックにより等化増幅器5の出力を識別・再生して上記信号処理部へ出力する。
一方、図5に示すように、このとき、モニタ回路8では、クロック抽出器6からの基準クロックが分周器11にて分周され(分周過程)、これにより、等化時間サンプリング制御が容易な周波数となる動作クロック(以下、分周クロックともいう)が生成される(ステップS1;サンプリングタイミング生成過程)。
【0048】
この分周クロックは、遅延制御器12に入力され(ステップS2)、遅延制御器12は、分周クロックの出力タイミングを変更(微小時間ずつ遅延)して〔ステップS3;サンプリングタイミングシフト(遅延制御)過程〕、トリガ出力(サンプリングタイミング;以下、サンプリングトリガともいう)としてサンプラ13に供給する(ステップS4)とともに、そのときの遅延値をサンプリングタイミングの情報(サンプリングトリガの遅延時間を制御した内部制御信号)としてA/Dコンバータ14に出力する(ステップS5)。
【0049】
サンプラ13では、等化増幅器5の出力(以下、等化増幅出力ということがある)を遅延制御器12からのサンプリングトリガ毎にサンプリングゲート(図示省略)を微小時間だけひらく(導通させる)ことにより、等化増幅出力の波高データ(サンプル点;電圧値)をサンプリングし〔ステップS6;(等化時間)サンプリング過程〕、その波高データをA/Dコンバータ14に出力する(ステップS7)。
【0050】
A/Dコンバータ14は、遅延制御器12から入力される上記の遅延値(サンプリングタイミングの情報)とサンプラ13から入力される波高データとをデジタル信号に変換して波形記録用メモリ15に記録する〔ステップS8,S9;波形データ記録過程(以上、受信波形測定過程)〕。これにより、波形記録用メモリ15には、遅延時間に対する受信信号のアイパターンが記録される(図7参照)。
【0051】
次に、制御回路9では、図6に示すように、プロセッサ21が、まず、波形記録用メモリ15に記録された各サンプリングタイミング(遅延時間)での波高データを統計処理して、各タイミングでの波高データをつなげて受信波形データを取得(再構築)する(図8参照;ステップS10)。さらに、プロセッサ21(FFT部211)は、取得した受信波形データをFFTすることにより受信波形の周波数データ〔(振幅)成分及び群遅延(位相)成分〕を求める(ステップS11)。
【0052】
例えば、上述のごとく再構築された受信波形が図9(d)に示すような波形であったとすると、この図9(d)に示す波形をプロセッサ21にてFFTすると、図9(e)に示すような振幅成分と、図9(f)に示すような群遅延成分とが得られることになる〔換言すれば、図9(d)に示す波形は、図9(e)に示す振幅成分と図9(f)に示す群遅延成分とを有しているのである〕。
【0053】
そして、プロセッサ21(差分演算部212)は、このようにして得られた受信波形の振幅成分及び群遅延成分と、参照データ用メモリ22に予め記憶されている基準波形〔図9(a)参照〕の振幅成分〔図9(b)参照〕及び群遅延成分〔図9(c)参照〕とを、前記の分割帯域毎に比較して、その分割帯域毎の振幅成分の差分と群遅延成分の差分とを求める(ステップS12,図11のステップS13;差分演算過程)。なお、このように上記各差分を求めることは、受信信号のアイ開口度の劣化量を検出していることに相当する。
【0054】
次いで、プロセッサ21は、図11に示すように、上述のごとく分割帯域毎に求めた振幅成分及び群遅延成分の各差分をそれぞれ最小にするような振幅成分及び群遅延成分の補正特性〔例えば、図10(a),図10(b)参照〕を求め(補償特性決定過程)、その補正特性を等化増幅器5がもつように等化増幅器5の周波数特性、即ち、移相器52の群遅延量,増幅器53の利得を個別に制御するための制御信号(デジタル信号)を生成する(ステップS14;制御信号生成過程)。
【0055】
そして、上述のごとく生成された制御信号は、D/Aコンバータ23でアナログ信号に変換されて、等化増幅器5の対応する(制御が必要な)移相器52及び/又は増幅器53に入力され(ステップS15)、これにより、等化増幅器5の周波数特性が制御されて、例えば図10(c)〜図10(e)に示すように、受信信号の光伝送路30から受けた波形劣化が補償される(受信信号のアイ開口度が拡大する;制御過程)。
【0056】
なお、図10(c)は波形劣化補償後の受信波形、図10(d)は図10(c)に示す波形劣化補償後の受信波形の振幅成分、図10(e)は同じく図10(c)に示す波形劣化補償後の受信波形の群遅延成分をそれぞれ表している。また、上記の差分演算及び等化増幅器5の周波数特性制御は必ずしも常時行なう必要はなく、間欠的に、あるいは、一定周期(例えば、1〜数分間隔等)で行なえればよい。この点は、以降の説明においても同様である。この場合の利点としては、プロセッサ21の負担を軽減できることが挙げられる。
【0057】
以上のように、本実施形態の受信装置1によれば、受信信号の波形劣化量(アイ開口度)を検出して、その波形劣化量(アイ開口度)を等化増幅器5の周波数特性を制御することで補償する(広げる)ことができるので、光受信器4で許容できる波長分散値の範囲を拡大する(つまり、受信感度特性を向上して、対応可能な光伝送距離を拡大する)ことができ、分散補償ファイバ(DCF)を要さない安価で高性能な光受信装置1を実現・提供することができる。
【0058】
また、光受信器4で許容できる波長分散値の範囲が広くなるので、1種類の光受信器4で複数種の光伝送路(例えば、SMFやDSFなど)や伝送距離に応じた波形劣化(分散補償量)に柔軟に対応できるため、光伝送システム構築時のコストや構築後の維持・管理コストを大幅に削減することができる。
さらに、上述した光受信装置1では、実際の受信信号の波形劣化量をリアルタイムに検出して補償することができるので、10Gbp/s以上の超高速光伝送において温度変化などの微小な外的要因により光伝送路30の波長分散特性が変化して受信信号が受ける波長分散による波形劣化が変動しても、その変動に追従することができる。
【0059】
しかも、プロセッサ21において、周波数特性(振幅及び群遅延)についての差分を最小にする等化増幅器5の最適な周波数特性を一義に決めることができるので、例えば、受信信号のビットエラーレート(BER)などを監視することにより受信信号の品質を監視してその品質が所定品質を満足するように補償制御を行なうような場合に比して、等化増幅器5の最適な周波数特性を求めるためのスイープ動作が不要なので、高速且つ確実な補償制御が可能である。
【0060】
また、モニタ回路8では、受信信号(等化増幅出力)を等価時間サンプリング(受信信号に同期した基準クロックを分周器11で分周して、その分周クロックを遅延制御器12で周期的にシフト(遅延)させながらサンプリングタイミングとしてサンプラ13に供給)して複数の波高データを取得し、得られた波高データを受信波形データ(受信信号のアイパターン)として波形記録用メモリ15に記録するので、基準クロックの速度(周波数)に関わらず常に装置内において適切な動作クロックでサンプリングタイミングの生成を行なうことができる。
【0061】
従って、受信信号が10 Gb/s以上の超高速信号であっても受信波形データを確実に記録・測定することができ、高速信号に対しても十分な補償制御を行なうことが可能である。
特に、上述のように分周器11と遅延制御器12とを用いることで、整数倍(N)分周する分周器を用いたとしても、遅延制御器12の遅延制御により任意のタイミングでサンプリングタイミングを出力することができるので、簡素な構成で極めて柔軟性に優れた等化時間サンプリング部10を実現できる。
【0062】
(A2)基本態様の変形例の説明
さて、上述した基本態様の光受信装置1では、補償特性可変型の波形劣化補償手段として、周波数特性が可変の等化増幅器5を適用してその周波数特性を制御することで、受信信号の波長分散による波形劣化を補償しているが、例えば図12に示すように、上述した受光素子2の前段に可変波長分散特性を有する可変光分散補償器5Aを設け、その波長分散特性を制御回路9から制御することで、上記波形劣化を補償するように光受信装置1を構成することもできる。
【0063】
なお、可変光分散補償器(以下、可変分散補償器ともいう)5Aには、公知のものを適用すればよく、例えば、回折格子を用いたもの、AWG(Arrayed Wave-Guide)フィルタを用いたもの、ブラッグ反射フィルタ(ファイバグレーティング)を用いたものなどが適用できる。この点については、以降の説明においても同様とする。また、この図12において、既述の符号と同一符号を付したものは、いずれも、特に断らない限り、既述のものと同一もしくは同様のものとする。
【0064】
さて、この場合、モニタ回路8での波形記録処理(図5に示すステップS1〜S9),制御回路9での差分検出処理(図6に示すステップS10〜S12)までの処理は上述した基本態様と同様にして行なわれる。
即ち、モニタ回路8では、クロック抽出器6から入力された基準クロックを分周器11にて分周し、その分周クロックを遅延制御してサンプラ13に供給するサンプリングトリガをずらしてゆく。
【0065】
そして、サンプラ13は、上記サンプリングトリガの入力毎に等化増幅出力をサンプリングして波高データを取得する。得られた波高データは、遅延値とともにA/Dコンバータ14にてデジタル信号に変換されたのち、波形記録用メモリ15に記録される。
その後、制御回路9において、プロセッサ21(FFT部211)が、波形記録用メモリ15から波高データを読み出して、統計処理により受信信号のアイパターンを再構築し、FFTにより、前記分割帯域毎の受信信号の振幅成分と群遅延成分とを求める。そして、図13に示すように、プロセッサ21(差分演算部212)は、求めた各成分と参照データ用メモリ22に予め記録されている基準波形の周波数データ(振幅成分及び群遅延成分)とを比較して各成分の差分を求める(ステップS13′)。
【0066】
次いで、プロセッサ21(補償特性決定部213)は、差分の傾向に応じて分散補償量を算出する。例えば、ビットレートが10Gb/sの受信信号に対して、波長分散の影響を受けにくい低周波数成分(例えば、数百MHz未満など)についての差分と、波長分散の影響を受けやすい高周波数(例えば、数百MHz以上など)成分についての差分の比率から受信信号が受けた波形劣化を最適に補償する波長分散量の補正値(可変分散補償器5Aの分散補償特性)を計算する(ステップS14′)。
【0067】
つまり、プロセッサ21は、高周波数成分の差分の方が低周波数成分の差分よりも相対的に大きい場合は、元の送信波形〔例えば、図21(a)参照〕に対して、位相方向のアイ開口度が小さくなっている〔位相が圧縮されている:図21(c)参照〕ことが推定され、逆の場合は、振幅方向のアイ開口度が小さくなっている〔波形がなまっている:図21(b)参照〕ことが推定されるので、それに応じた補償量(補正値)を決定する。
【0068】
例えば、零分散波長1.3μm帯のSMFを用い、光伝送帯域1.55μm帯で光伝送を行なう場合、前述したように波形の立ち上がりを短波長側(立ち下りを長波長側)にするチャーピングが設定されていると、長波長側が波長分散の影響を強く受けて、波形がなまることになるので、分散補償量はプラスの補正値になり、チャーピングの設定が上記と逆であれば、マイナスの補正値になる。
【0069】
そして、プロセッサ21(制御信号生成部214)は、上述のごとく求められた(決定した)分散補償量の補正値(デジタル信号)に応じた分散補償制御信号を生成し、この制御信号は、D/Aコンバータ23にてアナログ信号に変換されて分散補償制御信号として、可変分散補償器5Aに入力される(ステップS15′)。これにより、光伝送路30から受信される光信号の波長分散による波形劣化が、可変分散補償器5Aにおいて、受光素子2での光電変換前の光の段階で補償される。
【0070】
従って、上述した基本態様の光受信装置1と同様の利点ないし効果が得られるほか、この場合は、受光素子2で受信光信号が電気信号に変換される前に補償を行なうので、受光素子2に入力される光波形のアイ開口度を大きく保つことができ、上述した基本態様に比して、光受信器4で許容できる波長分散値の範囲をさらに広げることができる。この結果、光受信器4の受信感度特性がさらに向上することになる。
【0071】
(B)WDM光伝送システムへの適用
次に、以下では、上述した基本態様(もしくはその変形例)の光受信器4(波形劣化補償方法)を、複数種類の波長(チャンネル)λ1〜λn(nは2以上の整数で、例えば、n=32,64,128,…などである)が多重された波長多重光信号(WDM信号)を伝送するWDM光伝送システムの光受信装置に適用する場合(実施態様1〜4)について説明する。なお、以下の各実施態様1〜4においても、既述の符号と同一の符号を付すものは、特に断らない限り、既述のものと同一もしくは同様のものである。
【0072】
(B1)実施態様1
図14は本発明の実施態様1に係る光受信装置の要部の構成を示すブロック図で、この図14に示す光受信装置1Aは、光伝送路30からのWDM信号を波長λi(ただし、i=1〜n)毎に分波するWDMカプラ(分波器)31と、受光素子2での光電変換前の波長λiの光信号のそれぞれについて設けられた可変波長分散特性を有する複数の可変分散補償器5A−1〜5A−nと、これらの可変分散補償器5A−i毎に設けられた複数の光受信部32−1〜32−nと、各波長λi毎に対応する可変分散補償器5A−iの波長分散特性を個々に制御する多チャンネル分散補償制御回路33とをそなえて構成されている。
【0073】
そして、本実施態様1では、この図14に示すように、各光受信部32−1〜32−nのうちの少なくとも1つ〔波長λ1(特定波長)用の光受信部32−1〕に、分周器11,遅延制御器12,サンプラ13,A/Dコンバータ14,波形記録用メモリ15及びCPU又はDSPなどのプロセッサ21aから成る等化増幅波形モニタ回路8a(以下、単に「モニタ回路8a」と略記する)が設けられており、残りの光受信部32−2〜32−nには、この光受信部32−1のモニタ回路8aを除く構成要素(受光素子2,プリアンプ3,等化増幅器5,クロック抽出器6及び識別器7)のみが設けられた構成になっている(ただし、図14において光受信部32−nの内部の図示は省略している)。
【0074】
ここで、上記のモニタ回路8aにおいて、プロセッサ21aは、例えば、図6により前述した受信波形(アイパターン)の再構築(ステップS10),FFT演算(ステップS11)及び基準波形との比較(ステップS12)の各処理を担当するものである。つまり、モニタ回路8aにおいて、このプロセッサ21aを除く部分が前記のモニタ回路(受信波形測定手段;受信信号の波形測定装置)8に相当する。
【0075】
一方、多チャンネル分散補償制御回路33には、プロセッサ33a,RAMなどによって構成されたチャンネル間データメモリ(以下、単に「メモリ」という)33b,制御部33c及び波長λi毎に設けられた複数のデジタル/アナログ(D/A)コンバータ33d−1〜33d−nをそなえて構成されており、メモリ33bは、前記の参照データ用メモリ22と同様に、FFT後の受信波形との比較対象となる参照データ(基準波形の周波数データ)を予め記憶しておくとともに、チャンネル間の分散補償量の関係を表した分散補償テーブル331(図15参照)を記憶しておくものである。
【0076】
ここで、この分散補償テーブル331は、光伝送路30に適用されている光ファイバに関する情報(種類など)や伝送距離,波長間隔などの情報を基に作成される。これは、図22からも分かるように、各波長λiの光信号が受ける波長分散量は光ファイバの種類(SMFやDSFなど),伝送距離,波長間隔によって決まるため、これらの情報が予め分かっている場合、1波分の波長分散量さえ求めれば(実測すれば)、それを基に他チャンネルの波長分散量がおのずと決まるので、1波分の波長分散量の補正値と他チャンネルの波長分散量の補正値(又は、オフセット値)との関係をシミュレーション(又は実測でもよい)等によって予め求めておいてテーブル形式のデータとして記憶しておくようにしたものである。
【0077】
なお、例えば図16に示すように、光送信装置40から送信されたWDM信号が光伝送路(この場合は、SMF)で受けた波長分散を各中継区間〔符号50は光中継器(光アンプ)を表す〕に設けられたDCFで補償しながら伝送する場合、波長λ1,λ2,λ3の波長間隔がそれぞれ同じ波長間隔に設定されていると、特定波長(λ2)を基準として他の波長λ1,λ3は略同じ波長分散量を受けることが知られている。
【0078】
また、この分散補償テーブル331は、保守端末などのシステム管理装置で予め作成したものをメモリ33bに格納するようにしてもよいし、上述した光ファイバに関する情報,伝送距離,波長間隔などの情報をプロセッサ33aに入力してプロセッサ33aに分散補償テーブル331を作成させてメモリ33bに格納させるようにしてもよい。
【0079】
さて、次に、上記のプロセッサ33aは、モニタ回路8a側のプロセッサ21aの処理を引き継いで、図13により前述した差分検出(差分演算;ステップS13′)及び波長λ1についての分散補償量の補正値決定(ステップS14′)を行なうとともに、その補正値を基に上記の分散補償テーブル331を参照して他波長(チャンネル)λ2〜λnについての分散補償量の補正値を求め、全波長λ1〜λnについての補正値情報を含む多チャンネル制御用信号を生成する機能を有するものである。なお、本プロセッサ33aの機能とプロセッサ21aの機能はどちらかに統合してもよい。
【0080】
また、制御部33cは、このプロセッサ33cで生成された多チャンネル制御用信号に含まれる各波長λiについての分散補償量の補正値情報に基づいて、可変分散補償器5A−iに補正値分の分散補償特性をもたせるための分散補償制御信号(CONT1-n:デジタル信号)を生成するものであり、D/Aコンバータ33d−iは、それぞれ、この制御部33cからの分散補償制御信号をアナログ信号に変換して、対応する可変分散補償器5A−iに供給するものである。
【0081】
つまり、本実施態様1では、プロセッサ21aとプロセッサ33aとで、前述したFFT部211,差分演算部212,補償特性決定部213及び制御信号生成部214としての機能が実現されており、さらに、上記のモニタ回路8aとプロセッサ33a〔演算手段210(FFT部211及び差分演算部212)〕とで、前記の受信信号の波形劣化検出装置(受信波形劣化検出手段)としての機能が実現されていることになる。
【0082】
そして、この場合、プロセッサ21a及び多チャンネル分散補償制御回路33は、特定波長(この場合は、波長λ1)についての上記差分に基づいて全波長λ1〜λnについての差分を求め、その差分がそれぞれ最小となるよう各可変光分散補償器5A−iの波長分散補償特性をそれぞれ個別に制御する個別補償制御部(制御手段)として機能するのである。
【0083】
なお、上記の多チャンネル分散補償制御回路33の機能は、モニタ回路8aと統合して、光受信部32−1にもたせてもよい。
以上のような構成により、本光受信装置1Aでは、各波長λ1〜λnの光信号のうち、1波(ここでは、λ1)の光信号についてのみ、基本態様で説明したように等化時間サンプリングにより等化増幅出力のモニタを行なって、受信信号のアイパターンを記録し(図5のステップS1〜S9参照)、FFT演算を用いて基準波形との差分を求め、その差分に基づいて、全波長λ1〜λn分の可変分散補償器5A−1の分散補償特性を制御して全波長λ1〜λnの波形劣化を個々に補償することができる(図6のステップS10〜S12及び図13のステップS13′〜S15′参照)。
【0084】
従って、前述した基本態様の変形例と同様の利点ないし効果が得られるほか、この場合は、WDM信号に対しても差分(波形劣化)検出系(モニタ回路8a及び分散補償制御回路33)が1チャンネル分だけで済むので、より小型で安価な光受信装置1Aを実現・提供できる。
なお、上記のモニタ回路8aは、勿論、波長λ1以外の波長λ2〜λn用の光受信部32−2〜32−nのいずれかに設けてもよい。また、1チャンネル分だけでなく、2チャンネル分以上、もしくは、全チャンネル分設けてもよい。2チャンネル分以上設けた場合は、装置規模は増大することになるが、分散補償テーブル331によって推定すべき分散補償量の補正値のチャンネル数が減る(つまり、実測値に基づいて補正値を決定するチャンネル数が増える)ので、補償精度は向上する。
【0085】
また、上述した例では、前記の参照データ用メモリ22と、分散補償テーブル331を記憶するメモリとがメモリ33bとして統合されたかたちになっているが、勿論、別メモリとして構成されていてもよい。別メモリとした場合は、例えば、参照データ用メモリ22をモニタ回路8a側にもたせて、プロセッサ21aに、受信波形と基準波形との比較を行なわせるようにしてもよい。
【0086】
(B2)実施態様2
図17は本発明の実施態様2に係る光受信装置の要部の構成を示すブロック図で、この図17に示す光受信装置1Bは、波長分散特性が可変の可変分散補償器5Aと、光伝送路30からのWDM信号を波長λi毎に分波するWDMカプラ(分波器)31と、分波後の波長λiの光信号毎に設けられた複数の光受信部32−1〜32−nと、各波長λiに共通で可変分散補償器5Aの波長分散特性を制御する分散補償制御回路34とをそなえて構成されている。
【0087】
そして、本実施態様2では、各光受信部32−1〜32−nのうちの1チャンネル分(ここでは、波長λ1用)の光受信部32−1に、分周器11,遅延制御器12,サンプラ13,A/Dコンバータ14,波形記録用メモリ15及びCPU又はDSPなどのプロセッサ21bから成る等化増幅波形モニタ回路8b(以下、単に「モニタ回路8b」と略記する)が設けられており、残りの光受信部32−2〜32−nには、この光受信部32−1のモニタ回路8bを除く構成要素(受光素子2,プリアンプ3,等化増幅器5,クロック抽出器6及び識別器7)のみが設けられた構成になっている(ただし、図17においても光受信部32−nの内部の図示は省略している)。
【0088】
ここで、このモニタ回路8bにおいて、プロセッサ21bは、この場合も、例えば、図6により前述した受信波形(アイパターン)の再構築(ステップS10),FFT演算(ステップS11)及び基準波形との比較(ステップS12)の各処理を担当するものである。つまり、この場合も、モニタ回路8bにおいて、このプロセッサ21bを除く部分が前記のモニタ回路(受信波形測定手段;受信信号の波形測定装置)8に相当する。
【0089】
一方、分散補償制御回路34には、プロセッサ34a,メモリ34b,制御部34c及びデジタル/アナログ(D/A)コンバータ34dが設けられており、参照データ用メモリ34bは、この場合も、FFT後の受信波形との比較対象となる参照データ(基準波形の周波数データ)を予め記憶しておくものであるが、ここでは、全チャンネルを一括補償し最適な分散補償を行なった場合の波長λ1の波形データが基準波形データとして記録されるようになっている。
【0090】
また、プロセッサ34aは、プロセッサ21bの処理を引き継いで、図13により前述した差分検出(ステップS13′)及び検出された差分を最小にする可変分散補償器5Aの分散補償量の補正値決定(ステップS14′)を行なう機能を有するものである。なお、この場合も、本プロセッサ34aの機能とプロセッサ21bの機能はどちらかに統合してもよい。
【0091】
さらに、制御部34cは、プロセッサ34aで求められた分散補償量の補正値に応じた分散補償制御信号(デジタル信号)を生成するものであり、D/Aコンバータ34dは、この制御部34cで生成された分散補償制御信号をアナログ信号に変換して可変分散補償器5Aに供給するものである。
つまり、本実施態様2では、プロセッサ21bとプロセッサ34aとで、前述した演算手段210(FFT部211,差分演算部212),補償特性決定部213及び制御信号生成部214としての機能が実現されており、さらに、上記のモニタ回路8bとプロセッサ34a〔演算手段210(FFT部211及び差分演算部212)〕とで、前記の受信信号の波形劣化検出装置(受信波形劣化検出手段)としての機能が実現されていることになる。
【0092】
そして、この場合、プロセッサ21b及び分散補償制御回路34は、可変分散補償器5Aの波長分散特性を各波超λ1〜λnに共通で一括制御する一括補償制御部(制御手段)として機能するのである。なお、上記の分散補償制御回路34の機能についても、モニタ回路8bと統合して、例えば、光受信部32−1にもたせてもよい。
【0093】
以上の構成により、本光受信装置1Bでは、各波長λ1〜λnの光信号のうち、1波(ここでは、λ1)の光信号についてのみ、基本態様で説明したように等化時間サンプリングにより等化増幅出力のモニタを行なって、受信信号のアイパターンを記録し(図5のステップS1〜S9参照)、FFT演算を用いて基準波形との差分を求め、その差分に基づいて、可変分散補償器5Aの分散補償特性を制御して全波長λ1〜λnの波形劣化を一括補償する(図6のステップS10〜S12及び図13のステップS13′〜S15′参照)。
【0094】
従って、前述した基本態様及びその変形例と同様の利点ないし効果が得られるほか、この場合は、図14により上述した光受信装置1Aに比して、可変分散補償器5Aが1台で済み、また、分散補償制御回路34自体の規模も波長毎のD/Aコンバータ34d−i等が不要なので縮小でき、全体としてさらに小型で安価な光受信装置1Bを実現・提供できる。
【0095】
特に、この場合は、光デバイス数が削減されるので、それらの接続点での偏波モード変換などの波形劣化の要因となる現象の発生を極力抑制することができ、前記の光受信装置1Aよりも補償精度の向上を見込むことができる。
(B3)実施態様3
図18は本発明の実施態様3に係る光受信装置の要部の構成を示すブロック図で、この図18に示す光受信装置1Cは、波長分散特性が可変の可変分散補償器5Aと、受信WDM信号を波長λi毎に分波するWDMカプラ(分波器)31と、分波後の波長λi毎に設けられた複数の光受信部32−1〜32−nと、分散補償制御回路35とをそなえて構成されている。
【0096】
そして、本実施態様3では、各光受信部32−1〜32−nのそれぞれに、図1に示すモニタ回路8(分周器11,遅延制御器12,サンプラ13,A/Dコンバータ14,波形記録用メモリ15及びCPU又はDSPなどのプロセッサ21)と、制御回路9〔プロセッサ21(FFT部211,差分演算部212,補償特性決定部213,制御信号生成部214),参照データ用メモリ22,D/Aコンバータ23〕とが設けられている(ただし、図18において光受信部32−2の内部構成の図示は省略している)。
【0097】
一方、分散補償制御回路35には、CPU又はDSPなどにより構成されたプロセッサ35a,制御部35c及びデジタル/アナログ(D/A)コンバータ35dがそなえられており、プロセッサ35aは、各光受信部32−1〜32−nのうち両端2チャンネル分(波長λ1,λn用)の光受信部32−1,32−nの各制御回路9における各プロセッサ21で求められた受信波形と基準波形との差分に関する情報をそれぞれ受けて、それらの情報に基づいて可変分散補償器5Aの最適な(差分を最小にする)分散補償特性(補正値)を求める機能を有するものである。
【0098】
ここで、この場合、プロセッサ35aは、両端の波長λ1,λnについてのそれぞれの差分が得られるので、波長分散特性の傾きをも検出することが可能にとなる。そこで、このような場合には、可変分散補償器5Aに、波長分散量のみならず波長分散特性の傾きをも変更できるデバイスを適用することにより、波長分散特性の傾きをも補償(「スロープ補償」と呼ばれる)することが可能となり、よりきめ細かい波長分散補償を実現することができる。
【0099】
さらに、制御部35cは、このプロセッサ35aで求められた波長分散量の補正値及び波長分散特性の傾きに応じた分散補償制御信号(デジタル信号)を生成するものであり、D/Aコンバータ35dは、この制御部35cで生成された分散補償制御信号をアナログ信号に変換して可変分散補償器5Aに供給するものである。
【0100】
つまり、本光受信装置1Cは、前記の受信信号の波形劣化検出装置として機能するモニタ回路8及びプロセッサ21(演算手段210)が全波長λ1〜λn毎に設けられるとともに、WDMカプラ31の前段に設けられた可変分散補償器5Aと、WDMカプラ31で分波された各光信号を受光素子2で光電変換した後の各電気信号についてそれぞれ設けられた周波数特性可変型の等化増幅器5とで、受信WDM信号が受けた波形劣化を補償しうる波形劣化補償手段が実現されているのである。
【0101】
そして、各制御回路9が、それぞれ、対応する波形劣化検出装置で検出された受信波形と基準波形との差分が最小となるように対応する等化増幅器5の周波数特性を制御する等化増幅器制御部としての機能を果たし、分散補償制御回路35が、特定波長λ1,λnについての上記差分に基づいて可変分散補償器5Aの波長分散特性を各波長λ1〜λnに共通で一括制御する一括補償制御部としての機能を果たしており、これらの各制御回路9及び35によって、波形劣化補償手段としての上記可変分散補償器5A及び等化増幅器5の補償特性(波長分散特性及び周波数特性)を制御する制御手段が実現されているのである。
【0102】
なお、分散補償制御回路35の機能は、制御回路9の機能と統合して、光受信部32−1又は32−2にもたせることもできる。
以上のような構成により、本光受信装置1Cでは、基本態様にて前述したように、各波長λ1〜λnの光信号について、それぞれモニタ回路8で等化時間サンプリングにより等化増幅出力のモニタが行なわれ、受信信号のアイパターンを記録し(図5のステップS1〜S9参照)、FFTを用いて基準波形の周波数データとの差分を求め、その差分に基づいて、等化増幅器5の周波数特性を制御して電気的に各波長λ1〜λnの波形劣化を個々に補償する(図6のステップS10〜S12及び図7のステップS13〜S15参照)。
【0103】
また、これとともに、分散補償制御回路35において、上記差分を最小にする分散補償量の補正値と分散補償特性の傾きとが検出され、それに応じた分散補償制御信号が可変分散補償器5Aに供給されて、各波長λ1〜λnの光信号に対して一括分散補償が光学的に実施される。
つまり、本光受信装置1Cは、可変分散補償器5Aにより光学的な分散補償を全チャンネル一括で施した上で、さらに、チャンネル毎に個別に等化増幅器5による電気的な分散補償を行なう2段階の補償構成になっているのである。これにより、光学的な一括分散補償により波形劣化を補償しきれない場合でも、後段におけるチャンネル毎の電気的な分散補償により、より確実に受信波形劣化を補償することが可能である。
【0104】
また、この場合は、光学的な分散補償を行なった時点で、或る程度、波形劣化量は補償されているので、等化増幅器5での電気的な分散補償量は光学的な分散補償を行なわない場合よりも低減することができる。従って、等化増幅器5を構成する移相器52や増幅器53などに必要とされる位相可変幅や利得可変幅などの特性(補償能力)を緩和することができ、より安価に本光受信装置1Cを実現できる。
【0105】
なお、上記の例では、分散補償制御回路35にて波長分散特性の傾きを求めるのに両端の波長λ1,λnについての基準波形との差分を利用しているが、勿論、必ずしも両端である必要はなく、任意の2波長(ただし、隣接する2波長よりもなるべく離れた2波長を用いる方がよい)についての差分を利用してもよい。また、3波長以上についての各差分を利用して波長分散特性の傾きを求めることも、勿論、可能である。
【0106】
さらに、可変分散補償器5Aに波長分散特性の傾きをも変更できるデバイスを適用した場合には、上記のように2波長以上の各差分を利用して波長分散特性の傾きを求めることは有効であるが、それ以外の場合は波長分散特性の傾きを必ずしも求める必要はない。このような場合には、実施態様2(図17参照)の場合と同様に、1波長についての差分を基に分散補償量の補正値を求めて、可変分散補償器5Aを制御するようにしてもよい。ただし、勿論、求める補正値の精度向上を目的に、2波長以上についての差分情報を利用することも可能である。
【0107】
(B4)実施態様4
図19は本発明の実施態様4に係る光受信装置の要部の構成を示すブロック図で、この図19に示す光受信装置1Dは、波長分散特性が固定の光分散補償器(以下、単に「分散補償器」という)5Bと、受信WDM信号を波長λi毎に分波するWDMカプラ(分波器)31と、分波後の波長λi毎に設けられた複数の光受信部32−1〜32−nとをそなえ、これらの光受信部32‐iが、それぞれ、図1に示すモニタ回路8(分周器11,遅延制御器12,サンプラ13,A/Dコンバータ14,波形記録用メモリ15及びCPU又はDSPなどのプロセッサ21)と制御回路9(プロセッサ21,参照データ用メモリ22及びD/Aコンバータ23)とをそなえて構成されている(ただし、この図19においてモニタ回路8,光受信部32−2〜32−nの内部構成の図示はそれぞれ省略している)。
【0108】
つまり、この図19に示す光受信装置1Dは、図1に示す光受信装置1をWDM信号の波長多重数分だけ設けた構成になっているのである。換言すれば、前記の波形劣化検出装置として機能するモニタ回路8及びプロセッサ21(演算手段210)が、波長λi毎に設けられるとともに、上記の分散補償器5Bと、WDMカプラ31で分波された各光信号を受光素子2で光電変換した後の各電気信号についてそれぞれ設けられた周波数特性可変型の複数の等化増幅器5とにより波形劣化補償手段が構成されているのである。
【0109】
そして、各制御回路9が、対応する波形劣化検出装置で検出された受信波形と基準波形との差分が最小となるように対応する等化増幅器5の周波数特性を制御する波長λi毎の等化増幅器制御部として機能し、これらの制御回路9によって、上記の波形劣化補償手段の補償特性を制御する制御手段が実現されているのである。
【0110】
以上のような構成により、本光受信装置1Dでは、分散補償器5Bにて、或る程度、WDM信号の波長分散による波形劣化を光学的に補償した上で、光受信部32−iにおいて、それぞれ、基本態様にて前述した、受信信号のアイパターンのモニタ/記録,基準波形との差分検出,検出した差分を最小にする等化増幅器5の周波数特性制御が実施されて、波長λi毎に電気的な波形劣化補償が行なわれることになる。
【0111】
従って、この場合も、基本態様にて前述したのと同様の利点ないし効果が得られるとともに、上述した実施態様3と同様の理由により、等化増幅器5を構成する移相器52や増幅器53などに必要とされる位相可変幅や利得可変幅などの特性を緩和することができ、より安価に本光受信装置1Dを実現できる。
なお、等化増幅器5による補償のみで十分な補償が行なえる場合は、上記の分散補償器5Bは不要にしてもよい。
【0112】
(C)その他
上述した実施形態では、いずれも、波長分散による波形劣化を検出しているが、偏波モード分散による波形劣化も同じ手法で検出できる。即ち、本発明では、受信波形と基準波形との周波数データの差分を求めるので、その波形劣化の生じた要因が波長分散であろうと偏波モード分散であろうと同じ手法でこれらによる波形劣化量を検出できるのである。
【0113】
従って、偏波モード分散による波形劣化についても、上述した等化増幅器5による補償が同様に可能であり、また、可変分散補償器5Aや5A−iの代わりに、公知の可変偏波モード分散補償器を適用することで、光信号の段階での補償も可能となる。さらに、可変分散補償器5A(5A−i)と可変偏波モード分散補償器とを組み合わせて、波長分散と偏波モード分散との双方による波形劣化を補償することも可能である。特に、この場合は、差分検出系及び補償制御系を波長分散用のものと偏波モード分散用のものとで共通化できるので、装置の小型化を図ることができる。
【0114】
また、上述した実施形態では、いずれも、本発明を、光信号を受信する光受信装置に適用した場合について説明したが、電気信号を受信する受信装置に適用してもよい。さらに、受信信号の波形測定装置として機能する部分〔モニタ回路8(8a,8b)〕や、波形劣化検出装置として機能する部分は、波形劣化を受けた信号を受けうる装置であればどのような装置にも適用され、精度良い波形モニタ,波形劣化量の検出が可能である。
【0115】
また、上述した実施形態では、受信波形データの周波数領域への変換に、FFTを適用しているが、本発明は、これに限定されず、勿論、他の周波数領域への変換手法を適用することも可能である。
そして、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上記以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0116】
(D)付記
(付記1) 受信信号の波形劣化を補償しうる補償特性可変型の波形劣化補償手段と、
該受信信号の波形データ(以下、受信波形データという)を測定する受信波形測定手段と、
該受信波形測定手段により得られた該受信波形データを周波数領域に変換して得られる該受信信号の周波数データと該波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分が最小となるように該波形劣化補償手段の該補償特性を制御する制御手段とをそなえたことを特徴とする、受信装置。
【0117】
(付記2) 該受信波形測定手段が、
該受信信号を等価時間サンプリングして該受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング部と、
該等価時間サンプリング部により得られた該波高データを該受信波形データとして記録する波形データ記録部とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記1記載の受信装置。
【0118】
(付記3) 該等価時間サンプリング部が、
該受信信号に同期した基準クロックに基づくサンプリングタイミングを生成し、その出力タイミングを周期的にシフトしながら出力するサンプリングタイミング生成回路と、
該サンプリングタイミング生成回路で生成された該サンプリングタイミングに従って該受信信号をサンプリングして該波高データを取得するサンプリング回路とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記2記載の受信装置。
【0119】
(付記4) 該サンプリングタイミング生成回路が、
該基準クロックを分周する分周器と、
該分周器の出力を周期的に遅延させながら該サンプリング回路に供給する遅延制御回路とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記3記載の受信装置。
【0120】
(付記5) 該制御手段が、
該基準波形の周波数データを予め記憶する基準波形データ記憶部と、
該受信波形データをフーリエ変換して該受信信号の周波数データを求めるフーリエ変換部と、
該フーリエ変換部により得られた周波数データと該基準波形データ記憶部の周波数データとの差分を演算により求める差分演算部と、
該差分演算部によって求められた該差分が最小となる該波形劣化補償手段の補償特性を求める補償特性決定部と、
該補償特性決定部で得られた該補償特性をもつように該波形劣化補償手段を制御するための制御信号を生成する制御信号生成部とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の受信装置。
【0121】
(付記6) 該波形劣化補償手段が、該補償特性として、可変周波数・位相特性を有する等化増幅器により構成されるとともに、
該制御手段が、該等化増幅器の該周波数・位相特性を制御するように構成されていることを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の受信装置。
(付記7) 該等化増幅器が、
該受信信号に対してそれぞれ異なる通過帯域を有する複数のバンドパスフィルタと、
入力信号について位相調整を施しうる移相器と入力信号をそれぞれ増幅しうる利得可変型の増幅器とが相互に直列接続されて成り、該バンドパスフィルタの出力について位相調整と利得調整とを個々に施しうる複数の位相・利得調整回路とをそなえるとともに、
該制御手段が、
該移相器の位相調整量及び該増幅器での増幅度をそれぞれ個別に制御することにより、該周波数・位相特性を制御するように構成されていることを特徴とする、付記6記載の受信装置。
【0122】
(付記8) 該受信信号が、光伝送路を通じて受信されることにより該波形劣化として該光伝送路のもつ波長分散特性による波形劣化を受けた信号の場合に、
該波形劣化補償手段が、該補償特性として可変分散補償特性を有する可変分散補償器により構成されるとともに、
該制御手段が、
該可変分散補償器の該分散補償特性を制御するように構成されていることを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の受信装置。
【0123】
(付記9) 複数種類の波長を多重した波長多重光信号を光伝送路から受信して上記の波長毎に分波する分波部と、
該光伝送路のもつ分散特性によって該波長多重光信号が受けた波形劣化を補償しうる補償特性可変型の波形劣化補償手段と、
該分波部で分波された各光信号のうち少なくとも1波の特定波長の光信号について設けられ、当該光信号を光電変換した後の受信信号の周波数領域における周波数データと該波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を検出する受信波形劣化検出手段と、
該受信波形劣化検出手段により得られた該特定波長についての差分が最小となるように該波形劣化補償手段の補償特性を制御する制御手段とをそなえたことを特徴とする、受信装置。
【0124】
(付記10) 該波形劣化補償手段が、該分波部の前段に設けられた分散特性可変型の可変光分散補償器として構成されるとともに、
該制御手段が、該可変光分散補償器の分散特性を上記の各波長に共通で一括制御する一括補償制御部として構成されたことを特徴とする、付記9記載の受信装置。
【0125】
(付記11) 該波形劣化補償手段が、該分波部の後段において該光信号を光電変換する前の光信号のそれぞれについて設けられた複数の分散特性可変型の可変光分散補償器により構成されるとともに、
該制御手段が、該特定波長についての該差分に基づいて全波長についての差分を求め、当該差分がそれぞれ最小となるよう上記の各可変光分散補償器の分散補償特性をそれぞれ個別に制御する個別補償制御部として構成されたことを特徴とする、付記9記載の受信装置。
【0126】
(付記12) 該受信波形劣化検出手段が、該波長毎に設けられるとともに、
該波形劣化補償手段が、該分波部の前段に設けられた分散特性可変型の可変光分散補償器と、該分波部で分波された各光信号を光電変換した後の各電気信号についてそれぞれ設けられた周波数・位相特性可変型の複数の等化増幅器とにより構成され、且つ、
該制御手段が、対応する受信波形劣化検出手段で検出された該差分が最小となるように対応する等化増幅器の周波数・位相特性を制御する該波長毎の等化増幅器制御部と、該特定波長についての該差分に基づいて該可変光分散補償器の分散特性を各波長に共通で一括制御する一括補償制御部とにより構成されていることを特徴とする、付記9記載の受信装置。
【0127】
(付記13) 該受信波形劣化検出手段が、該波長毎に設けられるとともに、
該波形劣化補償手段が、該分波部で分波された各光信号を光電変換した後の各電気信号についてそれぞれ設けられた周波数・位相特性可変型の複数の等化増幅器により構成され、且つ、
該制御手段が、対応する受信波形劣化検出手段で検出された該差分が最小となるように対応する等化増幅器の周波数・位相特性を制御する該波長毎の等化増幅器制御部により構成されていることを特徴とする、付記9記載の受信装置。
【0128】
(付記14) 該受信波形劣化検出手段が、
該受信波形データを測定する受信波形測定手段と、
該受信波形測定手段により得られた該受信波形データをフーリエ変換して得られる該受信信号の周波数データと該基準波形の周波数データとの差分を演算により求める演算手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記9〜13のいずれか1項に記載の受信装置。
【0129】
(付記15) 該受信波形測定手段が、
該受信信号を等価時間サンプリングして該受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング部と、
該等価時間サンプリング部により得られた該波高データを該受信波形データとして記録する波形データ記録部とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記14記載の受信装置。
【0130】
(付記16) 該等価時間サンプリング部が、
該受信信号に同期した基準クロックに基づくサンプリングタイミングを生成し、その出力タイミングを周期的にシフトしながら出力するサンプリングタイミング生成回路と、
該サンプリングタイミング生成回路で生成された該サンプリングタイミングに従って該受信信号をサンプリングして該波高データを取得するサンプリング回路とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記15記載の受信装置。
【0131】
(付記17) 該サンプリングタイミング生成回路が、
該基準クロックを分周する分周器と、
該分周器の出力を周期的に遅延させながら該サンプリング回路に供給する遅延制御回路とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記16記載の受信装置。
【0132】
(付記18) 受信信号の波形データ(以下、受信波形データという)を測定する受信波形測定手段と、
該受信波形測定手段により得られた該受信波形データを周波数領域に変換して得られる該受信信号の周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を演算により求める演算手段とをそなえたことを特徴とする、受信信号の波形劣化検出装置。
【0133】
(付記19) 該受信波形測定手段が、
該受信信号を等価時間サンプリングして該受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング部と、
該等価時間サンプリング部により得られた該波高データを該受信波形データとして記録する波形データ記録部とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記18記載の受信信号の波形劣化検出装置。
【0134】
(付記20) 該等価時間サンプリング部が、
該受信信号に同期した基準クロックに基づくサンプリングタイミングを生成し、その出力タイミングを周期的にシフトしながら出力するサンプリングタイミング生成回路と、
該サンプリングタイミング生成回路で生成された該サンプリングタイミングに従って該受信信号をサンプリングして該波高データを取得するサンプリング回路とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記19記載の受信信号の波形劣化検出装置。
【0135】
(付記21) 該サンプリングタイミング生成回路が、
該基準クロックを分周する分周器と、
該分周器の出力を周期的に遅延させながら該サンプリング回路に供給する遅延制御回路とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記20記載の受信信号の波形劣化検出装置。
【0136】
(付記22) 受信信号を等価時間サンプリングして該受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング部と、
該等価時間サンプリング部により得られた該波高データを、波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分演算のために周波数領域に変換されるべき該受信信号の波形データとして記録する波形データ記録部とをそなえたことを特徴とする、受信信号の波形測定装置。
【0137】
(付記23) 該等価時間サンプリング部が、
該受信信号に同期した基準クロックに基づくサンプリングタイミングを生成し、その出力タイミングを周期的にシフトしながら出力するサンプリングタイミング生成回路と、
該サンプリングタイミング生成回路で生成された該サンプリングタイミングに従って該受信信号をサンプリングして該波高データを取得するサンプリング回路とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記22記載の受信信号の波形測定装置。
【0138】
(付記24) 該サンプリングタイミング生成回路が、
該基準クロックを分周する分周器と、
該分周器の出力を周期的に遅延させながら該サンプリング回路に供給する遅延制御回路とをそなえて構成されていることを特徴とする、付記23記載の受信信号の波形測定装置。
【0139】
(付記25) 受信信号の該波形劣化を補償しうる補償特性可変型の波形劣化補償手段をそなえた受信装置において、
該受信信号の波形データ(以下、受信波形データという)を測定する受信波形測定過程と、
該受信波形測定過程で得られた該受信波形データを周波数領域に変換して得られる該受信信号の周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を演算により求める差分演算過程と、
該差分演算過程で得られた差分が最小となるように該波形劣化補償手段の補償特性を制御する制御過程とを実行することを特徴とする、受信信号の波形劣化補償方法。
【0140】
(付記26) 該受信波形測定過程が、
該受信信号を等価時間サンプリングして該受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング過程と、
該等価時間サンプリング過程により得られた該波高データを該受信波形データとして記録する波形データ記録過程とを含むことを特徴とする、付記25記載の受信信号の波形劣化補償方法。
【0141】
(付記27) 該等価時間サンプリング過程が、
該受信信号に同期した基準クロックに基づくサンプリングタイミングを生成するサンプリングタイミング生成過程と、
該サンプリングタイミングの出力タイミングを周期的にシフトするサンプリングタイミングシフト過程と、
該サンプリングタイミングシフト過程において周期的にシフトされたサンプリングタイミングに従って該受信信号をサンプリングして該波高データを取得するサンプリング過程とを含むことを特徴とする、付記26記載の受信信号の波形劣化補償方法。
【0142】
(付記28) 該サンプリングタイミング生成過程が、
該基準クロックを分周する分周過程を含むとともに、
該サンプリングタイミングシフト過程が、
該分周過程での分周後の該基準クロックを周期的に遅延させることにより該サンプリングタイミングを出力する遅延制御過程を含むことを特徴とする、付記27記載の受信信号の波形劣化補償方法。
【0143】
(付記29) 該制御過程が、
該差分演算過程で求められた上記の差分が最小となる該波形劣化補償手段の補償特性を求める補償特性決定過程と、
該補償特性決定部で得られた該補償特性をもつように該波形劣化補償手段を制御するための制御信号を生成する制御信号生成過程とを含むことを特徴とする、付記26〜28のいずれか1項に記載の受信信号の波形劣化補償方法。
【0144】
(付記30) 複数種類の波長を多重した波長多重光信号を光伝送路から受信して各波長の光信号に分波する分波部をそなえた受信装置において、
該分波部で分波された各波長の光信号のうち少なくとも1波の特定波長の光信号について、当該光信号を光電変換した後の受信信号の周波数領域における周波数データと、該光伝送路による波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を検出し、
これにより得られた該特定波長についての差分に基づいて、該波長多重光信号が受けた該波形劣化を補償すべく補償特性可変型の波形劣化補償手段の補償特性を制御することを特徴とする、受信信号の波形劣化補償方法。
【0145】
(付記31) 受信信号の波形データ(以下、受信波形データという)を測定する受信波形測定過程と、
該受信波形測定過程で得られた該受信波形データを周波数変換して得られる該受信信号の周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を演算により求める演算過程とを実行することを特徴とする、受信信号の波形劣化検出方法。
【0146】
(付記32) 該受信波形測定過程が、
該受信信号を等価時間サンプリングして該受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング過程と、
該等価時間サンプリング過程により得られた該波高データを該受信波形データとして記録する波形データ記録過程とを含むことを特徴とする、付記31記載の受信信号の波形劣化検出方法。
【0147】
(付記33) 該等価時間サンプリング過程が、
該受信信号に同期した基準クロックに基づくサンプリングタイミングを生成するサンプリングタイミング生成過程と、
該サンプリングタイミングの出力タイミングを周期的にシフトするサンプリングタイミングシフト過程と、
該サンプリングタイミングシフト過程において周期的にシフトされたサンプリングタイミングに従って該受信信号をサンプリングして該波高データを取得するサンプリング過程とを含むことを特徴とする、付記32記載の受信信号の波形劣化検出方法。
【0148】
(付記34) 該サンプリングタイミング生成過程が、
該基準クロックを分周する分周過程を含むとともに、
該サンプリングタイミングシフト過程が、
該分周過程での分周後の該基準クロックを周期的に遅延させることにより該サンプリングタイミングを出力する遅延制御過程を含むことを特徴とする、付記33記載の受信信号の波形劣化検出方法。
【0149】
(付記35) 受信信号を等価時間サンプリングして該受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング過程と、
該等価時間サンプリング過程により得られた該波高データを、波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分演算のために周波数領域に変換されるべき該受信信号の波形データとして記録する波形データ記録過程とを実行することを特徴とする、受信信号の波形測定方法。
【0150】
(付記36) 該等価時間サンプリング過程が、
該受信信号に同期した基準クロックに基づくサンプリングタイミングを生成するサンプリングシフト過程と、
該サンプリングタイミングの出力タイミングを周期的にシフトするサンプリングタイミングシフト過程と、
該サンプリングタイミングシフト過程において周期的にシフトされたサンプリングタイミングに従って該受信信号をサンプリングして該波高データを取得するサンプリング過程とを含むことを特徴とする、付記35記載の受信信号の波形測定方法。
【0151】
(付記37) 該サンプリングタイミング生成過程が、
該基準クロックを分周する分周過程を含むとともに、
該サンプリングタイミングシフト過程が、
該分周過程での分周後の該基準クロックを周期的に遅延させることにより該サンプリングタイミングを出力する遅延制御過程を含むことを特徴とする、付記36記載の受信信号の波形測定方法。
【0152】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、次のような利点が得られる。
(1)測定した受信波形データを周波数領域に変換して得られる周波数データと基準波形の周波数データとの差分が最小となるように波形劣化補償手段の補償特性を制御して受信信号の波形劣化を補償するので、受信装置の波形劣化の許容範囲を拡大することができる。従って、1種類の受信装置で複数種の伝送路(光伝送路など)や伝送距離に応じた波形劣化に柔軟に対応することができ、伝送システム構築時のコスト及び構築後の管理コスト等を大幅に削減することができる。
【0153】
(2)受信信号の周波数データと基準波形の周波数データとの差分を求めてその差分を最小にするよう補償するので、温度変化などの外的要因により伝送路の特性が変化して波形劣化に変動が生じたとしても、その変化に追従することができる。また、あらゆる波形劣化にも対応可能である。例えば、光伝送路を通じて受信される光信号の場合であれば、波長分散や偏波モード分散,非線形光学効果などによって光信号が受ける波形劣化にも対応することができる。以上により、例えば、10Gb/s(ギガビット毎秒)や40Gb/sといった超高速光信号の伝送にも十分対応可能な受信装置(光受信装置)の実現が可能となる。
【0154】
(3)受信波形の測定は、受信信号を等価時間サンプリングして複数の波高データを取得し、得られた波高データを受信波形データとして記録することにより行なうことで、受信信号が高速信号であっても受信波形データを確実に記録・測定することができるので、高速信号に対しても十分な補償制御を行なえる受信装置を実現することができる。
【0155】
(4)特に、受信信号に同期した基準クロックを分周器で分周して、その分周クロックを遅延制御回路で周期的にシフト(遅延)させながらサンプリングタイミングとしてサンプリング回路に供給する構成を採れば、基準クロックの速度(周波数)に関わらず常に装置内において適切な動作クロックでサンプリングタイミングの生成を行なうことができる。また、整数倍(N)分周する分周器を用いたとしても、遅延制御回路の遅延制御により任意のタイミングでサンプリングタイミングを出力することができるので、簡素な構成で極めて柔軟性に優れた等化時間サンプリングを実現できる。
【0156】
(5)また、本発明では、上記の差分を最小にする波形劣化補償手段の最適な補償特性を一義に決めることができるので、例えば、受信信号品質を監視してその品質が所定の品質を満足するよう波形劣化補償手段の補償特性を制御する場合のように、最適な補償特性を求めるためのスイープ動作等が不要であり、高速且つ確実な補償制御が可能である。
【0157】
(6)なお、上記の波形劣化補償手段は、上記の補償特性として可変周波数・位相特性を有する等化増幅器により構成し、この等化増幅器の周波数・位相特性を制御するように構成すれば、確実に、受信信号の波形劣化補償(受信装置の波形劣化許容範囲の拡大化)を実現することができ、本受信装置の実現に大きく寄与する。
【0158】
(7)また、上記の等化増幅器は、例えば、上記の受信信号に対してそれぞれ異なる通過帯域を有する複数のバンドパスフィルタと、複数の移相器と、複数の利得可変型の増幅器とを用いて構成すれば、周波数・位相特性を複数の通過帯域毎に個々に調整することのできる等化増幅器を実現することができるので、上記の等化増幅器による波形劣化補償を精度良く実現することができ、本受信装置の実現に大きく寄与する。
【0159】
(8)なお、上記波形劣化が光伝送路のもつ分散特性による波形劣化の場合は、上記の波形劣化補償手段として可変光分散補償器を用い、その分散補償特性を制御すれば、光伝送路の分散特性による波形劣化を補償して受信装置(光受信装置)の波形劣化の許容範囲を拡大することができる。従って、光伝送路の種類や距離毎に異なる波長分散補償ファイバを用いなくても、1種類の受信装置で複数種の光伝送路や伝送距離に応じた分散特性による波形劣化に柔軟に対応することができ、安価な受信装置を実現できるとともに、光伝送システム構築時のコスト及び構築後の管理コスト等を大幅に削減することができる。
【0160】
(9)また、本発明では、少なくとも1波の特定波長の受信信号について波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を演算により求め、その差分が最小となるように波形劣化補償手段の補償特性を制御して波長多重光信号の波形劣化を補償することができるので、差分(波形劣化)検出系が最低で1波長分だけでよい。従って、上記と同様の利点ないし効果が得られるほか、受信装置の小型化を図ることもできる。
【0161】
(10)ここで、上記の波形劣化補償手段として、分波前の波長多重光信号についての可変光分散補償器を用い、その分散特性を上記の各波長に共通で一括制御するようにすれば、多波長の光信号に対する補償制御を各波長に共通で一括して行なえるので、制御系の縮小化、ひいては、受信装置の小型化を図ることができる。
【0162】
(11)特に、この場合は、光信号の段階で補償が行なわれるので、光電変換後の電気信号の段階で補償を行なう場合よりも、受信信号の波形劣化許容範囲をさらに拡大して、1種類の受信装置で対応可能な光伝送距離を拡大することができる。従って、さらに、光伝送システム構築時のコスト及び構築後の管理コスト等を削減することができる。
【0163】
(12)また、上記特定波長についての上記差分に基づいて全波長についての差分を求め、それらの差分がそれぞれ最小となるよう、波長毎に設けられた可変光分散補償器の分散補償特性をそれぞれ個別に制御するようにすれば、個々の波長について補償制御が行なわれるので、一括補償制御する場合よりも、精度良い補償が実現され、また、この場合も、光信号の段階で補償が行なわれるので、1種類の受信装置で対応可能な光伝送距離をさらに拡大することができる。
【0164】
(13)さらに、本発明では、2段階の補償、即ち、光信号(WDM信号)の段階で可変光分散補償器による各波長に共通の一括補償と、光電変換後の個々の波長について電気信号の段階での等化増幅器による補償とを行なうこともできるので、全体としての波形劣化補償能力を向上することができ、さらに、受信信号の波形劣化許容範囲をさらに拡大することができる。
【0165】
(14)また、この場合は、光信号の段階の補償が先に行なわれることにより、ある程度、波形劣化を補償した上で、等化増幅器による補償が行なわれるので、等化増幅器に必要とされる補償能力(周波数・位相特性可変幅)を緩和することができ、等化増幅器の低コスト化、ひいては、本受信装置の低コスト化に大きく寄与する。
【0166】
(15)また、上記の受信波形劣化検出手段は、上記の受信信号の波形データ(受信波形データ)を測定する受信波形測定手段と、この受信波形測定手段により得られた受信波形データをフーリエ変換して得られる周波数データと上記の基準波形の周波数データとの差分を演算により求める演算手段とをそなえて構成されるのが好ましい。このようにすれば、受信信号と基準波形との周波数領域における差分を確実に得ることができる。
【0167】
(16)さらに、本発明では、受信波形データを測定し、そのデータから求められる受信信号の周波数領域における周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を演算により求めることで受信信号の波形劣化量を検出することができるので、あらゆる受信装置において受信信号の波形劣化を精度良く検出することができる。
【0168】
(17)また、本発明では、受信信号を等価時間サンプリングしてその受信信号についての複数の波高データを取得し、それにより得られた波高データを、波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分演算のために周波数領域に変換されるべき受信信号の波形データとして記録するので、あらゆる受信装置において、受信信号と基準波形との周波数領域での差分演算に必要とされる波形データを確実に測定(記録)することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光受信装置の要部の基本態様を示すブロック図である。
【図2】図1に示す等化増幅器の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す等化増幅波形モニタ回路での等化時間サンプリングを説明するための模式図である。
【図4】図1に示す光受信装置において使用する基準波形の一例を示す図である。
【図5】図1に示す光受信装置(等化増幅波形モニタ回路)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示す光受信装置(制御回路)の動作〔統計(波形再生)・比較処理〕を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1に示す波形記録用メモリに記録される波高データの一例を示す模式図である。
【図8】図1に示す波高データから統計処理により再生された受信波形の一例を示す模式図である。
【図9】(a)は基準波形、(b)は(a)に示す基準波形の周波数(振幅)成分、(c)は(a)に示す基準波形の群遅延(位相)成分、(d)は波形劣化を受けた受信波形、(e)は(d)に示す受信波形の周波数(振幅)成分、(f)は(d)に示す受信波形の群遅延(位相)成分をそれぞれ示す図である。
【図10】(a)は図9(b)及び図9(e)に示す各波形の比較によって求められる受信波形の周波数(振幅)成分の補正特性、(b)は図9(c)及び図9(f)に示す各波形の比較によって求められる受信波形の群遅延(位相)成分の補正特性、(c)は(a)及び(b)に示す補正特性による補償後の受信波形、(d)は(c)に示す受信波形の周波数(振幅)成分、(e)は(c)に示す受信波形の群遅延(位相)成分をそれぞれ示す図である。
【図11】図1に示す光受信装置(制御回路)の動作(分散補償量決定,等化増幅器による補償制御)を説明するためのフローチャートである。
【図12】図1に示す基本態様の光受信装置の変形例を示すブロック図である。
【図13】図12に示す光受信装置(制御回路)の動作(分散補償量決定,可変光分散補償器による補償制御)を説明するためのフローチャートである。
【図14】WDM光伝送システムに適用される本発明の実施態様1に係る光受信装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図15】図14に示す光受信装置で使用される分散補償テーブルの一例を示す図である。
【図16】WDM光伝送システムにおいてWDM信号が受ける波長分散量を説明するためのブロック図である。
【図17】WDM光伝送システムに適用される本発明の実施態様2に係る光受信装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図18】WDM光伝送システムに適用される本発明の実施態様3に係る光受信装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図19】WDM光伝送システムに適用される本発明の実施態様4に係る光受信装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図20】既存の光伝送システムの一例を示すブロック図である。
【図21】(a)は元の送信波形、(b)及び(c)はいずれも(a)に示す送信波形が波形劣化を受けて受信される波形の一例をそれぞれ示す図である。
【図22】シングルモード光ファイバ(SMF)及び分散シフトファイバ(DSF)の波長分散特性例を示す図である。
【符号の説明】
1,1A〜1D 光受信装置
2 受光素子
3 前置増幅器(プリアンプ)
4 光受信器
5 等化増幅器(波形劣化補償手段)
5A,5A−1〜5A−n 可変光分散補償器(波形劣化補償手段)
5B 光分散補償器
6 クロック(CLK)抽出器
7 識別器
8,8a,8b 等化増幅波形モニタ回路(受信波形測定手段;受信信号の波形測定装置)
9 制御回路(制御手段;等化増幅器制御部)
10 等化時間サンプリング部
11 分周器(サンプリングタイミング生成回路)
12 遅延制御器(サンプリングタイミング生成回路)
13 サンプラ(サンプリング回路)
14 A/D(アナログ/デジタル)コンバータ
15 波形記録用メモリ
21,21a,21b,33a〜35a プロセッサ(CPU又はDSP等)
22 参照データ用メモリ(基準波形データ記憶部)
23,33d,33d−1〜33d−n D/A(デジタル/アナログ)コンバータ
31 WDMカプラ(分波器)
32−1〜32−n 光受信部
33 多チャンネル分散補償制御回路(個別補償制御部;制御手段)
33b チャンネル間データメモリ
33c 制御部
34,35 分散補償制御回路(一括補償制御部;制御手段)
40 光送信装置
50 光中継器(光アンプ)
51 バンドパスフィルタ(BPF)
52 移相器
53 利得可変型の増幅器
210 演算手段
211 FFT部
212 差分演算部
213 補償特性決定部
214 制御信号生成部
331 分散補償テーブル

Claims (20)

  1. 受信信号の受けた波形劣化を補償しうる補償特性可変型の波形劣化補償手段と、
    該受信信号の波形データ(以下、受信波形データという)を測定する受信波形測定手段と、
    該受信波形測定手段により得られた該受信波形データを周波数領域に変換して得られる周波数データと該波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分が最小になるよう該波形劣化補償手段の該補償特性を制御する制御手段とをそなえたことを特徴とする、受信装置。
  2. 該受信波形測定手段が、
    該受信信号を等価時間サンプリングして該受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング部と、
    該等価時間サンプリング部により得られた該波高データを該受信波形データとして記録する波形データ記録部とをそなえて構成されていることを特徴とする、請求項1記載の受信装置。
  3. 該等価時間サンプリング部が、
    該受信信号に同期した基準クロックに基づくサンプリングタイミングを生成し、その出力タイミングを周期的にシフトしながら出力するサンプリングタイミング生成回路と、
    該サンプリングタイミング生成回路で生成された該サンプリングタイミングに従って該受信信号をサンプリングして該波高データを取得するサンプリング回路とをそなえて構成されていることを特徴とする、請求項2記載の受信装置。
  4. 該サンプリングタイミング生成回路が、
    該基準クロックを分周する分周器と、
    該分周器の出力を周期的に遅延させながら該サンプリング回路に供給する遅延制御回路とをそなえて構成されていることを特徴とする、請求項3記載の受信装置。
  5. 該制御手段が、
    該基準波形の周波数データを予め記憶する基準波形データ記憶部と、
    該受信波形データをフーリエ変換して該受信信号の周波数データを求めるフーリエ変換部と、
    該フーリエ変換部により得られた周波数データと該基準波形データ記憶部の周波数データとの差分を演算により求める差分演算部と、
    該差分演算部によって求められた該差分が最小となる該波形劣化補償手段の補償特性を求める補償特性決定部と、
    該補償特性決定部で得られた該補償特性をもつように該波形劣化補償手段を制御するための制御信号を生成する制御信号生成部とをそなえて構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の受信装置。
  6. 該波形劣化補償手段が、該補償特性として、可変周波数・位相特性を有する等化増幅器により構成されるとともに、
    該制御手段が、該等化増幅器の該周波数・位相特性を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の受信装置。
  7. 該等化増幅器が、
    該受信信号に対してそれぞれ異なる通過帯域を有する複数のバンドパスフィルタと、
    入力信号について位相調整を施しうる移相器と入力信号をそれぞれ増幅しうる利得可変型の増幅器とが相互に直列接続されて成り、該バンドパスフィルタの出力について位相調整と利得調整とを個々に施しうる複数の位相・利得調整回路とをそなえるとともに、
    該制御手段が、
    該移相器の位相調整量及び該増幅器の利得をそれぞれ個別に制御することにより、該周波数・位相特性を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項6記載の受信装置。
  8. 該受信信号が、光伝送路を通じて受信されることにより該波形劣化として該光伝送路のもつ分散特性による波形劣化を受けた信号の場合に、
    該波形劣化補償手段が、該補償特性として可変分散補償特性を有する可変分散補償器により構成されるとともに、
    該制御手段が、
    該可変分散補償器の該分散補償特性を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の受信装置。
  9. 複数種類の波長を多重した波長多重光信号を光伝送路から受信して該波長多重光信号を上記の波長毎に分波する分波部と、
    該光伝送路のもつ分散特性によって該波長多重光信号が受けた波形劣化を補償しうる補償特性可変型の波形劣化補償手段と、
    該分波部で分波された各光信号のうち少なくとも1波の特定波長の光信号について設けられ、当該光信号を光電変換した後の受信信号の周波数領域での周波数データと該波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を検出することにより該波形劣化を検出する受信波形劣化検出手段と、
    該受信波形劣化検出手段により得られた該特定波長についての該差分が最小となるように該波形劣化補償手段の補償特性を制御する制御手段とをそなえたことを特徴とする、受信装置。
  10. 該波形劣化補償手段が、該分波部の前段に設けられた分散特性可変型の可変光分散補償器として構成されるとともに、
    該制御手段が、該可変光分散補償器の分散特性を上記の各波長に共通で一括制御する一括補償制御部として構成されたことを特徴とする、請求項9記載の受信装置。
  11. 該波形劣化補償手段が、該分波部の後段において該光信号を光電変換する前の光信号のそれぞれについて設けられた複数の分散特性可変型の可変光分散補償器により構成されるとともに、
    該制御手段が、該特定波長についての該差分に基づいて全波長についての差分を求め、当該差分がそれぞれ最小となるよう上記の各可変光分散補償器の分散補償特性をそれぞれ個別に制御する個別補償制御部として構成されたことを特徴とする、請求項9記載の受信装置。
  12. 該受信波形劣化検出手段が、該波長毎に設けられるとともに、
    該波形劣化補償手段が、該分波部の前段に設けられた分散特性可変型の可変光分散補償器と、該分波部で分波された各光信号を光電変換した後の各電気信号についてそれぞれ設けられた周波数・位相特性可変型の複数の等化増幅器とにより構成され、且つ、
    該制御手段が、対応する受信波形劣化検出手段で検出された該差分が最小となるように対応する等化増幅器の周波数・位相特性を制御する該波長毎の等化増幅器制御部と、該特定波長についての該差分に基づいて該可変光分散補償器の分散特性を各波長に共通で一括制御する一括補償制御部とにより構成されていることを特徴とする、請求項9記載の受信装置。
  13. 該受信波形劣化検出手段が、
    該受信波形データを測定する受信波形測定手段と、
    該受信波形測定手段により得られた該受信波形データをフーリエ変換して得られる該受信信号の周波数データと該基準波形の周波数データとの差分を演算により求める演算手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の受信装置。
  14. 受信信号の波形データ(以下、受信波形データという)を測定する受信波形測定手段と、
    該受信波形測定手段により得られた該受信波形データを周波数領域に変換して得られる該受信信号の周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を演算により求める演算手段とをそなえたことを特徴とする、受信信号の波形劣化検出装置。
  15. 受信信号を等価時間サンプリングして該受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング部と、
    該等価時間サンプリング部により得られた該波高データを、波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分演算のために周波数領域に変換されるべき該受信信号の波形データとして記録する波形データ記録部とをそなえたことを特徴とする、受信信号の波形測定装置。
  16. 受信信号の波形劣化を補償しうる補償特性可変型の波形劣化補償手段をそなえた受信装置において、
    該受信信号の波形データ(以下、受信波形データという)を測定する受信波形測定過程と、
    該受信波形測定過程で得られた該受信波形データを周波数領域に変換して得られる該受信信号の周波数データと該波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を演算により求める差分演算過程と、
    該差分演算過程で得られた差分が最小となるように該波形劣化補償手段の補償特性を制御する制御過程とを実行することを特徴とする、受信信号の波形劣化補償方法。
  17. 該制御過程が、
    該差分演算過程で求められた差分が最小となる該波形劣化補償手段の補償特性を求める補償特性決定過程と、
    該補償特性決定部で得られた該補償特性をもつように該波形劣化補償手段を制御するための制御信号を生成する制御信号生成過程とを含むことを特徴とする、請求項16記載の受信信号の波形劣化補償方法。
  18. 複数種類の波長を多重した波長多重光信号を光伝送路から受信し各波長の光信号に分波する分波部をそなえた受信装置において、
    該分波部で分波された各波長の光信号のうち少なくとも1波の特定波長の光信号について、当該光信号を光電変換した後の受信信号の周波数領域での周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を検出し、
    これにより得られた該特定波長についての差分が最小となるように補償特性可変型の波形劣化補償手段の補償特性を制御することを特徴とする、受信信号の波形劣化補償方法。
  19. 受信信号の波形データ(以下、受信波形データという)を測定する受信波形測定過程と、
    該受信波形測定過程で得られた該受信波形データを周波数領域に変換して得られる該受信信号の周波数データと波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分を演算により求める演算過程とを実行することを特徴とする、受信信号の波形劣化検出方法。
  20. 受信信号を等価時間サンプリングして該受信信号についての複数の波高データを取得する等価時間サンプリング過程と、
    該等価時間サンプリング過程により得られた該波高データを、波形劣化を受けていない基準波形の周波数データとの差分演算のために周波数領域に変換されるべき該受信信号の波形データとして記録する波形データ記録過程とを実行することを特徴とする、受信信号の波形測定方法。
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