JP3797804B2 - 入浴中の異状検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽内の入浴者の異状を早期に検出可能な入浴中の異状検出装置に関し、更に具体的には、ホームセキュリティ分野において、特に高齢者の安否確認システムや緊急通報システムに利用できる入浴中の異状検出装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の入浴中の異状検出装置として、例えば、特開平8−50693号公報に開示されている浴室の異状検出装置がある。この従来装置は、浴槽周辺等の浴室内部に人体検出センサ(赤外線センサや光センサ等)を多数配置し、各人体検出センサが人体を検出すると作動し、全ての人体検出センサの作動パターンを解析することにより異状を検出する構成となっている。例えば、洗い場で転倒した場合には、洗い場周辺の壁面の低い位置に設置した多数の人体検出センサが長時間作動してその作動パターンを解析することにより異状を検出する。また、浴槽内で入浴者が動かなくなった場合には、浴槽周辺或いは浴槽上部に設置した多数の人体検出センサが長時間作動してその作動パターンを解析することにより異状を検出する。このように、この従来装置はホテルや老人センタ等の新設の浴室を対象とした大掛かりなシステムで、家庭の既設の浴室に設置できないという問題があった。また、検出精度を向上させるには、浴室内に人体検出センサを多数配置しなければならず、装置コストが高騰するという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、家庭内での不慮の事故死の一番の原因は入浴中の浴槽内での溺死である。入浴中の死亡は、上記した不慮の事故死である溺死と、心疾患等の入浴中に起こした病死に区分される。これらの合計である入浴死は全国で年間約一万人にのぼり、件数では交通事故死に匹敵する。特に、高齢者の入浴死が多く、大きな問題となっている。入浴死は冬場に多く発生し、入浴行為に伴う血圧変動の大きさが起因している。
特に、入浴中におけるリスクの高い行為として、浴槽に浸かった状態から浴槽から出ようとして立ち上がる行為である。浴槽に浸かった状態では、温熱効果により末梢血管が拡大して血行が良くなり血圧が低下する。更に、その状態において立ち上がると重力の影響で血が下部に移動することにより、脳及び心臓が虚血状態に陥り、脳疾患や心疾患を引き起こす可能性が高まる。健常者でも浴槽から出る際に立ちくらみ等の症状を起こすことがある。浴槽内で意識を失うと、浴槽内に倒れ溺死に至ることが多い。浴槽内で倒れても、浴槽の縁等に頭部や肩が引っ掛かり溺死に至るのを免れることもある。浴槽内で溺死したケースを調べると、長手方向の寸法が短く深い和式の浴槽ではうつ伏せになって溺死し、長手方向の寸法が長く浅い洋式の浴槽では仰向けになって溺死する場合が多い。洗い場で病死或いは事故死する場合もあるが、浴室での死亡は圧倒的に浴槽内での死亡が多い。
浴槽に浸かっている際に、何らかの異状により鼻及び口が沈水すると呼吸が停止し1〜2分後には心臓が停止する。呼吸が停止し脳に酸素が供給されなくなっても、早期に発見し人口呼吸や心臓マッサージを施すことにより蘇生させることができる。沈水時間と蘇生率の関係は、2分で90%、3分で75%、4分で50%、5分で25%と報告されている。即ち、入浴中に溺れた場合、早期に発見すれば蘇生の可能性が高くなることが分かる。
【0004】
本発明は、本願発明者が、上述の問題点に鑑み、更には、浴室内での死亡に至る異状の検出は浴室内全体ではなく浴槽内に限定でき、かかる限定により検出精度及び検出効果を飛躍的に向上できることに着目してなされたものであり、その目的は、入浴中の浴槽内での異状を早期に発見でき、家庭内の既設の浴室で利用でき、経済性にも優れた入浴中の異状検出装置を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る入浴中の異状検出装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、浴槽内における入浴者の動き及び存在を検出可能な動体検出手段と、前記動体検出手段の検出結果に基づいて前記入浴者の異状を判定する異状判定手段と、前記異状判定手段の判定結果に基づいて緊急情報を出力する緊急情報出力手段とを備えてなり、前記動体検出手段は、対面する物体に対して超音波信号を送信可能であって且つ前記物体で反射した超音波信号を受信可能なセンサ部を前記浴槽内の水面下に備え、前記物体までの距離または距離相当量を測定し、その距離または距離相当量が所定値より短いことによって前記浴槽内における前記入浴者の存在を検出し、前記距離または距離相当量が時間的に変化していることによって前記浴槽内における前記入浴者の動きを検出し、前記異状判定手段は、前記動体検出手段が前記浴槽内における前記入浴者の存在を検出し、且つ、前記入浴者の動きを検出しない場合であって、その状態が所定時間継続した場合に前記入浴者が異状であると判定し、異状検出信号を前記緊急情報出力手段に対して出力する点にある。
【0006】
同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一の特徴構成に加えて、前記異状判定手段は、前記入浴者が異状であると判定した場合に最初に所定の警告音または警告メッセージを発生し、前記異状である状態がさらに所定時間継続した場合は所定の警報音または警報メッセージを発生するように前記緊急情報出力手段に警報信号を送信する点にある。
【0007】
同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第一または第二の特徴構成に加えて、前記センサ部が、前記入浴者の正面と対面する前記浴槽の内壁面に設置されている点にある。
【0008】
同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第一、第二または第三の特徴構成に加えて、前記異状判定手段の判定結果に基づいて前記浴槽内の湯水を強制的に排水する強制排水手段を備えている点にある。
【0009】
同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第四の特徴構成に加えて、前記強制排水手段の強制排水状態を解除する解除手段を備えている点にある。
【0010】
以下に作用並びに効果を説明する。
本発明の第一の特徴構成によれば、先ず、センサ部が浴槽内の水面下に設置されているため、入浴者の浴槽内の水面下での動きを検出できる。このことは、入浴者の動作は、入浴者が比較的静止状態にあって水面より上方にある肩や頭部が静止している場合であっても、水中内での手足は何らかの動きがある場合が多いため、水面より上側の入浴者の動きより、水面下での動きを検出できる方が、入浴者が真に静止しているかが精度良く検出でき、その結果、前記異状判定手段が精度良く入浴者の異状を検出できるのである。
また、浴槽外から水中内での手足の動きを精度良く検出するのは、浴槽外に設置されたセンサから発射された超音波、電磁波(光、赤外線を含む)が水面で反射されるため、極めて困難である。
更に、動体検出手段は超音波信号を用いているため、浴槽内の水面下、即ち水中に設置されても、水中での入浴者の動き及び存在を精度良く検出できるのである。即ち、超音波は水中でも余り減衰せずに伝搬するが、電磁波(光、赤外線を含む)によるセンサでは水中での信号の減衰が大きく高精度の検知には不適切である。
このように動体検出手段が浴槽内の入浴者の存在と静止状態を検出すると、異状判定手段がその検出結果に基づいて入浴者の異状を判定し、その判定結果に基づいて緊急情報出力手段が緊急情報を出力することにより、その緊急情報を受けた同居人等の第三者が入浴者を早期に救助することができるのである。
更に、動体検出手段はセンサ部が対面する物体までの距離または距離相当量を測定するので、センサ部の設置位置から対面する浴槽の内壁までの距離が既知であるため、測定した距離または距離相当量がその既知の距離より短ければ、入浴者が浴槽内に存在していると判断できる。
ここで、前記物体までの距離は、センサ部が超音波信号を発信してから前記物体で反射した反射信号を受信するまでの反射時間と水中の伝搬定数から求められるが、前記距離相当量とは、前記反射時間等の前記距離を一義的に導出できる物理量を意味する。以下、前記距離相当量は前記距離と同義として省略する。
また、動体検出手段が、その所定値より短いとして測定した距離が時間的に変化している場合は、入浴者が動いていると判断できる。この場合、異状判定手段は入浴者が異状ではないと、つまり浴槽内で溺れた結果静止しているのではないと判断する。逆に、入浴者が浴槽内に存在していると判断したのにもかかわらず、動体検出手段がその所定値より短いとして測定した距離が一定時間変化しない場合は、入浴者が何らかの異状によって静止状態にあると異状判定手段が判定し、異状検出信号を前記緊急情報出力手段に対して出力する。この結果、前記緊急情報出力手段はその異状検出信号を受信して緊急情報を出力して、第三者に浴槽内で入浴者に何らかの異状が発生していることを報知することができるのである。
【0011】
ここで、動体検出手段と異状判定手段の協動により入浴者の異状を判定することにより上記の作用効果が発揮されることから、これらは一体で構成されていても、或いは、別体で構成されていても構わない。また、動体検出手段のセンサ部と、前記センサ部が検出した、例えば、入浴者の存在と動きを検出可能な入浴者までの距離等の物理量に基づいて入浴者の存在と動きを検出する動体検出手段の信号処理部が、一体で構成されていても、或いは、分離して構成され、その信号処理部と異状判定手段が一体で構成されていても、何れであっても構わない。要するに、動体検出手段と異状判定手段の内の少なくとも前記センサ部が浴槽内水面下に設置されていればよい。
【0012】
同第二の特徴構成によれば、異常判定手段が最初に入浴者が異常であると判定した場合に警告音または警告メッセージを発生する「警告モード」に入り、さらにその状態が所定時間継続した場合に緊急情報出力手段に警報信号を送信する「警報モード」に入るので、上記第一の特徴構成による作用効果を確実に奏することができるのである。
【0013】
同第三の特徴構成によれば、センサ部が入浴者の背中と対向しないため、入浴者の浴槽内での肢体の動きを的確に検出することができ、誤って入浴者が静止していると判定されて緊急情報が出力されることを防止でき、結果として、本願装置の実用性を向上させることができるのである。
【0014】
同第四の特徴構成によれば、緊急情報出力手段が出力した緊急情報を受けた第三者が入浴者を救助するまでの間、入浴者が、入浴者の鼻や口が浴槽の湯水内に沈水した呼吸不能な状態で、長時間にわたり放置されるのを防止できるのである。つまり、浴槽内の湯水が強制的に排水されるため、その水位が低下し、入浴者の鼻や口が沈水状態から開放され、第三者による救助までに呼吸可能な状態に復帰するために、第三者の救助によって蘇生する可能性が飛躍的に向上することが期待されるのである。
また、第三者が入浴者を救助する際、通常、入浴者をそのままの状態で浴槽外に救出するのが困難であるため、浴槽内の湯水を排水する必要が生じるが、本特徴構成によれば、その手間も省けるので、入浴者の救助が一層迅速に行えるのである。
【0015】
同第五の特徴構成によれば、入浴者や同居人等の救助に来た第三者が、強制排水を停止する必要があるときに、その強制排水を解除できるのである。例えば、入浴者が入浴中に居眠りをしていたため異状と判定されて浴槽内の湯水の強制排水が開始したときに、入浴者がかかる状況に気付いた場合に、その湯水が完全に排水される前に、その排水を停止できるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る入浴中の異状検出装置(以下、本発明装置という。)の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、本発明装置は、浴槽1内の入浴者2の動き及び存在を検出可能な動体検出手段3と、前記動体検出手段3の検出結果に基づいて前記入浴者2の異状を判定する異状判定手段4と、前記異状判定手段4の判定結果に基づいて緊急情報を出力する緊急情報出力手段5と、前記異状判定手段4の判定結果に基づいて前記浴槽1内の湯水を強制的に排水する強制排水手段6を備えて構成されている。
【0018】
前記動体検出手段3は、前記浴槽1内に超音波信号を一定のサンプリング間隔で放射して、前記浴槽1内の前記入浴者2や前記浴槽1の内壁面等の対象物からの反射信号を受信して、前記超音波信号の前記対象物までの往復時間と水中の伝搬定数から前記対象物までの距離を測定するセンサ部3aと、前記センサ部3aの測定した距離情報を含む距離信号Dを前記センサ部3aから受信して前記入浴者2の存在と動きを検出する信号処理部3bとから構成されている。
尚、前記サンプリング間隔は5秒に設定されている。また、前記センサ部3aと前記信号処理部3bは分離して別体で構成されており、前記センサ部3aは、前記入浴者2の正面(胸側)と対面する前記浴槽1の第1内壁面1aに水面7より下側に位置するように設置されている。この第1内壁面1aは、前記入浴者2が前記浴槽1の長手方向に沿って脚を伸ばして入浴した場合、前記入浴者2の足先側に位置している。一般には、前記浴槽1の内壁面の内の、排水口の栓に繋いである鎖の一端を係止してある内壁面や、給湯機能付の浴槽等では、給湯口の設けられてある内壁面に、少なくとも前記センサ部3aを取り付ける。通常、入浴者はかかる内壁面を背にしてもたれないからである。
【0019】
前記信号処理部3bは、前記サンプリング間隔毎に前記距離信号Dを受信し、前記距離信号Dの示す前記対象物までの距離Lが前記センサ部3aとそれと対面する前記浴槽1の第2内壁面1bまでの距離Lbに対して許容誤差範囲内(Lb±5%)であれば、前記浴槽1内の前記入浴者2が存在していないと判定し、この状態が一定時間(本実施形態では60秒に設定している。)継続すると「非入浴モード」に入る。また、「非入浴モード」において、前記距離信号Dを受信した結果、前記距離Lbに対して許容誤差範囲内(Lb−5%)より短い場合には、前記浴槽1内の前記入浴者2が存在していると判定し、「入浴モード」に入る。更に、前記信号処理部3bは、「入浴モード」において、前記距離信号Dが前回のサンプリング値から一定の許容誤差以上変化している場合は、前記入浴者2が動いていると判定し、逆に、前記許容誤差以上変化していない場合は、前記入浴者2が前記浴槽1内で静止していると判定し、静止検出信号Sを発信するように構成されている。
尚、前記サンプリング間隔はモードの如何によらず固定であっても構わないが、「非入浴モード」でその設定を長くして、電力消費を抑制するように構成してもよい。
【0020】
ところで、前記センサ部3aの測定した前記距離情報の使用目的は、前記対象物までの正確な距離を測定することではなく、前記対象物が動いているか静止しているかが判断できれば十分であることから、前記距離情報は前記対象物までの平均距離であっても最短距離であってもよい。また、距離情報は、実際の距離を表す絶対値でなくても、前記往復時間であってもよく、また、相対値であってもよい。
【0021】
前記異状判定手段4は、「入浴モード」において、前記信号処理部3bから前記静止検出信号Sを受信し、その受信状態が10秒間(2サンプリング間隔分)継続すると、「警告モード」に入り、「警告モード」に入ってから、前記静止検出信号Sの受信状態が更に10秒間(合計20秒間)継続すると「警報モード」に入り、警報信号Wを発信するように構成されている。
前記異状判定手段4は、「警告モード」に入ると、浴室内において所定の警告音または警告メッセージを発生し、前記入浴者2に対して、体を動かすように促す。ここで、前記入浴者2が正常であれば、その警告音または警告メッセージを聞いて体を動かすことにより、「警告モード」が解除され、「警報モード」に入ることはない。ここで、一旦「警告モード」になった場合は、体を動かしても解除されず、解除ボタンの押下等の所定の解除操作で「警告モード」を解除するようにしても構わない。
【0022】
前記信号処理部3bと前記異状判定手段4は同じ電子回路内に構成する方が、信号処理上便利である。例えば、前記距離信号Dが前回のサンプリング値から前記許容誤差以上変化していない場合に、前記サンプリング間隔毎に所定のカウンタをカウントアップし、前記許容誤差以上変化した場合に、そのカウンタをリセットするように構成した場合、前記静止検出信号Sを前記カウンタのカウンタ出力とすれば、前記異状判定手段4は、そのカウンタ値が「2」になれば、「警告モード」に入り、引き続いて「4」になれば、「警報モード」に入るようにすればよい。
本実施形態では、前記信号処理部3bと前記異状判定手段4を一体で判断部8を形成し、前記センサ部3aと分離した構成としている。また、この判断部8は浴室壁面等に取り付け可能な構造となっている。
【0023】
「警告モード」において、前記入浴者2に異状があれば、その警告音または警告メッセージを聞いても体を動かす等の解除操作を行わないため、「警告モード」が解除されずに「警報モード」に入り、前記緊急情報出力手段5は、前記異状判定手段4から発信された前記警報信号Wを受信する。
【0024】
前記緊急情報出力手段5は、「警報モード」に入り、前記警報信号Wを受信すると、スピーカ等の所定の出力装置9から警報音または警報メッセージを発生させる。前記出力装置9は浴室外の同居人等の第三者がいる部屋や廊下等に設置されている。ここで、前記出力装置9の設置箇所が浴室から遠く離れている場合は、有線或いは無線の通信手段を介して、前記緊急情報出力手段5と前記出力装置9を接続するようにしても構わない。例えば、前記出力装置9は携帯電話端末等の携帯型の装置であってもよい。また、前記入浴者2が独居人である場合は、前記出力装置9はセキュリティ会社や病院等の外部機関に設置して、前記緊急情報出力手段5と電話回線等を介して接続し、これらの外部機関に当該警報音または警報メッセージが通報できるようにしても構わない。
【0025】
前記強制排水手段6は、前記異状判定手段4から有線或いは無線の通信手段を介して前記警報信号Wを受信する受信部6aと、前記浴槽1内の湯水を前記浴槽1外に強制排出する排水部6bから構成されており、また、前記浴槽1の壁面に取り付け可能な構造となっている。
前記排水部6bは、前記警報信号Wを受信するとモータポンプを作動させて、前記浴槽1内の湯水を汲み上げて洗い場等の前記浴槽1外に排水する。前記排水部6bの電源は、所定の内蔵電池であっても、商用電源からの電力供給であっても構わない。また、前記排水部6bの排水能力は、溺死寸前の患者の蘇生率が上述の如く4分以上で50%以下に低下するため、遅くとも4分以内に沈水した鼻や口が離水するように設定しなければならない。このため、前記モータポンプは前記浴槽1の湯水を満水状態から半分の貯水状態にまで遅くとも4分で排水できるものを使用する。例えば、前記浴槽1の満水容量が280リットルの場合は、前記モータポンプの排水能力は35リットル/分以上が望ましい。尚、この値は一例であって、前記モータポンプの排水能力は前記浴槽1の満水容量や形状等を考慮して適宜変更するものとする。
【0026】
ところで、前記強制排水手段6には、前記入浴者2に異状が無かったにもかかわらず、例えば、前記入浴者2が居眠りをしていた等の理由により、「警告モード」における前記警告音または警告メッセージが聞こえず「警報モード」に入り、前記浴槽1の湯水の強制排水が開始された場合に、前記入浴者2や救助者が当該強制排水を解除できる解除手段が設けられてある。具体的には、前記排水部6bの作動を強制停止する解除ボタン6cが前記強制排水手段6の前記入浴者2が操作容易な位置に設けられている。
【0027】
以下に別実施形態を説明する。
〈1〉上記実施の形態では、前記センサ部3aと前記判断部8を分離した構成としていたが、これらを一体で水中に設置可能に構成しても構わない。
更に、「警告モード」における前記警告音または警告メッセージは前記異状判定手段4が発生するように構成されていたが、前記緊急情報出力手段5を浴室内に設置して、前記緊急情報出力手段5が発生するようにしても構わない。
【0028】
〈2〉「警告モード」や「警報モード」に入るタイミング、及び、その他のタイミングや許容誤差範囲の設定は、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、「警告モード」は必ずしも設ける必要はなく、直接「警報モード」に入るように構成されていても構わない。
【0029】
〈3〉前記強制排水手段6は必ずしも前記モータポンプで湯水を汲み上げる構成でなくても構わない。例えば、前記浴槽1の排水口の止水を電磁弁で制御するようにして、前記強制排水手段6が前記警報信号Wを受信すると前記電磁弁を作動させて前記排水口を開成するようにしても構わない。また、電磁弁を設けた強制排水専用の排水口を前記浴槽1に設けても構わない。更に、前記強制排水手段6が前記警報信号Wを受信すると排水口の栓をワイヤー等で機械的に引き抜く手段を設けても構わない。
【0030】
〈4〉「警告モード」や「警報モード」において、前記警告音または警告メッセージ、或いは、前記警報音または警報メッセージを発生する代わりに、光の点滅や振動等の他の出力手段を用いて、警告や警報を行っても構わない。
【0031】
〈5〉上記実施の形態では、本発明装置は、既設の浴槽に後から装着できる形態のものを示したが、新規に浴槽を設置する場合は、本発明装置を予め内蔵した浴槽を使用しても構わない。
【0032】
〈6〉前記強制排水手段6の強制解除状態を解除する解除手段は必ずしも前記強制排水手段6に設けなくても構わない。
例えば、前記異状判定手段4に「警報モード」を強制解除する解除ボタン等を設け、「警報モード」の解除と同時に前記警報信号Wの発信を停止するようにし、前記強制排水手段6は、前記警報信号Wの受信の停止と同時に当該強制排水を停止するように構成しても構わない。
【0033】
〈7〉上記実施の形態では、本発明装置は前記強制排水手段6を具備した構成となっていたが、前記強制排水手段6は必ずしも設けなくても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る入浴中の異状検出装置の構成を示す説明図
【図2】本発明に係る入浴中の異状検出装置の設置状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 浴槽
1a 第1内壁面
1b 第2内壁面
2 入浴者
3 動体検出手段
3a センサ部
3b 信号処理部
4 異状判定手段
5 緊急情報出力手段
6 強制排水手段
6a 受信部
6b 排水部
6c 解除ボタン
7 水面
8 判断部
9 出力装置
D 距離信号
S 静止検出信号
W 警報信号
Claims (5)
- 浴槽内における入浴者の動き及び存在を検出可能な動体検出手段と、
前記動体検出手段の検出結果に基づいて前記入浴者の異状を判定する異状判定手段と、
前記異状判定手段の判定結果に基づいて緊急情報を出力する緊急情報出力手段とを備えてなり、
前記動体検出手段は、対面する物体に対して超音波信号を送信可能であって且つ前記物体で反射した超音波信号を受信可能なセンサ部を前記浴槽内の水面下に備え、前記物体までの距離または距離相当量を測定し、その距離または距離相当量が所定値より短いことによって前記浴槽内における前記入浴者の存在を検出し、前記距離または距離相当量が時間的に変化していることによって前記浴槽内における前記入浴者の動きを検出し、
前記異状判定手段は、前記動体検出手段が前記浴槽内における前記入浴者の存在を検出し、且つ、前記入浴者の動きを検出しない場合であって、その状態が所定時間継続した場合に前記入浴者が異状であると判定し、異状検出信号を前記緊急情報出力手段に対して出力する入浴中の異状検出装置。 - 前記異状判定手段は、前記入浴者が異状であると判定した場合に最初に所定の警告音または警告メッセージを発生し、前記異状である状態がさらに所定時間継続した場合は所定の警報音または警報メッセージを発生するように前記緊急情報出力手段に警報信号を送信する請求項1記載の入浴中の異状検出装置。
- 前記センサ部が、前記入浴者の正面と対面する前記浴槽の内壁面に設置されていることを特徴とする請求項1または2記載の入浴中の異状検出装置。
- 前記異状判定手段の判定結果に基づいて前記浴槽内の湯水を強制的に排水する強制排水手段を備えている請求項1、2または3記載の入浴中の異状検出装置。
- 前記強制排水手段の強制排水状態を解除する解除手段を備えている請求項4記載の入浴中の異状検出装置。
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JP2000099855A (ja) | 2000-04-07 |
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